JP3953687B2 - 焼成処理方法および焼成炉 - Google Patents

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工用素材の焼成処理を行う焼成処理装置に関し、特に、プラズマディスプレイパネル用の基板の加工用素材の焼成処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネル(以下PDPとも記す)は、その奥行きの薄いこと、軽量であること、更に鮮明な表示と液晶パネルに比べ視野角が広いことにより、種々の表示装置に利用されつつある。
一般に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にネオン、キセノン等を主体とするガスを封入した構造となっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。特に情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させている。
【0003】
ここで、PDPの構成を、図5に示すAC型PDPの1例を挙げて説明しておく。
図5はPDP構成斜視図であるが、分かり易くするため前面板(ガラス基板710)、背面板(ガラス基板720)とを実際より離して示してある。
図5に示すように、2枚のガラス基板710、720が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板720上に互いに平行に設けられた障壁(セル障壁とも言う)730により、一定の間隔に保持されている。
前面板となるガラス基板710の背面側には、放電維持電極である透明電極740とバス電極である金属電極750とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って、誘電体層760が形成されており、更にその上に保護層(MgO層)770が形成されている。
また、背面板となるガラス基板720の前面側には前記複合電極と直交するように障壁730間に位置してアドレス電極780が互いに平行に形成されており、更に障壁730の壁面とセル底面を覆うように螢光面790が設けられている。
障壁730は放電空間を区画するためのもので、区画された各放電空間をセルないし単位発光領域と言う。
このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加して放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そして、この放電により生じる紫外線により螢光体790を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認できるものである。
なお、DC型PDPにあっては、電極は誘電体層で被膜されていない構造を有する点でAC型と相違するが、その放電効果は同じである。
また、図5に示すものは、ガラス基板720の一面に下地層767を設けその上に誘電体層765を設けた構造となっているが、下地層767、誘電体層765は必ずしも必要としない。
【0004】
そして、AC型のプラズマディスプレイ(PDP)は、例えば、図4に示すようにして、作製されていた。
図4はAC型のPDP作製工程を示したもので、背面板、前面板をそれぞれ別個の工程で作製し、両者を用いてPDPをアセンブリするものである。
先ず、背面板の作製工程を説明する。
尚、S51〜S74は処理ステップを表す。
はじめに、ガラス基板を用意し(S51)、ガラス基板上に電極配線用ペーストを一面に塗布、乾燥し、これを製版処理を経て、所定形状に加工して、あるいは、ガラス基板に厚膜印刷法により電極配線用ペーストを所定形状に印刷した後、これを焼成し、電極配線を形成する。(S52)
次いで、形成された電極上にガラス基板面を覆うように全面に誘電体層を形成する。(S53)
次いで、このガラス基板の誘電体層上に障壁(バリアリブとも言う)を、印刷法ないしサンドブラスト法により形成する。(S54)
印刷法の場合、ガラス基板に厚膜印刷法により障壁(バリアリブ)形成用ペーストを所定のパターンに印刷し、これを乾燥する。障壁の層厚は厚く(例えば100〜200μmの厚さ)1回の厚膜印刷ではこの膜厚が得られないため、障壁形成用ペーストの印刷および乾燥は複数回行う。所定の膜厚が得られた後、ペーストの焼成がなされる。
サンドブラスト法の場合は、障壁形成材料をガラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレシストパターンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジストパターンに対応した形状に障壁形成材料を加工して、これを焼成して障壁を形成する。
更に、障壁が形成された基板に厚膜印刷法により蛍光体用ペースト(例えば、酸化インジウム含有の螢光体用ペースト)を所定パターンに印刷し、次いでその乾燥及び焼成を行い(S55)、背面板を形成する。(S56)
【0005】
次に、前面板の作製工程を説明する。
先ず、ガラス基板を用意し(S61)、ガラス基板に例えばITO(Indium Tin Oxide)の蒸着層をパターニングする。(S62)
パターニングは通常のフォトリソ工程(リソグラフィー技術)により行う。
次いで、Cr−Cu−Cr(クロム、銅、クロム)の3層を蒸着やスパッタリングにより成膜し、同様にフォトリソ工程(リソグラフィー技術)によりパターニングして、パターニングされたITO膜とともに、放電用の電極配線を形成する。(S63)
次いで、ペースト状にした低融点ガラスのベタ印刷により、透明誘電体層を形成して(S64)、前面板が得られる。(S65)
【0006】
次いで、このようにして得られた、背面板、前面板を用い、以下のようにしてPDPを作製する。
先ず、前面板及び背面板の位置合わせを行い、その状態で両基板の縁部分にシール用鉛ガラスを塗布し、次いでシールが行われる。(S71)
次に、両基板(背面板と前面板)及びシール部で囲われる空隙内が排気管を介して排気された後、この排気管を介して上述の空隙に放電ガスが封入される。(S72)
その後、排気管の焼きちぎり(チップオフ)を行い、ドライバIC取付けを行い(S73)、PDP(プラズマディスプレイパネル)が得られる。(S74)上記のように、PDPの作製に際し、これに使用する背面板、前面板は、それぞれ、各種工程を経て、電極配線部、障壁部、螢光体部、誘電体層部等が形成され、併せてPDPとなる。
【0007】
このようなPDPの作製においては、最近では、生産性、品質面等から、電極配線部の形成、障壁の形成等をサンドブラスト処理により行うようになってきた。
このサンドブラスト処理は、電極配線部、障壁形成用の低融点ガラスペーストからなる加工用素材を、それぞれ、ガラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレシストパターンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジストパターンに対応した形状に障壁形成材料を加工して、これを焼成処理して、それぞれ、電極配線部、障壁を形成するものである。
しかし、ガラス基板上としては、アニール処理された基板が用いられ、各処理を施すが、このような焼成処理が、複数回行われるために、各処理においても、ガラス基板自体の伸縮の管理が必要となる。
このため、ここで言う焼成処理とは、図3にその処理における温度プロファイルを示すように、これら低融点ガラスペーストからなる加工用素材をガラス基板上に形成した後に、加工用素材を焼成するキープ温度Tkで、所定時間保持した後、ガラス基板の歪点Tsまで徐冷し、さらに常温まで冷却するのもので、これにより、各処理におけるガラス基板自体の伸縮を制御している。図3中、T0は常温を示している。
尚、アニール工程とは、簡単には、ガラス基板の永久歪を除去する処理である。そして、ガラス基板の歪点とは、この温度からどんなに急冷しても、その急冷のために新しく永久歪を生ぜしめる可能性が全くない温度である。歪点(温度)から常温まで温度を急冷する際、この間でもガラス基板は縮むが、急冷速度を一定としておけば、その縮む値を固定化することができる。即ち、ピーク温度から歪点までの冷却速度の値により、伸縮量を制御できる。
また、焼成工程のピーク温度は、通常、加工用素材を焼結するための温度で、所定時間、このピーク温度で保持するため、ここでは、これをキープ温度とも言っている。
また、通常、電極配線形成用の導電性ペーストは、金属微粒子(例えばAg)、低融点ガラスフリット、樹脂、溶剤からなり、誘電体層形成用のペーストは、低融点ガラスフリット、樹脂、溶剤からなり、必要に応じフィラー、顔料等も加えたものである。また、障壁形成用のペーストは、低融点ガラスフリット、フィラー(アルミナ、ジルコニア等)、顔料、樹脂、溶剤からなる。
これらのペーストは、焼成過程で流動して固着するための低融点ガラスフリットを主成分とし含むことから、一般に、低融点ガラスないし低融点ガラスペーストと呼ばれる。
【0008】
一方、PDPは、液晶表示装置とのコスト比較の面から、益々その低コスト化が求められ、これに伴い、PDP基板の効率的な作製、作製コストの低下が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、近年のPDPの大型化、高品質化、量産化が求められる中、PDP用の処理基板の焼成処理を効率的に、且つ、品質的にも満足できるように行う焼成処理装置がますます求められるようになってきた。
本発明は、これに対応するもので、PDP用の背面板、前面板の作製において、PDPの大型化、高品質化、量産化に対応できる焼成処理方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼成処理方法は、加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送しながら、プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成する焼成処理方法であって、冷却部内において、処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の焼成炉は、プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成するための焼成炉であって、加熱部と冷却部とを備え、焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送するもので、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、所定時間ほぼ停止させる搬送部と、冷却部内の所定位置に停止された処理基板の一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける送風部を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記における搬送部が、タクト搬送を行う搬送部であることを特徴とするものである。
そしてまた、上記において、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるための位置検出部として、焼成炉外に光学的な位置センサーを設けていることを特徴とするものである。
尚、ここでは、連続移動による搬送と停止とを繰り返しながら、焼成炉内を所定方向に搬送する搬送方法のことを、タクト搬送と言う。
【0012】
【作用】
本発明の焼成処理方法は、このような構成にすることにより、PDP用の背面板、前面板の作製において、PDPの大型化、高品質化、量産化に対応できる焼成処理方法の提供を可能としている。
具体的には、加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送しながら、プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成する焼成処理方法であって、冷却部内において、処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却することにより、これを達成している。
即ち、冷却部内において、処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却することにより、大サイズの処理基板に対し、基板内の温度分布を少なくでき、割れの発生を防止できるとともに、その処理性を上げることができる。
詳しくは、これにより、プラズマディスプレイ用のガラス基板上への電極配線形成のための製版、障壁形成のための製版等、低融点ガラスペーストを塗布し、これを乾燥した後にフォトマスクを用いて製版を行う、パターニング方法において、ガラス基板の伸縮に起因する、フォトマスクの作製上の問題や、管理上の問題を無くすことを可能にするとともに、焼成工程における基板の割れ発生を防止し、且つ、焼成工程における処理時間の短縮を可能とするものである。
【0013】
本発明の焼成炉は、このような構成にすることにより、本発明の焼成処理方法を実施可能とするもので、具体的には、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、所定時間ほぼ停止させる搬送部と、冷却部内の所定位置に停止された処理基板の一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける送風部を備えていることにより、これを達成している。
上記搬送部としては、タクト搬送を行う搬送部が1例として挙げられるがこれに限定はされない。
また、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるための位置検出部として、焼成炉外に光学的な位置センサーを設けたものが挙げられる。通常は、1つのセッターに対し処理基板1枚をこの上に搭載するが、所定の複数枚の基板を1つの単位として、タクト搬送しても良く、これらの搬送方法に対応した、送風部を設けことが必要である。
PDP用の処理基板の焼成においては、処理基板がたわむほどの温度に上げて焼成する為、処理基板の搬送方法としては、耐熱ガラス基板からなるセッター上に処理基板を載せてローラー式コンベアにより搬送する方式が一般的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の例を挙げて説明する。
図1は、本発明の焼成処理装置の実施の形態の1例の概略断面図で、図2は処理基板の割れの発生防止を説明するための図で、図2(a)は処理基板の上面図、図2(b)は処理基板の相対的な温度分布を示した図で、図2(c)は処理基板の周辺における欠け部にかかる応力を説明するための図である。
図1、図2中、111は搬入部、112加熱部、113は加熱ゾーン、114は冷却部、115は冷却ゾーン、116は搬出部、120はヒータ、125はマッフル、130は回転ロール、141、142、143は仕切りシャッター、151〜154は排気部、161、162は送風機、170は処理基板、175は欠け部、180はセッター、191は投光部、192は受光部、195は(検知用の)光線である。
尚、太点線矢印は処理基板の搬送方向を示し、それ以外の矢印は排気の方向を示している。
また、加熱部112には、加熱ゾーン113のようなものが、複数個設けられており、冷却部114には、冷却ゾーン115のようなものが、複数個設けられいる。
先ず、本発明の焼成炉の実施の形態の1例を図1に基づいて説明する。
本例は、障壁形成のための低融点ガラスペーストからなる加工用素材を設けたPDP用の背面板(処理基板170)をセッター180に載せ、ほぼ水平にして、処理基板170を順次、所定の方向(図1の太点線矢印方向)にタクト搬送しながら加工用素材を焼成するための焼成炉である。
尚、各加熱ゾーン113、各冷却ゾーン115は、それぞれ、処理基板170がタクト搬送される際に、所定時間ほぼ停止するタクトゾーンでもある。
【0015】
搬送部は、タクト搬送しながら、冷却部114内においても、所定の位置に処理基板170を、所定時間ほぼ停止させ、停止された処理基板の両面に、それぞれ、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける、送風機161、612を備えている。
搬送部は、詳しく図示していないが、複数のローラー式コンベアを設けており、これにより、セッターをタクト搬送する。
搬送部は、加熱部112と冷却部114からなる焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板170をセッター180と呼ばれる搭載用部材に搭載して、所定の方向にタクト搬送する。
ここでは、セッター180として耐熱ガラス基板を用い、セッター(180)1枚に対して処理基板(170)1枚を搭載する。
搬送するローラー式コンベアのローラーの材質や壁部の材質としては、焼成処理温度に耐えることが必要で、ここでは、ステンレスローラーを用い、セッターとの接触部はセラミックとしている。
尚、ここでは、複数のローラーをほぼ同じ回転速度で回転させて処理基板を搬送させる機構をローラー式コンベア、あるいは単にコンベアといっており、通常、1つのローラー式コンベアは1つの駆動源により複数のローラーをほぼ同じ速度で回転させる。
【0016】
図示していないが、加熱部112には、搬送方向に沿い、加熱ヒータが複数配設されており、加熱ヒータは、各加熱ゾーン113ごとに、分割して、それぞれ別に温度制御できる。
加熱ヒータとしては、遠赤外線ヒータが防塵効果の点から好ましいが、これに限定はされない。
【0017】
冷却部114において処理基板170の位置を確実に制御するため、投光部191、受光部192からなる光位置センサが、焼成炉外(冷却部114の外)に設けられている。
所定位置を通るように、投光部191から投光された光線195を受光部192にて検知るもので、セッター180がこの位置にきて、光が遮断されたとき、セッター180がこの位置であることを検知する。
セッター180の位置を検知することにより、これに搭載されている処理基板170の位置を知ることができる。
尚、図示していないが、本例の焼成炉では、炉内全体にわたり、処理基板をタクト搬送するため、各停止位置を決める位置センサとして、上記と同じ光位置センサを、それぞれの位置に設けている。
また、本例では、投光部191、受光部192を焼成炉外の下、上に設けているが、焼成炉外の左右に設けても良い。
【0018】
尚、処理基板170の材質、サイズ、焼成する加工用素材の種類等に合わせ、各コンベアのタクト搬送速度、加熱条件、冷却条件等、種々の装置条件を設定する。
このため、これらの条件変更ができるように、搬送機構、加熱ヒータ等を制御可能に設けておく。
【0019】
ここで、図2、図3に基づいて、冷却部114の各冷却ゾーン115において、送風機161、162を設けて、冷却する理由を簡単に説明しておく。
前にも述べたように、焼成処理においては、徐冷処理(図3の▲3▼)後においては、急冷処理(図3(▲4▼)を行うが、生産性の面からは、急冷処理を短時間で行うことが要求される。
また、場合によっては、歪点がキープ温度(図3のTk)以上の場合には、徐冷を必要とせず、急冷処理できるだけ早く行うことが、要求されている。
尚、従来の焼成炉の冷却部では、冷却水(ラジエーターの水)を用い、冷却部の雰囲気の熱を奪い取り、冷却を行っていたため、冷却効率の悪いものであった。
この理由としては、処理基板内の温度をほぼ一定にしながら、これ以上に早く急に冷却することが難しく、たとえ早くできても処理基板を急冷することにより、割れの発生があったためである。
ところで、図2(a)に示す処理基板170に対し、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹き付け、処理基板170の中心を通り辺に平行なA1−A2位置において、図2(b)に示すような温度分布になった場合、一般に、処理基板(ガラスである)の熱応力σは、式(1)のようになることが知られている。
σ = α × E × ΔT/(1−v) (1)
但し、αはガラスの熱膨張係数(1/°C)、Eはガラスのヤング率(kgf/mm2 )、ΔTは処理基板内の温度分布(図2(b)に示すもので、単位は°C))、vはガラスのポアソン比である。
これより、図2(a)に示すラインL1のような温度分布の場合には、基板の中心には圧縮応力がかかり、周辺部分には引張応力がかかる。
また、ラインL2のような温度分布の場合には、基板の中心部分には引張応力がかかり、周辺部分には圧縮応力がかかる。
周辺部分に引張応力がかかった場合に、欠損部等から割れる確率が高くなる。処理基板の冷却時においては、ΔTが所定の値より大きい場合、即ち、処理基板に対する引張応力が所定値より大きい場合、処理基板の周辺部に小さな欠け部(図2(c)の欠け部175に相当)を起点として、割れが発生し易い。
ラインL2のようにΔTがマイナスの場合には、即ち、図2(c)のような場合には、処理基板に圧縮応力が働く。この場合、処理基板の周辺部に欠け部175が合っても、欠け部175には圧縮応力が働くこととなり、この部分から割れを発生することはない。
本例の焼成炉は、このような処理基板の割れのメカニズムをふまえた上で作製されたもので、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける、処理基板の冷却処理を行うためのものである。図2(c)中Tpは処理基板の中心での温度、Toは周辺部での温度を示し、TpはToより高温度である。
【0020】
次に、本例の焼成炉の焼成処理動作の1例を説明する。
これを持って本発明の焼成処理方法の実施の形態の1例とする。
先ず、処理基板170はセッター180に搭載された状態で、搬入部111側から加熱部112へと、搬入される。
加熱部112は、既に述べた通り、それぞれ、所定の設定温度に設定された複数の加熱ゾーン113に分けられており、処理基板170は、各加熱ゾーン毎に所定時間停止するように、セッター180とともにはタクト搬送される。
処理基板170は、各加熱ゾーン113が、それぞれ、所定の設定温度に設定された加熱部112内をタクト搬送されながら、図3に示す▲1▼昇温処理と、▲2▼キープ温度保持処理、▲3▼徐冷処理とを、順次、施される。
次いで、加熱部112を経て、処理基板170は、セッター180とともに、冷却部114へと送られる。
冷却部114では、図3に示す▲4▼急冷処理を行う。
冷却部114は、既に述べた通り、複数の冷却ゾーン115に分けられており、それぞれの冷却ゾーン115で、所定の位置に停止された状態の処理基板170の上側、下側から、その中心に向け冷却用の風を、それぞれ、送風機161、162により、吹き付ける。
このように冷却用の風を直接、あるいはセッター180を介して、処理基板170の上下から吹き付けることにより、冷却効率を上げることができ、且つ、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつけるため、冷却処理における処理基板の割れ発生を防止できる。
【0021】
【実施例】
実施例は、図1に示す装置で、1タクトゾーンを1500mm、タクトゾーン数を30個とし、焼成炉120の長さ45mとしたものを用い、1ゾーンの処理タクトを1分、焼成時間30分として、実際に焼成処理を行ってみたものである。
冷却部114は、冷却ゾーン115を18個有し、加熱部112から送られた徐冷後の処理基板に対し、各冷却ゾーン115において、上下から冷却用の風をその中心部に吹き付けて、100°C以下まで下げた。
送風機161、162による冷却用の風は、常温の風を風速10m/secで、風量30m3 /minで処理基板170の上下から中心部に吹き付けた。
搬入部111、加熱部112、冷却部114、搬出部116までの搬送を全てタクト搬送とした。
尚、処理基板としては、800mm×1000mm、厚さ2.8mmの高歪点ガラス(旭硝子製PD200)に低融点ガラスからなる障壁用の加工素材を設けたPDP用の背面板を用い、セッターとしてはサイズ1600mm×1200mm×5.0mmのネオセラムN−0(日本電気硝子株式会社製)を用いた。
加熱条件、冷却条件等は、所望の焼成プロファイルに近くなるように、設定して行った。
処理基板1枚を1単位としてタクト搬送した。
冷却部における急冷処理は、急冷時間18分であった。
焼成後の処理基板については、特に割れの発生発生は見られず、且つ焼成プロファイルについてもほぼ所望のものが得られた。
尚、比較として、同じ加熱処理条件(図3の▲1▼昇温処理〜▲3▼の徐冷処理までの処理条件を同じ)で、送風機161、162を用いない、従来の冷却水(ラジエーターの水)を用い、冷却部の雰囲気の熱を奪い取り、冷却を行う方法で急冷処理を行ったが、急冷時間30分かかった。
【0022】
尚、実施例においては、タクトゾーン間の移動速度は9m/minで行った。各タクトゾーンの長さは1.5mなので、隣接するタクトゾーン間を移動するのに必要な時間は10secとなる。
各タクトゾーンを基板が1分で通り抜けるように搬送する、1分タクトで搬送したので、各ゾーン内で停止もしくは揺動している時間は、各々50secとした。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、PDP作製における、加工用素材の焼成処理を効率的に、且つ、品質的にも満足できるように行う焼成処理方法、およびこれを実施するための装置の提供を可能とした。
結果、PDPの大型化、高品質化、益々の量産化に対応できるものとした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成処理装置の実施の形態の1例の概略断面図
【図2】処理基板の割れの発生防止を説明するための図
【図3】処理基板の焼成プロファイルを示した図
【図4】PDPの製造工程を説明するための工程図
【図5】PDP基板を説明するための図
【符号の説明】
111 搬入部
112 加熱部
113 加熱ゾーン
114 冷却部
115 冷却ゾーン
116 搬出部
120 ヒータ
125 マッフル
130 回転ロール
141、142、143 仕切りシャッター
151〜154 排気部
161、162 送風機
170 処理基板
175 欠け部
180 セッター
191 投光部
192 受光部
195 (検知用の)光線

Claims (4)

  1. 加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送しながら、プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成する焼成処理方法であって、冷却部内において、処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却することを特徴とする焼成処理方法。
  2. プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成するための焼成炉であって、加熱部と冷却部とを備え、焼成炉内を、その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送するもので、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、所定時間ほぼ停止させる搬送部と、冷却部内の所定位置に停止された処理基板の一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける送風部を備えていることを特徴とする焼成炉。
  3. 請求項2における搬送部が、タクト搬送を行う搬送部であることを特徴とする焼成炉。
  4. 請求項2ないし3において、冷却部内において、所定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるための位置検出部として、焼成炉外に光学的な位置センサーを設けていることを特徴とする焼成炉。
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