JP6619987B2 - スクリューポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば真空ポンプとして使用される2軸型のスクリューポンプに関する。
容積移送型のドライ真空ポンプとして、例えば、2軸型のスクリューポンプが知られている。この種のスクリューポンプは、吸入口と吐出口とを有するハウジングと、ハウジングに収容された一対のスクリューロータとを備え、これら一対のスクリューロータを回転させることで吸入口から吐出口へ気体を移送するように構成される。
上記スクリューポンプにおいて、吸入口から吸入された気体は、ハウジングと各スクリューロータとの間に軸方向に沿って形成された作動空間に閉じ込められ、圧縮されながら、吐出口へ移送されることになる。2軸型のスクリューポンプは、各スクリューロータが2回転(720°)すると、吸入口側に最初の作動室を形成する。気体を積極的に圧縮するためには、一般的に、ピッチを徐々に小さくする、もしくは作動室の断面を徐々に小さくするといった方法がとられている。
ところが、ハウジングと一対のスクリューロータの構成だけでは、上記最初の作動室が吸入口から遮断されて空間を形成する前に最大容積に達し、吸入口から遮断された時にはその最大容積より小さくなってしまう場合がある。ポンプ性能を引き出すには、吸入口側の作動室の容積は大きいほど、排気容積を確保できるため、好ましいといえる。
そこで従来のスクリューポンプとしては、例えば、吸入側の作動室容積が増加状態から実質的に一定状態になったときに当該作動室を吸入口から遮断することが可能なハウジング構造を備えたもの(特許文献1参照)や、任意の回転角で吸入側の作動室を封止することが可能な封止体(環体)を各スクリューロータの端部に取り付けたもの(特許文献2参照)が知られている。
一方、ピッチや断面が一定でないスクリューロータのみでは、回転体として動バランスがとれないことが多い。この場合、各スクリューロータの端部にバランスウェイトを取り付けたり(特許文献2参照)、スクリュー部の一部を肉抜きしたり(特許文献3参照)、あるいは、各スクリューロータが相互に釣り合いをとれるように各スクリューロータの形状を最適化したり(特許文献4参照)することが知られている。
特開平6−288369号公報 特開2009−185778号公報 特表2001−503119号公報 特開2008−196505号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ハウジングの形状が複雑化するためポンプの設計及び製造コストが増加するという問題がある。また、特許文献2に記載の構成では、バランスウェイトに加えて作動室を封止する封止体を別途設ける必要があるため、部品点数が増加するとともに、上記封止体を配置するスペースが必要とるためハウジングの大型化を招くという問題がある。さらに、特許文献3,4に記載の構成では、各スクリューロータの構成の複雑化を招くとともに、高精度な加工精度が要求されるという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、部品点数の増加や構成の複雑化を招くことなく、スクリューロータの動バランスを確保しつつ、吸入側の作動室を任意の回転角で遮断することが可能なスクリューポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るスクリューポンプは、第1のスクリューロータと、第2のスクリューロータと、ハウジングと、駆動機構と、第1のバランスウェイトと、第2のバランスウェイトとを具備する。
上記第1のスクリューロータは、螺旋状の第1の歯を有する。
上記第2のスクリューロータは、上記第1の歯と噛み合う螺旋状の第2の歯を有する。
上記ハウジングは、吸入口と、吐出口とを有し、上記第1のスクリューロータと上記第2のスクリューロータとを収容する。
上記駆動機構は、上記第1のスクリューロータと上記第2のスクリューロータとを相対回転させ、上記第1のスクリューロータと上記第2のスクリューロータと上記ハウジングとの間に形成された作動空間を上記吸入口側から上記吐出口側に向けて移送する。
上記第1のバランスウェイトは、上記第1のスクリューロータの上記吸入口側の端部に固定される。
上記第2のバランスウェイトは、上記作動空間のうち最も上記吸入口側に位置する第1の作動室を上記第2のスクリューロータの所定の回転角範囲にわたって上記吸入口から遮断する閉鎖体を有する。上記第2のバランスウェイトは、上記第2のスクリューロータの上記吸入口側の端部に固定される。
上記スクリューポンプにおいて、閉鎖体は、第2のバランスウェイトの一部として構成される。これにより、部品点数の増加や構成の複雑化を招くことなく、スクリューロータの動バランスを確保しつつ、第1の作動室を任意の回転角で遮断することが可能となる。
上記閉鎖体は、上記第1の作動室が最大容積に達する回転角範囲にわたって上記第1の作動室を上記吸入口から遮断するように構成されてもよい。
これにより、第1の作動室の容積を最大限に利用することが可能となるため、ポンプ性能の向上を図れることになる。
閉鎖体の形状は特に限定されず、例えば、上記第2の歯の吸入端を部分的に遮蔽する単一の凸部で構成される。
典型的には、上記第2のバランスウェイトは、上記閉鎖体を支持するバランスウェイト本体をさらに有し、上記凸部は、上記バランスウェイト本体の回転中心から上記第2の歯の外周部まで直線的に延びる帯板形状を有する。
上記第1のスクリューロータ及び上記第2のスクリューロータはそれぞれ、上記第1の作動室を形成する不等リード部と、上記第1の作動室よりも容積が小さい第2の作動室を形成する等リード部とを有する一条のネジで構成されてもよい。これにより、各作動室を任意の形状に容易に形成することが可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、部品点数の増加や構成の複雑化を招くことなく、スクリューロータの動バランスを確保しつつ、第1の作動室を任意の回転角で遮断してポンプ性能の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスクリューポンプの内部構造を概略的に示す横断面図である。 図1における[A]−[A]線断面図である。 一対のスクリューロータの断面構造を示す横断面図である。 作動室の容積の変化を示す模式図である。 図3における[B]−[B]線断面図である。 上記一対のスクリューロータを相対回転させたときの様子を60°毎に示した正面図である。 スクリューロータの回転角と作動室の容積との関係を示している。 スクリューロータの吸入側端部から見たときのバランスウェイトの正面図である。 図3における[C]−[C]線断面図である。 上記スクリューポンプにおけるスクリューロータの回転角と作動室の容積との関係を示す図である。 上記バランスウェイトを回転させたときの様子を60°毎に示した正面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[スクリューポンプの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るスクリューポンプの内部構造を概略的に示す横断面図、図2は図1における[A]−[A]線断面図である。
なお図においてX軸、Y軸及びZ軸は、相互に直交する3軸方向を示しており、X軸方向は左右方向に、Y軸方向は前後方向にそれぞれ対応する。
本実施形態のスクリューポンプ1は、図1に示すように、第1のスクリューロータ11と、第2のスクリューロータ12と、ハウジング20と、駆動機構30と、第1のバランスウェイト41と、第2のバランスウェイト42とを備える。
(スクリューロータ)
第1及び第2のスクリューロータ11,12は、それぞれY軸方向に平行な軸心を有し、X軸方向に相互に隣接してハウジング20内に配置される。第1のスクリューロータ11は、螺旋状の第1の歯11sを有し、第2のスクリューロータ12は、第1の歯11sと噛み合う螺旋状の第2の歯12sを有する。
第1の歯11s及び第2の歯12sは、捩れ方向が互いに逆方向であるほかは、それぞれほぼ同一の形状を有する。第1の歯11sは、第1のスクリューロータ11の吸入側端部111と吐出側端部112との間に位置する軸部110の周囲に同一の径で巻回される。同様に、第2の歯12sは、第2のスクリューロータ12の吸入側端部121と吐出側端部122との間に位置する軸部120の周囲に同一の径で巻回される。
第1の歯11s及び第2の歯12sは、一方の歯が他方の歯の間(溝)に位置するように僅かな隙間をあけて相互に噛み合っている。第1の歯11sの外周面は、ロータハウジング部21の内壁面及び第2のスクリューロータ12の軸部120の外周面(歯12s間の溝の底部)に僅かな隙間をあけて対向し、第2の歯12sの外周面は、ロータハウジング部21の内壁面及び第1のスクリューロータ11の軸部110の外周面(歯12s間の溝の底部)に僅かな隙間をあけて対向している。
本実施形態において、第1のスクリューロータ11及び第2のスクリューロータ12はいずれも、不等リード部L1及び等リード部L2の2つのリード部を有する一条のネジで構成される(図2参照)。
不等リード部L1は、歯11s,12sの吸入端131,132から後方(吐出端141,142側)に向かって所定の距離にわたって形成される。不等リード部L1において、歯11s,12sの吸入端131,132は互いに同一の平面(XZ平面)上に属しており、歯11s,12sのピッチあるいは断面積が後方に向かって徐々に小さくなるように形成される。一方、等リード部L2は、不等リード部L1の後端から歯11s,12sの吐出端141,142にわたって形成される。等リード部L2においては、歯11s,12sのピッチあるいは断面積が一定となるように形成される。
(ハウジング)
ハウジング20は、金属材料で構成され、作動空間Sを形成するロータハウジング部21と、吸入口201を有するフロントハウジング部22と、吐出口202を有するリアハウジング部23とにより構成される。
吸入口201には、図示しない真空チャンバの内部空間に接続される。また、吐出口202には大気又は図示しない補助ポンプや吐出気体を処理する装置に接続される。
ロータハウジング部21は、第1の歯11s及び第2の歯12sをそれぞれ収容する一対の円筒状内壁部を有する。当該一対の円筒状内壁部は、互いに結合して一つの空間部(作動空間S)を形成するとともに、第1の歯11s及び第2の歯12sの外周面に僅かな隙間をあけて対向している。ロータハウジング部21の前端面は、歯11s,12sの吸入端131,132に整列しており、ロータハウジング部21の後端面は、歯11s,12sの吐出端141,142に整列している。
フロントハウジング部22は、ロータハウジング部21の前端面に気密に接続されており、図1に示すように、吸入口201と連通する吸入空間R1を区画する有底の浅皿形状を有する。フロントハウジング部22の前端部を構成する底部には、第1及び第2のスクリューロータ11,12の吸入側端部111,121がそれぞれ挿通されており、ベアリング331,332を介して、これら吸入側端部111,121が回転可能に支持されている。フロントハウジング部22の前端部にはカバー36が気密に固定されており、これにより吸入空間R1の気密性が確保される。
リアハウジング部23は、ロータハウジング部21の後端面に気密に接続されており、図1に示すように、吐出口202と連通する吐出空間R2を区画する有底の浅皿形状を有する。リアハウジング部23の後端部を構成する底部には、第1及び第2のスクリューロータ11,12の吐出側端部112,122がそれぞれ挿通されており、ベアリング341,342を介して、これら吐出側端部112,122が回転可能に支持されている。リアハウジング部23の後端部にはモータケース35が気密に固定されており、これにより吐出空間R2の気密性が確保される。
(駆動機構)
モータケース35の内部には、モータ31と、第1及び第2のタイミングギヤ321,322が配置されている。モータ31、第1及び第2のタイミングギヤ321,322、更にはベアリング331,332,341,342等により、駆動機構30が構成される。
モータ31の駆動軸は、第1のスクリューロータ11の吐出側端部112に連結されている。モータ31は、例えばDCモータ等で構成され、第1のスクリューロータ11をその軸まわりに所定の回転数で回転させる。
第1のタイミングギヤ321は、第1のスクリューロータ11の吐出側端部112に取り付けられており、第2のタイミングギヤ322は、第2のスクリューロータ12の吐出側端部122に取り付けられている。第1及び第2のタイミングギヤ321,322は相互に噛み合うようにX軸方向に整列して配置されており、第1のスクリューロータ11の回転駆動力を第2のスクリューロータ12へ伝達する。したがって、第1及び第2のスクリューロータ11,12は、モータ31の駆動により、相互に逆方向に相対回転することになる。駆動機構30は、第1のスクリューロータ11と第2のスクリューロータ12とロータハウジング部21との間に形成された作動空間Sを、吸入口201側から吐出口202側に向けて移送するように構成される。
図3は、ロータハウジング部21に収容されたスクリューロータ11,12の断面構造を示す横断面図である。なお図3において、フロントハウジング部22及びリアハウジング部23の図示は省略されている。
図3に示すように、作動空間Sは、第1のスクリューロータ11(第1の歯11s)とロータハウジング部21との間に形成された複数の作動室S1a〜S6aと、第2のスクリューロータ12(第2の歯12s)とロータハウジング部21との間に形成された複数の作動室S1b〜S6bとによって構成される。スクリューロータ11,12の不等リード部L1は、作動室S1a,S1b,S2a及びS2bを形成し、スクリューロータ11,12の等リード部L2は、作動室S3a,S3b,S4a,S4b,S5a、S5b、S6a及びS6bを形成する。
作動室S1a及びS1bは、最も吸入口201側に位置する1段目の作動室S1(第1の作動室)を形成し、作動室S2a及びS2bは、2段目の作動室S2を形成する。同様に、作動室S3a及びS3bは3段目の作動室S3を形成し、作動室S4a及びS4bは4段目の作動室S4を形成し、作動室S5a及びS5bは5段目の作動室S5を形成し、作動室S6a及びS6bは6段目の作動室S6を形成する。後述するように、作動室S3〜S6はそれぞれ、1段目の作動室S1(第1の作動室)よりも小さな容積の作動室(第2の作動室)で形成される。
なお本例では、作動室S1が吸入口201(吸入空間R1)から遮断される前に、作動室S6は吐出口202(吐出空間R2)と連通するように構成される。
図4は、作動室S1〜S6の容積の変化を示す模式図である。各図において横軸は、スクリューロータ11,12の軸方向長さ(あるいは回転数)、縦軸は作動室S1〜S6の断面積をそれぞれ表し、ハッチングで示した複数の領域は作動室S1〜S6の容積に相当する。なお、図1及び図3は、作動室S1を基準に考えると、図4の横軸「1」の状態に相当する。
図3及び図4に示すように、各作動室S1〜S6は、スクリューロータ11,12が2回転すると(720°)作動室を形成する。また、形成された作動室の容積は、ピッチの減少に伴って、吸入口201側から吐出口202側に向かって漸次小さくなるように構成されている。このため、最も吸入口201側に位置する第1の作動室S1に導入された気体は、スクリューロータ11,12の回転に伴って圧縮されながら、吐出口202(吐出空間R2)へ導かれることになる。気体の圧縮率は、作動室間の容積比、作動室の段数等に応じて適宜設定される。
なお、本実施形態では、作動室S1〜S3は、その順で容積が小さくなるように形成され、作動室S3〜S6は、それぞれほぼ同一の容積で形成される。これに限られず、作動室S3〜S6についても、その順で容積が小さくなるように形成されてもよいし、作動室の断面積が小さくなるように形成されてもよい。作動室の段数も6段に限られず、それよりも少なくてもよいし多くてもよい。
図5は、図3における[B]−[B]線断面図であって、第1及び第2の歯11s,12sの吸入端131,132側の正面形状を示している。
第1及び第2のスクリューロータ11,12の歯11s,12sは、それぞれ(座標系的に)右手系及び左手系の関係を有している。モータ31の駆動により、第1のスクリューロータ11は反時計まわりに回転し、第2のスクリューロータ12は時計まわりに回転する。図5において、点A1〜D1及び点A2〜D2は、歯11s,12sの部位を特定する点を示す。
第1のスクリューロータ11の歯11sは、外周部A1B1と歯底部C1D1とを接続する第1曲線部A1C1及び第2曲線部B1D1を有する。第1曲線部A1C1は、第2のスクリューロータ12の歯12sの外周部の点A2により創成されるトロコイド曲線により規定される。第2曲線部B1D1は、インボリュート曲線を含む複数の曲線により規定され、所定の回転角範囲では第2のスクリューロータ12の第2曲線部B2D2と隙間を介して向かい合う。
同様に、第2のスクリューロータ12の歯12sは、外周部A2B2と歯底部C2D2とを接続する第1曲線部A2C2及び第2曲線部B2D2を有する。第1曲線部A2C2は、第1のスクリューロータ11の歯11sの外周部の点A1により創成されるトロコイド曲線により規定される。第2曲線部B2D2は、インボリュート曲線を含む複数の曲線により規定され、所定の回転角範囲で第1のスクリューロータ11の第2曲線部B1D1と接する。
第1及び第2のスクリューロータ11,12の歯11s,12sが以上のように形成されることにより、ロータハウジング部21の内壁と歯11s,12sは、気体を吸入口201(吸入空間R1)側から吐出口202(吐出空間R2)側へ移送・圧縮する8の字状の密閉された空間を形成する。8の字状の空間は、歯11sにより形成される作動室と歯12sにより形成される作動室とを組み合わせた空間であり、最も吸入口201側に位置する作動室S1(第1の作動室)は、上述のように、作動室S1aと作動室S1bとにより形成される。
図6は、スクリューロータ11,12を図5に示した状態から矢印方向へ相対回転させたときの様子を60°毎に示した正面図である。図中ハッチングで示した領域は、吸入口201(吸入空間R1)に対する作動室S1(S1a,S1b)の開口領域を示している。なお説明の便宜上、ここでは状態A1の回転角を−720°とする。
図6に示すように、スクリューロータ11,12が状態A1から相対回転を開始すると、まず第1のスクリューロータの作動室S1aが開口し(状態A1〜A2)、しばらくして第2のスクリューロータの作動室S1bが開口する(状態A4〜A5)。そして、作動室S1aが遮断され(状態A10)、その後に作動室S1bが遮断される(状態A1)。
ここで、スクリューポンプにおいては、吸入口側の作動室S1の容積が大きいほど、排気容積を確保できるため好ましいといえる。ところが、ロータハウジング21と一対のスクリューロータ11,12の構成だけでは、作動室S1が吸入口201(吸入空間R1)から遮断される前に最大容積に達し(例えば状態A12〜A1の間)、吸入口から遮断された時にはその最大容積より小さくなってしまう。
その様子を図7に示す。図7は、スクリューロータ11,12の回転角と作動室の容積の大きさとの関係を示している。図7において点Eは、図6における状態A1に相当し、点Fは、作動室S1の最大容積の到達点に相当する。そして、回転角0°における点Gは、作動室S1の吸入口201からの遮断位置であって、スクリューロータ11,12が点Eから2回転した状態(図4の横軸「2」の状態)に相当する。
なお、図7の縦軸(作動室容積)の大きさは、図4の斜線部(ハッチングで示す領域)の面積に相当する。そして、図7に示される作動室の容積変化は、作動室の形成開始からその容積が一定になるまで(図4において横軸「0」から「4」の状態まで)の作動室の容積変化に相当する。
上述のように、作動室S1が吸入口S1から遮断される前に最大容積に達してしまう理由は、スクリューロータ11,12が不等リード部L1と等リード部L2とを有する一条ネジで構成されることに由来する。すなわち、上記構成の一条ネジは、各作動室を所望の形状に容易に形成することができるという利点を有する一方で、作動室(特に不等リード部における作動室S1,S2)の軸直断面積の時間変化が一定でないことにある(図4参照)。より具体的に、機器の大型化を避けるため、不等リード部L1から等リード部L2への変曲点(不等リード部L1が終了し等リード部L2が開始する回転角)は、典型的には、−720°から0°の範囲(例えば約−60°)に設定される。その結果、作動室S1は、吸入口S1から遮断される前に最大容積に達してしまうことになる。
さらに、一条のネジで構成されるスクリューロータは、回転時に安定した動バランスが得られにくい傾向にある。
そこで本実施形態では、後述するバランスウェイト41,42をスクリューロータ11,12に取り付けることで、スクリューロータ11,12の動バランスを確保しつつ、吸入側の作動室S1を任意の回転角で遮断することを可能とした。以下、その詳細について説明する。
(バランスウェイト)
図1に示すように、第1及び第2のバランスウェイト41,42は、吸入空間R1に配置される。第1のバランスウェイト41は、第1のスクリューロータ11の吸入側端部111に固定され、歯11sの吸入端131に対して僅かな隙間をあけて対向している。第2のバランスウェイト42は、第2のスクリューロータ12の吸入側端部121に固定され、歯12sの吸入端132に対して僅かな隙間をあけて対向している。
図8は、スクリューロータ11,12の吸入側端部111,121から見たときのバランスウェイト41,42の正面図である。図9は、図3における[C]−[C]線断面図である。
バランスウェイト41,42は、回転中に相互に干渉しないように構成された適宜の形状の偏芯錘で構成される。バランスウェイト41,42はそれぞれ、スクリューロータ11,12の動的バランスを確保できる最適な形状、重さに形成される。本実施形態において第1及び第2のスクリューロータ11,12は、各々の歯11s,12sの捩れ方向が互いに逆方向である点を除いてほぼ同様な構成を有しているため、第1及び第2のバランスウェイト41,42もまたそれぞれ同様な形態で構成されることが可能である。
特に、本実施形態において、第2のバランスウェイト42は、バランスウェイト本体421と、閉鎖体422とを有する。バランスウェイト本体421は、主として、第2のスクリューロータ12の動バランスの確保を目的として構成され、第1のバランスウェイト41と同様な形状、大きさに形成される。
一方、閉鎖体422は、歯12sの吸入端132に対向するバランスウェイト本体421の裏面に一体的に設けられている。本実施形態では、図3、図8及び図9に示すように、歯12sの吸入端132を部分的に遮蔽する単一の凸部で構成される。当該凸部は、バランスウェイト本体421の回転中心から歯12sの外周部まで直線的に延びる矩形の帯板形状を有する。そして、閉鎖体422の先端部は、歯12sの外周面に沿うように円弧状に形成されている。
図3に示すように、第2のバランスウェイト42は、第1のバランスウェイト41よりも閉鎖体422の厚みの分だけ大きな厚み寸法を有する。閉鎖体422は、歯12sの吸入端132に僅かな隙間をあけてバランスウェイト本体421の裏面に一体的に設けられている。
以上の構成により、第2のバランスウェイト42は、第1の作動室S1を第2のスクリューロータ12の所定の回転角範囲にわたって吸入口201(吸入空間R1)から遮断することが可能に構成される。
閉鎖体422が設けられる位置は、任意の回転角で作動室S1を遮断することが可能な任意の位置に設けられる。本実施形態では、図8及び図9に示すように、スクリューロータ11,12が図6の状態(A)に示す回転角(−720°)において、歯11sの第1曲線部A1C1と歯12sの第1曲線部A2C2を同時に遮蔽することができる位置に設けられる。これにより、図10に示すように、作動室S1が最大容積に達する回転角範囲にわたって作動室S1を吸入口201(吸入空間R1)から遮断することが可能となる。
図11は、スクリューロータ11,12と共にバランスウェイト41,42を図9に示した状態から矢印方向へ相対回転させたときの様子を60°毎に示した正面図である。図中ハッチングで示した領域は、吸入口201(吸入空間R1)に対する作動室S1(S1a,S1b)の開口領域を示している。なお説明の便宜上、ここでは状態B1の回転角を−720°とする。
図11に示すように、スクリューロータ11,12が状態B1から相対回転を開始すると、まず第1のスクリューロータの作動室S1aが開口し(状態B1〜B2)、しばらくして第2のスクリューロータの作動室S1bが開口する(状態B4〜B5)。そして、作動室S1aが遮断され(状態B10)、その後に作動室S1bが遮断される(状態B12)。
本実施形態において、第2のバランスウェイト42は、閉鎖体422を備えているため、作動室S1bが遮断されるタイミングは、図6に示したスクリューロータ11,12のみの場合と比較して60°以上早い。つまり、スクリューロータ11,12が2回転する前に作動室S1が閉鎖体422によって吸入口201(吸入空間)から遮断されることになる。このため、図10に示すように、作動室S1が最大容積に達する回転角と、作動室S1が吸入口201から遮断される回転角とが、それぞれ一致するように構成される。
[スクリューポンプの動作]
続いて、以上のように構成される本実施形態のスクリューポンプ1の動作について説明する。
モータ31の駆動により、第1のスクリューロータ11及び第2のスクリューロータ12が相対回転し、これら一対のスクリューロータ11,12とロータハウジング部21との間に形成された作動室S1〜S6を介して、気体が吸入口201(吸入空間R1)から吐出口202(吐出空間R2)へ移送される。
第1及び第2のバランスウェイト41,42は、それぞれ第1及び第2のスクリューロータ11,12と一体的に回転する。これにより、各スクリューロータ11,12の動バランスが確保され、各スクリューロータ11,12が安定に回転する。
一方、第2のバランスウェイト42は閉鎖体422を有しているため、作動室S1が吸入口201(吸入空間R1)から遮断されるタイミングが、閉鎖体422がない場合よりも早められる。
すなわち閉鎖体422がない場合に作動室S1が吸入口201から遮断されるタイミングは、図5及び図6の状態A1に示すように、歯11sの点A1が歯12sの点C2に最近接する(同時に、歯12sの点A2が歯11sの点C1に最近接する)回転角(−720°又は0°)である。
これに対して、閉鎖体422がある場合に作動室S1が吸入口201から遮断されるタイミングは、図11の状態B12に示すように、閉鎖体422が歯11sの吸入端131を遮蔽する回転角(−60°)である。
したがって、作動室S1は、本実施形態によれば、閉鎖体422がない場合と比較して、約60°早く、吸入口201から遮断されることになる。
このように本実施形態によれば、作動室S1が吸入口201から遮断されるタイミングを任意に設定することができるため、図10に示したように、作動室S1が最大容積に達した時点で作動室S1を吸入口201から遮断することが可能となる。これにより、作動室S1の容積を最大限に利用することが可能となるため、ポンプ性能の向上を図れることになる。
また本実施形態によれば、閉鎖体422が第2のバランスウェイト42と一体的に設けられているため、ロータハウジング部21の形状を工夫したり、専用の部品を必要としたりすることがなくなる。これにより、部品点数の増加や構成の複雑化を招くことなく、ポンプ性能の向上を実現することが可能となる。
さらに本実施形態によれば、閉鎖体422がバランスウェイト本体421の裏面から歯12sに向かって突出するように設けられた凸部で構成されているため、閉鎖体422をバランスウェイト本体421の任意の位置に所望の形状で容易に形成することができる。
さらに本実施形態によれば、スクリューロータの動バランスを確保するためのバランスウェイトに閉鎖体を設けているため、スクリューロータやハウジングに余計な加工コストを必要とすることなく、動バランス及びポンプ性能に優れたスクリューポンプを容易に実現することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、第2のバランスウェイト42に閉鎖体422が設けられたが勿論これに限られず、スクリューロータの仕様や構造に応じては、第1のバランスウェイト41に閉鎖体が設けられてもよい。
また以上の実施形態では、一条ネジで構成されたスクリューロータを備えたスクリューポンプを例に挙げて説明したが、これに限られず、スクリューロータは、多条ネジで構成されてもよい。
さらに図示せずとも、スクリューロータ11,12の動バランスを容易に調整可能にするために、スクリューロータ11,12の吐出側の軸端部に補助のバランスウエイトを追加してもよい。同様の効果を得るために、スクリューロータ11,12の側面に穴加工をして動バランスを調整することも可能である。
1…スクリューポンプ
11…第1のスクリューロータ
11s…第1の歯
12…第2のスクリューロータ
12s…第2の歯
20…ハウジング
21…ロータハウジング部
30…駆動部
41…第1のバランスウェイト
42…第2のバランスウェイト
201…吸入口
202…吐出口
421…バランスウェイト本体
422…閉鎖体
S…作動空間
S1〜S6…作動室

Claims (3)

  1. 螺旋状の第1の歯を有する第1のスクリューロータと、
    前記第1の歯と噛み合う螺旋状の第2の歯を有する第2のスクリューロータと、
    吸入口と、吐出口とを有し、前記第1のスクリューロータと前記第2のスクリューロータとを収容するハウジングと、
    前記第1のスクリューロータと前記第2のスクリューロータとを相対回転させ、前記第1のスクリューロータと前記第2のスクリューロータと前記ハウジングとの間に形成された作動空間を前記吸入口側から前記吐出口側に向けて移送する駆動機構と、
    前記第1のスクリューロータの前記吸入口側の端部に固定された第1のバランスウェイトと、
    前記作動空間のうち最も前記吸入口側に位置する第1の作動室を前記第2のスクリューロータの所定の回転角範囲にわたって前記吸入口から遮断する閉鎖体を有し、前記第2のスクリューロータの前記吸入口側の端部に固定された第2のバランスウェイトと
    を具備し、
    前記閉鎖体は、前記第2の歯の吸入端を部分的に遮蔽する単一の凸部で構成され、
    前記第2のバランスウェイトは、前記閉鎖体を支持するバランスウェイト本体をさらに有し、
    前記凸部は、前記バランスウェイト本体の回転中心から前記第2の歯の外周部まで直線的に延びる帯板形状を有するスクリューポンプ。
  2. 請求項1に記載のスクリューポンプであって、
    前記閉鎖体は、前記第1の作動室が最大容積に達する回転角範囲にわたって前記第1の作動室を前記吸入口から遮断する
    スクリューポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のスクリューポンプであって、
    前記第1のスクリューロータ及び前記第2のスクリューロータはそれぞれ、前記第1の作動室を形成する不等リード部と、前記第1の作動室よりも容積が小さい第2の作動室を形成する等リード部とを有する一条のネジで構成される
    スクリューポンプ。
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