以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面を相互に参照する場合がある。複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付しており、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
図1は撮像装置1000の平面ブロック図である。撮像装置1000は、画素回路が配された画素回路領域1と、周辺回路が配された周辺回路領域2と、を備える。周辺回路領域2は画素回路領域1の周辺に設けられている。本実施形態では、周辺回路領域2は画素回路領域1から離れており、画素回路領域1と周辺回路領域2との間には、中間領域3が位置している。図1において、画素回路領域1は一点鎖線で囲まれた領域、周辺回路領域2は二点鎖線と実線の間の領域、中間領域3は一点鎖線と二点鎖線との間の領域である。中間領域3は、画素回路領域1の縁よりも周辺回路領域2側に位置し、その一端が画素回路領域1の縁と境界(図1の一点鎖線に対応)を成す。また、中間領域3は、周辺回路領域2の縁(内縁)よりも画素回路領域1側に位置し、その他端が周辺回路領域2と境界(図1の二点鎖線に対応)を成す。これら境界を示す一点鎖線と二点鎖線はほかの図にも記載している。画素回路領域1の縁は、画素回路領域1の画素回路を構成する半導体素子の活性領域の縁を含み、周辺回路領域2の縁は、周辺回路領域2の周辺回路を構成する半導体素子の活性領域の縁を含む。中間領域3の一端は、画素回路領域1の画素回路を構成する半導体素子の活性領域に隣接する、素子分離領域の縁を含む。中間領域3の他端は、周辺回路領域2の周辺回路を構成する半導体素子の活性領域に隣接する、素子分離領域の縁を含む。中間領域3の範囲については、後で詳細に説明する。
画素回路領域1に配された画素回路は、光電変換部と、電気信号を生成する信号生成部を有する。光電変換部は画素毎に設けられている。画素回路の信号生成部は、転送ゲートやフローティングノード、増幅トランジスタ、リセットトランジスタなどを含む。信号生成部は複数の画素で共有されていてもよい。画素回路領域1には複数の画素回路が行列状に配列されている。また、画素回路領域1には、複数の画素回路の信号生成部を、列毎あるいは行毎に接続する配線(グローバル配線)が設けられている。図1には、グローバル配線として、行方向に延びる行配線4と列方向に延びる列配線5とを示している。行方向とは、同じ行に属する画素が並ぶ方向であり、複数の列が並ぶ方向である。列方向とは、同じ列に属する画素が並ぶ方向であり、複数の行が並ぶ方向である。図1では行方向をX方向として、列方向をY方向としている。
画素回路領域1は受光画素領域101を少なくとも含む。受光画素領域101には受光画素1010が配列される。受光画素1010は、受光可能な光電変換部と、当該光電変換部の電荷に基づく信号を生成する信号生成部とを有する。受光画素1010の信号生成部で生成された信号は画像を形成する。画素回路領域1は受光画素領域101に加えて、第1基準画素領域102および第2基準画素領域103の少なくとも一方を含みうる。第1基準画素領域102には第1基準画素1020が配列される。第1基準画素1020は、遮光された光電変換部と、当該光電変換部の電荷に基づく信号生成する信号生成部とを有する。第1基準画素1020は遮光画素やオプティカルブラック(OB)画素、黒基準画素などと呼ばれる。第2基準画素領域103には第2基準画素1030が配列される。第2基準画素1030は、光電変換部を有さず、信号生成部を有する。第1基準画素1020あるいは第2基準画素1030の信号生成部で生成された信号は、受光画素1010で得られた信号のノイズ除去などのための参照信号として用いられる。受光画素1010は直接的に画像を形成する画素であるのに対し、基準画素1020、1030から出力された信号は間接的に画像を形成する画素である。受光画素領域101を有効画素回路領域と称し、受光画素1010を有効画素と称することができる。第1基準画素領域102および第2基準画素領域103を非有効画素回路領域と総称し、第1基準画素1020および第2基準画素1030を非有効画素と総称することができる。
周辺回路領域2に配された周辺回路は、画素回路からの信号を処理するための信号処理回路201や、画素回路を駆動するための駆動回路(垂直駆動回路)202、信号処理回路を駆動するための駆動回路(水平駆動回路)203、出力回路204を含む。信号処理回路201は、定電流源などを含む読み出し回路や、CDS回路、ADC回路、増幅回路などを含みうる。周辺回路として、ADC回路により生成されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理回路を設けることもできる。
中間領域3には、例えば、画素回路と周辺回路を接続する配線が設けられる。また、中間領域3には、例えば、画素回路および周辺回路のいずれの構成要素でもないダミー部材が設けられる。また、中間領域3には、例えば画素回路に基準電位を付与するための導電体部材(コンタクトプラグ)が設けられる。
上述したように、第1基準画素1020や第2基準画素1030は画素回路領域1に含まれるのであって、中間領域3には、受光画素1010、第1基準画素1020および第2基準画素1030は存在しない。後述するように、中間領域3には、画素回路領域1に配された画素である有効画素または非有効画素と類似の構造物を設けることが好ましい。しかしその類似の構造物は画素を成すものではなく、直接的または間接的に画像を形成するための信号を出力しない。また、その類似の構造物が実際に能動素子として動作可能であったとしても、その能動素子は、直接的または間接的に画像を形成するための信号を出力しない。言い換えれば、中間領域3には、直接的または間接的に画像を形成するための信号を出力する能動素子は設けられていない。
図1において、中間領域3は、第1基準画素領域102と垂直駆動回路202との間の左部領域301と、第1基準画素領域102と信号処理回路201との間の下部領域302とを含む。また中間領域3は、受光画素領域101に対して垂直駆動回路202とは反対側の右部領域303と、第2基準画素領域103と垂直駆動回路202との間の上部領域304とを含む。このように、中間領域3は、左部領域301と下部領域302と右部領域303と上部領域304とで画素回路領域1の四方を囲んだ形状を有している。このように、好ましい中間領域3の形状は四角形(ロの字型)であるが、中間領域3がU字型(コの字型)やL字型の領域、あるいは複数か単数のI字型の領域であってもよい。
撮像装置1000は、半導体層や絶縁体層、導電体層などを含む複数の層により形成された積層体である。これらの層は、画素回路領域1、周辺回路領域2および中間領域3に設けられている。本実施形態は、これらの層の内の或る層(以下、特定層ともいう)に着目して、その層のレイアウトを検討したものである。撮像装置1000を構成する層や特定層の具体例については、後述する。
中間領域3は、画素回路領域1と周辺回路領域2との比較における、特定層の粗密(密度)の違いを調整するための領域に用いることができる。具体的には、画素回路領域1に配置された特定層を、中間領域3にも配置することで、中間領域3における特定層の密度を画素回路領域1に配置された特定層の密度に近づける。以下、画素回路領域1、周辺回路領域2および中間領域3の内の或る領域を特定領域と呼ぶ。
ここで、特定層の粗密、すなわち密度は、特定層の「占有率」で定義することができる。特定領域における特定層の占有率は、特定領域における特定層の占有面積を、上記特定領域の面積で割った値の百分率である。つまり、ここでいう占有率は面積占有率である。特定領域の面積は、光電変換部の受光面を構成する半導体層の表面に平行であり、特定層と同じ高さに位置する仮想平面内で、特定領域が占める面積であり、特定領域の総面積である。特定層の占有面積は、上記特定領域内で、特定層が存在する面積である。特定層の占有面積は、半導体層への特定層の正射影の面積に対応する。上記特定領域の面積は、特定層の占有面積と、特定層と同じ高さに位置するそれ以外の層(非特定層)の占有面積との和である。なお、非特定層は1層とは限らず複数種類の層であってもよい。
特定層の占有面積を求めるには、例えば次のような手法を採用することができる。
まず、特定層が位置する仮想平面に正方格子座標を適用し、各座標に対応する区画における特定層の有無を二値化して割り当てる。正方格子座標のピッチは、例えば特定層のパターンの最小幅の半分程度とすればよい。二値化の手法としては、閾値法を用いて、例えば区画の面積の半分以上の範囲に特定層が位置していれば、特定層が存在し、そうでなければ特定層が存在しない、と判断すればよい。二値化の手法としては、誤差拡散法やオーダードディザ法などを用いることもできる。
図2(a)に示した例は、画素回路領域1において、特定層が位置する仮想平面を10×10の100個の区画に分けて、各区画における特定層の有無を二値化した結果である。図2(a)の例の特定層は、各々が蛇行した3本の連続線からなるパターンであり、黒塗りのマスで示されている。白抜きのマスは非特定層が存在していることを意味している。同様に図2(b1)、(b2)に示した例は、それぞれが中間領域3において、特定層が位置する仮想平面を10×10の100個の区画に分けて、各区画における特定層の有無を二値化した結果である。特定領域の全体をこのような区画に分けて二値化することで特定領域における特定層の占有率を算出することができる。なお、図2(b1)は例えば中間領域3の下部領域302の一部での特定層のパターンであり、図2(b2)は中間領域3の別の部分、例えば中間領域3の上部領域の一部での特定層のパターンである。
画素回路領域1における特定層の占有率は図2(a)から理解されるように53%であり、中間領域3における特定層の占有率は図2(b1)、(b2)で示されるパターンから理解されるように52%である。従って、中間領域3における特定層の占有率は、画素回路領域1における特定層の占有率の0.98倍である。
中間領域3における特定層の占有率は、画素回路領域1における特定層の占有率の0.5倍以上1.5倍以下であることが好ましい。この時、中間領域3における特定層の密度は、画素回路領域1における特定層の密度に類似しているということができる。これにより特定層の上層あるいは特定層と同じ高さに位置する非特定層の画素回路領域1における平坦性を、撮像装置1000に要求される高い光学的特性を満足するレベルに高めることができる。中間領域3における占有率が、画素回路領域1における占有率の0.5倍を下回るか1.5倍を超える特定層は、その密度が、画素回路領域1と中間領域3とで類似していないことを意味する。画素回路領域1と中間領域3とで密度が類似しない特定層の存在は、非特定層の平坦性を著しく低下させ、撮像装置1000の光学的特性が低下する要因となる。
また、中間領域3における特定層の占有率は、画素回路領域1における特定層の占有率の0.7倍以上1.3倍以下であることが好ましい。この時、中間領域3における特定層の密度は、画素回路領域1における特定層の密度に近似しているということができる。また、中間領域3における特定層の占有率は、画素回路領域1における特定層の占有率の0.9倍以上1.1倍以下であることが好ましい。この時、中間領域3における特定層の密度は、画素回路領域1における特定層の密度に酷似しているということができる。中間領域3における特定層の占有率が、画素回路領域1における特定層の占有率の1.0倍であると、中間領域3における特定層の密度は、画素回路領域1における特定層の密度に一致しているということができる。
上述したように、中間領域3における特定層の占有率を画素回路領域1における特定層の占有率の0.5倍以上1.5倍以下とする上では、特定層の平面レイアウトは任意の形状(パターン)を採用することができる。しかしながら、特定層は、それぞれ画素回路領域1と中間領域3とで類似の平面レイアウトを有することが好ましい。これにより特定層の上層あるいは特定層と同じ高さに位置する非特定層の、画素回路領域1における平坦性を向上することができる。各特定層の平面レイアウトの類似度は、パターンの「一致率」により定義することができる。一致率の算出の仕方を以下に説明する。
まず一致率を算出する対象である2つの特定領域において、それぞれ特定層と同じ高さの仮想平面の適当な区域に、正方格子座標を適用して、複数の区画に区分する。各特定領域に適用される区域は輪郭が合同である必要がある。そして、各座標に対応する区画における特定層の有無を、特定層の面積の値を二値化して割り当てる。この手法は、上述した占有率の算出と同様であるので説明を省略する。
次に、画素回路領域1における特定層のパターンと中間領域3における特定層のパターンとを重ね、区域内での相対的位置が等価な区画(座標)ごとに、パターンが重なるか否かを判定する。全区画のうち、画素回路領域1において特定層が存在し、かつ中間領域3において特定層が存在する区画の数(NO)をカウントする。また、画素回路領域1において特定層が存在せず、かつ中間領域3において特定層が存在しない区画の数(NX)もカウントする。一致率は、これらの和(NO+NX)を、全区画(NT)の数で割った値の百分率であり、(100×(NO+NX)/NT)%で示される。なお、画素回路領域1および中間領域3の一方の区画において特定層が存在し、他方の区画において特定層が存在しない区画の数はNT−NO−NXである。
特定層のパターンの一致率を算出するために比較される2つの区域は、比較される2つの区域で特定層のパターンの一致率が最大化されるように選択される。例えば、以下のように選択を行う。まず、比較される2つの特定領域の一方の領域の区域(第1の区域)を選択する。次いで、比較される2つの特定領域の他方の領域から、上記第1の区域における特定層パターンとの一致率が最も高い区域(第2の区域)を選択する。典型的には、第1の区域に対して一致率が最大となる第2の区域は、第1の区域を行方向または列方向に平行移動した位置かその近傍に存在する。
図2(c1)は、図2(a)のパターンと図2(b1)のパターンの組み合わせの類似度を、図2(c2)は図2(a)のパターンと図2(b2)のパターンの組み合わせの類似度を、それぞれ視覚的に示している。画素回路領域1において特定層が存在し、かつ中間領域3において特定層が存在する区画には「O」を示している。画素回路領域1において特定層が存在せず、かつ中間領域3において特定層が存在しない区画には「X」を示している。画素回路領域1において特定層が存在し、かつ中間領域3において特定層が存在しない区画には「A」を示している。画素回路領域1において特定層が存在せず、かつ中間領域3において特定層が存在する区画には「B」を示している。上述したように、「O」と「X」が多いほど、一致率が高く、類似度が高いと理解することができる。図2(c1)では、Oが27区画、Xが22区画、Aが28区画、Bが23区画であり、一致率は49%である。一方、図2(c2)では、Oが43区画、Xが28区画、Aが12区画、Bが7区画であり、一致率は91%である。
特定層に関して、画素回路領域1におけるパターンと、中間領域3におけるパターンとの一致率は高ければ高い方がよい。一致率が50%以上であれば、パターンは類似していると云うことができ、一致率が70%以上であれば、パターンは近似していると云うことができる。さらに、一致率が90%以上であればパターンは酷似していると云うことができ、一致率が100%であればパターンが一致していると云うことができる。画素回路領域1と中間領域3とで、特定層のパターンの一致率が類似していることは、特定層の占有率が近似している可能性が高いことを意味する。一方、図2(a)に対する図2(b1)と図2(b2)の比較から理解されるように、画素回路領域1と中間領域3とで、特定層の占有率が類似していることは、必ずしも特定層のパターンが類似することを意味しない。また、画素回路領域1におけるパターンと中間領域3におけるパターンとが、幾何学的な相似の関係にあることは、占有率や一致率の高さに直結しない。
なお、上記した占有率や一致率の算出手法は一例である。現実的には、撮像装置の製造時に用いられるフォトマスクの設計のためのCADシステムにより、容易に占有率や一致率を算出することができる。また、画像解析等の手法により占有率や一致率を算出することもできる。
中間領域3の幅、すなわち列方向あるいは行方向における画素回路領域1と周辺回路領域2の距離は、1μm以上1000μm以下である。距離が極端に小さいと中間領域3に特定層を設ける効果が小さくなり、距離が極端に大きいと撮像装置1000の不要な大型化を招く。中間領域3の幅の好ましい範囲は10μm以上100μm以下である。列方向における中間領域3の幅は、少なくとも画素回路領域1における画素の配列の2行のピッチ分を確保すること、つまり画素の2行分以上とすることが望ましい。典型的な画素の配列ピッチは0.5μm以上5μm以下である。行方向における中間領域3の幅としては、少なくとも画素回路領域1における画素の配列の複数列のピッチ分を確保すること、つまり中間領域3の幅は画素の2列分の幅以上とすることが望ましい。例えば、中間領域3の幅は画素の10列分の幅以上100列分の幅以下とすることができる。
上述した、一致率の算出の対象となる特定領域内の区域は、画素回路領域1において、1つの画素回路を包含するような範囲にするべきである。より好ましくは、繰り返しパターンの最小単位以上とするべきである。この最小単位は例えば1つの画素分のレイアウトとなるが、画素共有構造を採用する場合には複数画素にわたるレイアウトとなる。ここで、比較対象となる各領域の区域の輪郭は合同である必要がある。一方の領域の区域の輪郭を四角形にして、他方の領域の区域の輪郭を円形にしては、正確な一致率が算出できない。また、一致率の算出の対象となる画素回路領域1内の区域の幅は、中間領域3の幅を超えない。例えば、中間領域3の幅を基準にして、中間領域3の幅を四辺とする正方形の区域より小さい範囲とする。つまり、中間領域3の幅をWとして、縦W×横Wの区域と同じかそれより小さい区域を、適当な数の区画に分けて、区画毎に一致の当否を判定すればよい。例えば、中間領域3の幅が60μmであり、特定層のパターンの幅が100nmとする。その場合、1区画を50nm四方として、縦1000×横1000の計100万区画に分けた50μm四方の区域を、画素回路領域1および中間領域3に適用して、一致率を算出すればよい。画素回路領域1と類似したパターンを有する区域、すなわち50%以上の一致率を示す区域は、中間領域3に極力多いことが望ましい。例えば、特定層は、中間領域3の全面積の50%以上において、画素回路領域1に類似したパターンを有することが好ましい。中間領域3が画素回路領域1を取り囲み、行方向と列方向のそれぞれにおいて、画素回路領域1から中間領域3にかけて、画素回路領域1のパターンが繰り返されていることが好ましい。
以上、撮像装置1000を構成する層の占有率や一致率について説明を行った。撮像装置1000は層だけでなく、層を貫通する部材を含みうる。層を貫通する部材とは、例えば上述した導電体部材15や後述する誘電体部材が挙げられる。これらの部材(以下、特定部材ともいう)についても、層と同様に占有率や一致率を定義することができる。その場合、特定部材が貫通する層が非特定層となる。一つの層のみを貫通する種類の特定部材ものもあれば、複数の層を貫通する種類の特定部材もある。
次に、撮像装置1000の構造を、断面図および平面図を参照して詳細に説明する。
撮像装置1000の第1実施形態にかかる断面構造を詳細に説明する。図3(a)は、図1のA−B線における断面図であり、中間領域3と、その近傍の画素回路領域1の一部および周辺回路領域2の一部を示している。画素回路領域1の一部には第1基準画素領域102が含まれている。図3(b)は、図1のC−D線における断面図であり、中間領域3と、その近傍の画素回路領域1の一部および周辺回路領域2の一部を示している。画素回路領域1の一部には第2基準画素領域103が含まれている。
撮像装置1000は、画素回路領域1から周辺回路領域2に渡って複数の層が積層された積層体である。撮像装置1000は、素子部10と配線部30と透光部50を含む。
素子部10は、半導体層11、素子分離層12、電極層13、絶縁体膜14、導電体部材15を含む。絶縁体膜14は半導体層11を覆うように設けられ、半導体層11に接続された導電体部材15が絶縁体膜14を貫通して設けられている。典型的な導電体部材15はコンタクトプラグである。コンタクトプラグの主たる材料は例えばタングステンであり、チタンや窒化チタンなどのバリアメタルを含むことができる。絶縁体膜14は光電変換部111上に設けられた反射防止層141や、導電体部材15を形成する際のエッチングストッパ層(不図示)を含む多層膜でありうる。
受光画素1010は光電変換部111と上述した転送ゲートのゲート電極である転送ゲート電極131と、上述したフローティングノードを構成する浮遊拡散領域114(フローティングディフュージョン:FD)を有する。典型的な光電変換部111は、半導体層11内に形成されたフォトダイオードである。
同様に第1基準画素1020も光電変換部111と転送ゲート電極131を有する。ここでは転送ゲート電極131のみを示しているが、半導体層11の上には信号生成部の他のトランジスタのゲート電極も設けられる。半導体層11は画素回路領域1から中間領域3に渡って延在するウェル113を有する。ウェル113には後述する基準コンタクト150を介して、画素回路の基準電位が供給される。ウェル113は例えばP型ウェルである。半導体層11は周辺回路領域2にウェル112を有する。ウェル112には周辺回路の基準電位が供給される。ウェル112は例えばN型ウェルであるが、周辺回路領域2にはP型ウェル(不図示)も設けられる。
ゲート電極は、ゲート絶縁膜を介して半導体層11の上に設けられる。そのため、ゲート電極の上面は半導体層11の表面に対して突出しており、ゲート電極の有無により凹凸が生じる。電極層13は、これらのゲート電極を構成する導電体層(例えばポリシリコン層)である。電極層13は半導体層11と絶縁体膜14との間に位置する。電極層13は、ゲート電極と同じ材料(ポリシリコン)で構成された、ゲート電極以外の部材を含みうる。この部材は配線部材、抵抗部材、あるいは密度調整用のダミー部材などとして用いることができる。半導体層11の表面に沿って、LOCOSやSTI、EDIなど、絶縁体からなる既知の素子分離層12が設けられている。半導体層11と電極層13との間には、ゲート絶縁膜または素子分離層12が位置する。素子分離層12は、ゲート絶縁膜よりも厚い絶縁体で構成される。複数の導電体部材15の一部は、電極層13に接続されうる。
図1、3の一点鎖線は画素回路領域1の縁を示し、画素回路領域1と中間領域3の境界を示す。画素回路領域1の縁は、複数の画素回路の内で、画素回路領域1の端に位置する画素回路を全て包含する。m行n列の画素回路を有する画素回路領域1において、端に位置する画素回路とは、画素回路領域1の一端の行(第1行)を成す画素回路群と、他端の行(第m行)を成す画素回路群と、一端の列(第1列)を成す画素回路群と、他端の列(第n列)である。画素回路領域1の縁は、画素回路領域1の端に位置する4つの画素回路群の各々の画素回路を構成する半導体素子の活性領域の縁に外接する、4本の仮想的な直線で規定することができる。この時、画素回路領域1は第1の四角形を成す。
周辺回路領域2の縁は、周辺回路の内で、画素回路領域1側の端に位置する複数の半導体素子の各々の活性領域の縁に外接する、仮想的な直線で規定することができる。この仮想的な直線は、画素回路領域1の縁を画定する直線に平行な4本の直線でありうる。この時、周辺回路領域2の内縁は第2の四角形を成す。
画素回路や周辺回路の半導体素子の活性領域は、素子分離層12によって形成された素子分離領域と接する。従って、中間領域3の両端には、素子分離層12の縁が位置する。そして、中間領域3の内縁と仮定された第1の四角形と中間領域3の外縁として仮定された第2の四角形とで挟まれた領域が中間領域3であると仮定される。ただし、第1の四角形と第2の四角形との間に画素回路や周辺回路が存在する場合には、その部分は中間領域3ではなく、画素回路領域1または周辺回路領域2である。従って、中間領域3として仮定された領域から、画素回路領域1または周辺回路領域2に該当する部分を除いた部分が、中間領域3として確定される。
画素回路領域1の行方向または列方向における縁において、実効的な幅を持った中間領域3を介さずに、画素回路領域1が周辺回路領域2と近接している部分があってもよい。中間領域3の実効的な幅は1μm以上であり、画素回路領域1と周辺回路領域2との間の距離が1μm未満である部分は、画素回路領域1と周辺回路領域2とが近接しているとみなされる。
配線部30は、素子部10の上に位置する。配線部30は、素子部の上の第1配線層31、第2配線層32、第3配線層33を含む。第1配線層31、第2配線層32および第3配線層33のそれぞれが導電体層である。配線部30は、第1絶縁体層21、第2絶縁体層22、第3絶縁体層23、第4絶縁体層24を有する層間絶縁膜20を含む。また、配線部30はパッシベーション膜26を含む。
また、配線部30は、第1配線層31と第2配線層32を接続するビアプラグ34と、第2配線層32と第3配線層33を接続するビアプラグ35を含む。受光画素領域101においては、第3配線層33を格子状に配置することで、受光画素1010における光路を画定するための遮光体として用いることができる。また、第1基準画素領域102においては、第3配線層33が光電変換部を遮光する遮光体として機能する。第1配線層31、第2配線層32および第3配線層33は例えばアルミニウム層や銅層である。配線層31、32、33はバリアメタルを含むことができる。ビアプラグ34,35はタングステンや銅からなり、第2配線層32、第3配線層33と同じ材料で一体的に形成されていてもよいし、第2配線層32、第3配線層33と別の材料で別体として形成されてもよい。
第1絶縁体層21は第1配線層31と同じ高さに位置する。第2絶縁体層22は、第1配線層31と第2配線層32との間に位置する。第4絶縁体層24は、第2配線層32と第3配線層33との間に位置する。層間絶縁膜20はこれら第1〜4絶縁体層の他に、銅などの配線材料の拡散を防止する拡散防止層を含むことができる。
パッシベーション膜26は、例えば窒化シリコン層を含み、必要に応じて、酸窒化シリコン層などで構成された反射防止層をさらに含む。パッシベーション膜26は、表面をレンズ形状に加工することで、層内レンズとしてのレンズ機能を有するように構成することもできる。
透光部50は、第1平坦化層51、カラーフィルタ層52、第2平坦化層53、トップレンズ層54を含む。カラーフィルタ層52は複数色のカラーフィルタがベイヤー方式などで配列されたマルチカラーフィルタ層であるが、モノクロフィルタ層であってもよい。第1平坦化層51および第2平坦化層53は、例えば樹脂層で構成される。
次に、撮像装置1000の平面構造を、詳細に説明する。
図4(a)は、撮像装置1000の第1実施形態における、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、素子分離層12および電極層13の平面レイアウトの一例である。図4(b)は、撮像装置1000の第1実施形態における、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、第1配線層31および第2配線層32の平面レイアウトの一例である。
図4(a)において、半導体層11の素子分離層12の開口から露出した領域である半導体領域110を斜線のハッチングで示している。また、電極層13を半導体層11のハッチングとは異なる向きの斜線のハッチングで示している。電極層13と半導体領域110とが重なる部分は、互いに異なる向きの斜線が交差するようなハッチングで示している。半導体領域110は活性領域でありうるが、そうでない場合もある。半導体領域110の内、電極層13と半導体領域110とが重なる部分は、トランジスタのチャネルが形成される部分でありうる。
図4(a)には、半導体層11または電極層13と第1配線層31とを接続するコンタクトの位置を示している。コンタクトの位置は、導電体部材15の位置に対応する。コンタクトは、基準コンタクト150と非基準コンタクト151に区別できる。基準コンタクト150は、半導体層11に接続され、基準電位を半導体層11に供給するコンタクトである。基準コンタクト150については後述する。非基準コンタクト151は、トランジスタのソース・ドレインに接続された第1種コンタクトと、トランジスタのゲートに接続された第2種コンタクトを含む。また、非基準コンタクトは、半導体層11と電極層13とを、第1配線層31を経由せずに直接的に接続する第3種コンタクトを含む。この第3種コンタクトは、いわゆるシェアードコンタクトである。
図4(b)において、第1配線層31を斜線のハッチングで示している。また、第2配線層32を第1配線層31のハッチングとは異なる向きの斜線のハッチングで示している。第1配線層31と第2配線層32とが重なる部分は、互いに異なる向きの斜線が交差するようなハッチングで示している。このように第1配線層31と第2配線層32とが重なる部分は、第1配線層31と第2配線層32とが接続されるビアプラグ34が存在しうる部分である。
図4(b)には、第1配線層31と第2配線層32とを接続するビア340の位置を示している。ビア340の位置は、図3で示した、第1配線層31と第2配線層32とを接続するビアプラグ34の位置に対応する。図4(b)には、半導体層11または電極層13と第1配線層31とを接続する基準コンタクト150または非基準コンタクト151の位置も示している。
図4(a)におけるコンタクトと、図4(b)におけるコンタクトの位置はそれぞれ対応しており、このコンタクトの対応関係から配線層31、32と素子分離層12および電極層13との位置関係を理解することが可能である。
図4(a)を用いて、図3にて説明した素子分離層12,電極層13、導電体部材15の構成を説明する。
画素回路領域1に設けられた素子分離層12は、半導体層11の半導体領域110を露出させるパターンを有している。素子分離層12のパターンは、光電変換部111が設けられた活性領域を、半導体層11に画定するための、第1種開口121を含む。また、素子分離層12のパターンは、画素回路のトランジスタのソース、ドレイン、チャネルが設けられた活性領域を、半導体層11に画定するための、第2種開口122を含む。第1種開口121は、第2種開口122よりも面積が大きい。なお、本例では、転送トランジスタは第1種開口121と第2種開口122で画定された活性領域にまたがって形成されている。リセットトランジスタは第2種開口122で確定された活性領域に形成されている。一方、増幅トランジスタは、別の画素のリセットトランジスタの活性領域を画定する第2種開口122で画定された活性領域に形成されている。ここでは、各画素において、第1種開口121と第2種開口122が連続して1つの開口を形成する形態を挙げた。しかし、各画素において、第1種開口と第2種開口が分離した複数の開口を含む形態でもよい。また、1つの連続した開口が複数の画素に渡って設けられていてもよい。
中間領域3に設けられた素子分離層12は、半導体層11の半導体領域110を露出させるパターンを有している。素子分離層12のパターンは、半導体層11に第1種領域を画定する、第1種開口1213を含む。また、素子分離層12のパターンは、半導体層11に第1種領域より面積の小さい第2種領域を画定する第2種開口1223を有する。図4(a)に示す第1実施形態では、第2種領域より面積の小さい第3種領域を半導体層11に画定する、第3種開口1233をさらに含む。第1実施形態(図4(a))では、中間領域3の第1種開口1213と第3種開口1233との面積の和が、画素回路領域1の第1種開口121の面積と同程度になっている。本例では、第2種開口122の形状と第2種開口1223の形状は一致する(合同である)。
また、中間領域3における第1種開口1213と第2種開口1223の相互の位置関係は、画素回路領域1における第1種開口121と第2種開口122との相互の位置関係と類似している。本例ではこれらの位置関係は一致している。また、中間領域3には第1種開口1213と第2種開口1223からなる開口群が複数設けられている。これら開口群と画素回路領域1における開口群の相互の位置関係(配列周期)は類似している。本例ではこれらの位置関係(配列周期)は画素回路領域1と中間領域3とで一致している。
周辺回路領域2に設けられた素子分離層12は、周辺回路を構成するトランジスタの活性領域を画定する開口124、125、126を含むパターンを有する。周辺回路領域2における素子分離層12のパターンは、画素回路領域1における素子分離層12や中間領域3における素子分離層12のパターンとは類似しない。
画素回路領域1に設けられた電極層13は、ゲート電極群を有し、ゲート電極群は、転送ゲート電極131、増幅ゲート電極132およびリセットゲート電極133を含む。増幅ゲート電極132は増幅トランジスタのゲート電極、リセットゲート電極133はリセットトランジスタのゲート電極である。ゲート電極群が画素回路領域1に複数設けられている。これらのゲート電極群が、画素回路領域1において光電変換部毎に信号生成部を構成している。
中間領域3に設けられた電極層13は、第1種ダミー電極1313、第2種ダミー電極1323、第3種ダミー電極1333を構成している。第1種ダミー電極1313は画素回路領域1の転送ゲート電極131と類似した形状を有している。なお、第1種ダミー電極1313は図3(a)にも示している。図4(a)に示すように、本例、第1種ダミー電極1313の形状と転送ゲート電極131の形状は一致する(合同である)。第2種ダミー電極1323は画素回路領域1の増幅ゲート電極132と類似した形状を有している。本例では、第2種ダミー電極1323の形状と増幅ゲート電極132の形状は一致する(合同である)。本例では、第3種ダミー電極1333の形状とリセットゲート電極133の形状は一致する(合同である)。また、中間領域3における第1〜3種ダミー電極1313、1323、1333の相互の位置関係は、画素回路領域1におけるゲート電極131、132、133との相互の位置関係と類似している。本例ではこれらの位置関係は一致している。また、中間領域3には第1〜3種ダミー電極1313、1323、1333からなるダミー電極群が複数設けられている。これら複数のダミー電極群と複数のゲート電極群の相互の位置関係は類似している。本例ではこれらの位置関係は一致している。
周辺回路領域2に設けられた電極層13は、周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極134を構成している。ゲート電極134は例えばCMOS回路のゲートを構成する。ゲート電極134は、NMOSトランジスタのゲート電極とPMOSトランジスタのゲート電極と、これらを接続する配線と、を兼ねた一体的な部材として形成することもできる。また周辺回路領域2にける電極層13は画素回路領域1や中間領域3と、異なった構造を有していてもよい。例えば、周辺回路領域2にける電極層13は、下部がポリシリコンで、上部がシリサイドで構成されたポリサイド構造を有していてもよい。
次に、図4(b)を用いて、図3にて説明した配線層31,32の構成を説明する。
まずは、画素回路領域1における導電体層の構成を説明する。第1配線層31および第2配線層32は、画素回路領域1を横断するグローバル配線を構成する。画素回路領域1のグローバル配線としては、各々が行方向に延長する転送線311およびリセット線312が挙げられる。また、各々が列方向に延長する基準線321、奇数列出力線322、電源線323および偶数列出力線324が挙げられる。電源線と基準線を除く、転送線311、リセット線312、奇数列出力線322および偶数列出力線324を信号線と総称する。
転送線311は画素回路領域1において転送ゲートのONとOFFを制御する転送信号(TX)を伝達する。リセット線312は画素回路領域1においてリセットトランジスタのONとOFFを制御するためのリセット信号(RS)を伝達する。基準線321は画素回路領域1において半導体層11に付与される基準電位(GND)を伝達する。奇数列出力線322は奇数列の画素信号生成部からの信号(PX1)を伝達する。電源線323は半導体層11のウェル領域に付与される電源電位(VDD)を伝達する。偶数列出力線324は偶数列の画素の信号生成部からの信号(PX2)を伝達する。
画素回路領域1において、グローバル配線である転送線311およびリセット線312は主に第1配線層31で構成されている。また、画素回路領域1において、グローバル配線である基準線321、奇数列出力線322、電源線323および偶数列出力線324は主に第2配線層32で構成されている。画素回路領域1には第2配線層31で構成されたグローバル配線を半導体層11と接続するためのローカル配線が第1配線層31で構成されている。
第1配線層31で構成されたグローバル配線(行配線)は、転送線311およびリセット線312が蛇行形状であり、両者は画素に対して略対称形を有している。また、第1配線層31で構成されたグローバル配線は、転送線311とリセット線312がこの順で繰り返し配列された位置関係になっている。
第2配線層32で構成されたグローバル配線は、基準線321、奇数列出力線322および偶数列出力線324が略直線状であり、電源線323が蛇行形状である。基準線321と奇数列出力線322と電源線323と偶数列出力線324とがこの順で繰り返し配列された位置関係になっている。
次に、周辺回路領域2における配線層の構成を説明する。周辺回路領域2では、転送線311およびリセット線312は、画素回路領域1と同様に第1配線層31で構成されている。垂直駆動回路において行毎に設けられた回路のローカル配線313には第1配線層31が用いられている。これら行毎に設けられた回路を接続するグローバル配線326、327には第2配線層32が用いられている。
周辺回路領域2では、基準線321に接続する基準線316、奇数列出力線322に接続する奇数列出力線317、電源線323に接続する電源線318、および、偶数列出力線324に接続する偶数列出力線319が設けられている。基準線316、奇数列出力線317、電源線318および偶数列出力線319は、画素回路領域1とは異なり、第1配線層31で構成されている。また、信号処理回路において列毎に設けられた回路のローカル配線314には第1配線層31が用いられている。これら列毎に設けられた回路を接続するグローバル配線328には第2配線層32が用いられている。
次に、中間領域3における、第1配線層31や第2配線層32などの導電体層の構成を説明する。ここで、中間領域3を、画素回路領域1と水平駆動回路との間の部分である左部領域301と、は、画素回路領域1と垂直駆動回路との間の部分である下部領域302とに分けて説明する。
左部領域301には、垂直駆動回路からの信号(TX、RS)を伝送するために、転送線311、リセット線312が延在している。中間領域3では、画素回路領域1と同様に、転送線311やリセット線312は第1配線層31で構成されている。ただし、第1実施形態においては、左部領域301の転送線311およびリセット線312は、画素回路領域1のような蛇行形状ではなく、直線形状になっている。
また、左部領域301には、各々が列方向に延長して中間領域3を横断するグローバル配線として、第1種基準線3213、第2種基準線3223、第3種基準線3233および第4種基準線3243の4種類の基準線が設けられている。第1種基準線3213と第2種基準線3223と第3種基準線3233と第4種基準線3243は、それぞれ、図3(a)、(b)の断面図で示した第2配線層32で構成されている。
第1種基準線3213は画素回路領域1の基準線321と類似の形状および等価な位置関係で設けられている。第2種基準線3223は画素回路領域1の奇数列出力線322と類似の形状および等価な位置関係で設けられている。第3種基準線3233は画素回路領域1の電源線323と類似の形状および等価な位置関係で設けられている。第4種基準線3243は画素回路領域1の偶数列出力線324と類似の形状および等価な位置関係で設けられている。具体的には、第1種基準線3213と第2種基準線3223と第4種基準線3243は直線形状で、第3種基準線3233は蛇行形状である。そして、第1種基準線3213と第2種基準線3223と第3種基準線3233と第4種基準線3243がこの順で配列された位置関係になっている。そのため、画素回路領域1と中間領域3では、第2配線層32の密度は類似しており、第2配線層32の平面レイアウトも類似している。
中間領域3において、第2配線層32で構成された第1種基準線3213と第2種基準線3223は、それぞれ、周辺回路領域2において、第1配線層31で構成された第1種基準線3162と第2種基準線3172に接続されている。中間領域3において、第2配線層32で構成された第3種基準線3233と第4種基準線3243は、それぞれ、周辺回路領域2において、第1配線層31で構成された第3種基準線3182と第4種基準線3192に接続されている。左部領域301において、第2配線層32で構成された第1種基準線3213と第2種基準線3223と第3種基準線3233と第4種基準線3243は、第1配線層31で構成された転送線311やリセット線312と複数の箇所で交差する。
第1種基準線3213、第2種基準線3223、第3種基準線3233および第4種基準線3243は、いずれも中間領域3の左部領域301において半導体層11に基準電位を付与するための基準信号(GND)を伝達する。
下部領域302には、水平駆動回路からの信号(GND、VDD,PX1,PX2)を伝送するために、基準線321、奇数列出力線322、電源線323および偶数列出力線324が延在している。中間領域3では、画素回路領域1と同様に、基準線321、奇数列出力線322、電源線323および偶数列出力線324第2配線層32で構成されている。第1実施形態においては、下部領域302の電源線323は、画素回路領域1と同様に蛇行形状になっている。
下部領域302において第2配線層32で構成された基準線321と奇数列出力線322は、それぞれ、周辺回路領域2において第1配線層31で構成された基準線316と奇数列出力線317に接続されている。下部領域302において第2配線層32で構成された電源線323と偶数列出力線324は、それぞれ、周辺回路領域2において電源線318と偶数列出力線319に接続されている。
また、下部領域302には、各々が行方向に延長して中間領域3を縦断するグローバル配線として、第5種基準線3113および第6種基準線3123の2種類の基準線が設けられている。第5種基準線3113は、画素回路領域1の転送線311の間隔と等価な間隔で設けられており、第6種基準線3123は、画素回路領域1のリセット線312の間隔と等価な間隔で設けられている。画素回路領域1において転送線311およびリセット線312が蛇行形状であるのに対し、第5種基準線3113および第6種基準線3123は直線形状である。下部領域302において、第1配線層31で構成された第5種基準線3113および第6種基準線3123は、第1配線層31で構成された基準線316、奇数列出力線317、電源線318および偶数列出力線319と複数の箇所で交差する。また、左部領域301と下部領域302との接続部では、第1配線層31で構成された各種基準線3113、3123が、第2配線層32で構成された各種基準線3213、3223、3233、3243と複数の箇所で交差する。
第5種基準線3113および第6種基準線3123は、いずれも中間領域3の下部領域302において半導体層11を基準電位にするための基準信号(GND)を伝達する。
画素回路領域1および中間領域3には、半導体層11に基準電位を付与するための基準コンタクト150を設けることができる。基準電位は、ウェル電位やボディ電位とも呼ばれ、典型的には接地電位である。図3(a)、(b)に示すように、基準コンタクト150は中間領域3に設けられたコンタクトプラグなどの導電体部材15によって形成され、この導電体部材15に基準電位を供給する配線を接続することで達成できる。ここでは、遮光体として広範囲に渡って広がる第3配線層33を配線として用い、第2配線層32および第1配線層31を介して、基準電位を導電体部材15に付与している。図4(a)に示すように、画素回路領域1を囲む中間領域3に基準コンタクト150を多数設けることで、画素回路領域1を囲むように基準コンタクト150を多数設けることができる。そのため、画素回路領域1の中央部と周辺部とでの基準電位に違いが生じることを抑制して、シェーディングを低減することができる。基準コンタクト150は、第2配線層32で構成された第1種基準線3213や第3種基準線3233に接続された、第1配線層31で構成されたローカル配線3153を介して設けられている。また、第2種基準線3223や第4種基準線3243に接続されたローカル配線3163を介して設けられている。
なお、画素回路領域1にも基準コンタクト150を設けることができる。しかしながら、基準コンタクト150はノイズ源となりうるため、画素回路領域1の基準コンタクト150の数は少ない方がよい。例えば3個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けるとよい。このことは、赤色、緑色、青色などの3原色の光をそれぞれ受光する3種類の画素に対して、少なくともいずれか2種類の画素の近傍には対応する基準コンタクト150が設けられないことを意味しうる。例えば、第1の波長の光を受光する画素Bから、当該画素Bに最近接する基準コンタクト150までの距離をLBとする。第2の波長の光を受光する画素Gから、当該画素Gに最近接する基準コンタクト150までの距離をLGとする。第3の波長の光を受光する画素Rから、当該画素Rに最近接する基準コンタクト150までの距離をLRとする。ここで、画素Rと画素Gと画素Bは互いに隣り合うものとする。互いに隣り合う3個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けると、LB<LRおよびLB<LGを満たし得る。LB=0であってもよい。
また、4個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けることがより好ましい。例えば、第2の波長の光を受光する画素G1に最近接する基準コンタクト150までの距離をLG1、第2の波長の光を受光する画素G2に最近接する基準コンタクト150までの距離をLG2とする。画素Rと画素G1と画素G2と画素Bは互いに隣り合うものとする。互いに隣り合う4個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けると、LB<LG1、LB<LG2およびLB<LRを満たし得る。これは、ベイヤー配列を成す2×2の画素配列の範囲内には、対応する基準コンタクト150が1個しか設けられないことを意味しうる。
さらに、5個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けることがより好ましく、8個以上の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けることがより好ましい。さらには、10〜1000画素に一つの割合で基準コンタクト150を配置するとよい。M個の画素に1個の割合で基準コンタクト150を設けることは、画素回路領域1における基準コンタクト150の数をMRC、画素回路領域1に設けられた画素の数をMPとして、MRC/MPが1/Mと一致するか、1/Mに近似できることを意味する。つまり、画素回路領域1における基準コンタクト150の数は画素回路領域1に設けられた画素の数の1/M以下である。Mは3以上であることが好ましく、5以上、4以上、8以上、10以上、1000以下で有り得る。もちろん、M=1、2であってもよい。
一方、中間領域3では画素回路領域1における基準コンタクト150の密度よりも高い密度で基準コンタクト150を配置することが好ましい。
中間領域3と画素回路領域1での基準コンタクト150の密度の違いは、電極層13で構成された部材の数NELに対する基準コンタクト150の数NRCの比NRC/NELで比較することができる。中間領域3におけるダミー電極の数NEL3に対する基準コンタクト150の数NRC3の比をNRC3/NEL3とする。画素回路領域1における電極の数NEL1に対する基準コンタクト150の数NRC1の比をNRC1/NEL1とする。ここで、比NRC3/NEL3が比NRC1/NEL1よりも大きくなるようにすることができる。電極層13の占有率が中間領域3と画素回路領域1とで類似している場合にNRC3/NEL3>NRC1/NEL1を満たすことは、基準コンタクト150の密度を画素回路領域1よりも中間領域3で高くすることを意味しうる。電極層13の占有率が中間領域3と画素回路領域1とで類似している場合とは、上述したように、中間領域3における電極層13の占有率が画素回路領域1における電極層13の占有率の0.5倍以上1.5倍以下の場合である。第1実施形態では、4画素に1つの割合で基準コンタクト150が設けられているから、画素回路領域1の4画素分の区域において、ゲート電極の数NEL1=12であり、NRC1=1、NRC1/NEL1=1/12である。一方、中間領域3の同じ面積の区域において、ダミー電極の数NEL3=12であり、NRC3=46、NRC1/NEL1=46/12である。したがって、NRC3/NEL3>NRC1/NEL1を満たす。
このように、中間領域3の基準コンタクト150を画素回路領域1の基準コンタクト150よりも高密度で配する一方で、中間領域3の導電体部材15を画素回路領域1の導電体部材15と同程度の密度で配することが好ましい。画素回路領域1には基準コンタクト150以外に非基準コンタクト151が設けられる。例えば、1つの光電変換部に対応する信号生成部では、基準コンタクト150以外に5つの非基準コンタクト151が用いられる。トランジスタを設ける必要のない中間領域3では、非基準コンタクト151の占有面積を中間領域3では信号生成部における5つ分のコンタクトの占有面積の少なくとも一部を、基準コンタクト150に置き換えることが可能となる。
次に、その他の構成について説明を行う。図3、図4に示すように、画素回路領域1および中間領域3には、絶縁体からなる素子分離層12が位置している。中間領域3における素子分離層12はダミー部材として用いることができる。ここで素子分離層12の画素回路領域1における占有率をDFL1とし、素子分離層12の中間領域3における占有率をDFL3とする。特定層は素子分離層12であり、非特定層は半導体層11に該当する。例えばDFL1は20%である。本例では、上記DFL1、DFL3に関して、0.9≦DFL3/DFL1≦1.1の関係を満足している。
また、画素回路領域1および中間領域3には、電極層13が位置している。中間領域3における電極層13はダミー部材として用いることができる。ここで電極層13の画素回路領域1における占有率をDEL1とし、電極層13の中間領域3における占有率をDEL3とする。この場合、特定層は電極層13であり、非特定層は絶縁体膜14に該当する。例えばDEL1は25%である。本例ではDEL1、DEL3に関して0.9≦DEL3/DEL1≦1.1の関係を満足している。
また、画素回路領域1および中間領域3には、複数の導電体部材15が位置している。ここで導電体部材15の画素回路領域1における占有率をDCP1とし、導電体部材15の中間領域3における占有率をDCP3とする。この場合、特定層は導電体部材15であり、非特定層は絶縁体膜14に該当する。本例では、上記DCP1、DCP3に関して、0.8≦DCP3/DCP1≦1.2の関係を満足している。
また、画素回路領域1および中間領域3には、第1配線層31が位置している。中間領域3における第1配線層31は画素回路と周辺回路とを接続する配線として用いることができる。ここで第1配線層31の画素回路領域1における占有率をDM11とし、第1配線層31の中間領域3における占有率をDM13とする。この場合、特定層は第1配線層31であり、非特定層は第2絶縁体層22に該当する。例えばDM11は25%である。本例では、上記DM11、DM13に関して、0.8≦D M13 /D M11 ≦1.2の関係を満足している。
また、画素回路領域1および中間領域3には、第2配線層32が位置している。中間領域3における第2配線層32は画素回路と周辺回路とを接続する配線として用いることができる。ここで第2配線層32の画素回路領域1における占有率をDM21とし、第2配線層32の中間領域3における占有率をDM23とする。この場合、特定層は第2配線層32であり、非特定層は第3絶縁体層23に該当する。例えばDM21は20%である。本例では、上記DM21、DM23に関して、0.8≦DM23/DM21≦1.2の関係を満足している。
このように、素子分離層12、電極層13、第1配線層31および第2配線層32は、画素回路領域1と中間領域3との密度差を小さくする対象である特定層でありうる。また、導電体部材15も同様に画素回路領域1と中間領域3との密度差を小さくすることが好ましい。そのためには、上述したように特定層としての各層の占有率が、画素回路領域1と中間領域3とで、類似、近似、酷似あるいは一致していることが好ましい。さらに、特定層としての各層の画素回路領域1におけるパターンと中間領域3におけるパターンの一致率が、類似、近似、酷似あるいは一致していることが好ましい。
素子分離層12、電極層13、第1配線層31および第2配線層32を特定層とすることとで、これら特定層と同じ高さに位置する非特定層、あるいは、特定層の上層の平坦性を向上することが可能となる。これに対して、以下の参考形態で説明するように、特定層の占有率が画素回路領域1と中間領域3とで、大きく異なる場合には、特定層と同じ高さに位置する非特定層、あるいは、非特定層の上層の平坦性が低下する。
撮像装置1000の参考形態にかかる断面、平面構造について説明する。図7(a)は、撮像装置1000の参考形態に関する図1のA−B線における断面図であり、図4(a)に対応している。図7(b)は、撮像装置1000の参考形態に関する図1のC−D線における断面図であり、図4(b)に対応している。図8(a)は、撮像装置1000の参考形態に関する図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、素子分離層12および電極層13の平面レイアウトの一例である。図8(b)は、撮像装置1000の参考形態に関する、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、第1配線層31および第2配線層32の平面レイアウトの一例である。第1実施形態と共通の部材には共通の符合をつけており、詳細な説明を省略する。
参考形態では、中間領域3には、開口1234、1235を画定する以外は、素子分離層12が大部分を占め、DFL3=80%であり、画素回路領域1における占有率と類似の関係にない。また、中間領域3には、周辺回路の電極134の一部を除いては電極層13が設けられておらず、DEL3≒0であり、画素回路領域1における占有率と類似の関係にない。また、中間領域3には、導電体部材15が画素回路領域1よりも高密度に設けられており、例えば、DCP3/DCP1>1.5となり、画素回路領域1における占有率と類似の関係にない。導電体部材15は、開口1234、1235で画定された半導体領域に設けられた基準コンタクト150を構成する。
このように、画素回路領域1に比べて中間領域3で素子分離層12および/または電極層13が低密度であると、それらと同レベルあるいは上層に形成される絶縁体膜14の上面が中間領域3よりも画素回路領域1において高くなり、傾斜が生じうる。これは、素子分離層12や電極層13の上面が半導体層11の表面よりも高いためである。このような絶縁体膜14の傾斜は、絶縁体膜14にリフロー法やエッチバック法、CMP法などの平坦化処理を施しても、完全に解消することが難しい。また、画素回路領域1に比べて中間領域3で導電体部材15が高密度であると、それらと同レベルあるいは上層に形成される絶縁体膜14の上面が中間領域3よりも画素回路領域1において高くなりがちである。これは、絶縁体膜14に形成されたコンタクトホールに埋め込む、タングステンなどの導電体部材15の材料をCMP法で除去する際に、コンタクトホールの密度の高いところで、エロージョンが生じやすいためである。当然、このように上面が傾斜した絶縁体膜14の上方に成膜される絶縁体層も、その傾斜に応じて傾斜した上面を有してしまう。
また、中間領域3には、第1配線層31が画素回路領域1よりも高密度に設けられている。具体的には、下部領域302に設けられた第1配線層31は、基準線316、奇数列出力線317、電源線318、および、偶数列出力線319を構成している。さらに、第1配線層31は下部領域302において、基準コンタクト150に接続されるローカル配線3173を構成している。上部領域304でも下部領域302の第1配線層31と同様に、第1配線層31が設けられている。このように、下部領域302や上部領域304に設けられた第1配線層31が、中間領域3における第1配線層31の占有率を画素回路領域1よりも高くする要因となっている。もちろん、左部領域301の第1配線層31としてのローカル配線3153も同様である。その結果、例えばDM13=40%であり、DM13/DM11=1.6となるため画素回路領域1における占有率と類似の関係にない。また、中間領域3には、グローバル配線である基準線3203を構成する第2配線層32が画素回路領域1よりも高密度に設けられており、例えばDM23=80%であり、DM23/DM21=4.0となるため画素回路領域1における占有率と類似の関係にない。
ここで、第1配線層31および/または第2配線層31がアルミニウム層である場合について説明する。アルミニウム層が画素回路領域1に比べて中間領域3で高密度であると、そのアルミニウム層を覆って、アルミニウム層と同レベルあるいは上層に形成される絶縁体層の上面が画素回路領域1よりも中間領域3において高くなり、傾斜が生じうる。これは、エッチング法によってパターニングされるアルミニウム層の上面が、下層の絶縁体層の表面よりも高いためである。このようなアルミニウム層を覆う絶縁体層の傾斜は、その絶縁体層にリフロー法やエッチバック法、CMP法などの平坦化処理を施しても、完全に解消することが難しい。
また、第1配線層31および/または第2配線層31が銅層である場合について説明する。銅層が画素回路領域1に比べて中間領域3で高密度であると、その銅層を覆って、銅層と同レベルあるいは上層に形成される絶縁体層の上面が画素回路領域1よりも中間領域3において低くなり、傾斜が生じ得る。これは、ダマシン法によってパターニングされる銅層の上面が、配線密度の高いところで、エロージョンが生じやすいためである。このような銅層を覆う絶縁体層の傾斜は、その絶縁体層にリフロー法やエッチバック法、CMP法などの平坦化処理を施しても、完全に解消することが難しい。
したがって、結果として、図7(a)、(b)に示すように、絶縁体膜14や層間絶縁膜20の各絶縁体層の上面には傾斜が生じる。このような傾斜が生じると、様々な要因により、画素回路領域1の中央部と周辺部とで、出力信号に差が生じる。主な要因としては例えば、絶縁体膜14と半導体層11との界面での反射光と、層間絶縁膜20とパッシベーション膜26との界面での反射光の干渉が、画素回路領域1の中央部と周辺部とで異なることが一因として挙げられる。一般的な半導体製造プロセスによって生じる、画素回路領域1の中央部と周辺部とでの高低差は100nmである。しかし、可視光の干渉条件は、波長や媒質の屈折率にもよるが、400〜600nmの波長域で1.5〜2.0の屈折率の範囲では50〜150nm程度の高低差により、干渉の強弱が逆転する。この干渉の強弱は画素回路領域1の出力をばらつかせる。さらに、この干渉が生じる波長が異なることで、色むらが生じうる。そのため、画素回路領域1に設けられる層の上面の高低差は50nm以下にすることが望ましい。さらなる高画質化のためには、画素回路領域1に設けられる層の上面の高低差は25nm以下とすることが望まれる。
このような構成に対して、上述したように、画素回路領域1に設けられた特定層に類似した占有率で、特定層を中間領域3にも配することで、その上層の平坦性を向上することができ、高画質な撮像を実現することができる。
次に、第2実施形態を説明する。
図5(a)は、撮像装置1000の第2実施形態における、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、素子分離層12および電極層の平面レイアウトの一例である。図5(b)は、撮像装置1000の第2実施形態における、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、第1配線層31および第2配線層32の平面レイアウトの一例である。
第2実施形態を示す図5(a)、(b)は、それぞれ第1実施形態を示す図4(a)、(b)と対応関係にあり、共通の事項については、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態における撮像装置1000の断面構造は、第1実施形態を示す図2(a)、(b)と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態では、左部領域301の転送線311およびリセット線312は、画素回路領域1と同様に蛇行形状になっている。さらに、左部領域301では、第1実施形態におけるローカル配線3153、3163がなく、画素回路領域1と同じパターンの第1配線層31のみで基準コンタクト150が提供されている。また、下部領域302の第5種基準線3113および第6種基準線3123は、画素回路領域1の転送線311およびリセット線312と同様に蛇行形状となっている。従って、本実施形態では、第1配線層31のパターンが、画素回路領域1と中間領域3とで類似している。
第2実施形態(図5(a))では、第1種開口121の形状と第1種開口1213の形状は一致する(合同である)。また、中間領域3の第2種開口1223は画素回路領域1の第2種開口122と類似した形状を有している。
第2実施形態では、画素回路領域1の4画素分の区域において、ゲート電極の数NEL1=12であり、NRC1=1、NRC1/NEL1=1/12である。一方、中間領域3の同じ面積の区域において、ダミー電極の数NEL3=12であり、NRC3=16、NRC1/NEL1=16/12である。したがって、NRC3/NEL3>NRC1/NEL1を満たす。また、4画素分の区域の導電体部材15の数は、画素回路領域1で26個(うち、基準コンタクト150用が2個)である。これに対して、中間領域3では、4画素分の区域と同形状、同面積の区域に導電体部材15が24個(うち、基準コンタクト150用が16個)ある。したがって、0.8≦DCP3/DCP1≦1.2の関係を満足している。
撮像装置1000の第3実施形態にかかる断面構造について説明する。第3実施形態では、画素回路領域1に、複数の導光路(光導波路)が設けられている点が第1〜3実施形態と異なる。以下の説明において言及しない点は、第1〜3実施形態と同様にすることができる。図6(a)は、図1のA−B線における断面図であり、図4(a)に対応している。第1実施形態と共通の部材には共通の符合をつけてある。
画素回路領域1には各々が層間絶縁膜20を貫通する複数の導光部41が、光電変換部111に対応して配列されている。各導光部41が、透光部50から光電変換部111への導光路を成す。導光部41は、誘電体部材40で構成される。導光部41としての誘電体部材40は、少なくともその一部が層間絶縁膜20の絶縁体層で囲まれた、誘電体からなる部材である。導光部41に入射した光は、導光部41と層間絶縁膜20の界面における反射によって光電変換部111に導かれる。これは、導光部41を構成する誘電体部材40として、絶縁体層とは異なる屈折率および誘電率を有する誘電体を用いることで実現できる。特に、絶縁体層よりも高い屈折率を有する誘電体を用いて導光部41を構成することは、絶縁体層と導光部41との間に全反射を生じさせることができるので好適である。例えば、誘電体部材40を構成する誘電体としては、ポリイミドやアクリル、シロキサンなどの樹脂や窒化シリコンや酸窒化シリコン、酸化シリコンなどのシリコン化合物を用いることができる。あるいは、導光部41に入射した光は、導光部41と層間絶縁膜20の間に設けられた領域と導光部41との界面における反射によって光電変換部111に導かれる。上記領域を構成する物質としては、気体やポーラス材料など、導光部41を構成する誘電体より低い屈折率を有する材料や金属光沢を有する金属材料が挙げられる。金属光沢による金属反射を用いる場合には、誘電体部材40の屈折率は、誘電体部材40を囲む絶縁体層の屈折率と異ならなくてもよい。
導光部41の上には、層間絶縁膜20の上に設けられ、複数の導光部41を連結する連結部42が設けられている。導光部41と連結部42は同じ材料で構成された誘電体であり、導光部41と連結部42が一体となった誘電体部材40が複数の画素に渡って連続的に配置されている。連結部42を無くして、各々が導光部41をなす複数の誘電体部材40を画素毎に孤立して配置することもできる。
誘電体部材40の上には、第5絶縁体層25が設けられている。第5絶縁体層25はパッシベーション膜26と誘電体部材40の間に位置する。第5絶縁体層25はパッシベーション膜26よりも低い屈折率を有しており、パッシベーション膜26から第5絶縁体層25へ入射した光は、スネルの法則に従って集光されて誘電体部材40に入射する。
画素回路領域1においては、受光画素領域101に加えて、第1基準画素領域102におよび第2基準画素領域103にも導光部41と同じ誘電体で構成されたダミー導光部411が配されている。第1基準画素領域102と第2基準画素領域103のダミー導光部411は導光部41と同じ深さまで設けられている。そのため、ダミー導光部411は、受光画素領域101の導光部41が貫通する絶縁体層をすべて貫通している。本来、導光する必要のない第1基準画素領域102や第2基準画素領域103にダミー導光部411を設けることで、信号処理に用いる参照信号のノイズレベルをより受光画素領域101のノイズレベルに近似することができる。
本実施形態においては、画素回路領域1に加えて、中間領域3にも導光部41と同じ誘電体で構成されたダミー導光部413が設けられている。中間領域3のダミー導光部413は導光部41と同じ深さまで設けられている。そのため、ダミー導光部413は、画素回路領域1の導光部41が貫通する絶縁体層をすべて貫通している。
したがって、画素回路領域1および中間領域3には、任意の絶縁体層を貫通する誘電体部材40が位置している。ここで導光部41やダミー導光部411、413を構成する、絶縁体層を貫通する誘電体部材40の画素回路領域1における占有率をDLG1とし、誘電体部材40の中間領域3における占有率をDLG3とする。この場合、特定層は誘電体部材40であり、非特定層は導光部41が貫通する絶縁体層に該当する。
上記DLG1、DLG3に関して、
0.50≦DLG3/DLG1≦1.50・・・(6a)
の関係を満足することが好ましい。さらに、
0.90≦DLG3/DLG1≦1.10・・・(6b)
の関係を満足することがより好ましい。
また、導光部41やダミー導光部411、413を構成する誘電体部材40の画素回路領域1における平面レイアウトと、中間領域3における平面レイアウトとの一致率は、50%以上であることが好ましい。これらの一致率は75%以上であることがより好ましく、一致率が90%以上であるとさらに好ましく、一致率が100%であることが最も好ましい。
導光部413およびダミー導光部411、413はそれぞれ、次のような工程を経て形成される。まず、層間絶縁膜20にその複数の絶縁体層を貫通する孔を複数形成する。誘電体部材40は、その孔に誘電体材料を埋め込むことで形成される。孔に埋め込まれた誘電体部材40の上面には、必要に応じて平坦化処理が施される。
図6(b)は、撮像装置1000の第3実施形態における、図1(a)において点線Eで囲んだ区域の、ダミー導光部411(または導光部41)およびダミー導光部413を成す誘電体部材40の平面レイアウトの一例である。図6(b)には、第1配線層31、第2配線層32のレイアウトと合わせて記載している。ダミー導光部411、413を構成する誘電体部材40の画素回路領域1における平面レイアウトと、中間領域3における平面レイアウトとのは一致している。ダミー導光部411(および導光部41)とダミー導光部413の寸法や形状は一致しており、また、複数のダミー導光部411の配列ピッチと複数のダミー導光部413の配列ピッチは一致している。このような形態は、第2実施形態や第3実施形態にて説明したように、第1配線層31や第2配線層32のパターンを、画素回路領域1と中間領域3とで類似、近似、酷似あるいは一致させることで可能となる。これにより、中間領域3においてダミー導光部413が第1配線層31や第2配線層32に干渉することがない。したがって、ダミー導光部413の配置を、導光部411やダミー導光部413に類似、近似、酷似あるいは一致させることが可能となる。