JP6627634B2 - 研削装置 - Google Patents

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本発明は、圧延ロールや補強ロールなどのロールを研削するための研削装置に関する。
一定の圧延を終えた圧延ロールや補強ロールは、ロール表面が研削(ロール研削)されることでロール表面が健全化されてから、圧延に再使用されている。
ロール研削の方法としては、円筒研削のトラバース研削が用いられている。
具体的には、円筒研削盤を用いて、ロールを回転させると共に、砥石車(研削砥石)をロールの回転軸と平行な軸で回転させる。そして、ロールに砥石車を接触させることでロール表面を研削し、さらに砥石車をロールの胴長方向(軸方向)に移動させることでロール表面の全体を研削する。これにより、ロールの真円度やロールの胴長方向のプロフィールを精度よく加工することができる。
例えば、特許文献1〜3には、砥石車に関する技術が開示されている。
特開平5−285848号公報 国際公開第2005/068099号 特開平5−177549号公報
ところで、圧延ロールは、例えば、直径が約1200mmでショア硬さ(Hs)が約75であり、補強ロールは、例えば、直径が約2400mmでショア硬さ(Hs)が約45である。このように、研削対象となるロールには、その用途により、硬さや直径が異なるものが含まれている。また、研削作業に必要とされる要求値(例えばロール表面の粗度やロールの真円度など)は、それぞれのロールによって異なる。
このため、それぞれのロール毎に研削に用いる砥石の特性(例えば、砥粒、結合度、結合剤、砥粒率など)を調整し、圧延ロール専用の砥石車や補強ロール専用の砥石車を別個に用意し、これら専用の砥石車を使い分けてロール研削を行うことが考えられる。
しかし、専用の砥石車が組み込まれた研削盤をそれぞれ用意するには、複数の研削盤を設置する整備場の確保が必要となる。また、研削するロールが変わるたびに専用の砥石車に交換すれば、研削盤の数が限られている場合でも研削することができるが、砥石車の交換に時間が掛かり作業効率が悪化する。
そこで、研削盤の数が限られている場合には、圧延ロール及び補強ロールの両方のロールに適した砥石で形成された兼用砥石車を用意し、研削盤に兼用砥石車を組み込んで研削することが考えられる。
しかしながら、兼用砥石車は、両方のロールに適した砥石で形成されているため、専用の砥石車と比べて研削性能が劣ってしまう。また、特定の研削盤を用いて研削する場合、研削するロールの径が大きいと、その研削盤の構造に起因して、砥石車の初期の段階では研削出来ていたロールを、研削を続けて砥石車の径が減少していくうちに研削出来なくなるという事情も生じうる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、複数種類のロールを研削することができ、かつ研削作業を効率化できる研削装置を得ることである。
本発明に係る研削装置は、
研削盤と、
前記研削盤で、大径ロール及び小径ロールを含む複数種類のロールを研削するための砥石車と、
を備える研削装置であって、
前記砥石車は、外側研削層と内側研削層とを有し、
前記砥石車の径が前記大径ロール及び前記小径ロールの両方を研削できる兼用研削限界径Φgを下回ると、前記研削盤で前記大径ロールの研削をすることが不可能であり、
前記砥石車の前記外側研削層と前記内側研削層との境界径Φbは、前記兼用研削限界径Φgと略同じであり、
前記外側研削層の砥石は、前記内側研削層の砥石よりも、前記大径ロール及び前記小径ロールに対する研削性能の総和が優れており、
前記内側研削層の砥石は、前記外側研削層の砥石よりも、前記小径ロールに対する研削性能が優れている、
ことを特徴とする。
この研削装置では、砥石車の径が兼用研削限界径Φgを下回ると、研削盤で大径ロールの研削が不可能である。また、砥石車の外側研削層と内側研削層との境界径Φbが、兼用研削限界径Φgと略同じである。
このため、外側研削層の全部又は大部分で、大径ロール及び小径ロールの両方のロールを研削することができる。また、内側研削層の全部又は大部分では、大径ロールを研削することができない。したがって、この研削装置では、基本的に、外側研削層は大径ロール及び小径ロールの両方のロールの研削に使用し、内側研削層は小径ロール(正確には、複数種類のロールのうち大径ロール以外)の研削に使用する。
さらに、この研削装置では、外側研削層の砥石は、内側研削層の砥石よりも、大径ロール及び小径ロールに対する研削性能の総和が優れている。また、内側研削層の砥石は、外側研削層の砥石よりも、小径ロールに対する研削性能が優れている。
これを言い換えると、内側研削層の砥石は、当該内側研削層で研削しない大径ロールに対する研削性能が考慮されない代わりに、当該内側研削層で研削する小径ロールに対する研削性能が向上されている。
したがって、内側研削層の砥石が外側研削層の砥石と同じ砥石である砥石車(つまり、内側研削層と外側研削層との層構造となっていない均一層構造の砥石車)を備える従来の研削装置と、本発明の研削装置とを比較すると、本発明の研削装置の方が、内側研削層で小径ロールを研削しているときに効率よく研削することができる。その結果、研削作業全体の効率も向上する。
また、本発明の他の態様に係る砥石車設計方法は、
研削盤で、大径ロール及び小径ロールを含む複数種類のロールを研削するための砥石車を設計する方法であって、
前記砥石車は、外側研削層と内側研削層とを有しており、
前記砥石車の径が大径ロール及び小径ロールの両方を研削できる兼用研削限界径Φgを下回ると、前記研削盤で前記大径ロールの研削が不可能である砥石車を設計する方法であって、
前記外側研削層及び前記内側研削層の径方向範囲を決定する層構造決定ステップと、
前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石を決定する砥石決定ステップと、
を備え、
前記層構造決定ステップでは、
前記砥石車の外側研削層と内側研削層との境界径Φbが前記兼用研削限界径Φgと略同じであるように、
前記外側研削層及び前記内側研削層の径方向範囲を決定し、
前記砥石決定ステップでは、
前記外側研削層の砥石が、前記内側研削層の砥石よりも、前記大径ロールと前記小径ロールに対する研削性能の総和が優れるように、
かつ、
前記内側研削層の砥石が、前記外側研削層の砥石よりも、前記小径ロールに対する研削性能が優れるように、
前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石を決定する、
ことを特徴とする。
以上説明したように、本発明は、複数種類のロールを研削することができ、かつ作業作業を効率化できるという優れた効果を有する。
図1は、本実施形態の砥石車を示し、(A)は砥石車軸方向から見た断面図であり、(B)は図1(A)における1B−1B断面図である。 図2は、研削盤にロールと砥石車が組み込まれて研削作業が行われる状態を示す研削装置の側面図であり、(A)は大径ロール(補強ロール)が組み込まれている状態で、砥石車の径が大きいときを示し、(B)は小径ロール(圧延ロール)が組み込まれている状態で、砥石車の径が大きいときを示し、(C)は大径ロール(補強ロール)が組み込まれている状態で、砥石車の径が小さいときを示し、(D)は小径ロール(圧延ロール)が組み込まれている状態で、砥石車の径が小さいときを示す。 図3は、本実施形態の層構造決定ステップを示す、砥石車の断面図である。
―研削設備の概略―
本発明に係る研削装置の一例として、研削盤20と砥石車30とを備える研削装置10を説明する。この研削装置10を用いることで、研削盤20に組み込んだ砥石車30を交換せずに複数種類のロール40を研削することができる。
(複数種類のロール)
本実施形態で研削対象とするロール40は、熱間圧延設備で用いられる圧延ロール42と補強ロール44である(図2参照)。さらに、圧延ロール42は、仕上圧延機の圧延ロール42Aと粗圧延機の圧延ロール42Bとの2種類である。
仕上圧延機の圧延ロール42Aは、直径が約1200mmでショア硬さ(Hs)が約78である。粗圧延機の圧延ロール42Bは、直径が約1200mmでショア硬さ(Hs)が約75である。一方、補強ロール44は、直径が約2400mmでショア硬さ(Hs)が約45である。なお、各ロールの直径は、圧延中の摩耗やロール研削により、少しずづ減少していく。そのため、各ロール40の直径は、所定の狭い範囲で変動する値をとる。
これら圧延ロール42A、42B及び補強ロール44が本発明の「複数種類のロール」の一例であり、圧延ロール42A、42Bが「小径ロール」に相当し、補強ロール44が「大径ロール」に相当する。以下、説明の便宜上、圧延ロール42A、42Bを小径ロール42といい、補強ロール44を大径ロール44をいうことがある。
(砥石車)
図1に示されるように、砥石車(ロール研削砥石)30は、所謂、平形の研削砥石である。砥石車30は、径方向中心の非研削層32と、径方向外側の研削層34と、を含んで構成されている。さらに、研削層34は、径方向外側の外側研削層38と、径方向内側の内側研削層36と、を含んで構成されている。これら外側研削層38及び内側研削層36については、後に詳述する。
砥石車30の径(直径)は、研削に使用されることで次第に減少していく。本実施形態の研削層34は900mm〜500mmの範囲に設定されており、新品時の砥石車30の直径は900mm(Φmax)であり、直径が500mm(Φmin)まで減少すると砥石車30は廃棄される。
(研削盤)
図2に示されるように、研削盤20は、円筒研削盤である。研削盤20にロール40と砥石車30とを組み込むことで、ロール40の表面を砥石車30で研削することができる。
研削盤20は、ロール40と砥石車30の回転軸が互いに平行となるようにして、ロール40と砥石車30を回転させる。そして、ロール40と砥石車30の回転軸を平行に保ったまま、ロール40と砥石車30を近づけて接触させることで、ロール40の外表面を砥石車30の外表面で研削する。また、砥石車30をロール40の胴長方向(軸方向、図2(A)における紙面に垂直な方向)に相対移動させることで、ロール40の胴長方向の全体を研削することができる。
研削するためには砥石車30をロール40に接触させる必要があるので、砥石車30の径が減少していくにつれて、ロール40の回転軸と砥石車30の回転軸の間隔を近づける必要がある。すなわち、砥石車30の半径をrとし、ロール40の半径をRとした場合、砥石車30とロール40の中心軸同士の間隔Dを(r+R)程度にする必要がある。したがって、砥石車の径が減少すると当然半径rも減少し、中心軸同士の間隔D(=r+R)も減少する。
ここで、ロール40の直径が大きい場合、中心軸同士の間隔Dを減少させていくと、ロールと研削盤20(の一部)が接触してしまうことがある(図2(C)の点線で囲まれた部分参照)。ロール40が研削盤20に接触することは避けなければならないため、径の大きなロールは、砥石車30の径がある径より小さくなった状態では研削することが不可能である。
本実施形態では、補強ロール44の直径が約2400mmと大きいため、砥石車30の径がある径(大径ロール研削限界径Φg、又は兼用研削限界径Φgということがある。)を下回ると、研削盤20を用いての補強ロール44の研削が不可能になる。大径ロール研削限界径Φgは、Φmax≧Φg≧Φminの関係にあるため、砥石車30の研削層34が残っている状態でも、補強ロール44の研削が不可能になる。つまり、砥石車30の径がΦgを下回っている状態では、圧延ロール42のみを研削することとなる。
なお、上述したとおり、補強ロール44の直径は所定の範囲で変動する値である。このため、補強ロール研削限界径Φgも所定の範囲で変動する。具体的には、大径ロール研削限界径Φgは、研削盤20の構造と補強ロールの直径により定まる。そして、補強ロール44の直径が所定の範囲のうちで大きいときは、研削盤20の構造と補強ロール44の直径との関係から砥石車30の径が比較的大きくないと研削ができないので、大径ロール研削限界径Φgも大きくなる。一方、補強ロール44の直径が所定の範囲のうちで小さいときは、研削盤20の構造と補強ロール44の直径との関係から砥石車30の径が比較的小さくても研削が出来るので、大径ロール研削限界径Φgも小さくなる。
(砥石車の詳細説明)
次に、砥石車30の構造や特性について詳述する。
図1には、使用開始時(研削により摩耗していない状態)の砥石車30が示されている。図1に示されるように、砥石車30の研削層34は、径方向外側の外側研削層38と、径方向内側の内側研削層36と、から構成されている。外側研削層38及び内側研削層36は、共に、同心円状に設けられている。外側研削層38の最も外側の径(直径)はΦmax、内側研削層36の最も内側の径(直径)はΦmin、外側研削層38と内側研削層36との境界径(直径)はΦbとなっている。
境界径Φbは、大径ロール研削限界径Φg(兼用研削限界径Φg)と略同じとされている。
上述したように、大径ロール研削限界径Φg自体が、研削盤20の構造と研削するロールの直径により変動する数値であるため、境界径Φbを大径ロール研削限界径Φgと一致させることは原理的に不可能である。そこで、本実施形態では、境界径Φbを、大径ロール44の径が最小値をとる場合の大径ロール研削限界径Φgと一致させている。ただし、後述するように、境界径Φbの値の決め方はこれに限られない。
境界径Φbが大径ロール研削限界径Φgと略同じとされていることにより、外側研削層38の全部又は大部分で、大径ロール44及び小径ロール42の両方のロールを研削することができる。また、内側研削層36の全部又は大部分では、大径ロール44を研削することができない。したがって、砥石車30は、外側研削層38は大径ロール44及び小径ロール42の両方のロールの研削に使用し、内側研削層36は小径ロール42のみの研削に使用するという使用方法に適した層構造となっている。
(砥粒)
外側研削層38及び内側研削層36の砥石を構成する砥粒は、共に、所謂セラミック砥粒とされている。その一方で、外側研削層38の砥石と内側研削層36の砥石とは、互いに、砥粒率が異なっている。具体的には、外側研削層38の砥石では、砥粒率が46%とされており、内側研削層36の砥石では、砥粒率が48%とされている。このように各層(外側研削層38、内側研削層36)の砥石の砥粒率を変化させることで、各層の砥石を、当該層が研削対象とするロールに適した砥石としている。すなわち、外側研削層38の砥石は、研削対象である大径ロール44及び小径ロール42の両方のロールに適した砥石になっており、内側研削層36の砥石は、研削対象である小径ロール42に適した砥石になっている。
なお、砥粒率とは、砥石単位容積中に占める砥粒の割合をいう。
―設計方法―
次に、上述のような砥石車を設計する方法(砥石車設計方法)について説明する。
砥石車設計方法は、各層の境界径Φbを決定する層構造決定ステップと、各層の砥石を決定する砥石決定ステップと、を備える。
<層構造決定ステップ>
層構造決定ステップでは、まず、大径ロール研削限界径Φgを求める。
大径ロール研削限界径Φgは、研削盤20の構造と大径ロール44の直径とに基づいて定まる値である。大径ロール44の直径自体が所定の範囲で変動する値であるため、大径ロール研削限界径Φgは、図3(B)に点線で示される一定の範囲(Φg(max)〜Φg(min))で変動する。
1つの具体例として、大径ロール44の仕様により定められた径範囲から、大径ロール研削限界径Φgの範囲(Φg(max)〜Φg(min))を求める例を説明する。
まず、大径ロール44の使用可能径が、仕様により、例えば、2400mm〜2300mmの範囲に定められているとする。この場合、Φg(max)は、径が最大の2400mmの大径ロール44を研削しようとするときに、大径ロール44が研削盤20(の一部)と丁度接触してしまうときの砥石車30の径となる。一方、Φg(min)は、径が最小の2300mmの大径ロール44を研削しようとするときに、大径ロール44が研削盤20(の一部)と丁度接触してしまうときの砥石車30の径となる。
また、別の具体例として、実際に圧延に用いている大径ロール44の径範囲から、大径ロール研削限界径Φgの範囲を求める例を説明する。
まず、大径ロール44の径が仕様により2400mm〜2300mmの範囲に定められているが、実際に圧延に用いている径範囲は、2400mm〜2350mmの範囲であるとする。この場合、Φg(min)は、径2350mmの大径ロール44を研削しようとするときに、大径ロール44が研削盤20(の一部)と丁度接触してしまうときの砥石車30の径となる。なお、Φg(max)は、上述の仕様により定められた径範囲から大径ロール研削限界径Φgを求める例と同様である。
次に、上で求めた大径ロール研削限界径Φgに基づいて、外側研削層38と内側研削層36との境界径Φbを決定する(図3(C)参照)。
大径ロール研削限界径Φgから境界径Φbを決める方法は様々である。
例えば、上述したΦg(min)の値を境界径Φbとする方法がある。また、外側研削層38のうち最も径方向内側部分で大径ロール44を研削する際に、径が最小である大径ロール44と研削盤20とが干渉(接触)する虞がなくなるように、Φg(min)よりも若干小さい値(研削作業の作業性を考慮して決まる値)を、境界径Φbとする方法でもよい。
このように、大径ロール44の仕様上の最小径(2300mm)や、実際に用いている最小径(2350mm)に対応する大径ロール研削限界径Φg(min)、またはこのΦg(min)より若干小さい値を境界径Φbとすることで、研削盤20の構造上、大径ロール44の研削が可能である場合には、常に、外側研削層38を用いて大径ロール44を研削することができるようになる。
以上説明した方法で境界径Φbを決定するため、本発明では、境界径Φbが大径ロール研削限界径Φgと略同じとなる。
<砥石決定ステップ>
砥石決定ステップでは、外側研削層38の砥石と、内側研削層36の砥石をそれぞれ決定する。
外側研削層38は、大径ロール44と小径ロール42の両方の研削に使用する。このため、外側研削層38の砥石を決定する際には、大径ロール44と小径ロール42との両方に対する研削性能が所望の基準を満足するように決定する。
他方、内側研削層36は、小径ロール42の研削に使用し、大径ロール44の研削には使用しない。このため、内側研削層36の砥石を決定する際には、大径ロール44に対する研削性能を考慮せず、小径ロール42に対する研削性能が所望の基準を満足するように決定する。
各ロールに対する研削性能は、例えば砥石の砥粒率を変化させることにより、調整する。なお、上述した砥石車30は、この方法(砥粒率の変化)により研削性能が調整されている。
ただし、各ロールに対する研削性能の調整の方法は、これに限られない。すなわち、各ロールに対する研削性能の調整の方法は、砥粒の種類を変更することでもよいし、結合度を変更することでもよいし、結合剤を変更することでもよいし、また、これらを複合して変更することでもよい。つまり、砥石のこれらの特性(砥粒率、砥粒、結合度、結合剤など)を変更することで、各ロールに対する研削性能を調整すればよい。
各ロールに対する研削性能の評価は、例えば、研削比及び研削能率を算出することで行う。具体的には、各層の砥石の特性を変更させた砥石車を試作する。試作した砥石車を用い、ロール研削作業をする。そして、研削比及び研削能率を算出し、評価する。
ここで、研削比とは、式(1)に示す指標である。
研削比(cc/cc)=ロール研削体積(cc)/砥石摩耗体積(cc)・・・(1)
すなわち、研削比の値は、砥石車の研削層1ccで削れたロールの体積(cc)と一致する。研削比は、新品の砥石車を使用し始めてから、摩耗により廃棄するまでの間について、各ロールを研削した際の、ロール研削体積と砥石摩耗体積を集計して求める。
また、研削能率とは、ロール研削を単位時間行ったときのロールが削れた量(直径)である。研削能率は、新品の砥石車を使用し始めてから、摩耗により廃棄するまでの間について、各ロールを研削した際の、ロールが削れた量(直径)と研削した時間(h)を集計して求める。
研削性能の評価の際に行われる研削作業は、一定の研削条件で行う。表1に、本実施形態における研削条件を示す。ここで、切込速度(切込量)は、砥石車がロールの径方向に動く速度(量)である。また、送り速度は、砥石車をロールの胴長方向(軸方向)に往復させる速度である。
Figure 0006627634
次に、表2に、本実施形態おける研削性能の評価結果(比較例と共に示したもの)の一例を示す。表2に示されるように、各ロール(仕上圧延機の圧延ロール、仕上圧延機の補強ロール、粗圧延機の圧延ロール)毎に、研削比及び研削能率を算出する。そして、各ロールの研削比や研削能率の総和を算出し、砥石車を評価している。
ここで本実施形態とは、上述したように、砥粒率が異なっている。具体的には、外側研削層38の砥石では、砥粒率が46%とされており、内側研削層36の砥石では、砥粒率が48%とされている。
一方、比較例では、砥粒率が均一で、砥粒率が47%とされている。
このように各層(外側研削層38、内側研削層36)の砥石の砥粒率を変化させることで、各層の砥石を、当該層が研削対象とするロールに適した砥石としている。
なお、この例では、各ロールの研削比及び研削能率を単純に足し合わせ、単純に足し合わせた総和を評価することで砥石車の研削性能を総合評価しているが、評価の仕方はこれに限られない。例えば、各ロール毎に重み付けをした上で研削比又は研削能率を足し合わせてたものを研削性能の総和としてもよい。
Figure 0006627634
(研削性能の関係)
最後に、以上に述べた砥石車設計方法に基づいて製造した砥石車30が備える特徴について、外側研削層38と内側研削層36の砥石の研削性能の比較の観点から説明する。
上述したとおり、内側研削層36の砥石は、大径ロール44に対する研削性能を考慮せずに設計される。これに対し、外側研削層38の砥石は、大径ロール44及び小径ロール42に対する研削性能の両方を考慮して設計される。つまり、内側研削層36の砥石を決定する際は、外側研削層38の決定する際とは異なり、大径ロール44に対する研削性能を考慮しない。
このため、本実施形態の砥石車30では、内側研削層36の砥石は、外側研削層38の砥石よりも、小径ロール40に対する研削性能が優れた砥石になっている。
また、外側研削層38の砥石は、大径ロール44及び小径ロール42の両方に対する研削性能が満足するように決定される。一方、内側研削層36の砥石は、小径ロール42に対する研削性能が満足するように決定され、大径ロール44及び小径ロール42の両方に対する研削性能の総和は考慮されない。
このため、本実施形態の砥石車30では、外側研削層38の砥石は、内側研削層36の砥石よりも、大径ロール及び小径ロールに対する研削性能の総和が優れている。
〔補足説明〕
なお、上述した実施形態では、砥石車の砥石を構成する砥粒が、所謂セラミック砥粒とされている。しかし、砥石を構成する砥粒は、特に限定されず、例えばJIS R6111:2005に規定されているアルミナ質研削材や炭化けい素質研削材であってもよいし、また、ダイヤモンドやCBNであってもよし、また、その他の砥粒であってもよい。
また、砥石車の砥石を構成する結合剤は、特に限定されない。例えば、ビトリファイド結合剤、シリケート結合剤、セラック結合剤、ゴム結合剤、レジノイド結合剤、メタルボンドなどを結合剤として用いることができる。
また、上述した実施形態では、砥石車30の形状が平形(JISで規定された平形1号)とされている。しかし、砥石車の形状は特に限定されず、様々な形状、縁形とすることができる。
10 研削装置
20 研削盤
30 砥石車
36 内側研削層
38 外側研削層
40 複数種類のロール
42 圧延ロール(小径ロール)
44 補強ロール(大径ロール)
Φb 境界径
Φg 大径ロール研削限界径(兼用研削限界径)

Claims (12)

  1. 研削盤と、
    前記研削盤で、大径ロール及び小径ロールを含む複数種類のロールを研削するための砥石車と、
    を備える研削装置であって、
    前記砥石車は、外側研削層と内側研削層とを有し、
    前記砥石車の径が前記大径ロール及び前記小径ロールの両方を研削できる兼用研削限界径Φgを下回ると、前記研削盤で前記大径ロールの研削をすることが不可能であり、
    前記砥石車の前記外側研削層と前記内側研削層との境界径Φbは、前記兼用研削限界径Φgと略同じであり、
    前記外側研削層の砥石は、前記内側研削層の砥石よりも、前記大径ロール及び前記小径ロールに対する研削性能の総和が優れており、
    前記内側研削層の砥石は、前記外側研削層の砥石よりも、前記小径ロールに対する研削性能が優れている、
    ことを特徴とする研削装置。
  2. 請求項1に記載の研削装置であって、
    前記兼用研削限界径Φgは、
    前記大径ロールのうちロール径が最小であるものを前記研削盤に載置したときに、前記砥石車を前記大径ロールに向かって動かして、前記砥石車が前記大径ロールと接触して研削できる、砥石車の最小径である、
    ことを特徴とする研削装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の研削装置であって、
    前記研削性能は、
    研削能率、研削比の少なくとも一方又は双方を含む、
    ことを特徴とする研削装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の研削装置であって、
    前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石は、
    砥粒率が互いに異なることで前記研削性能が互いに異なっている、
    ことを特徴とする研削装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の研削装置であって、
    前記大径ロールは、補強ロールであり、
    前記小径ロールは、圧延ロールである、
    ことを特徴とする研削装置。
  6. 請求項5に記載の研削装置であって、
    前記補強ロールの最大の直径/前記圧延ロールの最小の直径≧2である、
    ことを特徴とする研削装置。
  7. 研削盤で、大径ロール及び小径ロールを含む複数種類のロールを研削するための砥石車を設計する方法であって、
    前記砥石車は、外側研削層と内側研削層とを有しており、
    前記砥石車の径が大径ロール及び小径ロールの両方を研削できる兼用研削限界径Φgを下回ると、前記研削盤で前記大径ロールの研削が不可能である砥石車を設計する方法であって、
    前記外側研削層及び前記内側研削層の径方向範囲を決定する層構造決定ステップと、
    前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石を決定する砥石決定ステップと、
    を備え、
    前記層構造決定ステップでは、
    前記砥石車の前記外側研削層と前記内側研削層との境界径Φbが、前記兼用研削限界径Φgと略同じであるように、
    前記外側研削層及び前記内側研削層の径方向範囲を決定し、
    前記砥石決定ステップでは、
    前記外側研削層の砥石が、前記内側研削層の砥石よりも、前記大径ロールと前記小径ロールに対する研削性能の総和が優れるように、
    かつ、
    前記内側研削層の砥石が、前記外側研削層の砥石よりも、前記小径ロールに対する研削性能が優れるように、
    前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石を決定する、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
  8. 請求項7に記載の砥石車設計方法であって、
    前記兼用研削限界径Φgは、
    前記大径ロールのうち最小径であるものを前記研削盤に載置したときに、前記砥石車を前記大径ロールに向かって動かして前記砥石車が前記大径ロールと接触して研削できる、砥石車の最小径である、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の砥石車設計方法であって、
    前記砥石決定ステップでは、
    前記研削性能に研削能率及び研削比の何れか一方又は双方を用いて、
    砥石を決定する、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
  10. 請求項7〜請求項9の何れか一項に記載の砥石車設計方法であって、
    前記外側研削層の砥石及び前記内側研削層の砥石の砥粒率を、互いに異なるようにすることで、
    前記研削性能が互いに異なるようにする、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
  11. 請求項7〜請求項10の何れか1項に記載の砥石車設計方法であって、
    前記大径ロールは、補強ロールであり、
    前記小径ロールは、圧延ロールである、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
  12. 請求項11に記載の砥石車設計方法であって、
    前記補強ロールの最大の直径/前記圧延ロールの最小の直径≧2である、
    ことを特徴とする砥石車設計方法。
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