JP4294431B2 - 赤外線電球及び加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線電球及び加熱装置に関する。
従来の加熱装置は、タングステン等の発熱体を使用していた。近年、棒状又は板状に成形した炭素系物質の焼結体を発熱体として使用する赤外線電球が開発されている。炭素系物質の赤外線放射率は78〜84%と高いため、炭素系物質を発熱体として用いることで赤外線電球の赤外線放射率が高くなる。赤外線電球を食品の加熱に使用すると、高い遠赤外線放出率により短時間で加熱ができ料理の味も良い。赤外線電球は発熱量が大きいので、室内等を暖める暖房装置にも適している。
従来、炭素系物質の発熱体を1重のガラス管に封止して、赤外線電球を構成していた。1重のガラス管(典型的には石英ガラス管)で構成した赤外線電球を有する加熱装置(例えば焼肉機)を使用した場合、被加熱物から飛散する油や塩分による赤外線電球の汚染はさけられなかった。特にガラス管に塩分が付着した状態で赤外線電球を使用していると、塩分中のアルカリ成分により石英ガラス管に失透現象が生じ、赤外線電球の加熱効率が減少するとともに、最悪の場合石英ガラス管が破損するおそれがあった。
特開2001−313005号公報に、炭素系発熱体を2重のガラス管に封入することにより、ガラス管表面に金属イオンを含む物質、又は炭化物が付着して失透現象が起きることを防ぐ従来例1の赤外線電球が開示されている。従来例1の赤外線電球は、発熱体を封入した第1のガラス管を2本、第2のガラス管で封止している。
赤外線電球は、炭素系発熱体の断面形状を1対5以上にすると、顕著な輻射強度の指向性(方向による輻射強度差)を持つ。この赤外線電球を用いることにより、指向性のある加熱ができる。反射膜又は反射板を形成することにより、所望の輻射強度分布を有する従来例2の赤外線電球が、国際公開WO01/041507号パンフレットに開示されている。反射膜はガラス管の外面上に約5μmの厚みに蒸着された金の薄膜であって、半円筒形状である。反射膜は、発熱体から輻射された赤外線の約70%を反射し、反射膜の背面はほとんど輻射されない。
反射板は、厚さ約0.4〜0.5mmのアルミニウム製の半円筒形状であり、その内面に鏡面加工が施された反射面を有する。反射板の赤外線反射率は、約80〜90%である。反射板は、発熱体の中心線と平行に、ガラス管の外面から所定の間隔を有して配置されている。反射板は、実質的に発熱体の中心線を中心として設置される。従来例2の赤外線電球は、反射膜又は反射板を有することにより、局所的に輻射強度を大きくすることができる。
特開2001−313005号公報 国際公開第WO01/041507号パンフレット
特許文献1に記載された従来例1の赤外線電球において、内側の第1のガラス管は外側の第2のガラス管に封入されているため、内側のガラス管と外側のガラス管とが簡単に取り外すことのできない構成であった。そのため、例えば加熱調理器において、外側のガラス管が被加熱物から飛散する油や塩分によって汚れた場合、赤外線電球ごと交換しなければならなかった。赤外線電球の交換に必要なコストが高くなるという問題があった。従来の赤外線電球は、失透現象を適切に防止し又は起こりにくくする構造を有していなかった。そのため、飛散する油や塩分が付着し易い用途の加熱装置(例えば焼肉機)においては、高い輻射強度を維持した状態で長期の使用をすることが出来なかった。
特許文献2に記載された従来例2の赤外線電球は、局所的に輻射強度を大きくすることができるが、その所定の方向への赤外線の集熱率は更に改善の余地があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされるものであり、内側のガラス管と外側のガラス管とが取り外し可能な構成とし、使い勝手の良い赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを目的とする。
本発明は、飛散する油や塩分が付着し易い用途においても、ガラス管の失透現象を防ぎ、高い輻射強度を維持した状態で長期の使用が可能な赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の作用に加えて、改善された輻射分布を有する(所定の方向への高い赤外線放射強度を有する)赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。請求項1に記載の発明は、長手方向に延びる形状を有する1又は複数個の発熱体と、非晶質ガラスで形成され前記発熱体を封止した第1のガラス管と、筒状であってその中の空洞部に前記第1のガラス管を配置した第2のガラス管と、前記第1及び第2のガラス管の両端部をそれぞれ保持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記保持部材と前記第1のガラス管とを所定の固定部材で固定し、前記保持部材と前記第2のガラス管とをバンドで固定する構造を有し、前記第2のガラス管を少なくとも前記第1のガラス管との配置関係を解除するように取り外し可能にしたことを特徴とする赤外線電球である。本発明は、発熱体を二重管で覆うことにより失透現象を防ぎ、内側のガラス管と外側のガラス管とが取り外し可能な構成とし、使い勝手の良い赤外線電球を実現する。第1及び第2のガラス管等を保持部材に取り外し可能に取り付けることにより、第1及び第2のガラス管等の相互の位置関係を固定し、且つ第2のガラス管等の取り外し容易な構造を実現できる。第1のガラス管を固定部材で固定することにより、発熱体の固定及びその電気的接続を実現する。例えば赤外線電球を加熱装置に取り付けた状態において、加熱装置の筐体と第2のガラス管との隙間から油や煙を含んだ空気が洩れないように、両者を密着させることが好ましい。一方、保持部材も加熱装置に取り付けられる。本発明においては、第2のガラス管はバンドで保持部材に固定される故、第2のガラス管が加熱装置の筐体と保持部材とにより歪み応力を受けることを防止できる。第2のガラス管と保持部材とはバンドで固定されている故、歪み応力を容易に逃すことが出来るからである。
請求項2に記載の発明は、前記発熱体を25℃環境において定格で加熱した時、前記第2のガラス管の外周表面の温度が、全ての部分において600℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球である。飛散する油や塩分が付着し易い使用環境において、赤外線電球のガラス管(典型的には石英ガラス管)は、600℃を超えると、急速に失透現象が進行する。ガラス管の表面温度を600℃以下に保持すると、油や塩分が表面に付着しても、ガラス管の失透現象はほとんど進行しない。本発明は、飛散する油や塩分が付着し易い用途においても、高い輻射強度を維持した状態で長期の使用が可能な赤外線電球を実現する。
請求項3に記載の発明は、前記発熱体を25℃環境において定格で加熱した時、前記第2のガラス管の外周表面の温度が、全ての部分において550℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球である。飛散する油や塩分が付着し易い使用環境において、赤外線電球のガラス管(典型的には石英ガラス管)は、その表面温度を550℃以下に保持すると、油や塩分が表面に付着しても、ガラス管の失透現象はその表面温度が600℃の場合より更に遅くなる。本発明は、飛散する油や塩分が付着し易い用途においても、高い輻射強度を維持した状態で長期の使用が可能な赤外線電球を実現する。
請求項4に記載の発明は、前記第2のガラス管が石英ガラスを含む耐熱性ガラスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。石英ガラスを含む耐熱性ガラスは赤外線電球のガラス管の材料として適しており、上記の発明は、これらのガラスを用いた赤外線電球に適している。
請求項5に記載の発明は、前記第1のガラス管の中心軸が、前記第2のガラス管の中心軸から偏心していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。例えば赤外線電球を加熱調理器に使用した場合、発熱体を、第2のガラス管の油や塩分が表面に付着し易い側から遠ざけて配置することにより、第2のガラス管において実効的に失透現象が起きにくくすることが出来る。
請求項6に記載の発明は、前記第1又は第2のガラス管の外周上に、長手方向に所定の幅で反射膜が形成され、又は反射板が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。これにより、赤外線電球の全体サイズを大きくすることなく、輻射分布を改善する(所定の方向への赤外線放射強度を高くする)ことが出来る。
請求項7に記載の発明は、前記第1のガラス管と前記第2のガラス管との間に、長手方向に所定の幅で延びる反射板が設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。赤外線電球の全体サイズを大きくすることなく、輻射分布を改善する(所定の方向への赤外線放射強度を高くする)ことが出来る。
請求項8に記載の発明は、前記第2のガラス管の外周上に密着して、長手方向に所定の幅で反射板が配置されており、前記反射板の少なくとも長手方向に平行な端部と前記第2のガラス管の表面とが、耐熱性の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。これにより、例えば赤外線電球を加熱調理器に使用した場合、油等を含んだ空気が反射板と第2のガラス管との隙間から中に入り込んで、第1のガラス管等を失透させることを防止できる。
請求項9に記載の発明は、前記反射板が、その幅方向の中心近傍に長手方向に延びる溝部を有することを特徴とする請求項8に記載の赤外線電球である。例えば赤外線電球を加熱調理器に使用した場合、反射板に付着した油が溝部に集中してたまる。これにより、他の部分(例えば高い反射率を維持する必要がある部分)の汚れの進行を遅くすることが出来る。
請求項10に記載の発明は、前記反射板の幅方向の両端部が外側にカーリングし又は外側に曲げ加工されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。これにより、ユーザが反射板の端部のエッジで怪我をすることを防止できる。反射板と第2のガラス管との接触部において高い密着性を実現し、油等を含んだ空気が反射板と第2のガラス管との隙間から中に入り込んで、第1のガラス管等を失透させることを防止できる。
請求項11に記載の発明は、前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜又は前記反射板の断面形状が、前記第1のガラス管の中心軸を焦点とする放物線に近似することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。断面が放射線形状の反射膜(又は反射板)は、その焦点位置に置かれた発熱体が放射する熱をほとんど全て逃さず所定の方向に反射する。これにより、高い集熱率の赤外線電球を実現できる。
請求項12に記載の発明は、前記第2のガラス管は円筒形状を有し、前記第2のガラス管の外周上に長手方向に所定の幅で反射膜が形成されており、前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜が、前記第1のガラス管の中心軸を焦点とする放物線に近似することを特徴とする請求項5に記載の赤外線電球である。断面が放射線形状の反射膜(又は反射板)は、加工が難しく高価である。上記の構成で第1のガラス管(発熱体)の中心軸を第2のガラス管の中心軸から偏心させることにより、放物線に近似する断面を有し、焦点に配置された発熱体からの熱を所定の方向に放射する反射膜を近似的に実現できる。これにより、放射線形状の反射膜(又は反射板)に近似する高い集熱率の安価な赤外線電球を実現できる。
請求項13に記載の発明は、前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜の幅方向の両端と、前記第1のガラス管の中心軸と、が略直線上に位置することを特徴とする請求項12に記載の赤外線電球である。これにより、更に高い集熱率の安価な赤外線電球を実現できる。
請求項14に記載の発明は、前記発熱体は板状であって、前記発熱体の最も幅が広い面に垂直でその長手方向に延びる中心線を通る面が、前記反射膜又は前記反射板の長手方向に延びる中心線を略通ることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。発熱体自体の指向性と、反射膜又は反射板による指向性とを合わせて、更に高い集熱率の赤外線電球を実現できる。
請求項15に記載の発明は、前記第2のガラス管の両端が開口していることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球である。これにより、汚れた第2のガラス管を交換又は清掃のため容易に取り外すことが出来る。第2のガラス管と第1のガラス管との間に外部の空気を流通させることにより、第2のガラス管を効果的に冷却し、失透現象を更に起きにくくすることが出来る。
請求項16に記載の発明は、前記第1のガラス管は両端に前記発熱体に通電するための金属端子を有し、前記金属端子は前記第2のガラス管の両端より外側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。作業者が金属端子にリード線を接続する時、第2のガラス管が邪魔にならない。本発明は、作業性の良い赤外線電球を実現する。
請求項17に記載の発明は、前記発熱体が、炭素系物質で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。炭素系物質で形成された発熱体は高い赤外線放射率を有する。炭素系物質で形成された発熱体は発熱量が大きいため、そのガラス管が高温になる。炭素系物質の発熱体を用いた加熱装置においては、ガラス管が失透することを防止するための保護策を設ける必要があった(例えば発熱体と被加熱物との間に仕切りのガラス板を設ける。)本発明は、赤外線放射率が高いという炭素系物質の発熱体の特徴を生かしつつ、加熱装置において特別な保護策を設ける必要がない赤外線電球を実現する。
請求項18に記載の発明は、前記反射膜が、金、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等の反射率の高い金属材料又は窒化チタン、酸化アルミニウム等の反射性を有する物質で少なくとも反射面層が形成されることを特徴とする請求項6又は請求項12に記載の赤外線電球である。本発明は、高い集熱率を有する赤外線電球を実現する。
請求項19に記載の発明は、前記反射板は、ステンレス、金、銀、酸化アルミニウム、ニッケル又はアルミニウムで形成されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球である。本発明は、高い集熱率を有する赤外線電球を実現する。
請求項20に記載の発明は、請求項1から請求項19のいずれかの請求項に記載の赤外線電球を有することを特徴とする加熱装置である。本発明は、上記の作用を有する加熱装置を実現する。
請求項21に記載の発明は、前記発熱体が炭素系物質で形成された請求項15に記載の赤外線電球と、前記赤外線電球の発熱体をその内側に配置し内側と外側とを略仕切る内壁と、前記赤外線電球を格納する筐体と、を有し、前記内壁は、互いに対向しそれぞれ前記赤外線電球の第2のガラス管の両端が挿入された穴を有する2つの壁を有することを特徴とする加熱装置である。本発明は、第2のガラス管と第1のガラス管との間に外部の空気を流通させ、第2のガラス管を効果的に冷却することにより、失透現象が起きにくい加熱装置を実現する。
請求項22に記載の発明は、前記加熱装置が、焼肉器、加熱調理器、オーブン、加熱暖房機、電気ストーブ又は乾燥機であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の加熱装置である。本発明は、上記の特徴を生かした加熱装置を実現する。
本発明によれば、発熱体を二重管で覆うことによりガラス管の失透現象を防ぎ、内側のガラス管と外側のガラス管とが取り外し可能な構成とし、使い勝手の良い赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、飛散する油や塩分が付着し易い用途においても、高い輻射強度を維持した状態で長期の使用が可能な赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、上記の作用に加えて、改善された輻射分布を有する(所定の方向への高い赤外線放射強度を有する)赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を実現できるという有利な効果が得られる。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
《実施の形態1》
図1〜図4及び図13を用いて、本発明の実施の形態1の赤外線電球及びそれを用いた加熱調理器を説明する。図1は本発明の実施の形態1の赤外線電球の概略的な構成を示す図である。図1において、上下に示した実施の形態1の赤外線電球は、その中央部分及び両端の保持部材(後述)を省略したものであり、連続した構造を有している。実施の形態1の赤外線電球は、第1のガラス管1、発熱体2、放熱ブロック3、内部リード線4、コイル状部5、スプリング状部6、モリブデン箔7、外部リード線8、第2のガラス管9、反射膜10を有する。実施の形態1の赤外線電球は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とで二重に、発熱部分を覆った構造である。
図1に示すように、実施の形態1の赤外線電球は、発熱体2と放熱ブロック3と内部リード線4とが第1のガラス管1内に封入されている。第1のガラス管1は石英ガラス(例えば、ダウコーニング社製バイコールガラス(品番 #7190))の非晶質ガラスである。実施の形態1において、第1のガラス管のサイズは、直径10.5ミリである。
第1のガラス管1内に封入された板状の発熱体2は、黒鉛などの結晶化炭素、抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素の混合物からなる炭素系物質で形成されている。この発熱体2の形状は板状であり、例えば、幅Tmm、厚みtmm、長さ300mmに形成されている(T≧5t)。なお、板状形状は多角形形状でも良い。炭素系物質の赤外線放射率は78〜84%と高いため、炭素系物質を発熱体として用いることで、赤外線電球の赤外線放射率が高くなる。また平板状であることから加熱に要する余分なエネルギーが必要でないなど大きな特徴を有している。炭素系物質は、温度と抵抗の関係を表す温度抵抗特性がわずかに負或いは正の特性を有しているため、通電開始の瞬間の突入電流が小さく、制御回路も簡単なものでよい。突入電流が小さいのでノイズによる周辺機器への影響も無い。
放熱ブロック3は導電性材料で形成されており、発熱体2の一端に電気的に接続されている。なお、この放熱ブロックは、発熱体の発熱量が低出力の時は省略しても良い。内部リード線4は、その一端にコイル状部5が形成されており、そのコイル状部5に続いて弾性を有するスプリング状部6が形成されている。
図1に示すように、内部リード線4のコイル状部5が放熱ブロック3の外周面に密着して巻回され電気的に接続されている。内部リード線4のスプリング状部6は、放熱ブロック3の外周面から所定の間隔を有して配置されており、発熱体2の膨張による寸法変化を吸収できるように構成されている。
実施の形態1の加熱調理器においては、上記の赤外線電球を横置きに配置する(図13)。縦置き仕様の他の赤外線電球においては、第1のガラス管1の内部で、発熱体2の一方の端部を担持する内部リード線4がバネ性のあるスプリング状部6を有し、他方の端部を担持する内部リード線4がバネ性を有しない。この赤外線電球を縦に設置する加熱装置(例えば縦型の暖房装置)においては、バネ性を有しない端部を上側に配置し、バネ性を有する端部を下側に配置する。
内部リード線4は、モリブデン箔7を介して外部リード線8に接続される。モリブデン箔7を含む第1のガラス管1の端部を溶融し平板状に押しつぶして封止する(「封止部」と呼ぶ。)。第1のガラス管1の中には、アルゴンガス等の不活性ガスが封入される。
外部リード線8に電力を印加すると、発熱体2に電流が流れ、その電流に対する発熱体の抵抗により熱が生じる。このとき、発熱体からは赤外線が輻射される。
本発明の実施の形態1の赤外線電球は、第1のガラス管1の発熱部分を第2のガラス管9を用いて覆い2重管の構成としたものである。第2のガラス管9は、石英ガラスを含む耐熱性ガラスで形成され、円筒形の形状を有する。第2のガラス管9の外郭サイズは、発熱体2を25℃環境において定格で加熱した時、第2のガラス管9の全ての部分における表面温度が600℃以下(好ましくは550℃以下)となるようにする。これにより、第2のガラス管9は、使用時に表面にアルカリ金属等を含む物質が付着しても失透現象を起こしにくい。実施の形態1において、第2のガラス管9のサイズは、直径50ミリである。
第2のガラス管9は円筒状の形状であって、その中に空洞部を有し、両端に開口を有する。第2のガラス管9の空洞部に第1のガラス管1を配置する。第1のガラス管1の中心軸(発熱体2の中心軸)と第2のガラス管9の中心軸とはほぼ一致する。
反射膜10は第2のガラス管9の外壁に反射率の高い金箔を転写後焼成して得られる。反射膜10は、第2のガラス管9の外壁の発熱体2の幅面に対向した方向に施される。反射膜10の幅は第2のガラス管9の外周の約半分であり(第1のガラス管1の中心軸に垂直な断面において、反射膜10の幅方向の両端と、第1のガラス管1の中心軸(発熱体2の中心軸)と、が略直線上に位置する。)、反射膜10の長さは発熱体2の発光長を覆う長さである。
図2は、図1の赤外線電球の軸垂直断面方向の輻射強度分布特性を表す分布図である。図2に示されているx軸及びy軸は、図1に示した発熱体2の長手方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。x軸は発熱体2の幅方向に垂直な方向であり、y軸は発熱体2の幅方向に平行な方向である。図2の中心に、発熱体2を封止した第1のガラス管1を記載している。図2のグラフにおいて、半径方向の距離が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体2の輻射方向(角度)を示している。輻射強度分布曲線11及び12は、発熱体2に一定の電圧を印加したとき、発熱体2の中心軸から一定の距離の地点における微少な一定の面積内に到達する赤外線量を測定して得た。図2において、半径方向の単位はW/cmである。
実線で示す輻射強度分布曲線12は、反射膜10を有する実施の形態1の赤外線電球の輻射強度分布曲線である。点線で示す輻射強度分布曲線11は、第2のガラス管9が反射膜10を有しない場合の発熱体2の輻射強度分布曲線を比較のために示す。反射膜を有する赤外線電球は、反射膜を有しない赤外線電球と比較して、x軸方向の輻射強度が約1.5倍である。赤外線電球は反射膜10を設けることにより、優れた指向性(一方向への高い集熱率)が得られる。上記の2重構成により第1のガラス管の表面保護と第2のガラス管の表面劣化(失透)を防ぎ、且つ優れた指向性を有する赤外線電球を実現できる。
図3、4を用いて、実施の形態1の赤外線電球における第1のガラス管1と第2のガラス管9とを保持する保持部材30の構成を説明する。図3は、本発明の実施の形態1の赤外線電球における保持部材30の取り付け構造を示す分解構成図である。図4は、保持部材30に第1のガラス管1と第2のガラス管9とを取り付けた状態を示す組立構成図である。保持部材30は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを、それらの相互の配置関係を解除するように取り外し可能に保持する。
第1のガラス管1と第2のガラス管9とは、左右の端部を2個の保持部材30で保持される。左右の保持部材30の構造は同一である。一方の保持部材30を示す図3、4において、保持部材30は、アルミダイカストで形成された保持ブロック31と、ステンレスの板金で形成された底板35及び上板36と、2本のビス42と、金属バンド43とで構成される。
底板35は、側部45と、側部45から上方向に突出し、上板36を固定する折り曲げ部40と、ビス42を挿通するビス穴39と、発熱体から引き出される外部リード線8を耐熱ガラスチューブ47を介して挟み込むリード線保持部41と、を有する。上板36は左右に突出する4つの折り曲げ部44と、真中に設けられた切り欠きに形成されたバネ性を有する押さえ板38と、を有する。上板36と底板35とは、その間の開口部37に第1のガラス管1の封止部を挿通した状態で組み立てられる。折り曲げ部44及び40を折り曲げて、第1のガラス管1を挟み込んだ状態で上板36を底板35に固定する。バネ性を有する押さえ板38が第1のガラス管1を所定の力で保持する。
保持ブロック31は、底板35を保持する第1のガラス管保持ブロック34と、第2のガラス管9を保持する斜面33と、ストッパ46とを有する。第1のガラス管保持ブロック34は、ビス穴32を有する。第1のガラス管1を第2のガラス管9に通した状態で、2本のビス42をビス穴39を介してビス穴32に締め込むことにより、第1のガラス管1を開口部37に挟持し上板36と底板35とからなる筐体は、保持ブロック31に固定される。2本のビス42をビス穴32に締め込む時、第2のガラス管9の外壁が斜面33で保持され、第2のガラス管9の端部がストッパ46に当たった状態にする。第2のガラス管9と保持ブロック31とを、金属バンド43で一体になるように締め付けて固定する。
左右の保持部材30を上記の様に組み立てることにより、第1のガラス管1及び第2のガラス管9は簡単に取り外しができる状態で、それぞれ保持部材30に固定される。第1のガラス管1と保持部材30とを固定する力が第2のガラス管9に歪み応力を発生せず、第2のガラス管9と保持部材30とを固定する力が第1のガラス管1に歪み応力を発生させない。以下、簡単にその理由を説明する。2個の保持部材30は、それぞれ第1のガラス管1の左右に取り付けられることにより相対位置が固定され、その間に第2のガラス管9を固定することが出来る。左右の保持部材30のストッパ46間の距離は、第2のガラス管9の長さとほぼ同一である。第1のガラス管1を保持部材30に取り付けた状態で、第2のガラス管9は固定されていないから、第1のガラス管1を保持部材30に取り付ける力が第2のガラス管9を歪ませる恐れはない。第2のガラス管9と保持ブロック31とを金属バンド43で固定する時、第1のガラス管1にはほとんど歪み応力が働かない。
図13は、実施の形態1の赤外線電球を用いた加熱調理器の全体構成を示す図である。本発明の加熱調理器は、外壁20と内壁21とを有し、赤外線電球は内壁21に設けられた穴24に挿入される。発熱体全体が左右の内壁21の間に入り、第2のガラス管9の両端が内壁21から外側に少し突出するような長さを有する赤外線電球を用いる。第2のガラス管9の外周と内壁21との間は密封されており、その間から油煙が外に漏れることはない。
この構成によると、被加熱物23を加熱した際に、被加熱物から放出された油、塩分などが網22を通過して第2のガラス管9に付着する。第2のガラス管9の表面は600℃以下(好ましくは550℃以下)である故、第2のガラス管9が失透する恐れはない。油、塩分などを含む空気は、内壁21により遮蔽される故、第2のガラス管9の側面の開口部からその内部に入り込むことはない。外部の空気が第2のガラス管9の内部を通り抜けることにより、第2のガラス管9の表面温度が更に下がる。これにより、第1のガラス管1及び第2のガラス管9の失透劣化を防ぎ、赤外線電球を長寿命化することができる。
第2のガラス管が失透し又は汚れた場合であっても、加熱調理器から赤外線電球を簡単に取り外すことができ、更に第2のガラス管9を赤外線電球から簡単に取り外すことができる。容易に第2のガラス管を清掃し、又は第2のガラス管のみを取り替えることができる。
ガラス管9は、石英ガラスを含む耐熱性ガラスとして非結晶質ガラスについて説明したが、結晶化ガラス等においても構造上同様の効果が得られる。なお、第1のガラス管と第2のガラス管についてダウコーニング社製バイコールガラス(品番 #7190)を使用すると吸収波長域がガラス管に対して透過し易くなり、且つ透過した熱が被加熱物に吸収されやすいため、加熱効率が向上される。
実施の形態1の赤外線電球及びそれを使用した加熱装置(加熱調理器)は、高い加熱効率を有し、使い勝手が良い。
図13の加熱装置(加熱調理器)は、1つの赤外線電球を有する。しかしこれに限られるものでなく、加熱装置は、複数の上記の赤外線電球を用いても良く、これにより同様の効果が得られる。
《実施の形態2》
図5〜9を用いて、本発明の実施の形態2の赤外線電球及びそれを用いた加熱調理器を説明する。図5は、実施の形態2の赤外線電球の概略的な構成を示す図である。図5において、上下に示した実施の形態2の赤外線電球は、その中央部分及び両端の保持部材(後述)を省略したものであり、連続した構造を有している。図6は、図5に示した実施の形態2における赤外線電球の軸垂直断面方向の断面図である。第2のガラス管に挿入される第1のガラス管の位置において、実施の形態2の赤外線電球(図6)は、実施の形態1の赤外線電球(第2のガラス管の中心軸と第1のガラス管の中心軸とがほぼ一致する。)と異なる。又、両端の保持部材の構造において、実施の形態2の赤外線電球(図8、9)は実施の形態1の赤外線電球(図3、4)と異なる。それ以外の点において、実施の形態2の赤外線電球は実施の形態1と同一であり、その説明を省略する。
図6に示す本発明の実施の形態2の赤外線電球において、第1のガラス管1は円筒形の第2のガラス管9の中心軸ではなく、中心軸から偏心した位置(第2のガラス管外径よりEの距離の位置)に配設されている。図6にて位置関係を説明する。図6の断面形状において、第2のガラス管9の外周とx軸(発熱体2の中心軸を通り、発熱体2の幅方向に垂直な線)との交点を中心として、第2のガラス管9の外周の所定の幅の部分に反射膜10が形成されている。反射膜10の断面形状は、発熱体2の中心軸(第2のガラス管9の外周から距離Eの位置)に焦点を有する放物線14に近似する。放物線の焦点に配置された点光源から放射された光は、放物線によって反射されて平行光になる。好ましくは、反射膜10の幅方向の両端と発熱体2の中心軸とが略直線上に位置し(反射膜10の幅方向の両端がy軸上にある。)、反射膜10の長さは発熱体2の発光長を覆う長さである。
反射膜10は例えば金など反射率の高い物質で形成される。実施の形態2において、反射膜10は第2のガラス管9の外壁に金箔を転写後焼成して得られる。実施の形態2におけるその他の構成は、前述の実施の形態1と同様の構成であるため、その説明は省略する。
図7は実施の形態2の赤外線電球における軸垂直断面方向の輻射強度分布特性を表す分布図である。発熱体2の形状、電力(W数)、測定距離等の条件を実施の形態1(図2)と同じにして、反射膜10を有する実施の形態2の赤外線電球の輻射強度分布特性を測定した。図7の実線で示す輻射強度分布曲線13は、その測定結果である。分布図の単位はW/cmで縮尺は図2と同一である。図7の点線で示した輻射強度分布曲線11は、第2のガラス管9が反射膜10を有しない場合の発熱体2の輻射強度分布曲線を比較のために示す。反射膜を有する実施の形態2の赤外線電球は、反射膜を有しない赤外線電球と比較して、x軸方向の輻射強度が約2倍である。
第1のガラス管1の中心軸を第2のガラス管9の中心軸から偏心させ、第2のガラス管9の外周に設けられた反射膜10が発熱体2を焦点とする放物線に近似するように第1のガラス管1を配置することにより、x軸方向の輻射強度を実施の形態1よりさらに約1.5倍にできた。
図8、9を用いて、実施の形態2の赤外線電球における第1のガラス管1と第2のガラス管9とを保持する保持部材80の構成を説明する。図8は、本発明の実施の形態2の赤外線電球における保持部材80の取り付け構造を示す分解構成図である。図9は、保持部材80に第1のガラス管1と第2のガラス管9とを取り付けた状態を示す組立構成図である。保持部材80は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを、それらの相互の配置関係を解除するように取り外し可能に保持する。
第1のガラス管1と第2のガラス管9とは、左右の端部を2個の保持部材80で保持される。左右の保持部材80の構造は同一である。一方の保持部材80を示す図8、9において、保持部材80は、アルミダイカストで形成された保持ブロック81と、ステンレスの板金で形成された底板35及び上板36と、2本のビス42と、で構成される。
底板35及び上板36の構造は実施の形態1と同一である。底板35及び上板36は、第1のガラス管1を所定の力で保持する。
保持ブロック81は、底板35を保持する第1のガラス管保持ブロック84と、第2のガラス管9を保持する斜面33と、ストッパ86とを有する。第1のガラス管保持ブロック84は、実施の形態1の第1のガラス管保持ブロック34と比較して、高さが低く、それ以外の点において同一の構造を有する。第1のガラス管1を第2のガラス管9に通した状態で、2本のビス42をビス穴39を介してビス穴32に締め込むことにより、第1のガラス管1を開口部37に挟持し上板36と底板35とからなる筐体は、保持ブロック81に固定される。2本のビス42をビス穴32に締め込む時、第2のガラス管9の外壁が斜面33で保持され、第2のガラス管9の端部がストッパ86の下の隙間85に挟み込まれるようにする。第2のガラス管9は、ストッパ86により長手方向と断面の半径方向に位置規制された状態になる。第2のガラス管9の端部を挟み込む隙間85のクリアランスを所定の値以下にすることにより、底板35を保持ブロック81に取り付けた状態において、第2のガラス管9は保持ブロック81に固定される。第2のガラス管9と保持ブロック81とを耐熱性の接着剤で接着して、第2のガラス管9が回転しない様にしても良い。
左右の保持部材80を上記の様に組み立てることにより、第1のガラス管1及び第2のガラス管9は簡単に取り外しができる状態で、それぞれ保持部材80に固定される。実施の形態1と同様に、第1のガラス管1と保持部材80とを固定する力が第2のガラス管9に歪み応力を発生せず、第2のガラス管9と保持部材80とを固定する力が第1のガラス管1に歪み応力を発生させない。
図13は、実施の形態2の赤外線電球を用いた加熱調理器の全体構成を示す図である。図13については、実施の形態1で説明した。
実施の形態2において、第1のガラス管の表面保護と、2重管の加熱側表面の失透劣化を防ぐことができ、さらにより優れた方向性(指向性)を有する赤外線電球を実現できる。
なお、実施の形態1及び2においては、反射膜に金膜を用いた例で説明したが、金だけに限定されるものでなく、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等の反射率の高い金属材料、又は窒化チタン、酸化アルミニウム等の反射性を有する物質で反射面層を形成しても良い。反射膜の膜厚が薄い場合、赤外線の一部が膜を透過する。従って、反射膜がある程度の膜厚を有することが好ましい。
なお、実施の形態1及び2においては、反射膜は、第2のガラス管外面に取り付けたが、これに代えて第2のガラス管の内面に取り付けても、同様の効果があることは言うまでもない。
《実施の形態3》
図10を用いて本発明の実施の形態3の赤外線電球を説明する。図10は、実施の形態3の赤外線電球の長手方向に垂直な平面の断面図である。実施の形態3の赤外線電球は、反射膜の代わりに反射板を有すること、及び保持ブロック81(図8)に代えて保持ブロック101を有することが、実施の形態2と異なる。それ以外の点において実施の形態3の赤外線電球は、実施の形態2の赤外線電球とほぼ同一である。
反射板15は、ステンレス、金、銀、酸化アルミニウム、ニッケル又はアルミニウム等の赤外線反射率の高い材質で形成され、又は金、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等の反射率の高い金属材料又は窒化チタン、酸化アルミニウム等の反射性を有する物質で少なくとも反射面層が形成される。反射板15は、半円筒形状であって、内面に鏡面加工が施された反射面を有する。反射板の赤外線反射率は、約80〜90%である。
保持ブロック101は、実施の形態2のストッパ86(図8)に代えて、ストッパ106を有する点で、実施の形態2の保持ブロック81と異なる。それ以外の点に置いて、保持ブロック101は保持ブロック81と同一の構造を有する。ストッパ106は、ストッパ106の上面から直立するブロックと、直立するブロックからストッパ106の上面に平行に内側に(赤外線電球を組み立てた状態において発熱体2の中心に向って)伸びる2つのブロック111及び113と、を有する。ストッパ106の直立するブロックは、第2のガラス管9を長手方向に動かないようにする。ブロック111と113との間の隙間112に反射板15の端部が挟み込まれて固定される。ブロック113と保持ブロック101の上面との間の隙間114に第2のガラス管9の端部が挟み込まれて固定される。反射板15と保持ブロック101とを耐熱性の接着剤で接着して、反射板15が回転しない様にしても良い。
図10において、反射板15は第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に配置される。第1のガラス管1の中心軸に垂直な断面において、反射板15の幅方向の両端と第1のガラス管の中心軸と、が略直線上に位置する。反射板15の長さは、発熱体の発光長を覆う程度にする。発熱体2は板状であって、発熱体のもっとも幅が広い面に垂直でその長手方向に延びる中心線を通る面が、反射板15の長手方向に延びる中心線を略通る。
《実施の形態4》
図11を用いて本発明の実施の形態4の赤外線電球を説明する。図11は、実施の形態4の赤外線電球の長手方向に垂直な平面の断面図である。実施の形態4の赤外線電球は、反射膜の代わりに反射板を有することが、実施の形態2と異なる。それ以外の点において実施の形態4の赤外線電球は、実施の形態2の赤外線電球と同一である。図11において、反射板15は第2のガラス管9の外周上に密着して配置される。ストッパ86と保持ブロック81の上面との間の隙間85に第2のガラス管9及び反射板15の端部が挟み込まれて固定される。
反射板15は、全体又は反射面をアルミニウム、金、窒化チタン、銀、ステンレス鋼等の赤外線反射率の高い材質で形成され、半円筒形状であって、内面に鏡面加工が施された反射面を有する。反射板の赤外線反射率は、約80〜90%である。
第1のガラス管1の中心軸に垂直な断面において、反射板15の幅方向の両端と第1のガラス管の中心軸と、が略直線上に位置する。反射板15の長さは、発熱体の発光長を覆う程度にする。発熱体2は板状であって、発熱体のもっとも幅が広い面に垂直でその長手方向に延びる中心線を通る面が、反射板の長手方向に延びる中心線を略通る。反射板15の曲率半径を第2のガラス管9の半径より少しだけ小さくすることにより、反射板15が第2のガラス管に密着する。
反射板15の長手方向に平行な端部と第2のガラス管9の表面とが耐熱性の接着剤17で接着されている。これにより、赤外線電球が加熱調理器等に使用された場合に、被加熱物が放出した水分などが第2のガラス管9と反射板15との間に入り込むことを防ぐ。
《実施の形態5》
図12を用いて本発明の実施の形態5の赤外線電球を説明する。図12は、実施の形態5の赤外線電球の長手方向に垂直な平面の断面図である。実施の形態5の赤外線電球は、実施の形態4の赤外線電球(図11)に類似する構造を有する。図12において、反射板15は第2のガラス管9の外周上に密着して配置される。図12の反射板の位置は図11と同一であるが、反射板の形状が少し異なる。反射板の幅方向の両端部18が外側にカーリングし、又は外側に曲げ加工されており、被加熱物が放出した水分などが第2のガラス管9と反射板15との間に入り込むことを防ぐ。
反射板15は、その幅方向の中心近傍に長手方向に延びる溝部19を有し、被加熱物が放出した水分などが反射板15と第2のガラス管9の間に入り込んだ場合に、溝部19を通して排出することができる。
実施の形態5の赤外線電球は、保持ブロック121を有する。保持ブロック121は、保持ブロック81(図8)と比較して、溝部19との干渉を避けるための溝部122を有する点で異なり、それ以外の点で同一である。それ以外の点において、実施の形態5の赤外線電球は、実施の形態4と同一である。
実施の形態1〜5において、第1のガラス管1の両端から外部リード線8が引き出されている。これに代えて、第1のガラス管1の両端に金属端子を設けても良い。この場合、金属端子を第2のガラス管9の両端より外側に配置する。作業者が金属端子にリード線を接続する時、第2のガラス管が邪魔にならない。
実施の形態1〜5の赤外線電球は反射膜又は反射板を有していたが、指向性を必要としない加熱装置においては、赤外線電球は、反射膜又は反射板を取り外した構成とする。
本発明の実施の形態1〜5の赤外線電球の用途は、加熱調理器に限られるものではない。本発明の赤外線電球は、暖房機器(例えばストーブ、コタツ、エアコン、赤外線治療器等)、乾燥機器(例えば衣類乾燥・布団乾燥・食品乾燥・生ゴミ処理機・加熱型消臭器等)、調理器(例えばオーブン・オーブンレンジ・オーブントースター・トースター・ロースター・保温器・焼き鳥器・コンロ・冷蔵庫解凍用等)、理容器(例えばドライヤー・パーマネント加熱器等)、シートに文字や画像等を定着する機器(例えばLBP、PPC、ファックスなどトナーを媒体として表示する機器や熱を利用してフィルム原本から被転写体へ熱転写する機器等)等、熱源により非加熱物を加温することを目的とした加熱装置に適用できる。
本発明の赤外線電球は加熱装置の加熱源として有用であり、本発明の加熱装置は、種々の用途に適している。
本発明の実施の形態1の赤外線電球の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1の赤外線電球の輻射分布図 本発明の実施の形態1の赤外線電球における保持部材の取り付け構造を示す分解構成図 本発明の実施の形態1の赤外線電球における保持部材の取り付け状態を示す組立構成図 本発明の実施の形態2の赤外線電球の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態2の赤外線電球の構成を示す断面図 本発明の実施の形態2の赤外線電球の輻射分布図 本発明の実施の形態2の赤外線電球における保持部材の取り付け構造を示す分解構成図 本発明の実施の形態2の赤外線電球における保持部材の取り付け状態を示す組立構成図 本発明の実施の形態3の赤外線電球の構成を示す断面図 本発明の実施の形態4の赤外線電球の構成を示す断面図 本発明の実施の形態5の赤外線電球の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1〜5の赤外線電球を用いた加熱調理器の構成を示す概要図
符号の説明
1 第1のガラス管
2 発熱体
3 放熱ブロック
4 内部リード線
5 コイル状部
6 スプリング状部
7 モリブデン箔
8 外部リード線
9 第2のガラス管
10 反射膜
15 反射板
17 接着剤
20 加熱調理器の外壁
21 加熱調理器の内壁
31、81、101、121 保持ブロック
35 底板
36 上板
43 金属バンド

Claims (22)

  1. 長手方向に延びる形状を有する1又は複数個の発熱体と、非晶質ガラスで形成され前記発熱体を封止した第1のガラス管と、筒状であってその中の空洞部に前記第1のガラス管を配置した第2のガラス管と、
    前記第1及び第2のガラス管の両端部をそれぞれ保持する保持部材と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記保持部材と前記第1のガラス管とを所定の固定部材で固定し、前記保持部材と前記第2のガラス管とをバンドで固定する構造を有し、前記第2のガラス管を少なくとも前記第1のガラス管との配置関係を解除するように取り外し可能にしたことを特徴とする赤外線電球。
  2. 前記発熱体を25℃環境において定格で加熱した時、前記第2のガラス管の外周表面の温度が、全ての部分において600℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  3. 前記発熱体を25℃環境において定格で加熱した時、前記第2のガラス管の外周表面の温度が、全ての部分において550℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  4. 前記第2のガラス管が石英ガラスを含む耐熱性ガラスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  5. 前記第1のガラス管の中心軸が、前記第2のガラス管の中心軸から偏心していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  6. 前記第1又は第2のガラス管の外周上に、長手方向に所定の幅で反射膜が形成され、又は反射板が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  7. 前記第1のガラス管と前記第2のガラス管との間に、長手方向に所定の幅で延びる反射板が設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  8. 前記第2のガラス管の外周上に密着して、長手方向に所定の幅で反射板が配置されており、前記反射板の少なくとも長手方向に平行な端部と前記第2のガラス管の表面とが、耐熱性の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  9. 前記反射板が、その幅方向の中心近傍に長手方向に延びる溝部を有することを特徴とする請求項8に記載の赤外線電球。
  10. 前記反射板の幅方向の両端部が外側にカーリングし又は外側に曲げ加工されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  11. 前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜又は前記反射板の断面形状が、前記第1のガラス管の中心軸を焦点とする放物線に近似することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  12. 前記第2のガラス管は円筒形状を有し、
    前記第2のガラス管の外周上に長手方向に所定の幅で反射膜が形成されており、
    前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜が、前記第1のガラス管の中心軸を焦点とする放物線に近似することを特徴とする請求項5に記載の赤外線電球。
  13. 前記第1のガラス管の中心軸に垂直な断面において、前記反射膜の幅方向の両端と、前記第1のガラス管の中心軸と、が略直線上に位置することを特徴とする請求項12に記載の赤外線電球。
  14. 前記発熱体は板状であって、前記発熱体の最も幅が広い面に垂直でその長手方向に延びる中心線を通る面が、前記反射膜又は前記反射板の長手方向に延びる中心線を略通ることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  15. 前記第2のガラス管の両端が開口していることを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  16. 前記第1のガラス管は両端に前記発熱体に通電するための金属端子を有し、前記金属端子は前記第2のガラス管の両端より外側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  17. 前記発熱体が、炭素系物質で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  18. 前記反射膜が、金、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等の反射率の高い金属材料又は窒化チタン、酸化アルミニウム等の反射性を有する物質で少なくとも反射面層が形成されることを特徴とする請求項6又は請求項12に記載の赤外線電球。
  19. 前記反射板は、ステンレス、金、銀、酸化アルミニウム、ニッケル又はアルミニウムで形成されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の赤外線電球。
  20. 請求項1から請求項19のいずれかの請求項に記載の赤外線電球を有することを特徴とする加熱装置。
  21. 前記発熱体が炭素系物質で形成された請求項15に記載の赤外線電球と、前記赤外線電球の発熱体をその内側に配置し内側と外側とを略仕切る内壁と、前記赤外線電球を格納する筐体と、を有し、
    前記内壁は、互いに対向しそれぞれ前記赤外線電球の第2のガラス管の両端が挿入された穴を有する2つの壁を有することを特徴とする加熱装置。
  22. 前記加熱装置が、焼肉器、加熱調理器、オーブン、加熱暖房機、電気ストーブ、理容器、シートに文字や画像等を定着する機器又は乾燥機であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の加熱装置。
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