JP2003331715A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JP2003331715A JP2002135125A JP2002135125A JP2003331715A JP 2003331715 A JP2003331715 A JP 2003331715A JP 2002135125 A JP2002135125 A JP 2002135125A JP 2002135125 A JP2002135125 A JP 2002135125A JP 2003331715 A JP2003331715 A JP 2003331715A
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Nobuyuki Tai
伸幸 田井
Hiroyuki Yonehara
浩幸 米原
Morio Fujitani
守男 藤谷
Akihiro Horikawa
晃宏 堀川
Atsushi Morita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層に欠陥が発生することを抑制し、安
定して動作するプラズマディスプレイパネルを得る。 【解決手段】 間に放電空間が形成されるように一対の
基板を対向配置することにより構成されたプラズマディ
スプレイパネルの製造方法において、基板上に誘電体材
料、バインダおよび溶剤を含む材料を塗布して誘電体材
料層を形成し、この誘電体材料層を形成した基板を、乾
燥温度に昇温して誘電体材料層を乾燥させた後、誘電体
材料が焼結する焼結温度に昇温して誘電体材料層を焼成
することにより基板上に誘電体層を形成する際、基板の
温度が乾燥温度に達してから焼結温度に達するまでの間
に、基板の温度が乾燥温度の60%未満の温度にならな
いように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイ装置は、視
認性に優れた薄型の表示デバイスとして注目されてお
り、高精細化および大画面化が進められている。
【0003】このプラズマディスプレイ装置には、大別
して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では
面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大
画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面
放電型のプラズマディスプレイ装置が主流を占めるよう
になってきている。このプラズマディスプレイ装置に用
いられるプラズマディスプレイパネルは、間に放電空間
が形成されるように一対の基板を対向配置し放電空間に
ネオンおよびキセノン等の放電ガスを封入して構成され
ており、一方の基板上には誘電体層で覆われた走査電極
および維持電極が形成され、もう一方の基板上には走査
電極および維持電極と交差する方向に配列されたデータ
電極や、隔壁、蛍光体層が形成されている。
【0004】このような電極や隔壁は例えばストライプ
形状のような所定の形状を有しており、高精細な画像表
示のニーズの高まりに対応して高精細なパターン形状を
形成できるように次のような方法により電極や隔壁を形
成している。すなわち、スピンコータ、ロールコータ、
スクリーン印刷、ダイコート等の方法により電極材料や
隔壁材料を含むスラリーやペーストを基板上に塗布して
乾燥させ、次にフォトリソ法やサンドブラスト法等の方
法により不要な部分を除去して所定のパターン形状に成
形した後、焼成することによって基板上に電極や隔壁を
形成している。
【0005】このように、スラリーやペーストを塗布し
て乾燥させた後に所定のパターン形状にするための加工
を施すという工法が多く用いられるようになっており、
スラリーやペーストを乾燥させる乾燥工程と焼成する焼
成工程は区分されているのが一般的である。そのため、
誘電体層のように乾燥工程と焼成工程との間で所定のパ
ターン形状にするための加工を必要としない場合であっ
ても、乾燥工程と焼成工程とを区分し、乾燥工程では乾
燥炉を使用し、焼成工程では焼成炉を使用している。す
なわち、基板上に誘電体層を形成する場合、基板上に誘
電体ペーストを塗布した後、その基板を乾燥炉に投入し
て誘電体ペーストを乾燥させ、次に乾燥炉から取り出し
た基板を焼成炉に投入して誘電体ペーストを焼成してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように乾燥炉および焼成炉を用いて誘電体層を形成した
場合、誘電体層に亀裂や直径1μm〜20μm程度のピ
ンホールのような欠陥が発生することがあった。誘電体
層にこのような欠陥が存在すれば、プラズマディスプレ
イパネルを動作させたときその欠陥部分において絶縁耐
圧が不足して過電流が発生し、プラズマディスプレイパ
ネルとその駆動回路が破壊されるという課題があった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、誘電体層に欠陥が発生することを
抑制し、安定して動作するプラズマディスプレイパネル
を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、誘電体層
を形成する工程について鋭意検討を重ねた結果、誘電体
層に欠陥が発生する原因についての知見を得て、本発明
に至ったものである。次に、本発明者らが考察した欠陥
の発生過程について説明する。
【0009】誘電体層を形成するために基板上に塗布す
る誘電体ペーストは、ガラス等の誘電体材料、バインダ
および溶剤を含んだものであり、基板上に塗布した誘電
体ペーストを昇温して乾燥させると溶剤が揮発し、誘電
体材料の粒子間はバインダによって結着される。続いて
温度を上げればバインダが除去され、さらに高温にする
ことで誘電体材料が焼結して誘電体層が得られる。しか
しながら、誘電体ペーストを昇温して乾燥させた後、温
度がある程度以上低下すると、誘電体材料の収縮量とバ
インダの収縮量との間に差があるためにバインダによる
誘電体材料の粒子間の結着力が低下するかあるいは結着
がはずれることで大きな歪みが発生し、その状態で温度
を上げて焼成を行うとその歪みによって誘電体層に欠陥
が生じるものと考えられる。
【0010】従来の製造方法では、基板上に誘電体ペー
ストを塗布した後、その基板を乾燥炉に投入して誘電体
ペーストを乾燥させ、次に乾燥炉から取り出した基板を
焼成炉に投入して誘電体ペーストを焼成しており、基板
を乾燥炉から取り出すときには基板の温度は常温程度に
まで下がっている。このため、前述したように乾燥した
誘電体ペースト中に歪みが発生し、この歪みによって誘
電体層に欠陥が生じるものと考えられる。このことか
ら、乾燥から焼成に至る間の基板の温度低下を制御する
ことにより、誘電体層に欠陥が発生することを抑制する
ことができるという知見が得られ、このような知見に基
づき本発明に至ったものである。
【0011】本発明は、間に放電空間が形成されるよう
に一対の基板を対向配置することにより構成されたプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法において、基板上に
誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む材料を塗布して
誘電体材料層を形成し、この誘電体材料層を形成した基
板を、乾燥温度に昇温して前記誘電体材料層を乾燥させ
た後、前記誘電体材料が焼結する焼結温度に昇温して前
記誘電体材料層を焼成することにより基板上に誘電体層
を形成する際、基板の温度が前記乾燥温度に達してから
前記焼結温度に達するまでの間に、前記基板の温度が前
記乾燥温度の60%未満の温度にならないように構成し
たものである。この方法によれば、誘電体層に欠陥が生
じることを抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1〜図6を用いて説明する。
【0013】まず、プラズマディスプレイ装置における
プラズマディスプレイパネルについて図1を用いて説明
する。図1に示すように、ガラス基板等の透明な前面側
の基板1上には、走査電極2と維持電極3とで対をなす
ストライプ状の表示電極が複数形成され、そして基板1
上の隣り合う表示電極間には遮光層4が形成されてい
る。この走査電極2および維持電極3はそれぞれ、透明
電極5およびこの透明電極5上に形成された銀等からな
るバス電極6により構成されている。また、前面側の基
板1には、走査電極2、維持電極3および遮光層4を覆
うように誘電体層7が形成され、その誘電体層7上には
保護層8が形成されている。
【0014】また、前面側の基板1に対向配置される背
面側の基板9上には、走査電極2および維持電極3と直
交する方向に複数のストライプ状のデータ電極10が形
成され、そのデータ電極10を覆うように下地誘電体層
11が形成されている。このデータ電極10間の下地誘
電体層11上には、データ電極10と平行にストライプ
状の複数の隔壁12が配置され、この隔壁12の側面お
よび下地誘電体層11の表面に蛍光体層13が設けられ
ている。
【0015】前面側の基板1と背面側の基板9とは、走
査電極2および維持電極3とデータ電極10とが直交す
るように、基板間に微小な放電空間を設けて対向配置さ
れるとともに周囲が封止され、そして放電空間には、ヘ
リウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種また
は混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、走
査電極2および維持電極3とデータ電極10との交差部
には放電セルが形成され、その各放電セルには、赤色、
緑色および青色となるように蛍光体層13が一色ずつ順
次配置されている。
【0016】このような電極構成のプラズマディスプレ
イパネルにおいては、走査電極2、維持電極3およびデ
ータ電極10のそれぞれに、初期化期間、アドレス期
間、維持期間および消去期間に分かれて駆動電圧を印加
することにより画像表示を行っており、初期化期間、ア
ドレス期間、維持期間および消去期間により1サブフィ
ールドを構成している。初期化期間では放電セル内の壁
電荷の初期化を行い、アドレス期間では走査電極2に走
査パルスを順次印加するとともに所望のデータ電極10
にアドレスパルスを印加することにより、走査電極2と
データ電極10との間でアドレス放電を生じさせ放電セ
ルを選択する。また、維持期間では走査電極2と維持電
極3に維持パルスを交互に印加することにより、選択し
た放電セルにおいて走査電極2と維持電極3との間で維
持放電を生じさせ、消去期間ではその維持放電を停止さ
せる。維持期間において走査電極2と維持電極3に印加
する維持パルス数を変えることによってそのサブフィー
ルドの発光輝度が変化し、維持パルス数の異なる複数の
サブフィールドによって1フィールドを構成するととも
に発光させるサブフィールドをアドレス期間において選
択することにより階調表示を行っている。
【0017】図2に上記で説明したプラズマディスプレ
イパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の全体
構成の一例を示している。図2において、パネル14を
収容するケースは、金属製のフロントケース部15とバ
ックケース部16とから構成され、フロントケース部1
5の前面にはガラス等からなる透光部17が設けられて
いる。また、この透光部17には電磁波シールドのため
に、例えば銀蒸着が施されている。さらに、バックケー
ス部16には、パネル14等で発生した熱を外部に放出
するための複数の通気孔16aが設けられている。
【0018】パネル14は、アルミニウム製のシャーシ
部材18の前面に絶縁性の熱伝導シート19を介して接
着することにより保持され、そしてシャーシ部材18の
後面側には、パネル14を発光駆動させるための複数の
回路ブロック20が取り付けられている。熱伝導シート
19は、パネル14で発生した熱をシャーシ部材18に
効率よく伝え、放熱を行うためのものである。また、回
路ブロック20はパネル14の発光駆動とその制御を行
うための電気回路を備えており、パネル14の縁部に引
き出された電極引出部に、シャーシ部材18の四辺の縁
部を越えて延びる複数のフレキシブル配線基板(図示せ
ず)によって電気的に接続されている。また、シャーシ
部材18の後面には、複数の放熱用フィン18aと回路
ブロック20を取り付けるための複数のボス部18bと
シャーシ部材18をバックケース部16に固定するため
のボス部18cとが、ダイカストや鋳造等による一体成
型により突設されている。
【0019】次に、本実施の形態によるプラズマディス
プレイパネルの製造方法について図3〜図6を用いて説
明する。
【0020】まず図3(a)に示すように、前面側の基
板1上に、透明電極5とバス電極6とから構成される走
査電極2および維持電極3と、遮光層4とを形成する。
透明電極5はインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化ス
ズ(SnO2)等からなり、真空蒸着法、エッチング法
やリフトオフ法を用いて形成される。また、遮光層4や
銀等からなるバス電極6は、スクリーン印刷法やフォト
リソ法を用いて形成される。
【0021】次に、図3(b)に示すように、走査電極
2、維持電極3および遮光層4を覆うように基板1上に
誘電体ペーストを塗布してペースト層(誘電体材料層)
21を形成する。誘電体ペーストを基板1上に塗布する
にはダイコート法等を用いればよく、誘電体ペーストを
塗布した後、所定の時間放置することにより、塗布され
た誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面の
ペースト層21が得られる。なお、誘電体ペーストは、
ガラス等の誘電体材料、バインダおよび溶剤を含んだ材
料である。
【0022】その後、ペースト層21を形成した基板1
を乾燥炉に投入してペースト層21を乾燥させた後、焼
成炉に投入してペースト層21を焼成することにより、
図3(c)に示すように走査電極2、維持電極3および
遮光層4を覆うように基板1上に誘電体層7を形成す
る。
【0023】次に、酸化マグネシウム(MgO)からな
る保護層8を真空蒸着法等により誘電体層7上に形成す
ることにより、図3(d)に示すように前面側の基板1
上に所定の構成部材が形成される。
【0024】このようにして所定の構成部材を形成した
前面側の基板1と、データ電極10、下地誘電体層1
1、隔壁12および蛍光体層13を形成した背面側の基
板9とを対向配置して基板1、9の周縁部を封着し、基
板間にネオン、キセノン等を含む放電ガスを封入するこ
とによりプラズマディスプレイパネルが得られる。
【0025】次に、基板1上に形成したペースト層21
を乾燥、焼成する際に使用する熱処理装置について図4
を用いて説明する。
【0026】図4に示すように熱処理装置は、乾燥炉2
2、移載装置23、焼成炉24および取り出し装置25
が順次配置されて構成されており、焼成炉24は上段と
下段とからなる2段構造である。乾燥炉22、移載装置
23、焼成炉24および取り出し装置25には基板1を
搬送するための搬送ローラ26が設けられ、移載装置2
3および取り出し装置25では搬送ローラ26が昇降す
るように構成されている。また、移載装置23および取
り出し装置25には基板移載手段27が設けられてい
る。
【0027】まず、ペースト層21を形成した基板1を
乾燥炉22に投入し搬送ローラ26によって基板1を搬
送することによりペースト層21を乾燥させる。次に、
乾燥炉22の出口22aに達した基板1を、基板移載手
段27によって移載装置23の搬送ローラ26上に置か
れた支持基板28上に載置し、焼成炉24へ送る。基板
1が載置された支持基板28は焼成炉24の上段を入口
24a側から出口24b側へ搬送され、その間に基板1
上のペースト層21が焼成され基板1上に誘電体層7が
形成される。そして、焼成炉24の出口24bに達した
基板1は、取り出し装置25において基板移載手段27
によって支持基板28から取り離されて次の工程に送ら
れる。また支持基板28は、取り出し装置25において
下降した後、焼成炉24の下段を出口24b側から入口
24a側へ搬送され、移載装置23において上昇し、乾
燥炉22から出てきた別の基板1が載置されて再び焼成
炉24へ送られる。このようにして、基板1上に形成し
たペースト層21を乾燥する乾燥工程と焼成する焼成工
程が行われる。なお、焼成炉24内で基板1を搬送する
際に用いる支持基板28は、膨張係数や軟化点等におい
て基板1に比べて極めて熱の影響の小さい素材で形成さ
れており、焼成中の基板1の変形を抑制するために使用
するものである。
【0028】図5は、乾燥工程から焼成工程にかけて基
板1が搬送されるときの基板1の温度変化を表す温度勾
配図であり、領域Aおよび領域Cはそれぞれ乾燥炉22
内および焼成炉24内における基板1の温度変化を表し
ており、領域Bは基板1が乾燥炉22を出てから焼成炉
24に投入されるまでの間の基板1の温度変化を表して
いる。
【0029】図5の領域Aに対応するように、乾燥炉2
2内の温度分布は、その入口側から出口側にかけて、常
温から乾燥温度(130℃程度)まで上昇する昇温領域
と乾燥温度を維持する定温領域とからなる。乾燥炉22
内の定温領域において基板1が乾燥温度に維持されるこ
とにより、基板1上のペースト層21から溶剤が揮発し
ペースト層21が乾燥する。
【0030】乾燥炉22の出口22aから出てきた基板
1は、図5の領域Bに示すように一旦温度が低下する
が、乾燥炉22の出口22aから焼成炉24の入口24
aに基板1を高速に移動できるように移載装置23を構
成することで、基板1の温度低下を少なくすることがで
きる。また、移載装置23において乾燥炉22から出て
きた基板1を支持基板28上に載置するが、この支持基
板28を予め所定の温度に予熱しておくことにより、領
域Bにおける基板1の温度低下を少なくすることができ
る。なお、支持基板28は焼成炉24の下段を搬送する
間に遠赤外線ヒーター等により予熱するようにすればよ
い。支持基板28を予熱しておく温度は、基板1を乾燥
炉22より取り出してから支持基板28上に載置するま
での間の基板1の温度低下を考慮して、支持基板28上
に載置されるときの基板1の温度程度になるように適宜
設定すればよい。
【0031】次に図5の領域Cに対応するように、焼成
炉24内の温度分布は、その入口24a側から出口24
b側にかけて、所定の温度から脱バインダ温度(350
℃程度)まで上昇する昇温領域と脱バインダ温度を維持
する定温領域と脱バインダ温度から焼結温度(600℃
程度)まで上昇する昇温領域と焼結温度を維持する定温
領域と焼結温度から常温まで下降する降温領域とから構
成される。焼成炉24内において脱バインダ温度を維持
する定温領域では、基板1が脱バインダ温度に維持され
ることにより基板1上に形成されたペースト層21中の
バインダが除去される。また、誘電体ペースト中の誘電
体材料が焼結する焼結温度を維持する定温領域では、基
板1が焼結温度に維持されることによりペースト層21
中の誘電体材料が焼結する。
【0032】焼成炉24の入口24aでの温度は、領域
Bでの基板1の温度低下を考慮して焼成炉24に投入さ
れるときの基板1の温度程度になるように設定すればよ
い。また、乾燥温度、脱バインダ温度および焼結温度を
それぞれ維持する3つの定温領域においては、それらの
温度をそれぞれ3分以上維持するように設定することで
効果的に乾燥および焼成を行うことができる。なお、そ
れら3つの定温領域ではそれぞれ所定の温度を維持する
ようにしているが、その所定の温度付近で温度が毎分5
℃以下の低勾配で変化するように構成してもよい。
【0033】次に、図5の領域Bにおいて生じる基板1
の温度低下が、焼成して得られた誘電体層7に与える影
響について調べた。移載装置23における支持基板28
の温度や基板1を移載する速度を調整することにより、
焼成炉24に投入する際の基板1の温度Tiを変えて誘
電体層7の表面を観察した。図6は焼成炉24に投入す
る際の基板1の温度Tiが乾燥温度Tkの50%である
場合(Ti=0.5×Tk)のときの誘電体層7表面を
表す模式図であり、図6に示すように誘電体層7にはク
ラック29が形成されているのが確認された。誘電体層
7に形成されたクラック29が大きく深いものであれ
ば、パネルとして動作させたときにクラック29におい
て絶縁破壊が発生し画像表示ができなくなるが、クラッ
ク29が小さく浅いものであれば絶縁破壊を起こすこと
なくパネルを動作させることができる。表1は、焼成炉
24に投入する際の基板1の温度Tiが乾燥温度Tkの
80%、70%、60%、50%、40%になった場合
に焼成して得られた誘電体層7の状態を示しており、
「○」はクラック29が発生しなかったことを表してお
り、「△」はクラック29が発生していたが極めて小さ
く浅いものでパネルの動作に影響がないことを表してお
り、「×」はパネル動作ができないようなクラック29
が発生したことを表している。
【0034】
【表1】
【0035】表1からわかるように、焼成炉24に投入
する際の基板1の温度Tiが乾燥温度Tkの60%以上
であれば、パネルの動作に影響を及ぼすようなクラック
が存在しない誘電体層7を得ることができる。したがっ
て、基板1の温度が乾燥温度に達してから焼結温度に達
するまでの間に、基板1の温度が乾燥温度の60%未満
の温度にならないように構成することにより、パネルの
動作に影響を及ぼすようなクラックが存在しない誘電体
層7を得ることができ、安定して動作するプラズマディ
スプレイパネルを得ることができる。
【0036】さらに、焼成炉24に投入する際の基板1
の温度Tiが乾燥温度Tkの70%以上であれば、クラ
ックの発生が抑制された誘電体層7を得ることができ
る。したがって、基板1の温度が乾燥温度に達してから
焼結温度に達するまでの間に、基板1の温度が乾燥温度
の70%未満の温度にならないように構成することによ
り、クラックの発生が抑制された誘電体層7を得ること
ができ、安定して動作するプラズマディスプレイパネル
を得ることができる。
【0037】また、乾燥工程および焼成工程において基
板1の温度低下が従来に比べて少ないため、乾燥工程お
よび焼成工程において必要な熱エネルギーを従来に比べ
て5%程度削減することができる。
【0038】なお、上記実施の形態では基板1上に誘電
体層7を形成する場合、乾燥炉22と焼成炉24を用い
た場合について説明したが、誘電体材料層の乾燥から焼
成までを一貫して行う1つの炉を用いてもよい。この場
合の炉内の温度分布は、入口側から出口側に向かって、
常温から乾燥温度まで上昇する昇温領域、乾燥温度を維
持する定温領域、乾燥温度から脱バインダ温度まで上昇
する昇温領域、脱バインダ温度を維持する定温領域、脱
バインダ温度から焼結温度まで上昇する昇温領域、焼結
温度を維持する定温領域および焼結温度から常温まで下
降する降温領域を設けるようにすればよい。乾燥温度、
脱バインダ温度および焼結温度をそれぞれ維持する3つ
の定温領域においては、それらの温度をそれぞれ3分以
上維持するように設定することで効果的に乾燥および焼
成を行うことができる。また、これら3つの定温領域に
おいて所定の温度を維持するかわりに所定の温度付近で
温度が毎分5℃以下の低勾配で変化するように構成して
もよい。
【0039】このように誘電体材料層の乾燥、焼成を1
つの炉で行う場合には、乾燥温度に達してから焼結温度
に達するまでの間に乾燥温度よりも低い温度にする必要
はないが、前述したように乾燥温度の60%未満の温度
にならないようにしておけばパネルの動作に影響を及ぼ
すようなクラックが存在しない誘電体層7を得ることが
できる。さらに乾燥温度の70%未満の温度にならない
ようにしておけばクラック発生が抑制された誘電体層7
を得ることができる。したがって、安定して動作するプ
ラズマディスプレイパネルを得ることができる。
【0040】また、上記実施の形態では前面側の基板1
上に誘電体層7を形成する場合について説明したが、背
面側の基板9上に下地誘電体層11を形成する場合にも
上記実施の形態と同様な乾燥および焼成を行うことがで
き、クラック発生が抑制された下地誘電体層を得ること
ができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかるプラズマディスプレイパネルの製造方法によれ
ば、パネルの動作に影響を及ぼすような欠陥が存在しな
い誘電体層を形成することができ、安定して動作するプ
ラズマディスプレイパネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプ
レイパネルの要部を示す斜視図
【図2】同プラズマディスプレイパネルを組み込んだプ
ラズマディスプレイ装置の全体構成図
【図3】同プラズマディスプレイパネルの製造方法を示
す断面図
【図4】同プラズマディスプレイを製造する際に用いる
熱処理装置の構成図
【図5】乾燥工程から焼成工程における基板の温度変化
を表す温度勾配図
【図6】同プラズマディスプレイパネルの誘電体層表面
を表す模式図
【符号の説明】
1、9 基板 7 誘電体層 21 ペースト層 22 乾燥炉 23 移載装置 24 焼成炉 25 取り出し装置 26 搬送ローラ 27 基板移載手段 28 支持基板 29 クラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米原 浩幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤谷 守男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 堀川 晃宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森田 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA06 AA10 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GD09 GD10 JA02 JA22 JA28 KB11 MA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間に放電空間が形成されるように一対の
    基板を対向配置することにより構成されたプラズマディ
    スプレイパネルの製造方法において、基板上に誘電体材
    料、バインダおよび溶剤を含む材料を塗布して誘電体材
    料層を形成し、この誘電体材料層を形成した基板を、乾
    燥温度に昇温して前記誘電体材料層を乾燥させた後、前
    記誘電体材料が焼結する焼結温度に昇温して前記誘電体
    材料層を焼成することにより基板上に誘電体層を形成す
    る際、基板の温度が前記乾燥温度に達してから前記焼結
    温度に達するまでの間に、前記基板の温度が前記乾燥温
    度の60%未満の温度にならないように構成したことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の温度が乾燥温度に達してから焼結
    温度に達するまでの間に、前記基板の温度が前記乾燥温
    度の70%未満の温度にならないように構成したことを
    特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 誘電体材料層の乾燥および焼成をそれぞ
    れ乾燥炉および焼成炉により行うことを特徴とする請求
    項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 誘電体材料層の乾燥および焼成を1つの
    炉により行うことを特徴とする請求項1または2に記載
    のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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