JP3180128U - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】基本的な設計条件は同じでありながら、その最高吐出量をより向上させることができる内接歯車ポンプを提供する。
【解決手段】内接歯車ポンプ1は、内部に収納室4が形成され、本体3、カバー体10及びリアカバー17から構成されたハウジング2と、収納室4内に収納された外歯歯車20及び内歯歯車30と、ハウジング2の中心部を貫通する回転軸25とを備える。本体3には、吸込側凹部7及び吐出側凹部8が形成され、また、カバー体10には、吸込流路12及び吐出流路13が形成されている。そして、吸込流路12と吸込側凹部7との間が分岐流路35によって繋がっており、吸込流路12を流通する作動油の一部が分岐流路35を介して吸込側凹部7に流入する。
【選択図】図2

Description

本考案は、歯部の一部が相互に噛み合う一対の外歯歯車及び内歯歯車を備えた内接歯車ポンプに関する。
前記内接歯車ポンプとして、従来、例えば、特開2004−308547号公報や特開2010−190161号公報に開示されたものが知られている。これらの内接歯車ポンプは、外周面に歯部が形成されるとともに、中心部に形成された貫通穴に回転軸が嵌挿された外歯歯車、内周面に歯部が形成された環状の内歯歯車、これら2つの歯車が収納される収納室が形成されたハウジングなどから構成され、前記ハウジングに形成された収納室の内壁面には、クレセントと称される三日月状の仕切片が突設されている。
そして、前記外歯歯車及び内歯歯車は、その両端面がハウジングに形成された収納室の内壁面(内端面)に当接した状態で収納室内に収納され、前記外歯歯車は、その中心が前記内歯歯車の中心に対して偏心した状態で、各歯車の歯部の一部が相互に噛み合うように、前記内歯歯車の環内に配置されており、各歯車における噛み合っていない歯部の一部は、その間が前記仕切片によって仕切られている。
また、前記ハウジングには、作動油を吸引するための吸込流路及び作動油を吐出するための吐出流路が形成されている。前記吸込流路は、その一方がハウジングの外壁面に開口し、その他方が、前記仕切片よりも各歯車の回転方向上流側において、前記収納室の相互に対向する二つの内壁面(内端面)の一方に開口しており、前記吐出流路は、その一方が前記外壁面に開口し、その他方が前記仕切片よりも下流側の前記一方の内壁面に開口している。
更に、前記収納室の二つの内壁面の内、他方の内壁面には、前記各歯車を挟んで吸込流路の開口部と対向する位置に吸込側凹部が形成されるとともに、前記各歯車を挟んで吐出流路の開口部と対向する位置に吐出側凹部が形成されている。
この内接歯車ポンプによれば、適宜駆動モータなどを用いて前記回転軸を回転させて外歯歯車を回転させることにより、これに噛み合った内歯歯車にも回転力が伝達され、両歯車が偏心した状態で回転される。これにより、前記回転方向の上流側においては、噛み合った状態の歯部が漸次離反していくことによって歯部間の空間が広がり、吸込流路を介して作動油が各歯車の歯部間に吸い込まれる。また、前記回転方向の下流側においては、各歯車の歯部が漸次接近することによって歯部間の空間が狭まり、歯部間の作動油が加圧された状態で吐出流路を介して外部に吐出される。
特開2004−308547号公報 特開2010−190161号公報
ところで、近時、上記内接歯車ポンプは、当該ポンプが組み付けられる装置の設計上の理由等から、その定格上の最高吐出量を上回る吐出量を求められる場合がある。
しかしながら、ポンプの最高吐出量は、その設計上の条件(特に、ハウジングの大きさに応じて設定される前記歯車の大きさ)から、必然的に定まるものであり、それを超えた吐出量を求めて、前記歯車の回転数を上げると、歯部間への作動油の吸い込みが追いつかなくなって、キャビテーションが発生するという問題を生じる。
そこで、本考案者は、この問題を解決して上記要請に応えるべく、まず、収納室の内壁面に開口する吸込流路の開口部を大きくして、その容積を拡大するとともに、歯部が吸込流路の開口部を通過する距離を長くし、作動油が歯部間に吸い込まれる間の時間を長くとることによって、歯部間への作動油の吸い込み量を改善し、キャビテーションが発生しない限界の回転数(以下、「最高回転数」という)の向上を図った。具体的には、図7〜図10に示した、吸込流路の開口部の大きさが異なる内接歯車ポンプを製作し、それぞれについて、キャビテーションが発生しない限界の最高回転数を検証した。
尚、図7〜図10は、検証した内接歯車ポンプの外歯歯車101、内歯歯車102及び仕切片103を示した図であり、各図中の破線で囲まれた領域Sは、収納室の内壁面に開口する吸込流路の開口部が位置する領域を示している。また、各図中のθは、吸込流路の前記回転方向上流側の端部と外歯歯車101の中心点を通る直線Eとのなす角度を表し、θは、前記回転方向下流側の端部と外歯歯車101の中心点を通る直線Fとのなす角度を表している。具体的には、図7に示した内接歯車ポンプの、θは25°、θは35°で、開口部の面積は2831mmであり、図8に示した内接歯車ポンプのθは14°、θは35°で、開口部の面積は3002mmであり、図9に示した内接歯車ポンプのθは14°、θは38°で、開口部の面積は3143mmであり、図10に示した内接歯車ポンプのθは14°、θは40°で、開口部の面積は3238mmであった。
検証の結果、図7に示した内接歯車ポンプの最高回転数は1500rpmであったのに対し、図8に示した内接歯車ポンプの最高回転数は1570rpmであり、開口部の面積を大きくすることによって、歯部間への作動油の吸い込みが改善され、最高回転数が向上することが確認された。その一方、図9及び図10に示した内接歯車ポンプの最高回転数は、図8に示した内接歯車ポンプのそれと大きな差は認められなかった。
以上のことから、前記吸込流路の開口部の大きさを変えることで、最高回転数を若干向上させることができるが、この開口部の大きさを変えるだけでは、最高回転数の向上に限界があることも分かった。
そこで、本考案者は、以上の検証結果を踏まえ、更なる最高回転数の向上を図るべく鋭意研究を重ねた結果、前記吸込流路から分岐して前記吸込側凹部へと繋がる分岐流路を別途設けることで、歯車の回転数を上げても、歯車の両端面側から十分な量の作動油が吸い込まれ、これによってキャビテーションの発生が抑えられ、その結果、最高回転数をより向上し得ることを見出したのである。
本考案は以上の実情に鑑みなされたものであり、基本的な設計条件は同じでありながら、その最高吐出量、言い換えれば最高回転数をより向上させることができる内接歯車ポンプの提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本考案は、
外周面に歯部が形成されるとともに、中心部に貫通穴が形成された外歯歯車と、
内周面に歯部が形成された環状の内歯歯車と、
前記外歯歯車の貫通穴に嵌挿される回転軸と、
前記各歯車が収納される内部空間が形成されたハウジングとを備え、
前記各歯車は、歯部の一部が相互に噛み合うように各歯車が相互に偏心した状態、且つ、前記内部空間を形成する対向内壁面に、前記各歯車の両端面がそれぞれ当接した状態で前記内部空間に収納され、
前記ハウジングは、その内壁面に、前記内部空間に収納される各歯車の噛み合っていない歯部間の一部を仕切る仕切片が突設されるとともに、
該ハウジングは、一方が該ハウジングの外壁面に開口し、他方が前記仕切片よりも前記各歯車の回転方向上流側において、前記両内壁面の内の一方に開口した吸込流路と、一方が該ハウジングの外壁面に開口し、他方が前記仕切片よりも前記回転方向下流側の前記一方の内壁面に開口した吐出流路とが形成され、
更に、前記他方の内壁面には、前記各歯車を挟んで前記吸込流路の開口部と対向する位置に吸込側凹部が形成されるとともに、前記各歯車を挟んで前記吐出流路の開口部と対向する位置に吐出側凹部が形成された内接歯車ポンプであって、
前記吸込流路から分岐し、前記吸込側凹部へと繋がる分岐流路を備えた内接歯車ポンプに係る。
この内接歯車ポンプによれば、前記吸込流路を通して、該吸込流路の開口部と対向する、前記各歯車の端面側に作動油が吸入されるとともに、この吸込流路から分岐して前記吸込側凹部へと繋がる分岐流路を通して、前記吸込側凹部と対向する、前記各歯車の端面側に作動油が吸入される。
本考案者の知見によれば、上記従来の内接歯車ポンプの構成では、前記各歯車の歯部間に吸入される作動油は、専ら、前記吸込流路の開口部からの流入によるもので、このため、前記歯部間への作動油の吸入量に一定の制約があった。
本考案に係る内接歯車ポンプによれば、前記吸込流路の開口部、及び前記吸込側凹部の双方から作動油が吸入される、即ち、各歯車の両端面側から作動油が吸入されるので、歯車の回転数を高めて作動油の吸入量を増加させても、これに応じた十分な量の作動油を両歯車の歯部間に流入させることができる。斯くして、この内接歯車ポンプによれば、歯車の回転数を上げてもキャビテーションの発生が抑えられ、これにより、ハウジングや歯車の大きさに関するポンプの基本的な設計条件を変えることなく、その最高回転数(最高吐出量)を向上させることができ、従来よりも高い回転数(吐出量)で使用することができる。
尚、前記分岐流路は、前記吸込側凹部と吸込流路とを連通させるように、前記ハウジングに穿設した穿孔によってこれを構成することができる。このようにすれば、分岐流路をハウジング中に設けることができるので、ポンプ全体の大きさを変更することなく、その吐出能力を向上させることができるというメリットがある。
或いは、前記分岐流路は、前記吸込側凹部に通じるように前記ハウジングの外壁面に開口した貫通穴と、この貫通穴の開口部に一端が接続され、他端が前記吸込流路に接続された、当該ハウジングの外部に配設される配管とから構成することもできる。このようにすれば、配管をハウジングの外部に設ける関係上、配管の口径をある程度自由に設定することができ、十分な吐出能力を確保することができるというメリットがある。
このように、前記分岐流路は、ハウジング中に形成した穿孔、若しくはハウジングの外部に設けた配管によって形成できるが、どの手段を選択するかは、そのメリットを考慮して、ケースに応じて適宜選択するのが好ましい。
以上のように、本考案によれば、各歯車の両端面側から歯部間に作動油を吸い込ませることができ、歯車の回転数を上げてもキャビテーションの発生が抑えられるため、最高回転数を向上させることができ、従来よりも高い回転数でもって使用することができる。
本考案の一実施形態に係る内接歯車ポンプを示す正断面図である。 図1における矢視A−A方向の断面図である。 図1における矢視B−B方向の断面図である。 本考案の他の実施形態に係る内接歯車ポンプを示す正断面図である。 図4における矢視C−C方向の断面図である。 図4における矢視D−D方向の断面図である。 内接歯車ポンプにおける課題を説明するための説明図である。 内接歯車ポンプにおける課題を説明するための説明図である。 内接歯車ポンプにおける課題を説明するための説明図である。 内接歯車ポンプにおける課題を説明するための説明図である。
以下、本考案の具体的な実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1〜図3に示すように、本例の内接歯車ポンプ1は、内部に収納室4が形成されたハウジング2と、収納室4内に収納された外歯歯車20と、同様に収納室4内に収納された環状の内歯歯車30と、前記ハウジング2の中心部を貫通する回転軸25とを備える。
前記ハウジング2は、一方の端面に開口し、断面形状が円形状をした空間を有する前記収納室4が形成された本体3と、この本体3の前記一方端面(前端面)に液密状に固定されたカバー体10と、前記本体3の他方端面(後端面)に液密上に固定されたリアカバー17と、前記カバー体10に固設された継手ブロック14とから構成されている。
前記外歯歯車20は、外周面に歯部が形成されるとともに、中心部に、キー溝22を有する表裏に貫通した貫通穴21が形成されており、この貫通穴21に前記回転軸25が嵌挿される。
前記内歯歯車30は、内周面に歯部が形成された環状の歯車であり、環内部に前記外歯歯車20が配設される。
前記回転軸25は、その外周面にキー部26が形成されており、このキー部26が前記外歯歯車20のキー溝22に嵌合することによって、外歯歯車20が当該回転軸25に固定されている。また、この回転軸25は、一方の端部(前方の端部)の先端にはねじ部27が形成されており、同部に適宜駆動モータを接続し、この駆動モータによって回転軸25を回転させることで、外歯歯車20が図3中の矢示方向に回転する。
前記本体3は、その中心部に、前記収納室4の中心に対して偏心した貫通穴5が形成され、この貫通穴5には前記回転軸25が回転自在に挿通されており、貫通穴5の内周面と回転軸25の外周面との間には、ベアリング19aが介装されている。
また、前記収納室4内には、前記内歯歯車30が回転自在に嵌め込まれているとともに、歯部の一部が相互に噛み合った状態で、上述したように、内歯歯車30の環内部に外歯歯車20が配設されており、外歯歯車20と内歯歯車30とは相互に偏心した状態で収納室4内に収納されている。
更に、前記収納室4を形成する内壁面4aには、前記各歯車20,30における歯部の一部が相互に噛み合っている部分と回転軸25を挟んだ反対側の対応する部分に、クレセントと称される三日月状の仕切片6が本体3と一体的に形成され、この仕切片6によって、前記各歯車20,30の噛み合っていない歯部間が仕切られている。
また、前記本体3には、前記仕切片6よりも外歯歯車20の回転方向上流側(以下、「上流側」という)に、前記内壁面4aに開口した弧状の吸込側凹部7が形成されるとともに、前記仕切片6よりも前記回転方向下流側(以下、「下流側」という)に、同様に内壁面4aに開口した弧状の吐出側凹部8が形成されている。前記吸込側凹部7及び吐出側凹部8は、外歯歯車20における歯底の経路及び内歯歯車30における歯底の経路に沿って開口している、即ち、吸込側凹部7の開口部は、上流側から下流側に向けて徐々に幅広になっており、吐出側凹部8の開口部は、下流側から上流側に向けて徐々に幅広になっている。
更に、前記本体3には、吸込側凹部7の底面から当該本体3の後端面に向けて貫通した貫通穴9が形成されている。
前記カバー体10は、その中心部に、一方端側(前端側)の方が前記本体3の一方端面と対向する側(後端側)よりも大径であって、前記回転軸25が回転自在に挿通される貫通穴11が形成されており、貫通穴11の後端側の内周面と回転軸25の外周面との間には、ベアリング19bが介装され、貫通穴11の前端側の内周面と回転軸25の外周面との間には、ベアリング19cが介装され、更に、両面間はオイルシール19dによってシールされている。
また、前記カバー体10には、一方が当該カバー体10の一方側面に開口し、他方が当該カバー体10の後端面10aに開口した吸込流路12と、一方が前記カバー体10の一方側面と相対する他方の側面に開口し、他方が前記後端面10aに開口した吐出流路13とが形成されている。また、前記吸込流路12及び吐出流路13における前記他方の開口部は、各歯車20,30を挟んで、吸込側凹部7及び吐出側凹部8とそれぞれ対向しており、吸込流路12の前記他方の開口部は、上流側から下流側に向けて徐々に幅広になっており、吐出流路13の前記他方の開口部は、下流側から上流側に向けて徐々に幅広になっている。
また、カバー体10の前記一方側面には、作動油を貯留する適宜タンクに接続される継手ブロック14が固設されており、この継手ブロック14には、吸込流路12の開口部に連通して、当該吸込流路12の一部を形成する貫通穴15、及びこの貫通穴15から当該継手ブロック14の外方に向けて貫通した貫通穴16が形成されている。
前記リアカバー17は、表裏に貫通した貫通穴18が形成されており、この貫通穴18の軸線と前記本体3に形成された貫通穴9の軸線とが同一直線上に位置するように、本体3の後端面に固設されている。
また、リアカバー17に形成された貫通穴18の外方側の開口部と、前記継手ブロック14に形成された貫通穴16の外方側の開口部との間は配管36によって連結され、この貫通穴16及び配管36、並びに前記貫通穴18及び貫通穴9により、吸込流路12から分岐して、前記吸込側凹部7へと繋がる分岐流路35が形成され、吸込流路12内を流通する作動油の一部が、この分岐流路35を介して吸込側凹部7に流入する。
尚、本例の内接歯車ポンプ1においては、本体3の収納室4内に外歯歯車20及び内歯歯車30が収納された状態で、本体3の前端面にカバー体10を固設し、前記外歯歯車20及び内歯歯車30の各両端面に、収納室4の内壁面4a及びカバー体10の後端面10a(収納室4の一方の内壁面に相当)を当接させた状態にしている。
以上の構成を備えた本例の内接歯車ポンプ1によれば、まず、作動油を貯留する適宜タンク内に接続された適宜配管(図示せず)を前記継手ブロック14に接続するとともに、適宜油圧機器が接続された適宜配管を、前記カバー体10の前記他方の側面に開口した吐出流路13の開口部に接続し、また、前記回転軸25のねじ部27に適宜駆動モータを接続する。そして、駆動モータを作動させて外歯歯車20を回転させる。
これにより、外歯歯車20と歯部の一部が噛み合った内歯歯車30に回転が伝達され、両歯車20,30が偏心した状態で回転し、吸込流路12が形成されている側、即ち、仕切片6よりも上流側では、外歯歯車20の歯部と内歯歯車30の歯部とが漸次離反し、この歯部間の空間が広がることによって吸引作用が生じる。そして、この吸引作用が前記吸込流路12の開口部及び吸込側凹部7に作用し、前記タンクに接続された配管(図示せず)及びこれに接続した吸込流路12を介して、その開口部から前記各歯車20,30の歯部間に作動油が吸入されるとともに、前記配管36によって前記吸込流路12から分岐される分岐流路35を介して、吸込流路12内を流通する作動油の一部が、吸込側凹部7から前記各歯車20,30の歯部間に吸入される。
そして、このようにして吸い込まれた作動油は、仕切片6の内周側と外周側とに分かれて、吐出流路13が形成されている側、即ち、仕切片6よりも下流側へと移送され、仕切片6よりも下流側においては、各歯車20,30の歯部が漸次接近して歯部間が狭まるため、上流側から移送された作動油が加圧されて、吐出流路13及びこれに接続される配管(図示せず)を介して油圧機器に送られる。
このように、本例の内接歯車ポンプ1では、吸込流路12から分岐して吸込側凹部7に繋がる分岐流路35を形成したので、各歯車20,30の両端面側から作動油を吸入させることができ、専ら、各歯車20,30の前端面側から作動油が吸入されるように構成された従来の内接歯車ポンプに比べて、歯車20,30の回転数を高めて作動油の吸入量を増加させても、これに応じた十分な量の作動油を歯車20,30の歯部間に流入させることができる。斯くして、この内接歯車ポンプ1によれば、歯車20,30の回転数を上げてもキャビテーションの発生を抑えることができ、これにより、ポンプの基本的な設計条件を変えることなく、その最高回転数(最高吐出量)を向上させることができ、従来よりも高い回転数(吐出量)で使用することができる。
尚、本例の内接歯車ポンプ1では、分岐流路35を、ハウジング2の外部に設けた配管36に形成しているので、配管36の口径をある程度自由に設定することができ、十分な吐出能力を確保することができるというメリットがある。
因みに、本考案者は、分岐流路35を設けた内接歯車ポンプ1(考案装置)と、分岐流路35を設けていない内接歯車ポンプ(比較装置)とを用いて、最高回転数の比較実験を行った。その結果について、以下説明する。尚、比較実験において、考案装置における定格出力は17.5MPa、比較装置における定格出力は14MPaとした。また、最高回転数の決定は、作動油の温度を40℃にコントロールした状態で、可変速モータを用いて回転数を徐々に変化させ、キャビテーションの発生しない限界の回転数を確認することで行った。
考案装置と比較装置とにおける最高回転数を比較すると、考案装置では最高回転数が1650rpmであったのに対し、比較装置では最高回転数が1500rpmであった。即ち、分岐流路35を設けたことによって、最高回転数が飛躍的に向上している。また、上述したように、吸込流路の開口部を大きくすることで最高回転数の向上を図った場合には、およそ1570rpmまでしか最高回転数を高くすることができなかったのに対し、考案装置ではそれを超える1650rpmまで最高回転数を高めることができている。
以上、本考案の一実施形態について説明したが、本考案の採り得る具体的な態様は何らこれに限定されるものではない。
例えば、上例の内接歯車ポンプ1においては、貫通穴16と貫通穴18との間を配管36によって接続することで、吸込流路12から吸込側凹部7へと繋がる分岐流路35を形成し、吸込流路12を流通する作動油の一部が吸込側凹部7に流入する構成としたが、このような構成に限られるものではなく、吸込流路12と吸込側凹部7とを連通させるように、ハウジング2に分岐流路が穿設された構成としても良い。以下、このように構成した内接歯車ポンプ1’について、図4〜図6を参照して説明する。尚、図4〜図6において、内接歯車ポンプ1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図4〜図6に示すように、この内接歯車ポンプ1’は、内部に収納室4が形成され、本体3、カバー体10及びリアカバー17から構成されたハウジング2と、収納室4内に収納された外歯歯車20及び内歯歯車30と、外周面に形成されたキー部26が外歯歯車20に形成されたキー溝22に嵌合することによって外歯歯車20が固定され、本体3の貫通穴5及びカバー体10の貫通穴11に挿通された回転軸25とを備えている。
前記本体3には、収納室4を迂回するように、前記吸込側凹部7の底面から本体3の前端面に向けて貫通した貫通穴41が形成されており、また、前記カバー体10には、前記吸込流路12からカバー体10の後端面10aに向けて貫通した貫通穴42が形成されている。尚、前記各貫通穴41,42を形成する際に、加工上生じた不必要な開口部は、閉止栓43a,43bによって液密上に閉栓されている。そして、カバー体10は、貫通穴42の後端面10a側の開口部と貫通穴41の前端面側の開口部とが対向するように、本体3の前端面に液密状に固定されている。これにより、吸込流路12から分岐し、吸込側凹部7へと繋がった分岐流路40が形成される。
この内接歯車ポンプ1’によれば、各歯車20,30の前端面側には、配管及び吸込流路12を介してタンク内の作動油が吸引され、各歯車20,30の後端面側には、吸込流路12内を流通する作動油の一部が貫通穴41及び貫通穴42を介して、即ち、分岐流路40を介して吸引されるため、各歯車20,30の両端面側から歯部間に作動油を吸い込ませることができる。尚、吸込流路12から吸込側凹部7への作動油の流れは図4中に矢印で示した。
このように、内接歯車ポンプ1’においても、吸込流路12から分岐し、吸込側凹部7に繋がった分岐流路40を形成したことにより、各歯車20,30の両端面側から歯部間に作動油が吸入されるため、歯車20,30の回転数を高めて作動油の吸入量を増加させても、これに応じた十分な量の作動油を歯車20,30の歯部間に流入させることができる。このため、この内接歯車ポンプ1’によっても、歯車20,30の回転数を上げてもキャビテーションの発生を抑えることができ、これにより、ポンプの基本的な設計条件を変えることなく、その最高回転数(最高吐出量)を向上させることができ、従来よりも高い回転数(吐出量)で使用することができる。
また、分岐流路40を、本体3に穿設した貫通穴41、及びカバー体10に穿設した貫通穴42によって形成したので、内接歯車ポンプ1’の全体的な大きさを変更することなく、その吐出能力を向上させることができる。
1 内接歯車ポンプ
2 ハウジング
3 本体
4 収納室
6 仕切片
7 吸込側凹部
8 吐出側凹部
9 貫通穴
10 カバー体
12 吸込流路
13 吐出流路
14 継手ブロック
16 貫通穴
17 リアカバー
18 貫通穴
20 外歯歯車
21 貫通穴
25 回転軸
30 内歯歯車
35 分岐流路
36 配管
40 分岐流路
41 貫通穴
42 貫通穴

Claims (3)

  1. 外周面に歯部が形成されるとともに、中心部に貫通穴が形成された外歯歯車と、
    内周面に歯部が形成された環状の内歯歯車と、
    前記外歯歯車の貫通穴に嵌挿される回転軸と、
    前記各歯車が収納される内部空間が形成されたハウジングとを備え、
    前記各歯車は、歯部の一部が相互に噛み合うように各歯車が相互に偏心した状態、且つ、前記内部空間を形成する対向内壁面に、前記各歯車の両端面がそれぞれ当接した状態で前記内部空間に収納され、
    前記ハウジングは、その内壁面に、前記内部空間に収納される各歯車の噛み合っていない歯部間の一部を仕切る仕切片が突設されるとともに、
    該ハウジングは、一方が該ハウジングの外壁面に開口し、他方が前記仕切片よりも前記各歯車の回転方向上流側において、前記両内壁面の内の一方に開口した吸込流路と、一方が該ハウジングの外壁面に開口し、他方が前記仕切片よりも前記回転方向下流側の前記一方の内壁面に開口した吐出流路とが形成され、
    更に、前記他方の内壁面には、前記各歯車を挟んで前記吸込流路の開口部と対向する位置に吸込側凹部が形成されるとともに、前記各歯車を挟んで前記吐出流路の開口部と対向する位置に吐出側凹部が形成された内接歯車ポンプにおいて、
    前記吸込流路から分岐し、前記吸込側凹部へと繋がった分岐流路を備えることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. 前記分岐流路は、前記吸込側凹部と前記吸込流路とを連通させるように、前記ハウジングに穿設されていることを特徴とする請求項1記載の内接歯車ポンプ。
  3. 前記吸込側凹部に通じるように前記ハウジングの外壁面に開口した貫通穴と、該貫通穴の開口部に一端が接続され、他端が前記吸込流路に接続された、前記ハウジングの外部に配設される配管とによって前記分岐流路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内接歯車ポンプ。
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