JP2020153349A - 内接ギヤポンプ - Google Patents

内接ギヤポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2020153349A
JP2020153349A JP2019055063A JP2019055063A JP2020153349A JP 2020153349 A JP2020153349 A JP 2020153349A JP 2019055063 A JP2019055063 A JP 2019055063A JP 2019055063 A JP2019055063 A JP 2019055063A JP 2020153349 A JP2020153349 A JP 2020153349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
rotor
shaft
inner rotor
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019055063A
Other languages
English (en)
Inventor
政彦 藤井
Masahiko Fujii
政彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamada Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yamada Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamada Seisakusho KK filed Critical Yamada Seisakusho KK
Priority to JP2019055063A priority Critical patent/JP2020153349A/ja
Publication of JP2020153349A publication Critical patent/JP2020153349A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】回転軸と嵌合孔の内周面との間の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。【解決手段】本発明の一態様に係る内接ギヤポンプは、アウタロータ41と、インナロータ42と、ポンプ軸13と、を備えている。嵌合孔60の内周面は、円弧状に形成された孔側円弧部61と、第2周方向で孔側円弧部61に連なり、軸線O2と異なる位置に曲率中心が位置する孔側回り止め部62と、を備えている。嵌合部72の外周面は、孔側円弧部61に倣って円弧状に形成された軸側円弧部81と、第2周方向で軸側円弧部81に連なり、孔側回り止め部62に倣って形成された軸側回り止め部82と、を備えている。インナロータ42には、インナロータ42を貫通するとともに、孔側回り止め部62に向けて開口する貫通孔100が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、内接ギヤポンプに関するものである。
内接ギヤポンプでは、内歯を有するアウタロータの内側で、外歯を有するインナロータがアウタロータに対して転動(偏心回転)する。これにより、内歯と外歯との間に形成されたポンプ室内の容積が変化し、液体が送出される。
この種の内接ギヤポンプにおいて、インナロータに形成された嵌合孔内には、回転軸が嵌合されている。例えば、下記特許文献1に記載の構成では、嵌合孔及び回転軸が扁平形状に形成されることで、インナロータと回転軸との相対回転が規制されている。
特開昭61−223281号公報
しかしながら、回転軸が嵌合孔内に組み付けられた状態において、嵌合孔の内周面と回転軸の外周面との間に隙間が生じる場合がある。この場合には、回転軸の回転やインナロータの慣性等によって、回転軸とインナロータとが上述した隙間分だけ相対回転する。その結果、嵌合孔の内周面と回転軸の外周面とが間欠的に接触し、インナロータや回転軸の摩耗等に繋がる。
本発明は、回転軸と嵌合孔の内周面との間の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる内接ギヤポンプを提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る内接ギヤポンプは、内歯を有する筒状のアウタロータと、前記アウタロータの内側で前記アウタロータに対して偏心した状態で、前記アウタロータとともに回転可能に構成されるとともに、前記内歯との間にポンプ室を形成する外歯を有するインナロータと、前記インナロータに形成された嵌合孔内に嵌合された嵌合部を有し、前記インナロータの軸線回りに回転する回転軸と、を備え、前記嵌合孔の内周面は、円弧状に形成された孔側円弧部と、前記軸線回りの周方向で前記孔側円弧部に連なり、前記軸線と異なる位置に曲率中心が位置する孔側回り止め部と、を備え、前記嵌合部の外周面は、前記孔側円弧部に倣って円弧状に形成された軸側円弧部と、周方向で前記軸側円弧部に連なり、前記孔側回り止め部に倣って形成された軸側回り止め部と、を備え、前記インナロータには、外周面上で開口するとともに、前記嵌合孔の内周面上において前記孔側回り止め部に向けて開口する貫通孔が形成されている。
本態様では、インナロータの外周面上を流れる液体を、貫通孔を通じて嵌合部の外周面と嵌合孔の内周面との間に介在させ易くなる。
特に、貫通孔が孔側回り止め部に向けて開口しているため、各回り止め部間の隙間に液体を供給し易くなる。そのため、嵌合部と嵌合孔とのがたつきによって、回転軸とインナロータとが相対回転したとしても、嵌合部と嵌合孔の内周面との接触を液体によって緩衝又は潤滑することができる。これにより、嵌合部と嵌合孔の内周面との間の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。
本態様の内接ギヤポンプにおいて、前記アウタロータ及び前記インナロータを収容するケースを備え、前記インナロータは、前記外歯が形成されたロータ本体と、前記ロータ本体から軸方向に突出するとともに、前記ケースに回転可能に支持される突出部と、を備え、前記嵌合孔は、前記ロータ本体及び前記突出部を軸方向に貫通し、前記貫通孔は、前記突出部に形成されていてもよい。
本態様では、インナロータが突出部を介してケースに回転可能に支持されているため、インナロータを安定して回転させることができる。
特に、本態様では、貫通孔が突出部に形成されているため、外歯と貫通孔との干渉を避けることができる。これにより、例えばロータ本体に貫通孔を形成するのに比べて、設計自由度を向上させるとともに、内接ギヤポンプの性能を確保できる。
本態様の内接ギヤポンプにおいて、前記孔側回り止め部には、前記孔側回り止め部上で開口するとともに、前記インナロータの軸方向に延びる液体流通溝が形成され、前記貫通孔は、前記液体流通溝の内周面上で開口していてもよい。
本態様では、液体流通溝の内周面と軸側回り止め部との間の空間を確保し易くなるので、各回り止め部間の隙間に液体を供給し易くなる。
本態様の内接ギヤポンプにおいて、前記貫通孔は、前記孔側円弧部と前記孔側回り止め部との角部で開口していてもよい。
本態様では、貫通孔を通じて嵌合孔の内周面と嵌合部との間に供給される液体が、嵌合部と嵌合孔の内周面との接触が起きやすい箇所である孔側円弧部と孔側回り止め部とのなす角部に供給され易くなる。そのため、嵌合部と嵌合孔の内周面との接触を液体によって緩衝又は潤滑することができる。
本態様の内接ギヤポンプにおいて、前記孔側円弧部及び前記孔側回り止め部は、周方向に交互に一対ずつ設けられ、前記軸側円弧部及び前記軸側回り止め部は、周方向に交互に一対ずつ設けられていてもよい。
本態様では、孔側回り止め部及び軸側回り止め部が一対ずつ設けられているので、回転軸とインナロータとが相対回転した場合に、各軸側回り止め部がそれぞれ孔側回り止め部に接触する。そのため、孔側回り止め部を介してインナロータに伝わる衝撃を分散させることができる。
上記各態様によれば、回転軸と嵌合孔の内周面との間の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。
第1実施形態に係る内接ギヤポンプの分解斜視図である。 図1のII−II線に相当する断面図である。 図1のIII矢視図である。 第1実施形態に係るインナロータの斜視図である。 第1実施形態に係るインナロータの正面図である。 第1実施形態に係るインナロータの背面図である。 第1実施形態に係るインナロータの右側面図である。 第1実施形態に係るインナロータの左側面図である。 第1実施形態に係るインナロータの平面図である。 第1実施形態に係るインナロータの底面図である。 図2の拡大断面図である。 第2実施形態に係るインナロータの斜視図である。 第2実施形態に係るインナロータの正面図である。 第2実施形態に係るインナロータの背面図である。 第2実施形態に係るインナロータの右側面図である。 第2実施形態に係るインナロータの左側面図である。 第2実施形態に係るインナロータの平面図である。 第2実施形態に係るインナロータの底面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態において、対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
(第1実施形態)
[内接ギヤポンプ]
図1は、内接ギヤポンプ1の分解斜視図である。図2は、図1のII−II線に相当する断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の内接ギヤポンプ1は、例えば車両に搭載される。内接ギヤポンプ1は、例えばエンジンルーム内においてシリンダブロック2(図2参照)に取り付けられる。内接ギヤポンプ1は、エンジン(クランクシャフト3)の回転に応じてオイルパン(不図示)に収容されたオイルを汲み上げた後、オイルの供給対象である潤滑部材や冷却部材、油圧デバイス等に送出する。なお、内接ギヤポンプ1は、車両以外に搭載されていてもよい。以下の説明では、クランクシャフト3の延在方向をX方向として説明する。
内接ギヤポンプ1は、ケース11と、ポンプ部12と、ポンプ軸(回転軸)13と、を備えている。
<ケース>
ケース11は、X方向の第1側(シリンダブロック2を向く側)に向けて開口する箱型に形成されている。ケース11の周壁部20は、ケース11の開口部をシリンダブロック2に向けた状態で、シリンダブロック2の側壁2aに取り付けられる。これにより、ケース11とシリンダブロック2との間には、ポンプ収容部Sが画成される。ポンプ収容部Sは、周壁部20の内周面がX方向から見て軸線O1を中心とする円形状に形成されることで、筒状の空間とされている。
ケース11のエンド部21において、軸線O1に対して偏心する位置には、支持孔23が形成されている。支持孔23は、X方向から見て、軸線O1に平行な軸線O2を中心とする円形状に形成されている。支持孔23は、内接ギヤポンプ1の外部(例えば、オイルパン)に向けて開口している。
エンド部21において、支持孔23の周囲に位置する部分には、X方向の第2側(シリンダブロック2から離間する側)に窪む吸込室31及び吐出室32が形成されている。吸込室31及び吐出室32は、軸線O1回りの方向(以下、第1周方向という。)に沿って円弧状に形成されるとともに、第1周方向に互いに間隔をあけて配置されている。エンド部21のうち、吸込室31及び吐出室32間に位置する部分は、吸込室31及び吐出室32を第1周方向で仕切る仕切壁(第1仕切壁33及び第2仕切壁34)を構成している。なお、吸込室31及び吐出室32は、少なくとも一部が後述するポンプ室59内に連通可能な構成であれば、形状等について適宜変更が可能である。
周壁部20のうち、吸込室31に面する部分には、吸込室31の内外を連通させる吸込口35が形成されている。吸込室31は、吸込口35を通じてオイルパン(不図示)等に連通している。すなわち、吸込室31は、オイルパンとポンプ収容部Sとの間を接続している。
周壁部20のうち、吐出室32に面する部分には、吐出室32の内外を連通させる吐出口36が形成されている。吐出室32は、吐出口36を通じて上述したオイルの供給対象等に接続される。すなわち、吐出室32は、ポンプ収容部Sとオイルの供給対象との間を接続している。
<ポンプ部>
図3は、図1のIII矢視図である。
図1〜図3に示すように、ポンプ部12は、アウタロータ41と、インナロータ42と、を備えている。
アウタロータ41は、軸線O1と同軸に配置された筒状に形成されている。アウタロータ41は、アウタ筒部45と、内歯46と、を備えている。
アウタ筒部45は、ポンプ収容部S内に収容されている。アウタ筒部45は、周壁部20の内周面に摺動可能に構成されている。すなわち、アウタロータ41は、軸線O1回りに回転可能に、周壁部20の内周面に支持されている。
内歯46は、アウタ筒部45の内周面に形成されている。内歯46は、例えばトロコイド曲線に沿って、又はトロコイド曲線等の包絡線にて形成されている。
図4は、インナロータ42の斜視図である。図5は、インナロータ42の正面図である。図6は、インナロータ42の背面図である。図7は、インナロータ42の右側面図である。図8は、インナロータ42の左側面図である。図9は、インナロータ42の平面図である。図10は、インナロータ42の底面図である。
図3〜図10に示すように、インナロータ42は、軸線O2と同軸に配置された筒状に形成されている。具体的に、インナロータ42は、ロータ本体51と、インロー部52と、を備えている。
ロータ本体51は、インナ筒部55と、外歯56と、を備えている。
図3に示すように、インナ筒部55は、ポンプ収容部S内において、アウタロータ41の内側に配置されている。
外歯56は、インナ筒部55の外周面に形成されている。外歯56は、例えばトロコイド曲線に沿って、又は楕円の組み合わせにて形成されている。外歯56の歯数は、内歯46の歯数よりも1つ少なくなっている。
インロー部52は、インナ筒部55の内周縁からX方向の第2側に突出している。インロー部52は、インナ筒部55と同軸に配置された筒状に形成されている。インロー部52は、支持孔23内に挿通されている。インロー部52は、支持孔23の内周面に摺動可能に構成されている。すなわち、インナロータ42は、軸線O2回りに回転可能に、支持孔23の内周面に支持されている。
本実施形態のポンプ部12において、内歯46と外歯56との間には、ポンプ室59が画成されている。ポンプ室59は、内歯46と外歯56とが近接又は接触することで、第1周方向に区画されている。各ポンプ室59の容積は、内歯46と外歯56の噛み合い量によって変化する。すなわち、各ポンプ室59の容積は、内歯46と外歯56との噛み合い量が大きい部分で小さく、内歯46と外歯56との噛み合い量が小さい部分で大きくなっている。内接ギヤポンプ1では、アウタロータ41とインナロータ42との相対回転によって、各ポンプ室59の容積が拡大と縮小を繰り返すことによりオイルを送り出す。
各ポンプ室59は、上述した吸込室31にX方向から見て重なり合う部分に配置された場合に、吸込室31にX方向で連通する。一方、各ポンプ室59は、上述した吐出室32にX方向から見て重なり合う部分に配置された場合に、吐出室32にX方向で連通する。
本実施形態において、インナロータ42には、インナ筒部55及びインロー部52をX方向に貫通する嵌合孔60が形成されている。図3に示すように、嵌合孔60は、X方向から見て扁平形状(非真円形状)に形成されている。具体的に、嵌合孔60の内周面は、一対の孔側円弧部61と、一対の孔側回り止め部62と、が軸線O2回りの周方向(以下、第2周方向という。)に交互に連なって形成されている。
孔側円弧部61は、軸線O2を中心とする円弧状に形成されている。孔側円弧部61は、軸線O2を挟んで対向している。なお、孔側円弧部61の曲率中心は、軸線O2と異なっていてもよい。
孔側回り止め部62は、各孔側円弧部61に第2周方向で連なっている。すなわち、孔側回り止め部62は、各孔側円弧部61の第2周方向で対向する端部同士をそれぞれ架け渡している。孔側回り止め部62の曲率半径は、孔側円弧部61と異なっている。本実施形態において、孔側回り止め部62は、軸線O2を中心とする仮想円Lの接線方向に沿って延びる平坦面(曲率半径が無限大)に形成されている。すなわち、孔側回り止め部62の曲率中心は、軸線O2と異なる位置に配置される。
本実施形態において、孔側円弧部61における軸線O2を中心とする中心角θ1は、孔側回り止め部62の中心角θ2よりも大きくなっている。なお、各孔側円弧部61の第2周方向の中心同士を結ぶ直線と、孔側回り止め部62の第2周方向の中心同士を結ぶ直線と、の交点上に軸線O2が位置している。
孔側回り止め部62における第2周方向の中央部には、オイル流通溝65が形成されている。オイル流通溝65は、X方向から見た正面視で、軸線O2に直交する方向(以下、第2径方向という。)の外側に向けて凸の円弧状に形成されている。オイル流通溝65は、孔側回り止め部62において、X方向の全長に亘って形成されている。なお、オイル流通溝65の正面視形状や第2周方向の位置等は、適宜変更可能である。また、オイル流通溝65を有さない構成であってもよい。
また、孔側円弧部61と孔側回り止め部62との境界部分には、逃げ溝67が形成されている。逃げ溝67は、孔側円弧部61と孔側回り止め部62との境界部分において、X方向の全長に亘って形成されている。
図2に示すように、ポンプ軸13は、軸本体71と、嵌合部72と、を備えている。なお、軸本体71と嵌合部72は、一体で形成されていてもよい。
軸本体71は、クランクシャフト3におけるX方向の第2側端部に一体で連なっている。軸本体71は、軸線O2上をX方向に延在している。すなわち、軸本体71は、クランクシャフト3の回転に伴い、クランクシャフト3と一体で軸線O2回りに回転する。図3に示すように、軸本体71における第2周方向の一部には、キー75が形成されている。キー75は、軸本体71の外周面から第2径方向の外側に突出している。なお、軸本体71は、クランクシャフト3に間接的に接続されていてもよい。
嵌合部72は、筒状の一部が平面取りされることで、正面視外形が扁平形状(非真円形状)に形成されている。嵌合部72の内周面には、キー溝77が形成されている。軸本体71は、キー75がキー溝77内に収容された状態で、嵌合部72内に嵌合されている。
嵌合部72は、上述した嵌合孔60内に嵌合されている。具体的に、嵌合部72の外周面は、一対の軸側円弧部81と、一対の軸側回り止め部82と、が第2周方向に交互に連なって形成されている。
軸側円弧部81は、軸線O2を中心とする円弧状に形成されている。軸側円弧部81は、上述した孔側円弧部61に倣って形成されている。軸側円弧部81は、軸線O2を挟んで第2径方向で対向している。
軸側回り止め部82は、各軸側円弧部81に第2周方向で連なっている。すなわち、軸側回り止め部82は、各軸側円弧部81の第2周方向で対向する端部同士をそれぞれ架け渡している。軸側回り止め部82の曲率半径は、軸側円弧部81と異なっている。本実施形態において、軸側回り止め部82は、孔側回り止め部62に平行な平坦面に形成されている。
嵌合部72は、円弧部61,81同士及び回り止め部62,82同士の第2周方向の位置を合わせた状態で、嵌合孔60内に嵌合されている。これにより、ポンプ軸13の回転に伴い、インナロータ42が軸線O2回りに回転する。
ここで、インナロータ42には、第2径方向においてインナロータ42の内外を連通させる貫通孔100が形成されている。貫通孔100は、X方向において、インロー部52のうち、ロータ本体51との境界部分を第2径方向に貫通している。また、貫通孔100は、第2周方向において、各孔側回り止め部62の中央部に位置している。したがって、貫通孔100の外側開口部は、インロー部52の外周面上で開口している。一方、貫通孔100の内側開口部は、上述したオイル流通溝65の内周面上で開口している(孔側回り止め部62に向けて開口している)。
<作用>
次に、上述した内接ギヤポンプ1の作用を説明する。
クランクシャフト3の回転に伴い、ポンプ軸13が軸線O2回りに回転(軸線O1に対して偏心回転)すると、インナロータ42がポンプ軸13と共に軸線O2回りに回転する。すると、インナロータ42の回転力が外歯56を介して内歯46に伝達されることで、アウタロータ41がインナロータ42に噛み合いながら軸線O1回りに回転する。すなわち、ポンプ部12は、アウタロータ41が軸線O1回りに回転するとともに(図3中矢印P2)、インナロータ42が軸線O2回りに回転(図3中矢印P1)することで、インナロータ42がアウタロータ41の内側を転動する。
内接ギヤポンプ1では、インナロータ42の転動によって、各ポンプ室59の容積が拡大と縮小を繰り返すことでオイルを送り出す。具体的に、インナロータ42が転動しながら吸込室31上を通過することで、ポンプ室59の容積が拡大して、ポンプ室59内が負圧になる。すると、吸込口35を通じて吸込室31内に流入したオイルが、ポンプ室59内に流入する。一方、インナロータ42が転動しながら吐出室32上を通過することで、ポンプ室59の容積が縮小して、ポンプ室59内が加圧される。これにより、ポンプ室59内のオイルが吐出室32内に送り出される。吐出室32内に送り出されたオイルは、吐出口36を通じて各供給対象に供給され、供給対象の潤滑や冷却に用いられる。
図11は、図2の拡大断面図である。
ここで、図11に示すように、内接ギヤポンプ1では、例えばポンプ室59内に収容されたオイルの一部が、シリンダブロック2とポンプ部12との間や、ケース11とポンプ部12との間等に漏れ出す。例えばシリンダブロック2とポンプ部12との間に漏れ出たオイル(矢印A参照)は、嵌合部72とインナロータ42(嵌合孔60)との間にX方向の第1側から進入する。その後、嵌合部72とインナロータ42との間に進入したオイルは、X方向の第2側に向けて流れ、支持孔23を通じて内接ギヤポンプ1の外部(オイルパン)に排出される。特に、本実施形態では、嵌合孔60の内周面にオイル流通溝65が形成されているため、支持孔23の摺動・潤滑に寄与する。
例えば、ケース11とポンプ部12との間に漏れ出たオイル(矢印B0参照)は、エンド部21とインナ筒部55との間を通って、インロー部52の外周面上に到達する。インロー部52の外周面上に到達したオイルは、インロー部52の外周面と支持孔23の内周面との間を通じて内接ギヤポンプ1の外部(オイルパン)に排出される(矢印B1参照)。
ところで、嵌合孔60の内周面と嵌合部72の外周面との間に隙間が生じている場合、ポンプ軸13の回転やインナロータ42の慣性等によって、ポンプ軸13とインナロータ42とが上述した隙間分だけ相対回転する。図3に示すように、嵌合部72は、孔側円弧部61と孔側回り止め部62とのなす角部のうち、軸線O2を通って対向する一対の角部における孔側回り止め部62側(孔側回り止め部62のうち、孔側円弧部61との境界部分寄りに位置する部分)に線接触し易い。すると、回り止め部62,82の摩耗等の原因になる可能性がある。
そこで、本実施形態では、図11に示すように、インロー部52の外周面上に到達したオイルのうち、一部のオイルはインロー部52の外周面上で開口した貫通孔100内に進入する(矢印B2参照)。貫通孔100内に進入したオイルは、貫通孔100を通じて各回り止め部62,82間の隙間(本実施形態では、オイル流通溝65内)に流入する。すなわち、各回り止め部62,82間に流入したオイルは、第2周方向に広がった後、上述したように支持孔23を通じて内接ギヤポンプ1の外部に排出される。
このように、本実施形態では、インロー部(突出部)52を第2径方向に貫通するとともに、孔側回り止め部62上で開口する貫通孔100が形成された構成とした。
この構成によれば、インロー部52の外周面上を流れるオイルを、貫通孔100を通じて嵌合部72の外周面と嵌合孔60の内周面との間に介在させ易くなる。
特に、貫通孔100が孔側回り止め部62上で開口しているため、各回り止め部62,82間の隙間にオイルを供給し易くなる。そのため、嵌合部72と嵌合孔60とのがたつきによって、嵌合部72とポンプ軸13とが相対回転したとしても、嵌合部72と嵌合孔60の内周面との接触をオイルによって緩衝又は潤滑することができる。これにより、嵌合部72と嵌合孔60の内周面との間の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。
本実施形態では、インナロータ42がインロー部52を介してケース11に回転可能に支持されているため、インナロータ42を安定して回転させることができる。
特に、本実施形態では、貫通孔100がインロー部52に形成されているため、外歯56と貫通孔100との干渉を避けることができる。これにより、例えばロータ本体51に貫通孔を形成するのに比べて、設計自由度を向上させるとともに、ポンプ部12の性能を確保できる。
本実施形態では、貫通孔100がオイル流通溝(液体流通溝)65上で開口している構成とした。
この構成によれば、オイル流通溝65の内周面と軸側回り止め部82との間の空間を確保し易くなるので、各回り止め部62,82間の隙間にオイルを供給し易くなる。
本実施形態では、孔側回り止め部62及び軸側回り止め部82が一対ずつ設けられているので、嵌合部72とポンプ軸13とが相対回転した場合に、各軸側回り止め部82がそれぞれ孔側回り止め部62に接触する。そのため、孔側回り止め部62を介してインナロータ42に伝わる衝撃を分散させることができる。
(第2実施形態)
図12は、インナロータ42の斜視図である。図13は、インナロータ42の正面図である。図14は、インナロータ42の背面図である。図15は、インナロータ42の右側面図である。図16は、インナロータ42の左側面図である。図17は、インナロータ42の平面図である。図18は、インナロータ42の底面図である。本実施形態では、貫通孔200の位置が上述した第1実施形態と異なっている。
図12〜図18(特に図12、図13参照)に示すように、本実施形態のインナロータ42において、貫通孔200は、孔側円弧部61と孔側回り止め部62とのなす角部のうち、軸線O2を通って対向する一対の角部に対応して配置されている。貫通孔200は、孔側回り止め部62の延長線上(図3に示す仮想円Lの接線)に沿って延びている。貫通孔200の外側開口部は、インロー部52の外周面上で開口している。貫通孔200の内側開口部は、逃げ溝67の内面上で開口している(孔側回り止め部62に向けて開口している)。なお、貫通孔200は、仮想円Lの法線に沿って延在して、逃げ溝67内に開口していてもよい。
本実施形態では、貫通孔200を通じて嵌合孔60の内周面と嵌合部72との間に供給されるオイルが、嵌合部72と嵌合孔60の内周面との接触が起きやすい箇所である孔側円弧部61と孔側回り止め部62とのなす角部に供給され易くなる。そのため、上述した第1実施形態と同様に、嵌合部72と嵌合孔60の内周面との接触をオイルによって緩衝又は潤滑することができる。
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、インナロータ42がインロー部52を有する構成について説明したが、この構成に限られない。この場合には、ロータ本体51に貫通孔を形成してもよい。
上述した実施形態では、X方向において、貫通孔がロータ本体51とインロー部52との境界部分に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。貫通孔は、X方向の任意の位置に形成してもよい。
また、軸線O2に交差する方向でインナロータを貫通し、インナロータの外周面上及び内周面上で開口していれば、貫通孔の延在方向等は適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、貫通孔が各孔側回り止め部62に対して1つずつ形成された構成について説明したが、この構成のみに限られない。各孔側回り止め部62に対する貫通孔の数や大きさ等は適宜変更が可能である。また、貫通孔は、孔側円弧部61に対応して設けられていてもよい。
上述した実施形態では、一対の円弧部及び一対の回り止め部が第2周方向に交互に連なる構成について説明したが、この構成に限られない。円弧部及び回り止め部は、1つずつでも3つ以上の複数ずつでもよい。
上述した実施形態では、ポンプ軸13がクランクシャフト3と一体回転する構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、内接ギヤポンプは、クランクシャフト3の回転に対して独立して回転する構成であってもよい。
上述した実施形態では、ケース11とシリンダブロック2との組み合わせでポンプ室59の空間が成り立っている構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、シリンダブロック2とは別に、ポンプカバーによってケース11を閉塞してポンプ室59の空間が成り立っていてもよい。
上述した実施形態では、内接ギヤポンプによって送り出す液体として車両内を循環するオイルを採用した場合について説明したが、この構成に限らず、種々の液体を採用することが可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…内接ギヤポンプ
11…ケース
13…ポンプ軸(回転軸)
31…吸込室
32…吐出室
41…アウタロータ
42…インナロータ
46…内歯
51…ロータ本体
52…インロー部(突出部)
56…外歯
59…ポンプ室
60…嵌合孔
61…孔側円弧部
62…孔側回り止め部
65…オイル流通溝(液体流通溝)
72…嵌合部
81…軸側円弧部
82…軸側回り止め部
100…貫通孔
200…貫通孔

Claims (5)

  1. 内歯を有する筒状のアウタロータと、
    前記アウタロータの内側で前記アウタロータに対して偏心した状態で前記アウタロータとともに回転可能に構成され、前記内歯との間にポンプ室を形成する外歯を有するインナロータと、
    前記インナロータに形成された嵌合孔内に嵌合された嵌合部を有し、前記インナロータの軸線回りに回転する回転軸と、を備え、
    前記嵌合孔の内周面は、
    円弧状に形成された孔側円弧部と、
    前記軸線回りの周方向で前記孔側円弧部に連なり、前記軸線と異なる位置に曲率中心が位置する孔側回り止め部と、を備え、
    前記嵌合部の外周面は、
    前記孔側円弧部に倣って円弧状に形成された軸側円弧部と、
    周方向で前記軸側円弧部に連なり、前記孔側回り止め部に倣って形成された軸側回り止め部と、を備え、
    前記インナロータには、外周面上で開口するとともに、前記嵌合孔の内周面上において前記孔側回り止め部に向けて開口する貫通孔が形成されている内接ギヤポンプ。
  2. 前記アウタロータ及び前記インナロータを収容するケースを備え、
    前記インナロータは、
    前記外歯が形成されたロータ本体と、
    前記ロータ本体から軸方向に突出するとともに、前記ケースに回転可能に支持される突出部と、を備え、
    前記嵌合孔は、前記ロータ本体及び前記突出部を軸方向に貫通し、
    前記貫通孔は、前記突出部に形成されている請求項1に記載の内接ギヤポンプ。
  3. 前記孔側回り止め部には、前記孔側回り止め部上で開口するとともに、前記インナロータの軸方向に延びる液体流通溝が形成され、
    前記貫通孔は、前記液体流通溝の内周面上で開口している請求項1又は請求項2に記載の内接ギヤポンプ。
  4. 前記貫通孔は、前記孔側円弧部と前記孔側回り止め部との角部で開口している請求項1又は請求項2に記載の内接ギヤポンプ。
  5. 前記孔側円弧部及び前記孔側回り止め部は、周方向に交互に一対ずつ設けられ、
    前記軸側円弧部及び前記軸側回り止め部は、周方向に交互に一対ずつ設けられている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の内接ギヤポンプ。
JP2019055063A 2019-03-22 2019-03-22 内接ギヤポンプ Pending JP2020153349A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019055063A JP2020153349A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 内接ギヤポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019055063A JP2020153349A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 内接ギヤポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020153349A true JP2020153349A (ja) 2020-09-24

Family

ID=72558251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019055063A Pending JP2020153349A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 内接ギヤポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020153349A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4545072B2 (ja) ポンプのロータ装置
JP6343355B2 (ja) ギヤポンプおよびその製造方法
JP6128127B2 (ja) ギヤポンプ
WO2017043478A1 (ja) ギヤポンプ
JP2008298026A (ja) 可変容量形ポンプ
JP2020153349A (ja) 内接ギヤポンプ
JP2010190161A (ja) 内接ギヤポンプ
WO2022176544A1 (ja) タンデム型オイルポンプ
JP2020153350A (ja) 内接ギヤポンプ
JP3213356U (ja) 内接歯車ポンプ
JP2020153351A (ja) 内接ギヤポンプ
JP6005260B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP4061847B2 (ja) ギヤポンプ
JP3673370B2 (ja) ギアポンプ
JP3180128U (ja) 内接歯車ポンプ
CN110573732A (zh) 滚筒式容积型压缩机
JP5550979B2 (ja) 内接式歯車ポンプ
JPH04255584A (ja) 液圧流体のための内接歯車ポンプ
JP2018162676A (ja) ギヤポンプおよびアウターロータの歯形創成方法
JP2021025520A (ja) オイルポンプ
JPH0744779Y2 (ja) トロコイド型オイルポンプ
JP2002106476A (ja) ギヤポンプ
JP2024507549A (ja) 流体移送デバイス
JPH0746781Y2 (ja) 液体ポンプ
JP2022012915A (ja) 内接歯車ポンプ