JP2005164121A - 焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、燃焼性能の安定した、燃焼速度の遅い廃棄物に対する燃焼悪化防止性能の良い焼却炉の燃焼制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 火炉内に乾燥ストーカ6aと燃焼ストーカ6bとを備える焼却炉において、給じん効率を算出し、給じん効率の上昇に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げると共に、燃焼ストーカ6bの速度比を上げ、給じん効率の下降に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を上げると共に、燃焼ストーカ6bの速度比を下げる。また、廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、発熱量の減少に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げると共に、燃焼ストーカ6bの速度比を上げ、発熱量の増加に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を上げると共に、燃焼ストーカ6bの速度比を下げる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉の燃焼制御方法に関する。
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉では、安定燃焼性能や燃焼悪化防止性能を向上させるために、廃棄物の燃焼速度に応じた燃焼制御を行う。ここで、廃棄物の燃焼速度は、廃棄物の密度、廃棄物中の水分率等によって変化する。
この種の従来の技術には、火炉内の燃焼処理帯の乾燥帯上部へのレーザ光照射により、水分率を取得し、その結果に基づいて乾燥帯上の廃棄物の乾燥状態を適正範囲に維持するように、給じん速度、乾燥ストーカ速度、乾燥帯空気流量の少なくとも何れかを制御する焼却炉がある(例えば、特許文献1参照)。尚、給じん速度は、単位時間当たりの給じん装置の作動回数として求められる。
特開平2003−56826号公報(第[0008]段落乃至第[0012]段落)
しかし、特許文献1に記載の焼却炉は、燃焼ストーカに対する制御を行わないため、火炉内に投入される廃棄物量が一時的に増加し、燃焼帯上のごみの通気性が低下したとき等に対する対応が難しいという問題点があった。また、廃棄物中の水分率を計測するものであるため、嵩密度が高く通気性が低い廃棄物を検出することはできない。このため、水分率が低いものの嵩密度が高い廃棄物、即ち、燃焼速度の遅い廃棄物が焼却炉内に投入されたときの対応が困難である。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼性能の安定した、燃焼速度の遅い廃棄物に対する燃焼悪化防止性能の良い焼却炉の燃焼制御方法を提供する点にある。
〔特徴手段1〕
この目的を達成するための本発明に係る焼却炉の燃焼制御方法の第一特徴手段は、火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、給じん装置の1サイクル当たりの前記廃棄物の供給量より給じん効率を算出し、前記給じん効率の上昇に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げ、前記給じん効率の下降に応じて、前記給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を上げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を下げる点にある。
前記給じん装置は、プッシャ機構等の火炉内に廃棄物を供給する装置であり、給じん効率は、給じん装置の1サイクル当たりの火炉への廃棄物の供給量として求められる。乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの速度は、単位時間当たりの作動回数として求められる。
本特徴手段によれば、給じん効率を算出し、この給じん効率に応じて乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの制御を行うので、以下に示す如く、安定燃焼性能を向上させることができる。
例えば、給じん効率が上昇したときは、焼却炉の火炉内に投入された廃棄物が、嵩密度が高く通気性の低い廃棄物、つまり、燃焼速度の遅い廃棄物であることを示しているので、給じん速度に対する乾燥ストーカの速度比を下げることによって、乾燥帯上での廃棄物の滞留時間を長くし、乾燥作用を促進させて燃焼悪化防止性能を向上させることができる。更に、給じん速度に対する燃焼ストーカの速度比を上げることによって、燃焼帯上での廃棄物の層厚を薄くし、通気性を向上させ、酸素に触れる廃棄物の表面積を増加させて燃焼を促進することができる。
また、給じん効率が下降したときは、焼却炉の火炉内に投入された廃棄物が、燃焼速度の速い廃棄物であることを示しているので、上記と反対の操作を行うことにより燃焼を抑制することができるので、焼却炉の安定燃焼性能を向上させることができる。
従って、本特徴構成の如く構成することにより、廃棄物の嵩密度の変化等に対応して、乾燥帯上の廃棄物の乾燥作用を促進させ、燃焼悪化防止性能を向上させることができると共に、燃焼帯上の廃棄物の通気性及び撹拌作用を促進させ、焼却炉の安定燃焼性能を向上させることができる。
〔特徴手段2〕
同第二特徴手段は、火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、前記廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、前記発熱量の減少に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げ、前記発熱量の増加に応じて、前記給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を上げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を下げる点にある。
即ち、本特徴手段によれば、廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、この発熱量に応じて乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの制御を行うので、以下に示す如く、安定燃焼性能を向上させることができる。
例えば、発熱量が減少したときは、焼却炉の火炉内に投入された廃棄物が、可燃分が少なく燃焼速度の遅い廃棄物であることを示しており、給じん速度に対する乾燥ストーカの速度比を下げることによって乾燥作用を促進し、燃焼ストーカの速度比を上げることによって通気性を向上させ、撹拌作用を促進させて、廃棄物の燃焼を促すことができる。また、発熱量が増加したときは、焼却炉の火炉内に投入された廃棄物が、可燃分が多く燃焼速度の速い廃棄物であることを示しているので、上記と反対の操作を行うことにより燃焼を抑制することができ、焼却炉の安定燃焼性能を向上させることができる。
従って、本特徴構成の如く構成することにより、廃棄物の発熱量の変化に対応して、乾燥帯上の廃棄物の乾燥作用を促進させ、燃焼悪化防止性能を向上させることができると共に、燃焼帯上の廃棄物の通気性及び撹拌作用を促進させ、焼却炉の安定燃焼性能を向上させ、燃焼速度の遅い廃棄物に対して、燃焼悪化防止性能を向上させることができる。
〔特徴手段3〕
同第三特徴手段は、火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、給じん装置の1サイクル当たりの前記廃棄物の供給量より給じん効率を算出すると共に、前記廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、前記給じん効率の上昇、或いは、前記発熱量の減少の少なくとも一方が判定された場合に、前記給じん効率及び前記発熱量に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げる点にある。
廃棄物の燃焼速度は、廃棄物の密度と廃棄物中の水分率とによって変化するが、廃棄物の密度と廃棄物中の水分率とは必ずしも相関しない。例えば、電話帳等のように、給じん効率が高く発熱量の高い廃棄物や、水分を多く含む草等のように、給じん効率が低く発熱量の低い廃棄物など、密度または水分率の何れか一方が燃焼速度の遅い廃棄物であることを示す廃棄物がある。
例えば、上記電話帳の場合は、給じん効率に着目すれば、前記特徴手段1で示した如く乾燥ストーカの速度比を下げると共に燃焼ストーカの速度を上げる制御を行うことになる。しかし、発熱量に着目すれば、前記特徴手段2で示した如く、乾燥ストーカの速度比を上げると共に、燃焼ストーカの速度を下げる制御を行うことになる。このように、廃棄物の種類によっては、何れの燃焼状態が最適であるかを判断し難い場合がある。
そこで、本手段では、給じん効率と発熱量とを同時に判断するものとし、双方の判断が競合する場合には、その廃棄物の燃焼速度が遅いものとして、燃焼を促進させるよう、乾燥ストーカの速度比を下げると共に燃焼ストーカの速度を上げる制御を行う。これにより、焼却炉の燃焼悪化防止性能を向上させると共に安定燃焼性能を向上させることができる。
以下、本発明に係る燃焼制御方法(以下、適宜「本発明方法」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明方法を適用した都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉の図であり、ゴミピット1に集積されたごみをゴミホッパ3に投入するクレーン装置2、ゴミホッパ3のごみを炉内に供給する給じん装置としてのプッシャ機構4、炉内に投入されたごみを搬送しながら燃焼処理するストーカ式の燃焼処理帯6、火炉内に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給機構8、炉からの排ガスを処理する排ガス処理機構14、及び、煙突15を備えている。ここで、燃焼処理帯6は、乾燥ストーカ6aと燃焼ストーカ6bとを備え、プッシャ機構4は、ピストン型押出部を往復運動させて火炉内にごみを押出し投入するように構成されている。また、焼却炉は、プッシャ機構4、乾燥ストーカ6a、燃焼ストーカ6b、及び、燃焼用空気供給機構8等の制御を実行する燃焼制御装置10を備えている。
[給じん効率による燃焼制御]
先ず、本発明の第一実施形態について説明する。本実施形態の燃焼制御装置10は、プッシャ機構4の1サイクル(ピストン型押出部の1往復)当たりのごみの供給量より給じん効率を算出し、給じん効率の上昇に応じて、プッシャ機構4の給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げると共に、給じん速度に対する燃焼ストーカ6bの速度比を上げ、給じん効率の下降に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を上げると共に、給じん速度に対する燃焼ストーカ6bの速度比を下げる。
燃焼制御装置10は、給じん効率を算出するための給じん効率算出手段11と、給じん効率算出手段11で算出された給じん効率と給じん速度とに基づいて乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度を制御するストーカ速度制御手段12とを備えている。
給じん速度[c/h]は、単位時間[h]当たりのプッシャ機構4の作動回数[c]として求める。乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度は、単位時間[h]当たりの作動回数[c]として求める。表1は、給じん速度に対する乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度の設定例を示している。燃焼制御装置10は表1に基づいて乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度を設定する。
Figure 2005164121
給じん効率算出手段11は、プッシャ機構4の1サイクル当たりのごみの供給重量、即ち、給じん効率[t/c]を算出する。ここで、給じん効率[t/c]は、例えば、過去X時間における単位時間当たりの処理重量である実績焼却ペース[t/h]を、過去X時間の平均給じん速度[c/h]で除算して求められる。Xは1から2時間程度である。尚、給じん効率は、例えば、過去X時間においてクレーン装置2でゴミホッパ3内に投入されたごみの全重量[t]を、過去X時間におけるプッシャ機構4の作動回数[c]で除算して求める等、他の方法を用いても良い。
ストーカ速度制御手段12は、給じん効率算出手段11で算出した給じん効率に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正を行う。ここで、本実施形態では、給じん効率に対して2つのしきい値を設定し、給じん効率をL、A、Hの3つに区分する。表2は、給じん効率が0.35以下の場合を区分L、0.35〜0.50の場合を区分A、0.50以上の場合を区分Hとし、3つの区分夫々における乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正率[%]を示している。
Figure 2005164121
ここで、例えば、給じん効率が0.50[t/c]以上であり、区分Hに該当する場合は、火炉内に燃焼速度の遅いごみが投入されていることを示しており、この場合には、燃焼を促進する制御を行う。本実施形態では、火炉内のごみの乾燥帯上での滞留時間を長くして乾燥作用を促進するために、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げるべく、補正率として−20[%]の値が設定されている。同様に、燃焼帯上のごみ層を薄くして撹拌作用を促進するために、燃焼ストーカ6bの速度比を上げるべく、補正率として40[%]の値が設定されている。具体的には、例えば、表1の給じん速度25[c/h]のときの乾燥ストーカ速度75[c/h]に対して−20[%]の補正を行った後の乾燥ストーカ速度は60[c/h]になり、燃焼ストーカ速度40[c/h]に対して40[%]の補正を行った後の燃焼ストーカ速度は56[c/h]になる。
また、給じん効率が0.35以下(区分L)の場合は、火炉内に燃焼速度の速いごみが投入されていることを示しているので、燃焼を抑えるために、給じん効率が0.50[t/c]以上(区分H)の場合とは逆の制御を行う。
給じん効率の値が区分Aに含まれる場合は、乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度の補正は行わない。
尚、給じん速度に対する乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度の値は、焼却炉の処理能力などによって変化するため、焼却炉に合わせて設定を行う。速度比の補正は、ごみの火炉内の滞留時間の合計が大きく変化しないように、乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの補正操作量の増減の合計が概0になるように補正操作量を決定する。本実施形態では、表2に示すように、給じん効率に2つのしきい値を設けてステップ変化するように構成しているが、しきい値の数は任意に設定可能であり、更に、折線出力やファジイ出力となるように構成しても良い。また、給じん速度に対するストーカ速度の設定、速度比の補正の双方について、後燃焼ストーカ等が備えられている場合には、これについても各区分毎に適切な値を設定する。
[発熱量による燃焼制御]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の燃焼制御装置10は、ごみの単位重量当りの発熱量Huを算出し、発熱量Huの減少に応じて、プッシャ機構4の給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げると共に、給じん速度に対する燃焼ストーカ6bの速度比を上げ、発熱量Huの増加に応じて、給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を上げると共に、給じん速度に対する燃焼ストーカ6bの速度比を下げる。
本実施形態の燃焼制御手段は、ストーカ速度制御手段12と、発熱量算出手段13とを備えている。
発熱量算出手段13は、熱収支及び物質収支からごみの単位重量当りの発熱量Huを算出する。本実施形態では、ごみ発生熱量Qc[kj/h]=ごみ平均投入量G[kg/h]×発熱量Hu[kj/kg]の関係から発熱量Huを求める。ここで、ごみ発生熱量Qc[kj/h]は、供給空気持込熱量等の焼却炉への入熱量と、焼却炉が廃熱ボイラを備える場合のボイラ熱量や、排ガス持出熱量等の出熱量とによる熱収支計算から求められる。ごみ平均投入量Gは、例えば、クレーン装置2に備えた計量手段により、所定の設定時間においてクレーン装置2がゴミホッパ3に投入したごみの重量を計量し、この計量値の合計を前記設定時間で除算して求める。
本実施形態のストーカ速度制御手段12は、発熱量算出手段13で算出した発熱量Hu[kj/kg]に応じて、給じん速度[c/h]に対する乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正を行う。ここでは、0[kj/kg]からごみの最大発熱量[kj/kg]までの値を3等分するように2つのしきい値を設定し、発熱量の低い側から順に、L、A、Hの3つの区分を設定する。ストーカ速度制御手段12は、発熱量Hu[kj/kg]が区分L側のしきい値以下の場合は、火炉内に燃焼速度の遅いごみが投入されていることを示しているので、第一実施形態に於ける給じん効率が上昇した場合と同様の制御、即ち、表2の区分Hの場合に基づいて乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正を行う。同様にして、ストーカ速度制御手段12は、発熱量Hu[kj/kg]が区分H側のしきい値以上の場合に、表2の区分Lの場合の制御を行う。発熱量Hu[kj/kg]の値が区分Aに含まれる場合には、乾燥ストーカ速度及び燃焼ストーカ速度の補正は行わない。
尚、本実施形態では、発熱量Huについて2つのしきい値を設けたが、しきい値の数は任意に設定可能であり、更に、折線出力やファジイ出力となるように構成しても良い。
[給じん効率及び発熱量による燃焼制御]
本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態の燃焼制御装置10は、プッシャ機構4の1サイクル当たりのごみの供給量より給じん効率を算出すると共に、ごみの単位重量当りの発熱量Huを算出し、給じん効率の上昇、或いは、発熱量Huの減少の少なくとも一方が判定された場合に、給じん効率及び発熱量Huに応じて、プッシャ機構4の給じん速度に対する乾燥ストーカ6aの速度比を下げると共に、給じん速度に対する燃焼ストーカ6bの速度比を上げる。
本実施形態の燃焼制御装置10は、給じん効率を算出するための給じん効率算出手段11、ごみの単位重量当たりの発熱量Huを算出する発熱量算出手段13、及び、ストーカ速度制御手段12を備えている。
本実施形態のストーカ速度制御手段12は、給じん効率算出手段11で算出された給じん効率と発熱量算出手段13で算出された発熱量Huとを取得し、乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの制御を行う。
ストーカ速度制御手段12は、先ず、給じん効率と発熱量Huとを取得してごみの燃焼速度を判定する。ここで、給じん効率及び発熱量Huは、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、L、A、Hの3つに区分されている。表3は、給じん効率及び発熱量Huの夫々の区分に対応するごみの燃焼速度を示しており、ストーカ速度制御手段12は、表3に基づいて燃焼速度の判定を行う。表3のhighは燃焼速度が速いごみであることを示しており、averageは平均的な燃焼速度のごみ、lowは燃焼速度が遅いごみであることを示している。
Figure 2005164121
ここで、図2は、焼却炉における実際のごみの発熱量Huと給じん効率との関係を示している。この結果にはばらつきがみられ、発熱量Huと給じん効率とは相関傾向はあると考えられるものの、必ずしも明瞭ではない。従って、本実施形態では、表3において、給じん効率が高い場合、或いは、発熱量Huが低い場合にlowを設定している。これによって、給じん効率或いは発熱量Huの何れか一方が燃焼速度の遅いごみであることを示す場合に、燃焼速度の遅いごみが火炉内に投入されていると判定することができ、ごみの燃焼速度についての判定をより確実にすることができる。
続いて、ストーカ速度制御手段12は、ごみの燃焼速度の判定に基づいて乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの制御を行う。具体的には、例えば、表3のlowに該当し火炉内に燃焼速度の遅いごみが投入されていると判定した場合には、表2に示す給じん効率が0.50以上(区分H)の場合の乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正を行い、ごみの燃焼を促進させる。本実施形態では更に、表3のhighに該当し、給じん効率及び発熱量の両方が燃焼速度の速いごみを示す場合に、表2に示す給じん効率が0.35以下(区分L)の場合の乾燥ストーカ6a及び燃焼ストーカ6bの速度比の補正を行い、ごみの燃焼を抑えるので、より安定燃焼性能を向上させることができる。
尚、本実施形態では、給じん効率、発熱量Huの夫々について2つのしきい値を設けたが、しきい値の数は、給じん効率と発熱量Huとで同じ数を設定する必要はなく、任意に設定可能であり、焼却炉の処理能力等に応じて適宜必要な数を設定する。また、制御開始時等に、給じん効率あるいは発熱量の一方のみで燃焼速度を判定するようにしてもよい。更に、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、折線出力やファジイ出力となるように構成しても良い。
本発明を適用した焼却炉の一例を示す模式図 廃棄物の発熱量に対する給じん効率を示すグラフ
符号の説明
1 ゴミピット
2 クレーン装置
3 ゴミホッパ
4 プッシャ機構
6 燃焼処理帯
6a 乾燥ストーカ
6b 燃焼ストーカ
8 燃焼用空気供給機構
10 燃焼制御装置
11 給じん効率算出手段
12 ストーカ速度制御手段
13 発熱量算出手段
14 排ガス処理機構
15 煙突

Claims (3)

  1. 火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、
    給じん装置の1サイクル当たりの前記廃棄物の供給量より給じん効率を算出し、
    前記給じん効率の上昇に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げ、前記給じん効率の下降に応じて、前記給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を上げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を下げる焼却炉の燃焼制御方法。
  2. 火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、
    前記廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、
    前記発熱量の減少に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げ、前記発熱量の増加に応じて、前記給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を上げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を下げる焼却炉の燃焼制御方法。
  3. 火炉内に乾燥ストーカと燃焼ストーカとを備え、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉において、
    給じん装置の1サイクル当たりの前記廃棄物の供給量より給じん効率を算出すると共に、前記廃棄物の単位重量当りの発熱量を算出し、
    前記給じん効率の上昇、或いは、前記発熱量の減少の少なくとも一方が判定された場合に、前記給じん効率及び前記発熱量に応じて、前記給じん装置の給じん速度に対する前記乾燥ストーカの速度比を下げると共に、前記給じん速度に対する前記燃焼ストーカの速度比を上げる焼却炉の燃焼制御方法。
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