JP3176211B2 - ゴミ焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

ゴミ焼却炉の燃焼制御方法

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JP3176211B2
JP3176211B2 JP06223994A JP6223994A JP3176211B2 JP 3176211 B2 JP3176211 B2 JP 3176211B2 JP 06223994 A JP06223994 A JP 06223994A JP 6223994 A JP6223994 A JP 6223994A JP 3176211 B2 JP3176211 B2 JP 3176211B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴミピットに集積され
たゴミをホッパーに投入するクレーン機構と、前記クレ
ーン機構により把持されたゴミ重量を検出する重量検出
機構と、ホッパー内に投入されたゴミを炉内に押し込み
投入するプッシャ機構と、炉内に投入されたゴミを搬送
しながら焼却するストーカ式の焼却処理帯とを備えてな
るゴミ焼却炉の燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のゴミ焼却炉の燃焼制御方法は、重
量検出機構によるゴミ重量の所定時間の平均値を演算
し、演算された平均ゴミ重量に基づいてゴミ質を判断
し、プッシャ機構によるゴミの投入速度をゴミ質に応じ
て一律に演算して調節していた。即ち、平均ゴミ重量が
大であるときにはゴミ質が悪いと判断してゴミの投入速
度を低く設定し、逆に、平均ゴミ重量が小であるときに
はゴミ質が良いと判断してゴミの投入速度を高く設定し
ていた。つまり、ホッパーに投入されたゴミがプッシャ
機構により炉内に投入されるまでには時間遅れがある
が、ゴミ重量の平均値に基づいてゴミの投入速度を調節
することによりその時間遅れの影響を低減させて、一日
のゴミ焼却処理量が目標値となるように調節するもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のゴミ焼却炉の燃焼制御方法によれば、ゴミ質が急激に
変化するような場合には、その様子が直ちに平均ゴミ重
量に反映されないために、焼却状態が悪化する場合があ
り、一日のゴミ焼却処理量が目標値となるように調節す
ることが困難な場合があった。例えば、平均ゴミ重量に
よればゴミ質が良いと判断されてゴミの投入速度が高く
設定されているときに、急激にゴミ質が悪化するとゴミ
の投入速度が高いまま推移して炉内でのゴミの燃焼状態
が悪化することになるし、逆に、平均ゴミ重量によれば
ゴミ質が悪いと判断されてゴミの投入速度が低く設定さ
れているときに、急激にゴミ質が良くなるとゴミの投入
速度が低いまま推移して、炉内でゴミ切れ状態になるの
である。本発明の目的は上述した従来欠点を解消する点
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明によるゴミ焼却炉の燃焼制御方法の第一の特徴構
成は、前記重量検出機構により検出されたゴミ重量の所
定時間の平均値及び前記プッシャ機構の所定時間の平均
プッシャ速度を演算し、前記平均重量を持つホッパー内
全てのゴミを前記プッシャ機構により炉内に投入するに
必要な押し込み回数を、所定のホッパー内のゴミ重量と
そのゴミ全てを前記プッシャ機構により炉内に投入する
に必要な押し込み回数との関係から演算し、演算された
必要押し込み回数と前記平均プッシャ速度とから、現在
炉内に押し込まれているゴミが前記ホッパーに投入され
た時刻を演算し、演算された時刻に前記重量検出機構に
より検出されたゴミ重量からゴミ質を判断して、前記プ
ッシャ機構のプッシャ速度を調節する点にある。第二の
特徴構成は、前記重量検出機構により検出されたゴミ重
量の所定時間の平均値及び前記プッシャ機構の所定時間
の平均プッシャ速度を演算し、前記平均重量を持つホッ
パー内全てのゴミを前記プッシャ機構により炉内に投入
するに必要な押し込み回数を、所定のホッパー内のゴミ
重量とそのゴミ全てを前記プッシャ機構により炉内に投
入するに必要な押し込み回数との関係から演算し、演算
された必要押し込み回数と前記平均プッシャ速度とか
ら、現在炉内に押し込まれているゴミが前記ホッパーに
投入された時刻を演算し、演算された時刻に前記重量検
出機構により検出されたゴミ重量から目標とする単位時
間当りのゴミ焼却重量達成に必要なプッシャ速度を、所
定のゴミ重量とそのゴミを前記プッシャ機構の1回押し
込みにより炉内に投入されるゴミ重量との関係に基づい
て演算し、前記プッシャ機構のプッシャ速度を演算され
たプッシャ速度に調節する点にある。
【0005】
【作用】第一の特徴構成による作用について説明する。
前記重量検出機構により検出された過去のゴミ重量及び
プッシャ速度を記憶しておき、記憶データから所定時間
のゴミ重量の平均値及び所定時間の平均プッシャ速度を
演算する。ホッパー内のゴミ重量と、そのゴミ全てを前
記プッシャ機構により炉内に投入するに必要な押し込み
回数との関係を予め求めておき、前記平均重量を持つホ
ッパー内全てのゴミを前記プッシャ機構により炉内に投
入するに必要な押し込み回数を、その関係から演算す
る。演算された必要押し込み回数と前記平均プッシャ速
度とから、現在炉内に押し込まれているゴミが前記ホッ
パーに投入された時刻を演算すると、演算された時刻に
前記重量検出機構により検出されたゴミ重量が記憶デー
タに存在するので、その値からゴミ質を判断して、前記
プッシャ機構のプッシャ速度を調節するのである。第二
の特徴構成による作用について説明する。第一の特徴構
成と同様、前記重量検出機構により検出された過去のゴ
ミ重量及びプッシャ速度を記憶しておき、記憶データか
ら所定時間のゴミ重量の平均値及び所定時間の平均プッ
シャ速度を演算する。ホッパー内のゴミ重量と、そのゴ
ミ全てを前記プッシャ機構により炉内に投入するに必要
な押し込み回数との関係を予め求めておき、前記平均重
量を持つホッパー内全てのゴミを前記プッシャ機構によ
り炉内に投入するに必要な押し込み回数を、その関係か
ら演算する。演算された必要押し込み回数と前記平均プ
ッシャ速度とから、現在炉内に押し込まれているゴミが
前記ホッパーに投入された時刻を演算すると、演算され
た時刻に前記重量検出機構により検出されたゴミ重量が
記憶データに存在するので、その値から目標とする単位
時間当りのゴミ焼却重量達成に必要なプッシャ速度を、
所定のゴミ重量とそのゴミを前記プッシャ機構の1回押
し込みにより炉内に投入されるゴミ重量との関係に基づ
いて演算し、前記プッシャ機構のプッシャ速度を演算さ
れたプッシャ速度に調節するのである。その結果、ゴミ
質が良好なときにはプッシャ速度が高く、ゴミ質が悪化
するときにはプッシャ速度が低く調節されることになる
のである。
【0006】
【発明の効果】本発明のよれば、現在、プッシャ機構に
より炉内への投入中のゴミの質をほぼ正確に判断し、そ
のゴミ質に応じて適切なプッシャ速度に調節できるの
で、ホッパーに投入されるゴミの質が急激に変化した場
合であっても、一日のゴミ焼却処理量が目標値となるよ
うに容易に調節することができるようになった。
【0007】
【実施例】以下に実施例を説明する。ゴミ焼却炉は、図
4に示すように、ゴミピット1に集積されたゴミをホッ
パー4に投入するクレーン機構2と、クレーン機構2に
より把持されたゴミ重量を検出する重量検出機構3と、
ホッパー4内に投入されたゴミを炉内に押し込むプッシ
ャ機構5と、炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却
するストーカ式の焼却処理帯6と、焼却処理帯6で焼却
処理された灰を集める灰ピット7等で構成してある。
【0008】プッシャ機構5は、ホッパー4の下部に設
けてあり、油圧シリンダにより押し出し機構(図示せ
ず)を往復駆動して、炉内の焼却処理帯6にゴミを押し
出し投入するもので、ゴミの投入量は油圧シリンダの往
復速度、即ちプッシャ速度で定まる。プッシャ速度は燃
焼制御装置により調節される。
【0009】焼却処理帯6は、プッシャ機構5により投
入されたゴミを乾燥させ着火点近傍まで加熱する乾燥帯
6aと、乾燥ゴミを燃焼させる燃焼帯6bと、その燃焼
帯6bで燃焼したゴミを灰化する後燃焼帯6cとを上方
から下方に階段状に配置して構成してあり、各処理帯の
下方にブロワファン8cからの誘引空気を流路8bを介
して導く風箱8aを配して乾燥、或いは燃焼用の空気を
供給する空気供給機構8を設けてある。各処理帯は、固
定の火格子aと可動の火格子bとを搬送方向に沿って交
互に重ね合わせ配置して、油圧シリンダにより可動の火
格子bを斜め上下方向に往復摺動させることにより空気
供給機構8からの空気を供給すべくゴミを攪拌しながら
搬送する。前記後燃焼帯6cで灰化したゴミは、灰押し
出し装置10に落下して灰出しコンベア11により灰ピ
ット7に搬送集積される。
【0010】焼却処理帯6で発生した燃焼ガスは、発電
機13のエネルギーとして利用すべく廃熱ボイラ12に
導かれ、電気集塵機等からなる排ガス処理設備14によ
りばいじんや有害ガスが除去された後に煙突15から排
気される。
【0011】以下に、上述の焼却炉を制御するコンピュ
ータ利用の燃焼制御装置によるプッシャ機構5の調節に
ついて、図1に示すフローチャートに基づいて説明す
る。事前に、焼却炉毎の規模等に依存するデータとし
て、重量検出機構3により検出されるクレーン機構2に
よりつかまれる一回当たりのゴミ重量(以下、クレーン
つかみ重量と記す。)に対する、プッシャ機構5の1サ
イクルの駆動により炉内に投入されるゴミ重量(以下、
プッシャ効率と記す。)の関係をメモリ手段(図示せ
ず)に記憶しておく<#1>。上述の焼却炉の場合、図
2に示すように、重量検出機構3により検出されるゴミ
重量が2tの場合にプッシャ効率が0.87t/サイク
ル、ゴミ重量が1.5tの場合にプッシャ効率が0.4
9t/サイクルであるので、各ポイントと原点とを結ぶ
折れ線関係にあると推定する。
【0012】上述の関係からクレーンつかみ重量に対す
るプッシャ機構5によりホッパーに投入されたゴミが炉
内に到達するのに必要なプッシャサイクル(以下、必要
押し込み回数と記す。)の関係を演算してメモリ手段に
記憶しておく<#2>。上述の焼却炉の場合、1.5t
から2tの間のゴミ重量のゴミがホッパー4に投入され
た場合に、その時のゴミ全てを炉内に投入するのに必要
な押し込み回数は、図3に示すように、約22サイクル
から約30サイクルとなる。
【0013】さて、実際に焼却炉が運転されている場合
に、メモリ手段に記憶された過去の所定時間内(上述の
焼却炉の場合は90分)のクレーンつかみ重量データか
ら平均値を演算して、演算された平均値に対応するプッ
シャ機構5の必要押し込み回数を、ステップ<#2>で
求めた関係から演算して求める<#3>。
【0014】同じく、メモリ手段に記憶された過去の所
定時間内(上述の焼却炉の場合は90分)のプッシャ速
度の平均値である平均プッシャ速度を演算して、その結
果とステップ<#3>で求めた必要押し込み回数とか
ら、現在炉内に投入されつつあるゴミがホッパー4に投
入された時刻を求める<#4>。例えば、平均値が1.
5tであり、必要押し込み回数が30サイクルと求まっ
た場合、その値を平均プッシャ速度で割ると、現在炉内
に投入されつつあるゴミがホッパー4に投入された時刻
を求めるために過去にさかのぼるべき時間が求まるので
ある。
【0015】ステップ<#4>で求まった投入時刻にお
けるクレーンつかみ重量データをメモリ手段から読み出
せば、その値から現在炉内に投入されつつあるゴミのク
レーンつかみ重量が判明し、ステップ<#1>で求めた
関係からそのゴミにおけるプッシャ効率が判明するの
で、焼却炉の単位時間当たりの焼却量(仕様値)に沿う
ようにプッシャ速度を演算導出して、その値にプッシャ
速度を調節するのである<#5>。
【0016】このとき、ステップ<#4>で求まった投
入時刻におけるクレーンつかみ重量データを、その投入
時刻の前後数分間の平均値とすることにより、より正確
な値が求まる。さらに、焼却処理帯6の個々の搬送速度
を、プッシャ速度に基づいて一定の比例関係の下で設定
することにより、現在炉内に投入されつつあるゴミ質に
応じて適切に焼却処理しうる搬送速度となる。
【0017】ステップ<#3>からステップ<#5>の
処理を一定の制御サイクルで繰り返すことにより、変化
するゴミ質に継続的に追従して焼却処理を行うことがで
きるのである<#6>。
【0018】上述の実施例では、平均ゴミ重量を求める
時間を90分と設定したものを説明したが、この時間
は、ホッパー4に投入されたゴミが炉内に投入されるま
での平均的な時間に基づいて設定したものであり、炉の
仕様により適宜設定すればよい。また、制御サイクルに
ついては特に限定していないが、数十秒から数分の一定
間隔に設定すればよい。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローチャート
【図2】クレーンつかみ重量に対するプッシャ効率の関
係を示す図
【図3】クレーンつかみ重量に対する必要押し込み回数
の関係を示す図
【図4】ゴミ焼却炉の全体構成図
【符号の説明】
1 ゴミピット 2 クレーン機構 3 重量検出機構 4 ホッパー 5 プッシャ機構 6 焼却処理帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−106612(JP,A) 特開 平2−140502(JP,A) 特開 昭63−21412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/50 ZAB

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴミピット(1)に集積されたゴミをホ
    ッパー(4)に投入するクレーン機構(2)と、前記ク
    レーン機構(2)により把持されたゴミ重量を検出する
    重量検出機構(3)と、ホッパー(4)内に投入された
    ゴミを炉内に押し込み投入するプッシャ機構(5)と、
    炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却するストーカ
    式の焼却処理帯(6)とを備えてなるゴミ焼却炉におい
    て、 前記重量検出機構(3)により検出されたゴミ重量の所
    定時間の平均値及び前記プッシャ機構(5)の所定時間
    の平均プッシャ速度を演算し、 前記平均重量を持つホッパー内全てのゴミを前記プッシ
    ャ機構(5)により炉内に投入するに必要な押し込み回
    数を、所定のホッパー内のゴミ重量とそのゴミ全てを前
    記プッシャ機構(5)により炉内に投入するに必要な押
    し込み回数との関係から演算し、 演算された必要押し込み回数と前記平均プッシャ速度と
    から、現在炉内に押し込まれているゴミが前記ホッパー
    (4)に投入された時刻を演算し、 演算された時刻に前記重量検出機構(3)により検出さ
    れたゴミ重量からゴミ質を判断して、前記プッシャ機構
    (5)のプッシャ速度を調節するゴミ焼却炉の燃焼制御
    方法。
  2. 【請求項2】 ゴミピット(1)に集積されたゴミをホ
    ッパー(4)に投入するクレーン機構(2)と、前記ク
    レーン機構(2)により把持されたゴミ重量を検出する
    重量検出機構(3)と、ホッパー(4)内に投入された
    ゴミを炉内に押し込み投入するプッシャ機構(5)と、
    炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却するストーカ
    式の焼却処理帯(6)とを備えてなるゴミ焼却炉におい
    て、 前記重量検出機構(3)により検出されたゴミ重量の所
    定時間の平均値及び前記プッシャ機構(5)の所定時間
    の平均プッシャ速度を演算し、 前記平均重量を持つホッパー内全てのゴミを前記プッシ
    ャ機構(5)により炉内に投入するに必要な押し込み回
    数を、所定のホッパー内のゴミ重量とそのゴミ全てを前
    記プッシャ機構(5)により炉内に投入するに必要な押
    し込み回数との関係から演算し、 演算された必要押し込み回数と前記平均プッシャ速度と
    から、現在炉内に押し込まれているゴミが前記ホッパー
    (4)に投入された時刻を演算し、 演算された時刻に前記重量検出機構(3)により検出さ
    れたゴミ重量から目標とする単位時間当りのゴミ焼却重
    量達成に必要なプッシャ速度を、所定のゴミ重量とその
    ゴミを前記プッシャ機構(5)の1回押し込みにより炉
    内に投入されるゴミ重量との関係に基づいて演算し、 前記プッシャ機構(5)のプッシャ速度を演算されたプ
    ッシャ速度に調節するゴミ焼却炉の燃焼制御方法。
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