JP2021025520A - オイルポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
(1)本発明の第一の態様に係るオイルポンプは、ポンプ室が形成されたケースと、前記ケースに回転可能に支持された回転軸と、前記ポンプ室内に収容されるとともに、前記回転軸の回転に伴い前記ポンプ室内でオイルを送り出すポンプ部と、を備え、前記ケースは、前記ポンプ室に連通する第一吸入ポートと、前記第一吸入ポートに連通する第一吸入流路と、前記ポンプ室に連通する第一吐出ポートと、前記第一吐出ポートに連通する第一吐出流路と、前記ポンプ室に連通する第二吸入ポートと、前記第二吸入ポートに連通する第二吸入流路と、前記ポンプ室に連通する第二吐出ポートと、前記第二吐出ポートに連通する第二吐出流路と、を有し、前記ポンプ部が一方の方向に回転した場合、前記第一吸入ポートは前記第一吸入流路から前記ポンプ室に前記オイルを吸入して、前記第一吐出ポートは前記オイルを前記第一吐出流路に吐出し、前記ポンプ部が他方の方向に回転した場合、前記第二吸入ポートは前記第二吸入流路から前記ポンプ室に前記オイルを吸入して、前記第二吐出ポートは前記オイルを前記第二吐出流路に吐出し、前記第一吸入流路、前記第一吐出流路、前記第二吸入流路および前記第二吐出流路の少なくとも一つは、前記オイルを搬送する流路に、ボールと前記ボールを着座可能な着座部とを有し、スプリングを使用していない逆止弁を備える。
本態様によれば、上記4つのポートの高さが異なる場合と比較して、高さ方向の寸法を短くすることができる。
本態様によれば、上記4つのポートをバランスよく配置でき、オイルポンプ全体の寸法を小さくすることができる。
本態様によれば、上記4つのポート全てがケース本体とケースカバーのいずれか一方にある場合と比較して、省スペース化を実現できる。
本態様によれば、逆止弁を構成するボールの自重によって、自ずと着座部に移動するため、逆止弁の構成を簡素化できる。
本態様によれば、オイルの油圧又はボールの自重によって、ボールが傾斜面に案内されながら着座部まで移動する。よって、傾斜面により、ボールの移動をスムーズに行うことができる。このため、逆止弁の構成を簡素化できる。
本発明の一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。本実施形態に係るオイルポンプ100は、例えば車両のエンジンルーム、特にデファレンシャルギアユニット等に搭載される。オイルポンプ100は、エンジンの回転に応じてオイルパンからオイルを汲み上げた後、オイルの供給対象である潤滑部材や冷却部材、油圧デバイス等に送出する。なお、オイルポンプ100は、車両以外に搭載されていてもよい。
図1は、本実施形態に係るオイルポンプ100の分解図である。
オイルポンプ100は、いわゆるトロコイド型(内接型)のオイルポンプであり、ケース10と、ポンプ部3と、回転軸4と、を備えている。以降の説明では、回転軸4の延在方向をX方向、オイルポンプ100にオイルが汲み上げられる垂直方向をZ方向、X方向とZ方向に直交する水平方向をY方向として説明する。
回転軸4は、エンジンのプロペラシャフトに接続されている。プロペラシャフトの回転により、回転軸4はX方向を回転軸方向として回転してインナーロータ31を回転させる。なお、回転軸4は、クランクシャフトの他、カムシャフト等の任意の部材に接続できる。以降の説明において、回転軸4の軸線を「軸線O2」とする。
図2は、オイルポンプ100のX方向の断面図である。
ケース10は、ケース本体1とケースカバー2とを有している。ケース本体1とケースカバー2とは接合固定されており、ケース本体1とケースカバー2との間にはポンプ室POが形成されている。ポンプ室POにはポンプ部3が配置されている。回転軸4はケース本体1およびケースカバー2を貫通している。
図3(A)は、ポンプ部3側から見たケース本体1の正面図である。図3(B)は、図3(A)に示すケース本体1のI−I断面の断面図である。図3(C)は、図3(A)に示すケース本体1のII−II断面の断面図である。
ケース本体1は、箱型に形成されており、本体側回転軸差込孔11と、本体側凹部12と、第一吸入流路13と、第一吸入ポート15と、第一吐出ポート16と、第一吐出流路17と、オイル吸込口1Aと、オイル吹出口1Bと、を有する。
円弧溝部121bは、直線溝部121aのY1方向の端部に形成されており、本体側回転軸差込孔11に沿って円弧状に形成されている。X方向から見た場合の円弧溝部121bの溝の幅は、軸線O2時計回りに進むに従って広くなる。
円弧溝部122bは、直線溝部122aのY2方向の端部に形成されており、本体側回転軸差込孔11に沿って円弧状に形成されている。X方向から見た場合の円弧溝部122bの溝の幅は、軸線O2反時計回りに進むに従って広くなる。円弧溝部122bの周方向角度βは、円弧溝部121bの周方向角度αよりも小さい。
図4(A)は、ポンプ部3側から見たケースカバー2の正面図である。図4(B)は、図4(A)に示すケースカバー2のIII−III断面の断面図である。図4(C)は、図4(A)に示すケースカバー2のIV−IV断面の断面図である。
ケースカバー2は、箱型に形成されており、カバー側回転軸差込孔21と、カバー側凹部22と、第二吸入流路23と、第二吸入ポート25と、第二吐出ポート26と、第二吐出流路27と、を有する。
図5はポンプ部3の正面図である。
ポンプ部3は、ポンプ室POのポンプ収容部120に収容されている。ポンプ部3は、回転軸4の回転に伴いポンプ室PO内を回転することでオイルを送り出す。ポンプ部3は、インナーロータ31と、アウターロータ32と、を有している。ポンプ収容部120に収容されたインナーロータ31とアウターロータ32とは、いわゆるトロコイド型(内接型)ポンプを構成する。
次にオイルポンプ100の作用を説明する。
プロペラシャフトの回転に伴い、X2方向に見て軸線O2時計回りに回転軸4が回転すると、インナーロータ31が回転軸4と共に軸線O2時計回りに回転する。すると、アウターロータ32がインナーロータ31に噛み合いながらX2方向に見て軸線O1時計回りに回転する。
ポンプ部3が時計回りする際、第一吐出流路逆止弁18等をZ1方向に通過するオイルOは、着座部Sに接触するボールBを上側に浮上させることで、オイルOが上方に汲み上げられる経路Rが確保される。一方、オイルOが流れない場合、もしくはポンプ部3が反時計回りする際にオイルOがZ2方向に流れようとする場合は、ボールBの自重もしくはZ2方向の油圧によりボールBは着座部Sに接触し、オイルOがZ2方向に流れる逆流が防止(抑制)される。
次に、図8、図9、図10に基づいて第二実施形態について説明する。なお、以下で説明する第二実施形態において、第一実施形態と対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図8は、第二実施形態に係るオイルポンプのポンプ部側(X1方向)から見たケース本体の正面図である。図9は、同オイルポンプのポンプ部側(X2方向)から見たケースカバーの正面図である。図10は、同オイルポンプのポンプ部の正面図である。
図10に示すように、第二実施形態に係るオイルポンプ200は、ベーン型のオイルポンプである。具体的に、本第二実施形態と前述の第一実施形態との相違点は、第二実施形態におけるポンプ部103の構成と、第一実施形態におけるポンプ部3の構成とが異なる点にある。
本実施形態において、第一吐出ポート16は、円弧溝部122bの底面上でX1方向に開口している。また、第一吐出流路17は、第一吐出ポート16と第一吐出第一流路17aとを接続する第二接続流路17dを備えている。第二接続流路17dは、ケース本体1の内部に、Y方向に沿って直線状に形成されている。
本実施形態において、第二吐出ポート26は、第二吐出溝部222の底面上でX2方向に開口している。また、第二吐出流路27は、第二吐出ポート26と第二吐出第一流路27aとを接続する第四接続流路27dを備えている。第四接続流路27dは、ケースカバー2の内部に、Y方向に沿って直線状に形成されている。
次にオイルポンプ200の作用を説明する。
X2方向に見て、軸線O2時計回りに、回転軸4が回転すると、ロータ81が回転軸4とともに軸線O2時計回りに回転する。すると、各ベーン82がポンプ収容部120の内周面に摺動しながら、スリット87内をポンプ径方向にスライド移動する。これにより、ロータ81の回転に伴い、各移送室S1の容積(体積)は、膨張と圧縮を連続して繰返す。
この時、第二吸入流路逆止弁24および第二吐出流路逆止弁28は閉じられた状態であり、第二吸入ポート25からオイルOは吸入されず、第二吐出ポート26からオイルOは吐出されない。
この時、第一吸入流路逆止弁14および第一吐出流路逆止弁18は閉じられた状態であり、第一吸入ポート15からオイルOは吸入されず、第一吐出ポート16からオイルOは吐出されない。
なお、本実施形態において、ロータ81の軸線O2が、ポンプ室POの軸線O1に対して移動可能な可変容量型の構成であってもよい。
例えば、上記第一実施形態ではトロコイド型(内接歯車)のオイルポンプを採用し、上記第二実施形態では、ベーン型オイルポンプを採用した場合について説明したが、ポンプ部の態様はこれに限定されない。ポンプ部には、ギアポンプ(外接歯車)、ピストンポンプ等を使用することができ、どの態様であっても本発明は同等の効果を奏する。すなわち、ポンプ部は、例えばトロコイド型やベーン型のように、回転軸4に固定された回転部(例えば、インナーロータ31やロータ81)を備え、回転部の回転に伴い回転部に対して外側の領域の容積が増減することで、オイルOを送り出すものであればよい。
また、ポンプ部は、ギアポンプのように、ポンプ室内を互いに平行に横断する複数の回転軸と、回転軸にそれぞれ固定されたギアと、を備え、各回転軸の回転に伴いギア同士の噛み合いによってオイルOを送り出す構成であってもよい。
さらに、ポンプ部は、ピストンポンプのように、ポンプ室とは異なる位置に設けられた回転軸と、回転軸の回転に伴いポンプ室内を移動するピストンと、を備える構成であってもよい。
例えば、上記実施形態では、第一吸入流路13、第一吐出流路17、第二吸入流路23および第二吐出流路27のいずれもが、ボールBと着座部SとピンPとを有する逆止弁を備えていたが、オイルポンプが備える逆止弁の態様はこれに限定されない。第一吸入流路、第一吐出流路、第二吸入流路および第二吐出流路の少なくとも一つが、ボールBと着座部SとピンPとを有する逆止弁を備えていればよい。上記4流路のうち当該逆止弁を有さない流路には、スプリング等で構成された別の構造を有する逆止弁が設けられていてもよい。
例えば、上記実施形態では、ボールBと着座部SとピンPとを有する逆止弁は、鉛直方向にオイルを搬送する流路に設けられていたが、オイルポンプが備える逆止弁の態様はこれに限定されない。図7は、逆止弁の変形例である逆止弁Vを示す図である。逆止弁Vは鉛直方向から傾いた方向にオイルを搬送する流路Fに設けられている。逆止弁Vは、ボールBと着座部SとピンPと傾斜面SLとを有する。傾斜面SLは、円錐形状の内周面と同様の傾斜面であり、着座部SとピンPの間に設けられている。傾斜面SLは、ボールBを着座部Sに案内する。X2方向において、傾斜面SLの下端部より低い位置に着座部Sが位置するため、ボールBは重力により自ずと着座部Sに移動する。逆止弁Vを上方向に通過するオイルOは、着座部Sに接触するボールBを上側に浮上させることで、オイルOが上方に汲み上げられる経路Rが確保される。一方、オイルOが流れない場合もしくは下方向に流れようとする場合は、ボールBの自重や油圧により、ボールBは傾斜面SLにより案内され、着座部Sに接触し、オイルOが下方向に流れる逆流が防止(抑制)される。一番下側の傾斜面SLであっても傾斜面SLより着座部Sの方が低いため、ボールBは自ずと着座部Sに移動する。オイルOの油圧又はボールBの自重によって、ボールBが傾斜面SLに案内されながら着座部Sまで移動する。よって、傾斜面SLにより、ボールBの移動をスムーズに行うことができる。このため、逆止弁Vの構成を簡素化できる。
例えば、上記実施形態では、円弧溝部121bの周方向角度αは円弧溝部122bの周方向角度βよりも大きく、回転軸4が正回転する場合と逆回転する場合において吐出性能が異なっていたが、ポンプ部の態様はこれに限定されない。円弧溝部121bの周方向角度αと円弧溝部122bの周方向角度βとを一致させ、回転軸4が正回転する場合と逆回転する場合において吐出性能が一致するように構成してもよい。
例えば、上記実施形態では、外歯34および内歯36は山形状と谷形状が周方向に対称な左右対称歯形に形成されていたが、ポンプ部の外歯および内歯の態様はこれに限定されない。ポンプ部の外歯および内歯は左右非対称歯形であってもいい。外歯および内歯に左右非対称歯形を含ませることで、回転軸4が正回転する場合と逆回転する場合において、それぞれ異なる特定の回転数等の条件で、振動や騒音を低減できる。
120…ポンプ収容部
10…ケース
1…ケース本体
2…ケースカバー
3…ポンプ部
4…回転軸
13…第一吸入流路
14…第一吸入流路逆止弁
15…第一吸入ポート
16…第一吐出ポート
17…第一吐出流路
18…第一吐出流路逆止弁
23…第二吸入流路
24…第二吸入流路逆止弁
25…第二吸入ポート
26…第二吐出ポート
27…第二吐出流路
28…第二吐出流路逆止弁
31…インナーロータ
32…アウターロータ
81…ロータ
82…ベーン
83…ガイドリングPO…ポンプ室
B…ボール
S…着座部
P…ピン
Claims (6)
- ポンプ室が形成されたケースと、
前記ケースに回転可能に支持された回転軸と、
前記ポンプ室内に収容されるとともに、前記回転軸の回転に伴い前記ポンプ室内でオイルを送り出すポンプ部と、 を備え、
前記ケースは、
前記ポンプ室に連通する第一吸入ポートと、
前記第一吸入ポートに連通する第一吸入流路と、
前記ポンプ室に連通する第一吐出ポートと、
前記第一吐出ポートに連通する第一吐出流路と、
前記ポンプ室に連通する第二吸入ポートと、
前記第二吸入ポートに連通する第二吸入流路と、
前記ポンプ室に連通する第二吐出ポートと、
前記第二吐出ポートに連通する第二吐出流路と、
を有し、
前記ポンプ部が一方の方向に回転した場合、前記第一吸入ポートは前記第一吸入流路から前記ポンプ室に前記オイルを吸入して、前記第一吐出ポートは前記オイルを前記第一吐出流路に吐出し、
前記ポンプ部が他方の方向に回転した場合、前記第二吸入ポートは前記第二吸入流路から前記ポンプ室に前記オイルを吸入して、前記第二吐出ポートは前記オイルを前記第二吐出流路に吐出し、
前記第一吸入流路、前記第一吐出流路、前記第二吸入流路および前記第二吐出流路の少なくとも一つは、前記オイルを搬送する流路に、ボールと前記ボールを着座可能な着座部とを有し、スプリングを使用していない逆止弁を備える、
オイルポンプ。 - 前記第一吸入ポートと、前記第一吐出ポートと、前記第二吸入ポートと、前記第二吐出ポートとは、鉛直方向における高さが等しい位置に配置されている、
請求項1に記載のオイルポンプ。 - 前記第一吸入ポートと前記第一吐出ポートとは、前記ポンプ室を挟んで両側に形成されており、
前記第二吸入ポートと前記第二吐出ポートとは、前記ポンプ室を挟んで両側に形成されている、
請求項1または請求項2に記載のオイルポンプ。 - 前記ケースは、ケース本体とケースカバーとを有し、
前記ポンプ室は、前記ケース本体と前記ケースカバーとの間に形成され、
前記第一吸入ポートと前記第一吐出ポートは前記ケース本体に設けられ、
前記第二吸入ポートと前記第二吐出ポートは前記ケースカバーに設けられている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のオイルポンプ。 - 前記逆止弁の少なくとも一つは、鉛直方向に前記オイルを搬送する流路に設けられている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のオイルポンプ。 - 前記逆止弁の少なくとも一つは、前記ボールを前記着座部に案内する傾斜面を有する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
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