JP6620115B2 - ホスゲンの安全な製造のための方法 - Google Patents

ホスゲンの安全な製造のための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6620115B2
JP6620115B2 JP2016571418A JP2016571418A JP6620115B2 JP 6620115 B2 JP6620115 B2 JP 6620115B2 JP 2016571418 A JP2016571418 A JP 2016571418A JP 2016571418 A JP2016571418 A JP 2016571418A JP 6620115 B2 JP6620115 B2 JP 6620115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosgene
chlorine
production
soec
plant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016571418A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017524631A (ja
Inventor
ヤコブッソン・ニクラス・ベント
ヒネマン・ビーリト
ピーダスン・フリース・クラウス
シュト・ニルス・クレスチャン
Original Assignee
ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット filed Critical ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット
Publication of JP2017524631A publication Critical patent/JP2017524631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6620115B2 publication Critical patent/JP6620115B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/80Phosgene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/24Halogens or compounds thereof
    • C25B1/26Chlorine; Compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B15/00Operating or servicing cells
    • C25B15/08Supplying or removing reactants or electrolytes; Regeneration of electrolytes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B9/00Cells or assemblies of cells; Constructional parts of cells; Assemblies of constructional parts, e.g. electrode-diaphragm assemblies; Process-related cell features
    • C25B9/70Assemblies comprising two or more cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

本発明は、ホスゲンの安全な製造のための方法に関する。より具体的には、本発明は、比較的小さなプラント、すなわち1時間当たり10トン未満、好ましくは1時間当たり1トン未満の公称生産能力(nameplate capacity)を有するプラント中で、以下の反応式に従い一酸化炭素及び塩素からホスゲンを製造する方法に関する。
CO(g)+Cl(g)−>COCl(g) (1)
ここでガス状反応体であるCO及びClは、COCl、CO及びClよりも危険性がかなり少ない原料から現場で製造される。
ホスゲン(カルボニルジクロライド)は、式COClを持つ無色の毒性のガスである。これは、実質全ての化学部門において中間物及び最終生成物の製造において重要な化学品である。これは、数多くの医薬品及び他の有機化合物の合成において工業的な試薬及び構成単位として使用されている。量で見た場合の最大の用途分野は、ポリウレタンケミストリーのためのジイソシアネート類、特にトルエンジイソシアネート及び4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートの製造である。例えば、USAでは、ホスゲンの全製造量の約80%が、後にポリウレタン樹脂及び様々な農薬の製造に使用される様々なイソシアネート製品の製造のために使用されている。ホスゲン製造量の約10%は、ポリカーボネートの製造のために使用され、残りは、有機カーボネート化合物及び酸塩化物の製造に使用されている。
工業的には、ホスゲンは、精製された一酸化炭素及び塩素ガスを、触媒として役立つ多孔性活性炭の床に通すことによって製造されている。この反応は上記の等式(1)に示される。
ホスゲンのためのこの基本的な製造プロセスは、1920年代から大きくは変化しておらず、この方法は、原料である塩素と一酸化炭素の製造及び精製、これらの材料の計量添加及び混合、活性炭上でのこの混合ガスの反応、及びホスゲン生成物の凝縮と精製を含む。
この方法は、通常は、高度の自動化を使用して連続的に操業される。ホスゲンの毒性の故に、高額な安全措置が、プラント設計の不可避の部分を構成している。この反応は高速であり、そして両方の試薬に関してほぼ定量的である。大規模なプラントでは、ホスゲンは、定常状態運転で製造され、そして生成物は下流の貯蔵所を必要とする。これらのプラントには、余剰のホスゲンの全てが吸収されそして循環苛性溶液で分解されるように、保安吸収機構が備えられる。
小及び中規模ユーザー、例えば一時間当たり1トン未満のユーザーには、下流のホスゲン生成物の製造、例えば中間化学品、殺生剤及び医薬品中間物の製造は、しばしば、キャンペーン製造で行われるか、または大きなターンダウン比の要求下に行われる、というのも、製造される全てのホスゲンは即座に消費される必要があるためであり、これはなぜならば貯蔵することが危険すぎ、この理由のため厳しく規制されているためである。それ故、一時間当たり1トン未満の製造能力を持つ典型的なホスゲンプラントは、若干低いホスゲン品質を許容可能である場合には、30%までの、更には10%までのターンダウン比に適合することができる。
多くの特許及び特許出願が、上記の反応によるホスゲンの製造法を記載している。例えば、DE19916856A1(特許文献1)は、CO、Cl及び金属ハロゲン化物(AlまたはGa塩化物)触媒からホスゲンを製造する方法を記載している。WO98/28227A1(特許文献2)では、活性金属含有率が≧1000ppmの炭素触媒が使用されており、JP10120410A2(特許文献3)は、Clと、Hを最大で6モル%含むCOとを使用している。ホスゲン生成物の黄変化は、CO中のH含有率を減らすことによって防がれる。US4,073,806B(特許文献4)によれば、ホスゲンは、複数段階の接触相互反応によって塩素及び一酸化炭素から製造され、この場合、塩素要求量の全て及び一酸化炭素要求量の一部、ただし全要求量未満を第一段階の反応域に導入し、残りの必要な一酸化炭素を、上記の第一段階の反応域に直列に接続された一つまたは複数の下流の反応域に導入する。最後に、US2013/0072717(特許文献5)は、固形触媒の存在下のCO及びClの気相反応によってホスゲンを製造するための反応器を記載しており、上記反応器は、複雑なデザインパターンで反応器の長手方向に整列された並行な触媒管の束を有する。
この反応は強発熱性であり;生成エンタルピーは−107.6kJ/モルであり、それ故、反応器は冷却する必要がある。典型的には、反応は、50℃と150℃との間で行われる。なぜならば200℃を超える温度では、ホスゲンは、一酸化炭素及び塩素に戻るからである。一酸化炭素は、全ての塩素が反応して、塩素不含のホスゲンが得られることを保証するために、多少過剰に使用される。この反応は、ホスゲンを冷却水で凝縮できるように、大気圧下にまたは過圧(superatmospheric pressure)下に、多くの場合には、2〜3barで行うことができる。ホスゲンの世界的な製造量は、一年当たり約三百万トンと見積もられる。
ホスゲンは、第一次世界大戦中に毒ガスとして悪名を得た極めて毒性の高いガスである。そのため、ホスゲンは、化学兵器禁止条約のスケジュール3にリストされており、そして未だに実行可能な化学兵器剤と見なされている。ホスゲンは、臭気に気づくことができず、また症状もゆっくりと現れるために、潜行性の毒である。ホスゲンの臭気検出閾値は0.4ppmであり、TLV(threshold limit value; 限界値)の四倍であり、それ故、ホスゲンの製造者並びに消費者は、ホスゲンが関与する全てのプロセスに関連して安全性に強い関心を寄せる。典型的には次のようである安全指針の二つは:
−多量の有毒化学品の貯蔵を避けること、これは、1984年のインド、ボパールでの災害から学んだ重要な教訓である、及び
−毒性が強い化学品を含む容器をヒトが取り扱うことを可能な限り避けること。致命的な事故は、ホスゲンの容器の取り扱いに関連して起こったことが知られている。
上記の指針を守るためには、ホスゲンは典型的には同じ工業用プラント中で製造及び使用される。USAでは、ホスゲン製造量の99%超が、それが製造された場所で使用される。
しかし、安全なホスゲン製造を達成するためには、ホスゲンの貯蔵及び取り扱いを避けるだけでは十分ではない。製造プロセスのための多量の危険な原料の貯蔵及び取り扱いを避けることも非常に重要である。これに関連して、特に塩素及び一酸化炭素は、厳しい健康リスクを引き起こす。
塩素は、約1ppmの濃度で存在する時に健康リスクを引き起こす。より具体的には、短期間暴露限界(STEL)としての限界値(TLV)は1ppmであり、そして8時間時間加重平均値(TWA)ベースではこれは0.5ppmである。比較すると、ホスゲンは、塩素濃度の10分の1の濃度で、すなわちTWAベースで0.1ppmの濃度で存在する時に健康リスクを引き起こす。ホスゲン製造に関連して、塩素は典型的には同じ場所で製造される。これは、例えば、大体積の塩素及び小体積の塩素の両方に使用できる方法において塩(NaCl)及び水から電気分解により行うことができる:
2NaCl+2HO−>Cl+H+2NaOH (2)
NaClの代わりに、塩化カリウム(KCl)を使用することができる:
2KCl+2HO−>Cl+H+2KOH (3)
一酸化炭素に関しては、この化合物は、100ppm未満の濃度で存在する時に健康リスクとなり、TLVは、STELベースで100ppm、TWAベースで25ppmであり、そして比較的大型のプラント(>1トン/時間)では、これは、多くの場合に、ホスゲンが製造されるのと同じ場所で製造される。この場合、一酸化炭素は、例えば、メタノールの分解:
CHOH−>2H+CO (4)
または天然ガスの改質:
CH+HO−>3H+CO (5)
のいずれかによって製造できる。
両方の場合において、H及びCOは分離しなければならない。この方法は、小規模で行う時には非常にコストのかかる手順であり、それ故、比較的小さなCO体積には向いていない。小型のホスゲンプラントでは、COは、典型的には、チューブトレーラー中に入れて配達され、これは、しばしば、中央のCO製造ユニットから数百キロメータの距離を輸送されてくる。COチューブトレーラーは、頻繁に、しばしば一日に数回交換する必要があり、これは、ホスゲン製造に関連する作業者に非常に実質的なリスクを生じさせる。それ故、比較的小型のホスゲン製造プラントに関しては、COの輸送、取り扱い及び貯蔵は、製造場所でも、大体積のCOの定期輸送に関連しても、深刻な安全リスクを引き起こす。遠隔地での小型のホスゲンプラントでは、COチューブトライラーが利用できるか否かも問題である。場合によっては、COの配達が利用できない時には、プラントは、COを生成するための他の方法、例えば現地の炭素の不足当量燃焼を使用する必要があるが、これは、効率がかなり悪く、またかなりより汚染性の高い方法である。更に、Oの痕跡量がこの方法で製造されるCOガス中に得られうる。これは望ましくない。なぜならば、Oは炭素触媒と化合してCOを形成し、それにより触媒を消費するからである。
DE19916856A1 WO98/28227A1 JP10120410A2 US4,073,806B US2013/0072717
それ故、本発明は、比較的小型のプラントで行った場合でも安全なホスゲン製造のための新規のコンセプトに関する。これに関連して、比較的小型のプラントとは、1時間当たりホスゲン10トン未満、好ましくは1時間当たりホスゲン1トン未満を製造するプラントである。この新規の製造コンセプトの一例を図1に示す。この場合、塩素を、上記の等式(2)に従い反応器A中で塩(NaCl)及び水から電気分解して製造する。COとは異なり比較的無害のガスである二酸化炭素(CO)を、以下の反応に従い反応器B中で現場で一酸化炭素に転化する。
2CO−>2CO+O (6)
次いで、反応器C中で、上記の等式(1)に従いCOをClと反応させることによってホスゲン合成を行う。
ホスゲンを製造するための該新規コンセプトは、1000ppm超または更には10000ppmまたは10%超の漏出濃度が健康リスクを全く招かない一次原料を使用することを根本とする。
新規の製造コンセプトの一例を示す図である。 SOECスタックシステムの一例を示す図である。
不可欠な一酸化炭素を製造するために必要な二酸化炭素は、例えば天然ガスまたは様々な他の炭化水素から、水性ガスシフト反応と組み合わせて上述のように改質することによって、現場で製造できる。一酸化炭素は、流出ガスの発酵からや、発電所またはエンジン排気ガスから獲得することもできるし、また合成ガスから取り出したり、または天然地下CO源から獲得することもできる。
十分に確立された技術がこの目的に利用でき、このような技術は、典型的には、COを例えばアミンを含む液相中に捕獲し、次いで大気に放出するかまたは様々なプロセスに利用する様々なスクラビング技術に基づく。これは、大気空気中に含まれる二酸化炭素から製造してもよい。
小規模から中規模の一酸化炭素の製造のためには、COは、典型的には、上述のような源で獲得され、工業的または食品等級品質を満たすように精製され、次いで液体の形態でトラックで輸送される。トラックは、COを地方の貯蔵タンクに配達し、そこでCOは液体の形態で貯蔵される。このタンクユニットには蒸発器が装備され、そしてCOは、貯蔵タンクから一酸化炭素生成プラントへと配達される。
上述の通り、COからCOへの転化は、好ましくは、図2に示す様なSOECスタックシステムにおいて電気分解して行われる。
二酸化炭素は、電流がかけられたSOECシステムの燃料側に供給され、COがCOに転化され、そして酸素の余剰分がSOECシステムの酸素側に輸送される。空気、窒素またはCOを酸素側を洗浄するために使用してよい。SOECシステムの酸素側の洗浄は二つの利点がある:
−酸素濃度及び関連する腐食作用の低減、及び
−SOECシステムへのエネルギー供給手段の提供、それによるSOECシステムの吸熱式の運転。
SOECシステムからの生成物流は混合CO及びCOを含む。これは、ホスゲン製造に直接供給できるか、または別個のプロセス、例えば圧力変動吸着法(PSA)、温度変動吸着法(TSA)、メンブレン分離法、深冷分離法または液体スクラバー技術、例えばN−メチルジエタノールアミン(MDEA)を用いた洗浄でCO濃度を高めることができる。
ホスゲン製造に関連してCOを供給するためにSOECシステムを使用することの二つの重要な利点は次にある:
−酸素副生成物がメンブレンを通過するため、CO生成物流中に酸素は存在しなくなる。
−生成物流中のCOの残留含分が、ホスゲン合成プロセスにおいて実質的に不活性であり、そしてホスゲン合成プロセスにおいて望ましくない副生成物の製造を招かない。
SOECにおける電解プロセスは、650℃と850℃との間の運転温度を必要とする。特定の運転条件、スタック構成及びスタックの完全性(integrity)に依存して、全体的な運転は熱を消費し得るか(すなわち吸熱性)、熱的に中性であり得るかまたは熱を発生し得る(すなわち発熱性)。このような高温で行われる運転はいずれも、かなりの熱損失もまねく。それ故、これは、典型的には、所望の運転温度に到達し、それを維持するために、外部加熱を必要とする。
二酸化炭素からCOを現場で製造することによって、
−毒性の化学品を多量に貯蔵する必要なく、
−ホスゲンプラントへまたはホスゲンプラントから、毒性の化学品を輸送することなく、及び
−毒性の化学品を含む容器またはタンクの連続的な交換の必要なく、
ホスゲンを製造することができるようになる。
二酸化炭素からの現場でのCOの製造も、天然ガス改質またはメタノール分解からのCO製造と比べて幾つかの重要な利点を持つ。ホスゲン製造のためのCO供給原材がメタンを含まないことが非常に重要である。なぜならば、存在するメタンは、有害な不純物であるCCl(テトラクロロメタン)を形成するためである。この不純物は、回避及び除去が困難であることで有名であり、そして完成製品、特にポリカーボネート製品の光による劣化を招く。COからの現場での製造によって得られたCOはメタンを含まない。なぜならば、商業的に入手可能なCO供給原材はメタンを含まず、そして転化の間にメタンは形成し得ないからである。HまたはHOが供給原材中に存在しないことを保証することも非常に重要である。なぜならば、これは、HClの形成を招き、腐食の問題を起こすからである。天然ガス改質またはメタノール分解によって製造されたCOはいずれも、これらの不純物を含み、他方、COから現場で製造されたCOはこれらの不純物を回避し、それによって腐食のリスクが減少し、プロセスの安全性が向上する。典型的に要求される生成物の品質はCClが<20〜80ppmである。CO供給原材についての最小の要件は、CHが<0.1体積%、Hが<0.5体積%であるが、これらの要件は、実際の生成物の品質要求に応じてより厳しいものとなり得る。酸素に関する制限は、ホスゲン反応器へのCO供給物中の酸素として、どちらかといえば操業上の問題である。CO供給物中の酸素は、ホスゲン反応器中に配置された活性炭を酸化するため、ホスゲン触媒を消費して、COを生成する。
SOECユニットからのCO生成物ガス中のCH及びHを避けるためには、十分に純粋なCO供給原材をSOECユニットに供給することが重要である。SOECに供給されるCO中のH及びHOを避けることが特に重要である。なぜならば、HOはHに転化され、これは次いでCOと化合してCHを形成する恐れがあるからである。その結果、供給原材のH及びHO含有率は、双方とも0.5%を十分に下回るのがよい。この要件は、例えば、EIGA(European Industrial Gases Association、欧州産業ガス協会)規格70/08/Eに定義されるような「食品等級CO」で満たすことができる。この規格は、湿気(水)、アンモニア、酸素、NO、揮発性炭化水素、アセトアルデヒド、ベンゼン、一酸化炭素、メタノール、シアン化水素、及び全ての硫黄に関して、COについて非常に低い限界を規定している。
SOEC一酸化炭素発生器の一つの特別な特徴は、非常に低いターンダウン比に適合でき、それにより、CO製造を、各々の場合において、ホスゲン製造に要求される原料に合わせることができることである。特に、小規模及び中規模の製造業者は、10%までの高いターンダウン比を要求する。SOECプラントは、スタックの寿命を最適に保つようにでさえ、これに応じることができる。ターンダウンは、スタックの部分集合だけを稼働させて、稼働していないスタックの寿命を保つことによって成し遂げられる。
加えて、SOECシステムからの副生成物を塩素の製造に利用すること、またはその逆、すなわち塩素製造からの副生成物をSOECシステムに利用することも可能である、すなわち:
塩素を、HCl及び酸素から得ることができる:
4HCl+O−>2Cl+2HO (7)
ここでSOECシステムからの酸素を使用し得る、及び
−SOECスタックは、リバースモードで燃料電池スタックとしても使用し得る。COプラントで最大生産能力が必要でない時はいつでも、SOECユニットの一部を、塩素プラントで製造された水素から電気エネルギーを作るために使用することが可能である。

さらに、本発明は以下の実施の態様を包含する:
(1)
以下の反応式に従う一酸化炭素及び塩素からのホスゲン(COCl )の製造方法であって、
CO(g)+Cl (g)−>COCl (g) (1)
COが、主としてCO をベースとする供給原材から現場(on site)で製造される、上記方法。
(2)
ホスゲンの公称生産能力が一時間当たり10トン未満、好ましくは1時間当たり1トン未満のプラントで行われる、前記(1)に記載の方法。
(3)
COが、ホスゲンプロセスに不活性である原料から製造される、前記(1)に記載の方法。
(4)
COが、以下の等式に従い二酸化炭素(CO )から現場で製造され、
2CO −>2CO+O (6)
CO及びCO 出口が分かれている、前記(1)に記載の方法。
(5)
COが、固体酸化物電解セル(SOEC)スタックシステム中でCO から電気分解によりその場で製造される、前記(3)に記載の方法。
(6)
COの製造のために使用されるCO のH 含有率が0.5%未満、H O含有率が0.5%未満であり、H +H Oの総濃度が好ましくは0.5%未満である、前記(1)に記載の方法。
(7)
COを製造するSOECスタックシステムが、30%未満、好ましくは10%未満のターンダウン比に適合されている、前記(5)に記載の方法。
(8)
SOECスタックシステムからの酸素の全てまたは一部が、塩素の製造に使用される、前記(5)に記載の方法。
(9)
COが、天然ガス、液状炭化水素またはエンジン排ガスからまたは大気空気中に含まれるCO から、現場で製造される、前記(3)又は(5)に記載の方法。
(10)
COプラントで最大生産能力が必要でない場合に、SOECユニットの一部が、塩素プラント中で製造される水素から電気エネルギーを作るために使用される、前記(1)〜(9)の何れか一つに記載の方法。
(11)
前記(1)〜(10)の何れか一つに記載の方法によって一酸化炭素及び塩素からホスゲンを製造するためのプラントであって、公称生産能力が1時間当たりホスゲン10トン未満、好ましくは1時間当たりホスゲン1トン未満である、プラント。
(12)
ホスゲン合成において塩素と一緒に使用するためのCOを製造する固体酸化物電解セル(SOEC)スタックシステムを含む、前記(11)に記載のプラント。
(13)
公称生産能力が1時間当たりホスゲン1トン未満の前記(11)に記載のプラントであって、30%まで、好ましくは10%までのターンダウン比に適合する前記プラント。
(14)
ホスゲンの製造が、1000ppm超または更には10000ppmまたは10%超の漏出濃度が健康リスクを招かない一次原料の使用をベースとする、前記(11)または(12)に記載のプラント

Claims (5)

  1. 以下の反応式に従う一酸化炭素及び塩素からの、1時間当たり10トン未満のホスゲン(COCl)の製造方法であって、

    CO(g)+Cl(g)−>COCl(g) (1)

    活性炭触媒の存在下に、50〜150℃の温度で、大気圧下または過圧下に、CO及びCl の反応によってホスゲンを製造し、
    COが、固体酸化物電解セル(SOEC)スタックシステム中で650〜850℃の運転温度でCOから電気分解によりその場で製造され、
    ホスゲン製造のためのCO 供給原材はメタンを含まず、
    そのCO 供給原材は0.5%未満のH 及び0.5%未満のH Oを含有する
    前記方法。
  2. COを製造するSOECスタックシステムが、ホスゲン製造に要求される原料に合わせた30%未満、好ましくは10%未満のターンダウン比に適合されている、請求項1に記載の方法。
  3. SOECスタックシステムからの酸素の全てまたは一部が、HClと酸素から得られる塩素の製造に使用される、請求項1に記載の方法。
  4. COプラントで最大生産能力が必要でない場合に、SOECユニットの一部が、NaClまたはKClおよび水から、塩素プラント中で電気分解により製造された水素から電気エネルギーを作るために使用される、請求項1〜3の何れか一つに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法によって、反応器C中で一酸化炭素及び塩素からホスゲンを製造するための比較的小型のプラントであって、このプラントは、反応器A中でNaClまたはKClおよび水から電気分解により製造された塩素と共にホスゲン合成で使用される、メタン不含で、0.5%未満のH 及び0.5%未満のH Oを含有するCO 供給原材からCOを製造する反応器Bとして固体酸化物電解セル(SOEC)スタックシステムを含む、前記プラント。
JP2016571418A 2014-06-11 2015-06-01 ホスゲンの安全な製造のための方法 Active JP6620115B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14171871.8A EP2955158B1 (en) 2014-06-11 2014-06-11 A process for safe production of phosgene
EP14171871.8 2014-06-11
PCT/EP2015/062149 WO2015189064A1 (en) 2014-06-11 2015-06-01 A process for safe production of phosgene

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017524631A JP2017524631A (ja) 2017-08-31
JP6620115B2 true JP6620115B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=50976462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016571418A Active JP6620115B2 (ja) 2014-06-11 2015-06-01 ホスゲンの安全な製造のための方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US10486972B2 (ja)
EP (1) EP2955158B1 (ja)
JP (1) JP6620115B2 (ja)
KR (1) KR102391769B1 (ja)
CN (2) CN106414321A (ja)
AU (1) AU2015273800B2 (ja)
CA (1) CA2948222C (ja)
DK (1) DK2955158T3 (ja)
EA (1) EA201790004A1 (ja)
ES (1) ES2804677T3 (ja)
TW (1) TWI676596B (ja)
WO (1) WO2015189064A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017144403A1 (en) 2016-02-26 2017-08-31 Haldor Topsøe A/S Carbon monoxide production process optimized by soec
DK3622094T3 (da) 2017-05-10 2021-09-27 Haldor Topsoe As Fremgangsmåde til reduktion af oxygenindholdet i metallisk kobber
DE102017219974A1 (de) * 2017-11-09 2019-05-09 Siemens Aktiengesellschaft Herstellung und Abtrennung von Phosgen durch kombinierte CO2 und Chlorid-Elektrolyse
KR20210018783A (ko) 2018-01-22 2021-02-18 오푸스-12 인코포레이티드 이산화탄소 반응기 제어를 위한 시스템 및 방법
EP3574991A1 (en) 2018-05-31 2019-12-04 Haldor Topsøe A/S Steam reforming heated by resistance heating
EP3744812B1 (de) * 2019-05-27 2022-01-12 Covestro Deutschland AG Verfahren zur verwertung von polyurethan material abfall zur herstellung von chemikalischen rohstoffen für die herstellung von isocyanaten und polyurethanen
US11939284B2 (en) 2022-08-12 2024-03-26 Twelve Benefit Corporation Acetic acid production
WO2024037981A1 (en) 2022-08-15 2024-02-22 Tcm-Research Ltd Selective extraction and separation of vanadium and iron
EP4345094A1 (de) * 2022-09-30 2024-04-03 Covestro Deutschland AG Verfahren zur phosgen-herstellung mit rückführung von kohlendioxid aus wertstoffrecycling

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1457493A (en) * 1922-01-11 1923-06-05 Donald B Bradner Process of making phosgene
DE2213603A1 (de) * 1972-03-21 1973-10-04 Georg Dr Messner Verfahren und vorrichtung zur elektrolytischen behandlung von chlorwasserstoff enthaltenden loesungen an graphitelktroden unter getrennthaltung der gebildeten gase chlor und wasserstoff
FR2297191A1 (fr) 1975-01-08 1976-08-06 Tolochimie Procede de fabrication de phosgene
DE3327274A1 (de) * 1983-07-28 1985-02-07 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von phosgen unter gleichzeitiger erzeugung von dampf
IL125827A (en) 1996-02-21 2001-08-08 Du Pont Phosgene manufacturing process
EP0912443B1 (en) 1996-06-28 2001-09-19 E.I. Du Pont De Nemours And Company Phosgene manufacturing process
JPH10120410A (ja) 1996-10-11 1998-05-12 Teijin Chem Ltd ホスゲンの製造方法
JP4246266B2 (ja) 1996-12-20 2009-04-02 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ホスゲンの製造方法
DE19916856A1 (de) 1999-04-14 1999-09-23 Eckert Gmbh Dr Verfahren zur Herstellung von Carbonyldichlorid aus Chlor und Kohlenmonoxid
US6402930B1 (en) * 1999-05-27 2002-06-11 De Nora Elettrodi S.P.A. Process for the electrolysis of technical-grade hydrochloric acid contaminated with organic substances using oxygen-consuming cathodes
US6602478B2 (en) * 2001-03-19 2003-08-05 General Motors Corporation Process for controlling carbon monoxide concentration out of a preferential oxidation reactor during turndown using staged multi-port air injection
JP4424991B2 (ja) 2002-02-27 2010-03-03 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ホスゲンを製造するための反応器およびホスゲンの製造方法
WO2005054128A2 (en) * 2003-12-03 2005-06-16 Ge Healthcare Limited Method and apparatus for synthesis of [11c] phosgen using concentrated [11c] carbon monoxide with uv light
DE102004041777A1 (de) 2004-08-28 2006-03-02 Bayer Materialscience Ag Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung von Phosgen
US8492587B2 (en) 2008-12-16 2013-07-23 Basf Se Reactor and process for preparing phosgene
US8591718B2 (en) 2010-04-19 2013-11-26 Praxair Technology, Inc. Electrochemical carbon monoxide production
FR2965490B1 (fr) * 2010-09-30 2013-01-11 Aet Group Dispositif et procede pour la phosgenation en continu
TWI500820B (zh) 2012-03-05 2015-09-21 製造高純度一氧化碳之設備
CN104364194B (zh) * 2012-05-02 2016-09-14 赫多特普索化工设备公司 由二氧化碳制备化合物的方法
CN103570018A (zh) * 2013-10-29 2014-02-12 嘉兴学院 一种安全的光气制备方法与装置

Also Published As

Publication number Publication date
EA201790004A1 (ru) 2017-06-30
US10486972B2 (en) 2019-11-26
TWI676596B (zh) 2019-11-11
DK2955158T3 (da) 2020-08-31
KR102391769B1 (ko) 2022-04-28
EP2955158A1 (en) 2015-12-16
AU2015273800A1 (en) 2016-12-15
US20180194632A1 (en) 2018-07-12
AU2015273800B2 (en) 2018-08-09
KR20170015309A (ko) 2017-02-08
JP2017524631A (ja) 2017-08-31
ES2804677T3 (es) 2021-02-09
CN114477180A (zh) 2022-05-13
CN106414321A (zh) 2017-02-15
WO2015189064A1 (en) 2015-12-17
TW201604132A (zh) 2016-02-01
CA2948222C (en) 2022-03-22
EP2955158B1 (en) 2020-05-27
CA2948222A1 (en) 2015-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6620115B2 (ja) ホスゲンの安全な製造のための方法
US20090028767A1 (en) Waste Treatment and Energy Production Utilizing Halogenation Processes
Brinkmann et al. Best available techniques (BAT) reference document for the production of chlor-alkali
US20090143619A1 (en) Process for the production of phosgene with reduced co emission
US7736617B2 (en) Method for recovering iodine
US10384184B2 (en) Urea plant
US9302983B2 (en) Process for preparing isocyanates
US20130144081A1 (en) Process for the preparation of isocyanates
JP2006117528A (ja) 塩素の製造方法
JP2006137669A (ja) ホスゲンの製造方法
JP2005306712A (ja) 塩素および塩酸の製造方法
US10843931B2 (en) Method, apparatus and system for manufacture of a cyanide
JP2009196826A (ja) 塩素の製造方法
JP4854193B2 (ja) ホスゲンの製造方法
Mehta et al. Low-Pressure Ammonia Production
US20220212936A1 (en) Method for producing phosgene
Anstey et al. Inherently safer technology gaps analysis study.
Qasem PRODUCTION OF AMMONIA

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20161206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6620115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250