JP2001033017A - ごみ焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents
ごみ焼却炉の燃焼制御方法Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E20/00—Combustion technologies with mitigation potential
- Y02E20/12—Heat utilisation in combustion or incineration of waste
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- Incineration Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 火格子の制御において、通常のガスの混合性
に問題のない燃え切りのときは、従来技術どおり、蒸発
量に追従させることで十分であるが、燃え切り点が上流
又は下流部に偏った場合、未燃分の発生や未燃ガスの再
燃焼不調等の問題がある。 【解決手段】 ボイラ蒸発量を測定するとともに、炉内
の燃焼状況を撮影した画像を処理することによりごみの
燃え切り点の位置を測定し、得られたボイラ蒸発量の測
定値と燃え切り点の位置とを用いて火格子速度を制御す
る。さらに、燃え切り点の位置と、ボイラ蒸発量と設定
値の偏差との両者について、予め定められたルールに基
づきデータ処理することにより、燃え切り点の位置およ
びボイラ蒸発量が双方とも設定値に追従するように火格
子速度を制御する。
に問題のない燃え切りのときは、従来技術どおり、蒸発
量に追従させることで十分であるが、燃え切り点が上流
又は下流部に偏った場合、未燃分の発生や未燃ガスの再
燃焼不調等の問題がある。 【解決手段】 ボイラ蒸発量を測定するとともに、炉内
の燃焼状況を撮影した画像を処理することによりごみの
燃え切り点の位置を測定し、得られたボイラ蒸発量の測
定値と燃え切り点の位置とを用いて火格子速度を制御す
る。さらに、燃え切り点の位置と、ボイラ蒸発量と設定
値の偏差との両者について、予め定められたルールに基
づきデータ処理することにより、燃え切り点の位置およ
びボイラ蒸発量が双方とも設定値に追従するように火格
子速度を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炉内で火格子を
移動させてごみを焼却するストーカ式ごみ焼却炉の燃焼
制御方法に関する。
移動させてごみを焼却するストーカ式ごみ焼却炉の燃焼
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉は、日々の生活において
排出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を
担っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却処理に
よって発生する膨大な熱エネルギーの回収へ関心が集ま
り、ボイラ発電設備のついたものが増加している。
排出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を
担っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却処理に
よって発生する膨大な熱エネルギーの回収へ関心が集ま
り、ボイラ発電設備のついたものが増加している。
【0003】ごみ焼却炉では、ごみはクレーンによって
数10分の間隔で間欠的にホッパへ投入され、このホッパ
の下にある給じん装置によって炉内に送り込まれる。炉
内では、火格子の往復運動により、ごみは乾燥・燃焼さ
れ、最終的には灰となって排出される。
数10分の間隔で間欠的にホッパへ投入され、このホッパ
の下にある給じん装置によって炉内に送り込まれる。炉
内では、火格子の往復運動により、ごみは乾燥・燃焼さ
れ、最終的には灰となって排出される。
【0004】炉内の燃焼状態を維持するために、火格子
の下からはごみを乾燥・燃焼するための空気(燃焼空気
と呼ぶ)が、搬送方向に分割された吹き出し口から吹き
込まれる。燃焼空気量は、各空気ダンパによって調整さ
れる。ごみの燃焼によって発生する排ガスは、炉出口に
設けられた熱交換機でボイラ水に熱を与えた後、排気さ
れる。火格子の中間部上方にて炉内温度が測定される。
また、熱交換機の手前で炉出口温度が測定される。
の下からはごみを乾燥・燃焼するための空気(燃焼空気
と呼ぶ)が、搬送方向に分割された吹き出し口から吹き
込まれる。燃焼空気量は、各空気ダンパによって調整さ
れる。ごみの燃焼によって発生する排ガスは、炉出口に
設けられた熱交換機でボイラ水に熱を与えた後、排気さ
れる。火格子の中間部上方にて炉内温度が測定される。
また、熱交換機の手前で炉出口温度が測定される。
【0005】このようなごみ焼却炉では、多様な発熱量
を持つごみを完全に燃焼させて、ボイラの蒸気発生量が
一定になるような運転を維持し、ダイオキシン類などの
有害物質を抑制する運転が求められている。これらを満
たすために、自動燃焼制御が行われ、燃焼空気量、冷却
空気量、給じん速度、火格子速度などが制御される。
を持つごみを完全に燃焼させて、ボイラの蒸気発生量が
一定になるような運転を維持し、ダイオキシン類などの
有害物質を抑制する運転が求められている。これらを満
たすために、自動燃焼制御が行われ、燃焼空気量、冷却
空気量、給じん速度、火格子速度などが制御される。
【0006】特に火格子は、炉内の燃焼状態に合わせて
ごみの攪拌効率・燃焼速度を増減させる役割がある。従
来の具体的な制御手法としては、蒸発量又は炉出口温度
を参照して、設定蒸発量や設定温度に追従させるよう火
格子速度を増減させるものである。
ごみの攪拌効率・燃焼速度を増減させる役割がある。従
来の具体的な制御手法としては、蒸発量又は炉出口温度
を参照して、設定蒸発量や設定温度に追従させるよう火
格子速度を増減させるものである。
【0007】これに加えて、火格子はごみの燃焼位置を
調整する手段でもある。ごみの燃焼位置は、燃焼排ガス
成分やごみの完全燃焼に関係の深い因子である。燃焼位
置が火格子の上流側だと、火格子下流側から発生する燃
焼排ガス量が上流側に比べて極端に少なくなる。そのた
め、火格子上流側及び下流側で発生した燃焼排ガスが炉
出口において衝突・合流するとき、未燃ガスの再燃焼が
活発に行われなくなる。このような場合、炉出口温度が
高くても、燃焼過程におけるダイオキシン類濃度が高く
なる傾向がある。逆に燃焼位置が火格子の下流側だと、
ごみを完全に燃焼できないまま灰落下口まで行ってしま
う。
調整する手段でもある。ごみの燃焼位置は、燃焼排ガス
成分やごみの完全燃焼に関係の深い因子である。燃焼位
置が火格子の上流側だと、火格子下流側から発生する燃
焼排ガス量が上流側に比べて極端に少なくなる。そのた
め、火格子上流側及び下流側で発生した燃焼排ガスが炉
出口において衝突・合流するとき、未燃ガスの再燃焼が
活発に行われなくなる。このような場合、炉出口温度が
高くても、燃焼過程におけるダイオキシン類濃度が高く
なる傾向がある。逆に燃焼位置が火格子の下流側だと、
ごみを完全に燃焼できないまま灰落下口まで行ってしま
う。
【0008】このような燃焼位置の管理に、画像カメラ
を用いた燃え切り点や輝度の計測が行われている。なか
でも、特開昭60-194219号公報では、画像カメラを用い
た燃え切り点を参照入力として、火格子の燃焼部、後燃
焼部の速度を調整することにより燃え残りを防止する制
御方法が提案されている。
を用いた燃え切り点や輝度の計測が行われている。なか
でも、特開昭60-194219号公報では、画像カメラを用い
た燃え切り点を参照入力として、火格子の燃焼部、後燃
焼部の速度を調整することにより燃え残りを防止する制
御方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
60-194219号公報は燃焼位置に関するもう一つの問題
点、すなわち燃焼位置が火格子の上流側にあり未燃ガス
の再燃焼が活発に行われなくなる場合に対する、火格子
速度の制御については言及していない。また、設定蒸発
量に追従させる目的の火格子速度の制御方法において
も、それらの従来技術では、燃え切り点に関しては考慮
されていない。
60-194219号公報は燃焼位置に関するもう一つの問題
点、すなわち燃焼位置が火格子の上流側にあり未燃ガス
の再燃焼が活発に行われなくなる場合に対する、火格子
速度の制御については言及していない。また、設定蒸発
量に追従させる目的の火格子速度の制御方法において
も、それらの従来技術では、燃え切り点に関しては考慮
されていない。
【0010】火格子の制御において、通常のガスの混合
性に問題のない燃え切りのときは、従来技術どおり、蒸
発量に追従させることで十分であるが、燃え切り点が上
流又は下流部に偏った場合、未燃分の発生や未燃ガスの
再燃焼不調等の問題がある。燃え切り点が上流部又は下
流部に偏りが生じる原因の一つに火格子上のごみの厚さ
の不均一がある。ごみが厚いと燃え切り点が下流部に、
ごみが薄いと燃え切り点が上流部に偏る。偏りが存在す
ると未燃分の発生や未燃ガスのガスの再燃焼不調等の問
題が生じる。
性に問題のない燃え切りのときは、従来技術どおり、蒸
発量に追従させることで十分であるが、燃え切り点が上
流又は下流部に偏った場合、未燃分の発生や未燃ガスの
再燃焼不調等の問題がある。燃え切り点が上流部又は下
流部に偏りが生じる原因の一つに火格子上のごみの厚さ
の不均一がある。ごみが厚いと燃え切り点が下流部に、
ごみが薄いと燃え切り点が上流部に偏る。偏りが存在す
ると未燃分の発生や未燃ガスのガスの再燃焼不調等の問
題が生じる。
【0011】燃え切り点が上流又は下流部に偏った場
合、火格子の速度のみで燃え切り点を調整するとごみの
厚さが不均一になり、燃え切り点の偏りが生じて燃焼状
態が悪化する可能性がある。
合、火格子の速度のみで燃え切り点を調整するとごみの
厚さが不均一になり、燃え切り点の偏りが生じて燃焼状
態が悪化する可能性がある。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決し、未燃
分の発生を防止し、炉内燃焼状態の安定を図ることが可
能なごみ焼却炉の燃焼制御方法を提供することを目的と
する。
分の発生を防止し、炉内燃焼状態の安定を図ることが可
能なごみ焼却炉の燃焼制御方法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、炉内
で火格子を移動させてごみを焼却するストーカ式ごみ焼
却炉において、ボイラ蒸発量を測定するとともに、炉内
の燃焼状況を撮影した画像を処理することにより、炉内
火格子上のごみの燃え切り点の位置を測定し、得られた
ボイラ蒸発量の測定値と燃え切り点の位置とを用いて、
火格子の移動速度を制御することを特徴とするごみ焼却
炉の燃焼制御方法である。
で火格子を移動させてごみを焼却するストーカ式ごみ焼
却炉において、ボイラ蒸発量を測定するとともに、炉内
の燃焼状況を撮影した画像を処理することにより、炉内
火格子上のごみの燃え切り点の位置を測定し、得られた
ボイラ蒸発量の測定値と燃え切り点の位置とを用いて、
火格子の移動速度を制御することを特徴とするごみ焼却
炉の燃焼制御方法である。
【0014】本発明は、ストーカ式焼却炉において、蒸
発量と燃え切り点の情報を、状況に応じて火格子速度の
制御対象に取り入れることで、全体的な燃焼状態と燃焼
排ガス分布の管理を同時に行う。火格子上の燃え切り点
はカメラにより計測し、ボイラ蒸発量は流量計等で検知
し、それらに基づき、計測された燃焼状態に対応して制
御を行う。
発量と燃え切り点の情報を、状況に応じて火格子速度の
制御対象に取り入れることで、全体的な燃焼状態と燃焼
排ガス分布の管理を同時に行う。火格子上の燃え切り点
はカメラにより計測し、ボイラ蒸発量は流量計等で検知
し、それらに基づき、計測された燃焼状態に対応して制
御を行う。
【0015】制御としては、燃え切り点を指定範囲に合
わせる制御又はボイラ蒸発量を設定値に追従させる制御
の、少なくともいずれか一方を適用することで ボイラ
蒸発量と蒸発量の設定値の偏差を計測し(好ましくは数
十秒毎)、全体の燃焼状態を判断する。蒸発量が設定値
を下回るときは火格子の移動速度を増速させ、燃焼速度
を上昇させる。また、蒸発量が設定値を上回るときは火
格子の移動速度を減速させ、燃焼速度を低下させる。
わせる制御又はボイラ蒸発量を設定値に追従させる制御
の、少なくともいずれか一方を適用することで ボイラ
蒸発量と蒸発量の設定値の偏差を計測し(好ましくは数
十秒毎)、全体の燃焼状態を判断する。蒸発量が設定値
を下回るときは火格子の移動速度を増速させ、燃焼速度
を上昇させる。また、蒸発量が設定値を上回るときは火
格子の移動速度を減速させ、燃焼速度を低下させる。
【0016】同時に、炉内の燃焼状況を撮影した画像を
処理することで炉内火格子上のごみの燃え切り点を測定
する。この燃え切り点が火格子の上流側に偏っている場
合には、火格子を増速させ、燃え切り点を火格子下流側
に移動させる。逆に火格子の下流側に偏っている場合に
は、火格子を減速させ、未燃分が灰落下口に落下する以
前に完全燃焼させる。
処理することで炉内火格子上のごみの燃え切り点を測定
する。この燃え切り点が火格子の上流側に偏っている場
合には、火格子を増速させ、燃え切り点を火格子下流側
に移動させる。逆に火格子の下流側に偏っている場合に
は、火格子を減速させ、未燃分が灰落下口に落下する以
前に完全燃焼させる。
【0017】このような、蒸発量追従制御と燃え切り点
監視制御を蒸発量の安定度や火格子上の燃え切り点、さ
らには炉出口温度などを参照して、状況によりそのいず
れかの制御あるいはそれらを組み合わせた制御を、火格
子速度制御に適用する。若しくは、常に蒸発量追従制御
と燃え切り点監視制御の双方を適用してもよい。
監視制御を蒸発量の安定度や火格子上の燃え切り点、さ
らには炉出口温度などを参照して、状況によりそのいず
れかの制御あるいはそれらを組み合わせた制御を、火格
子速度制御に適用する。若しくは、常に蒸発量追従制御
と燃え切り点監視制御の双方を適用してもよい。
【0018】燃え切り点の測定は、例えば1台のITVカ
メラから得られる画像を、炉幅方向と平行に走査しなが
ら輝度の総和値を計算して行われる。例えば、輝度の総
和値があらかじめ決定したしきい値以上である範囲で、
最も火格子下流側の点を燃え切り点とみなす、という方
法で容易に実施できる。なお、 ITVカメラの設置方法や
燃え切り点検出方法は、この手法に限らないことは言う
までもない。
メラから得られる画像を、炉幅方向と平行に走査しなが
ら輝度の総和値を計算して行われる。例えば、輝度の総
和値があらかじめ決定したしきい値以上である範囲で、
最も火格子下流側の点を燃え切り点とみなす、という方
法で容易に実施できる。なお、 ITVカメラの設置方法や
燃え切り点検出方法は、この手法に限らないことは言う
までもない。
【0019】請求項2の発明は、炉内の燃焼状況を撮影
した画像を処理することで得られる炉内火格子上の燃え
切り点が、予め定められた適正範囲内にあるときにはボ
イラ蒸発量が設定値に追従するように火格子速度を調整
し、燃え切り点があらかじめ定められた前記設定位置か
ら所定距離以上偏っているときには燃え切り点を適正範
囲に修正するよう火格子速度を調整することを特徴とす
る請求項1に記載の火格子速度の制御方法である。
した画像を処理することで得られる炉内火格子上の燃え
切り点が、予め定められた適正範囲内にあるときにはボ
イラ蒸発量が設定値に追従するように火格子速度を調整
し、燃え切り点があらかじめ定められた前記設定位置か
ら所定距離以上偏っているときには燃え切り点を適正範
囲に修正するよう火格子速度を調整することを特徴とす
る請求項1に記載の火格子速度の制御方法である。
【0020】この発明は、火格子速度の制御手法とし
て、まず、ITVカメラで記録した画像を処理することに
より、炉内火格子上のごみの燃え切り点を計測する。そ
の結果、燃え切り点があらかじめ設定した適正範囲にあ
るときは、燃え切り点を考慮せず、ボイラ蒸発量が設定
値に追従する制御ルールにより火格子速度を調整する。
逆に、燃え切り点が適正範囲を外れ、上流側又は下流側
に偏っているときは、蒸発量を考慮せず燃え切り点を適
正範囲に修正する制御ルールにより火格子速度を調整す
る。
て、まず、ITVカメラで記録した画像を処理することに
より、炉内火格子上のごみの燃え切り点を計測する。そ
の結果、燃え切り点があらかじめ設定した適正範囲にあ
るときは、燃え切り点を考慮せず、ボイラ蒸発量が設定
値に追従する制御ルールにより火格子速度を調整する。
逆に、燃え切り点が適正範囲を外れ、上流側又は下流側
に偏っているときは、蒸発量を考慮せず燃え切り点を適
正範囲に修正する制御ルールにより火格子速度を調整す
る。
【0021】請求項3の発明は、炉内の燃焼状況を撮影
した画像を処理することで得られる炉内火格子上の燃え
切り点の位置と、ボイラ蒸発量と設定値の偏差との双方
について、予め定められたルールに基づきデータ処理す
ることにより、燃え切り点の位置及びボイラ蒸発量が双
方とも設定値に追従するように火格子速度を調整するこ
とを特徴とする請求項1に記載のごみ焼却炉の燃焼制御
方法である。
した画像を処理することで得られる炉内火格子上の燃え
切り点の位置と、ボイラ蒸発量と設定値の偏差との双方
について、予め定められたルールに基づきデータ処理す
ることにより、燃え切り点の位置及びボイラ蒸発量が双
方とも設定値に追従するように火格子速度を調整するこ
とを特徴とする請求項1に記載のごみ焼却炉の燃焼制御
方法である。
【0022】本手法では前述請求項2の発明の制御手法
に対し、燃え切り点が適正範囲を外れ、上流側又は下流
側に偏っているときにおいても、燃え切り点のみだけで
なく、ボイラ蒸発量と設定値の偏差から燃焼状態を予め
定められたルールに基づき判断する。そのようにして、
得られた燃え切り点とボイラ蒸発量と設定値の偏差の組
合せに応じて、火格子の増減速量を適切に決定すること
ができる。
に対し、燃え切り点が適正範囲を外れ、上流側又は下流
側に偏っているときにおいても、燃え切り点のみだけで
なく、ボイラ蒸発量と設定値の偏差から燃焼状態を予め
定められたルールに基づき判断する。そのようにして、
得られた燃え切り点とボイラ蒸発量と設定値の偏差の組
合せに応じて、火格子の増減速量を適切に決定すること
ができる。
【0023】請求項4の発明は、前記火格子速度の調整
量に従い給じん速度を調整することを特徴とする請求項
1ないし3に記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法である。
火格子速度を変化させた場合、ごみを火格子上に供給す
る給じん装置の速度も同時に変化させなければ、火格子
上のごみの厚さが不均一になり、燃焼状態が不安定にな
る要因となる。火格子速度の変化に従い給じん速度を変
化させることで火格子上のごみの厚さを均一にでき、安
定した燃焼が可能である。
量に従い給じん速度を調整することを特徴とする請求項
1ないし3に記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法である。
火格子速度を変化させた場合、ごみを火格子上に供給す
る給じん装置の速度も同時に変化させなければ、火格子
上のごみの厚さが不均一になり、燃焼状態が不安定にな
る要因となる。火格子速度の変化に従い給じん速度を変
化させることで火格子上のごみの厚さを均一にでき、安
定した燃焼が可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明では、ストーカ式焼却炉に
おいて、カメラにより計測される火格子上の燃え切り点
とボイラ蒸発量を検知し、それらから計測された燃焼状
態に対応して、燃え切り点を指定範囲に合わせる制御又
はボイラ蒸発量を設定値に追従させる制御の少なくとも
いずれか一方を適用する。
おいて、カメラにより計測される火格子上の燃え切り点
とボイラ蒸発量を検知し、それらから計測された燃焼状
態に対応して、燃え切り点を指定範囲に合わせる制御又
はボイラ蒸発量を設定値に追従させる制御の少なくとも
いずれか一方を適用する。
【0025】燃え切り点が上流又は下流部に偏ったとき
は、燃え切り点の調整を含めた(考慮に加えた)制御を
行う必要がある。このように、蒸発量と燃え切り点を、
状況に応じて火格子速度の制御対象に取り入れること
で、全体的な燃焼状態と燃焼排ガス分布の管理を同時に
行うことができる。
は、燃え切り点の調整を含めた(考慮に加えた)制御を
行う必要がある。このように、蒸発量と燃え切り点を、
状況に応じて火格子速度の制御対象に取り入れること
で、全体的な燃焼状態と燃焼排ガス分布の管理を同時に
行うことができる。
【0026】本発明の実施の形態について図を用いて説
明する。図1にこの発明が実施されるごみ焼却炉の一例
を示す。図1において、1はごみ焼却炉であり、ごみ投入
口2、給じん装置3、火格子4、灰落下口5を有する。ごみ
投入口2から投入されたごみは、給じん装置3において、
火格子4へ運ばれる。火格子4では、下部から供給される
燃焼空気6の吹き込みにより、乾燥が行われた後に、燃
焼が行われ、排ガスと灰に分解される。灰は灰落下口5
から落下して炉外に排出される。なお、火格子領域毎に
燃焼空気の吹き込み量はダンパ14a〜14dにより調整され
ている。
明する。図1にこの発明が実施されるごみ焼却炉の一例
を示す。図1において、1はごみ焼却炉であり、ごみ投入
口2、給じん装置3、火格子4、灰落下口5を有する。ごみ
投入口2から投入されたごみは、給じん装置3において、
火格子4へ運ばれる。火格子4では、下部から供給される
燃焼空気6の吹き込みにより、乾燥が行われた後に、燃
焼が行われ、排ガスと灰に分解される。灰は灰落下口5
から落下して炉外に排出される。なお、火格子領域毎に
燃焼空気の吹き込み量はダンパ14a〜14dにより調整され
ている。
【0027】一方、燃焼排ガスは、炉出口7から煙突8に
導かれて炉外へ排出される。排ガスが放出される炉出口
7には、熱交換器9aを備えたボイラ9bが設置されてい
る。冷却空気吹き込み口10からは、冷却空気ブロア11に
より冷却空気が吹き込まれ、燃焼ガス中の未燃焼成分を
完全燃焼すると共に、炉壁の温度が過度に上昇すること
を防いでいる。
導かれて炉外へ排出される。排ガスが放出される炉出口
7には、熱交換器9aを備えたボイラ9bが設置されてい
る。冷却空気吹き込み口10からは、冷却空気ブロア11に
より冷却空気が吹き込まれ、燃焼ガス中の未燃焼成分を
完全燃焼すると共に、炉壁の温度が過度に上昇すること
を防いでいる。
【0028】測定機器については、12は排ガス中の炉出
口温度を測る温度計、13は蒸発量を測る流量計である。
また、15は工業用カメラであり、画像処理装置16により
火格子の燃え切り点を計測する。燃え切り点とボイラ蒸
発量流量計13で得られた値は制御手段17により火格子駆
動装置4aを制御する。制御手段17には、例えばコンピュ
ータが使用されている。また、制御手段17において、第
一〜三の発明に基づき火格子速度の補正値を決定を行
い、その値を用いて計算した給じん速度の出力値により
給じん速度駆動装置3aを制御する。
口温度を測る温度計、13は蒸発量を測る流量計である。
また、15は工業用カメラであり、画像処理装置16により
火格子の燃え切り点を計測する。燃え切り点とボイラ蒸
発量流量計13で得られた値は制御手段17により火格子駆
動装置4aを制御する。制御手段17には、例えばコンピュ
ータが使用されている。また、制御手段17において、第
一〜三の発明に基づき火格子速度の補正値を決定を行
い、その値を用いて計算した給じん速度の出力値により
給じん速度駆動装置3aを制御する。
【0029】次に本発明の実施形態として第二、四の発
明を火格子駆動装置4aおよび給じん駆動装置3aの制御に
適用した一例を説明する。以下の説明において用いられ
る蒸発量偏差とは「蒸発量偏差=(蒸発量測定値−蒸発
量設定値)/蒸発量設定値」を表すものである。火格子
駆動装置および給じん駆動装置の制御は以下の制御ルー
ルで行われる。
明を火格子駆動装置4aおよび給じん駆動装置3aの制御に
適用した一例を説明する。以下の説明において用いられ
る蒸発量偏差とは「蒸発量偏差=(蒸発量測定値−蒸発
量設定値)/蒸発量設定値」を表すものである。火格子
駆動装置および給じん駆動装置の制御は以下の制御ルー
ルで行われる。
【0030】制御ルール: 1)燃え切り点が適切な範囲であるときは、火格子速度
を蒸発量が設定値に追従するよう制御する。また火格子
速度の制御量の変化に従い、給じん速度を決定する。 蒸発量偏差が正 →火格子速度を下げる、同時に給じん
速度を下げる 蒸発量偏差が適→ 火格子速度は維持、給じん速度も維
持 蒸発量偏差が負 → 火格子速度を上げる、同時に給じん
速度も上げる
を蒸発量が設定値に追従するよう制御する。また火格子
速度の制御量の変化に従い、給じん速度を決定する。 蒸発量偏差が正 →火格子速度を下げる、同時に給じん
速度を下げる 蒸発量偏差が適→ 火格子速度は維持、給じん速度も維
持 蒸発量偏差が負 → 火格子速度を上げる、同時に給じん
速度も上げる
【0031】2)燃え切り点が許容値よりも奥(上流
側)であるときは、蒸発量偏差によらず、火格子速度を
上げる。同時に給じん速度も上げる。燃え切り点が許容
値よりも手前(下流側)であるときは、蒸発量偏差によ
らず、火格子速度を下げる。同時に給じん速度も下げ
る。
側)であるときは、蒸発量偏差によらず、火格子速度を
上げる。同時に給じん速度も上げる。燃え切り点が許容
値よりも手前(下流側)であるときは、蒸発量偏差によ
らず、火格子速度を下げる。同時に給じん速度も下げ
る。
【0032】上記制御ルールについて補足すると、1)の
場合は適正な燃え切り点と検知し、炉内の燃焼状態を安
定にするために蒸発量が設定値に追従するよう制御す
る。次に、2)の場合は燃え切り点が奥であるため、未燃
ガスの再燃焼を活発にするために燃え切り点を手前に持
っていき、且つ火格子速度を上げることにより火格子上
のごみが薄くならないようにするためのルールである。
最後に、3)の場合は燃え切り点が手前であるため、灰落
下口に未燃ごみが落下しないために燃え切り点を奥に持
っていき、且つ火格子速度を下げることにより火格子上
のごみが厚くならないようにするルールである。
場合は適正な燃え切り点と検知し、炉内の燃焼状態を安
定にするために蒸発量が設定値に追従するよう制御す
る。次に、2)の場合は燃え切り点が奥であるため、未燃
ガスの再燃焼を活発にするために燃え切り点を手前に持
っていき、且つ火格子速度を上げることにより火格子上
のごみが薄くならないようにするためのルールである。
最後に、3)の場合は燃え切り点が手前であるため、灰落
下口に未燃ごみが落下しないために燃え切り点を奥に持
っていき、且つ火格子速度を下げることにより火格子上
のごみが厚くならないようにするルールである。
【0033】制御手法としては通常PID演算やルールベ
ースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。ここ
では、複数の情報から判断して増減量を制御するときの
制御手法として事象をルール化しやすいファジィ制御を
適用した場合について説明する。補正量を演算するため
に制御ルールを整理し、制御パラメータを定めたものを
表1に示す。
ースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。ここ
では、複数の情報から判断して増減量を制御するときの
制御手法として事象をルール化しやすいファジィ制御を
適用した場合について説明する。補正量を演算するため
に制御ルールを整理し、制御パラメータを定めたものを
表1に示す。
【0034】表中、Rule1-3については制御ルールの1)
に該当し、Rule4については制御ルールの2)、Rule5につ
いては制御ルールの3)に該当する。
に該当し、Rule4については制御ルールの2)、Rule5につ
いては制御ルールの3)に該当する。
【0035】各規則の後件部推論結果(補正量)の出力
には、ファジィ制御の一般的な方法、例えば、min-max
重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間が短
く実用的なシングルトン法を適用した場合について説明
する。
には、ファジィ制御の一般的な方法、例えば、min-max
重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間が短
く実用的なシングルトン法を適用した場合について説明
する。
【0036】最初に、各入力項目における適合度を図2
に示すメンバーシップ関数に基づいて求める。入力項目
としては燃え切り点B、蒸発量偏差Sである。なお、燃え
切り点Bの画像と演算値の一例を図3に示す。燃え切りが
手前(火格子下流部)にあるほど、燃え切りの値が小さ
く、奥(火格子上流部)にあるほど、燃え切りの値が大
きい値をとる。例えば、図2のように、予め各入力項目
毎に計測値と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。
に示すメンバーシップ関数に基づいて求める。入力項目
としては燃え切り点B、蒸発量偏差Sである。なお、燃え
切り点Bの画像と演算値の一例を図3に示す。燃え切りが
手前(火格子下流部)にあるほど、燃え切りの値が小さ
く、奥(火格子上流部)にあるほど、燃え切りの値が大
きい値をとる。例えば、図2のように、予め各入力項目
毎に計測値と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。
【0037】演算方法としては、現在の計測値を項目毎
にメンバーシップに当てはめ、図中縦軸方向に延長した
ときに各規則のメンバーシップと交叉する点の縦軸方向
高さが適合度となる。例えば、図中燃え切り点の場合、
温度Bのとき、縦軸方向に延長した線が手前、適、奥の
メンバーシップと交叉する高さX11、X12、X13がそれぞ
れの適合度となる。
にメンバーシップに当てはめ、図中縦軸方向に延長した
ときに各規則のメンバーシップと交叉する点の縦軸方向
高さが適合度となる。例えば、図中燃え切り点の場合、
温度Bのとき、縦軸方向に延長した線が手前、適、奥の
メンバーシップと交叉する高さX11、X12、X13がそれぞ
れの適合度となる。
【0038】各ルールの適合度は、表1の入力部項目の
変数の積により求まる。例えばRule1の適合度Z1は表中
燃え切り点:適の適合度X12、蒸発量偏差:負の適合度X
21より以下の式で求まる。 Z1 = X12・ X21 (1)
変数の積により求まる。例えばRule1の適合度Z1は表中
燃え切り点:適の適合度X12、蒸発量偏差:負の適合度X
21より以下の式で求まる。 Z1 = X12・ X21 (1)
【0039】同様にして、Rule2-5の適合度Z2 - Z5も各
入力項目の該当する適合度の積によって求まる。
入力項目の該当する適合度の積によって求まる。
【0040】次に、各ルールの適合度Z1 - Z5と該当領
域における後件部パラメータY1 - Y5から補正量を演算
する。乾燥帯における燃焼空気ダンパ補正量は(2)式で
演算される。 D = (Z1・Y1 +Z2・Y2 + Z3・Y3 +Z4・Y4 +Z5・Y5) /(Z1 +Z2 + Z3 +Z4 +Z5) (2)
域における後件部パラメータY1 - Y5から補正量を演算
する。乾燥帯における燃焼空気ダンパ補正量は(2)式で
演算される。 D = (Z1・Y1 +Z2・Y2 + Z3・Y3 +Z4・Y4 +Z5・Y5) /(Z1 +Z2 + Z3 +Z4 +Z5) (2)
【0041】最後に、求められた火格子速度補正量を次
の(3)式により、通常の火格子速度に加えて出力値とす
る。 V = V0 + K・D (3) ただし、Vは火格子速度出力値、V0は通常の火格子速
度、Kは制御パラメータである。
の(3)式により、通常の火格子速度に加えて出力値とす
る。 V = V0 + K・D (3) ただし、Vは火格子速度出力値、V0は通常の火格子速
度、Kは制御パラメータである。
【0042】また、本実施例の給じん速度の制御手法は
第二の発明において決定された火格子速度の補正値に制
御用のパラメータを乗じた値を給じん速度の補正値とす
る。制御手法はこれに限定されず、前記制御ルールを満
たすものであればよい。
第二の発明において決定された火格子速度の補正値に制
御用のパラメータを乗じた値を給じん速度の補正値とす
る。制御手法はこれに限定されず、前記制御ルールを満
たすものであればよい。
【0043】第二の発明により決定された火格子速度の
補正値をD2とすると、給じん速度出力値は(a)式とな
る。 Vh = Vh0 + Kh ・ D2 (a) ただし、Vhは給じん速度出力値、VhOは通常の給じん速
度、Khは制御用パラメータである。
補正値をD2とすると、給じん速度出力値は(a)式とな
る。 Vh = Vh0 + Kh ・ D2 (a) ただし、Vhは給じん速度出力値、VhOは通常の給じん速
度、Khは制御用パラメータである。
【0044】次に本発明の実施形態として第三、四の発
明を火格子駆動装置4aおよび給じん駆動装置3aの制御に
適用した一例を説明する。火格子駆動装置および給じん
駆動装置の制御は以下の制御ルールで行われる。制御ル
ール: 1)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が負のときは火格子速度を大きく増速する。同時
に給じん速度も大きく増速する。 2)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が適のときは火格子速度を増速する。同時に給じ
ん速度も増速する。 3)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が正のときは火格子速度をやや増速する。同時に
給じん速度もやや増速する。 4)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が負のと
きは火格子速度を増速する。同時に給じん速度を増速す
る。 5)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が適のと
きは火格子速度を維持する。給じん速度も維持。 6)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が正のと
きは火格子速度を減速する。同時に給じん速度を減速す
る。 7)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が負の時は火格子速度をやや減速する。同時に
給じん速度もやや減速する。 8)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が適であるときは火格子速度を減速する。同時
に給じん速度も減速する。 9)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が正ときは火格子速度を大きく減速する。同時
に給じん速度も大きく減速する。 制御ルール1)-9)はいずれも、燃え切り点と蒸発量偏差
から燃焼状態を判断し、それぞれにおいて火格子速度及
び給じん速度の増減速を細かく調整するルールである。
以下、制御方法としてファジイ制御を適用した場合につ
いて説明する。
明を火格子駆動装置4aおよび給じん駆動装置3aの制御に
適用した一例を説明する。火格子駆動装置および給じん
駆動装置の制御は以下の制御ルールで行われる。制御ル
ール: 1)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が負のときは火格子速度を大きく増速する。同時
に給じん速度も大きく増速する。 2)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が適のときは火格子速度を増速する。同時に給じ
ん速度も増速する。 3)燃え切り点が許容値よりも奥(上流側)、かつ蒸発
量偏差が正のときは火格子速度をやや増速する。同時に
給じん速度もやや増速する。 4)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が負のと
きは火格子速度を増速する。同時に給じん速度を増速す
る。 5)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が適のと
きは火格子速度を維持する。給じん速度も維持。 6)燃え切り点が適切な範囲、かつ蒸発量偏差が正のと
きは火格子速度を減速する。同時に給じん速度を減速す
る。 7)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が負の時は火格子速度をやや減速する。同時に
給じん速度もやや減速する。 8)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が適であるときは火格子速度を減速する。同時
に給じん速度も減速する。 9)燃え切り点が許容値よりも手前(下流側)、かつ蒸
発量偏差が正ときは火格子速度を大きく減速する。同時
に給じん速度も大きく減速する。 制御ルール1)-9)はいずれも、燃え切り点と蒸発量偏差
から燃焼状態を判断し、それぞれにおいて火格子速度及
び給じん速度の増減速を細かく調整するルールである。
以下、制御方法としてファジイ制御を適用した場合につ
いて説明する。
【0045】補正量を演算するために制御ルールを整理
し、制御パラメータを定めたものを表2に示す。表中、R
ule1-9については制御ルールの1)-9)に該当する。表中
各規則の後件部推論結果(補正量)の出力には、シング
ルトン法を適用した場合について説明する。
し、制御パラメータを定めたものを表2に示す。表中、R
ule1-9については制御ルールの1)-9)に該当する。表中
各規則の後件部推論結果(補正量)の出力には、シング
ルトン法を適用した場合について説明する。
【0046】最初に、各入力項目における適合度を前述
の実施形態同様、図2に示すメンバーシップ関数に基づ
いて求める。入力項目としては燃え切り点B、蒸発量偏
差Sである。なお、燃え切り点Bの画像と演算値の一例を
図3に示す。燃え切りが手前(火格子下流部)にあるほ
ど、燃え切りの値が小さく、奥(火格子上流部)にある
ほど、燃え切りの値が大きい値を取る。
の実施形態同様、図2に示すメンバーシップ関数に基づ
いて求める。入力項目としては燃え切り点B、蒸発量偏
差Sである。なお、燃え切り点Bの画像と演算値の一例を
図3に示す。燃え切りが手前(火格子下流部)にあるほ
ど、燃え切りの値が小さく、奥(火格子上流部)にある
ほど、燃え切りの値が大きい値を取る。
【0047】ここでは、図2のように、予め各入力項目
毎に計測値と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。演算方法としては、現在の計測値を
項目毎にメンバーシップに当てはめ、図中縦軸方向に延
長したときに各規則のメンバーシップと交叉する点の縦
軸方向高さが適合度となる。例えば、図中燃え切り点の
場合、温度Bのとき、縦軸方向に延長した線が手前、
適、奥のメンバーシップと交叉する高さX11、X12、X13
がそれぞれの適合度となる。
毎に計測値と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。演算方法としては、現在の計測値を
項目毎にメンバーシップに当てはめ、図中縦軸方向に延
長したときに各規則のメンバーシップと交叉する点の縦
軸方向高さが適合度となる。例えば、図中燃え切り点の
場合、温度Bのとき、縦軸方向に延長した線が手前、
適、奥のメンバーシップと交叉する高さX11、X12、X13
がそれぞれの適合度となる。
【0048】各ルールの適合度は、表中前件部項目の変
数の積により求まる。例えばRule1の適合度P1は表中燃
え切り点:奥の適合度X13、蒸発量偏差:負の適合度X21
より以下の式で求まる。 P1 = X13・ X21 (4)
数の積により求まる。例えばRule1の適合度P1は表中燃
え切り点:奥の適合度X13、蒸発量偏差:負の適合度X21
より以下の式で求まる。 P1 = X13・ X21 (4)
【0049】同様にして、Rule2-9の適合度P2 - P9も各
入力項目の該当する適合度の積によって求まる。
入力項目の該当する適合度の積によって求まる。
【0050】次に、各ルールの適合度P1 - P9と該当領
域における後件部パラメータQ1 - Q9から補正量を演算
する。乾燥帯における燃焼空気ダンパ補正量は(5)式で
演算される。 E = (P1・Q1 +P2・Q2 +… +P8・Q8 +P9・Q9) /(P1 +P2 + … +P8 +P9) (5)
域における後件部パラメータQ1 - Q9から補正量を演算
する。乾燥帯における燃焼空気ダンパ補正量は(5)式で
演算される。 E = (P1・Q1 +P2・Q2 +… +P8・Q8 +P9・Q9) /(P1 +P2 + … +P8 +P9) (5)
【0051】最後に求められた火格子速度補正量を次の
(6)式により、通常の火格子速度に加えて出力値とす
る。 V = V0 + K・E (6) ただし、Vは火格子速度出力値、V0は通常の火格子速
度、Kは制御パラメータである。
(6)式により、通常の火格子速度に加えて出力値とす
る。 V = V0 + K・E (6) ただし、Vは火格子速度出力値、V0は通常の火格子速
度、Kは制御パラメータである。
【0052】また、本実施例の制御手法は第三の発明に
おいて決定された火格子速度の補正値に制御用のパラメ
ータを乗じた値を給じん速度の補正値とする。制御手法
はこれに限定されず、前記制御ルールを満たすものであ
ればよい。
おいて決定された火格子速度の補正値に制御用のパラメ
ータを乗じた値を給じん速度の補正値とする。制御手法
はこれに限定されず、前記制御ルールを満たすものであ
ればよい。
【0053】第三の発明により決定された火格子速度の
補正値をD3とすると、給じん速度出力値は(b)式にとな
る。 Vk = Vk0 + Kk ・ D3 (b) ただし、Vkは給じん速度出力値、VkOは通常の給じん速
度、Kkは制御用パラメータである。
補正値をD3とすると、給じん速度出力値は(b)式にとな
る。 Vk = Vk0 + Kk ・ D3 (b) ただし、Vkは給じん速度出力値、VkOは通常の給じん速
度、Kkは制御用パラメータである。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明では、画像処理により炉内火格子
上のごみの燃え切り点の位置を測定し、ボイラ蒸発量の
測定値とこの燃え切り点の位置とのいずれか一方又は双
方について、火格子の移動速度を制御することにより炉
内燃焼状態の最適化を図る。この方法により炉内ボイラ
蒸発量を安定に維持できるだけでなく、ごみの燃焼位置
を適正な位置に管理でき、更に燃焼過程におけるダイオ
キシン類の発生を抑制できる。加えて、ごみ未燃を発生
させない燃焼運転を実現できる。
上のごみの燃え切り点の位置を測定し、ボイラ蒸発量の
測定値とこの燃え切り点の位置とのいずれか一方又は双
方について、火格子の移動速度を制御することにより炉
内燃焼状態の最適化を図る。この方法により炉内ボイラ
蒸発量を安定に維持できるだけでなく、ごみの燃焼位置
を適正な位置に管理でき、更に燃焼過程におけるダイオ
キシン類の発生を抑制できる。加えて、ごみ未燃を発生
させない燃焼運転を実現できる。
【図1】ごみ焼却炉の制御系の一例を示す図である。
【図2】メンバーシップ関数を示す図である。
【図3】燃え切り点の画像と演算値の一例を示す図であ
る。
る。
1 焼却炉 2 ごみホッパ 3 給じん装置 3a 給じん駆動装置 4 火格子 4a 火格子駆動装置 5 灰落下口 6 燃焼空気ブロア 7 炉出口 8 煙突 9a 熱交換器 9b ボイラ 10 冷却空気吹き込み口 11 冷却空気ブロア 12 炉出口温度計 13 ボイラ流量計 14a-14d 火格子下燃焼空気ダンパ 15a-15d ITV(工業用)カメラ 16 画像処理装置 17 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 聡 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K062 AA01 AB01 AC01 BA02 CA08 CB05 CB09 DA05 DA16 DA40 DB01 DB03
Claims (4)
- 【請求項1】 ボイラ蒸発量を測定するとともに、炉内
の燃焼状況を撮影した画像を処理することにより、炉内
火格子上のごみの燃え切り点の位置を測定し、得られた
ボイラ蒸発量の測定値と燃え切り点の位置とを用いて、
火格子の移動速度を制御することを特徴とするごみ焼却
炉の燃焼制御方法。 - 【請求項2】 炉内の燃焼状況を撮影した画像を処理す
ることで得られる炉内火格子上の燃え切り点が、予め定
められた適正範囲内にあるときにはボイラ蒸発量が設定
値に追従するように火格子速度を調整し、燃え切り点が
あらかじめ定められた前記設定位置から所定距離以上偏
っているときには燃え切り点を適正範囲に修正するよう
火格子速度を調整することを特徴とする請求項1に記載
の火格子速度の制御方法。 - 【請求項3】 炉内の燃焼状況を撮影した画像を処理す
ることで得られる炉内火格子上の燃え切り点の位置と、
ボイラ蒸発量と設定値の偏差との双方について、予め定
められたルールに基づきデータ処理することにより、燃
え切り点の位置及びボイラ蒸発量が双方とも設定値に追
従するように火格子速度を調整することを特徴とする請
求項1に記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法。 - 【請求項4】 前記火格子速度の調整量に従い給じん速
度を調整することを特徴とする請求項1ないし3に記載
のごみ焼却炉の燃焼制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000090156A JP2001033017A (ja) | 1999-05-18 | 2000-03-29 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13650199 | 1999-05-18 | ||
JP11-136501 | 1999-05-18 | ||
JP2000090156A JP2001033017A (ja) | 1999-05-18 | 2000-03-29 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001033017A true JP2001033017A (ja) | 2001-02-09 |
Family
ID=26470058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000090156A Pending JP2001033017A (ja) | 1999-05-18 | 2000-03-29 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001033017A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102927573A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-02-13 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧控制系统 |
CN103216834A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-07-24 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧蒸汽流量控制系统 |
CN103234207A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-08-07 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧垃圾料层厚度控制系统 |
JP2013257139A (ja) * | 2013-08-16 | 2013-12-26 | Babcock & Wilcox Volund As | 抵抗係数と火炎前面推定との組合せを用いた燃焼設備の制御方法 |
JP2016070545A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | 株式会社大川原製作所 | 乾燥設備並びにその運転方法 |
CN106051782A (zh) * | 2016-06-17 | 2016-10-26 | 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 | 一种实时估算垃圾热值的方法 |
JP2018021686A (ja) * | 2016-08-01 | 2018-02-08 | 株式会社タクマ | ごみ移動速度検出機能を備えた燃焼制御装置 |
WO2021106394A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 三菱重工業株式会社 | 燃焼設備、演算方法およびプログラム |
CN114060826A (zh) * | 2021-11-23 | 2022-02-18 | 浦湘生物能源股份有限公司 | 一种焚烧炉自动焚烧控制方法及控制系统 |
-
2000
- 2000-03-29 JP JP2000090156A patent/JP2001033017A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN103234208B (zh) * | 2012-11-28 | 2016-01-20 | 上海康恒环境股份有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧炉膛温度控制系统 |
CN103216836A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-07-24 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧热灼减率控制系统 |
CN103216835A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-07-24 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧烟气氧含量控制系统 |
CN102927573A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-02-13 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧控制系统 |
CN103234208A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-08-07 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧炉膛温度控制系统 |
CN103216834A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-07-24 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧蒸汽流量控制系统 |
CN103216834B (zh) * | 2012-11-28 | 2015-02-18 | 上海康恒环境股份有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧蒸汽流量控制系统 |
CN103234207A (zh) * | 2012-11-28 | 2013-08-07 | 上海康恒环境工程有限公司 | 一种生活垃圾焚烧炉自动燃烧垃圾料层厚度控制系统 |
JP2013257139A (ja) * | 2013-08-16 | 2013-12-26 | Babcock & Wilcox Volund As | 抵抗係数と火炎前面推定との組合せを用いた燃焼設備の制御方法 |
JP2016070545A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | 株式会社大川原製作所 | 乾燥設備並びにその運転方法 |
CN106051782A (zh) * | 2016-06-17 | 2016-10-26 | 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 | 一种实时估算垃圾热值的方法 |
JP2018021686A (ja) * | 2016-08-01 | 2018-02-08 | 株式会社タクマ | ごみ移動速度検出機能を備えた燃焼制御装置 |
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CN114060826A (zh) * | 2021-11-23 | 2022-02-18 | 浦湘生物能源股份有限公司 | 一种焚烧炉自动焚烧控制方法及控制系统 |
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