JP6225117B2 - 赤外線加熱装置及び乾燥炉 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線加熱装置及び乾燥炉に関する。
従来、赤外線を放出する赤外線ヒーターなどの赤外線加熱装置として、発熱体を石英管などの管に封入したものが知られている。例えば、特許文献1には、発熱体としてのフィラメントを石英ガラス製のバルブと外管との二重管内に封入し、内側の管であるバルブの外周に反射膜を設けたヒーターランプが記載されている。このヒーターランプでは、バルブのうち反加熱物方向の外周に反射膜を設けることで、効率よく被加熱物を加熱することができるとしている。また、バルブと外管との間に冷却ガスを流すことで、バルブの黒化を抑制することが記載されている。
特許第4734885号公報
しかしながら、特許文献1のように二重管の内側の管の表面に反射膜を設けた構成の赤外線加熱装置では、反射膜が過熱する場合があり、これにより例えば反射膜の劣化や剥離などの不具合が生じるという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、反射層の過熱をより抑制することを主目的とする。
本発明の赤外線加熱装置は、
加熱されると赤外線を含む電磁波を放出する発熱体と、
赤外線を透過する内壁と、
前記発熱体からみて前記内壁よりも外側に該内壁から離れ、且つ、前記発熱体の周囲の一部のみを覆うように設けられ、赤外線を反射する反射層と、
前記反射層を冷却する冷媒が流通可能な冷媒流路と、
を備えたものである。
この本発明の赤外線加熱装置は、発熱体から赤外線を含む電磁波が放出されると、赤外線が内壁を透過し、発熱体の周囲の一部のみを覆うように内壁から離れて設けられた反射層に到達して反射される。これにより、発熱体からみて反射層とは反対側の領域には、発熱体から直接放出される赤外線と反射層により反射された赤外線とが放射されることになり、被加熱物を効率よく加熱できる。このとき、内壁から離れて反射層が設けられ、且つ反射層は冷媒流路を流通する冷媒によって冷却が可能となっている。これらにより、例えば反射層を内壁上に形成する場合と比べて、反射層の過熱をより抑制することができる。ここで、前記電磁波は、ピーク波長が赤外線領域(例えば、波長が0.7μm〜8μmの領域)にあるものとしてもよいし、ピーク波長が近赤外線領域(例えば、波長が0.7μm〜3.5μmの領域)にあるものとしてもよい。また、内壁の形状は、例えば発熱体を囲む管であってもよいし、平板であってもよい。反射層の形状は、例えば断面形状が円弧等の曲線状の板であってもよいし、平板であってもよい。また、本発明の赤外線加熱装置は、前記冷媒流路に流す冷媒の量を調整する流量調整手段を備えるものとしてもよい。
本発明の赤外線加熱装置は、前記内壁と前記反射層との間に設けられ、赤外線を透過する透過壁を備えていてもよい。こうすれば、発熱体と反射層との間に内壁と透過壁との2つの層が存在するため、反射層の過熱をより抑制することができる。ここで、透過壁の形状は、例えば発熱体を囲む管であってもよいし、平板であってもよい。この場合において、前記反射層は、前記透過壁と離れて設けられていてもよい。こうすれば、反射層が透過壁に接している場合と比べて、反射層の過熱をより抑制することができる。なお、反射層は、透過壁の表面に形成されている、すなわち透過壁と接しているものとしてもよい。
本発明の赤外線加熱装置は、前記発熱体からみて前記反射層よりも外側に、前記発熱体の周囲の一部のみを覆うように設けられ、赤外線を反射する反射板、を備えたものとしてもよい。こうすれば、発熱体からの赤外線を反射層と反射板との2つで反射できるため、発熱体からみて反射層及び反射板とは反対側の領域に対して、より多くの赤外線を放射でき、被加熱物をより効率よく加熱できる。ここで、反射板の形状は、例えば断面形状が円弧等の曲線状の板であってもよいし、平板であってもよい。
本発明の赤外線加熱装置は、前記発熱体からみて前記反射層よりも外側に該反射層から離れて設けられた外壁、を備え、前記冷媒流路は、前記発熱体からみて前記外壁よりも内側に形成されているものとしてもよい。ここで、外壁の形状は、例えば発熱体を囲む管であってもよいし、平板であってもよい。また、外壁は赤外線を透過するものであってもよい。この場合において、前記反射層は前記透過壁に接しているか又は前記透過壁と前記外壁との間に設けられ、前記冷媒流路は前記透過壁と前記外壁とで囲まれる空間であるものとしてもよい。こうすることで、冷媒流路を流通する冷媒によって反射層だけでなく外壁も冷却することができる。なお、前記反射層は前記透過壁に接しているか又は前記透過壁と前記内壁との間に設けられ、前記冷媒流路は前記透過壁と前記内壁とで囲まれる空間であるものとしてもよい。
本発明の赤外線加熱装置において、前記内壁は、前記電磁波の一部を吸収するものとしてもよい。こうすれば、反射層の過熱をより抑制することができる。この場合において、前記内壁は、前記電磁波のうち波長が3.5μmを超える赤外線を吸収するものとしてもよい。こうすれば、赤外線加熱装置から外部に放射される近赤外線(例えば、波長が0.7μm〜3.5μmの領域にある電磁波)の割合が増す。近赤外線は、被加熱物中の水や溶剤などの分子中の水素結合を効率よく切断できるため、被加熱物の加熱や乾燥を効率よく行うことができる。
本発明の乾燥炉は、上述したいずれかの態様の本発明の赤外線加熱装置を備えたものである。そのため、本発明の乾燥炉は、本発明の赤外線加熱装置と同様の効果、例えば、反射層の過熱をより抑制することができる効果が得られる。
乾燥炉10の縦断面図である。 赤外線ヒーター40の縦断面図である。 図2のA−A断面図である。 変形例の赤外線ヒーターの断面図である。 変形例の赤外線ヒーターの断面図である。 変形例の赤外線ヒーター40aの断面図である。 変形例の乾燥炉110の縦断面図である。 実施例2の赤外線ヒーターの断面図である。 比較例2の赤外線ヒーターの断面図である。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の赤外線加熱装置である赤外線ヒーター40を備えた乾燥炉10の縦断面図である。乾燥炉10は、シート80上に塗布された塗膜82の乾燥を赤外線及び熱風を用いて行うものであり、炉体14と、搬送通路19と、送風装置20と、排気装置30と、赤外線ヒーター40と、コントローラー70と、を備えている。また、乾燥炉10は、炉体14の左側に設けられたロール84と、炉体14の右側に設けられたロール86と、を備えている。乾燥炉10は、乾燥対象となる塗膜82が上面に形成されたシート80を、ロール84,86により連続的に搬送して乾燥を行う、いわゆるロールトゥロール方式の乾燥炉として構成されている。
炉体14は、略直方体に形成された断熱構造体であり、前端面15及び後端面16にそれぞれ開口17,18を有している。この炉体14は、前端面15から後端面16までの長さが例えば2〜10mである。
搬送通路19は、開口17から開口18に至る通路であり、炉体14を水平方向に貫通している。片面に塗膜82が塗布されたシート80は、この搬送通路19を通過していく。シート80は、塗膜82が塗布された面を上にして、開口17から搬入され、炉体14の内部を水平方向に進行し、開口18から搬出される。
送風装置20は、熱風を送風して炉体14内を通過する塗膜82を加熱及び乾燥させる装置である。送風装置20は、熱風発生器22と、パイプ構造体24と、通気口26とを備えている。熱風発生器22は、パイプ構造体24に取り付けられており、熱風をパイプ構造体24の内部へ供給するものである。熱風は、例えば空気を加熱したものである。この熱風発生22は、発生させる熱風の風量や温度の調節が可能となっている。熱風の風量は、特に限定するものではないが、例えば100Nm3/h〜2000Nm3/hの範囲で調節可能である。熱風の温度は、特に限定するものではないが、例えば40〜400℃の範囲で調節可能である。パイプ構造体24は、熱風発生器22からの熱風の通路となるものであり、熱風発生器22から炉体14の天井を貫通して、炉体14内までの通路を形成している。通気口26は、熱風発生器22からの熱風の供給口となるものである。この通気口26は、炉体14のうちシート80の搬出側である開口18側の端部に設けられ、搬入側である開口17側に向けて水平に開口している。これにより、送風装置20は、シート80の搬出側から搬入側に(図1の左方向に)向けて熱風を供給する。熱風は、図1の炉体14内の矢印に示すように、シート80の上面に沿って流れていき、シート80の上面を加熱する。
排気装置30は、炉体14内の雰囲気ガスを排出する装置である。排気装置30は、ブロワ32と、パイプ構造体34と、排気口36とを備えている。排気口36は、炉体14内の雰囲気ガス(主に塗膜82を乾燥した後の熱風)の排気口となるものである。この排気口36は、炉体14のうちシート80の搬入側である開口17側の端部に設けられ、搬出側である開口18側に向けて水平に開口している。排気口36はパイプ構造体34に取り付けられており、炉体14内の雰囲気ガスを吸気してパイプ構造体34内に導く。パイプ構造体34は、排気口36からブロワ32への雰囲気ガスの流路となるものである。パイプ構造体34は、排気口36から炉体14の天井を貫通して炉体14の外部のブロワ32までの通路を形成している。ブロワ32は、パイプ構造体34に取り付けられており、パイプ構造体34内部の雰囲気ガスを排気する。なお、ブロワ32は、例えば図示しない排気用の配管に接続されており、炉体14内の雰囲気ガスに含まれる塗膜82から揮発した有機溶剤などの成分を除去するなど、適切な処理を行ってから乾燥炉10外に雰囲気ガスを排気する。なお、ブロワ32は、パイプ構造体34内の雰囲気ガスを乾燥炉10外に排気せず、熱風発生器22の吸気として循環させてもよい。
赤外線ヒーター40は、炉体14内を通過する塗膜82に近赤外線を照射する装置であり、炉体14の天井近くに複数取り付けられている。本実施形態では、赤外線ヒーター40は前端面15側から後端面16側にわたって略均等に6本配置されている。これらの各赤外線ヒーター40は、同様の構成を有しており、いずれも長手方向が搬送方向と直交するように取り付けられている。
図2は赤外線ヒーター40の縦断面図、図3は図2のA−A断面図である。なお、図2に示した断面はヒーター本体43の中心線を通るように切断した面である。図示するように、赤外線ヒーター40は、タングステン製のフィラメント41を内管42が囲むように形成されたヒーター本体43と、このヒーター本体43の外側に設けられ内管42を囲むように形成された第1外管44と、第1外管44の外側に設けられ第1外管44を囲むように形成された第2外管45と、第2外管45の上側に設けられた反射板48を備えており、これらの両端にはキャップ50が取り付けられている。第1外管44と第2外管45との間の空間は、冷媒(例えばエア)を流通可能な冷媒流路49となっている。また、赤外線ヒーター40は、第2外管45の表面温度を検出する温度センサ59を備えている。なお、内管42,第1外管44,第2外管45は同心円状に配置されており、その円の中心にフィラメント41が位置するようになっている。
ヒーター本体43は、両端がキャップ50の内部に配置されたホルダー55に支持されている。このヒーター本体43は、電力供給源60からフィラメント41へ電力が供給されて、フィラメント41が所定温度(例えば1200〜1500℃)に加熱されると、赤外線を含む電磁波を放射する。フィラメント41が放射する電磁波は、特に限定するものではないが、例えば、ピーク波長が赤外線領域(波長が0.7μm〜8μmの領域)や近赤外線領域(波長が0.7μm〜3.5μmの領域)にあるものである。本実施形態では、ピーク波長が3μm付近の電磁波を放射するものとした。内管42は、フィラメント41を囲む断面円形の管であり、フィラメント41から放射された電磁波の一部を吸収し且つ赤外線を透過する赤外線透過材料で形成されている。内管42に用いるこのような赤外線透過材料としては、例えば、ゲルマニウム、シリコン、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、カルコゲナイドガラス、透過性アルミナセラミックスなどのほか、赤外線を透過可能な石英ガラスなどが挙げられる。本実施形態では、内管42は、上述した赤外線透過材料のうち、電磁波の一部として波長が3.5μmを超える赤外線を吸収し且つ3.5μm以下の赤外線については透過する石英ガラスで形成されているものとした。また、内管42の内部は、真空雰囲気又はハロゲン雰囲気となっている。このフィラメント41に接続された電気配線41aは、キャップ50に設けられた配線引出部57を介して気密に外部へ引き出され、電力供給源60に接続されている。
第1外管44及び第2外管45は、上述した赤外線透過材料で形成された管である。本実施形態では、第1外管44及び第2外管45は、内管42と同様に、波長が3.5μmを超える赤外線を吸収し且つ3.5μm以下の赤外線については透過する石英ガラス材料で形成されているものとした。なお、第1外管44,第2外管45は、冷媒流路49を流れる冷媒によって、例えば200℃以下に冷却可能になっている。
また、第1外管44の外側の表面には、反射層46が形成されている。この反射層46は、フィラメント41からみて内管42よりも外側に内管42から離れ、且つ、フィラメント41の周囲の一部のみを覆うように設けられている。より具体的には、反射層46は、第1外管44の表面のうち図2,3における上側、すなわち、フィラメント41からみて被加熱物である塗膜82とは反対側に形成されており、第1外管44の上側半分を全て覆っている。反射層46は、フィラメント41から放射される電磁波のうち、少なくとも赤外線を反射する赤外線反射材料で形成されている。赤外線反射材料としては、例えば金,白金,アルミニウムなどが挙げられる。反射層46は、第1外管44の表面に塗布乾燥、スパッタリングやCVD、溶射といった成膜方法を用いて赤外線反射材料を成膜することで形成されている。反射層46は、その断面の円弧を含む円の中心位置にフィラメント41が位置するように配置されている。その結果、フィラメント41から発せられた赤外線の一部は、反射層46で反射され、効率的に塗膜82へ照射される。また、反射層46は、冷媒流路49に面しており、冷媒流路49を流れる冷媒によって冷却される。
反射板48は、フィラメント41からみて反射層46よりも外側に、フィラメント41の周囲の一部のみを覆うように形成された板状の部材である。より具体的には、反射板48は、炉体14内において、第2外管45を図2,3における上側から覆うように設けられている。反射板48は、フィラメント41から放射される電磁波のうち、少なくとも赤外線を反射する材料で形成されている。反射板48の材料としては、例えばSUS304やアルミニウムなどの金属が挙げられる。反射板48は、は、内管42,第1外管44及び第2外管45と同様、塗膜82の搬送方向と直交する方向に延びるように形成され、断面形状が例えばパラボラ、楕円の弧、円弧等の曲線形状となっており、その焦点もしくは中心位置に赤外線ヒーター40(フィラメント41)が配置されている。その結果、フィラメント41から発せられた赤外線の一部は、反射板48で反射され、効率的に塗膜82へ照射される。
キャップ50は、図2に示すように、円盤状の蓋54と、その蓋54に立設された同心円で半径の異なる2つの円筒部52,53とを一体成形したものである。第1外管44の左右両端は、内側の円筒部52に固定され、第2外管45の左右両端は、外側の円筒部53に固定されている。また、キャップ50の上部両端には、取付部材56がそれぞれ設けられており、この取付部材56によって反射板48が固定されている。
冷媒流路49は、第1外管44と第2外管45との間の空間であり、キャップ50に設けられた流体出入口58を通じて冷媒が流通可能となっている。冷媒流路49を流通する冷媒は、赤外線ヒーター40の外面である第2外管45の温度や、第1外管44及び反射層46の温度を下げる役割を果たす。
コントローラー70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサーとして構成されている。このコントローラー70は、送風装置20の熱風発生器22に制御信号を出力して、熱風発生器22で発生させる熱風の温度及び風量を個別に制御する。また、コントローラー70は、熱電対である温度センサ59が検出した第2外管45の温度を入力したり、冷媒供給源65と流体出入口58とを接続する配管の途中に設けられた開閉弁67及び流量調整弁68に制御信号を出力したりして、赤外線ヒーター40の冷媒流路49を流れる冷媒の流量を個別に制御する。更に、コントローラー70は、電力供給源60からフィラメント41へ供給される電力の大きさを調整するための制御信号を電力供給源60へ出力して、赤外線ヒーター40のフィラメント温度を個別に制御する。また、コントローラー70は、ロール84,86の回転速度を制御することで炉体14内の塗膜82の通過時間を調整することができる。
シート80は、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウムや銅等の金属シートである。また、シート80上の塗膜82は、例えば乾燥後に電池用の電極として用いられるものであり、特に限定するものではないが、例えばリチウムイオン二次電池用の電極となる塗膜である。塗膜82としては、例えば、電極材(正極活物質又は負極活物質)とバインダーと導電材と溶剤とを共に混練した電極材ペーストを、シート80上に塗布したもの等が挙げられる。電極材は、正極活物質としてはコバルト酸リチウムなどが挙げられ、負極活物質としてはグラファイトなどの炭素材が挙げられる。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。導電材としては、カーボン粉末などが挙げられる。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。塗膜82の厚みは、特に限定するものではないが、例えば20〜1000μmである。
次に、こうして構成された乾燥炉10を用いて塗膜82を乾燥する様子について説明する。まず、図1において、乾燥炉10の左端に配置されたロール84からシート80が巻き外され、乾燥炉10の炉体14に搬入される直前に図示しないコーターによって上面に塗膜82が塗布され、炉体14の開口17を通って炉体14内へ搬入される。続いて、シート80は、炉体14内を通過し、その間に送風装置20及び赤外線ヒーター40により加熱されることにより塗膜82から溶剤が蒸発する。塗膜82から加熱により蒸発した溶剤は排気口36からブロワ32によって外部へ排出される。塗膜82は、最終的に炉体14の開口18から搬出され、乾燥炉10の右端に設置されたロール86にシート80とともに巻き取られる。塗膜82から溶剤が蒸発するのは、赤外線ヒーター40から照射される赤外線と送風装置20から供給される熱風の作用による。
このようにして塗膜82を乾燥する際の赤外線ヒーター40の動作について詳細に説明する。赤外線ヒーター40は、フィラメント41から波長が3μm付近にピークを持つ電磁波が放射されると、波長が3.5μmを超える電磁波については内管42,第1外管44,第2外管45により吸収され、第2外管45の外部へは主に3.5μm以下の波長の赤外線が内管42,第1外管44,第2外管45を透過して搬送通路19を通過するシート80の塗膜82に照射される。この波長の赤外線は、シート80の塗膜82に含まれる溶剤の水素結合を切断する能力に優れるといわれており、効率的に溶剤を蒸発させることができる。また、反射層46と反射板48とがフィラメント41から見て塗膜82と反対側に配置されているため、フィラメント41から塗膜82とは反対側に放射された電磁波のうち赤外線は反射層46や反射板48により反射される。この結果、塗膜82にはフィラメント41から直接放出される赤外線と反射層46や反射板48により反射された赤外線とが放射されることになり、被加熱物(塗膜82)を効率よく加熱できる。また、第1外管44や第2外管45は、3.5μmを超える波長の赤外線を吸収するが、冷媒流路49を流れる冷媒によって冷却される。本実施形態では、コントローラー70が冷媒流路49を流れる冷媒の流量を調整することにより、第2外管45の温度を、塗膜82から蒸発する溶剤の着火点未満の温度(例えば200℃以下など)に維持することが可能である。
また、反射層46は、フィラメント41に最も近い管である内管42から離れた第1外管44上に形成されており、且つ反射層46は冷媒流路49を流通する冷媒によって冷却される。これにより、例えば反射層46が内管42の表面に形成される場合と比べて、反射層46の過熱がより抑制され、ひいては反射層46の剥がれや劣化などの不具合をより抑制することができる。しかも、内管42は、波長が3.5μmを超える電磁波を吸収するため反射層46に到達するエネルギーを少なくして反射層46の過熱を抑制しつつ、波長が3.5μm以下の近赤外線を透過するためこれにより塗膜82を効率よく乾燥することができる。また、反射層46が反射板48とフィラメント41との間に配置されていることで、反射板48に到達する電磁波を反射層46により抑制することができ、反射板48の過熱も抑制することができる。このようにして、本実施形態の赤外線ヒーター40は、反射層46や反射板48の過熱を抑制しつつ、塗膜82を効率よく乾燥することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフィラメント41が本発明の発熱体に相当し、内管42が内壁に相当し、反射層46が反射層に相当し、冷媒流路49が冷媒流路に相当し、第1外管44が透過壁に相当し、反射板48が反射板に相当し、第2外管45が外壁に相当する。なお、本実施形態では、赤外線ヒーター40を備えた乾燥炉10についても説明することにより、本発明の乾燥炉の一例も明らかにしている。
以上説明した本実施形態の赤外線ヒーター40では、フィラメント41から赤外線を含む電磁波が放出されると、赤外線が内管42を透過し、フィラメント41の周囲の一部のみを覆うように内管42から離れて設けられた反射層46に到達して反射される。これにより、フィラメント41からみて反射層46とは反対側の領域(図1〜3における赤外線ヒータ40よりも下側の領域)には、フィラメント41から直接放出される赤外線と反射層46により反射された赤外線とが放射されることになり、被加熱物である塗膜82を効率よく加熱できる。このとき、内管42から離れて反射層46が設けられ、且つ反射層46は冷媒流路49を流通する冷媒によって冷却が可能となっている。これらにより、例えば反射層46を内管42上に形成する場合と比べて、反射層46の過熱をより抑制することができる。
また、内管42と反射層46との間に、赤外線を透過する第1外管44が設けられている。これにより、フィラメント41と反射層46との間に内管42と第1外管44との2つの層が存在するため、反射層46の過熱をより抑制することができる。
さらに、フィラメント41からみて反射層46よりも外側に、フィラメントの周囲の一部のみを覆うように設けられ、赤外線を反射する反射板48を備えている。これにより、フィラメント41からの赤外線を反射層46と反射板48との2つで反射できるため、フィラメント41からみて反射層46及び反射板48とは反対側の領域に対して、より多くの赤外線を放射でき、被加熱物(塗膜82)をより効率よく加熱できる。
さらにまた、フィラメント41からみて反射層46よりも外側に反射層46から離れて設けられた第2外管45、を備え、冷媒流路49は、第1外管44と第2外管45とで囲まれる空間である。これにより、冷媒流路49を流通する冷媒によって反射層46だけでなく第2外管45も冷却することができる。また、赤外線ヒーター40の外部への露出面(第2外管45の外表面)に到達する赤外線を反射層46で抑制でき、これによっても露出面の過熱を抑制することができる。
そしてまた、内管42は、フィラメント41からの電磁波の一部を吸収するため、反射層46の過熱をより抑制できる。しかも、内管42は、波長が3.5μmを超える赤外線を吸収するため、赤外線ヒーター40から外部に放射される近赤外線の割合が増し、塗膜82の加熱や乾燥を効率よく行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、内管42,第1外管44,第2外管45は電磁波の一部として波長が3.5μmを超える赤外線を吸収し且つ3.5μm以下の赤外線については透過する石英ガラスで形成されているものとしたが、これに限られず、赤外線を透過するものであればよい。例えば、内管42,第1外管44,第2外管45は電磁波をほとんど吸収しない材料で形成されていてもよい。あるいは、フィラメント41から放出される電磁波のうち、被加熱物を効率よく加熱,乾燥できる波長領域以外の波長領域の電磁波を吸収するものとしてもよい。ただし、反射層46の過熱をより抑制することができるため、内管42は電磁波の一部を吸収することが好ましい。また、第1外管44が反射層46とフィラメント41との間に位置するときには、内管42と同様に第1外管44も電磁波の一部を吸収することが好ましい。なお、内管42,第1外管44,第2外管45は同じ材質である必要はなく、いずれか1以上が異なる材質で形成されていてもよい。
上述した実施形態では、赤外線ヒーター40は反射板48を備えるものとしたが、これを備えないものとしてもよい。この場合、炉体14の天井付近に反射板を取り付けるものとしてもよい。
上述した実施形態では、冷媒流路49は第1外管44と第2外管45との間の空間であるものとしたが、冷媒を流通させて反射層46を冷却可能であれば、これに限られない。例えば、内管42と第1外管44との間の空間を冷媒流路とし、反射層46を第1外管44を介して冷却するなど、冷媒流路を流通する冷媒は反射層46を間接的に冷却するものとしてもよい。
上述した実施形態では、反射層46は第1外管44の外側表面に形成されているものとしたが、内管42から離れて形成されていれば、これに限られない。例えば、第1外管44の内側表面に形成されていてもよい。この場合、冷媒流路49を流通する冷媒が第1外管44を介して間接的に反射層46を冷却するものとしてもよいし、第1外管44と内管42との間の空間を冷媒流路として、ここを流通する冷媒により反射層46を直接冷却してもよい。あるいは、図4に示すように、第1外管44から離れて独立した層として反射層46が形成されていてもよい。反射層46を第1外管44の外側に第1外管44から離して配置することで、反射層46の過熱を抑制する効果が高まる。この場合、反射層46は、例えばキャップ50により赤外線ヒーターの長手方向の両端から支持されているものとしてもよい。また、反射層46を第2外管45の外側表面又は内側表面に形成するものとしてもよい。ただし、第2外管45の過熱を抑制することができるため、フィラメント41と第2外管45との間に、第2外管45と離して反射層46を形成することが好ましい。
上述した実施形態では、反射層46は断面が半円形状であり、第1外管44の上側半分を全て覆っているものとしたが、フィラメント41周囲の一部のみを覆う形状であれば、これに限られない。例えば、反射層46の断面が、中心角が鋭角の円弧状であるなど、第1外管44の上側半分のうち一部を覆っているものとしてもよい。あるいは、反射層46の断面が、中心角が180°を超える円弧状であるなど、第1外管44の上側半分だけでなく下側半分の一部も覆っているものとしてもよい。
上述した実施形態では、反射層46は断面が円弧に形成されているものとしたが、これに限られない。例えば、断面がパラボラ、楕円の弧などの曲線形状となっていてもよい。この場合、反射層46の断面形状の焦点もしくは中心位置にフィラメント41が配置されているものとしてもよい。また、図5に示すように、反射層46の断面が直線状、すなわち反射層46が平板状に形成されていてもよい。この場合、反射層46と第2外管45との間の空間49aを冷媒流路としてもよいし、反射層46と第1外管44との間の空間49bを冷媒流路としてもよい。空間49a,49bを共に冷媒流路としてもよい。
上述した実施形態では、赤外線ヒーター40は内管42,第1外管44,第2外管45の3つの管を有するものとしたが、4つ以上の管を有するものとしてもよいし、第1外管44,第2外管45の少なくとも一方を有しないものなどとしてもよい。なお、第2外管45を備えない場合には、第1外管44と内管42とで囲まれる空間を冷媒流路としてもよい。
上述した実施形態では、赤外線ヒーター40は内管42,第1外管44,第2外管45の3つの管を有するものとしたが、その他の構成であってもよい。例えば、内管42に代えて、フィラメント41と反射層46との間に赤外線を透過する平板状の内壁を備えるものとしてもよい。また、第1外管44に代えて、内管42と反射層46との間に赤外線を透過する平板状の透過壁を備えるものとしてもよい。あるいは、第2外管45に代えて、フィラメント41からみて反射層46よりも外側に反射層46から離れて設けられ、フィラメント41の側面や上面を覆う屈曲した板状の外壁を備えるものとしてもよい。例えば、赤外線ヒーターの構成を、図6に示す変形例の赤外線ヒーター40aのようにしてもよい。赤外線ヒーター40aは、六角形の底面が開放された形状の断面を有する保護管である外壁45aと、この外壁45a内に配置されたフィラメント41,内壁42a,透過壁44a,反射層46a,赤外線透過板47aと、を備えている。内壁42aは、外壁45a内でフィラメント41の上側に配置された平板の部材である。透過壁44aは、フィラメント41からみて内壁42aよりも外側に内壁42aから離れて設けられた平板の部材である。反射層46aは、上述した反射層46と同様に赤外線反射材料からなり、透過壁44aの上側表面上に形成されてこれを覆っている。赤外線透過板47aは、フィラメント41からみて反射層46aとは反対側に位置しており、外壁45aの開放された底面を塞ぐように設けられた平板の部材である。なお、内壁42a,透過壁44a,赤外線透過板47aは、いずれも赤外線を透過するものであり、例えば石英ガラスなど、上述した赤外線透過材料で形成されている。また、透過壁44aの上側と外壁45aとで囲まれた空間49cは、冷媒が流通可能な冷媒流路となっている。こうして構成された赤外線ヒーター40aでは、フィラメント41から直接放出される赤外線と反射層46aにより反射された赤外線とが、赤外線透過板47aを透過して赤外線ヒーター40aの下方に照射されるため、赤外線ヒーター40aの下方に配置された被加熱物を効率よく加熱できる。また、フィラメント41からの電磁波が直に照射される内壁42aから離れた透過壁44a上に反射層46aが形成されており、且つ反射層46aは空間49cを流通する冷媒によって冷却される。これにより、上述した実施形態と同様に、反射層46aの過熱をより抑制することができる。なお、外壁45aは赤外線を透過するものとしてもよいし、透過しないものとしてもよい。赤外線ヒーター40aの下方に効率よく赤外線を照射できるため、外壁45aは上述した反射板48と同様に赤外線を反射する材料で形成することが好ましい。この場合、外壁45aが本発明の外壁及び反射板に相当する。
上述した実施形態では、図2に示したように、反射層46が配置された空間と内管42が配置された空間とは、第1外管44及びキャップ50によって分離されているものとしたが、両空間が分離されていなくともよい。ただし、内管42から反射層46への熱伝導をより抑制できるため、両空間が分離していることが好ましい。
上述した実施形態では、発熱体であるフィラメント41の材料としてW(タングステン)を例示したが、加熱すると赤外線を含む電磁波を放出するものであれば特に限定されない。例えば、Mo,Ta,Fe−Cr−Al合金及びNi−Cr合金でもよい。
上述した実施形態では、赤外線ヒーター40は、リチウムイオン二次電池用の電極となる塗膜82を加熱して乾燥するものとしたが、加熱する対象はこれに限られない。
上述した実施形態では、本発明の赤外線加熱装置を赤外線ヒーター40に具現化した例を実施形態として示したが、これに限られない。例えば、本発明の赤外線加熱装置は、図7に示す乾燥炉110としてもよい。この乾燥炉110では、赤外線ヒーター40の代わりに、赤外線ヒーター140を備えている。赤外線ヒーター140は、図示は省略するが、赤外線ヒーター40において第2外管45及び冷媒流路49を備えない構成としたものである。また、乾燥炉110は、炉体14内部において、赤外線ヒーター140と塗膜82とを空間的に分離するように配置された赤外線透過板145を有している。赤外線透過板145の材料としては、赤外線を透過するものであればよく、上述した赤外線透過材料を用いることができる。炉体14の天井部には、前端面15側と後端面16側とにそれぞれ流体出入口158が設けられている。これにより、乾燥炉110では、炉体14と赤外線透過板145とで囲まれた、複数の赤外線ヒーター140が存在する空間149を冷媒流路として、この空間149に冷媒を流通させることが可能になっている。そのため、第1外管44,反射層46,反射板48は、この空間149を流通する冷媒により冷却される。このように構成された乾燥炉110においても、反射層46が内管42から離れて形成されて、且つ空間149を流通する冷媒により反射層46を冷却することができるため、本実施形態と同様に反射層46の過熱をより抑制することができる。なお、この乾燥炉110が本発明の赤外線加熱装置に相当し、炉体14の壁部が本発明の外壁に相当し、空間149が本発明の冷媒流路に相当する。
上述した実施形態では、冷媒流路を流れる冷媒としてエアーを用いたが、窒素などの不活性ガスを用いてもよい。
[実施例1]
図1〜3に示した構成の赤外線ヒーター40を実施例1とした。なお、ヒーター本体43のフィラメント41は外径が2mm、材質がタングステン,発熱長が600mmとし、内管42,第1外管44,第2外管45は材質が石英ガラスとし、反射層46は材質が金,膜厚が5μmとした。反射板48の材質はSUS304とした。
[実施例2]
図8に示すように、反射層46を第1外管44ではなく第2外管45の外表面に形成し、反射層46が第2外管45の上側半分を覆うようにした点以外は、実施例1の赤外線ヒーター40と同様の構成の赤外線ヒーターを実施例2とした。
[比較例1]
第1外管44が反射層46を備えない点、以外は実施例1の赤外線ヒーター40と同様の構成の赤外線ヒーターを比較例1とした。
[比較例2]
図9に示すように、反射層46を第1外管44ではなく内管42の外表面に形成し、反射層46が内管42の上側半分を覆うようにした点以外は、実施例1の赤外線ヒーター40と同様の構成の赤外線ヒーターを比較例2とした。
[評価試験]
実施例1〜2及び比較例1〜2の赤外線ヒーターについて、フィラメント41の温度を1000℃,冷媒流路49を流れるエアーの流量を100L/minとして、2時間経過後の反射板48,第2外管45の上端(フィラメント41からみて反射板48側の端部),第2外管45の下端(フィラメント41からみて反射板48側とは反対側の端部)の温度をそれぞれ測定した。また、反射層46の剥がれの有無を調べた。結果を表1に示す。なお、比較例2については温度の測定は行わなかった。
Figure 0006225117
表1から明らかなように、実施例1,2では、反射層46の剥離が見られなかったのに対し、比較例2では反射層46の剥離が見られた。実施例1,2では、反射層46を内管42から離しており、且つ冷媒流路49を流通するエアーにより反射層46を冷却しているため、反射層46の過熱を抑制でき、結果として剥がれが生じていないものと考えられる。

また、実施例1,2では、比較例1と比べて反射板48の温度が低下していた。実施例1,2では、反射層46を設けていることにより、反射板48に到達する電磁波を抑制して反射板48の過熱を抑制できていると考えられる。また、実施例1,2では、比較例1と比べて第2外管45の下端の温度はやや上昇していた。実施例1,2では、反射層46を設けていることにより、反射板48だけでなく反射層46でも赤外線を反射することで、反射層46の反対側に効率よく赤外線を照射できており、その結果として第2外管の下端の温度がやや上昇していると考えられる。
さらに、実施例1は、実施例2とを比較して第2外管45の上端の温度が低下していた。実施例1では、第1外管44の表面上に反射層46を設けることにより、第2外管45の表面上に反射層46を設けた実施例2と比べて第2外管45に到達する電磁波を抑制して、第2外管45の過熱を抑制できていると考えられる。
本出願は、2012年11月7日に出願された日本国特許出願第2012−245253号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、赤外線を放出する赤外線ヒーターなどの赤外線加熱装置を用いた加熱や乾燥が必要な産業、例えばリチウムイオン二次電池の電極塗膜を製造する電池産業や2層のセラミック焼結体からなるセラミック積層体を製造するセラミック産業、光学フィルム製品を製造するフィルム産業などに利用可能である。
10,110 乾燥炉、14 炉体、15 前端面、16 後端面、17,18 開口、19 搬送通路、20 送風装置、22 熱風発生器、24 パイプ構造体、26 通気口、30 排気装置、32 ブロワ、34 パイプ構造体、36 排気口、40,40a,140 赤外線ヒーター、41 フィラメント、41a 電気配線、42 内管、42a 内壁、43 ヒーター本体、44 第1外管、44a 透過壁、45 第2外管、45a 外壁、46,46a 反射層、47a 赤外線透過板、48 反射板、49 冷媒流路、49a,49b,49c,149 空間、50 キャップ、52〜53 円筒部、54 蓋、55 ホルダー、56 取付部材、57 配線引出部、58,158 流体出入口、59 温度センサ、60 電力供給源、65 冷媒供給源、67 開閉弁、68 流量調整弁、70 コントローラー、80 シート、82 塗膜、84,86 ロール、145 赤外線透過板。

Claims (6)

  1. 乾燥炉に用いられる赤外線加熱装置であって、
    加熱されると赤外線を含む電磁波を放出する発熱体と、
    赤外線を透過する内壁と、
    前記発熱体からみて前記内壁よりも外側に該内壁から離れ、且つ、前記発熱体の周囲の一部のみを覆うように設けられ、赤外線を反射する反射層と、
    前記反射層を冷却する冷媒が流通可能な冷媒流路と、
    前記内壁と前記反射層との間に設けられ、赤外線を透過する透過壁と、
    前記発熱体からみて前記反射層よりも外側に該反射層から離れて設けられ、前記透過壁を囲むように形成され、赤外線を透過する外壁と、
    を備え
    記内壁と前記透過壁との少なくとも一方は、前記電磁波の一部を吸収する、
    赤外線加熱装置。
  2. 前記反射層は、前記透過壁の外表面に設けられている、
    請求項1に記載の赤外線加熱装置。
  3. 前記冷媒流路は、前記透過壁と前記外壁とで囲まれる空間である、
    請求項1又は2に記載の赤外線加熱装置。
  4. 前記反射層の材質は金である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外線加熱装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線加熱装置であって、
    前記発熱体からみて前記反射層よりも外側に、前記発熱体の周囲の一部のみを覆うように設けられ、赤外線を反射する反射板、
    を備えた赤外線加熱装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線加熱装置を備えた乾燥炉。
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