JP6624385B2 - ダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法 - Google Patents

ダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法に係り、特に高速で回転するダイシング用ブレードによって半導体ウェーハ等のワークをチップ毎に切断するダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法に関する。
半導体製造工程では、半導体ウェーハ等のワークの表面に各種の処理を施して、電子デバイスを有する複数の半導体素子を製造する。半導体素子の各チップは、検査装置によって電気的特性が検査された後、ダイシング装置の高速で回転するダイシング用ブレード(以下、ブレードと言う。)によってチップ毎に切断加工される。ブレードとしては、例えば、ダイヤモンド等の砥粒をニッケルで電着したものが用いられる。
ダイシング装置では、ブレードの使用が繰り返されると、研削屑が砥粒間に堆積して目詰まりが生じたり、砥粒の先端が摩耗したりしてブレードの切れ味が低下する。ブレードの切れ味が低下した場合は、目詰まりを解消したり、摩耗した砥粒を脱落させて新たな切刃を創出したりするドレッシング作業が行われる。このようなドレッシング作業は、回転するブレードをドレス部材の表面に押し付けて、ドレス部材の表面(加工面とも言う。)にブレードによる切込溝を形成することにより行われる。なお、ドレス部材は、ドレスプレートやドレッシングプレートと称される場合もある。
特許文献1には、ドレスプレートが搭載されたダイシング装置が開示されている。特許文献1のダイシング装置は、方形のドレスプレートを保持するドレス台(ドレス部材保持部)を有し、このドレス台が、テーブルと一体的に移動するテーブルカバーの上面に設けられている。特許文献1のダイシング装置によれば、加工中のワークをテーブルから取り外すことなく、つまり、ワークのアライメントをやり直すことなく、ドレス台に保持されたドレスプレートの表面をブレードで切り込んで、ブレードのドレッシング作業を行うことができる。
特開2013−120794号公報
ドレスプレートが搭載されたダイシング装置では、定形(例えば、一辺が75mm)のドレスプレートを用いてより多くのドレッシングを実施するために、ブレードによる切込溝の切込ピッチを非常に小さく設定することが要求される。
しかしながら、従来のダイシング装置では、ブレードの厚さにもよるが、切削ピッチを非常に小さく(例えば、200μm未満)設定した場合、ブレードによる切込溝の本数がドレスプレートの加工面の半分にも満たない状態からドレスプレートの厚さ方向の応力バランスが崩れ、ドレスプレートに反り力が発生し、ドレス台からドレスプレートが脱落したり、ドレス台から剥離したドレスプレートの反ったエッジに、ブレードが干渉したりする場合があった。すなわち、切込溝の切削ピッチを非常に小さく設定すると、ドレスプレートに生じた反り力が、ドレス台による吸着保持力を上回るという現象が生じた。このような問題は、真空ポンプ等からなる吸引装置を能力の高いものに交換し、ドレス台による吸着保持力を向上させれば解消できるが、ダイシング装置が高額になり、かつダイシング装置のランニングコストも高騰するので好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ドレス部材保持部の吸着保持力を十分に活用することで、ドレス部材に対するドレス部材保持部の吸着保持力を向上させることができるダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法を提供することを目的とする。
本発明のダイシング装置は、本発明の目的を達成するために、ワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークに切削溝を加工するブレードと、ワークテーブルとブレードとを相対的に第1方向に移動させてワークに対し切削溝を第1方向に沿って形成させる送り機構と、ブレードをドレッシングするドレス部材を吸着保持するドレス部材保持部と、を備えたダイシング装置において、ドレス部材保持部に吸着保持されたドレス部材は、ブレードが押し付けられてブレードが第1方向に相対的に移動されることにより第1方向に沿った切込溝が形成され、ドレス部材は、板状に構成されてドレス部材保持部に吸着保持される側の第1面とブレードをドレッシングする側の第2面と、を有し、ドレス部材の第1面が、緩衝材を介してドレス部材保持部に吸着保持される。
本発明のダイシング用ブレードのドレッシング方法は、本発明の目的を達成するために、ワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークに切削溝を加工するブレードと、ワークテーブルとブレードとを相対的に第1方向に移動させてワークに対し切削溝を第1方向に沿って形成させる送り機構と、ブレードをドレッシングするドレス部材を吸着保持するドレス部材保持部と、を備えたダイシング装置において、ドレス部材保持部に吸着保持されたドレス部材は、ブレードが押し付けられてブレードが第1方向に相対的に移動されることにより第1方向に沿った切込溝が形成され、ドレス部材は、板状に構成されてドレス部材保持部に吸着保持される側の第1面とブレードをドレッシングする側の第2面と、を有し、ドレス部材の第1面を、緩衝材を介してドレス部材保持部に吸着保持した状態で、ドレス部材の第2面に対しブレードによって複数の切込溝を第1方向に沿って形成する第1ドレッシング工程と、を備える。
本発明は、以下の点に着目してなされたものである。すなわち、ドレス部材保持部にドレス部材を直接吸着させるだけで、ドレス部材は十分な保持力をもってドレス部材保持部に吸着保持される。このような実績に基づいて、従来の保持形態(直接吸着保持形態)に何ら工夫を施すことなくブレードのドレッシングを行ったところ、切削ピッチを大きく(例えば、200μm以上)設定した場合には問題は生じなかったが、切削ピッチを非常に小さく(例えば、200μm未満)設定した場合には、ドレス部材に生じた反り力がドレス部材保持部の吸着保持力を上回り、ドレス部材保持部からドレス部材が脱落する等の問題が発生した。
そこで、本発明は、能力の高い吸引装置に交換することなく、ドレス部材保持部が持つ本来の吸着保持力を十分に活用するために、ドレス部材の第1面を、緩衝材を介してドレス部材保持部に吸着保持させた。これにより、本発明によれば、ドレス部材保持部の吸着保持力を十分に活用することができる。そして、切削ピッチを非常に小さく設定して、ドレス部材の第2面に対しドレッシング(第1ドレッシング工程)を実施しても、緩衝材を利用したことによるドレス部材保持部の吸着保持力が、ドレス部材に生じた反り力よりも上回っているので、ドレス部材保持部からドレス部材が脱落する等の問題を解消することができる。
本発明のダイシング装置の一態様は、ドレス部材の第1面には、第1方向に直交する方向に沿った切込溝が形成されていることが好ましい。
本発明の一態様によれば、ドレス部材の第2面を利用してブレードのドレッシングを行うと、ドレス部材とブレードとの間で発生する摩擦抵抗によって、ドレス部材にはブレードの相対的な移動方向である第1方向に力が作用する。このとき、緩衝材に貼り付けられているドレス部材の第1面には、第1方向に直交する方向に沿った切込溝が形成されている。これにより、ドレス部材に作用する第1方向の力に対し、切込溝を有する第1面と緩衝材との間で生じる摩擦力が抗するので、ドレス部材が緩衝材に対して第1方向にずれるのを防止することができる。よって、ドレス部材のずれに起因するブレードのドレッシング不良を防止することができる。
本発明のダイシング用ブレードのドレッシング方法の一態様は、第1ドレッシング工程の終了後、ドレス部材保持部に吸着保持された緩衝材からドレス部材を取り外し、ドレス部材を反転してドレス部材の第2面を緩衝材に貼り付ける貼付工程と、ドレス部材の第1面に対しブレードによって複数の切込溝を第1方向に沿って形成する第2ドレッシング工程と、を備えることが好ましい。
本発明の一態様によれば、ドレス部材の第1面及び第2面をブレードのドレッシングに利用することができるので、一つのドレスプレートを用いてより多くのドレッシングを実施することができる。
本発明のダイシング用ブレードのドレッシング方法の一態様は、貼付工程において、ドレス部材の第2面に形成された切込溝の方向が、第2ドレッシング工程における第1方向に直交する方向となるように第2面を緩衝材に貼り付けることが好ましい。
本発明の一態様によれば、第2ドレッシング工程において、ドレス部材の第1面を利用してブレードのドレッシングを行うと、ドレス部材とブレードとの間で発生する摩擦抵抗によって、ドレス部材にはブレードの相対的な移動方向である第1方向に力が作用する。このとき、緩衝材に貼り付けられているドレス部材の第2面には、第1方向に直交する方向に沿った切込溝が形成されている。これにより、ドレス部材に作用する第1方向の力に対し、切込溝を有する第2面と緩衝材との間で生じる摩擦力が抗するので、ドレス部材が緩衝材に対して第1方向にずれるのを防止することができる。よって、ドレス部材のずれに起因するブレードのドレッシング不良を防止することができる。
本発明によれば、ドレス部材保持部の吸着保持力を十分に活用することで、ドレス部材に対するドレス部材保持部の吸着保持力を向上させることができる。
実施形態のダイシング装置の外観図 図1に示したダイシング装置の加工部の構成を示した斜視図 図2に示した加工部の要部拡大斜視図 第1実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図 第2実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図 第3実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図 (A)、(B)、(C)は図6に続く第3実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図 第3実施形態に係るブレードのドレッシング方法のフローチャート
以下、添付図面に従って本発明に係るダイシング装置及びダイシング用ブレードのドレッシング方法の好ましい実施形態について詳説する。
〔ダイシング装置10の全体構成〕
図1は、実施形態のダイシング装置10の全体斜視図である。
ダイシング装置10は、一対のブレード12、12が対向して配置されたツインスピンドルダイサーと称されるダイシング装置である。このダイシング装置10は、先端部に装着されたブレード12を高速回転させる高周波モータ内蔵型の一対のスピンドル14と、半導体ウェーハ等のワークWが載置されてワークWを吸着保持するワークテーブル16と、を有する加工部18を備える。また、ダイシング装置10には、加工済みのワークWをスピン洗浄する洗浄部20、複数枚のワークWを収納したカセットが載置されるロードポート22、及びワークWを搬送する搬送装置24がそれぞれ所定の位置に配置されるとともに、ダイシング装置10の各部材の動作を統括制御する制御部26が内蔵されている。制御部26は、CPU、メモリ、入出力回路部及び各種制御回路部等から構成される。
<加工部18>
図2は、加工部18の構造を示す斜視図である。
加工部18は、Xテーブル34を備える。Xテーブル34は、Xベース28に設けられたXガイド30、30によってガイドされ、送り機構であるリニアモータ32によって矢印X−Xで示すX方向(第1方向)に駆動される。また、Xテーブル34の上面にはθ方向に回転する回転テーブル36が固定され、この回転テーブル36にワークテーブル16が設けられている。よって、ワークテーブル16は、Xテーブル34によってX方向に移動され、かつ回転テーブル36によってθ方向に回転される。すなわち、ワークテーブル16とブレード12とが相対的に第1方向であるX方向に移動される。
また、加工部18は、Xベース28を跨ぐように門型に構成されたYベース38を備える。Yベース38の壁面には、一対のYテーブル42、42が設けられる。一対のYテーブル42、42は、Yベース38の壁面に固定されたYガイド40、40によってガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Y−Yで示すY方向に駆動される。
Yテーブル42、42には、それぞれZテーブル44、44が設けられる。Zテーブル44、44は、Yテーブル42に設けられた不図示のZガイドにガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Z−Zで示すZ方向に駆動される。Zテーブル44、44にはスピンドル14、14が対向した状態で固定され、スピンドル14、14の先端部に装着されたブレード12、12が対向配置される。
上記の加工部18の構成により、ブレード12、12はY方向にインデックス送りされるとともにZ方向に切り込み送りされ、ワークテーブル16はX方向に切削送りされるとともにθ方向に回転される。これにより、ワークWは、ブレード12によって切削溝が加工される。これらの動作は制御部26(図1参照)によって制御される。
ここで、前述のX方向とは水平方向における一つの方向を指し、Y方向とは水平方向においてX方向に直交する方向を指す。また、Z方向とはX方向及びY方向にそれぞれ直交する鉛直方向を指し、θ方向とは鉛直軸を中心軸とする回転方向を指す。また、ブレード12としては、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒をニッケルで電着した電着ブレードの他、金属粉末を混入した樹脂で結合したメタルレジンボンドのブレード等が用いられる。
なお、不図示であるが、Zテーブル44、44のうち一方のZテーブル44には、ワークWの上面を観察する撮像手段が取り付けられている。撮像手段にはCCDカメラが組み込まれており、ワークテーブル16に保持されたワークWがCCDカメラによって撮像される。CCDカメラで撮像されたワークWの画像は、制御部26に設けられた画像処理装置によってパターンマッチング処理され、ワークWのアライメントが行われる。
〔ドレスプレート50及びドレス台52〕
図3は、Xテーブル34を含むその近傍の要部拡大斜視図である。
図2及び図3の如く、ダイシング装置10は、加工中のワークWをワークテーブル16から取り外すことなく、つまりワークWのアライメントをやり直すことなく、ブレード12、12のドレッシング作業を実施可能とするため、板状に構成されたドレス部材であるドレスプレート50が装着される。ドレスプレート50は、Xテーブル34の上面に配置されたステンレス製のドレス部材保持部であるドレス台52、52に緩衝材54を介して吸着保持される。ドレス台52、52は、Xテーブル34の上面に固定されたブラケット56に固定されることによって、Xテーブル34の上面から上方に離間して配置される。これにより、ドレス台52に吸着保持されたドレスプレート50の上面がワークテーブル16の上面に対して、Z軸方向の高さ位置が略同じ位置、又は好ましくは同一位置となるように配置される。
緩衝材54は、フィルム状の基材の上面に粘着層が形成された通気性の無い矩形状のシートである。緩衝材54の基材は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン又は塩化ビニル等の樹脂製であり、この基材の上面にドレスプレート50の下面を着脱自在に貼り付ける粘着層が形成される。また、基材の下面がドレス台52に吸着保持される。緩衝材54としては、ダイシング装置の分野で使用されるダイシングテープを利用することができる。
以上の如く、実施形態のドレスプレート50は、板状に構成されてドレス台52に吸着保持される側の下面である第1面50Aとブレード12をドレッシングする側の上面である第2面50Bと、を有し、ドレスプレート50の第1面50Aが、緩衝材54を介してドレス台52に吸着保持される。
一方、ドレス台52にドレスプレート50を吸着保持する形態としては、例えばドレス台52の上面に十字状の溝52Aを形成し、この溝と不図示の真空ポンプ等からなる吸引装置とを接続し、吸引装置を駆動して溝52Aにドレスプレート50を吸着させて保持する形態が好ましい。この吸引装置として、ワークテーブル16の吸引装置を兼用することができるので、装置スペースの有効活用やコストアップの増加を防ぐことができる。また、吸引装置による吸引を停止するだけで、ドレス台52からドレスプレート50を容易に取り外すことができる。
〔ダイシング装置10によるダイシング加工方法〕
まず、ワークテーブル16の上面にワークWを載置してワークWを吸着保持する。次に、ワークテーブル16に吸着保持されたワークWを撮像手段によって撮像し、ワークWの上面の所望のストリートとブレード12、12の加工位置を合わせるアライメント作業を行う。
アライメント作業が終了すると、スピンドル14、14を起動させてブレード12、12を高速回転させるとともに、スピンドル14、14の先端に設けた各種ノズルから切削水及び洗浄水をブレード12、12に向けて供給する。
この状態でワークテーブル16をX方向に研削送りするとともに、スピンドル14、14をZ方向に切り込み送りを行う。これにより、ワークWがストリートに沿ってダイシング加工される。1ライン加工する毎にスピンドル14、14はY方向にインデックス送りされ、一方向の加工が終了するとワークテーブル16が90度回転してワークWが格子状にダイシング加工されていく。
このようにして加工対象の全てのストリートのダイシング加工が完了すると、ワークWは多数のチップに切断分割される。この後、ワークWを吸着保持しているワークテーブル16が所定のワーク交換部に移動され、次に加工すべきワークWと交換される。この後、上述した加工手順に従って、新たな加工対象となるワークWのダイシング加工が実施される。
〔第1実施形態に係るブレード12のドレッシング方法〕
図4は、第1実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図である。
図4によれば、ドレスプレート50の下面である第1面50Aが緩衝材54の上面に貼り付けられ、緩衝材54の下面がドレス台52に吸着された状態が示されている。すなわち、図4には、ドレスプレート50の第1面50Aを、緩衝材54を介してドレス台52に吸着保持した状態で、ドレスプレート50の上面である第2面50Bに対しブレード12によって複数の切込溝58、58…を、第1方向であるX方向に沿って形成するドレッシング作業が示されている。
ドレッシング作業は、ワークWのダイシング加工が行われている間、ブレード12、12をそれぞれ対応するドレスプレート50、50の位置まで移動させてドレスプレート50、50に押し付け、加工面である第2面50Bに対し、X方向に相対的に移動させ、数ライン〜数十ライン切り込む。また、ドレッシングの深さAは、例えば200μm程度である。このようなドレッシング作業は、定期的に実施される。また、ドレッシング作業は、加工中のワークWをワークテーブル16から取り外すことなく実施される。ドレッシング作業は、ストリートを1ライン加工する毎に実施してもよいし、複数ライン加工する毎に実施してもよい。ドレッシング作業を行う頻度については、ワークWの材質や加工精度に応じて適宜決定される。そして、ドレッシング作業の終了後、ワークWの加工が再開される。
本発明のブレード12のドレッシング方法は、以下の点に着目してなされたものである。従来において、ドレスプレート50は、ドレス台52にドレスプレート50を直接吸着させるだけで、ドレス台52に十分な保持力をもって吸着保持されていた。このような実績に基づいて、従来の保持形態(直接吸着保持形態)に何ら工夫を施すことなくブレード12のドレッシングをドレスプレート50にて実施したところ、切込溝58の切削ピッチPを大きく(例えば、200μm以上)設定した場合には問題は生じなかったが、切削ピッチPを非常に小さく(例えば、200μm未満)設定した場合には、ドレスプレート50に生じた反り力がドレス台52の吸着保持力を上回り、ドレス台52からドレスプレート50が脱落する等の問題が発生した。
そこで、本発明は、能力の高い吸引装置に交換することなく、ドレス台52が持つ本来の吸着保持力を十分に活用するために、ドレスプレート50の第1面50Aを、緩衝材54を介してドレス台52に吸着保持させた。
これにより、本発明によれば、ドレス台52の吸着保持力を十分に活用することができる。そして、切削ピッチPを非常に小さく設定して、ドレスプレート50の第2面50Bに対し図4の如くドレッシングを実施しても、緩衝材54を利用したことによるドレス台52の吸着保持力が、ドレスプレート50に生じた反り力よりも上回っているので、ドレス台52からドレスプレート50が脱落する等の問題を解消することができる。
また、ドレスプレート50の第1面50Aに、ドレスプレート50の型番等を示す凹凸の印字が形成されている場合は、ドレス台52による吸着力を更に低下させる要因となっていたが、緩衝材54を介在させることにより、ドレスプレート50の第1面50Aに対して最適な保持力を確保することができる。
〔第2実施形態に係るブレード12のドレッシング方法〕
図5は、第2実施形態に係るブレードのドレッシング方法の説明図であり、図4に示したドレッシング方法と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5に示す第2実施形態のドレッシング方法は、ドレスプレート50の第1面50Aに、X方向に直交するY方向に沿った切込溝60を所定のピッチで複数本形成し、この第1面50Aを緩衝材54に貼り付けてドレッシングを実施するものである。
本発明のドレッシング方法は、ドレスプレート50の第2面50Bを利用してブレード12のドレッシングを行うと、ドレスプレート50とブレード12との間で発生する摩擦抵抗によって、ドレスプレート50にはブレード12の相対的な移動方向であるX方向に力が作用する。このとき、緩衝材54に貼り付けられているドレスプレート50の第1面50Aには、X方向に直交する方向に沿った切込溝60が形成されている。これにより、ドレスプレート50に作用するX方向の力に対し、切込溝60を有する第1面50Aと緩衝材54との間で生じる摩擦力が抗するので、ドレスプレート50が緩衝材54に対してX方向にずれるのを防止することができる。よって、ドレスプレート50のずれに起因するブレード12のドレッシング不良を防止することができる。
なお、第2実施形態のドレッシング方法を実施するための切込溝60の本数は、1本でもよいが、ずれ防止機能を十分に発揮するには、図5の如く第1面50Aの全面に複数本の切込溝60を形成することが好ましい。
〔第3実施形態に係るブレード12のドレッシング方法〕
図6は、第3実施形態に係るブレード12のドレッシング方法の説明図である。図7(A)、(B)、(C)は図6に続く第3実施形態に係るブレード12のドレッシング方法の説明図である。図8は、第3実施形態に係るブレード12のドレッシング方法のフローチャートである。
第3実施形態のドレッシング方法は、まず、図6の如く、ドレスプレート50の第1面50Aを、緩衝材54を介してドレス台52に吸着保持した状態で、ドレスプレート50の第2面50Bに対しブレードによって複数の切込溝58、58…を第1方向に沿って形成する第1ドレッシング工程(図8参照:Step(S)100)を備える。第1ドレッシング工程での効果は、図4に示した第1実施形態のドレッシング方法と同一なので、ここでは説明を省略する。
次に、第1ドレッシング工程の終了後、図7(A)の如く、ドレス台52に吸着保持された緩衝材54からドレスプレート50を取り外す。そして、図7(B)の如く、ドレスプレート50を反転してドレスプレート50の第2面50Bを緩衝材54に貼り付ける貼付工程(図8参照:S110)を備える。
次に、図7(C)の如く、ドレスプレート50の第1面50Aに対しブレード12によって複数の切込溝58をX方向に沿って形成する第2ドレッシング工程(図8参照:S120)を備える。
第3実施形態のドレッシング方法によれば、ドレスプレート50の第1面50A及び第2面50Bをブレード12のドレッシングに利用することができるので、一つのドレスプレート50を用いてより多くのドレッシングを実施することができる。
ところで、図7(B)及び図8で示した貼付工程(S110)では、ドレスプレート50の第2面50Bに形成された切込溝58の方向が、図7(C)で示した第2ドレッシング工程(S120)におけるX方向に沿うように第2面50Bを緩衝材54に貼り付けてもよいが、これでは、ドレッシング中にドレスプレート50が緩衝材54に対して位置ずれする場合がある。
このため、第3実施形態のドレッシング方法では、貼付工程(S110)において、ドレスプレート50の第2面50Bに形成された切込溝58の方向が、図7(C)で示した第2ドレッシング工程(S120)におけるX方向に直交するY方向となるように第2面50Bを緩衝材に貼り付けている。この効果は以下の通りである。
すなわち、第2ドレッシング工程(S120)において、ドレスプレート50の第1面50Aを利用してブレード12のドレッシングを行うと、ドレスプレート50とブレード12との間で発生する摩擦抵抗によって、ドレスプレート50にはブレード12の相対的な移動方向であるX方向に力が作用する。このとき、緩衝材54に貼り付けられているドレスプレート50の第2面50Bには、X方向に直交する方向に沿った切込溝58が形成されている。これにより、ドレスプレート50に作用するX方向の力に対し、切込溝58を有する第2面50Bと緩衝材54との間で生じる摩擦力が抗するので、ドレスプレート50が緩衝材54に対してX方向にずれるのを防止することができる。よって、ドレスプレート50のずれに起因するブレード12のドレッシング不良を防止することができる。
W…ワーク、10…ダイシング装置、12…ブレード、14…スピンドル、16…ワークテーブル、18…加工部、20…洗浄部、22…ロードポート、24…搬送装置、26…制御部、28…Xベース、30…Xガイド、32…リニアモータ、34…Xテーブル、36…回転テーブル、38…Yベース、40…Yガイド、42…Yテーブル、44…Zテーブル、50…ドレスプレート、52…ドレス台、54…緩衝材、56…ブラケット、58…切込溝、60…切込溝

Claims (5)

  1. ワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置されたワークに切削溝を加工するブレードと、前記ワークテーブルと前記ブレードとを相対的に第1方向に移動させて前記ワークに対し前記切削溝を前記第1方向に沿って形成させる送り機構と、前記ブレードをドレッシングするドレス部材を吸着保持するドレス部材保持部と、を備えたダイシング装置において、
    前記ドレス部材保持部に吸着保持された前記ドレス部材は、前記ブレードが押し付けられて前記ブレードが前記第1方向に相対的に移動されることにより前記第1方向に沿った切込溝が形成され、
    前記ドレス部材は、板状に構成されて前記ドレス部材保持部に吸着保持される側の第1面と前記ブレードをドレッシングする側の第2面と、を有し、前記ドレス部材の前記第1面が、前記ドレス部材保持部の吸着保持力の低下を緩衝する緩衝材を介して前記ドレス部材保持部に吸着保持され
    前記緩衝材は、フィルム状の基材の上面に粘着層が形成された通気性の無いシートである、
    ダイシング装置。
  2. 前記ドレス部材の前記第1面には、前記第1方向に直交する方向に沿った切込溝が形成されている、請求項1に記載のダイシング装置。
  3. ワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置されたワークに切削溝を加工するブレードと、前記ワークテーブルと前記ブレードとを相対的に第1方向に移動させて前記ワークに対し前記切削溝を前記第1方向に沿って形成させる送り機構と、前記ブレードをドレッシングするドレス部材を吸着保持するドレス部材保持部と、を備えたダイシング装置において、
    前記ドレス部材保持部に吸着保持された前記ドレス部材は、前記ブレードが押し付けられて前記ブレードが前記第1方向に相対的に移動されることにより前記第1方向に沿った切込溝が形成され、
    前記ドレス部材は、板状に構成されて前記ドレス部材保持部に吸着保持される側の第1面と前記ブレードをドレッシングする側の第2面と、を有し、
    前記ドレス部材の前記第1面を、前記ドレス部材保持部の吸着保持力の低下を緩衝する緩衝材を介して前記ドレス部材保持部に吸着保持した状態で、前記ドレス部材の前記第2面に対し前記ブレードによって複数の切込溝を前記第1方向に沿って形成する第1ドレッシング工程と、を備え
    前記緩衝材は、フィルム状の基材の上面に粘着層が形成された通気性の無いシートである、
    ダイシング用ブレードのドレッシング方法。
  4. 前記第1ドレッシング工程の終了後、前記ドレス部材保持部に吸着保持された前記緩衝材から前記ドレス部材を取り外し、前記ドレス部材を反転して前記ドレス部材の前記第2面を前記緩衝材に貼り付ける貼付工程と、
    前記ドレス部材の前記第1面に対し前記ブレードによって複数の切込溝を前記第1方向に沿って形成する第2ドレッシング工程と、を備える、
    請求項3に記載のダイシング用ブレードのドレッシング方法。
  5. 前記貼付工程において、
    前記ドレス部材の前記第2面に形成された切込溝の方向が、前記第2ドレッシング工程における前記第1方向に直交する方向となるように前記第2面を前記緩衝材に貼り付ける、
    請求項4に記載のダイシング用ブレードのドレッシング方法。
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