JP6625495B2 - スライド機構組込み式部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、スライド機構組込み式部品の製造方法に関する。
例えば車体に配線束を取り付けるための車両部品には、配線束を結束するベルト等の結束部と車体に組み付けられる係合組付け部とを一体に有したもの(例えば特許文献1)がある。また、こうした車両部品には、係合組付け部のみが設けられ、ベルトやテープ等の別体の結束部材によって、配線束と共に結束保持されるものもある。
このような車両部品を用いて、配線束を結束状態で車体の所定位置に取り付けた場合、当該車両部品に対する配線束の第一側ではその長さに余裕があるのに対し、その逆の第二側では長さに余裕が無く、予定されている配線束の第二側の配置領域に配線束の第二側が収まりきらない場合がある。逆に、配線束が第一側で余裕がありすぎて、予定されている配線束の第一側の配置領域に、その余長を吸収するスペースが無く、配線束の第一側が収まりきらない場合もある。このような課題を解決するために、結束部側と係合組付け部側とが配線束の第一側及び第二側にスライド移動できる機構を組み込みたいという要望がある。
特開2005−341776号公報
しかしながら、スライド機構を組み込んだ場合、結束部側と係合組付け部側とをそれぞれ別で成形した上で、それらを組み付ける作業が必要となるため、特許文献1のような従来部品よりも製造工数が多くなるという課題がある。また、スライド機構を設ける場合には、スライド部とそのスライド部をガイドするガイド部との間にガタつきが生じるといった課題も生じる。
本発明の課題は、結束保持した配線束の余長を吸収することを可能にするスライド機構組込み式部品の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明のスライド機構組込み式部品の製造方法は、
第一部材と第二部材とがスライドする形で互いに相対移動可能と設けられたスライド機構組込み式部品の製造方法であって、
複数の金型部が型締めされた1つの金型内に、前記第一部材を成形する第一部材成形空間と、前記第二部材を成形する第二部材成形空間とが、が互いに非連通に設けられ、それら第一部材成形空間及び第二部材成形空間に対しそれぞれ樹脂射出を行い、双方を冷却固化して型開きすることにより前記第一部材と前記第二部材とを同時に成形するとともに、
前記第一部材は、予め定められたスライド方向に直交する互いに異なる方向へと突出する3以上のスライド部を有し、
前記第二部材は、前記スライド方向に延出する対向壁部として形成されてその対向間に前記スライド部が挿通される3以上のガイド部を有し、
前記金型部は、前記ガイド部毎に設けられるスライド機構成形型部を含み、
前記スライド機構成形型部は、前記金型の内部に向けて突出する突出部を有し、当該突出部は、前記金型の型締め状態において前記対向壁部を成形する対向壁部成形空間の対向間に挿通されて、当該対向壁部の対向空間を成形し、かつ挿通された先の先端面に凹部を有して、当該凹部の内部で前記対向空間に挿通される前記スライド部を成形するものであり、
前記金型は、型締め状態において、各前記スライド機構成形型部の前記突出部が前記対向空間を挿通した先で他の前記金型部に当接することにより、当接したそれら突出部により隔てられ、かつそれら突出部の先端面の前記凹部内の空間と連通する前記第一部材成形空間が形成される一方、当該突出部の外側には、前記対向空間を含む前記第二部材成形空間が形成され、型開き時においては、それら各スライド機構成形型部をそれぞれの前記突出部の突出方向とは逆向きに型抜きされることにより、前記スライド部が前記ガイド部をなす前記対向壁部の対向間に挿通されたガイド状態にあり、なおかつそれらの挿通状態によって分離不能状態とされた前記第一部材と前記第二部材とを同時に成形することを特徴とする。
上記スライド機構組込み式部品は、第一部材のスライド部をスライド方向に直交する互いに異なる3方向以上に突出させた形状とし、第二部材のガイド部をそれら3方向以上のスライド部をそれぞれ挿通させる形状としている。これにより、第一部材と第二部材とは、スライドが可能なだけでなく、互いに離脱不能な状態となっている。また、上記のような金型形状とすることで、1つの金型を型開きするだけで、第一部材と第二部材とがスライド可能、かつ離脱不能な状態をなしたスライド機構組込み式部品を製造することができる。具体的にいえば、金型において、対向壁部をなすガイド部とその対向壁部間に挿通されるスライド部とを成形する突出部を有したスライド機構成形型部を設けるとともに、型開き時におけるそれらスライド機構成形型部の型抜け方向を、その突出部の突出方向とは逆向きとすることで、第一部材と第二部材とがスライド可能、かつ離脱不能な状態のスライド機構組込み式部品の製造を可能にしている。
上記金型内において、第一部材のガイド部の成形空間と、そのガイド部内に挿通状態で位置する第二部材のスライド部の成形空間とは、互いが非連通状態に形成されていなければ、成形されるガイド部とスライド部とが一体となってしまい、第一部材と第二部材との間でスライド移動ができなくなってしまう。このため、金型には、第一部材のガイド部と第二部材のスライド部との間を仕切るように位置する仕切壁部が必要となる。ところが、この仕切壁部は、薄くするとこの部分の金型強度が弱くなるという課題が生じるし、厚くすると成形後の第一部材のガイド部と第二部材のスライド部との間の隙間が広がり、ガタつきが大きくなるという課題が生じる。
こうした課題を解決するために、以下の構成を備えることができる。即ち、スライド部には、前記対向壁部に向かって突出形成されたガタ抑制用突出部を設けることができる。この場合、前記金型は、前記対向壁部の成形空間と、当該対向壁部の間の対向空間内に挿通される前記スライド部の成形空間との間に、これら双方の成形空間を非連通に隔てる仕切壁部を有しているが、この仕切壁部に、前記ガタ抑制用突出部を成形する突出部成形用凹部を設けるとともに、前記スライド方向において、当該突出部成形用凹部が位置する凹区間を薄肉部として形成し、残余区間を前記薄肉部よりも厚みのある厚肉部として形成することができる。この構成によれば、ガタ抑制用突出部を設けることで上記ガタつきを軽減する一方で、仕切壁部の薄くなる部分をこのガタ抑制用突出部の部分のみにすることで、一定以上の金型強度を確保することができる。なお、ガタ抑制用突出部は、スライド部において少なくとも上記スライド方向の両端部に設けられていれば、ガタつきを効果的に軽減することができる。
また、金型は、それらスライド機構成形型部のそれぞれの突出部が、第二部材の各ガイド部を成形する対向空間(即ち、ガイド部成形空間)の内側を挿通しており、その突出部と他の金型部との対向間に内部空間を形成している。この内部空間は、突出部の先端面に形成された凹部内の空間とも連通する空間であって、その連通空間全体が第一部材成形空間となる。一方、各スライド機構成形型部の突出部は、ガイド部を成形する対向空間の内側を通過した先で、他の金型部と当接する当接部を有する。当該当接部は、第一部材成形空間とガイド部成形空間とを非連通に仕切る上記の仕切壁部となっており、この仕切壁部に突出部成形用凹部を設けることができる。
本発明の第一実施例であるスライド機構組込み式部品の配線束結束状態を示した斜視図。 図1のスライド機構組込み式部品の正面図。 図1のスライド機構組込み式部品の左側面図。 図1のスライド機構組込み式部品の平面図。 図1のスライド機構組込み式部品の底面図。 図1のスライド機構組込み式部品の第一部材の斜視図。 図1のスライド機構組込み式部品の第一部材の正面図。 図1のスライド機構組込み式部品の第一部材の左側面図。 図1のスライド機構組込み式部品の第一部材の平面図。 図1のスライド機構組込み式部品の第一部材の底面図。 図1のスライド機構組込み式部品の第二部材の斜視図。 図2のA−A断面図。 図2のB−B断面図。 図2のC−C断面図。 図4のD−D断面図。 図4のE−E断面図。 図4のF−F断面図。 図4のG−G断面図。 図4のH−H断面図。 図4のI−I断面図。 図4のJ−J断面図。 図4のK−K断面図。 図1のスライド機構組込み式部品を成形する金型の分解斜視図。 図23の金型を、図12の断面図と同じA−A断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図13の断面図と同じB−B断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図14の断面図と同じC−C断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図15の断面図と同じD−D断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図16の断面図と同じE−E断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図17の断面図と同じF−F断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図18の断面図と同じG−G断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図19の断面図と同じH−H断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図20の断面図と同じI−I断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図21の断面図と同じJ−J断面で切断した金型断面図。 図23の金型を、図22の断面図と同じK−K断面で切断した金型断面図。 本発明の第二実施例であるスライド機構組込み式部品の配線束結束状態を示した斜視図。 図35のスライド機構組込み式部品の正面図。 図35のスライド機構組込み式部品の背面図。 図35のスライド機構組込み式部品の左側面図。 図35のスライド機構組込み式部品の平面図。 図35のスライド機構組込み式部品の底面図。 図35のスライド機構組込み式部品の第一部材の斜視図。 図35のスライド機構組込み式部品の第一部材の正面図。 図35のスライド機構組込み式部品の第一部材の左側面図。 図35のスライド機構組込み式部品の第一部材の平面図。 図35のスライド機構組込み式部品の第一部材の底面図。 図35のスライド機構組込み式部品の第二部材の斜視図。 図35のスライド機構組込み式部品の第二部材の底面図。 図36のP−P断面図。 図36のQ−Q断面図。 図36のR−R断面図。 図36のS−S断面図。 図38のT−T断面図。 図38のU−U断面図。 図38のV−V断面図。 図38のW−W断面図。 図38のX−X断面図。 図35のスライド機構組込み式部品を成形する金型の分解斜視図。 図57の金型を、図48の断面図と同じP−P断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図49の断面図と同じQ−Q断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図50の断面図と同じR−R断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図51の断面図と同じS−S断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図52の断面図と同じT−T断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図53の断面図と同じU−U断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図54の断面図と同じV−V断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図55の断面図と同じW−W断面で切断した金型断面図。 図57の金型を、図56の断面図と同じX−X断面で切断した金型断面図。
以下、本発明の第一実施例を説明する。
図1〜図6に示すスライド機構組込み式部品1は、第一部材2と第二部材3とを、互いが分離不能かつスライド可能とされたスライド機構組込み式の部品である。第一部材2は、スライド部21を有し、第二部材3は、第一部材2が予め定められたスライド方向2xにスライドする形で相対移動可能となるようそのスライド部21をガイドするガイド部31を有する。
スライド機構組込み式部品1は、図1に示すように、第二部材3の直下に配線束(即ち、ワイヤーハーネス)5を当接状態で配置し、その配線束5を、第二部材3に設けられた被結束部300と共に、該第二部材3とは別体をなす結束部(ここではテープ材等)4によって結束し、保持する。また、スライド機構組込み式部品1は、所定の機能を果たす機能部として係合組付け部200を有する。ここでの係合組付け部200は、第一部材2に設けられ、車体(図示なし)側に係合組み付けるための機能部である。よって、ここでのスライド機構組込み式部品1は、結束保持した配線束5を車体に対し組み付ける係合組付け部品であるといえる。
以下、図1のスライド機構組込み式部品1について詳細に説明する。
第一部材2は、図2〜図5に示すように、第二部材3に内包される中心部22と、中心部22からスライド方向2xに対し直交する互いに異なる方向へと突出する3以上のスライド部21と、係合組付け部200と、を備えた係合組付け部材である。
ここでのスライド部21は、図6〜図10に示すように、中心部22からスライド方向2xに対し直交する第一方向2z1に突出する第一スライド部21Aと、中心部22からスライド方向2xに直交する方向で、かつ第一方向2z1とは異なる方向である第二方向2y1に突出する第二スライド部21Bと、中心部22からスライド方向2xに直交する方向で、かつ第一方向2z1及び第二方向2y1とは異なる方向である第三方向2y2に突出する第三スライド部21Cと、中心部22からスライド方向2xに直交する方向で、かつ第一方向2z1と第二方向2y1と第三方向2y2とは異なる方向である第四方向2z2に突出する第四スライド部21Dを有する。
第二部材3は、図11に示すように、スライド方向2xに長く延出してその直交方向に貫通する対向壁部31I、31Iを有するガイド部31と、図1に示すように該第二部材3とは別体をなす結束部4によって下側に配置された配線束5と共に結束される被結束部300と、を備える。ガイド部31の対向壁部31I、31Iは、その対向空間内に挿通されたスライド部21を、スライド方向2xに往復スライド移動可能とする。
具体的にいえば、ガイド部31は、図2〜図5に示すように、スライド部21の突出方向に貫通する長孔31Hを有する環状部であり、対応するスライド部21がそれぞれ挿通される。長孔31Hは、スライド方向2xに長く形成されており、その内部を挿通するスライド部21をスライド方向2xに往復スライド移動可能にガイドするガイド孔である。
ここでのガイド部31は、第二部材3に対し第一方向2z1側で第一スライド部21Aを挿通させる第一ガイド部31Aと、第二方向2y1側で第二スライド部21Bを挿通させる第二ガイド部31Bと、第三方向2y2側で第三スライド部21Cを挿通させる第三ガイド部31Cと、第一方向2z1とは逆の第四方向2z2側で第四スライド部21Dを挿通させる第四ガイド部31Dを有する。
第二部材3には、図11に示すように、それらガイド部31A〜31Dに取り囲まれた内側空間30Sを有する。この内側空間30Sは、各ガイド部31A〜31Dの長孔(以下、ガイド孔という)31Hに対し連通する。この内側空間30Sは、第一部材2の中心部22を収容しており、各スライド部21のスライド方向2xへの移動に伴う当該中心部22の移動を許容する移動空間として機能する。
なお、ここでは第一方向2z1が上方向、第二方向2y1が上方向2z1及びスライド方向2xに直交する左方向、第三方向2y2が上方向2z1及びスライド方向2xに直交し、第二方向2y1とは逆方向となる右方向、第四方向2z2が第一方向とは逆方向となる下方向である。以下では、第一スライド部21Aを上側スライド部21A、第二スライド部21Bを左側スライド部21B、第三スライド部21Cを右側スライド部21C、第四スライド部21Dを下側スライド部21Dと称し、また、第一ガイド部31Aを上側ガイド部31A、第二ガイド部31Bを左側ガイド部31B、第三ガイド部31Cを右側ガイド部31C、第四ガイド部31を下側スライド部31Dと称することとする。なお、符号2zは上下方向、符号2yは左右方向、符号2xは第一部材のスライド方向である前後方向を示すものとする。
本実施例の第一部材2について具体的に説明する。
第一部材2は、図6及び図10に示すように、左右方向2yにおいて対向して位置し、上下方向2zに延出する対向壁部20B、20Cを有する。それら対向壁部20B、20Cは、そのスライド方向2xにおける長さがスライド可能区間2Xの長さ(後述するガイド孔31Hのスライド方向2xの長さ:図2参照)よりも短くなるよう、スライド方向2xに延出形成されている。
図6〜図10に示すように、中心部22は、対向壁部20B、20Cの上下方向2zにおける中間部である。上側スライド部21Aは、対向壁部20B、20Cの上端部である。下側スライド部21Dは、対向壁部20B、20Cの下端部である。左側スライド部21Bは、対向壁部20B、20Cのうちの左側壁部20Bの中間部(即ち、上記中心部22)から左方向2y1に突出する。右側スライド部21Cは、対向壁部20B、20Cのうちの右側壁部20Cの中間部(即ち、上記中心部22)から右方向2y2に突出する。なお、ここでの左側スライド部21B及び右側スライド部21Cは、それぞれスライド方向2xの両側に分断された形状をなす。
また、ここでの上側スライド部21Aは、図19及び図20に示すように、対向壁部20B、20Cの上端部に設けられた屈曲壁部21A1と連結部21A2とを有する。屈曲壁部21A1は、対向壁部20B、20Cの上側で上方に延出するとともにその先でそれら対向壁部20B、20Cの対向方向に接近するよう屈曲する壁部である。連結部21A2は、互いに対向方向に接近する屈曲壁部21A1の屈曲先端同士を連結する壁部である。ここでの連結部21A2は、図12に示すように、対向壁部20B、20Cにおけるスライド方向2xの中間と両端側に設けられている。
なお、対向壁部20B、20Cには、図18及び図19に示すように、互いに接近する方向に突出する補強用リブ20dが、上下方向2zに延出形成されている。ここでの補強用リブ20dは、スライド方向2xにおいて連結部21A2が形成される位置に形成され、連結部21A2からも下方向2z2に突出する形で形成されている。即ち、ここでの補強用リブ20dは、対向壁部20B、20Cと連結部21A2とからなるU字状壁部の内周側に形成されている。
また、上側スライド部21Aは、図6に示すように、上側ガイド部31Aを貫通した先の先端部に、車体側に組み付けられる係合組付け部200を有する。係合組付け部200は、車体側に設けられた取付穴(図示なし)に対し挿通され、その挿通方向とは逆向きに抜け止めされた状態に組み付けられる周知の部位である。
ここでの係合組付け部200は、対向壁部20B、20Cの上端部(即ち、上側スライド部21A)から上方に延出する軸部201と、軸部201の先端部(即ち、上端部)から、その基端側(即ち、下側)に向かうほど軸部201から離間するよう拡がる弾性係止片202を有する。具体的にいえば、軸部201は、図6に示すように、屈曲壁部21A1、21A1のスライド方向2xにおける中間部から上方に延出する。ここでの軸部201は、図19に示すように、対向間に空隙を挟む屈曲壁部21A1、21A1からそれぞれ上方に延出する対向軸部201a、201aと、それら対向軸部201a、201aの上端で互いを連結する軸上端連結部201bと、を有する。弾性係止片202は、軸上端連結部201bから延出する形状をなしており、図15に示すように、軸上端連結部201b側を起点としてその先端側が、互いに対向する対向軸部201a、201aの間の空隙に進入する形で窄む弾性変形が可能とされている。
係合組付け部200を車体側の取付穴に取り付けるには、まずは、弾性係止片202を軸部201に接近するよう窄めた弾性変形状態とし、その状態で車体側の取付穴に挿通していく。そして、挿通した先で弾性係止片202を弾性復帰させる。この弾性復帰により、窄んだ状態で取付穴の裏側に回り込んだ弾性係止片202は外に拡がり、取付穴周辺に対し裏側から当接する抜け止め状態となる。これにより、係合組付け部200は、取付穴に対し抜け止め状態で組み付けられる。
なお、係合組付け部200は、車体側に組み付けられる部位であればよく、他の形状であってもよい。
また、図15及び図18に示すように、対向軸部201a、201aのスライド方向2xにおける中間位置には、互いを連結する補強壁部201dが形成されている。この補強壁部201dは、上述した補強用リブ20d及び連結部21A2を含む一続きの壁部をなす。
本実施例の第二部材3について具体的に説明する。
第二部材3は、図11に示すように、第一部材2のスライド方向2xの第一側及びその逆の第二側にそれぞれ設けられた四角形状の平板をなす両端部311、312と、それら両端部311、312の四方の角部同士をそれぞれ連結するようスライド方向2xに延出する柱部313、314、315、316と、を有した枠体をなす。各ガイド部31は、それら柱部313、314、315、316のうち周方向において隣接する2つの柱部(即ち、対向壁部)を有しており、その対向間に、対応する第一部材2のスライド部21が挿通される。ここでの各ガイド部31は、それら柱部313、314、315、316のうち周方向において隣接する2つの柱部と、両端部311、312と、によって構成される四角形状の環状部である。
上側ガイド部31Aは、周方向において隣接する柱部313、314と、両端部311、312とにより形成される環状部である。上側スライド部21Aは、この上側ガイド部31Aのガイド孔31Hに挿通される挿通部であり、そのガイド孔31H内をスライド方向2xに移動可能である。
左側ガイド部31Bは、周方向において隣接する柱部314、315と、両端部311、312とにより形成される環状部である。左側スライド部21Aは、この左側ガイド部31Bのガイド孔31Hに挿通される挿通部であり、そのガイド孔31H内をスライド方向2xに移動可能である。
右側ガイド部31Cは、周方向において隣接する柱部316、313と、両端部311、312とにより形成される環状部である。右側スライド部21Cは、この右側ガイド部31Cのガイド孔31Hに挿通される挿通部であり、そのガイド孔31H内をスライド方向2xに移動可能である。
下側ガイド部31Dは、周方向において隣接する柱部315、316と、両端部311、312とにより形成される環状部である。下側スライド部21Dは、この下側ガイド部31Dのガイド孔31Hに挿通される挿通部であり、そのガイド孔31H内をスライド方向2xに移動可能である。
なお、各スライド部21は、それぞれが挿通されるガイド部31に対し、その上側と下側に隙間を介在させることができる。この場合、各スライド部21は、挿通されるガイド部31に対して非接触とされ、ガイド部31に対しスライドしない形でスライド方向2xに移動可能である。ただし、このような非接触の移動は意図的に行わなければ起こりえない移動であり、各スライド部21のガイド孔31H内の移動は、基本的には、ガイド部31に対し接する形での移動、即ちスライド移動となる。本発明におけるスライド移動には、ガイド部31A、31B、31C、31Dに接する形での移動だけでなく、ガイド部31A、31B、31C、31Dに対し、その上側と下側に隙間を介在させる非接触の移動も含まれるものとする。
第二部材3の被結束部300は、図1に示すように、結束部4をなすビニールテープ等のテープ材(即ち、結束部材)によって配線束5と共に巻きつけられるよう、両端部311、312からそれらの対向方向とは逆向きに突出形成された板状袖部である。ここでの両端部311、312の対向方向は、配線束5の長手方向と一致しており、さらにいえば第一部材2のスライド方向2xと一致している。被結束部300をなす板状袖部の先端部には、巻きつけられるテープ材4がスライド方向2xにずれて脱落することを防ぐためのリブ(即ち、テープ脱落防止リブ)301が設けられている。
配線束5は、1又は複数本の導線からなる導電性の芯線と、その芯線の外周を覆う絶縁性の被覆部とを備えた配線部材が束をなす、いわゆるワイヤーハーネスである。配線束5は、下側ガイド部31Dの下面に当接する形で配置される。つまり、下側ガイド部31Dが、配線当接部をなす。下側ガイド部31Dの下面は、図20〜図22に示すように、この被結束部300よりも下方に位置する。即ち、下側ガイド部31Dを構成する両端部311、312は、被結束部300よりも下方に延出し、同様に、下側ガイド部31Dを構成する柱部315、316も、その下面が被結束部300よりも下方に位置するように設けられている。これにより、被結束部300の先端側を下方に撓ませる弾性変形を伴う形で、被結束部300と配線束5とをテープ材4できつく結束することが可能になる。
また、下側ガイド部31Dには、図16及び図22に示すように、その配線束5に対し食い込む形で接するよう、下方に突出形成された下端突出部31dを有する。この食い込みにより、配線束5の位置ずれを防止することができる。また、下側ガイド部31Dは、図15及び図16に示すように、配線束5との当接面を、第一部材2よりも配線束5側に有する。これにより、第一部材2が配線束5に対して非接触の形でスライド可能となっている。
また、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cは、図13に示すように、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cに挿通されるが、挿通された先に、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cよりも外に出て外部に露出する目視用先端部21b、21cを有する。これら目視用先端部21b、21cは、スライド方向2xにおいて上記係合組付け部200と同じ位置となるように設けられる。これにより、係合組付け部200が車体側の取付部に対し組み付けられて見えない状態であっても、第二部材3に対し第一部材2の係合組付け部200がどの位置にあるのかを、ガイド孔31Hから外に出ている目視用先端部21b、21cの位置を見て把握できる。ここでの左側スライド部21B及び右側スライド部21Cは、スライド方向2xにおける中間部に空隙を設ける形で、スライド方向2xの第一側とその逆の第二側との双方に分断形成されており、目視用先端部21b、21cは、分断された左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの対向側に、上記空隙を挟む形で形成されている。これにより、スライド方向2xにおいてそれら目視用先端部21b、21b、21c、21cに挟まれた空隙の位置に、係合組付け部200が存在することがわかる。
なお、目視用先端部21b、21cは、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの双方に設けられているが、それらのうちの一方にのみ設けられてもよい。
ところで、スライド部21を有する第一部材2には、ガタ抑制用突出部23が設けられる。
ガタ抑制用突出部23は、図2、図4、図5に示すように、第一部材2の各スライド部21から、ガイド部31の対向壁部31Iをなす第二部材3の柱部313、314、315、316のうち対応するガイド部31を構成する柱部に向かって突出形成される。これにより、各スライド部21は、柱部313、314、315、316のうち自身が挿通されるガイド部31をなす柱部との間の隙間幅を減じている。スライド部21のガタつきは、この隙間が原因で生じるから、この隙間が小さくなることで、ガタつきを軽減できる。なお、ガタ抑制用突出部23は、少なくとも対応するスライド部21におけるスライド方向2xの両端部に設けられる。ここでのガタ抑制用突出部23は、対応するガイド部31A、31B、31C、31Dのガイド孔31Hの貫通方向に延出形成されたガタ抑制リブ23A、23B、23C、23Dである。各ガタ抑制用突出部23A、23B、23C、23Dは、リブ形状をなすことで、突出形成される各スライド部21を補強する役割も果たす。
なお、スライド機構組込み式部品1は、スライド方向2xにおいてその両側が対称となる形状を有し、また、左右方向2yにおいてその両側が対象となる形状を有する。このため、図2及び図7は、それぞれスライド機構組込み式部品1と第一部材2の左側面図を示しているが、反対側の右側面図においては同様に表れるため図示を省略している。例えば、右側スライド部21C及び右側ガイド部31Cは、図2及び図7に図示されている左側スライド部21B及び左側ガイド部31Bと同形状をなしており、その図示が省略されている。
ガタ抑制リブ23A、23Dは、図6〜図10に示すように、上側スライド部21A及び下側スライド部21Dに設けられる。具体的にいえば、ガタ抑制リブ23Aは、対向する対向壁部20B、20Cの上端部(即ち、上側スライド部)21Aにおける対向方向2yの外側となる面上に、上下方向2zに延出形成された直線状リブである。また、ガタ抑制リブ23Aは、対向壁部20B、20Cにおけるスライド方向2xの両端部に形成されている。同様に、ガタ抑制リブ23Dは、対向する対向壁部20B、20Cの下端部(即ち、下側スライド部)21Dにおける対向方向2yの外側となる面上に、上下方向2zに延出形成された直線状リブである。ガタ抑制リブ23Dも、対向壁部20B、20Cにおけるスライド方向2xの両端部に形成されている。
なお、ここでのガタ抑制リブ23Aは、図7及び図8に示すように、上下方向2zにおいて、対向壁部20B、20Cの中心部22側(即ち、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの突出基端側)に偏って形成され、上端側が非形成となっている。他方、ガタ抑制リブ23Dは、上下方向2zにおいて、中心部22側から下端まで形成されている。
ガタ抑制リブ23B、23Cは、図9及び図10に示すように、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cに設けられる。具体的にいえば、ガタ抑制リブ23B、23Cは、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの上面上及び下面上に、その左右方向2yに延出形成された直線状リブである。また、ガタ抑制リブ23B、23Cは、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cにおいて、スライド方向2xの両端部にそれぞれ形成されている。さらにいえば、ここでの左側スライド部21B及び右側スライド部21Cは、スライド方向2xにおける第一側と第二側に分断形成されており、ガタ抑制リブ23B、23Cは、分断された双方のスライド方向2xの両端部に設けられている。つまり、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cには、その上面と下面とにそれぞれ4つ、合計8つのガタ抑制リブ23B、23Cが設けられている。
なお、それら8つのガタ抑制リブ23B、23Cのうち、スライド方向2xにおける外側のリブ23B、23Cは、図8に示すように、対向壁部20B、20Cに形成されたガタ抑制リブ23A、23Dに対し接続しており、全体がL字状のリブをなす。他方、それら8つのガタ抑制リブ23B、23Cのうち、スライド方向2xにおける内側のリブ23B、23Cは、図9及び図10に示すように、対向壁部20B、20Cに対し接続する形で形成される一方で、対向壁部20B、20Cとは逆側に向かって突出する目視用先端部21b、21cにおいては非形成とされている。
次に、上記した第一部材2と第二部材3とが、分離不能でかつスライド可能とされたスライド機構組込み式部品1の製造方法について説明する。
スライド機構組込み式部品1は、第一部材2と第二部材3との2部品を有するが、それぞれが別の金型で成形されるのではなく、1つの金型100によって同時に成形される。
金型100は、図24〜図33に示すように、その内部に、スライド部21を有した第一部材2を成形する第一部材成形空間120と、第一部材2が予め定められた上記スライド方向2xにスライド可能となるようスライド部21をガイドするガイド部31を有した第二部材3を成形する第二部材成形空間130と、を互いが非連通となる形で有する。そして、それら第一部材成形空間120及び第二部材成形空間130に対しそれぞれ樹脂射出を行い、双方を冷却固化して型開きすることにより、スライド部21がガイド部31からガイドを受けるガイド状態にあり、なおかつそのガイド状態が保持される組み付け状態にある第一部材2と第二部材3とが成形される。
なお、ゲートについては、第一部材成形空間120及び第二部材成形空間130のそれぞれに適した位置に設ければよく、ここでは図示を省略している。
金型100は、図12に示す複数の金型部101が型締めされる形で構成される。それら複数の金型部101は、型締め状態において、スライド機構組込み式部品1におけるガイド部31のガイド孔31Hと、そのガイド孔31Hの内側に挿通された状態のスライド部21と、を成形する突出部101Tを有したスライド機構成形用の金型部(即ち、スライド機構成形型部)101を含む。成形後、各金型部101は、それぞれが挿通されていたガイド孔31Hへの挿通方向(別の言い方をすれば、突出部101Tの突出方向)とは逆向きに型抜きされる。
各金型部101は、図23に示すように、基端部101Rと、基端部101Rから自身の型抜き方向とは逆向きに突出する突出部101Tと、を有する。なお、基端部101Rは、型締め状態の金型部101において、第二部材3の各ガイド部31を成形する環状のガイド部成形空間130Gの内周側に進入しない部分である。
各突出部101Tは、金型100の内部に向かって突出するとともに、対応する環状のガイド部成形空間130Gの内周側に挿通され、その先で他の金型部101と対向し、その対向間に内部空間120Q(図25、図28、図30〜図33参照)を形成する。また、各突出部101Tは、その先端面101tに、型抜き方向に凹む凹部101Sを有する。内部空間120Qは、これら凹部101S内の空間120Pと連通している。これら凹部101S内の空間120Pは、第一部材2のスライド部21を成形するスライド部成形空間120Pである。内部空間120Qと、これらスライド部成形空間120Pとによって、第一部材成形空間120が形成されている。
また、各金型部101の突出部101Tは、対応する環状のガイド部成形空間130Gの内周側を通過した先で他の金型部101の突出部101Tと当接する当接部101P(図25、図27、図28、図30〜図34参照)を有する。各当接部101Pは、図24、図26、図29に示すように、環状をなすガイド部成形空間130Gと第一部材成形空間120とが非連通となるように仕切る仕切壁部をなす。仕切壁部をなすこれら当接部101Pにより、第一部材成形空間120と、各ガイド部成形空間130Gを含む第二部材成形空間130とが互いに非連通に形成されている。
以下、各金型部101の構造を詳細に説明する。
ここでの金型部101は4つ存在する。即ち、金型部101は、図23に示すように、上方向2z1に型抜きされる金型上部(第一金型部)101Aと、左方向2y1に型抜きされる金型左部(第二金型部)101Bと、右方向2y2に型抜きされる金型右部(第三金型部)101Cと、下方向2z2に型抜きされる金型下部(第四金型部)101Dと、を有する。
金型上部101Aは、図23に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから下方向2z2に突出し、環状をなす上側ガイド部31Aの成形空間130G(図24参照)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。金型上部101Aの突出部101Tは、その先端面101tから上方向2z1に凹む凹部101Sを有する。金型上部101Aの基端部101Rは、その突出部101Tの外周周りを取り囲む形で上方向2z1に凹む環状溝部101Vと、その環状溝部101Vの外周側を取り囲む外周壁部101Qと、外周壁部101Qにおける左右側の対向壁部において上方向2z1に凹む凹部101G、101Gと、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の対向面からそれぞれスライド方向2xの外向きに凹む凹部101E、101Eと、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の下面101qにおいて上方向2z1に凹み、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の対向面(具体的にいえば凹部101E、101Eの底面)からスライド方向2xの外向きに形成される凹部101F、101Fと、を有する。
金型下部101Dは、図23に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから上方向2z1に突出し、環状をなす下側ガイド部31Dの成形空間130G(図26参照)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。金型下部101Dの突出部101Tは、その先端面101tから下方向2z2に凹む凹部101Sを有する。金型下部101Dの基端部101Rは、その突出部101Tの外周周りを取り囲む形で下方向2z2に凹む環状溝部101Vと、その環状溝部101Vの外周側を取り囲む外周壁部101Qと、外周壁部101Qにおける左右側の対向壁部において下方向2z2に凹む凹部101G、101Gと、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の対向面からそれぞれスライド方向2xの外向きに凹む凹部101E、101Eと、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の上面101qにおいて下方向2z2に凹み、外周壁部101Qのスライド方向2xの両側の対向面(具体的にいえば凹部101E、101Eの底面)からスライド方向2xの外向きに形成される凹部101F、101Fと、を有する。また、金型下部101Dの突出部101Tは、凹部101Sを取り囲む環状壁部として形成されるとともに、その環状壁部のスライド方向2xの両側には、上方向2z1にさらに突出する両側壁部101TYを有する。また、金型下部101Dの凹部101Sは、環状に形成される。金型下部101Dは、その環状の凹部101Sの内周側に、上方向2z1に突出する中央壁部101TZを有する。
金型右部101Cは、図23に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから左方向2y1に突出し、環状をなす右側ガイド部31Cの成形空間130G(図29参照)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。金型右部101Cの突出部101Tは、その先端面101tから右方向2y2に凹む凹部101Sを有する。ここでの右側スライド部21Cは、スライド方向2xにおいて両側に分断された形状をなすため、上記凹部101Sは、スライド方向2xに2つ並んで形成される。金型右部101Cの基端部101Rは、金型右部101Cの突出部101Tの基端側で外向きに拡がる環状の段差面101rを有する。
金型左部101Bは、図23に示すように、金型右部101Cと同様の形状を有する。即ち、金型左部101Bは、基端部101Rと、その基端部101Rから右方向2y2に突出し、環状をなす左側ガイド部31Bの成形空間130G(図示は無いが図29の符号130Gと同様に現れる)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。金型左部101Bの突出部101Tは、その先端面101tから左方向2y1に凹む凹部101Sを有する。左側スライド部21Bも、スライド方向2xにおいて両側に分断された形状をなすため、上記凹部101Sはスライド方向2xに2つ並んで形成される。金型左部101Bの基端部101Rは、金型左部101Bの突出部101Tの基端側で外向きに拡がる環状の段差面101rを有する。
これら4つの金型部101が型締めされた金型100は、以下のような構造を有する。
金型100は、金型上部101Aと金型下部101Dとの双方の基端部101Rを、上下方向2zにおいて当接させている。具体的にいえば、金型上部101Aと金型下部101Dは、それら双方の外周壁部101Qのうちスライド方向2xにおける両側の壁部を、上下方向2zにおいて当接させている。また、金型上部101Aと金型下部101Dとは、それら双方の外周壁部101Qの左右側において、凹部101G、101Gを上下方向2zに対向させている。金型左部101Bと金型右部101Cとは、図30に示すように、上下方向2zに対向する凹部101G、101Gの対向間に、それぞれの基端部101Rを嵌合配置されている。
各金型部101A、101B、101C、101Dにより、金型100の内部には、第一部材2の成形空間120と、第二部材3の成形空間130と、が互いに非連通に形成されている。
第一部材2の成形空間(即ち、第一部材成形空間)120は、各金型部101A、101B、101C、101Dの突出部101T及び凹部101Sによって取り囲まれる空間である。具体的にいえば、第一部材成形空間120は、それら各突出部101Tと他の金型部101A、101B、101C、101Dとの対向間に形成される内部空間120Qと、それら突出部101Tの先端面101tから凹む凹部101Sの内部空間120Pと、が連通した空間である。
第二部材3の成形空間(即ち、第二部材成形空間)130は、各柱部313、314、315、316の成形空間133、134、135、136と、それらの両端部311、312の成形空間131、132と、被結束部300の成形空間130Kと、を有する。
第二部材3の柱部313、314の成形空間(即ち、柱部成形空間)について説明する。金型上部101Aにおいて、環状溝部101Vのうち左右方向2yの両側の直線状溝部101VXは、図24に示すように、スライド方向2xに延びる。この直線状溝部101VXは、図30〜図34に示すように、金型左部101Bと金型右部101Cとの双方の突出部101Tの上面(段差面101rを含む)に対し上下方向2zにおいて対向し、それらの対向間に、スライド方向2xに延びる柱状空間133、134を形成している。この柱状空間133、134が、対向壁部31Iをなす柱部313、314の成形空間(即ち、対向壁部成形空間)である。
なお、ここでの金型上部101Aの突出部101Tは、図24に示すように、その先端面101tの凹部101Sを取り囲む環状壁部をなす。その環状壁部をなす突出部101Tは、図30〜図34に示すように、その左右方向2yの両側に、壁部101TL、101TM、101TLからなる一続きの壁部101Pを有する。この壁部101Pは、金型上部101Aにおける凹部101Sと直線状溝部101VXとを隔てる仕切壁部である。これらの仕切壁部101P、101Pは、金型左部101Bと金型右部101Cとの双方の突出部101Tの上面に対し当接している。仕切壁部101Pの当接により、図31〜図33に示すように、柱状空間133、134は、内部空間120Qと、金型上部101Aの凹部101S内の空間120Pと、金型左部101B及び金型右部101Cの凹部101S内の空間120Pと、に対して非連通に隔てられている。
第二部材3の柱部315、316の成形空間(即ち、柱部成形空間)について説明する。金型下部101Dにおいて、環状溝部101Vのうち左右方向2yの両側の直線状溝部101VXは、図26に示すように、スライド方向2xに延びる。この直線状溝部101VXは、図30〜図34に示すように、金型左部101Bと金型右部101Cとの双方の突出部101Tの下面(段差面101rを含む)に対し上下方向2zにおいて対向し、それらの対向間に、柱状空間135、136を形成している。この柱状空間135、136が、対向壁部31Iをなす柱部315、316の成形空間(即ち、対向壁部成形空間)である。
なお、ここでの金型下部101Dの突出部101Tは、図26に示すように、その先端面101tの凹部101Sを取り囲む環状壁部をなす。その環状壁部をなす突出部101Tは、図30〜図34に示すように、その左右方向2yの両側に、壁部101TL、101TM、101TLからなる一続きの壁部101Pを有する。この壁部101Pは、金型左部101Bと金型右部101Cとの双方の突出部101Tの下面に対し当接している。これら仕切壁部101Pの当接により、図31〜図33に示すように、柱状空間135、136は、内部空間120Qと、金型下部101Dの凹部101S内の空間120Pと、金型左部101B及び金型右部101Cの凹部101S内の空間120Pと、に対して非連通に隔てられている。
第二部材3の両端部311、312の成形空間(即ち、両端部成形空間)131、132について説明する。金型上部101Aと金型下部101Dとにおいて、スライド方向2xの両側に位置する凹部101F、101Fは、図27〜図29に示すように、上下方向2zに続く一続きの凹部101FFとなる。一方で、金型100は、これら凹部101FFに対し、スライド方向2xにおいて対向する対向壁部101FTを有する。対向壁部101FTは、金型下部101Dの突出部101T(具体的には両側壁部101TY)と、金型上部101Aの突出部101Tとが、上下方向2zにおいて当接するとともに、それらに対しさらにその左右側に、図25に示すように、金型左部101Bの突出部101Tと、金型右部101Cとの突出部101Tとが当接することにより形成されている。これら凹部101FFと、対向壁部101FTとの対向間が、第二部材3の両端部311、312の成形空間131、132である。対向壁部101FTは、内部空間120Qと成形空間131、132とを非連通に隔てる仕切壁部101Pとなっている。
第二部材3の両端部311、312の成形空間131、132は、図29に示すように、金型上部101Aと金型下部101Dとの双方の環状溝部101V、101Vのうちスライド方向2xの両側で左右方向2yに延びるそれぞれの直線状溝部101VYに挟まれた空間ともいえる。両端部311、312の成形空間131、132は、上側の左右で柱状空間134、133と連通し(図24参照)、下側の左右で柱状空間135、136と連通する(図26参照)。
また、図27及び図28に示すように、金型上部101Aと金型下部101Dとにおいて、それら双方の凹部101Eの対向間には、第二部材3の被結束部300の成形空間(即ち、被結束部成形空間)130Kが形成されている。凹部101FFは、被結束部300の成形空間130Kに連通する開口を有する。
このように、各ガイド部31の成形空間130Gは以下のように形成されている。即ち、上側ガイド部31Aの成形空間130G(図24参照)は、成形空間131、132の上側と柱状空間133、134とによって環状に形成されている。下側ガイド部31Dの成形空間130G(図26参照)は、成形空間131、132の下端側空間と、柱状空間135、136とによって環状に形成されている。右側ガイド部31Cの成形空間130G(図29参照)は、成形空間131、132の上端側空間と、柱状空間133、136とによって環状に形成されている。左側ガイド部31Bの成形空間130G(図示は無いが図29と同様)は、成形空間131、132の左端側空間と、柱状空間134、135とによって環状に形成されている。
これに対し、各金型部101A、101B、101C、101Dの突出部101Tは、それらガイド部31A、31B、31C、31Dを形成する環状に成形空間130Gの内周側に挿通されて、それらガイド部31A、31B、31C、31Dのガイド孔31Hを成形する。さらに、各突出部101Tは、それらガイド部31A、31B、31C、31Dを形成する環状の成形空間130Gの内周側に挿通された先で、他の金型部101A、101B、101C、101Dと当接している。そして、当接した各金型部101A、101B、101C、101Dの内部には、それら突出部101Tによって取り囲まれる内部空間120Qが形成されている。
また、各金型部101A、101B、101C、101Dの突出部101Tは、凹部101Sを取り囲む環状壁部として形成されている。環状壁部をなす各突出部101Tが互いに当接することにより、内部空間120Qは、それら突出部101Tの凹部101S内の空間120Pと連通している。それらの連通空間120Q、120Pによって、第一部材成形空間120が形成されている。一方で、既に述べた各箇所の当接部101Pは、各突出部101Tの凹部101Sと連通する内部空間120Qと、各突出部101Tの外側の第二部材成形空間130とを非連通に隔てる仕切壁部として機能する。
なお、各金型部101A、101B、101C、101Dの凹部101S内の空間120Pが、第一部材2におけるスライド部21A、21B、21C、21Dの成形空間(即ち、スライド部成形空間)である。また、内部空間120Qは、第一部材2における対向壁部20B、20Cにおける中間部(即ち、上述の中心部22)の成形空間である。
また、金型上部101Aの凹部101Sは、図27及び図30〜図32に示すように、他の金型部101B、101C、101Dの凹部101Sよりも深く形成され、突出部101Tを越えた先の基端部101Rの内部にまで到達する凹部となっている。具体的にいえば、金型上部101Aの凹部101S内の空間120Pは、突出部101T内の空間(即ち、上側ガイド部31Aの成形空間130G)のさらに奥(即ち、上方向2z1)に続く空間120PK(図23参照)を有している。この空間120PKは、第一部材2における係合組付け部200の成形空間120Kを形成するための空間である。この空間120PKには、金型下部101Dの中央壁部101TZが挿通されている。この中央壁部101TZは、上側スライド部21Aの凹部101Sに対し、下側から上方向2z1へ向けて挿通され、その先でスライド部21Aの基端部101R内に形成される空間120PK内まで達している。そして、空間120PKの内壁面と、この中央壁部101TZとの対向間に、係合組付け部200の成形空間(即ち、係合組付け部成形空間)120Kを形成している。中央壁部101TZが存在することにより、係合組付け部200は、内部が空洞化される形で成形される。
なお、図23に示すように、金型下部101Dは、中央壁部101TZと、その両側の両側壁部101TYとの間に下方に凹む溝部101SYが形成されている。また、中央壁部101TZは、スライド方向2xに分断されており、それらの間にも下方に凹む溝部101SYが形成されている。これらの溝部101SYは、図25や図27に示すように、金型上部101Aの凹部101Sと上下方向2zにおいて対向し、その対向間に補強用リブ20d及び補強壁部201dの成形空間120dを形成している。
また、図25及び図31に示すように、金型左部101Bと金型右部101Cの凹部101Sは、ガイド部31B、31Cの成形空間130Gを越えた先で、基端部101Rの内部にまで到達する内部空間120Pを有する。金型左部101Bと金型右部101Cの凹部101S内において、基端部101Rの内部に形成された奥側空間120pは、第一部材2における目視用先端部21b、21cの成形空間である。
ところで、各金型部101A、101B、101C、101Dの突出部101Tは、各スライド部21A、21B、21C、21Dの成形空間120Pを取り囲む環状壁部であり、それら環状壁部は、ガイド部31A、31B、31C、31Dの成形空間130Gと、スライド部21A、21B、21C、21Dの成形空間120Pとの間を仕切る仕切壁部101Pをなす。そして、これら仕切壁部101Pには、ガタ抑制用突出部23A、23B、23C、23Dを成形する凹部(即ち、ガタ抑制用突出部成形用凹部)120Lが形成される。
左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの凹部101Sは、図29に示すように、その上側の内壁面において上方向2z1に凹み、かつ内部空間120Qに向かって左右方向2yに延出する溝部120Lを有する。また、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの凹部101Sは、図29に示すように、その下側の内壁面において下方向2z2に凹み、かつ図31及び図33に示すように、内部空間120Qに向かって左右方向2yに延出する溝部120Lを有する。これらの溝部120Lが、左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの上面及び下面のガタ抑制リブ23B、23Cを成形する凹部であり、内側空間120Qに接続している。
なお、ここでの左側スライド部21B及び右側スライド部21Cの凹部101Sは、図29に示すように、スライド方向2xにおいて2つ並んで形成されており、上記溝部120Lは、ここではそれら2つ並んだ凹部101Sの上側内壁面と下側内壁面におけるスライド方向2xの両端に、それぞれ上記溝部120Lが形成されている。
上側スライド部21A及び下側スライド部21Dの凹部101Sは、図24及び図26に示すように、その左側の内壁面において左方向2y1に凹み、かつ図33に示すように、内部空間120Qに向かって上下方向2zに延出する溝部120Lを有する。また、上側スライド部21A及び下側スライド部21Dの凹部101Sは、その右側の内壁面において右方向2y2に凹み、かつ内部空間120Qに向かって上下方向2zに延出する溝部120Lを有する。これらの溝部120Lは、上側スライド部21A及び下側スライド部21Dの左面及び右面のガタ抑制リブ23A、23Dを成形する凹部であり、内側空間120Qに接続している。
また、各スライド部21A、21B、21C、21Dの突出部101Tは、図24と図26と図29に示すように、スライド方向2xにおいて、溝部120Lが形成される凹区間を薄肉部101TLとし、残余区間をその薄肉部101TLよりも厚みのある厚肉部101TMとして有する。
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記第一実施例とは異なる別の実施例や変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と下記変形例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
上記した第一実施例のスライド機構組込み式部品1には、所定機能部として係合組付け部200が設けられているが、所定機能部は、第一部材2と第二部材3とのいずれに設けられていてもよい。また、所定機能部は、他の機能を有するものであってもよく、例えば係合組付け部200に代わる所定機能部として、所定の相手コネクタに対し接続可能なコネクタ部500を設けてもよい。これにより、スライド機構組込み式部品1はコネクタ部品となる。
上記した第一実施例では、結束部4がスライド機構組込み式部品1とは別体に設けられているが、スライド機構組込み式部品1と一体に設けられていてもよい。例えば、第一部材2及び第二部材3のうち被結束部が設けられる方が、ベルト部等の結束部を一体に有した構成とすることができる。
以下、コネクタ部500が設けられた第二実施例のスライド機構組込み式部品1について説明する。
図35〜図40に示すように、第二実施例のスライド機構組込み式部品1では、下側の第一部材2がスライド部21を有する。上側の第二部材3は、下側の第一部材2が予め定められたスライド方向2xにスライド可能となるようそのスライド部21をガイドするガイド部31を有する。第一部材2は、図35に示すように、その下端部に設けられた被結束部400の直下に配線束(即ち、ワイヤーハーネス)5が配置され、その配線束5は、その被結束部400と共に、該第一部材2とは別体をなす結束部(ここではテープ材等)4によって結束されて保持される。他方、第二部材3には、ガイド部31よりも上方に突出するコネクタ部500を有したコネクタ部材である。なお、第一部材2の被結束部400が配線束5と共に結束保持された状態においては、その第一部材2に対して第二部材3がスライド移動可能になる。
以下、図35のスライド機構組込み式部品1について詳細に説明する。
第一部材2は、図41〜図45に示すように、スライド方向2xに対し直交する左右方向2y1、2y2へと突出する左側スライド部(即ち、第二スライド部)21B及び右側スライド部(即ち、第三スライド部)21Cと、それらスライド部21を基端側で連結する中心部22と、を有する。また、第一部材2は、中心部22からスライド方向2xに対し直交する下方向2z2へと突出する下側スライド部(即ち、第一スライド部)21Dを有し、その下側スライド部21Dの下端側に被結束部400を有する。
具体的にいえば、第一部材2は、図43に示すように、上下方向に延出する中央壁部20Aを有する。中央壁部20Aは、スライド方向2xにおける長さがスライド可能区間2X(後述するガイド孔31Hのスライド方向2xの長さ:図37参照)の長さよりも短くなるよう、スライド方向2xに延出形成されている。
中央壁部20Aは、図43に示すように、上下方向2zにおける上端部に、中心部22及び左右側のスライド部21B、21Cと、を有する。ここでの中央壁部20Aは、上端部が左右方向2yにT字状に広がる上端部22を有する。左側スライド部21B及び右側スライド部21Cは、その上端部22のスライド方向2xの両端から、左方向2y1及び右方向2y2へと突出形成されている。また、中央壁部20Aは、上下方向2zにおける中間部に下側スライド部21Dを有し、上下方向2zにおける下端部に被結束部400を有する。ここでの下側ガイド部31Dは、図52及び図53に示すように、中央壁部20Aの中間部のうち、主にスライド方向2xの両端がスライド部として機能する部分であり、それら両端は、それらの間の区間よりも左右方向2yに太く形成されている。
被結束部400は、図35に示すように、結束部4をなすベルト部材4によって配線束5と共に巻きつけられるよう、ベルト部材4を挿通させる挿通孔400H(図36及び図37参照)を有する。ここでの被結束部400は、図41〜図45に示すように、中央壁部20Aの中間部(即ち、下側スライド部21D)のスライド方向2xの両端側からそれぞれ下方に延出し、互いがスライド方向2xにおいて対向する対向壁部400T、400Tを有する。それら対向壁部400T、400Tは、左右方向2yの両側で互いを連結する対向壁部400S、400Sと接続し、これら壁部400T、400S、400T、400Sによって上下方向2zに貫通する筒状壁部が形成されている。一方、連結壁部400S、400Sは、左右方向2yに貫通する貫通孔400H、400Hを有する。配線束5は、筒状壁部をなす壁部400T、400S、400T、400Sの環状の下端部400TD、400SD、400TD、400SDの下側に当接する形で配置される。つまり、下端部400TD、400SD、400TD、400SDは、被結束部400の下端部であり、配線当接部として機能する。ここでの下端部400TD、400SD、400TD、400SDは、図48〜図51に示すように、配線束5との当接面を、第二部材3よりも配線束5側に有する。このため、第二部材3が配線束5に対して非接触の形でスライド可能となっている。ベルト部材4は、連結壁部400S、400Sの貫通孔400H、400Hの双方に挿通され、連結壁部400S、400Sにおいて貫通孔400H、400Hの下側に位置する下端部400SD、400SDと共に、配線束5を結束して保持する。
第二部材3は、図46及び図47に示すように、スライド方向2xに長く延出してその直交方向に貫通する対向壁部31I、31Iを有するガイド部31と、所定の相手コネクタ(図示なし)に対し接続可能なコネクタ部500と、を備える。ガイド部31の対向壁部31I、31Iは、その対向空間内に挿通されたスライド部21を、スライド方向2xに往復スライド移動可能となるようガイドするガイド壁である。ここでのガイド部31は、左側スライド部21Bが挿通される環状の左側ガイド部31Bと、右側スライド部21Cが挿通される環状の右側ガイド部31Cと、下側スライド部21Dが挿通される対向壁をなす下側ガイド部31Dと、を有する。
左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cは、図54〜図56に示すように、上側と下側とでスライド方向2xに延出する対向壁部31I、31Iと、それらをスライド方向2xの両端で上下に連結する上下連結壁部31J、31Jと、を有した環状部をなす。それら対向壁部31I、31Iの対向間には、スライド方向2xに長い対向空間31Hをなす長孔が形成され、この長孔31Hに、対応するスライド部21B、21Cが挿通され、スライド方向2xへの往復移動が許容される。
他方、下側ガイド部31Dは、図52及び図53に示すように、左側と右側とでスライド方向2xに延出する対向壁部31I、31Iを有する。それら対向壁部31I、31Iの対向間には、スライド方向2xに長い対向空間31Hが形成され、この対向空間31Hに、下側スライド部21Dが挿通され、スライド方向2xへの往復移動が許容される。ここでの下側ガイド部31Dは、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cのそれぞれにおいて、下側に位置する対向壁部31I、31Iによって形成されている。
なお、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cでは、それぞれの上側の対向壁部31I、31Iが、図46及び図53に示すように、左右方向2yにおいて中間壁部31Xを挟んで連結した一続きの壁部(以下、上側対向壁部という)31IXをなす。この上側対向壁部31IXは、その上側にコネクタ部500が形成され、その下側にガイド部31B、31C、31Dを含むスライド機構が形成される。つまり、上側対向壁部31IXは、ガイド部31B、31C、31Dを含むスライド機構側と、所定機能部をなすコネクタ部500側とを分断する中間壁部である。
また、第二部材3は、図50に示すように、左右側及び下側のガイド部31B、31C、31Dに取り囲まれる内側空間30Sを有する。この内側空間30Sは、各ガイド部31B、31C、31Dの対向空間31Hに対し連通する空間である。この内側空間30Sは、第一部材2の中心部22を収容し、各スライド部21のスライド方向2xへの移動に伴う当該中心部22の移動を許容する移動空間である。
コネクタ部500は、所定形状を有した相手コネクタ(図示なし)に対し接続可能な形状を有する。ここでのコネクタ部500は、相手コネクタを左側から挿通させる挿通部501を有する。挿通部501は、図36及び図37に示すように、上述の上側対向壁部31IXと、上側対向壁部31IXのスライド方向2xの両側から上方向に立ち上がる側方壁部501X、501Xと、それら側方壁部501X、501Xを上側で連結する上側壁部501Zと、を有する。側方壁部501X、501Xは、図37に示すように、互いの対向面に、相手コネクタの左方向2y1への挿通をガイドするガイド溝501Vを有する。なお、側方壁部501X、501Xは、左方向2y1側で開口する形で内部が中空とされており、それら中空空間500Sがガイド溝501Vと連通している。上側壁部501Zは、図51に示すように、その下面から下方に延出し、延出した先で相手コネクタの挿通方向である左方向2y1に延出する弾性係止片501Yを有する。
弾性係止片501Yは、図51に示すように、その先端側(ここでは左端側)に下方向2z2に突出する係止爪部501yを有する。相手コネクタは、挿通部501に対し右側から左方向2y1に挿通されると、弾性係止片501Yの先端側(即ち、係止爪部501y側)を上方向2z1に押し上げる形で奥へと進入する。そして、所定位置に到達した際、係止爪部501yの直下には、当該係止爪部501yを収容する相手コネクタの収容凹部が位置するよう形成されており、このとき弾性係止片501Yは、係止爪部501yを当該収容凹部内へと収容する形で弾性復帰する。この弾性復帰により、係止爪部501yは当該収容凹部の内壁に係止され、これにより相手コネクタがコネクタ部500に対し抜け止め状態に組み付けられる。
ところで、スライド部21を有する第一部材2には、ガタ抑制用突出部23が設けられる。
ガタ抑制用突出部23は、図36〜図38に示すように、第一部材2の各スライド部21から、対応するガイド部31の対向壁部31Iに向かって突出形成される。これにより、各スライド部21は、図48〜図56に示すように、対応するガイド部31をなす対向壁部31Iとの間の隙間幅を減じている。なお、ここでのガタ抑制用突出部23は、少なくとも対応するスライド部21におけるスライド方向2xの両端部に設けられる。また、ここでのガタ抑制用突出部23は、ガイド部31B、31C、31Dをなす対向壁部31I、31I間に挿通される各スライド部21B、21C、21Dにおいて、その挿通方向に延出形成されたガタ抑制リブ23B、23C、23Dである。
ガタ抑制リブ23B、23Cは、図41に示すように、中央壁部20Aの上端部22のスライド方向2xの両端から左方向2y1及び右方向2y2へと突出形成された左側スライド部21B、21B及び右側スライド部21C、21Cから上下それぞれに突出し、それぞれが図48〜図50に示すように、左右方向2yへと延出する直線状リブである。
ガタ抑制リブ23Dは、図42及び図43に示すように、中央壁部20Aの中間部をなすスライド部21Dのスライド方向2xの両端部において左右それぞれに突出し、それぞれが図52及び図53に示すように、スライド方向2xに延出する直線状リブである。
次に、第二実施例のスライド機構組込み式部品1の製造方法について説明する。
なお、第二実施例のスライド機構組込み式部品1も、第一部材2と第二部材3との2部品がそれぞれ別の金型で成形されるのではなく、1つの金型100によって同時に成形される。
第二実施例における金型100は、図57に示す複数の金型部102が型締めされる形で構成される。即ち、金型部102は、左方向2y1に型抜きされる金型左部(第二金型部)102Bと、右方向2y2に型抜きされる金型右部(第三金型部)102Cと、を有するとともに、型締めされたそれら金型左部102Bと金型右部102Cとの内部に配置される5つの入れ子102E、102F、102BB、102CC、102Dを有する。金型左部102Bと金型右部102Cとが型開きされた後、成形されたスライド機構組込み式部品1に対して、第一の入れ子102BBは左方向2y1に型抜きされ、第二の入れ子102CCは右方向2y2に型抜きされ、第三の入れ子102Eはスライド方向2xの第一側(符号2x2の方向)に型抜きされ、第四の入れ子102Fはスライド方向2xの第一側とは逆の第二側(符号2x1の方向)に型抜きされ、第五の入れ子102D(第一金型部)は、下方向2z2に型抜きされる。
第一の入れ子102BB及び第二の入れ子102CCは、同様に形成される。第一の入れ子102BBは、図57に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから右方向2y2に突出し、環状をなす左側ガイド部31Bの成形空間130G(図58〜図60参照)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。また、第一の入れ子102BBは、その先端面101tから左方向2y1に凹む凹部101Sを有する。ここでの第一の入れ子102BBは、上面を形成する上側壁部のうちスライド方向2xの中間部が左方向2y1に突出する上側突出部101TUを有する。
第二の入れ子102CCは、図57に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから左方向2y1に突出し、環状をなす右側ガイド部31Cの成形空間130G(図58〜図60参照)の内周側に挿通される突出部101Tと、を有する。第二の入れ子102CCの突出部101Tは、その先端面101tから右方向2y2に凹む凹部101Sを有する。ここでの第二の入れ子102CCは、上面を形成する上側壁部のうちスライド方向2xの中間部が右方向2y2に突出する上側突出部101TUを有する。
第三の入れ子102E及び第四の入れ子102Fは、同様に形成される。第三の入れ子102Eは、図57に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rからスライド方向2xの第二側(矢印2x2が示す方向側)に突出し、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cが対向する対向空間に対しスライド方向2xの第一側(矢印2x1が示す方向側)から挿通される突出部101Tと、を有する。この突出部101Tは、その先端面101tからスライド方向2xの第一側に凹む凹部101Sを有する。ただし、図58及び図59に示すように、この突出部101Tは、その下端に凹部101Sの内部と外部とが連通するよう下方向2z2に開口する下端開口102HDを有する。さらにこの突出部101Tは、左右対向壁部の上端側に凹部101Sの内部と外部とが連通するようスライド方向2xの第二側端縁から第一側へと切り欠かれた切り欠き開口102HB、102HCを有する。また、この突出部101Tは、図58、図62、図63に示すように、凹部101Sの底面中央からスライド方向2xの第二側へと突出する中央凸部102HTを有する。
第四の入れ子102Fは、図57に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rからスライド方向2xの第二側(矢印2x2側)に突出し、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cが対向する対向空間に対しスライド方向2xの第二側から挿通される突出部101Tと、を有する。第四の入れ子102Fの突出部101Tは、第三の入れ子102Eの突出部101Tと同様、凹部101Sを有するとともに、下端開口102HDと、切り欠き開口102HB、102HCと、中央凸部102HTと、を有する。
第五の入れ子102Dは、図57に示すように、基端部101Rと、その基端部101Rから上方向2z1に突出して第一部材2の被結束部400を上方に貫通するとともに(図60及び図61参照)、その先で左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cが対向する対向空間に対し下方向2z2から挿通される突出部101Tと、を有する。第五の入れ子102Dの突出部101Tは、その先端面101tから下方向2z2に凹む凹部101Sを有する。
金型右部102Cは、図57に示すように、第一部材2及び第二部材3の成形空間120、130と、入れ子102E、102F、102BB、102Dの配置空間と、を形成するために、右方向2y2に凹む凹部101SSを有する。この凹部101SSは、その外周を取り囲む外周壁部101Qにより形成される。なお、この凹部101SSは、入れ子102E、102F、102BB、102Dのそれぞれの基端部101Rの右側を嵌合させる凹部101Gを含む。
金型左部102Bは、図57には現れないものの、金型右部102Cと同様に形成される。ただし、形状には多少の違いを有する。金型左部102Bは、第一部材2及び第二部材3の成形空間120、130と、入れ子102E、102F、102CC、102Dの配置空間とを形成するために、左方向2y1に凹む凹部101SSを有する。この凹部101SSは、入れ子102E、102F、102BB、102Dのそれぞれの基端部101Rの左側を嵌合させる凹部101Gを含む。この凹部101SSは、その外周を取り囲む外周壁部101Qにより形成される。
金型100は、金型部102B、102Cが型締めされ、その内部の所定位置に5つの入れ子102E、102F、102BB、102CC、102Dがそれぞれ所定位置に配置されている。以下、その型締め状態の金型100の内部構造について、図58〜図65を用いて説明する。
金型100は、図58〜図61に示すように、金型左部102Bと金型右部102Cとの双方の基端部101R(具体的にいえば双方の外周壁部101Q)を、左右方向2yにおいて当接させている。このとき、金型左部102Bと金型右部102Cとは、それら双方の凹部101SSが左右方向2yに対向しており、それら対向間に内部空間を形成している。その内部空間は、コネクタ部500の成形空間130Sが形成される上側空間150SKと、ガイド部31の成形空間130Gが形成される中央空間150GKと、被結束部400の成形空間120Sが形成される下側空間150TKとを、上下方向に連なる1つの連通空間として有する。
中央空間150GKには、入れ子102E、102F、102BB、102CCが配置される。具体的にいえば、中央空間150GKでは、金型左部102B及び金型右部102Cの凹部101Gのうち対応するもの同士が左右方向2yに対向し、その対向間に嵌合空間を形成している。入れ子102E、102F、102Dは、それら嵌合空間に嵌合配置される。他方、入れ子102BB、102CCは、それぞれ金型左部102Bと金型右部102Cとの一方に設けられた所定の凹部101Gに嵌合配置され、左右方向2yにおいて互いに対向して位置する。各入れ子102E、102F、102BB、102CCは、それぞれの突出部101Tが、自身とは異なる他の金型部102に対し対向し、その対向間に内部空間120Qを形成している。
他方、入れ子102BB、102CCは、図60及び図61に示すように、互いの突出部101Tの上側突出部101TUを左右方向2yにおいて当接させている。この当接状態の上側突出部101TUに対し、入れ子102E、102Fは、図65に示すように、互いの突出部101Tの上面を形成する上側壁部101TTを、スライド方向2xの両側から当接させている。さらに、入れ子102E、102Fは、図58及び図59に示すように、互いの突出部101Tの左右の面を形成する左右側の壁部(図中央の入れ子102Eに対し符号101TL、101TMによって示された壁部)を、入れ子102BB、102CCの突出部101Tの先端面101tに対しそれぞれ当接させている。
これにより、中央空間150GK内には、図64〜図66に示すように、入れ子102BB、102CC、102E、102Fの突出部101Tの上面側に、上側空間150SKと連通する中央上側空間130GAが形成される。この中央上側空間130GAは、上述した壁部31I、31X、31Iからなる上側対向壁部31IXの成形空間である。
また、中央空間150GK内には、図64及び図66に示すように、金型部102B、102Cのスライド方向2xにおける両側の内壁面と、入れ子102BB、102CCの突出部101Tのスライド方向2xにおける両外側の側面との間に、中央左側空間及び中央右側空間130GJ、130GJが形成される。ただし、図62に示すように、中央空間150GK内にはその左右方向2yの中央に入れ子102E、102Fが配置され、中央空間150GKを左右に分断しているため、中央左側空間及び中央右側空間130GJ、130GJは、左右方向2yにおいて分断された対向空間をなす。これら中央左側空間及び中央右側空間130GJ、130GJは、上述した上下連結壁部31J、31Jの成形空間である。
また、中央空間150GK内には、図64及び図66に示すように、その下側の内壁面と、入れ子102BB、102CCの突出部101Tの下面との間に、中央下側空間130GDが形成される。この中央下側空間130GDも、入れ子102E、102Fによって、左右方向2yに分断された対向空間をなす。具体的にいえば、入れ子102BB、102CCは、それらの突出部101Tの先端側下端に切欠き部101STを有し、他方、金型部102B、102Cも、それら切欠き部101STに対し上下方向2zにおいて対向する凹部102STを有する。中央下側空間130GDは、これら切欠き部101STと凹部102STとに挟まれた対向空間である。この中央下側空間130GDは、上述した壁部31I、31X、31Iからなる上側対向壁部31IXの下側で対向する対向壁部31I、31Iの成形空間である。
これら中央上側空間130GAと、中央左側空間及び中央右側空間130GJ、130GJと、中央下側空間130GDとは、図64及び図66に示すように、左右方向2yにおいて対向する環状の連通空間130G、130Gを形成している。それら環状の連通空間130G、130Gは、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cの成形空間(即ち、ガイド部成型空間)であり、中央空間150GK内において入れ子102BB、102CC、102E、102Fの突出部101Tの外側を取り囲む外側空間である。
一方、各入れ子102BB、102CC、102E、102Fの突出部101Tは、他の金型部102と対向しており、その対向間に内部空間120Qを形成している(図60〜図65参照)。具体的にいえば、入れ子102BB、102CCは、図58〜図60に示すように、左右方向2yにおいて互いに対向し、その対向間に内部空間120Qを有する。また、入れ子102E、102Fも、図62及び図63に示すように、スライド方向2xにおいて互いに対向し、その対向間に内部空間120Qを有する。ただし、これら4つの入れ子102BB、102CC、102E、102Fにより形成される内部空間120Qは、下側空間150TKと連通している(即ち、図58〜図61において金型部101Dが存在していない状態)。さらに、この状態の内部空間120Qは、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cの成形空間130G、130Gの下側(即ち、中央下側空間130GD、130GD)とも連通している。ところが、下側空間150TKに入れ子102Dが配置されることで、内部空間120Qからそれらの空間150TK、130GDへと直接続く連通口が塞がれる。
具体的にいえば、入れ子102Dの突出部101Tは、図60及び図61に示すように、下側空間150TKから中央空間150GKにつながる開口を塞ぐようにして上方向に挿通され、4つの入れ子102BB、102CC、102E、102Fにより形成される下側の開口に入り込む形で配置される。これにより、入れ子102Dは、内部空間120Qと下側空間150TKとを非連通に塞いでいる。一方で、入れ子102Dの突出部101Tは、左右方向2yにおいて対向する対向壁部101TD、101TD(図57参照)であり、その対向間に、スライド方向2xに延出する溝状の凹部101Sを有する。この対向壁部101TD、101TDが、内部空間120Qと、左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cの成形空間130G、130Gの下側(即ち、中央下側空間130GD、130GD)とを非連通に塞いでいる。
このように、各入れ子102BB、102CC、102E、102F、102Dは、それぞれの突出部101T(図中では101TU、101TT、101TD、101TD、101TL、101TMとして示されている場合もある)が対応するガイド部成形空間130Gを通過した先で他の金型部102と当接する当接部101Pを有している。内部空間120Qは、それら当接部101Pによって仕切られ、外側の左側ガイド部31B及び右側ガイド部31Cの成形空間130G、130Gに対し非連通に隔てられている。
また、各入れ子102BB、102CC、102E、102F、102Dは、それぞれの突出部101Tの先端面101tに、型抜き方向に凹む凹部101Sを有する。内部空間120Qは、これら凹部101S内の空間120Pと連通している。これら凹部101S内の空間120Pは、第一部材2のスライド部21を成形するスライド部成形空間120Pである。
ところが、入れ子102E、102Fは、図58、図59、図65に示すように、それぞれの凹部101Sを下方に連通させる下端開口102HDを有する。内部空間120Qは、この下端開口102HDを介して間接的に、下側空間150TKと連通している。正確にいえば、下側空間150TK内には入れ子102Dが配置されているため、内部空間120Qは、下側空間150TKのうち入れ子102Dを除いた残空間120Sと間接的に連通している。この残空間120Sは、被結束部400の成形空間(被結束部成形空間)である。これら空間120Q、120P、120Sにより、第一部材成形空間120が形成されている。
被結束部400の成形空間(被結束部成形空間)120Sは、上下方向2zに延出する入れ子102Dを取り囲む左右方向2yの両側とスライド方向2xの両側とで取り囲んだ筒状空間である。一方で、図61に示すように、金型左部102B及び金型右部102Cは、それぞれ左右方向2yにおいて突出して、入れ子102Dに当接する突出部102BT、102CTを有している。これら突出部102BT、102CTにより、ベルト部材4を挿通させる挿通孔400Hが成形される。
ところで、入れ子102BB、102CC、102E、102F、102Dの突出部101Tは、図64及び図66に示すように、スライド部21B、21C、21Dの成形空間120Pを取り囲む環状壁部であり、それらスライド部21B、21C、21Dが挿通されるガイド部31A、31B、31C、31Dの成形空間130Gと、それらスライド部21A、21B、21C、21Dの成形空間120Pとの間を仕切る仕切壁部101Pをなす。これら仕切壁部101Pには、ガタ抑制用突出部23B、23C、23Dを成形する凹部(即ち、ガタ抑制用突出部成形用凹部)120Lが形成される。
入れ子102BB、102CCの凹部101Sは、図64及び図66に示すように、その上側内壁面におけるスライド方向2xの両端にて上方向2z1に凹み、かつ図58に示すように、内部空間120Qに向かって左右方向2yに延出する溝部120Lを有する。当該溝部120Lは、スライド部21B、21Cの上面のガタ抑制リブ23B、23Cを成形する凹部であり、内側空間120Qに接続している。
また、入れ子102BB、102CCの凹部101Sは、図64及び図66に示すように、その下側内壁面におけるスライド方向2xの両端にて下方向2z2に凹み、かつ図58に示すように、内部空間120Qに向かって左右方向2yに延出する溝部120Lを有する。当該溝部120Lが、スライド部21B、21Cの下面のガタ抑制リブ23B、23Cを成形する凹部であり、内側空間120Qに接続している。
ここでの入れ子102BB、102CCの凹部101Sは、図64及び図66に示すように、スライド方向2xの中央で分断され、スライド方向2xの両側に形成されており、上記溝部120Lは、ここではそれら両側の凹部101Sの上側内壁面と下側内壁面におけるスライド方向2xの外側端部に形成されている。
入れ子102E、102Fの凹部101Sは、図58及び図59に示すように、左右両側で対向する内壁面に、それぞれ左右双方に凹み、かつ内部空間120Qに向かってスライド方向2xに延出する溝部120Lを有する。当該溝部120Lは、下側スライド部21Dの左右双方の面のガタ抑制リブ23D、23Dを成形する凹部であり、内側空間120Qに接続している。
スライド部21B、21Cの突出部101Tは、図64及び図66に示すように、スライド方向2xにおいて溝部120Lが形成される凹区間を薄肉部101TLとし、残余区間をその薄肉部101TLよりも厚みのある厚肉部101TMとして有する。
スライド部21Dの突出部101Tは、図58及び図59に示すように、上下方向2zにおいて溝部120Lが形成される凹区間を薄肉部101TLとし、その上下に位置する残余区間をその薄肉部101TLよりも厚みのある厚肉部101TMとして有する。
100 金型
101、102 金型部
101T 突出部
101t 突出部の先端面
101S 凹部
101P 仕切壁部(当接部)
101TL 薄肉部
101TM 厚肉部
120 第一部材成形空間
120L 突出部成形用凹部
130 第二部材成形空間
133、134、135、136 柱部成形空間(対向壁部成形空間)
2 第一部材
3 第二部材
200 係合組付け部
400 被結束部
400TD、400SD、400TD、400SD 被結束部の下端部(配線当接部)
500 コネクタ部
21 スライド部
21b、21c 目視用先端部
23 ガタ抑制用突出部
31 ガイド部
31D 下側ガイド部(配線当接部)
31I 対向壁部
5 配線束

Claims (7)

  1. 第一部材と、前記第一部材に対しスライド可能とされた第二部材と、を備えたスライド機構組込み式部品の製造方法であって、
    複数の金型部が型締めされた1つの金型内に、前記第一部材を成形する第一部材成形空間と、前記第二部材を成形する第二部材成形空間とが、が互いに非連通に設けられ、それら第一部材成形空間及び第二部材成形空間に対しそれぞれ樹脂射出を行い、双方を冷却固化して型開きすることにより前記第一部材と前記第二部材とを同時に成形するとともに、
    前記第一部材は、予め定められたスライド方向に直交する互いに異なる方向へと突出する3以上のスライド部を有し、
    前記第二部材は、前記スライド方向に延出する対向壁部として形成されてその対向間に前記スライド部が挿通される3以上のガイド部を有し、
    前記金型部は、前記ガイド部毎に設けられるスライド機構成形型部を含み、
    前記スライド機構成形型部は、前記金型の内部に向けて突出する突出部を有し、当該突出部は、前記金型の型締め状態において前記対向壁部を成形する対向壁部成形空間の対向間に挿通されて、当該対向壁部の対向空間を成形し、かつ挿通された先の先端面に凹部を有して、当該凹部の内部で前記対向空間に挿通される前記スライド部を成形するものであり、
    前記金型は、型締め状態において、各前記スライド機構成形型部の前記突出部が前記対向空間を挿通した先で他の前記金型部に当接することにより、当接したそれら突出部により隔てられ、かつそれら突出部の先端面の前記凹部内の空間と連通する前記第一部材成形空間が形成される一方、当該突出部の外側には、前記対向空間を含む前記第二部材成形空間が形成され、型開き時においては、それら各スライド機構成形型部をそれぞれの前記突出部の突出方向とは逆向きに型抜きされることにより、前記スライド部が前記ガイド部をなす前記対向壁部の対向間に挿通されたガイド状態にあり、なおかつそれらの挿通状態によって分離不能状態とされた前記第一部材と前記第二部材とを同時に成形することを特徴とするスライド機構組込み式部品の製造方法。
  2. 前記スライド部は、前記対向壁部に向かって突出形成されたガタ抑制用突出部を有し、
    前記金型は、前記対向壁部の成形空間と、当該対向壁部の間の対向空間内に挿通される前記スライド部の成形空間との間に、これら双方の成形空間を非連通に隔てる仕切壁部を有し、
    前記仕切壁部は、前記ガタ抑制用突出部を成形する突出部成形用凹部を有するとともに、前記スライド方向において、当該突出部成形用凹部が位置する凹区間が薄肉部として形成され、残余区間が前記薄肉部よりも厚みのある厚肉部として形成されている請求項1に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
  3. 前記仕切壁部は、少なくとも前記スライド方向の両端部に前記突出部成形用凹部を有する請求項2に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
  4. 前記第一部材及び前記第二部材のうちの一方は、車体側に組み付けられる係合組付け部が設けられた係合組付け部材である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
  5. 前記第一部材及び前記第二部材のうちの一方は、所定の相手コネクタに対し接続可能なコネクタ部が設けられたコネクタ部材である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
  6. 前記第一部材及び前記第二部材のうちの一方は、配線束が当接する形で配置される配線当接部を有し、当該配線当接部は、前記第一部材及び前記第二部材のうちの他方が前記配線束に対し非接触となるよう、前記第一部材及び前記第二部材のうちの他方よりも前記配線束側で、前記配線束と当接する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
  7. 前記スライド部は、挿通する前記ガイド部からさらに突出して外部に露出する目視用先端部を有する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のスライド機構組込み式部品の製造方法。
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