JP2018162676A - ギヤポンプおよびアウターロータの歯形創成方法 - Google Patents

ギヤポンプおよびアウターロータの歯形創成方法 Download PDF

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雅幸 木村
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雅士 服部
光博 武田
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光博 武田
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Akihiko Noborio
昭彦 登尾
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Abstract

【課題】振動やノイズの発生を良好に抑制可能なギヤポンプおよびアウターロータの歯形創成方法の提供。【解決手段】アウターロータの内歯の噛み合い側領域は、インナーロータを回転中心の周りに自転させながら、当該インナーロータの回転中心をアウターロータの回転中心を中心とする直径2・e(ただし、“e”は、偏心量である。)の円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成され、内歯の非噛み合い側領域は、インナーロータを回転中心の周りに自転させながら、当該インナーロータの回転中心をアウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成される。【選択図】図4

Description

本開示は、複数の外歯を有するインナーロータと、複数の内歯を有すると共にインナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプ、およびアウターロータの歯形創成方法に関する。
従来、歯先がなめらかな曲線で形成されると共に歯溝がハイポサイクロイド形状をなすインナーロータを備えたギヤポンプとして、インナーロータの中心をアウターロータの中心周りに直径(2e+t)の円を描いて公転させると共に、インナーロータ中心がその円を1周公転する間に当該インナーロータを1/n回自転させて得られるインナーロータ歯形曲線群の包絡線をアウターロータの歯形としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ただし、“e”は、インナーロータの中心とアウターロータの中心の偏心量であり、“t”は、アウターロータとそれに押し付けたインナーロータとの間のロータ間隙間の最大値であり、“n”は、インナーロータの歯数である。
特開2004−353656号公報
上述のようにして形成されたアウターロータを含む従来のギヤポンプでは、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯との非噛み合い側におけるクリアランスの最小値であるバックラッシュ(設計値)を比較的小さくすることが可能となり、当該バックラッシュの大きさに起因した振動やノイズの発生を抑制することができる。しかしながら、上記従来のギヤポンプでは、外歯と内歯とのクリアランスの最小値(設計値)が、外歯の歯先部の頂部と内歯の歯先部の頂部とが一直線上で対向する上死点を中心とした比較的広い範囲で概ね一定にはならない。このため、上記従来のギヤポンプでは、上死点よりもインナーロータ等の回転方向における後側(上流側)で外歯と内歯との噛み合い側のクリアランスの最小値が変動することに起因して振動やノイズが発生してしまうおそれがある。
そこで、本開示の発明は、振動やノイズの発生を良好に抑制可能なギヤポンプおよびアウターロータの歯形創成方法の提供を主目的とする。
本開示のギヤポンプは、複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプにおいて、前記アウターロータの前記内歯のそれぞれは、噛み合い側領域および非噛み合い側領域を有し、前記インナーロータの回転中心と前記アウターロータの回転中心との偏心量を“e”としたときに、前記内歯の前記噛み合い側領域が、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成されており、前記内歯の前記非噛み合い側領域が、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成されているものである。
かかるギヤポンプでは、外歯と内歯との噛み合い側のクリアランスとバックラッシュとの双方を適正化して、振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる。
本開示のアウターロータの歯形創成方法は、複数の外歯を有するインナーロータの歯数よりも多い複数の内歯を有すると共に、前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータの歯形創成方法において、前記インナーロータの回転中心と前記アウターロータの回転中心との偏心量を“e”としたときに、前記内歯の前記噛み合い側領域を、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成すると共に、前記内歯の前記非噛み合い側領域を、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成するものである。
かかる方法によりアウターロータの内歯の歯形を創成することで、外歯と内歯とのクリアランスの最小値とバックラッシュとを適正化して、ギヤポンプの振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる。
本開示のギヤポンプを示す概略構成図である。 本開示のギヤポンプに含まれるインナーロータの外歯を示す概略構成図である。 本開示のギヤポンプに含まれるインナーロータの外歯の創成手順を示す模式図である。 本開示のギヤポンプに含まれるアウターロータを示す拡大図である。 本開示のギヤポンプに含まれるアウターロータの内歯の創成手順を説明するための模式図である。 本開示のギヤポンプに含まれるアウターロータの内歯の創成手順を説明するための模式図である。 本開示のギヤポンプに含まれるアウターロータの内歯を示す拡大図である。 インナーロータの回転中心周りの回転角度と、第1の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯とのクリアランスの最小値および第2の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯とのクリアランスの最小値との関係を示す図表である。 インナーロータの回転中心周りの回転角度と、本開示のアウターロータの内歯と外歯とのクリアランスの最小値との関係を示す図表である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のギヤポンプ1を示す概略構成図である。同図に示すギヤポンプ1は、例えば図示しない車両に搭載されるオイルポンプとして構成され、オイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置(何れも図示省略)へと圧送するものである。ギヤポンプ1は、例えば自動変速機の変速機ケースに固定されるポンプボディと当該ポンプボディに締結されるポンプカバーとにより構成されるポンプハウジング(何れも図示省略)と、当該ポンプハウジングにより画成される図示しないギヤ収容室内にそれぞれ回転自在に配置されるインナーロータ(ドライブギヤ)2およびアウターロータ(ドリブンギヤ)3とを含む。なお、ギヤポンプ1は、変速機用の作動油を圧送するオイルポンプ以外の車載ポンプ(例えば、エンジンオイルポンプ)として構成されてもよく、車載ポンプ以外の用途に適用されてもよい。
インナーロータ2は、車両に搭載されたエンジンのクランクシャフト(何れも図示省略)に連結される回転軸4に固定され、当該回転軸4に付与される動力により回転駆動される。また、インナーロータ2の外周には、複数(本実施形態では、例えば11歯)の外歯20が形成されている。一方、アウターロータ3の内周には、インナーロータ2の外歯20の総数よりも1つ多い数(本実施形態では、例えば12歯)の内歯30が形成されている。アウターロータ3は、少なくとも図1における下側に位置する何れか1つまたは複数の内歯30がインナーロータ2の対応する外歯20に噛合すると共に、インナーロータ2に対して偏心した状態で上記ギヤ収容室内に回転自在に配置される。更に、インナーロータ2とアウターロータ3との間には、基本的に、隣り合う2つの外歯20と隣り合う2つの内歯30とにより複数の歯間室(ポンプ室)5が形成される。
これにより、回転軸4からの動力によりインナーロータ2が図1における太線矢印方向に回転すると、アウターロータ3は、複数の内歯30の一部が複数の外歯20の一部に噛合することで、インナーロータ2の回転中心2cから偏心量eだけ離間した回転中心3cの周りにインナーロータ2と共に同方向に回転する。インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、両者の回転方向(以下「ロータ回転方向」という。図1における太線矢印参照)における後側(上流側)の領域、すなわち図1における主に右側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が増加(歯間室5が膨張)する。また、インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、ロータ回転方向における前側(下流側)の領域、すなわち図1における主に左側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が減少(歯間室5が収縮)する。
ギヤポンプ1の図示しないポンプハウジングには、それぞれ略円弧状に延在する吸入ポート6、第1吐出ポート7および第2吐出ポート8が形成されている。吸入ポート6は、外歯20と内歯30とにより画成される複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が増加する歯間室5と連通(対向)する。第1および第2吐出ポート7,8は、隔壁9により仕切られて互いに独立しており、複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が減少する歯間室5とそれぞれ連通(対向)する。本実施形態では、ロータ回転方向における後側に位置する第1吐出ポート7が低圧ポートとされ、当該ロータ回転方向における前側に位置する第2吐出ポート8が高圧ポートとされる。
なお、第1および第2吐出ポート7,8は、互いに異なる油路に接続されてもよく、共通の油路に接続されてもよい。また、吸入ポート6、第1および第2吐出ポート7,8は、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における両側(ポンプボディおよびポンプカバーの双方)に形成されてもよく、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における片側(ポンプボディおよびポンプカバーの一方)に形成されてもよい。更に、例えば、吸入ポート6がインナーロータ2等の軸方向における一側に形成されてもよく、第1および第2吐出ポート7,8がインナーロータ2等の軸方向における他側に形成されてもよい。また、第1吐出ポート7がインナーロータ2等の軸方向における一側に形成されてもよく、第2吐出ポート8がインナーロータ2等の軸方向における他側に形成されてもよい。
図2は、インナーロータ2の外歯20を示す概略構成図であり、図3は、外歯20の創成手順を示す模式図である。これらの図面に示すように、インナーロータ2の各外歯20は、凸曲面状の歯先部21と、凹曲面状の歯底部22と、歯先部21よりもロータ回転方向(図2における太線矢印参照)における前側で当該歯先部21と歯底部22との間に位置する第1中間部23と、歯先部21よりもロータ回転方向における後側で当該歯先部21と歯底部22との間に位置する第2中間部24とを含む。図示するように、外歯20は、歯先部21の最も径方向外側に位置する頂部21tとインナーロータ2の回転中心2cを通る歯形中心線Lcに関して左右非対称に形成される。
歯先部21は、図3に示すように、第1の描画点の半径rdeを外転円Coの半径reで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きい(例えば1.2程度の値)エピトロコイド曲線により凸曲面状に形成される。歯先部21を形成するエピトロコイド曲線は、第1の描画点の半径rdeを第1の値Rde(一定値)に保つと共に当該第1の値Rdeよりも小さい半径reを有する外転円Coをインナーロータ2の回転中心2cと中心Oを共通にする基礎円BCtに外接させながら滑りなく転動させることにより得られる。
歯底部22は、第2の描画点の半径rdhを内転円Ciの半径rhで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線により凹曲面状に形成される。歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線は、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線と基礎円BCtを共通にするものであり、図3に示すように、第2の描画点の半径rdhを第2の値Rdh(一定値)に保つと共に当該第2の値Rdhよりも小さい半径rhを有する内転円Ciを上記基礎円BCtに内接させながら滑りなく転動させることにより得られる。
また、歯底部22は、外歯20の一歯分に対応した角度φ(360°/外歯20の歯数)の二分の1(φ/2)だけ歯形中心線Lcからロータ回転方向の前側または後側に回転させられた線分Leとの交差部22xを境に、歯先部21よりもロータ回転方向における前側に位置する第1歯底部22aと、歯先部21よりもロータ回転方向における後側に位置する第2歯底部22bとに区分される。そして、インナーロータ2では、図2および図3に示すように、歯形中心線Lcを挟む2つの交差部22x間の範囲が外歯20の一歯分の範囲とされる。第2歯底部22bは、図2および図3に示すように、ロータ回転方向における後側の第1歯底部22aに連続する。
本実施形態において、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線を描画するための第1の描画点の半径rdeすなわち第1の値Rdeと、歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線を描画するための第2の描画点の半径rdhすなわち第2の値Rdhとは、同一の値Rdに定められている。同様に、外転円Coの半径reおよび内転円Ciの半径rhも同一の値Rに定められている。従って、インナーロータ2では、Rde=Rdh=Rd、re=rh=R、歯丈=Rde+re+Rdh+rh=2・eという関係が成立する。
第1中間部23は、図2および図3に示すように、歯先部21と歯底部22の第1歯底部22aとの間に形成され、歯先部21側に位置する外側中間部23oと、第1歯底部22a側に位置する内側中間部23iとを含む。本実施形態において、外側中間部23oは、歯先部21のロータ回転方向における前側の端部21fでの接線が当該端部21fでの上記エピトロコイド曲線の接線と共通になるように定められたインボリュート曲線により形成される。これにより、端部21fにおいて歯先部21と外側中間部23oとを滑らかに連続させることができる。また、内側中間部23iは、第1歯底部22aのロータ回転方向における後側の端部22rで当該第1歯底部22aに滑らかに連続すると共に外側中間部23oとの境界部23xで当該外側中間部23oと滑らかに連続する滑らかな曲線(例えば円弧)により形成される。図示するように、内側中間部23iを形成する曲線は、外側中間部23oを形成するインボリュート曲線よりもできるだけ短くなるように選択されるとよい。
なお、第1中間部23は、上記エピトロコイド曲線およびハイポトロコイド曲線の基礎円BCtと中心Oを共通にする基礎円を用いて得られるインボリュート曲線(特開2014−181620号公報参照)により形成されてもよい。この場合、第1中間部23を形成するインボリュート曲線の基礎円の直径を“Rbi”とし、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線および歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線の基礎円BCtの直径を“Rbt”としたときに、直径Rbt,Rbiは、Rbi≦Rbtという関係を満たすように選択されるとよい。また、この場合、第1中間部23は、当該インボリュート曲線により形成される部分の内側(前側)および外側(後側)に滑らかな曲線(例えば円弧)により形成される中継面を含むとよい。
第2中間部24は、図2および図3に示すように、歯先部21と歯底部22の第2歯底部22bとの間に形成され、上記基礎円BCtとの交差部24xよりも歯先部21側に位置する外側中間部24oと、交差部24xよりも第2歯底部22b側に位置する内側中間部24iとを含む。本実施形態において、外側中間部24o、すなわち交差部24xから歯先部21のロータ回転方向における後側の端部(境界)21rまでの範囲は、図3に示すように、上記第1描画点の半径(図中点線参照)を変化させながら基礎円BCtに外接する外転円Coを滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成される。また、内側中間部24i、すなわち交差部24xから第2歯底部22bのロータ回転方向における前側の端部(境界)22fまでの範囲は、図3に示すように、上記第2描画点の半径(図中二点鎖線参照)を変化させながら基礎円BCtに内接する内転円Ciを滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成される。なお、外転円Coや内転円Ciの第1または第2描画点の半径を変化させる手順については、特開2014−181619号公報を参照されたい。
図4は、アウターロータ3を示す拡大図である。同図に示すように、アウターロータ3の各内歯30は、インナーロータ2の外歯20と噛合する噛み合い側領域30aと、基本的に外歯20と噛合しない非噛み合い側領域30bとを有する。噛み合い側領域30aは、内歯30のロータ回転方向における後側(上流側)の領域であって、当該内歯30の歯形中心線Lc′から、当該歯形中心線Lc′よりもロータ回転方向における後側に位置する線分Le′と歯底部32との交差部すなわち最底部32xまでの領域である。非噛み合い側領域30bは、内歯30のロータ回転方向における前側(下流側)の領域であって、当該内歯30の歯形中心線Lc′から、当該歯形中心線Lc′よりもロータ回転方向における前側に位置する線分Le′と歯底部32との交差部すなわち最底部32xまでの領域である。ただし、歯形中心線Lc′は、内歯30の歯先部31の最も径方向内側に位置する頂部31tとアウターロータ3の回転中心3cを通る直線である。また、線分Le′は、内歯30の一歯分に対応した角度φ′(360°/内歯30の歯数)の二分の1(φ′/2)だけ歯形中心線Lc′からロータ回転方向の前側または後側に回転させられた線分である。
本実施形態において、各内歯30の噛み合い側領域30aの歯形は、インナーロータ2(その歯形すなわち外周の輪郭)を用いた第1の歯形創成手順により定められる。また、各内歯30の非噛み合い側領域30bの歯形は、インナーロータ2を用いた第1の歯形創成手順とは異なる第2の歯形創成手順により定められる。すなわち、各内歯30の噛み合い側領域30aの歯形は、第1の歯形創成手順により得られるアウターロータの内歯の歯先部の頂部(歯形中心線)から当該内歯のロータ回転方向における後側に位置する歯底部の最底部までの領域に相当する部分の歯形に一致する。また、内歯30の非噛み合い側領域30bの歯形は、第2の歯形創成手順により得られるアウターロータの内歯の歯先部の頂部(歯形中心線)から当該内歯のロータ回転方向における前側に位置する歯底部の最底部までの領域に相当する部分の歯形に一致する。これにより、各内歯30は、歯形中心線Lc′に関して左右非対称となる。
第1の歯形創成手順は、図5に示すように、インナーロータ2の回転中心2cをアウターロータ3の回転中心3cを中心とする直径2・eの円周上で所定角度δ(例えば、1〜5°程度)ずつ1周公転させると共に、回転中心2cが所定角度δだけ公転する際にインナーロータ2を回転中心2cの周りに回転角度δ/N(ただし、“N”は、インナーロータ2の歯数である。)だけ自転させて得られる複数の歯形線(インナーロータ2の輪郭、図5における二点鎖線参照)に対して包絡線(外歯と内歯とのクリアランスをゼロにする理論歯形)を描き、更に、図6に示すように、得られた包絡線(図6中二点鎖線参照)上の各点を法線方向に値tだけ一律に拡大した曲線をアウターロータの歯形(内周の輪郭、図6中実線参照)とするものである。これに対して、第2の歯形創成手順は、図5に示すように、インナーロータ2の回転中心2cをアウターロータ3の回転中心3cを中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度δずつ1周公転させると共に、回転中心2cが所定角度δだけ公転する際にインナーロータ2を回転中心2cの周りに回転角度δ/Nだけ自転させることにより得られる複数の歯形線に対して描かれる包絡線をアウターロータの歯形(輪郭)とするものである。
ただし、第1および第2の歯形創成手順において用いられる“t”は、インナーロータ2の回転中心2c、アウターロータ3の回転中心3c、外歯20の歯先部21の頂部21tおよび内歯30の歯先部31の頂部31tが一直線上に位置する際の頂部21tと頂部31tとのクリアランス(チップクリアランス)を示し、例えば、0.03〜0.07mm程度の値とされる。また、第1の歯形創成手順により得られる包絡線(拡大前のもの)と、第2の歯形創成手順により得られる包絡線は、必ずしも厳密な意味での包絡線である必要はなく、複数の歯形線上の点群をスプライン曲線等の近似曲線で結んで得られる擬似的な包絡線あってもよい。
図7に示すように、第1歯形創成手順により得られた歯形を有する内歯30の噛み合い側領域30aは、第2歯形創成手順により得られた歯形を有するもの(図7中二点鎖線参照)に比べて、ロータ回転方向の前側に若干窪む。また、第2歯形創成手順により得られた歯形を有する内歯30の非噛み合い側領域30bは、図7に示すように、第1歯形創成手順により得られた歯形を有するもの(図7中一点鎖線参照)に比べて、ロータ回転方向の前側に若干張り出す。本発明者らの解析によれば、第1の歯形創成手順により得られるアウターロータ3の内歯30の噛み合い側領域30aと、第2の歯形創成手順により得られるアウターロータ3の内歯30の非噛み合い側領域30bとは、図5に示すように、内歯30の頂部31tおよび最底部32xで滑らかに連続することが確認されている。
図8は、インナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度θと、第1の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯20とのクリアランスの最小値および第2の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯20とのクリアランスの最小値との関係を示す説明図である。同図において、一点鎖線は、設計状態すなわち理想中心状態における回転角度θと第1の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯20とのクリアランスの最小値との関係を示す。また、図中二点鎖線は、理想中心状態における回転角度θと第2の歯形創成手順により定められた歯形を有するアウターロータの内歯と外歯20とのクリアランスの最小値との関係を示す。
“理想中心状態”は、インナーロータ2の回転中心2cと当該インナーロータ2に固定された回転軸4の回転中心とが一致すると共に、アウターロータの回転中心と当該アウターロータが収容されるギヤ収容室の中心とが一致する状態をいう。また、回転角度θは、下死点に位置する外歯20(図1における外歯20A)の頂部21tを基準としてに測定される。すなわち、回転角度θは、下死点に位置した外歯20Aの頂部21tと回転中心2cとを結ぶ線分と、インナーロータ2が図1中反時計周りに回転したときの当該外歯20Aの頂部21tと回転中心2cとを結ぶ線分とのなす角度である。更に、内歯と外歯20とのクリアランスの最小値は、下死点に位置する外歯(20A)と当該外歯(20A)に最接近した内歯との歯面に対する法線の方向において測定される。当該最小間隔は、頂部21tが上死点よりもロータ回転方向における後側の範囲(θ≦180°)に位置する場合、噛み合い側領域側における最小間隔であり、頂部21tが上死点よりもロータ回転方向における前側の範囲(θ>180°)に位置する場合、非噛み合い側領域側における最小間隔である。
また、第1の歯形創成手順によりアウターロータの歯形を定めた場合、図8において一点鎖線で示すように、理想中心状態における内歯と外歯20とのクリアランスの最小値が上死点(外歯20の歯先部21の頂部21tと内歯の歯先部の頂部とが一直線上で対向する位置)を中心とした範囲A(例えば、90°≦θ≦°270°の範囲)内で概ね一定になる。ただし、第1の歯形創成手順によりアウターロータの歯形を定めた場合、上記理論歯形を値tすなわちチップクリアランス分だけ法線方向に一律に拡大することで、当該アウターロータの内歯とインナーロータ2の外歯20との理想中心状態における非噛み合い側のクリアランスであるバックラッシュの最小値が若干大きくなってしまう。
これに対して、第2の歯形創成手順によりアウターロータの歯形を定めた場合には、第1の歯形創成手順によりアウターロータの歯形を定めた場合に比べて、包絡線をチップクリアランス分だけ法線方向に一律に拡大しない分だけ、理想中心状態における外歯20と、内歯30のうちの噛み合い点0(図1参照)を有するもの(図1において外歯20Aに最接近した内歯)との非噛み合い側領域30bにおけるクリアランスの最小値であるバックラッシュの値が大きくなるのを抑制することができる。しかしながら、第2の歯形創成手順によりアウターロータの歯形を定めた場合、図8において二点鎖線で示すように、理想中心状態での内歯と外歯20とのクリアランスの最小値が上記範囲A内で概ね一定にはならず、上死点よりもロータ回転方向における前側および後側の範囲では、理想中心状態における内歯の噛み合い側領域と外歯20とのクリアランスの最小値が変動してしまう。
これを踏まえて、ギヤポンプ1のアウターロータ3では、上述のように、各内歯30の噛み合い側領域30aの歯形が第1の歯形創成手順により定められ、各内歯30の非噛み合い側領域30bの歯形が上述のように第2の歯形創成手順により定められる。これにより、図9に示すように、特に上死点よりもロータ回転方向における後側(例えば、90°≦θ≦180°の範囲)で、理想中心状態における外歯20と内歯30の噛み合い側領域30aとのクリアランスの最小値を概ね一定にしつつ、理想中心状態における外歯20と内歯30の非噛み合い側領域30bとのクリアランスであるバックラッシュの最小値(本実施形態では、図1における○印付近で発生)が大きくなるのを抑制することができる。この結果、ギヤポンプ1では、外歯と内歯との噛み合い側のクリアランスとバックラッシュとの双方を適正化して、振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる。
また、理想中心状態における外歯20と内歯30の噛み合い側領域30aとのクリアランスの最小値を上死点よりもロータ回転方向における後側で概ね一定にすることで、当該上死点に最接近した何れか1つの外歯20が対応する内歯30と接触している間に、当該何れか1つの外歯20よりもインナーロータ2の回転方向における1つ後側に位置する外歯20を常時良好に対応する内歯30と接触させることができる。これにより、ギヤポンプ1の作動中におけるインナーロータ2およびアウターロータ3の挙動を安定化させて振動やノイズを低減化することが可能となる。
更に、第1および第2吐出ポート7,8を有するギヤポンプ1に本開示の発明を適用することで、当該第1および第2吐出ポート7,8間のクリアランスの最小値を小さくすることができるので、第1および第2吐出ポート7,8間で吐出圧が異なるときの作動油の漏れを抑制して容積効率を向上させることが可能となる。ただし、本開示の発明が単一の吐出ポートを有するギヤポンプに適用されてもよいことは、いうまでもない。
なお、上記ギヤポンプ1のインナーロータ2において、各外歯20は、歯先部21の頂部21tと回転中心2cを通る歯形中心線Lcに関して非対称に形成されているが、これに限られるものではない。すなわち、インナーロータ2の各外歯20は、歯形中心線Lcに関して対称に形成されたものであってもよい。この場合、各外歯20の歯形は、例えば、特開昭62−57835号公報に記載されたような歯形であってもよく、特開2014−181619号公報や特開2014−181620号公報に記載されたような歯形であってもよい。そして、このような歯形中心線Lcに関して対称の歯形を有する複数の外歯を含むインナーロータ2と、当該インナーロータ2を用いた第1および第2の歯形創成手順により定められたアウターロータ3とを含むギヤポンプ1においても、上述したものと同様の作用効果を得ることが可能となる。
以上説明したように、本開示のギヤポンプは、複数の外歯(20)を有するインナーロータ(2)と、前記インナーロータ(2)の前記外歯(20)よりも多い複数の内歯(30)を有すると共に該インナーロータ(2)に対して偏心するように配置されるアウターロータ(3)とを含むギヤポンプ(1)において、前記アウターロータ(3)の前記内歯(30)のそれぞれが、噛み合い側領域(30a)および非噛み合い側領域(30b)を有し、前記インナーロータ(2)の回転中心(2c)と前記アウターロータ(3)の回転中心(3c)との偏心量を“e”としたときに、前記内歯(30)の前記噛み合い側領域(30a)が、前記インナーロータ(2)を前記回転中心(2c)の周りに自転させながら、該インナーロータ(2)の前記回転中心(2c)を前記アウターロータ(3)の前記回転中心(3c)を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成されており、前記内歯(3)の前記非噛み合い側領域(30b)が、前記インナーロータ(2)を前記回転中心(2c)の周りに自転させながら、該インナーロータ(2)の前記回転中心(2c)を前記アウターロータ(3)の前記回転中心(3c)を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成されたものである。
本開示のギヤポンプにおいて、アウターロータの内歯の噛み合い側領域は、インナーロータを回転中心の周りに自転させながら、当該インナーロータの回転中心をアウターロータの回転中心を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成される。ただし、“e”は、インナーロータの回転中心とアウターロータの回転中心との偏心量である。これにより、外歯の歯先部の頂部と内歯の歯先部の頂部とが一直線上で対向する上死点よりもインナーロータ等の回転方向における後側で、設計状態(理想中心状態)における外歯と内歯の噛み合い側領域とのクリアランスの最小値を概ね一定にすることが可能となる。また、アウターロータの内歯の非噛み合い側領域は、インナーロータを回転中心の周りに自転させながら、当該インナーロータの回転中心をアウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成される。これにより、設計状態(理想中心状態)における外歯と内歯の非噛み合い側領域とのクリアランスであるバックラッシュ(最小値)が大きくなるのを抑制することができる。この結果、本開示のギヤポンプでは、外歯と内歯との噛み合い側のクリアランスとバックラッシュとの双方を適正化して、振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる。
また、1つの前記内歯(30)の前記噛み合い側領域(30a)および前記非噛み合い側領域(30b)は、前記内歯(30)の歯先部(31)の頂部(31t)と前記アウターロータ(3)の回転中心(3c)を通る歯形中心線(Lc′上で連続してもよく、隣り合う前記内歯(30)の前記噛み合い側領域(30a)および前記非噛み合い側領域(30b)は、前記内歯(30)の歯底部(32)の最底部(32x)と前記アウターロータ(3)の回転中心(3c)を通る直線線上で連続してもよい。
更に、前記インナーロータ(2)の前記外歯(20)のそれぞれは、前記外歯(20)の歯先部(21)の頂部(21t)と前記インナーロータ(2)の回転中心(2c)を通る歯形中心線(Lc)に関して非対称に形成されたものであってもよい。
また、前記インナーロータ(2)の前記外歯(20)のそれぞれは、前記外歯(20)の歯先部(21)の頂部(21t)と前記インナーロータ(2)の回転中心(2c)を通る歯形中心線(Lc)に関して対称に形成されたものであってもよい。
更に、前記インナーロータ(2)および前記アウターロータ(3)の回転中、前記外歯(20)の歯先部(21)の頂部(21t)と前記内歯(30)の歯先部(31)の頂部(31t)とが一直線上で対向する位置に最接近した何れか1つの前記外歯(20)が対応する前記内歯(30)と接触している間に、前記何れか1つの前記外歯(20)よりも前記インナーロータ(2)の回転方向における1つ後側に位置する前記外歯(20)が対応する前記内歯(30)と接触してもよい。すなわち、本開示のギヤポンプでは、設計状態(理想中心状態)における外歯と内歯の噛み合い側領域とのクリアランスの最小値を上死点よりもインナーロータ等の回転方向における後側で概ね一定にすることができるので、当該上死点に最接近した何れか1つの外歯が対応する内歯と接触している間に、当該何れか1つの外歯よりもインナーロータの回転方向における1つ後側に位置する外歯を常時良好に対応する内歯と接触させることができる。これにより、ギヤポンプの作動中におけるインナーロータおよびアウターロータの挙動を安定化させて振動やノイズを低減化することが可能となる。
本開示のアウターロータの歯形創成方法は、複数の外歯(20)を有するインナーロータ(2)の歯数よりも多い複数の内歯(30)を有すると共に、前記インナーロータ(2)に対して偏心するように配置されるアウターロータ(3)の歯形創成方法において、前記インナーロータ(2)の回転中心(2c)と前記アウターロータ(3)の回転中心(3c)との偏心量を“e”としたときに、前記内歯(30)の噛み合い側領域(30a)を、前記インナーロータ(2)を前記回転中心(2c)の周りに自転させながら、該インナーロータ(2)の前記回転中心(2c)を前記アウターロータ(3)の前記回転中心(3c)を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成すると共に、前記内歯(30)の非噛み合い側領域(30b)を、前記インナーロータ(2)を前記回転中心(2c)の周りに自転させながら、該インナーロータ(2)の前記回転中心(2c)を前記アウターロータ(3)の前記回転中心(3c)を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成するものである。
かかる方法によりアウターロータの内歯の歯形を創成することで、外歯と内歯とのクリアランスの最小値とバックラッシュとを適正化して、ギヤポンプの振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、ギヤポンプの製造産業において利用可能である。
1 ギヤポンプ、2 インナーロータ、2c,3c 回転中心、3 アウターロータ、4 回転軸、5 歯間室、6 吸入ポート、7 第1吐出ポート、8 第2吐出ポート、9 隔壁、20 外歯、21 歯先部、21f,21r,22f,22r 端部、21t 頂部、22 歯底部、22a 第1歯底部、22b 第2歯底部、22x,24x 交差部、23 第1中間部、23i 内側中間部、23o 外側中間部、23x 境界部、24 第2中間部、24i 内側中間部、24o 外側中間部、30 内歯、30a 噛み合い側領域、30b 非噛み合い側領域、31 歯先部、31t 頂部、32 歯底部、32x 最底部。

Claims (6)

  1. 複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプにおいて、
    前記アウターロータの前記内歯のそれぞれは、噛み合い側領域および非噛み合い側領域を有し、
    前記インナーロータの回転中心と前記アウターロータの回転中心との偏心量を“e”としたときに、前記内歯の前記噛み合い側領域は、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成されており、前記内歯の前記非噛み合い側領域は、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成されているギヤポンプ。
  2. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    1つの前記内歯の前記噛み合い側領域および前記非噛み合い側領域は、前記内歯の歯先部の頂部と前記アウターロータの回転中心を通る歯形中心線上で連続し、隣り合う前記内歯の前記噛み合い側領域および前記非噛み合い側領域は、前記内歯の歯底部の最底部と前記アウターロータの回転中心を通る直線線上で連続するギヤポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、前記外歯の歯先部の頂部と前記インナーロータの回転中心を通る歯形中心線に関して非対称に形成されているギヤポンプ。
  4. 請求項1または2に記載のギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、前記外歯の歯先部の頂部と前記インナーロータの回転中心を通る歯形中心線に関して対称に形成されているギヤポンプ。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
    前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転中、前記外歯の歯先部の頂部と前記内歯の歯先部の頂部とが一直線上で対向する位置に最接近した何れか1つの前記外歯が対応する前記内歯と接触している間に、前記何れか1つの前記外歯よりも前記インナーロータの回転方向における1つ後側に位置する前記外歯が対応する前記内歯と接触するギヤポンプ。
  6. 複数の外歯を有するインナーロータの歯数よりも多い複数の内歯を有すると共に、前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータの歯形創成方法において、
    前記インナーロータの回転中心と前記アウターロータの回転中心との偏心量を“e”としたときに、前記内歯の前記噛み合い側領域を、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・eの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線を法線方向に所定値tだけ一律に拡大した曲線により形成すると共に、前記内歯の前記非噛み合い側領域を、前記インナーロータを前記回転中心の周りに自転させながら、該インナーロータの前記回転中心を前記アウターロータの前記回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で1周公転させて得られる複数の歯形線に対する包絡線により形成するアウターロータの歯形創成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110263367A (zh) * 2019-05-08 2019-09-20 西安交通大学 一种无干涉啮合的谐波减速器三维齿廓设计方法
CN110263367B (zh) * 2019-05-08 2020-10-27 西安交通大学 一种无干涉啮合的谐波减速器三维齿廓设计方法

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