JP6080300B2 - ギヤポンプおよびインナーロータの製造方法 - Google Patents

ギヤポンプおよびインナーロータの製造方法 Download PDF

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本発明は、複数の外歯を有するインナーロータと、複数の内歯を有すると共にインナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプ、およびアウターロータと共にギヤポンプを構成するインナーロータの製造方法に関する。
従来、この種のギヤポンプのインナーロータとして、ハイポサイクロイド曲線により形成された歯底部と、インボリュート曲線により形成されたアウターロータとの噛合部と、エピサイクロイド曲線、円弧曲線や楕円の一部といった曲線により形成された歯先部とを有する外歯を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この種のギヤポンプのインナーロータやアウターロータとしては、固定円上でのピッチ円の回転作用によって生成され得るサイクロイドから引き出されるプロファイルを含む歯先または歯元と、半径方向クリアランスと当該半径方向クリアランスよりも小さい接線方向クリアランスとを含む噛合歯部とを有する外歯または内歯を備えたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。このインナーロータやアウターロータにおいて、上記歯先や歯元は、歯先の場合、頂点部の二つの側部から連続的に減少する半径を有するピッチ円の円周、歯元の場合、頂点部の二つの側部から連続的に増加または減少する半径を有するピッチ円の円周上の点の軌跡により、または当該軌跡から形成される。更に、この種のギヤポンプのインナーロータに関する技術としては、サイクロイド曲線や、トロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線、あるいは互いに接する二つの円弧で形成される円弧曲線等により形成される歯形を径方向や周方向に線形倍して楕円状に変形させるものも知られている(例えば、特許文献3および4参照)。
特許第4557514号公報 特許第4243498号公報 特許第4650180号公報 特許第4803442号公報
上述のようなギヤポンプでは、インナーロータやアウターロータひいては装置全体の小型化を図りつつ、外歯と内歯とにより画成される歯間室の容積を増やして吐出量を増加させるために、外歯(および内歯)の歯丈を高くすることが求められる。しかしながら、サイクロイド曲線により形成された歯先や歯底を有する一般的な外歯等の歯丈を高くすると、同時に外歯等の歯厚も増加してしまうことから、ロータ径(基礎円の直径)が増加してしまい、インナーロータやアウターロータひいては装置全体の小型化を図ることは困難となる。その一方で、ロータ径の増加を抑制しようとすればインナーロータやアウターロータの歯数を減らさざるを得なくなり、歯数を減らすと、歯間室の数が減ることで一般に吐出圧の脈動が大きくなってしまう。
このため、特許文献1に記載のギヤポンプでは、インナーロータの回転中心に対するアウターロータの回転中心の偏心量を大きくすることで、ロータの外径等の増加を抑制すると共に歯数を維持しながら歯丈を高めようとしている。しかしながら、特許文献1に記載のギヤポンプでは、特に歯先部をエピサイクロイド曲線により形成する場合、歯先部および歯底部の設計に2つの基礎円が必要となることから、パラメータの増加により設計が煩雑となり、適正な歯形を得るのが困難となる。更に、特許文献1に記載のギヤポンプでは、歯丈が高くなるほど、インナーロータおよびアウターロータが回転した際にインナーロータの外歯とアウターロータの内歯との歯先間のクリアランスが比較的小さく保たれる歯厚方向における範囲を示すシール幅が狭まってしまい、ギヤポンプの容積効率が悪化してしまうおそれがある。また、特許文献2の記載の技術を用いてインナーロータ等の外歯等の歯丈を高くしても、インナーロータの外歯等は、歯丈が高くなるほど歯底側から歯先の頂点に向けて先細になることから、シール幅が狭まってしまうのを抑制することができない。更に、特許文献3や特許文献4に記載されたインナーロータにおいても、歯丈が高くなるほど外歯等が歯底側から歯先の頂点に向けて先細になることから、同様の問題が発生してしまう。
そこで、本発明は、大型化および歯数の減少を抑制しつつ歯丈を高くして吐出性能を向上させると共に、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とのクリアランスを適正化することができるギヤポンプおよびインナーロータの製造方法の提供を主目的とする。
本発明によるギヤポンプおよびインナーロータの製造方法は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明によるギヤポンプは、
複数の外歯を有するインナーロータと、該インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを備えるギヤポンプにおいて、
前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、少なくとも該インナーロータの回転方向における前側に、第1の描画点の半径を第1の値に保つと共に該第1の値よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により形成された歯先部と、第2の描画点の半径を第2の値に保つと共に該第2の値よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成された歯底部と、前記歯先部と前記歯底部との間に位置する中間部とを含み、
前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲は、前記第1の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する前記外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成されると共に、前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯底部との境界までの範囲は、前記第2の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する前記内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成されることを特徴とする。
本発明者らは、大型化および歯数の減少を抑制しつつ歯丈を高くしてギヤポンプの吐出性能を向上させるべく鋭意研究を行い、描画点(第1の描画点)の半径が外転円の半径よりも大きくかつ一定(第1の値)であり、当該描画点の半径を外転円の半径で除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線や、描画点(第2の描画点)の半径が内転円の半径よりも大きくかつ一定(第2の値)であり、当該描画点の半径を内転円の半径で除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線に着目した。このようなエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線は、描画点が基礎円付近を移動する際に形成されるループ部を含むことから、一般にはギヤポンプにおける歯形として採用し難いものと考えられているが、本発明者らは、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線のループ部以外の部分の特性を考慮した結果、当該ループ部以外の部分は、外歯の歯先部や歯底部を形成するのに極めて有用であることを見出した。
すなわち、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線のループ部以外の部分と基礎円の中心との間の距離は、外転円の半径が同一であるエピサイクロイド曲線に比べて長くなる。また、トロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線のループ部以外の部分と基礎円の中心との間の距離は、内転円の半径が同一であるハイポサイクロイド曲線に比べて短くなる。これらを踏まえて、本発明者らは、インナーロータの各外歯の少なくとも回転方向における前側の歯先部をトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線のループ部以外の部分により形成すると共に、少なくとも回転方向における前側の歯底部を当該エピトロコイド曲線と基礎円を共通にすると共にトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線のループ以外の部分により形成することとした。これにより、外転円や内転円の半径(∝基礎円の半径/歯数)を小さく保ったまま第1および第2の描画点の半径すなわち第1および第2の値を大きくすることで、1つの基礎円を用いて歯先部および歯底部の形状を定めると共に当該基礎円(インナーロータの外径)を小さく保ったまま歯丈を容易に高くすることができる。
更に、このギヤポンプのインナーロータでは、歯先部と歯底部との間に位置する中間部が、歯先部や歯底部を形成するエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線の基礎円、外転円および内転円を用いて得られる曲線により形成される。すなわち、中間部の上記基礎円との交差部から歯先部との境界までの範囲は、第1の描画点の半径を変化させながら当該基礎円に外接する上記外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成される。また、中間部の上記基礎円との交差部から歯底部との境界までの範囲は、第2の描画点の半径を変化させながら当該基礎円に内接する上記内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成される。これにより、1つの基礎円を用いて、外歯の歯先部、歯底部、および歯先部と歯底部とに連続する中間部を容易に創成することが可能となり、基礎円の直径を変更することで、より小径のインナーロータから大径のインナーロータまで、任意のサイズのインナーロータの外歯を容易に創成することができる。また、中間部をインボリュート曲線により形成する場合、インボリュート曲線の基礎円の半径がトロコイド曲線の基礎円の半径よりも大きくなると、歯底部と中間部とが繋がらずインナーロータの小径化が制限されてしまうが、本発明では、このような制限を受けることなくインナーロータをより小径化することが可能となる。
そして、本発明者らの研究によれば、上述のように基礎円を共通にするトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線によりインナーロータの外歯の歯先部や歯底部を形成して歯丈を高くすることで、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯との歯先間のクリアランスが比較的小さく保たれる歯厚方向における範囲、すなわちシール幅を良好に維持し得ることが確認された。従って、このギヤポンプでは、大型化および歯数の減少を抑制しつつ容易に歯丈を増加させて吐出性能を向上させると共に、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とのクリアランスを適正化することが可能となる。
また、前記インナーロータは、前記第1の値を“Rde”とし、前記外転円の半径を“re”とし、前記第2の値を“Rdh”とし、前記内転円の半径を“rh”としたときに、Rde=Rdh、およびre=rhを満たすように構成されてもよい。
本発明者らは、上述のようなギヤポンプにおける上記シール幅をより適正に確保すべく更に研究を行った。そして、本発明者らは、第1の値Rdeすなわち歯先部を形成するエピトロコイド曲線を描画するための第1の描画点の半径と、第2の値Rdhすなわち歯底部を形成するハイポトロコイド曲線を描画するための第2の描画点の半径とを一致させると共に、外転円の半径reと内転円の半径rhとを一致させた場合、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯との歯先間のクリアランスをより広い範囲で概ね一定に保ち得ること、すなわちシール幅を拡げられることを見出した。これにより、Rde=Rdh、およびre=rhを満たすようにギヤポンプを構成すれば、エピトロコイド曲線により形成される歯先部およびハイポトロコイド曲線により形成される歯底部の歯厚方向における寸法、すなわち歯先部(エピトロコイド曲線)や歯底部(ハイポトロコイド曲線)を創成するための外転円や内転円の回転角度の範囲を調整することにより、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とのクリアランスを容易に調整することができる。従って、このようなギヤポンプでは、上記歯先間のクリアランスを小さくしてシール性を確保することによる容積効率の向上と、外歯と内歯とのクリアランスをある程度確保することによるキャビテーションの発生の抑制とを容易に両立させることが可能となる。
更に、前記インナーロータの歯数を“N”とし、前記第1の描画点の半径を“rde”とし、前記外転円の中心周りの回転角度を“θo”とし、前記第2の描画点の半径を“rdh”とし、前記内転円の中心周りの回転角度を“θi”とし、前記基礎円の半径を“rk”とし、
rk=(re+rh)・N
θe=π/(2・N)・(rk+re)/re
θh=π/(2・N)・(rk−rh)/rh
としたときに、
前記第1の曲線および前記エピトロコイド曲線は、前記外転円を前記回転角度θoが値0から角度θeまで変化するように前記基礎円上で滑りなく転動させることにより得られてもよく、前記第1の描画点の半径rdeは、前記外転円の前記回転角度θoが値0よりも大きくかつ角度θeよりも小さい角度φeまで変化する間に漸増されると共に、前記回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間に前記第1の値に保たれてもよく、前記第2の曲線および前記ハイポトロコイド曲線は、前記内転円を前記回転角度θiが値0から角度θhまで変化するように前記基礎円上で滑りなく転動させることにより得られてもよく、前記第2の描画点の半径rdhは、前記内転円の前記回転角度θiが値0よりも大きくかつ角度θhよりも小さい角度φhまで変化する間に漸増されると共に、前記回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間に前記第2の値に保たれてもよい。これにより、基礎円と外転円とを用いて中間部と基礎円との交差部から歯先までを容易に創成すると共に、当該基礎円と内転円とを用いて中間部と基礎円との交差部から歯底までを容易に創成することが可能となる。
また、前記第1の値と前記第2の値とが互いに等しく値Rdであり、前記外転円の半径と前記内転円の半径が互いに等しく値Rであるときには、前記回転角度θoが値0から角度φeまで変化する間には前記第1の描画点の半径rdeが値Rから値Rdまで漸増されると共に、前記回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間には前記第1の描画点の半径rdeが値Rdに保たれてもよく、前記回転角度θiが値0から角度φhまで変化する間には前記第2の描画点の半径rdhが値Rから値Rdまで漸増されると共に、前記回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間には前記第2の描画点の半径rdhが値Rdに保たれてもよい。これにより、歯先部と中間部とを滑らかに連続させると共に、中間部と歯底部とを滑らかに連続させ、かつ、中間部の歯先部との境界から基礎円との交差部までの範囲と、中間部の基礎円との交差部から歯底部との境界までの範囲とを滑らかに連続させることが可能となる。
更に、前記第1の描画点の半径および前記第2の描画点の半径は、n次関数(ただし、“n”は値1以上の整数である。)、任意の多項式、三角関数、シグモイド関数、および双曲線関数の何れかに従って変化させられてもよい。
また、前記第1の描画点の半径および前記第2の描画点の半径は、次式(1)の“θ”に前記外転円の中心周りの回転角度または前記内転円の中心周りの回転角度を代入することにより得られる変数αに基づいて変化させられてもよい。ただし、式(1)において、“a”、“b”、“c”および“d”は、それぞれ前記第1および第2の曲線ごとに定められる任意の係数である。これにより、歯先部と中間部とをより滑らかに連続させると共に、中間部と歯底部とをより滑らかに連続させることが可能となる。
α=a/{cosh[b・θ+c]+d}…(1)
更に、前記ギヤポンプは、前記外歯と前記内歯とにより画成される複数の歯間室のうちの前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って膨張する歯間室と連通する1つの吸入ポートと、前記複数の歯間室のうちの前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って収縮する歯間室と連通する2つの独立した吐出ポートとを更に備えてもよい。すなわち、本発明によれば、ギヤポンプの大型化およびインナーロータ等の歯数の減少を抑制しつつ歯丈を増加させて吐出性能を向上させると共に、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とのクリアランスを適正化することができるので、コンパクトで良好な吐出性能を有する2ポート式のギヤポンプを実現することが可能となる。
また、前記複数の内歯により画成される前記アウターロータの歯形は、前記インナーロータの回転中心に対する前記アウターロータの回転中心の偏心量を“e”とし、前記インナーロータの回転中心、前記アウターロータの回転中心、前記外歯の歯先および前記内歯の歯先が一直線上に位置する際の該外歯の歯先と該内歯の歯先とのクリアランスを“t”としたときに、前記インナーロータの回転中心を前記アウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度ずつ公転させると共に、前記インナーロータの回転中心が所定角度だけ公転する際にインナーロータを前記所定角度および前記インナーロータの歯数に応じた回転角度だけ自転させることにより得られる複数の歯形線に対して描かれる包絡線に基づいて定められてもよい。これにより、上述のようなインナーロータと適正に噛合可能なアウターロータを容易に得ることが可能となる。
本発明によるインナーロータの製造方法は、
複数の外歯を有し、該外歯よりも多い複数の内歯を有するアウターロータに対して偏心するように配置されて該アウターロータと共にギヤポンプを構成するインナーロータの製造方法において、
前記外歯のそれぞれの少なくとも前記インナーロータの回転方向における前側に、第1の描画点の半径を第1の値に保つと共に該第1の値よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により歯先部を形成すると共に、第2の描画点の半径を第2の値に保つと共に該第2の値よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により歯底部を形成し、かつ前記歯先部と前記歯底部との間に中間部を形成し、
前記中間部を形成する際には、前記第1の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する前記外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲を形成すると共に、第2の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する前記内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯底部との境界までの範囲を形成するものである。
この方法によれば、インナーロータの大型化および歯数の減少を抑制しつつ容易に歯丈を増加させてギヤポンプの吐出性能を向上させると共に、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とのクリアランスを適正化することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るギヤポンプを示す概略構成図である。 図1に示すギヤポンプに含まれるインナーロータの外歯を示す概略構成図である。 図2に示すインナーロータの外歯の創成手順を示す模式図である。 図2に示すインナーロータの外歯の創成手順を示す模式図である。 図2に示すインナーロータの外歯の中間部の創成に際して用いられる関数を例示する図表である。 図1に示すギヤポンプに含まれるアウターロータの内歯の創成手順を示す模式図である。 インナーロータの回転中心周りの回転角度と外歯と内歯とのクリアランスとの関係の一例を示す図表である。 外歯と内歯とのクリアランスの測定の仕方を例示する模式図である。 本発明の変形態様に係るギヤポンプを示す概略構成図である。 本発明の他の変形態様に係るギヤポンプを示す概略構成図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るギヤポンプ1を示す概略構成図である。同図に示すギヤポンプ1は、図示しない車両にオイルポンプとして搭載され、オイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置(何れも図示省略)へと圧送するものである。ギヤポンプ1は、例えば自動変速機の変速機ケースに固定されるポンプボディと当該ポンプボディに締結されるポンプカバーとにより構成される図示しないポンプハウジング(何れも図示省略)と、当該ポンプハウジングにより画成されるギヤ収容室内にそれぞれ回転自在に配置されるインナーロータ(ドライブギヤ)2およびアウターロータ(ドリブンギヤ)3とを含む。
インナーロータ2は、図示しない車両に搭載されたエンジンのクランクシャフト(何れも図示省略)に連結される回転軸4に固定され、当該回転軸4に付与される動力により回転駆動される。また、インナーロータ2の外周には、複数(本実施形態では、13歯)の外歯20が形成されている。一方、アウターロータ3の内周には、インナーロータ2の外歯20の総数よりも1つ多い数の内歯30が形成されている。アウターロータ3は、図1における下側に位置する複数の内歯30がインナーロータ2の対応する外歯20と噛合すると共に、インナーロータ2に対して偏心した状態で上記ギヤ収容室内に回転自在に配置される。更に、インナーロータ2とアウターロータ3との間には、複数の外歯20と複数の内歯30とにより複数の歯間室(ポンプ室)5が形成される。
これにより、回転軸4からの動力によりインナーロータ2が図1における矢印方向に回転すると、アウターロータ3は、複数の内歯30の一部が複数の外歯20の一部に噛合することで、インナーロータ2の回転中心2cから偏心量eだけ離間した回転中心3cの周りにインナーロータ2と共に同方向に回転する。インナーロータ2およびアウターロータ3の回転方向における上流側の領域(図1における主に右側半分の領域)では、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って各歯間室5の容積が増加(膨張)する。また、インナーロータ2等の回転方向における下流側の領域(図1における主に左側半分の領域)では、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って各歯間室5の容積が減少(収縮)する。
そして、ギヤポンプ1の図示しないポンプハウジングには、外歯20と内歯30とにより画成される複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って膨張する歯間室5と連通(対向)するように略円弧状に延在する吸入ポート6と、複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って収縮する歯間室5と連通(対向)するように略円弧状に延在する吐出ポート7とが形成されている。なお、吸入ポート6および吐出ポート7は、インナーロータ2およびアウターロータ3の両側(ポンプボディおよびポンプカバーの双方)に形成されてもよく、インナーロータ2およびアウターロータ3の片側(ポンプボディおよびポンプカバーの一方)に形成されてもよい。また、吸入ポート6をインナーロータ2およびアウターロータ3の一方側に形成すると共に、吐出ポート7をインナーロータ2およびアウターロータ3の他方側に形成してもよい。
図2は、インナーロータ2の外歯20を示す概略構成図である。同図示すように、インナーロータ2の各外歯20は、歯先部21と、歯底部22と、歯先部21と歯底部22との間に位置する中間部23とを含む。歯先部21は、第1の描画点の半径rdeを外転円Coの半径reで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線により凸曲面状に形成されており、外歯20の歯厚方向における中央に位置して当該凸曲面の頂部となる歯先21tを含む。また、歯底部22は、第2の描画点の半径rdhを内転円Ciの半径rhで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線により凹曲面状に形成されており、外歯20の歯厚方向における中央に位置して当該凹曲面の最深部となる歯底22bを含む。本実施形態において、インナーロータ2の各外歯20は、歯先部21の歯先21t(および歯底部22の歯底22b)と回転中心2cとを結ぶ線分に関して左右対称に形成される。
歯先部21を形成するエピトロコイド曲線は、図2に示すように、第1の描画点の半径rdeを第1の値Rde(一定値)に保つと共に当該第1の値Rdeよりも小さい半径reを有する外転円Coをインナーロータ2の回転中心2cと中心Oを共通にする基礎円BCに外接させながら滑りなく転動させることにより得られる。また、歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線は、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線と基礎円BCを共通にするものであり、図2に示すように、第2の描画点の半径rdhを第2の値Rdh(一定値)に保つと共に当該第2の値Rdhよりも小さい半径rhを有する内転円Ciを上記基礎円BCに内接させながら滑りなく転動させることにより得られる。
ここで、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線は、描画点が基礎円付近を移動する際に形成されるループ部を含む。従って、このようなエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線は、一般にはギヤポンプにおける歯形として採用し難いものと考えられているが、本発明者らは、大型化および歯数の減少を抑制しつつ歯丈を高くしてギヤポンプの吐出性能を向上させるべく鋭意研究を行った結果、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線のループ部以外の部分が外歯20の歯先部21や歯底部22を形成するのに極めて有用であることを見出した。
すなわち、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線のループ部以外の部分と基礎円BCの中心Oとの間の距離は、外転円の半径が同一であるエピサイクロイド曲線に比べて長くなる。また、トロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線のループ部以外の部分と基礎円BCの中心Oとの間の距離は、内転円の半径が同一であるハイポサイクロイド曲線に比べて短くなる。これらを踏まえて、本発明者らは、インナーロータ2の各外歯20の歯先部21をトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線のループ部以外の部分により形成すると共に、歯底部22を当該エピトロコイド曲線と基礎円BCを共通にすると共にトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線のループ以外の部分により形成することとした。これにより、外転円Coや内転円Ciの半径re,rh(∝基礎円BCの半径/歯数)を小さく保ったまま第1および第2の描画点の半径rde,rdhすなわち第1および第2の値Rde,Rdhを大きくすることで、1つの基礎円BCを用いて歯先部21および歯底部22の形状を定めると共に当該基礎円BCすなわちインナーロータ2の外径を小さく保ったまま歯丈を容易に高くすることが可能となる。
また、ギヤポンプ1のインナーロータ2において、歯先部21と歯底部22との間の中間部23を形成する曲線は、歯先部21や歯底部22を形成するエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線の基礎円BC、外転円Coおよび内転円Ciを用いて得られる。すなわち、図3に示すように、中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯先部21との境界24までの歯先側半部23tは、第1の描画点の半径rdeを変化させながら基礎円BCに外接する上記外転円Coを滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成される。更に、中間部23の上記基礎円BCとの交差部23cから歯底部22との境界25までの歯底側半部23bは、図4に示すように、第2の描画点の半径rdhを変化させながら当該基礎円BCに内接する上記内転円Ciを滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成される。これにより、1つの基礎円BCを用いて、外歯20の歯先部21、歯底部22、および歯先部21と歯底部22とに連続する中間部23を容易に創成することが可能となり、基礎円BCの直径を変更することで、より小径のインナーロータから大径のインナーロータまで、任意のサイズのインナーロータ2の外歯20を容易に創成することができる。また、中間部をインボリュート曲線により形成する場合、インボリュート曲線の基礎円の半径がトロコイド曲線の基礎円の半径よりも大きくなると、歯底部と中間部とが繋がらずインナーロータの小径化が制限されてしまうが、本発明では、このような制限を受けることなくインナーロータ2をより小径化することが可能となる。
具体的には、基礎円BC上を滑りなく転動する外転円Coの中心周りの回転角度(自転角度)を“θo”とし、基礎円BC上を滑りなく転動する内転円Ciの中心周りの回転角度(自転角度)を“θi”としたときに、歯先側半部23tを形成する第1の曲線および歯先部21の境界24から歯先21tまでの範囲を形成するエピトロコイド曲線は、外転円Coを回転角度θoが値0から角度θeまで変化するように基礎円BC上で滑りなく転動させることにより得られる。また、歯底側半部23bを形成する第2の曲線および歯底部22の境界25から歯底22bまでの範囲を形成するハイポトロコイド曲線は、内転円Ciを回転角度θiが値0から角度θhまで変化するように基礎円BC上で滑りなく転動させることにより得られる。
角度θeは、外転円Coの中心が基礎円BCの中心Oの周りに4分の1歯分すなわちπ/(2・N)(ただし、“N”は、インナーロータ2の歯数である。)だけ回転した際の外転円Coの総回転角度を示し、基礎円BCの半径を“rk=(re+rh)・N”としたときに、次式(2)のように表される。更に、角度θhは、内転円Ciの中心が基礎円BCの中心Oの周りに4分の1歯分すなわちπ/(2・N)だけ回転した際の内転円Coの総回転角度を示し、次式(3)のように表される。
θe=π/(2・N)・(rk+re)/re…(2)
θh=π/(2・N)・(rk−rh)/rh…(3)
そして、上述のように外転円Coを基礎円BC上で転動させる際、第1の描画点の半径rdeは、外転円Coの回転角度θoが値0よりも大きくかつ角度θeよりも小さい値に予め定められる角度φeまで変化する間に漸増され、それにより、中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯先部21との境界24までの歯先側半部23tを形成する第1の曲線が得られる。これに対して、外転円Coの回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間、第1の描画点の半径rdeは上記第1の値Rdeに保たれ、それにより、歯先部21の境界24から歯先21tまでの範囲を形成するエピトロコイド曲線が得られる。
また、内転円Ciを基礎円BC上で転動させる際、第2の描画点の半径rdhは、内転円Ciの回転角度θiが値0よりも大きくかつ角度θhよりも小さい値に予め定められる角度φhまで変化する間に漸増され、それにより、中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯底部22との境界25までの歯底側半部23bを形成する第2の曲線が得られる。なお、本実施形態において、角度φhは、角度φeと同一の値に定められる。これに対して、内転円Ciの回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間、第2の描画点の半径rdhは上記第2の値Rdhに保たれ、それにより、歯底部22の境界25から歯底22bまでの範囲を形成するハイポトロコイド曲線が得られる。この結果、基礎円BCと外転円Coとを用いて中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯先21tまでを容易に創成すると共に、当該基礎円BCと内転円Ciとを用いて中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯底22bまでを容易に創成することが可能となる。
更に、ギヤポンプ1のインナーロータ2では、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線を描画するための第1の描画点の半径rdeすなわち第1の値Rdeと、歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線を描画するための第2の描画点の半径rdhすなわち第2の値Rdhとが同一の値Rdに定められると共に、外転円Coの半径reと内転円Ciの半径rhとが同一の値Rに定められており、歯丈=Rde+re+Rdh+rh=2・eという関係が成立する。そして、上述のように外転円Coの回転角度θoが値0から角度φeまで変化する間には、第1の描画点の半径rdeが値Rから値Rdまで漸増されると共に、回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間には、第1の描画点の半径rdeが値Rdに保たれる。
また、上述のように内転円Ciの回転角度θiが値0から角度φhまで変化する間には、第2の描画点の半径rdhが値Rから値Rdまで漸増されると共に、回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間には、第2の描画点の半径rdhが値Rdに保たれる。これにより、歯先部21と中間部23とを滑らかに連続させると共に、中間部23と歯底部22とを滑らかに連続させ、かつ、中間部23の歯先部21との境界24から基礎円BCとの交差部23cまでの範囲と、中間部23の基礎円BCとの交差部23cから歯底部22との境界25までの範囲とを滑らかに連続させることが可能となる。
本実施形態において、中間部23の歯先側半部23tを形成する第1の曲線を得る際に、第1の描画点の半径rdeは、次式(4)から得られる変数αeに基づいて変化させられる。式(4)は、双曲線関数を用いて変数αeを規定するものであり、外転円Coの回転角度θoが値0から値φeまで変化する間に図5に示すように変数αeを値0から値1まで変化させるものである。ただし、式(4)において、“ae”、“be”、“ce”および“de”は、予め定められる任意の係数である。同様に、中間部23の歯底側半部23bを形成する第2の曲線を得る際に、第2の描画点の半径rdhは、次式(5)から得られる変数αhに基づいて変化させられる。式(5)も双曲線関数を用いて変数αhを規定するものであり、内転円Ciの回転角度θiが値0から値φhまで変化する間に変数αhを値0から値1まで変化させるものである。ただし、式(5)において、“ah”、“bh”、“ch”および“dh”は、予め定められる任意の係数である。このようにして第1の描画点の半径rdeと第2の描画点の半径rdhとを変化させることで、歯先部21と中間部23とをより滑らかに連続させると共に、中間部23と歯底部22とをより滑らかに連続させることが可能となる。
α=ae/{cosh[be・θo+ce]+de}…(4)
α=ah/{cosh[bh・θi+ch]+dh}…(5)
上述のようにして得られる中間部23の歯先側半部23tを形成する第1の曲線上の点の図3および図4に示すXY座標系における座標(Xe,Ye)は、次式(6)および(7)のように表される。ただし、式(6)および(7)における“ψo”は、基礎円BCの中心Oの周りにおける外転円Coの中心の回転角度である。角度ψoと、外転円Coの回転角度θoとの間には、次式(8)の関係が成立することから、外転円Coの回転角度θoが0≦θo=ψo・(rk+re)/re≦φeという範囲内にある際に、座標(Xe,Ye)を式(6)および(7)から導出することができる。
Figure 0006080300
また、上述のようにして得られる外歯20の歯先部21を形成するエピトロコイド曲線上の点の図3および図4に示すXY座標系における座標(Xe,Ye)は、次式(9)および(10)のように表される。角度ψoと、外転円Coの回転角度θoとの間には、上記式(8)の関係が成立することから、外転円Coの回転角度θoがφe<θo=ψo・(rk+re)/re≦θeという範囲内にある際に、座標(Xe,Ye)を式(9)および(10)から導出することができる。
Figure 0006080300
更に、上述のようにして得られる中間部23の歯底側半部23bを形成する第2の曲線上の点の図3および図4に示すXY座標系における座標(Xe,Ye)は、次式(11)および(12)のように表される。ただし、式(11)および(12)における“ψi”は、基礎円BCの中心Oの周りにおける内転円Ciの中心の回転角度である。角度ψiと、内転円Ciの回転角度θiとの間には、次式(13)の関係が成立することから、内転円Ciの回転角度θiが0≦θi=ψi・(rk−rh)/rh≦φhという範囲内にある際に、座標(Xe,Ye)を式(11)および(12)から導出することができる。
Figure 0006080300
また、上述のようにして得られる外歯20の歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線上の点の図3および図4に示すXY座標系における座標(Xe,Ye)は、次式(14)および(15)のように表される。角度ψiと、内転円Ciの回転角度θiとの間には、上記式(13)の関係が成立することから、内転円Ciの回転角度θiがφh<θi=ψi・(rk−rh)/rh≦θhという範囲内にある際に、座標(Xe,Ye)を式(14)および(15)から導出することができる。
Figure 0006080300
一方、複数の内歯30により画成されるアウターロータ3の歯形(輪郭)は、図6に示すようにインナーロータ2の回転中心2cをアウターロータ3の回転中心3cを中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度δずつ1周公転させると共に、回転中心2cが所定角度δだけ公転する際にインナーロータ2を回転角度δ/Nだけ自転させることにより得られる複数の歯形線(インナーロータ2の輪郭、図6における二点鎖線参照)に対して描かれる包絡線に基づいて定められる。ただし、“t”は、インナーロータ2の回転中心2c、アウターロータ3の回転中心3c、外歯20の歯先21tおよび内歯30の歯先が一直線上に位置する際の外歯20の歯先21tと内歯30の歯先とのクリアランス(チップクリアランス)であり、例えば、0.03〜0.07mm程度の値とされる。これにより、インナーロータ2と適正に噛合可能なアウターロータ3を容易に得ることが可能となる。なお、アウターロータ3の歯形(輪郭)は、上記包絡線自体であってもよく、当該包絡線よりも外側に位置するように定められてもよい。また、アウターロータ3の内歯は、インナーロータ2と概ね同一の形状を有する歯切工具を用いて創成されてもよい。
上述のように、ギヤポンプ1のインナーロータ2では、基礎円BCを共通にするトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線によりインナーロータ2の外歯20の歯先部21や歯底部22が形成される。そして、インナーロータ2では、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線を描画するための第1の描画点の半径rde=Rdeと、歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線を描画するための第2の描画点の半径rdh=Rdhとが一致させられると共に、外転円の半径reと内転円の半径rhとが一致させられ、Rde=Rdh=Rd、re=rh=R、およびRde+re+Rdh+rh=2・eという関係が成立する。
すなわち、本発明者らは、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30との歯先間のクリアランス(外歯20の歯先部21と内歯30の歯先部との間のクリアランス)が比較的小さく保たれる歯厚方向における範囲、すなわちシール幅をより適正に確保すべく更に研究を行った結果、外歯20の歯先部21および歯底部22を上述のようにして創成する場合には、Rde=Rdh=Rd、re=rh=R、かつRde+re+Rdh+rh=2・eを満たすようにすることで、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30との歯先間のクリアランスをより広い範囲で概ね一定に保ち得ること、すなわちシール幅を拡げられることを見出した。図7に、ギヤポンプ1におけるインナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度ωと外歯20と内歯30とのクリアランス(歯隙)との関係の一例を示す。
図7は、インナーロータ2の歯底円の直径を例えば50〜60mmの範囲、アウターロータの歯底円の直径を例えば70〜75mmの範囲、偏心量eを例えば2〜3mmの範囲、Rde=Rdh=Rdを例えば2mm前後、re=rh=Rを例えば1mm前後、φe=φhを例えば100〜170°の範囲内からそれぞれ選択したギヤポンプ1についての解析結果を示すものである。なお、図7におけるインナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度ωは、図1においてインナーロータ2の回転中心2cとアウターロータ3の回転中心3cとを通る一点鎖線の図中下方に向かう方向を0(rad)として図1中反時計周りに測定される。また、外歯20と内歯30とのクリアランスは、図8に示すように互いに最近接した外歯20と内歯30との歯面に対する法線の方向において測定される最小間隔である。
図7に示すように、Rde=Rdh=Rd、re=rh=R、かつRde+re+Rdh+rh=2・eを満たすインナーロータ2を含むギヤポンプ1では、同図におけるω=πすなわちギヤポンプ1における上死点を中心とした比較的広い範囲A(例えば140°≦ω≦220°、吸入ポート6と吐出ポート7との間の領域を含む範囲)で外歯20と内歯30とのクリアランス、すなわちインナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30との歯先間のクリアランスが概ね一定に保たれ、シール幅が良好に確保されている。そして、インナーロータ2の歯底円の直径を例えば50〜60mmの範囲、アウターロータの歯底円の直径を例えば70〜75mmの範囲、偏心量eを例えば2〜3mmの範囲、Rde=Rdh=Rdを例えば2mm前後、re=rh=Rを例えば1mm前後、φe=φhを例えば110〜160°の範囲内で変化させて得られた複数の解析結果は、何れも図7と同様の特性を示した。
これにより、上述のギヤポンプ1では、エピトロコイド曲線により形成される外歯20の歯先部21、およびアウターロータ3の内歯30の歯先部を規定するハイポトロコイド曲線により形成される外歯20の歯底部22の歯厚方向における寸法、すなわち歯先部21(エピトロコイド曲線)や歯底部22(ハイポトロコイド曲線)を創成するための外転円Coや内転円Ciの回転角度の範囲を規定する上述の角度φeおよびφhの値を調整することにより、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30との歯先間のクリアランスを容易に調整し得ることが理解されよう。従って、ギヤポンプ1では、外歯20と内歯30との歯先間のクリアランスを小さくしてシール性を確保することによる容積効率の向上と、外歯20と内歯30とのクリアランスをある程度確保することによるキャビテーションの発生の抑制とを容易に両立させることが可能となる。
また、本発明者らの解析の結果、上述のように基礎円BCを共通にするトロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線によりインナーロータ2の外歯20の歯先部21や歯底部22を形成すれば、上記第1および第2の値Rde,Rdhを完全に一致させず、かつ外転円Coの半径reと内転円Ciの半径rhとを完全に一致させなくても、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯との歯先間のクリアランスが比較的小さく保たれる歯厚方向における範囲、すなわちシール幅を良好に維持し得ることも確認された。
以上説明したように、ギヤポンプ1では、1つの基礎円BCを用いてインナーロータ2の外歯20の歯先部21および歯底部22の形状を定めると共に当該基礎円BC(インナーロータ2の外径)を小さく保ったまま歯丈を容易に高くすることが可能であり、かつインナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30との歯先間のクリアランスが比較的小さく保たれる歯厚方向における範囲、すなわちシール幅を良好に維持することができる。従って、ギヤポンプ1では、大型化および歯数の減少を抑制しつつ、容易に歯丈を増加させて吐出性能を向上させると共に、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30とのクリアランスを適正化することが可能となる。
なお、上記ギヤポンプ1では、インナーロータ2の外歯20が第1の描画点の半径rdeおよび第2の描画点の半径rdhを上記式(4)または(5)すなわち双曲線関数により規定される変数αに基づいて変化させることにより創成されるが、これに限られるものではない。すなわち、第1の描画点の半径rdeおよび第2の描画点の半径rdhは、n次関数(ただし、“n”は値1以上の整数である。)、任意の多項式、三角関数、シグモイド関数の何れかに従って変化させられてもよい。
また、上述のギヤポンプ1では、インナーロータ2の各外歯20が歯先部21の歯先21t(および歯底部22の歯底22b)と回転中心2cとを結ぶ線分に関して左右対称に形成され、同様にアウターロータ3の各内歯30も歯先部の歯先(および歯底部の歯底)と回転中心3cとを結ぶ線分に関して左右対称に形成されることになるが、これに限られるものではない。すなわち、図9に示す変形態様に係るギヤポンプ1Bのように、インナーロータ2Bの各外歯20Bを歯先部21の歯先と回転中心2cとを結ぶ線分に関して非対称に形成すると共に、アウターロータ3Bの各内歯30Bを歯先部の歯先と回転中心3cとを結ぶ線分に関して非対称に形成してもよい。この場合には、各外歯20Bのインナーロータ2Bの回転方向における前側(図2のおける外歯20の左側半分)の歯先部、中間部および歯底部を上述のギヤポンプ1のインナーロータ2と同様にして創成すると共に、アウターロータ3Bの内歯30Bをギヤポンプ1のアウターロータ3と同様にして創成すればよい。
図10は、本発明の他の変形態様に係るギヤポンプ1Cを示す概略構成図である。同図に示すギヤポンプ1Cは、外歯20と内歯30とにより画成される複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って膨張する歯間室5と連通(対向)する1つの吸入ポート6と、複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って収縮する歯間室5と連通(対向)する2つの独立した吐出ポート7a,7bを備えるものである。すなわち、本発明によれば、大型化およびインナーロータ2等の歯数の減少を抑制しつつ歯丈を増加させて吐出性能を向上させると共に、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30とのクリアランスを適正化することができるので、コンパクトで良好な吐出性能を有する2ポート式のギヤポンプ1Cを容易に実現することが可能となる。なお、図9に示すギヤポンプ1Bも、ギヤポンプ1Cと同様の2ポート式ギヤポンプとして構成されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。また、上記実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一形態であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、上記実施形態はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
本発明は、ギヤポンプの製造産業において利用可能である。
1,1B,1C ギヤポンプ、2,2B インナーロータ、2c,3c 回転中心、3,3B アウターロータ、4 回転軸、5 歯間室、6 吸入ポート、7,7a,7b 吐出ポート、20,20B 外歯、21 歯先部、21t 歯先、22 歯底部、22b 歯底、23 中間部、23b 歯底側半部、23c 交差部、23t 歯先側半部、24,25 境界、30,30B 内歯。

Claims (9)

  1. 複数の外歯を有するインナーロータと、該インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを備えるギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、少なくとも該インナーロータの回転方向における前側に、第1の描画点の半径を第1の値に保つと共に該第1の値よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により形成された歯先部と、第2の描画点の半径を第2の値に保つと共に該第2の値よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成された歯底部と、前記歯先部と前記歯底部との間に位置する中間部とを含み、
    前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲は、前記第1の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する前記外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成されると共に、前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯底部との境界までの範囲は、前記第2の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する前記内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成されることを特徴とするギヤポンプ。
  2. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータは、前記第1の値を“Rde”とし、前記外転円の半径を“re”とし、前記第2の値を“Rdh”とし、前記内転円の半径を“rh”としたときに、
    Rde=Rdh、およびre=rh
    を満たすように構成されることを特徴とするギヤポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータの歯数を“N”とし、前記第1の描画点の半径を“rde”とし、前記外転円の中心周りの回転角度を“θo”とし、前記第2の描画点の半径を“rdh”とし、前記内転円の中心周りの回転角度を“θi”とし、前記基礎円の半径を“rk”とし、
    rk=(re+rh)・N
    θe=π/(2・N)・(rk+re)/re
    θh=π/(2・N)・(rk−rh)/rh
    としたときに、
    前記第1の曲線および前記エピトロコイド曲線は、前記外転円を前記回転角度θoが値0から角度θeまで変化するように前記基礎円上で滑りなく転動させることにより得られ、前記第1の描画点の半径rdeは、前記外転円の前記回転角度θoが値0よりも大きくかつ角度θeよりも小さい角度φeまで変化する間に漸増されると共に、前記回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間に前記第1の値に保たれ、
    前記第2の曲線および前記ハイポトロコイド曲線は、前記内転円を前記回転角度θiが値0から角度θhまで変化するように前記基礎円上で滑りなく転動させることにより得られ、前記第2の描画点の半径rdhは、前記内転円の前記回転角度θiが値0よりも大きくかつ角度θhよりも小さい角度φhまで変化する間に漸増されると共に、前記回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間に前記第2の値に保たれることを特徴とするギヤポンプ。
  4. 請求項3に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1の値と前記第2の値とが互いに等しく値Rdであり、前記外転円の半径と前記内転円の半径が互いに等しく値Rであるときに、
    前記回転角度θoが値0から角度φeまで変化する間には前記第1の描画点の半径rdeが値Rから値Rdまで漸増されると共に、前記回転角度θoが角度φeから角度θeまで変化する間には前記第1の描画点の半径rdeが値Rdに保たれ、
    前記回転角度θiが値0から角度φhまで変化する間には前記第2の描画点の半径rdhが値Rから値Rdまで漸増されると共に、前記回転角度θiが角度φhから角度θhまで変化する間には前記第2の描画点の半径rdhが値Rdに保たれることを特徴とするギヤポンプ。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1の描画点の半径および前記第2の描画点の半径は、n次関数(ただし、“n”は値1以上の整数である。)、任意の多項式、三角関数、シグモイド関数、および双曲線関数の何れかに従って変化させられることを特徴とするギヤポンプ。
  6. 請求項5に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1の描画点の半径および前記第2の描画点の半径は、次式(1)の“θ”に前記外転円の中心周りの回転角度または前記内転円の中心周りの回転角度を代入することにより得られる変数αに基づいて変化させられることを特徴とするギヤポンプ。
    α=a/{cosh[b・θ+c]+d}…(1)
    ただし、式(1)において、“a”、“b”、“c”および“d”は、それぞれ前記第1および第2の曲線ごとに定められる任意の係数である。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
    前記外歯と前記内歯とにより画成される複数の歯間室のうちの前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って膨張する歯間室と連通する1つの吸入ポートと、
    前記複数の歯間室のうちの前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って収縮する歯間室と連通する2つの独立した吐出ポートと、
    を更に備えることを特徴とするギヤポンプ。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
    前記複数の内歯により画成される前記アウターロータの歯形は、前記インナーロータの回転中心に対する前記アウターロータの回転中心の偏心量を“e”とし、前記インナーロータの回転中心、前記アウターロータの回転中心、前記外歯の歯先および前記内歯の歯先が一直線上に位置する際の該外歯の歯先と該内歯の歯先とのクリアランスを“t”としたときに、前記インナーロータの回転中心を前記アウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度ずつ公転させると共に、前記インナーロータの回転中心が所定角度だけ公転する際にインナーロータを前記所定角度および前記インナーロータの歯数に応じた回転角度だけ自転させることにより得られる複数の歯形線に対して描かれる包絡線に基づいて定められることを特徴とするギヤポンプ。
  9. 複数の外歯を有し、該外歯よりも多い複数の内歯を有するアウターロータに対して偏心するように配置されて該アウターロータと共にギヤポンプを構成するインナーロータの製造方法において、
    前記外歯のそれぞれの少なくとも前記インナーロータの回転方向における前側に、第1の描画点の半径を第1の値に保つと共に該第1の値よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により歯先部を形成すると共に、第2の描画点の半径を第2の値に保つと共に該第2の値よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により歯底部を形成し、かつ前記歯先部と前記歯底部との間に中間部を形成し、
    前記中間部を形成する際には、前記第1の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する前記外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲を形成すると共に、第2の描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する前記内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により前記中間部の前記基礎円との交差部から前記歯底部との境界までの範囲を形成することを特徴とするインナーロータの製造方法。
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