JP6130948B2 - ワイヤーハーネスの製造方法、ワイヤーハーネス、及び保持部品 - Google Patents

ワイヤーハーネスの製造方法、ワイヤーハーネス、及び保持部品 Download PDF

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Description

本発明は、配線束の保持部品と、その保持部品を有するワイヤーハーネスと、その製造方法に関する。
例えば車両においては、車体にワイヤーハーネス等の被取付物が敷設される。この場合、保持部品によってワイヤーハーネスをなす配線束を結束して保持させた上で、その保持部品を車体に組み付ける。そうした保持部品には、配線束をベルトで結束する、いわゆるベルトクランプ等がある(特許文献1参照)。
特開2005−341776号公報
しかしながら、特許文献1のベルトクランプの場合、ワイヤーハーネスをなす配線束にベルトを巻き付けて結束する手作業が必要となる。ベルトクランプではない他の保持部品においても、配線束を結束するための何がしかの手作業が必須となることに代わりはない。
本発明の課題は、ワイヤーハーネスとなる配線束を結束する作業を省略して製造できる従来に無い配線束の保持部品と、その保持部品を有するワイヤーハーネスと、そのワイヤーハーネスの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明のワイヤーハーネスの製造方法は、車体に取り付けるための係合部と、配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有したワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記配線束が貫通配置される貫通孔と、前記貫通孔の途中区間にて配置される前記配線束の外周を取り囲む環状の保持部成形空間と、前記保持部成形空間と連通し、かつ溶融樹脂の流入口を有する係合部成形空間と、を備えた金型を用い、
前記金型の前記貫通孔に前記配線束を貫通配置した状態で前記流入口から溶融樹脂を流入させ、その溶融樹脂を、前記係合部を形成する前記係合部成形空間から前記保持部を形成する前記保持部成形空間へと充填させていった後、冷却固化させることにより、前記係合部と一体をなす前記保持部が、凹凸のある前記配線束の外周面に密着した結束状態で成形され
前記係合部成形空間は、環状の前記保持部成形空間の外周側で連通して外向きに突出する空間であり、前記保持部成形空間との連通位置から最も遠い位置に前記流入口を有しており、
前記金型に、前記貫通孔に配置される配線束が環状の前記保持部成形空間の中心部を通過するよう保持する中心位置保持手段が設けられ、
前記中心位置保持手段として、前記貫通孔に貫通配置された前記配線束の外周面と接触するように位置し、成形される環状の保持部に対し内外方向に貫通する孔部を形成する孔形成部が設けられ、
前記孔形成部は、前記流入口と正対する前記金型の内壁面の部位から前記保持部成形空間の中心へ向けて突設されていることを特徴とする。
上記本発明によれば、保持部の成型と、配線束を結束する結束作業とを、同時に行うことができるため、従来の作業員の手による結束作業を省略することができ、作業効率を大幅に改善できる。また、上記本発明によれば、複雑な形状を有する係合部成形空間から樹脂充填が始まるため、係合部成形空間の先々まで確実に樹脂が行きわたる。また、配線束は、その外周面に凹凸が存在する。したがって、保持部成形空間内に充填される樹脂は、配線束の外周面の凹部から外部へと漏れ出す可能性がある。ところが、上記本発明によれば、樹脂の流入口が係合部成形空間にあることで、先に係合部成形空間に充填された後、保持部成形空間に樹脂が到達するようになる。保持部成形空間に到達した樹脂は、温度が低下して粘土が高まっており、さらには圧力も低下しているため、凹部をなす配線間の間隙から外部へと漏れ難く、漏れ防止の観点においても都合がよい。また、保持部成形空間に到達した樹脂の圧力の低下は、環状の保持部成形空間の中心に位置する配線束をその中心から押し出そうとする力の低下を意味するため、環状の保持部を確実に成形できるという観点においても都合がよい。
本発明の第一実施例に係るワイヤーハーネスの側面を示した図。 図1の正面図。 図1のワイヤーハーネスが車体側に組み付けられた状態の一例を示した図。 図1のワイヤーハーネスを製造する製造装置における金型の型開き状態を示した図。 図4の製造装置における金型の型締め状態を示した図。 図4の製造装置の電気的構成を簡略的に示したブロック図。 図4の製造装置において上側に位置する可動型の下面を示した斜視図。 図4の製造装置において下側に位置する固定型の上面と、その上に配置される第一及び第二のスライド抜き型とを示した斜視図。 図4の製造装置における固定型上に配線束を配置した状態を示した斜視図。 図4の製造装置において固定型の上面を示した図。 図4の製造装置において固定型の上面に配置される第一のスライド抜き型の第二のスライド抜き型との合わせ面を示した図。 図4の製造装置において固定型の上面に配置される第二のスライド抜き型の第一のスライド抜き型との合わせ面を示した図。 図5の型締め状態にある金型をC方向に切断した断面図を用いて、金型内への溶融樹脂の充填過程を示した図。 図5の型締め状態にある金型をD方向に切断した断面図を用いて、金型内に溶融樹脂が充填された状態を示した図。 本発明の第一変形例の第一例を、図14と同じ断面を用いて説明する図。 図15の金型により成形されたワイヤーハーネスの正面図。 図15の変形例の第二例を、図14と同じ断面を用いて説明する図。 図15の変形例の第三例を、図13と同じ断面を用いて説明する図。 本発明の第二変形例を、図13と同じ断面を用いて説明する図。 本発明の第三変形例を、図13と同じ断面を用いて説明する図。 図1のワイヤーハーネスの変形例を第一方向から見た斜視図。 図21のワイヤーハーネスを、図21の第一方向とは異なる第二方向から見た斜視図。 図21のワイヤーハーネスを製造する型締め状態の金型内に溶融樹脂が充填されていく過程を、図14と同じ断面を用いて示した図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例の保持部品10は、車体に取り付けるための係合部11と、複数の配線部材5からなる配線束50を保持する保持部12と、を一体に有した樹脂成型体として形成される。ワイヤーハーネス1は、その保持部品10と、その保持部品10の保持部12によって密着状態で保持された配線束50と、を有する。配線部材5は、1又は複数本の導線からなる導電性の芯線と、その芯線の外周を覆う絶縁性の被覆部とを備えた周知のものである。
係合部11は、図3に示すように、車体100側のハーネス取付部に設けられた所定の取付穴100Hに挿入され、その内部で係合することにより車体100側に組み付けられる部位である。係合部11は、軸部11Aと、弾性部11Bと、当接部11Cと、連結部11Dと、を有する。係合部11は、取付穴100Hに挿入された弾性部11Bと挿入されない当接部11Cとによって、車体100側において取付穴100Hを形成する穴周辺部101を挟む形で係合状態となり、車体100側に組み付けられる。弾性部11Bと当接部11Cとは、車体100側の取付穴100Hへの係合組み付けが可能な係合組み付け部として機能する。
弾性部11Bは、軸部11Aの前端(取付穴100Hへの挿入方向の先端)側に設けられる。具体的にいえば、弾性部11Bは、軸部11Aの前端側(保持部12とは逆側)から後端側(保持部12側)に向かうに従い外向きに広がるよう延出する形状をなし、その延出先端側が基端側を起点にして軸部11A側へと内向きに弾性変形可能とされている。車体100側への組み付け時において、弾性部11Bは、その弾性変形によって内向きにすぼんだ形で取付穴100Hの内部に挿入されるとともに、挿入後には弾性復帰して外向きに広がることにより、取付穴100Hからの抜けを防ぐ弾性係合部として機能する。
当接部11Cは、軸部11Aの後端側に設けられる。具体的にいえば、当接部11Cは、軸部11Aの後端側から先端側に向かって外向きに広がるよう延出しており、車体100側への組み付け時においては、取付穴100Hには挿入されず、その先端が取付穴100Hの周辺面に当接する。本実施例において、軸部11Aの後端部は、保持部12とつながる連結部11Dである。
保持部12は、図1及び図2に示すように、配線束50を結束状態で保持する部位であり、配線束50の外周面50Aに密着する形で、配線束50の外周を取り巻くよう環状に形成される。保持部12は、配線束50を取り巻く円筒状に形成される。保持部12の内周面12Aは、凹凸のある配線束50の外周面形状に応じた凹凸形状となる。即ち、本実施例においては、保持部12の内周面12Aが配線束50の外周面50Aの凹凸の隙間に入り込んだ形で密着した状態となっている。
ところで、保持部品10は、保持部12の成型と同時に、保持部12による配線束50の結束保持もなされる形で製造される。さらに保持部品10は、保持部12の成型と同時に、係合部11の成型もなされる形で製造される。即ち、本実施例においては、保持部12と係合部11とを一体に備えた保持部品10が、配線束50を結束保持した状態で成型される。
ここで、本実施例における保持部品10の製造方法について説明する。
まずは、保持部品10の製造に使用する成型機(製造装置)2について説明する。成型機2は、図4〜図6に示すように、内部に溶融樹脂を供給可能な成形空間200が形成された金型20(図4及び図5参照)と、その成形空間200(図13及び図14参照)内に溶融樹脂を供給する樹脂供給装置2A(樹脂供給手段:図4〜図6参照)と、その溶融樹脂の供給を制御する制御部2B(樹脂供給制御手段:図6参照)と、を備える。
樹脂供給装置2Aは、プランジャ方式を採用しており、図6に示すように、シリンダ2A0と、シリンダ2A0内に溶融樹脂となる樹脂材料が投入される材料投入口2A1と、シリンダ2A0内の溶融樹脂を加圧して押し出すプランジャ2A2と、プランジャ2A2を駆動する駆動機構2A3と、シリンダ2A0内の樹脂材料が溶融するよう発熱する熱可塑部(溶融部)2A4と、溶融樹脂を供給するための予め定められた樹脂供給操作を受け付ける操作部2A5と、を備える。駆動機構2A3は、駆動源をなすサーボモータと、その回転出力をプランジャ2A2の加圧動作(押し出し動作)に変換する機構とを有したものであり、シリンダ2A0内の計量された樹脂材料が、溶融状態でプランジャ2A2により押し出され、ノズル2A6から射出される。
制御部2Bは、周知のマイコンであり、樹脂供給装置2Aの操作部2A5に上記樹脂供給操作がなされた場合に、樹脂供給装置2Aの駆動機構2A3及び熱可塑部2A4を駆動して、シリンダ2A0内の計量された樹脂材料を溶融樹脂として成形空間200内に供給する(制御手段)。
次に、金型20について説明する。金型20は、図4及び図5に示すように、可動型20Xと固定型20Yと第一のスライド抜き型20Zと第二のスライド抜き型20Wとを有しており、それら双方がガイドピン29A,29Bをガイド穴28A,28Bに挿通する形で位置合わせされて型締めされることにより、内部に成形空間200(図13及び図14参照)を形成する。固定型20Yは、例えばテーブル等の所定構造物に対し位置ずれを生じない位置決め状態(例えば所定構造物に対し固定された状態)で配置される。他方、可動型20Xは、樹脂供給装置(樹脂供給手段)2Aを一体に有するとともに、手で把持する把持部(持ち手部ともいえる)2A9が設けられたハンディタイプの型とされている。
樹脂供給装置2Aは、溶融樹脂を外部に供給するための操作部2A5を有する。操作部2A5は、図6に示すように、制御部2Bと接続しており、制御部2Bは、その操作部2A5に対しユーザーによる予め定められた樹脂供給操作がなされた場合に、溶融樹脂の外部供給が実行されるよう樹脂供給装置2A(熱可塑部2A4及び駆動機構2A3)を駆動する。
操作部2A5は、可動型20Xにおいて把持部2A9を把持した使用者の手によって操作可能な位置に設けられている。具体的にいえば、ここでの操作部2A5は、図4及び図5に示すように、柱状の把持部2A9の頂上部に設けられたプッシュボタンである。即ち、本実施例の可動型20Xは、把持部2A9と、操作部2A5を含む樹脂供給装置(樹脂供給手段)2Aと、を有したハンドガンタイプの樹脂供給装置であるといえる。このため、溶融樹脂の樹脂供給操作を容易に行うことが可能である。ただし、操作部2A5は、把持部2A9を把持した手とは異なるもう一方の手で操作可能な位置に設けられることも可能であるし、可動型20Xとは別に設けることも可能である。
金型20は、型締め状態において保持部品10を成形する成形空間200(図13及び図14参照)を有する。なお、図13は図5の金型20をC方向に切断したときの一方の切断面を実線のハッチング領域で示しているが、破線のハッチング領域については切断面ではなく、第一のスライド抜き型20Zの第二のスライド抜き型20Wとの合わせ面20z(図11参照)を示している。なお、図13の切断面とは逆側の他方の切断面(即ち、第二のスライド抜き型20Wの第一のスライド抜き型20Zとの合わせ面20w(図12参照)が現れる側の金型20の断面)については、わずかな違いはあるものの図13と同様であるため、図示を省略する。
また、金型20は、図7〜図9に示すように、配線束50が貫通配置される貫通孔205(配線束配置孔ともいえる:図13参照)を形成する貫通孔形成用凹部25を有するとともに、貫通孔205の途中区間で、貫通配置された配線束50の外周を取り囲む保持部成形空間202(図13及び図14参照)を成形空間200として形成する保持部形成用凹部22を有する。さらに、金型20は、係合部11を保持部12と同時成型するために、保持部成形空間202に対しその外周側で連通し、保持部成形空間202から外向きに突出した係合部成形空間201(図13及び図14参照)を成形空間200として形成する係合部形成用凹部21を有する。各凹部21,22,25は、金型20の型締め状態において、対応する空間201,202,205(図13及び図14参照)を形成する。これにより、金型20内に、保持部成形空間202と係合部成形空間201とが連通する形の成形空間200が形成される。
固定型20Yは、図10に示すように、本体部20Y0の上面20yに凹部20y0が形成されており、その凹部20y0には別体の成型品造形部(入れ子)20Y1がはめ込まれている。成型品造形部20Y1には、貫通孔205の下側を形成する貫通孔形成用凹部25と、保持部成形空間202の下側を形成する保持部形成用凹部22と、挟み込み部27とが形成されている。
第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wは、図9に示すように、本体部20Z0,20W0に対し、互いの合わせ面(当接面:図11及び図12参照)20z,20wを有する成型品造形部20Z1,20W1が嵌合している。成型品造形部(いわゆる入れ子)20Z1,20W1には、貫通孔205の上側を形成する貫通孔形成用凹部25と、保持部成形空間の202の上側を形成する保持部形成用凹部22と、係合部成形空間201の下側を形成する係合部形成用凹部21とが形成されている。
可動型20Xは、図7に示すように、本体部20X0の下面20xに凹部20x0が形成されており、その凹部20x0には別体の成型品造形部(いわゆる入れ子)20X1がはめ込まれている。成型品造形部20X1には、係合部成形空間201の上側を形成する係合部形成用凹部21が形成されている。さらに、成型品造形部20X1には、固定型20Yの貫通孔形成用凹部25に配置され、挟み込み部27により挟まれて配置された配線束50を、型締め時の圧力で上側から押し付ける押し付け部26が形成されている。
成形空間200は、上記成型品造形部20X1,20Y1,20Z1,20W1によって形成される。
また、金型20は、図13及び図14に示すように、溶融樹脂を流入させる流入口(いわゆるゲート)20Gを係合部成形空間201に有する。さらにいえば、流入口20Gは、係合部成形空間201において、保持部成形空間202との境界となる連通部212(図14参照)から最も遠い位置に設けられている。より具体的にいえば、流入口20Gは、係合部成形空間201において、成型される係合部11の軸部11Aの先端(前端ともいえる)の位置に形成されている。
係合部成形空間201は、係合部11を成型するための空間であるが、保持部成形空間202よりも複雑な形状を有するため、その先々まで溶融樹脂が到達しないことが懸念される箇所である。このため、上記のように係合部成形空間201に流入口20Gを設けることにより、係合部成形空間201に溶融樹脂が真っ先に充填されるようになるため、溶融樹脂を係合部成形空間201の先々まで確実に充填することが可能になる。
一方で、金型20は、成形空間200(201,202)に孔形成部23を有する。孔形成部23は、保持部成形空間202において貫通孔205に貫通配置された配線束50の外周面50Aと接触するように位置し、成型される環状の保持部12に対し内外方向(径方向)に貫通する孔部12H(図2参照)を形成する。
孔形成部23は、図13及び図14に示すように、保持部成形空間202において係合部成形空間201(さらにいえば流入口20G)とは逆側に設けられる。孔形成部23は、係合部成形空間201の流入口20Gに対し真逆となる位置に設けられている。流入口20Gから溶融樹脂を流入させた場合、その溶融樹脂の圧力で配線束50が流入口20Gの逆側へと押される。孔形成部23が存在することで、配線束50がその孔形成部23に載置される形で環状の成形空間202のセンター位置(中心部)に保持されるから、環状の保持部成形空間202を確保することができ、保持部12を確実に環状に成型できる。即ち、本実施例では、孔形成部23が本発明の中心位置保持手段として機能する。
孔形成部23は、保持部成形空間202を形成する保持部形成用凹部22の内周壁面22A(言い換えると、保持部成形空間202の外周に位置する金型20の内周壁面22A:図14参照)のうち、流入口20Gとは逆側の内周壁面22Aから、環状の保持部成形空間202内に内向きに突出する突出部として設けられる。
一方で、保持部成形空間202は、自身の周方向における孔形成部23が位置する区間にて、貫通孔205(図13参照)の貫通方向205Xにおける孔形成部23の両端側に対をなす形で、上記周方向に延出する溝部24を有する。溝部24が存在することにより、保持部成形空間202は、孔形成部23の形成領域を避ける形で環状に続いた空間となっている。
なお、孔形成部23及び溝部24は、保持部成形空間202の流入口20G側にも形成されていてもよい。この場合、貫通孔205に貫通配置された配線束50は、上下双方の孔形成部23からの当接を受ける形で、貫通孔205内のセンター位置に保持される(中心位置保持手段)。
また、金型20は、図8及び図9に示すように、固定型20Yにおいて、貫通孔形成用凹部25(貫通孔205)に配置される配線束50を挟む挟み込み部27を有する。挟み込み部27は、貫通孔形成用凹部25に配置される配線束50の各配線部材5をバラバラにならないよう密着状態で仮配置させる仮配置部として機能するとともに、配置された配線束50が環状の保持部成形空間202の中心を通過するよう位置決めする位置決め部としても機能する。本実施例の挟み込み部27は、貫通孔205の貫通方向205Xにおいて保持部成形空間202の両端側に位置しており、それら双方の側で配線束50を挟んで位置決めする。挟み込み部27は、貫通孔205に配置される配線束50を挟むように、下側に位置する固定型20Yの上面20y(図10参照)から可動型20X側(上方)に向けて対向して突出する形で形成される。
保持部品10及びその保持部品10により配線束50が結束保持されたワイヤーハーネス1を製造する場合は、この金型20を用いて、まずは図9のように、貫通孔205となる貫通孔形成用凹部25に配線束50を貫通配置した固定型20Y上にスライド抜き型20W,20Zを配置し(図8参照)、さらに可動型20Xを配置する。そして、スライド抜き型20W,20Zにおいて上方内側から下方外側に向けて貫通形成された自身のガイド穴28B内に、可動型20Xにおいて同様に上方内側から下方外側に向けて延出するガイドピン29Bを挿通させていくことにより、可動型20Xを固定型20Yに接近させる。これにより、スライド抜き型20W,20Zが固定型20Y上をスライドする形で互いに接近していき、図5のように型締めされる。
次に、樹脂供給装置2Aにより、係合部成形空間201側から成形空間200(201,202)内に溶融樹脂を流入させる(図13参照)。そして、流入させた溶融樹脂を冷却固化させる。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出す。これにより、配線束50の外周面50Aに密着した状態の保持部12と係合部11とを有した保持部品10、さらにはその配線束50とその保持部品10とを有したワイヤーハーネス1が得られる。なお、金型20を開く際には、可動型20Xを固定型20Yから離間させていくことにより、スライド抜き型20W,20Zを、固定型20Y上でスライドさせる形で互いに離間させる。
このように、本実施例によれば、係合部11と保持部12の成型と、配線束50を結束する結束作業とを、同時に行うことができるため、従来の作業員の手による結束作業を省略することができ、作業効率を大幅に改善できる。
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記実施例とは異なる別の実施例や変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と下記例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
上記実施例において、保持部品10は、その保持部12が配線束50の外周面50Aに密着するものであればよく、配線束50の外周面50Aに対しその密着状態で一体に固定されていても、固定されていなくても、どちらであってもよい。
上記実施例の孔形成部23は突出部として形成されるが、突出部ではなく、保持部形成用凹部22の内周壁面22Aに対し着脱可能に嵌合配置される、保持部形成用凹部22とは別体の成型品造形部(いわゆる入れ子)であってもよい。この場合、内周壁面22Aに成型品造形部を嵌合配置するための凹部を形成しておくことで、成型品造形部を位置決めして配置できる。
また、孔形成部23を用いない方法として、貫通孔205に貫通配置された配線束50の延出方向205Xにおける保持部成形空間202の幅を、配線束50を構成する1本の配線部材5の円形断面の直径の2倍以下とする方法がある。これにより、配線部材5が折れ曲がっても、環状の保持部成形空間202の幅が狭くて入り込むことができないため、環状の成形空間202を確実に確保できる。また、環状の成形空間202の幅が狭いことで、成型される保持部12も幅の狭いものとなり、材料の削減に貢献する。
以下、本発明の変形例について説明する。
上記実施例の構成の場合、貫通孔205に配置された配線束50は、例えば溶融樹脂の流入時に受ける圧力が大きいと、環状の保持部成形空間202の中心位置から外に押し出されて、保持部成形空間202を形成する内周壁面22Aと当接した状態となる可能性がある。この場合、保持部成形空間202が確保されず、成型されるはずの環状の保持部12がその当接した箇所において途切れて、環状ではない形で成型されてしまう可能性がある。環状に成形されなかった保持部12では、配線束50を結束保持できなくなる恐れがある。
このため、本発明では、金型20に、貫通孔205に配置される配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう保持する中心位置保持手段を設けることができる。
本発明の第一変形例においては、中心位置保持手段として、図15に示すように、上記実施例において、少なくとも金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを複数方向から押し付ける第一の押付手段を備える構成を採用している。本変形例の第一の押付手段は、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを押し付ける押付部材20Pと、押付部材20Pをその配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう保持させる押付状態と押し付けない非押付状態との間で切り替える制御部(押付制御手段)2Bと、を設けた構成となっている。本変形例によれば、押付部材20Pによって、貫通孔205内に配置された配線束50を保持部成形空間202の中心部に確実に位置保持できるため、環状の保持部12を確実に成形できる。
押付部材20Pは、貫通孔205に配置された配線束50の外周周りに複数設けられ、それぞれが配線束50に向かって前進動作及び後退動作するよう設けることができる。押付部材20Pとしては、貫通孔205に配置された配線束50の直下位置からその中心方向に向けて上方に押し付けるものを有しており、制御部2Bは、押し付け力の発生源として押付部材駆動部2P(例えばモータ)を駆動し、押付部材20Pを上下方向において前進動作及び後退動作させることができる。
なお、押し付け力の発生源については、上記押付部材駆動部2P(例えばモータ等)のような電動駆動源に限らず、油圧、空圧、付勢部材(例えばスプリング等)を用いてもよい。付勢部材であれば、金型20の型締めに伴いすぐに押し付け力が作用する。
また、本変形例の押付部材20Pは、複数配置されている。即ち、本変形例の押付部材20Pは、貫通孔205に配置された配線束50の直下位置からその中心に向けて押し付けるものの他にも、当該配線束50を他の位置からその中心に向けて押し付けるものを有しており、それぞれが制御部2Bにより駆動制御される押付部材駆動部(例えばモータ)2Pによって動作して、当該配線束50を中心に保持することができる。
なお、本変形例では、押付部材20Pの先端が配線束50に当接した状態で樹脂成形が実施されるため、その先端は上記実施例における孔形成部23と同様に機能し、成形された保持部12には、その押付部材20Pにより内外方向に貫通する孔部12H(図16参照)が形成される。金型20の保持部成形空間202は、上記実施例と同様、貫通方向205Xにおける押付部材20Pの先端の両端側で周方向につながっており、環状の形状が確保されている。
また、第一変形例においては、中心位置保持手段(第一の押付手段)として、図15に示すように、配線束50の外周面50Aを複数方向から押し付ける押付部材20Pを設けた構成を採用しているが、配線束50の外周面50Aを、図17に示すように、保持部成形空間202と係合部成形空間201との連通部212とは逆側(ここでは下方)から押し付ける押付部材20Pが少なくとも存在していればよい。下方から押し付ける押付部材20Pが存在することにより、保持部成形空間202内に上方から進入してくる溶融樹脂の圧力に対し下側で対抗することができるため、配線束50の曲げを防ぎ、保持部成形空間202内の中心位置に保持できる。
また、第一変形例においては、中心位置保持手段(第一の押付手段)として、図15に示すように、配線束50の外周面50Aを、保持部成形空間202を貫通する入れ子の形で押し付ける押付部材20Pを設けた構成を採用しているが、配線束50の外周面50Aを、図18に示すように、保持部成形空間202を貫通しない形で押し付ける押付部材20Pを加えた構成としてもよい。また、第一変形例を、保持部成形空間202を貫通しない形で押し付ける押付部材20Pに変更した構成としてもよい。図18の場合は、保持部成形空間202を貫通する押付部材20Pと、配線束50の長手方向両側の押付部材20P,20Pとを有する。
また、本発明の第二変形例では、中心位置保持手段として、図19に示すように、上記実施例において、金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50を、その長さ方向(言い換えると、貫通孔205の貫通方向)205Xに両端側から引っ張る引張手段を備える構成を採用している。第二変形例の引張手段は、配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう引っ張る引張部材20Qと、その配線束50を引張部材20Qにより引っ張って直線状に保持させた引張状態と、引っ張らない非引張状態との間で切り替える制御部(引張制御手段)2Bと、を備えた構成としている。本変形例の場合も、引張部材20Qによって、貫通孔205内に配置された配線束50が保持部成形空間202の中心部に位置保持されるため、途切れの無い環状の保持部12を確実に成形することができる。
引張部材20Qは、例えば保持部形成用凹部22の両側に挟み込み部27A,27Aを備える。挟み込み部27A,27Aは、配線束50を挟圧保持する挟圧部として機能する。制御部2Bは、駆動源として例えばモータを有した駆動機構2Qを駆動して、挟み込み部27A,27Aにより配線束50が挟圧される形で保持されるようにし、その挟圧した状態で互いが離間するよう動作させることができる。なお、各駆動機構2Qは、図示しない駆動源の駆動力(ここでは回転出力)を、同じく図示しない周知のギア機構を介して挟み込み部27A,27Aに伝達し、これを挟み込み部27A,27Aの挟圧力及び離間動作力に変換する。
なお、挟み込み部27A,27Aを離間させる引っ張り力の発生源については、上記モータのような電動駆動源に限らず、油圧、空圧等を用いてもよい。
また、本発明においては、第一のスライド抜き型(第一の対向型)20Zと第二のスライド抜き型(第二の対向型)20Wとの型締め時に、配線束50が、噛み込まれることを防ぐ噛み込み防止手段を備える構成とすることができる。既に述べた実施例において、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wは、金型20の型締め時に、配線束50を挟むよう第一側とその逆の第二側から互いが接近し、その配線束50の周辺にて当接する形で型締めされる。ところが、この当接時に、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wが、配線束50を噛み込んでしまうという課題がある。噛み込み防止手段が存在することにより、この時の噛み込みを防止することができる。
図18に示す本発明の第一変形例では、噛み込み防止手段として、配線束50の外周面50Aのうちそれら第一及び第二の対向型20Z,20Wの当接位置側から押し付ける第二の押付手段を備える構成が採用されている。この第二の押付手段は、配線束50の外周面50Aのうちそれら第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wの当接位置側から押し付ける押付部材26Sを設けた構成となっている。本変形例によれば、押付部材26Sによって、貫通孔205内に配置された配線束50を、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wの当接位置に近づかないように押し付けるから、配線束50が噛み込まれる心配がない。
押付部材26Sは、上記実施例において可動型20Xから下方に突出する押し付け部26(図7参照)に相当するものであるが、本実施例の押付部材26Sは、可動型20Xの下方に開口する押付部材収容部20S内に下方に突出した状態で収容された、可動型20Xとは別の部材である。押付部材26Sの、配線束50を押し付ける先端面とは逆の後方側には、付勢部材(ここではスプリング)2Sが配置される。金型20の型締め時に可動型20Xが固定型20Yに接近する際、押付部材26Sは配線束50の外周面50Aに対し上方から当接するとともに、当該接近が進むに従い付勢部材2Sの付勢力に抗する形で押付部材収容部20S内へと押し込まれる。型締めが完了すると、押付部材26Sは、付勢部材2Sの付勢力により、そのセンター面が配線束50の外周面50Aを押し付けた状態に保持される。
なお、押し付け力の発生源については、付勢部材2S(スプリング)に限らずともよく、電動、油圧、空圧等を用いてもよい。
また、噛み込み防止手段としての押付部材26Sによる配線束50の押し付けは、少なくとも金型20の型締め時に実行されればよい。ただし、図18においては、押し付け力の発生源が付勢手段2S(ここではスプリング)であるため、金型20が開かれるまで継続する。したがって、金型20の型締め完了後の溶融樹脂の流入の時においても、貫通孔205に配置されている配線束50を下方に押し付けている。
また、本発明の別の変形例として、貫通孔205における保持部成形空間202を挟んだ両端側に、該貫通孔205に貫通配置された配線束50の長手方向205Xへの溶融樹脂の漏れを抑制ないし防止する樹脂漏れ抑制手段を、金型20に設けた構成がある。
この第三変形例では、樹脂漏れ抑制手段として、図20に示すように、金型20が型締めされた後、溶融樹脂が成形空間200内に供給される時に、貫通孔205(貫通孔形成用凹部25)における保持部成形空間202(保持部形成用凹部22)を挟んだ両端側を冷却させる冷却手段を設けた構成を採用している。配線部材5の束である配線束50は、その外周面50Aが長手方向に複数の溝を有した形状となるため、保持部成形空間202に回り込んだ溶融樹脂は、その溝を介して、配線束50の長手方向(貫通方向205X)に向かって広がり、保持部成形空間202の外へと漏れてしまう可能性がある。本変形例によれば、保持部成形空間202の外へと漏れてしまう溶融樹脂を、漏れ出す前に冷却固化することができる。さらにいえば、保持部成形空間202の外へと漏れ出す部分から冷却固化されていくため、その冷却固化された部分が壁となって後続の溶融樹脂が漏れなくなる。
この場合、冷却手段としては、例えば金型内に配置されて冷却部として機能する冷却用の入れ子を用いることができる。この入れ子を冷やすことにより、溶融樹脂の漏れを防止することができる。具体的に言えば、保持部形成用凹部22の両側で、貫通孔205に配置された配線束50をその外周側で挟み込む挟み込み部27B,27Bを冷却用の入れ子とし、その内部に冷媒通路を形成し、その冷媒通路20R内に冷却水等の冷媒20rを通過させる形で実施できる。この場合、挟み込み部27B,27Bを、ベリリウム銅等の熱伝導率の良い材料の入れ子とすることで、冷却効果を増すことができる。また、制御部2Bによって、冷媒通路20R内への冷媒20rの供給が制御されるようにしてもよい。なお、熱伝導率の良い材料とは、ここでは熱伝導率がステンレス鋼以上の材料のことであり、さらにいえば熱伝導率が25.5W/m・℃を満たす材料であるとよい。
また、本発明においては、樹脂漏れ抑制手段として、保持部成形空間202の貫通方向205Xにおける両側に隣接する形で、配線束50を環状に取り囲むゴム等の弾性部材を配置した構成を採用することができる。この弾性部材が、貫通孔205に貫通配置された配線束50の外周面50Aを取り囲んで押し付けるように配置されれば、凹凸を有する配線束50の外周面50Aに対し弾力性のある弾性部材が隙間を埋める形で密着するから、保持部成形空間202に充填される溶融樹脂の横漏れ(即ち貫通方向205Xへの漏れ)を防ぎ、横漏れした樹脂による余肉部の形成を抑制できる。
また、本発明においては、樹脂漏れ抑制手段として、少なくとも金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを、保持部成形空間202と係合部成形空間201との連通部212とは逆側から押し付ける第三の押付手段を備える構成を採用することができる。樹脂漏れの横漏れ(貫通方向205Xへの漏れ)の原因の一つには、溶融樹脂の圧力により配線束50の上側が下方に押されて、上側に隙間ができ、その隙間から横漏れする状況が考えられる。このため、貫通孔205に配置された配線束50を、保持部成形空間202と係合部成形空間201との連通部212とは逆側から、その連通部212に向かって押し付ければ、そうした隙間の発生を防ぐことができ、樹脂漏れの横漏れを防止できる。
なお、この第三の押付手段は、図15や図17、図18に示す既に述べた第一の押付手段とすることができる。即ち、押付部材20Pによって、配線束50の外周面50Aを、下方から上方に押し付ける構成を、樹脂漏れ抑制手段としても利用することができる。
なお、既に述べた図18の変形例において、第二の押付手段を構成する押付部材26Sは、貫通孔205の下側をなす固定型20Yの貫通孔形成用凹部25に配置された配線束50を、型締めされた第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wを挟む両側にて、上方から下方に押し付けている。この押付部材26Sは、型締め完了後の溶融樹脂の流入の時においても、配線束50を下方に押し付けているから、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wから配線束50の長手方向205Xに溶融樹脂が漏れ出したとしても、この押付部材26Sがさらに外への流出を防ぐことができる。つまり、上記第二の押付手段をなす押付部材26Sも樹脂漏れ抑制手段として機能する。
また、本発明の第四変形例では、ワイヤーハーネス1及び保持部品10において係合部11を保持部12からより離れた位置に設けることができるよう、連結部11Dが、図21及び図22に示すように、環状をなす保持部12からその接線方向外側へと延出する延出部として形成されている。図21の場合、係合部11の連結部11Dが、環状をなす保持部12の外周側からその接線方向へと延出する一方、係合部11の軸部11Aは、連結部11Dの延出先でその延出方向と配線束50の長手方向(言い換えると、貫通方向205X)との双方に直交する方向に延びる軸線を有し、かつ保持部12から離れる向きへと延出する。このような連結部11Dを設けることで、係合部11は、保持部12から直接外向きに突出するよう設けるだけでなく、弾性部11Bや当接部11Cといった車体100側への係合組み付けを可能にする係合組み付け部を保持部12から離れた位置に設けることができる。これにより、ワイヤーハーネス1及び保持部品10を、保持部12から離れた位置で車体100の所定の取付穴100Hに組み付けることが可能になる。
図21及び図22のような連結部11Dを有するワイヤーハーネス1及び保持部品10は、図23のような金型20を用いて製造することができる。
図23の金型20は、可動型20Xと固定型20Yと第一のスライド抜き型20Zと第二のスライド抜き型20Wとを有しており、それらが位置合わせされて型締めされることにより、内部に成形空間200を形成する。既に述べた他の実施例との違いは、成形空間200の一部である係合部成形空間201に、上記のように係合部11における軸部11Aと弾性部11Bと当接部11Cとを保持部12から離れたところに位置させる連結部11Dが成形される連結部成形空間201Dが含まれている点である。溶融樹脂を流入させる流入口(いわゆるゲート)20Gの位置については、既に述べた実施例と同様である。保持部成形空間202が孔形成部23や溝部24を有する点等についても、既に述べた実施例と同様である。この金型20によれば、流入口(ゲート)20Gから成形空間内に進入する溶融樹脂は、まずは係合部成形空間201内に進入し、その後、連結部成形空間201Dを通って保持部成形空間202へと進入して行く。そして、溶融樹脂の冷却固化後、型割りすることにより、図21及び図22のようなワイヤーハーネス1及び保持部品10を得ることができる。保持部品10の保持部12は、他の実施例と同様、内外方向に貫通する孔部12Hを有する。
1 ワイヤーハーネス
10 保持部品
11 係合部
12 保持部
2 成型機
2A 供給装置(樹脂供給手段)
2B 制御部
20 金型
20X 可動型
20Y 固定型
20W,20Z スライド抜き型
20G 流入口(ゲート)
200 成形空間
201 係合部成形空間
202 保持部成形空間
205 貫通孔
205X 貫通方向
21 係合部形成用凹部
22 保持部形成用凹部
23 孔形成部
5 配線部材
50 配線束
50A 配線束の外周面

Claims (9)

  1. 車体に取り付けるための係合部と、配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有したワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記配線束が貫通配置される貫通孔と、前記貫通孔の途中区間にて配置される前記配線束の外周を取り囲む環状の保持部成形空間と、前記保持部成形空間と連通し、かつ溶融樹脂の流入口を有する係合部成形空間と、を備えた金型を用い、
    前記金型の前記貫通孔に前記配線束を貫通配置した状態で前記流入口から溶融樹脂を流入させ、その溶融樹脂を、前記係合部を形成する前記係合部成形空間から前記保持部を形成する前記保持部成形空間へと充填させていった後、冷却固化させることにより、前記係合部と一体をなす前記保持部が、凹凸のある前記配線束の外周面に密着した結束状態で成形され
    前記係合部成形空間は、環状の前記保持部成形空間の外周側で連通して外向きに突出する空間であり、前記保持部成形空間との連通位置から最も遠い位置に前記流入口を有しており、
    前記金型に、前記貫通孔に配置される配線束が環状の前記保持部成形空間の中心部を通過するよう保持する中心位置保持手段が設けられ、
    前記中心位置保持手段として、前記貫通孔に貫通配置された前記配線束の外周面と接触するように位置し、成形される環状の保持部に対し内外方向に貫通する孔部を形成する孔形成部が設けられ、
    前記孔形成部は、前記流入口と正対する前記金型の内壁面の部位から前記保持部成形空間の中心へ向けて突設されていることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
  2. 車体に取り付けるための係合部と、配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有したワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記配線束が貫通配置される貫通孔と、前記貫通孔の途中区間にて配置される前記配線束の外周を取り囲む環状の保持部成形空間と、前記保持部成形空間と連通し、かつ溶融樹脂の流入口を有する係合部成形空間と、を備えた金型を用い、
    前記金型の前記貫通孔に前記配線束を貫通配置した状態で前記流入口から溶融樹脂を流入させ、その溶融樹脂を、前記係合部を形成する前記係合部成形空間から前記保持部を形成する前記保持部成形空間へと充填させていった後、冷却固化させることにより、前記係合部と一体をなす前記保持部が、凹凸のある前記配線束の外周面に密着した結束状態で成形され、
    前記金型に、前記貫通孔に配置される配線束が環状の前記保持部成形空間の中心部を通過するよう保持する中心位置保持手段が設けられ、
    前記中心位置保持手段として、前記金型が型締めされた後で、かつ前記溶融樹脂が流入する前に、前記貫通孔に配置された前記配線束の外周面を、前記保持部成形空間と前記係合部成形空間との連通部とは逆側から押し付ける押付手段を備えることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
  3. 車体に取り付けるための係合部と、配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有したワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記配線束が貫通配置される貫通孔と、前記貫通孔の途中区間にて配置される前記配線束の外周を取り囲む環状の保持部成形空間と、前記保持部成形空間と連通し、かつ溶融樹脂の流入口を有する係合部成形空間と、を備えた金型を用い、
    前記金型の前記貫通孔に前記配線束を貫通配置した状態で前記流入口から溶融樹脂を流入させ、その溶融樹脂を、前記係合部を形成する前記係合部成形空間から前記保持部を形成する前記保持部成形空間へと充填させていった後、冷却固化させることにより、前記係合部と一体をなす前記保持部が、凹凸のある前記配線束の外周面に密着した結束状態で成形され、
    前記金型は、前記金型の型締め時に、前記配線束を挟むよう第一側とその逆の第二側から、その配線束周辺にて互いが接近して当接する形で型締めされる第一及び第二の対向型を備え、
    それら第一及び第二の対向型の型締め時に、前記配線束が噛み込まれることを防ぐ噛み込み防止手段を備えることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
  4. 車体に取り付けるための係合部と、配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有したワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記配線束が貫通配置される貫通孔と、前記貫通孔の途中区間にて配置される前記配線束の外周を取り囲む環状の保持部成形空間と、前記保持部成形空間と連通し、かつ溶融樹脂の流入口を有する係合部成形空間と、を備えた金型を用い、
    前記金型の前記貫通孔に前記配線束を貫通配置した状態で前記流入口から溶融樹脂を流入させ、その溶融樹脂を、前記係合部を形成する前記係合部成形空間から前記保持部を形成する前記保持部成形空間へと充填させていった後、冷却固化させることにより、前記係合部と一体をなす前記保持部が、凹凸のある前記配線束の外周面に密着した結束状態で成形され、
    前記金型は、前記貫通孔における前記保持部成形空間を挟んだ両端側に、該貫通孔に貫通配置された前記配線束の長手方向への前記溶融樹脂の漏れを抑制ないし防止する樹脂漏れ抑制手段を有し、
    前記樹脂漏れ抑制手段は、前記溶融樹脂の流入時に、前記貫通孔に配置された前記配線束の外周面を、前記保持部成形空間と前記係合部成形空間との連通部とは逆側から押し付ける押付手段を備えることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
  5. 前記係合部成形空間は、環状の前記保持部成形空間の外周側で連通して外向きに突出する空間であり、前記保持部成形空間との連通位置から最も遠い位置に前記流入口を有する請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
  6. 前記噛み込み防止手段は、前記配線束の外周面のうち前記第一及び第二の対向型の当接位置側から押し付けるものである請求項3に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
  7. 前記樹脂漏れ抑制手段として、前記貫通孔における前記保持部成形空間を挟んだ両端側を冷却させる冷却手段を備える請求項4に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
  8. 車体に取り付けるための係合部と、複数の配線部材からなる配線束を保持するための保持部と、を有した保持部品であって、
    前記保持部は、前記配線束を取り囲む環状で、かつ凹凸ある前記配線束の外周面に密着して前記複数の配線部材を結束状態で保持可能な筒形状をなすとともに、その周方向において前記係合部の境界位置との正反対側に内外を貫通する孔部を有することを特徴とする保持部品。
  9. 車体に取り付けるための係合部と、複数の配線部材からなる配線束と、前記配線束を保持する保持部と、を有した保持部品を備え、
    前記保持部は、前記配線束を取り囲む環状で、かつ凹凸ある前記配線束の外周面に密着して前記複数の配線部材を結束状態で保持している筒形状をなすとともに、その周方向において前記係合部の境界位置との正反対側に内外を貫通する孔部を有することを特徴とするワイヤーハーネス。
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