JP6628667B2 - 焼却施設の自動燃焼制御方法 - Google Patents
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Description
U=[Hw/(Hu・ρ・A)+K1]・K2
(但し、Uは給じん速度、Hwは目標蒸気量を得るために必要な廃棄物の総熱量、Huは廃棄物の低位発熱量、ρは廃棄物のみかけ比重、Aは給じん機出口の横断面積、K1は第1補正係数、K2は第2補正係数)
所定時間における上記焼却炉の入熱と出熱との関係から高精度低位発熱量を算出し、
上記燃焼により発生する燃焼排ガスの組成からリアルタイムに低精度低位発熱量を算出し、
上記高精度低位発熱量から、上記所定時間における低精度低位発熱量の平均値を減じて、補正値を算出し、
上記式におけるHuとして、上記補正値の絶対値が所定値以上なら上記低精度低位発熱量に当該補正値を加えた値を採用し、上記補正値の絶対値が上記所定値未満なら上記低精度低位発熱量を採用するものである。
まず、上記焼却施設の一例として、ストーカ式のごみ焼却施設について図面に基づき説明する。
この自動燃焼制御装置13は、上記焼却炉4におけるごみWの燃焼状態を制御する燃焼状態制御部31と、低精度だがリアルタイムに低位発熱量を算出する低精度低位発熱量算出部32と、リアルタイムではないが高精度に低位発熱量を算出する高精度低位発熱量算出部33と、低精度低位発熱量算出部32および高精度低位発熱量算出部33でそれぞれ算出された低位発熱量に基づいて適切な低位発熱量に補正をする補正部34と、この補正部34で補正された低位発熱量に基づいて適切な給じん速度を算出する給じん速度算出部35とを具備する。なお、本実施の形態におけるリアルタイムとは、同時のみを意味するのではなく、10分程度の時間遅れを含んだ時間幅を意味する。
[燃焼状態制御部31]
上記燃焼状態制御部31は、上記受信部11からの各種データに基づき、ごみWを燃焼させるために焼却炉4に供給される燃焼空気の流量と、炉床48の上で燃焼しているごみWを送り出す可動式火格子の速度と、その他ごみWの燃焼状態を制御するのに必要なパラメータとを制御する。
上記低精度低位発熱量算出部32は、上記受信部11からの各種データに基づいて燃焼空気およびごみWにおける特定成分の含有量(燃焼空気およびごみWは流動しているので含有流量となる)を算出する含有流量算出部21を具備する。また、上記低精度低位発熱量算出部32は、上記含有流量算出部21で算出された含有量(含有流量)に基づいてごみWにおける特定成分の含有率を算出する含有率算出部22と、この含有率算出部22で算出された含有率に基づいて低精度だがリアルタイムに低位発熱量を算出する演算部23とを具備する。なお、この演算部23で算出される低位発熱量を、以下では低精度低位発熱量Hulという。上記含有流量算出部21で算出される含有量(含有流量)は、燃焼空気中のH2O量QAir-H2O、燃焼空気中のO2量QAir-O2、ごみW処理量QW-All、ごみW中の灰分量QW-Ash、ごみW中の水分量QW-H2O、可燃分中の炭素含有量QWC-C、可燃分中の水素含有量QWC-H、可燃分中の窒素および塩素含有量QWC-N+Cl、可燃分中の酸素含有量QWC-O、並びに可燃分中の硫黄含有量QWC-Sである。上記含有率算出部22で算出される含有率は、ごみW中の可燃分RW-Com、ごみW中の水分RW-H2O、可燃分中の炭素含有率RWC-C、可燃分中の水素含有率RWC-H、可燃分中の酸素含有率RWC-O、および可燃分中の硫黄含有率RWC-Sである。上記含有率算出部22によるこれら含有率の算出には、次の式(1)が用いられる。
高精度低位発熱量算出部33により算出される低位発熱量、すなわち、リアルタイムではないが高精度に算出される低位発熱量を、以下では高精度低位発熱量Huhという。この高精度低位発熱量Huhは、次の式(3)で算出される暫定低位発熱量Huh’のある程度の長時間(例えば12時間)における移動平均値であり、ある程度の短時間(例えば1時間)の周期で更新される。なぜなら、ホッパー2へのごみWの投入は1時間に数回程度であるから、上記暫定低位発熱量Huh’をそのまま(または1時間程度の短い時間における移動平均値)で高精度低位発熱量Huhとして採用できないからである。上記暫定低位発熱量Huh’の算出には、上記焼却炉4への入熱Qi1〜Qi9と、上記焼却炉4からの出熱Qo1〜Qo8, Qo10と、ごみWの焼却量wと、炉放熱損失比Rfとに基づいて次の式(3)が用いられる。ここで、焼却炉4への入熱Qi1〜Qi9の内訳は、ごみWの燃焼熱量Qi1、ごみWの顕熱Qi2、燃焼空気の持込熱量Qi3、二次燃焼空気の持込熱量Qi4、助燃バーナの持込熱量Qi5、再燃バーナの持込熱量Qi6、助燃バーナの空気持込熱量Qi7、再燃バーナの空気持込熱量Qi8、および漏込空気の持込熱量Qi9である。また、焼却炉4からの出熱Qo1〜Qo8, Qo10の内訳は、ボイラの吸収熱量Qo1、ボイラ出口排ガスEの持出熱量Qo2、残渣の持出熱量Qo3、ボイラブロー損失熱量Qo4、未燃炭素の持出熱量Qo5、ボイラの放熱量Qo6、焼却灰の持出熱量Qo7、炉内噴霧水蒸発潜熱Qo8、および水冷火格子の吸収熱量Qo10である。
上記補正部34は、上記演算部23からの低精度低位発熱量Hulに上下限処理を施す第1上下限処理部41と、この第1上下限処理部41で上下限処理が施された低精度低位発熱量Hulを必要に応じて補正する判断部43と、この判断部43による補正に必要な補正値を算出する補正値算出部42と、上記判断部43により補正された低位発熱量Huに上下限処理を施す第2上下限処理部44とを有する。上記第1上下限処理部41および第2上下限処理部44による上下限処理とは、入力された値が上限値〜下限値の間であれば入力されたままの値を用い、入力された値が上限値より大きければ入力された値を当該上限値に変更し、入力された値が下限値より小さければ入力された値を当該下限値に変更する処理である。上記補正値算出部42による時刻n[時]における補正値α(n)の算出には、第1上下限処理部41からの低精度低位発熱量Hulと、高精度低位発熱量算出部33からの高精度低位発熱量Huhとに基づいて次の式(4)が用いられる。次の式(4)において、Hul(n)は時刻n−1[時]〜n[時]における低精度低位発熱量Hulの平均値であり、Mは1〜24[時間]程度の所定時間が用いられる。なお、この所定時間Mは、高精度低位発熱量Huhを算出するために暫定低位発熱量Huh’の移動平均に用いたある程度の長時間(例えば12時間)と同一にする方が好ましい。なぜなら、高精度低位発熱量Huhおよび低精度低位発熱量Hulが算出されるための対象となる時間を同一にすることで、これら高精度低位発熱量Huhおよび低精度低位発熱量Hulに基づく補正値α(n)の精度が向上するからである。
上記給じん速度算出部35による給じん速度Uの算出には、低位発熱量Huおよびその他のデータに基づいて、次の式(5)が用いられる。その他のデータは、目標蒸気量を得るために必要なごみWの総熱量Hw、ごみWのみかけ比重ρ、給じん機3出口の横断面積A、第1補正係数K1、および第2補正係数K2である。
まず、この補正は、ある程度の短時間(例えば1時間)毎に行われる。そして、補正が開始されると(S1参照)、低精度低位発熱量Hulに上下限処理が施される(S2参照)。この上下限処理が施された低精度低位発熱量Hulと、高精度低位発熱量Huhとに基づいて、式(4)から補正値α(n)が算出される(S3参照)。この補正値α(n)の絶対値が所定値以上であるかが判断され(S4参照)、所定値以上なら低精度低位発熱量Hulに補正値α(n)を加えて低位発熱量Huとして採用され(S5参照)、所定値未満なら低精度低位発熱量Hulが低位発熱量Huとして採用される(S6参照)。この低位発熱量Huに上下限処理が施された上で(S7参照)、給じん速度Uの算出に用いられる(S8参照)。給じん速度Uの算出に用いられる低位発熱量Huは、上記補正により、高精度でリアルタイムという長所を有する。すなわち、この低位発熱量Huは、低精度低位発熱量Hulおよび高精度低位発熱量Huhのそれぞれの長所が得られるように、補正されたものである。
3 給じん機
4 焼却炉
10 分散制御システム
11 受信部
12 各種制御装置
13 自動燃焼制御装置
21 含有流量算出部
22 含有率算出部
23 演算部
31 燃焼状態制御部
32 低精度低位発熱量算出部
33 高精度低位発熱量算出部
34 補正部
35 給じん速度算出部
41 第1上下限処理部
42 補正値算出部
43 判断部
44 第2上下限処理部
48 炉床
49 排出口
Claims (4)
- 給じん機から供給された廃棄物を燃焼させる焼却炉が設けられた焼却施設において、下記式により算出された給じん速度を用いる焼却施設の自動燃焼制御方法であって、
U=[Hw/(Hu・ρ・A)+K1]・K2
(但し、Uは給じん速度、Hwは目標蒸気量を得るために必要な廃棄物の総熱量、Huは廃棄物の低位発熱量、ρは廃棄物のみかけ比重、Aは給じん機出口の横断面積、K1は第1補正係数、K2は第2補正係数)
所定時間における上記焼却炉の入熱と出熱との関係から高精度低位発熱量を算出し、
上記燃焼により発生する燃焼排ガスの組成からリアルタイムに低精度低位発熱量を算出し、
上記高精度低位発熱量から、上記所定時間における低精度低位発熱量の平均値を減じて、補正値を算出し、
上記式におけるHuとして、上記補正値の絶対値が所定値以上なら上記低精度低位発熱量に当該補正値を加えた値を採用し、上記補正値の絶対値が上記所定値未満なら上記低精度低位発熱量を採用することを特徴とする焼却施設の自動燃焼制御方法。 - 燃焼排ガスの組成から推算した廃棄物中の炭素、酸素、水素および硫黄の含有量に基づき、リアルタイムに低精度低位発熱量を算出することを特徴とする請求項1に記載の焼却施設の自動燃焼制御方法。
- 補正値を算出するための低精度低位発熱量が、上下限処理を施したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の焼却施設の自動燃焼制御方法。
- 式におけるHuとして採用される値が、上下限処理を施したものであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の焼却施設の自動燃焼制御方法。
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