JP7021532B2 - 可変オイルポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、可変オイルポンプに関する。
従来、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る締切部とを含むケースを備えた可変オイルポンプが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、吸込ポートおよび吐出ポートを形成するケースと、ケースに収容される、インナーロータおよびアウターロータを有するオイルポンプロータと、オイルポンプロータを回転可能に保持する調整リングとを備える、オイルポンプ(可変オイルポンプ)が開示されている。この特許文献1に記載のオイルポンプのオイルポンプロータは、回転駆動することによって、ロータの歯間の容積室が大きくなり吸込ポートからオイルが吸い込まれる吸込行程と、ロータの歯間の容積室が小さくなり吐出ポートにオイルを吐出する吐出行程とを行うように構成されている。また、調整リングがケースとオイルポンプロータとの相対位置を非可変状態から可変状態に変位させることによって、吸込行程のオイルポンプロータと吸込ポートとが対向する面積が小さくなるとともに、吐出行程のオイルポンプロータと吐出ポートとが対向する面積が小さくなる。これにより、オイルポンプは、オイルポンプから吐出されるオイルの吐出量を減少させるように構成されている。
ここで、一般的に、ケースとオイルポンプロータとの相対位置が変位するオイルポンプでは、オイルポンプロータの回転方向の吐出ポートから吸込ポートに向かう側において吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る締切部(第1締切部)には、可変状態において、吸込行程の容積室が対向する。
特開2012-132356号公報
ここで、吸込行程の容積室では、容量が大きくなることにより、負圧が発生してオイルが吸い込まれる。一方、吸込行程の容積室のうち、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る締切部に対向する位置に位置している容積室(第1締切容積室)には、吸込ポートからオイルが十分に供給されないことにより、大きな負圧が発生するという不都合がある。このため、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る締切部に対向する位置に位置している容積室と吸込ポートとがオイルポンプロータの回転により連通した際に、容積室に向かって吸込ポートから勢いよくオイルが流入する。したがって、上記特許文献1に記載のオイルポンプでは、負圧により発生した気泡が連通時に崩壊することによって発生するキャビテーションノイズ、ならびに、連通時のオイルの容積室への流入速度および流入加速度が大きいことによるノイズが発生することに起因して、オイルポンプから異音が発生しやすい。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る第1締切部に対向する位置の容積室(第1締切容積室)に大きな負圧が発生するのを抑制することによって、異音が発生するのを抑制することが可能な可変オイルポンプを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における可変オイルポンプは、複数の内歯を有するアウターロータと、アウターロータの軸芯に対して偏心した軸芯回りに回転し、アウターロータの内歯に係合する複数の外歯を有するインナーロータとを含むオイルポンプロータと、インナーロータおよびアウターロータを外側から回転可能に保持するとともに、変位することによりオイルの吐出量を調整する吐出量調整部材と、オイルを外歯および内歯の間の容積室内に導く吸込ポートと、オイルを容積室外に導く吐出ポートと、オイルポンプロータの回転方向において吐出ポートから吸込ポートに向かう側に位置し、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る第1締切部とを含み、オイルポンプロータおよび吐出量調整部材を収容するケースと、吸込行程の容積室のうち、第1締切部に対向する位置の第1締切容積室にオイルを流入させる通路部と、を備える。
この発明の一の局面による可変オイルポンプでは、上記のように、吸込行程の容積室のうち、オイルポンプロータの回転方向において吐出ポートから吸込ポートに向かう側に位置し、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る第1締切部に対向する位置の第1締切容積室にオイルを流入させる通路部を設ける。これにより、通路部により第1締切容積室に予めオイルを流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。この結果、オイルポンプロータの回転により第1締切容積室と吸込ポートとが連通した際に、第1締切容積室に向かって吸込ポートから勢いよくオイルが流入するのを抑制(緩和)することができる。したがって、負圧により発生した気泡が連通時に崩壊することによって発生するキャビテーションノイズ、ならびに、連通時のオイルの第1締切容積室への流入速度および流入加速度が大きいことに起因するノイズが発生するのを抑制することができるので、オイルポンプから異音が発生するのを抑制することができる。
上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、好ましくは、通路部は、吐出ポートから第1締切部に延びるように形成され、吸込行程において吐出ポートから第1締切容積室にオイルを流入させるポート側通路部を含む。
このように構成すれば、ポート側通路部により、吐出ポートからオイルを第1締切容積室に流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。
上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、好ましくは、通路部は、アウターロータに形成され、内歯とアウターロータの外部とを接続するロータ側通路部を含み、ケースは、オイルポンプロータの回転方向において吸込ポートから吐出ポートに向かう側に位置し、吸込ポートと吐出ポートとの間を仕切る第2締切部をさらに含み、ロータ側通路部は、吸込行程において第1締切容積室にオイルが入った状態で第1締切容積室が吸込ポートに連通するように第1締切容積室にオイルを流入させることに加えて、吐出行程の容積室のうち、第2締切部に対向する位置の第2締切容積室の容量を大きくするように構成されている。
このように構成すれば、ロータ側通路部により、オイルを第1締切容積室に流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。
ここで、吐出行程のうち、吐出ポートに対向していない容積室では、吐出ポートにオイルが吐出できないことにより、第2締切部に対向する位置に位置している第2締切容積室に、大きな正圧が発生する。このため、第2締切容積室と吐出ポートとがオイルポンプロータの回転により連通した際に、吐出ポートに向かって第2締切容積室から勢いよくオイルが流入する。したがって、連通時のオイルの吐出ポートへの流入速度および流入加速度が大きいことによるノイズが発生することに起因して、オイルポンプから異音が発生してしまう。そこで、本発明のように、ロータ側通路部により第2締切容積室の容量を大きくすることによって、ロータ側通路部の分だけ第2締切容積室の容量を大きくすることができるので、大きくなった容量分、第2締切容積室に大きな正圧が発生するのを抑制することができる。これにより、オイルポンプロータの回転により第2締切容積室と吐出ポートとが連通した際に、吐出ポートに向かって第2締切容積室から勢いよくオイルが流出するのを抑制(緩和)することができる。したがって、連通時のオイルの第2締切容積室への流入速度および流入加速度が大きいことに起因するノイズが発生するのを抑制することができるので、オイルポンプから異音が発生するのをより抑制することができる。
この場合、好ましくは、ロータ側通路部は、アウターロータの軸方向の端面に形成され、内歯とアウターロータの外部とを接続するように延びるロータ側溝部を有する。
このように構成すれば、ロータ側通路部としてアウターロータを貫通する孔を設ける場合と比べて、容積室(第1締切容積室および第2締切容積室)と外部とを連通するロータ側通路部をロータ側溝部としてオイルポンプロータに容易に設けることができる。
上記通路部がロータ側通路部を含む構成において、好ましくは、吐出量調整部材は、ロータ側通路部にオイルを供給するための調整部材通路部を含む。
このように構成すれば、アウターロータの外側(外部)に配置された吐出量調整部材に調整部材通路部を設けることによって、ロータ側通路部を介して、アウターロータの外部から第1締切容積室にオイルを確実に供給することができる。これにより、第1締切容積室に大きな負圧が発生するのを確実に抑制することができる。
なお、本出願では、上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
また、上記ロータ側通路部がロータ側溝部を有する構成において、ロータ側溝部は、アウターロータの軸方向の両端面の各々に形成されている。
本発明の一実施形態によるオイルポンプが搭載されたエンジンを示した図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの構造を示した分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの非可変状態を示した図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの非可変状態におけるポンプロータおよび調整リングを示した図である。 図4の200-200線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの可変状態を示した図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの可変状態のうちの締切タイミング延長時におけるポンプロータおよび調整リングを示した図である。 図7の210-210線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態によるオイルポンプの可変状態のうちの連通時におけるポンプロータおよび調整リングを示した図である。 図9の220-220線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1~図5を参照して、本発明の一実施形態によるオイルポンプ1(可変オイルポンプの一例)の構成について説明する。以下の説明では、オイルポンプ1のX軸方向(エンジン90のクランク軸93の延びる方向)をX軸方向とし、X軸方向に直交する方向をY軸方向とする。また、X軸方向およびY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。
(オイルポンプの全体構成)
本発明の一実施形態によるオイルポンプ1は、図1に示すように、エンジン90を備えた自動車(図示せず)に搭載されている。オイルポンプ1は、オイルパン91内のオイル(エンジンオイル)1を汲み上げて複数のピストン92、クランク軸93およびバルブ機構94などの可動部(摺動部)に供給(圧送)する機能を有する。
また、オイルポンプ1は、図2および図3に示すように、ハウジング10と、ポンプロータ20(オイルポンプロータの一例)と、調整リング30(吐出量調整部材の一例)と、コイルばね60(図3参照)と、ハウジング10にX2側から被せられるカバー18とを備える。なお、ハウジング10とカバー18とにより、ケース17が構成されており、ケース17内にハウジング10、ポンプロータ20、および、調整リング30が収容される。
ポンプロータ20は、ハウジング10内に回転可能に設けられている。また、ポンプロータ20は、複数の外歯21aを有するインナーロータ21、および、各々外歯21aに係合する内歯22aを有するアウターロータ22を含む。調整リング30は、ポンプロータ20を外周側から回転可能に保持している。コイルばね60(図3参照)は、調整リング30を後述する非可変状態(初期位置)側に付勢している。
ここで、図4に示すように、インナーロータ21の軸芯O1は、アウターロータ22の軸芯O2に対して一定量だけ偏心している。インナーロータ21が矢印R方向に回転されると、アウターロータ22は同じ方向に若干の遅れをもって回転される。回転の際、インナーロータ21とアウターロータ22との距離の短いところでは、インナーロータ21の外歯21aとアウターロータ22の内歯22aとが噛み合う。これに対して、距離の遠い方ではインナーロータ21の外歯21aが1枚だけ少ないために、アウターロータ22との間に容積室Vが形成される。
そして、容積室Vが矢印R方向への回転移動とともに拡大したり縮小したりすることによって、ポンプロータ20にポンプ機能が生み出される。具体的には、ポンプロータ20の矢印R方向の回転に伴って、インナーロータ21の外歯21aとアウターロータ22の内歯22aとの間の容積室Vが大きくなる負圧行程と、ポンプロータ20の矢印R方向の回転に伴って、外歯21aと内歯22aとの間の容積室Vが小さくなる正圧行程とがポンプロータ20に生じる。この結果、ポンプロータ20においてオイルの吸込みおよび吐出が行われる。
なお、インナーロータ21の外歯21aは、一般的なトロコイドポンプにおけるインナーロータの外歯と比較して、歯幅が細められかつ歯丈が径方向外側に引き延ばされた歯形を有している。また、アウターロータ22の内歯22aは、外歯21aの歯形に合わせて噛み合い可能に形成されている。これにより、ポンプロータ20に形成される容積室Vの容量がより多く確保されるように構成されている。なお、インナーロータ21の外歯21aは、一般的なトロコイドポンプと同様の外歯の歯型であってもよい。
また、図1に示すように、オイルポンプ1は、クランクケース95内部のクランク軸93に対して斜め下方(Z2側)に配置されている。ここで、エンジン90は、クランクケース95を含むエンジンブロック90aのX2側の側端面に縦長状のチェーンカバー(タイミングチェーンカバー)96が締結されており、チェーンカバー96の下端部の領域(Z2側)がクランクケース95におけるオイルパン91の側端面に締結されている。そして、クランク軸93は、X2側の端部が外部(X2側)に露出しており、この部分にクランクプーリ97が取り付けられている。
これにより、オイルポンプ1は、チェーンカバー96の内側に配置されるとともに、クランク軸93と入力軸50側のスプロケット98とにタイミングチェーン99が掛けられている。クランク軸93の駆動力がオイルポンプ駆動用のタイミングチェーン99およびスプロケット98を介して入力軸50に伝達され、インナーロータ21に圧入された入力軸50によりポンプロータ20が回転される。この結果、入力軸50の軸線上にインナーロータ21の軸芯O1が位置している。
また、ハウジング10およびカバー18には、入力軸50が挿入される挿入孔10aおよび18cが形成されている。ハウジング10およびカバー18には、入力軸50の回転駆動は伝達されない。
(オイルポンプの詳細な構成)
ハウジング10は、図2に示すように、ハウジング10の外縁部を取り囲む周状の壁部11と、壁部11を繋ぐ底部12とを有する。また、カバー18には、ハウジング10の壁部11と底部12とによって凹状となった収容凹部12aに対向するように、収容凹部18a(図5参照)が形成されている。そして、収容凹部12aと収容凹部18aとに囲まれた領域に、ポンプロータ20、調整リング30およびコイルばね60(図3参照)が所定の位置関係を有して収容されている。この結果、オイルポンプ1では、ポンプロータ20、調整リング30およびコイルばね60が、ハウジング10とカバー18とに挟み込まれた状態で収容されている。
また、収容凹部12aには、矢印X2方向に突出する摺動面12bが形成されている。また、収容凹部18aには、X1側に突出する摺動面18bが形成されている。ポンプロータ20は、図5に示すように、X1側の一方端面が摺動面12bに当接するとともに、X2側の他方端面が摺動面18bに当接した状態で、矢印R方向回りに回転するように構成されている。
また、図2に示すように、収容凹部12aと収容凹部18aとに囲まれた領域には、ポンプロータ20にオイル(図1参照)が吸い込まれる吸込ポート13と、ポンプロータ20からオイル(図1参照)が吐出される吐出ポート14とが形成されている。
また、吸込ポート13と吐出ポート14との間には、吸込ポート13と吐出ポート14とが連通するのを規制する締切部15が形成されている。この結果、締切部15では、ポンプロータ20へのオイルの吸い込み、および、ポンプロータ20からのオイルの吐出が行われない。なお、締切部15は、吸込ポート13と吐出ポート14との間で、かつ、摺動面12bおよび摺動面18bが位置する部分である。
締切部15は、矢印R方向において吐出ポート14から吸込ポート13に向かう側に形成された第1締切部15aと、矢印R方向において吸込ポート13から吐出ポート14に向かう側に形成された第2締切部15bとを含んでいる。
吸込ポート13は、図3に示すように、ハウジング10の底部12に開口する開口部13aからハウジング10内部の油路13bを介してオイルストレーナ2に繋がる配管3(図5参照)に接続されている。また、吐出ポート14は、吐出範囲に対応して底部12を窪ませて浅溝状に形成されるとともに、ハウジング10の内部の油路14aを介して吐出油路4(図5参照)に接続されている。
ハウジング10は、底部12からX軸方向に突出する2本のピン16aおよび16bを有する。このピン16aおよび16bは、後述する調整リング30のガイド孔31aおよび31bにそれぞれ係合するように構成されている。
カバー18は、図2に示すように、X2側から矢印X1方向に向かってハウジング10における壁部11の接合面11b(X2側の端面)に締結部材(図示せず)を用いて締結される。その際、ハウジング10のピン16aおよび16bは、カバー18のピン固定穴18dおよび18eに嵌り込んだ状態でそれぞれ固定される。
また、オイルポンプ1は、ポンプロータ20の1回転毎に吐出されるオイルの吐出量(ポンプ容量)を変更するための容量可変機構を備えている。この容量可変機構は、ハウジング10の収容凹部12a内に形成される油圧室Uの油圧(制御油圧)によって調整リング30を変位(回動)させる機構である。調整リング30の変位(回動)によって、ポンプロータ20のハウジング10およびカバー18(吸込ポート13および吐出ポート14)に対する相対位置が変位し、ポンプ容量が変更されるように構成されている。
調整リング30は、図2および図3に示すように、外周側からポンプロータ20(アウターロータ22)を回転可能に保持する役割を有する。つまり、内周面30aに外周面20aが滑らかに接触(摺動)するようにポンプロータ20が配置されている。また、調整リング30には、厚み方向(X軸方向)に貫通する長孔状のガイド孔31aおよび31bが形成されている。
コイルばね60は、図3に示すように、調整リング30がハウジング10に収容された状態で、壁部11の内側面11aと調整リング30との対向領域に嵌め込まれている。また、調整リング30は、コイルばね60の伸長力によって矢印A1方向に付勢されている。すなわち、コイルばね60の押圧力によって、調整リング30は、入力軸50のまわりを矢印A1方向に回動(変位)するように付勢されている。これにより、調整リング30に油圧が作用しない状態では、コイルばね60が最も伸びた状態で調整リング30が変位(回動)を開始する非可変状態(初期位置)に保持されるように構成されている。
また、調整リング30がケース17に収容された状態では、壁部11の内側面11aと、ベーン32aおよび32bと、ベーン32aからベーン32bまでの間の調整リング30の外側面30bとによって囲まれた領域に油圧室Uが形成されるように構成されている。
また、調整リング30がケース17に収容された状態では、ケース17に固定されたピン16aがガイド孔31aに摺動可能に挿入されて係合するとともに、ケース17に固定されたピン16bがガイド孔31bに摺動可能に挿入されて係合するように構成されている。
また、図3に示すように、エンジン90にはオイルポンプ1が有する容量可変機構を機能させるための油圧制御装置5が吐出油路4に設けられている。具体的には、オイルポンプ1と油圧制御装置5とは、吐出油路4から分岐する油路6aにより接続されている。また、油圧制御装置5と、ケース17内の油圧室Uとが、油路6bを介して接続されている。そして、オイルポンプ1の駆動中に、エンジン90に搭載されたECU(図示せず)からの制御信号に基づいて油圧制御装置5が動作される。これにより、吐出油路4からオイルフィルタ7(図1参照)を経てエンジン90(オイルギャラリ)に向けて送出されるオイルの一部が、油路6aを介して油圧制御装置5に引き込まれた後、油路6bを介して油圧室Uに供給されるようにオイルポンプ1は構成されている。
(容量可変制御の説明)
次に、図3~図10を参照して、オイルポンプ1によるオイルの吐出量の容量可変制御について説明する。
まず、図5に示すように、エンジン90の始動とともに回転される入力軸50によりポンプロータ20が矢印R方向に駆動される。この際、油圧制御装置5は作動しておらず、調整リング30は、コイルばね60の付勢力によって矢印A1方向に最も回動された状態(非可変状態)に保持される。
ここで、図3~図5に示すように、非可変状態のオイルポンプ1は、容積室Vに負圧が発生する負圧行程のポンプロータ20の負圧領域C1において、吸込ポート13が対向するとともに、容積室Vに正圧が発生する正圧行程のポンプロータ20の正圧領域C2において、吐出ポート14が対向するように構成されている。
非可変状態においては、第1締切部15aには、正圧領域C2から負圧領域C1に切り替わる位置(最も小さな容積室V)が対向している。ここで、第1締切部15aに対向する位置の容積室Vでは圧力の変動が小さいので、第1締切部15aから吸込ポート13に接続される直前に容積室Vに生じる負圧は小さい。このため、第1締切部15aから吸込ポート13に接続された瞬間に容積室Vに吸い込まれるオイルの吸込量は、あまり大きくない。
同様に、非可変状態においては、第2締切部15bには、負圧領域C1から正圧領域C2に切り替わる位置(最も大きな容積室V)が対向している。このため、第2締切部15bに対向する位置の容積室Vでは圧力の変動が小さいので、第2締切部15bから吐出ポート14に接続される直前に容積室Vに生じる正圧は小さい。このため、第2締切部15bから吐出ポート14に接続された瞬間に容積室Vから吐出されるオイルの吐出量(吐出圧)は、あまり大きくない。
次に、図6に示すように、エンジン90の回転数、負荷、オイルの油温などに応じてECU(図示せず)からの制御信号に基づいて油圧制御装置5が動作される。すなわち、吸込ポート13からのオイルが油路6aを介して油圧制御装置5に引き込まれた後、油路6bを介して油圧室Uに供給されるようになる。そして、油圧室Uに供給されたオイルの油圧が調整リング30に作用することによって、調整リング30がコイルばね60の付勢力に抗して矢印A2方向に回動され始める。
調整リング30の矢印A2方向への回動とともに、図7に示すように、ポンプロータ20におけるアウターロータ22は、内歯22aがインナーロータ21の外歯21aに噛み合ったままインナーロータ21の軸芯O1に対して所定の偏心量を保って矢印A2方向へ公転される。これにより、アウターロータ22の軸芯O2の位置が軸芯O1に対して相対移動することによって、オイルポンプ1は、非可変状態から可変状態に切り替わる。
可変状態のオイルポンプ1では、非可変状態とは異なり、ポンプロータ20において、負圧行程のポンプロータ20の一部が、第1締切部15aおよび吐出ポート14に対向し、吸込ポート13に対向しない。つまり、正圧領域C2から負圧領域C1に切り替わる位置が、第1締切部15aから吐出ポート14側に変位する。同様に、正圧行程のポンプロータ20の一部が、第2締切部15bおよび吸込ポート13に対向し、吐出ポート14に対向しない。つまり、負圧領域C1から正圧領域C2に切り替わる位置が、第2締切部15bから吸込ポート13側に変位する。そして、ポンプロータ20からのオイルの吐出量(エンジン90への供給量)が減少される。つまり、非可変状態と比べて、可変状態のオイルポンプ1では、オイルの吐出量が減少する。
なお、可変状態が大きくなる(公転した角度が大きくなる)につれて、第1締切部15aおよび吐出ポート14に対向するポンプロータ20の負圧領域C1が大きくなるとともに、第2締切部15bおよび吸込ポート13に対向するポンプロータ20の正圧領域C2が大きくなる。
ここで、従来のオイルポンプでは、可変状態における第1締切部に対向する位置の容積室(第1締切容積室)では、負圧行程であるにもかかわらず、吸込ポートと対向していないことにより、吸込ポートからオイルが吸い込まれない。このため、第1締切部から吸込ポートに接続される直前の時点で、第1締切容積室に発生する負圧は大きくなる。したがって、第1締切容積室内の負圧状態のオイルが沸騰して気泡が発生しやすくなる。そして、第1締切部から吸込ポートに接続された瞬間に第1締切容積室にオイルが勢いよく吸い込まれる。ここで、接続された位置でのオイルの流入および流入加速度が非常に大きくなることと、その際に発生した気泡が崩壊してキャビテーションノイズが発生することとにより、オイルポンプから異音が発生する虞がある。
そこで、本実施形態では、可変状態において、第1締切部15aに対向する位置の第1締切容積室V1に生じる負圧が大きくなるのを抑制するために、オイルポンプ1に、第1締切部15aに対向する位置の容積室V(第1締切容積室V1)にオイルを流入させる通路部40が設けられている。
(ポート側通路部の構成および機能)
具体的には、本実施形態では、図7および図8に示すように、通路部40は、ハウジング10において吐出ポート14から第1締切部15aに延びるように形成され、吐出ポート14から第1締切容積室V1にオイルを流入させるためのポート側通路部41を含む。
ポート側通路部41は、ハウジング10の吐出ポート14の矢印R方向の端部から、吸込ポート13に向かって矢印R方向に延びるように形成されている。また、ポート側通路部41は、ハウジング10の吐出ポート14の矢印R方向の端部のうち、径方向外側およびその周辺から矢印R方向に延びるように形成されている。また、ポート側通路部41は、第1締切部15aの矢印R方向の略中央まで延びるように形成されている。
また、ポート側通路部41は、第1締切部15aの対応部分を切り欠くことにより形成されている。この際、ポート側通路部41の底面41aは、ハウジング10の吐出ポート14の矢印R方向の端部から吸込ポート13に向かって、徐々にX2側に傾斜している。
また、ハウジング10の吐出ポート14の矢印R方向の端部において、摺動面12bからポート側通路部41の底面41aまでのX軸方向の長さ(深さ)d1は、摺動面12bから吐出ポート14の底面14bまでのX軸方向の長さ(深さ)d2よりも小さい。具体的には、深さd1は、深さd2の1/2未満である。この結果、摺動面12bからポート側通路部41までの底面41aの深さは、全体に亘って、摺動面12bから吐出ポート14の底面14bまでの深さd2よりも小さくなる。
これにより、ポート側通路部41に対向する位置の第1締切容積室V1では、負圧が発生したとしても、ポート側通路部41からオイルが供給される。この結果、ポート側通路部41に対向している状態では、第1締切容積室V1がオイルが吸い込まれない締切状態となるのが抑制されて、実質的に締切タイミング(オイルが供給されなくなるタイミング)が延長されるとともに、オイルが供給されない締切状態が短期間になる。
(ロータ側溝部の構成および機能)
また、本実施形態では、図7に示すように、通路部40は、アウターロータ22において内歯22aの歯底22bとアウターロータ22の外部とを接続するように形成され、ポンプロータ20の外部から第1締切容積室V1にオイルを流入させるためのロータ側溝部42(ロータ側通路部の一例)を含む。ロータ側溝部42は、図2に示すように、アウターロータ22のX軸方向の両端面22cおよび22dの各々に設けられているとともに、内歯22aの複数の歯底22bの各々に形成されている。つまり、アウターロータ22のX軸方向の端面22cに設けられた複数のロータ側溝部42は、各々、端面22dに設けられ、対応する複数のロータ側溝部42とX軸方向に対向している。また、ロータ側溝部42は、径方向に沿って延びるように形成されている。
また、調整リング30の内周面30aには、図2に示すように、径方向外側に窪む凹部33(調整部材通路部の一例)が設けられている。この凹部33は、矢印R方向に沿って形成されているとともに、第1締切部15aに対向する位置の第1締切容積室V1およびロータ側溝部42に対して、径方向に対向する位置に設けられている。この凹部33は、調整リング30のX軸方向の全体に亘って形成されている。
凹部33は、ポンプロータ20からカバー18とポンプロータ20との間に移動したオイルをハウジング10側に戻す機能を有している。これにより、凹部33にはオイルが貯留されている。この結果、凹部33のオイルの一部が、ロータ側溝部42を介して、第1締切容積室V1に流入することによって、第1締切容積室V1に生じる負圧が大きくなるのが抑制される。
(第1締切容積室におけるオイルの流れ)
これらのポート側通路部41およびロータ側溝部42により、図7および図8に示すように、第1締切部15aに対向する位置に位置し、吸込行程の第1締切容積室V1では、負圧が発生したとしても、ポート側通路部41を介して吐出ポート14からオイルが流入するとともに、ロータ側溝部42を介して凹部33(アウターロータ22)からオイルが流入する。これにより、ポート側通路部41により、第1締切容積室V1がオイルが吸い込まれない締切状態となるのが抑制されて、実質的に締切タイミング(オイルが供給されなくなるタイミング)が延長されるとともに、オイルが供給されない締切状態が短期間になる。また、ロータ側溝部42からオイルが第1締切容積室V1に供給され続ける。さらに、第1締切容積室V1に接続されるポート側通路部41およびロータ側溝部42により、第1締切容積室V1の容量自体も実質的に大きくなる。これらの結果、第1締切部15aから吸込ポート13に接続される直前の時点で、第1締切容積室V1に発生する負圧は小さくなり、過大負圧の発生が抑制される。
したがって、第1締切容積室V1内のオイルが負圧に起因して沸騰するのが抑制され、気泡の発生が抑制される。さらに、図9および図10に示すように、第1締切部15aから吸込ポート13に接続された瞬間に第1締切容積室V1にオイルが勢いよく吸い込まれるのが抑制されて、接続された位置でのオイルの流入速度および流入加速度が大きくなるのが抑制される。これらの結果、気泡の崩壊に起因するキャビテーションノイズ、ならびに、流入速度および流入加速度が大きいことに起因する異音がオイルポンプ1から発生するのが抑制される。
(第2締切容積室におけるオイルの流れ)
また、従来のオイルポンプでは、可変状態における第2締切部に対向する位置の容積室(第2締切容積室)では、正圧行程であるにもかかわらず、吐出ポートと対向していないことにより、吐出込ポートにオイルが吐出されない。このため、第2締切部から吐出ポートに接続される直前の時点で、第2締切容積室に発生する正圧は大きくなるので、第2締切部から吐出ポートに接続された瞬間に第2締切容積室からオイルが勢いよく吐出される。ここで、接続された位置でのオイルの流入速度および流入加速度が非常に大きくなることにより、オイルポンプから異音が発生する虞がある。
これに対して、本実施形態では、ロータ側溝部42が内歯22aの複数の歯底22bの各々に形成されていることにより、第2締切部15bに対向する位置に位置し、吐出行程の第2締切容積室V2においても、容量がロータ側溝部42の分だけ大きくなる。また、第2締切容積室V2のオイルの一部が、ロータ側溝部42を介して、第2締切容積室V2の外部(ポンプロータ20の外周面20aと調整リング30の内周面30aとの隙間等)に排出される。これにより、ロータ側溝部42に貯留されたオイルおよびロータ側溝部42から排出されたオイルの分、第2締切容積室V2に生じる正圧が大きくなるのが抑制される。この結果、第2締切部15bから吐出ポート14に接続された瞬間に第2締切容積室V2からオイルが勢いよく吐出されるのが抑制されて、接続された位置でのオイルの流速および流速加速度が大きくなるのが抑制される。これらの結果、流速および流速加速度が大きいことに起因する異音がオイルポンプ1から発生するのが抑制される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、吸込行程の容積室Vのうち、ポンプロータ20の回転方向において吐出ポート14から吸込ポート13に向かう側に位置し、吸込ポート13と吐出ポート14との間を仕切る第1締切部15aに対向する位置の第1締切容積室V1にオイルを流入させる通路部40(ポート側通路部41およびロータ側溝部42)を設ける。これにより、通路部40により第1締切容積室V1に予めオイルを流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室V1に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。この結果、ポンプロータ20の回転により第1締切容積室V1と吸込ポート13とが連通した際に、第1締切容積室V1に向かって吸込ポート13から勢いよくオイルが流入するのを抑制(緩和)することができる。したがって、負圧により発生した気泡が連通時に崩壊することによって発生するキャビテーションノイズ、ならびに、連通時のオイルの第1締切容積室V1への流入速度および流入加速度が大きいことに起因するノイズが発生するのを抑制することができるので、オイルポンプから異音が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、通路部40が、吐出ポート14から第1締切部15aに延びるように形成され、吸込行程において吐出ポート14から第1締切容積室V1にオイルを流入させるポート側通路部41を含む。これにより、ポート側通路部41により、吐出ポート14からオイルを第1締切容積室V1に流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室V1に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、通路部40が、アウターロータ22に形成され、内歯とアウターロータ22の外部とを接続するロータ側溝部42を含む。また、ロータ側溝部42を、吸込行程において第1締切容積室V1にオイルが入った状態で第1締切容積室V1が吸込ポート13に連通するように第1締切容積室V1にオイルを流入させるように構成する。これにより、ロータ側溝部42により、オイルを第1締切容積室V1に流入させることができるので、流入したオイルの分、第1締切容積室V1に大きな負圧が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ロータ側溝部42により、第2締切部15bに対向する位置の第2締切容積室V2の容量を大きくする。これにより、ロータ側溝部42の分だけ、第2締切容積室V2の容量を大きくすることができるので、大きくなった容量分、第2締切容積室V2に大きな正圧が発生するのを抑制することができる。この結果、ポンプロータ20の回転により第2締切容積室V2と吐出ポート14とが連通した際に、吐出ポート14に向かって第2締切容積室V2から勢いよくオイルが流出するのを抑制(緩和)することができる。したがって、連通時のオイルの第2締切容積室V2への流入速度および流入加速度が大きいことに起因するノイズが発生するのを抑制することができるので、オイルポンプから異音が発生するのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、ロータ側溝部42を、内歯22aとアウターロータ22の外部とを接続するように延びるように、アウターロータ22の軸方向の端面22cおよび22dに形成する。これにより、ロータ側通路部としてアウターロータを貫通する孔を設ける場合と比べて、容積室V(第1締切容積室V1および第2締切容積室V2)と外部とを連通するロータ側溝部42をポンプロータ20に容易に設けることができる。
また、本実施形態では、調整リング30が、ロータ側溝部42にオイルを供給するための凹部33を含む。これにより、ロータ側溝部42を介して、アウターロータ22の外部から第1締切容積室V1にオイルを確実に供給することができる。この結果、第1締切容積室V1に大きな負圧が発生するのを確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、ロータ側溝部42を、アウターロータ22の軸方向の両端面22cおよび22dの各々に形成する。これにより、両端面22cおよび22dの各々に形成されたロータ側溝部42により、アウターロータの軸方向の一方端面にのみロータ側溝部が設けられている場合と比べて、オイルを第1締切容積室V1により多くかつより確実に流入させることができる。この結果、第1締切容積室V1に大きな負圧が発生するのをより一層抑制することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、吸込行程の容積室Vのうち、第1締切部15aに対向する位置の第1締切容積室V1にオイルを流入させる通路部40として、ポート側通路部41およびロータ側溝部42(ロータ側通路部)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1締切容積室にオイルを流入させる通路部として、ポート側通路部のみを設けてもよいし、ロータ側通路部のみを設けてもよい。
また、上記実施形態では、ポート側通路部41をハウジング10に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ポート側通路部をハウジングではなくカバーに設けてもよい。また、ポート側通路部をハウジングおよびカバーの両方に設けてもよい。
また、上記実施形態では、アウターロータ22において内歯22aの歯底22bとアウターロータ22の外部とを接続するようにロータ側溝部42(ロータ側通路部)を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アウターロータにおいて内歯とアウターロータの外部とを接続するようにアウターロータを貫通する貫通孔を、ロータ側通路部として設けてもよい。
また、上記実施形態では、ロータ側溝部42をアウターロータ22のX軸方向の両端面22cおよび22dの各々に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロータ側溝部をアウターロータ22の一方端面にのみ設けてもよい。また、ロータ側溝部は、アウターロータの内歯の複数の歯底の各々に形成されていればよいので、たとえば、複数の歯底の一部においては、ロータ側溝部をアウターロータの一方端面に設け、残りの歯底においては、ロータ側溝部をアウターロータの他方端面に設けてもよい。
また、上記実施形態では、ロータ側溝部42(ロータ側通路部)にオイルを供給するための「調整部材通路部」として、調整リング30(吐出量調整部材)の内周面30aに、径方向外側に窪む凹部33を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吐出量調整部材に調整部材通路部としての凹部を設けなくてもよい。この場合、オイルポンプロータと吐出量調整部材との間の隙間(調整部材通路部)等に位置するオイルがロータ側通路部に供給される。
また、上記実施形態では、エンジン90にオイルを供給するオイルポンプ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。たとえば、内燃機関の回転数に応じて変速比を自動的に切り替えるオートマチックトランスミッション(AT)にATフルードを供給するオイルポンプに本発明を適用してもよい。また、ギアの組み合わせを替えて変速する上記AT(多段変速機)とは異なり連続的に無段階で変速比を変更可能な無段変速機(CVT)内の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプに本発明を適用してもよい。また、ステアリング(操舵装置)を駆動するパワーステアリング装置にパワーステアリングオイルを供給するオイルポンプに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、エンジン90を備えた自動車にオイルポンプ1を搭載したが、本発明はこれに限られない。車両以外の設備機器に搭載された内燃機関用の可変オイルポンプに対して本発明を適用してもよい。また、内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどが適用可能である。
1 オイルポンプ(可変オイルポンプ)
13 吸込ポート
14 吐出ポート
15a 第1締切部
15b 第2締切部
17 ケース
20 ポンプロータ(オイルポンプロータ)
21 インナーロータ
21a 外歯
22 アウターロータ
22a 内歯
22c (アウターロータの)端面
22d (アウターロータの)端面
30 調整リング(吐出量調整部材)
33 凹部(調整部材通路部)
40 通路部
41 ポート側通路部
42 ロータ側溝部(ロータ側通路部)
O1 (インナーロータの)軸芯
O2 (アウターロータの)軸芯
R オイルポンプロータの回転方向
V 容積室
V1 第1締切容積室
V2 第2締切容積室

Claims (5)

  1. 複数の内歯を有するアウターロータと、前記アウターロータの軸芯に対して偏心した軸芯回りに回転し、前記アウターロータの前記内歯に係合する複数の外歯を有するインナーロータとを含むオイルポンプロータと、
    前記インナーロータおよび前記アウターロータを外側から回転可能に保持するとともに、変位することによりオイルの吐出量を調整する吐出量調整部材と、
    オイルを前記外歯および前記内歯の間の容積室内に導く吸込ポートと、オイルを前記容積室外に導く吐出ポートと、前記オイルポンプロータの回転方向において前記吐出ポートから前記吸込ポートに向かう側に位置し、前記吸込ポートと前記吐出ポートとの間を仕切る第1締切部とを含み、前記オイルポンプロータおよび前記吐出量調整部材を収容するケースと、
    吸込行程の前記容積室のうち、前記第1締切部に対向する位置の第1締切容積室にオイルを流入させる通路部と、を備える、可変オイルポンプ。
  2. 前記通路部は、前記吐出ポートから前記第1締切部に延びるように形成され、前記吐出ポートから前記第1締切容積室にオイルを流入させるポート側通路部を含む、請求項1に記載の可変オイルポンプ。
  3. 前記通路部は、前記アウターロータに形成され、前記内歯と前記アウターロータの外部とを接続するロータ側通路部を含み、
    前記ケースは、前記オイルポンプロータの回転方向において前記吸込ポートから前記吐出ポートに向かう側に位置し、前記吸込ポートと前記吐出ポートとの間を仕切る第2締切部をさらに含み、
    前記ロータ側通路部は、前記第1締切容積室にオイルが入った状態で前記第1締切容積室が前記吸込ポートに連通するように前記第1締切容積室にオイルを流入させることに加えて、吐出行程の前記容積室のうち、前記第2締切部に対向する位置の第2締切容積室の容量を大きくするように構成されている、請求項1または2に記載の可変オイルポンプ。
  4. 前記ロータ側通路部は、前記アウターロータの軸方向の端面に形成され、前記内歯と前記アウターロータの外部とを接続するように延びるロータ側溝部を有する、請求項3に記載の可変オイルポンプ。
  5. 前記吐出量調整部材は、前記ロータ側通路部にオイルを供給するための調整部材通路部を含む、請求項3または4に記載の可変オイルポンプ。
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