JP6306322B2 - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、複数の吐出ポートを有する内接歯車ポンプに関する。
この種の内接歯車ポンプは、ポンプ本体の収容孔に、内歯を有するリング状の内歯歯車を回転自在に収容し、この内歯歯車の内歯と内接噛み合いする外歯を有する外歯歯車を内歯歯車の内部に偏心して収容し、両歯車の側面が摺接するポンプ本体の摺接面には、両歯車の回転に伴い両歯間の噛み合い隙間が増加する吸入域空間に連通して吸入ポートを開口すると共に、両歯間の噛み合い隙間が減少する吐出域空間に連通して、両歯車の回転方向に離間して二つの吐出ポートを開口して形成し、内歯歯車の内歯と外歯歯車の外歯とによりポンプ室を区画形成し、ポンプ室は両歯車の回転により吸入域空間で容積を増加し、吐出域空間で容積を減少している。そして、外歯歯車の外歯と内歯歯車の内歯とが、一方の吐出ポートと他方の吐出ポートとの周方向間で見かけ上接触し、この接触により二つの吐出ポート間の連通を遮断し、一方の吐出ポートと他方の吐出ポートとは互いに独立した吐出機能を有している。
特開平8−114186号公報
ところが、かかる従来の内接歯車ポンプでは、外歯歯車の外歯と内歯歯車の内歯とが、回転方向の全周にわたり見かけ上接触するため、吸入域空間において、内歯と外歯とにより区画形成する複数のポンプ室間の連通が遮断され、吸入ポートから吸入域空間に液体を吸入する吸い込み特性が悪くなる問題があった。
本発明の課題は、複数の吐出ポートの独立した吐出機能を損なうことなく、吸入域空間において吸入ポートに連通する複数のポンプ室間を連通し、吸入ポートから吸入域空間に液体を吸入する吸い込み特性を向上し得る内接歯車ポンプを提供するものである。
かかる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
ポンプ本体の収容孔に内歯を有するリング状の内歯歯車を回転自在に収容し、内歯歯車の内歯と内接噛み合いする外歯を有する外歯歯車を内歯歯車の内部に偏心して収容し、両歯車間には両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が増加する領域に吸入域空間を形成し、両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が減少する領域に吐出域空間を形成し、吸入域空間と吐出域空間との間で両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が最大となる領域に最大容積空間を形成し、内歯歯車の内歯と外歯歯車の外歯とによりポンプ室を区画形成し、ポンプ室は両歯車の回転により吸入域空間で容積を増加し、吐出域空間で容積を減少して設け、収容孔に収容した両歯車の側面が摺接するポンプ本体の摺接面には、吸入域空間に連通して吸入ポートを開口すると共に、吐出域空間に連通して両歯車の回転方向に離間する少なくとも二つの吐出ポートを開口し、二つの吐出ポート間には離壁を備え、内歯と外歯とは、離壁上において相互に対向する回転方向の一方の歯側面を、一方の吐出ポートに連通するポンプ室と他方の吐出ポートに連通するポンプ室との間を仕切る第1仕切隙間を設定する形状に形成すると共に、吸入域空間において相互に対向する回転方向の一方と反対側となる他方の歯側面を、第1仕切隙間より隙間を大きくして吸入ポートに連通する複数のポンプ室間を連通する第2仕切隙間を設定する形状に形成し、内歯の歯先と外歯の歯先との間には、最大容積空間と吐出域空間との間を仕切る第3仕切隙間、および最大容積空間と吸入域空間との間を仕切る第4仕切隙間をそれぞれ形成し、第3仕切隙間と第4仕切隙間は隙間寸法を第1仕切隙間と略同等に設定したことを特徴とする内接歯車ポンプがそれである。
この場合、前記外歯と前記内歯のいずれか一方は、前記他方の歯側面を、歯先の頂点を最大曲率とし、歯底に向けて漸次曲率を小さくする曲線で形成し、前記外歯と前記内歯のいずれか他方は、前記他方の歯側面を、前記曲線により創成される包絡曲線で形成してもよい。また、前記外歯と前記内歯のいずれか一方は、前記一方の歯側面を、円弧で形成し、前記外歯と前記内歯のいずれか他方は、前記一方の歯側面を、前記円弧により創成される包絡曲線で形成してもよい。
以上詳述したように、請求項1に記載の発明は、内歯と外歯とは、離壁上において相互に対向する回転方向の一方の歯側面を、一方の吐出ポートに連通するポンプ室と他方の吐出ポートに連通するポンプ室との間を仕切る第1仕切隙間を設定する形状に形成すると共に、吸入域空間において相互に対向する回転方向の一方と反対側となる他方の歯側面を、第1仕切隙間より隙間寸法を大きくして吸入ポートに連通する複数のポンプ室間を連通する第2仕切隙間を設定する形状に形成し、内歯の歯先と外歯の歯先との間には、最大容積空間と吐出域空間との間を仕切る第3仕切隙間、および最大容積空間と吸入域空間との間を仕切る第4仕切隙間をそれぞれ形成し、第3仕切隙間と第4仕切隙間は隙間寸法を第1仕切隙間と略同等に設定した。このため、両歯車の回転において、吸入域空間で、外歯歯車の外歯と内歯歯車の内歯とを非接触にできるから、吸入ポートに連通する複数のポンプ室間を連通できて、吸入ポートから吸入域空間に液体を吸入する吸い込み特性を向上することができる。そして、吐出域空間の離壁上では、外歯と内歯とで一方の吐出ポートに連通するポンプ室と他方の吐出ポートに連通するポンプ室との間を仕切るから、複数の吐出ポートの独立した吐出機能を損なうことなくできる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、外歯と内歯のいずれか一方は、他方の歯側面を、歯先の頂点を最大曲率とし、歯底に向けて漸次曲率を小さくする曲線で形成し、外歯と内歯のいずれか他方は、他方の歯側面を、前記曲線により創成される包絡曲線で形成する。このため、内歯と外歯との噛合いにおいて、噛合い速度が不連続に変動することを抑制でき、内歯と外歯との噛合いが滑らかに推移し、騒音の発生を低減することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、外歯と内歯のいずれか一方は、一方の歯側面を、円弧で形成し、外歯と内歯のいずれか他方は、一方の歯側面を、前記円弧により創成される包絡曲線で形成する。このため、円弧は一つの半径で形成することができ、簡単に形成することができる。
本発明の一実施形態を示した内接歯車ポンプの断面図である。 図1とは異なる作動状態を示した断面図である。 図1の要部Bの拡大図である。 図1の要部Cの拡大図である。 式1による歯形の模式図である。 式2から式5による歯形の模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1および図2において、1はポンプ本体で、有底の収容孔2を一端面に開口形成し、この収容孔2の開口は、図示しない蓋部材で閉じている。3はリング状の内歯歯車で、12個の内歯3Aを有し、回転中心Hを中心として収容孔2へ回転自在に収容している。4は外歯歯車で、内歯3Aと内接噛み合いする11個の外歯4Aを有し、内歯歯車3の内部に回転中心Hと偏心した回転中心H1を中心として回転自在に収容している。そして、両歯車3、4の側面は有底の収装孔2の摺接面としての底面2Aに摺接している。外歯歯車2は中心に貫通孔5を軸方向へ貫通形成し、貫通孔5の径方向へ対向する2箇所に内方へ突出して凸部5Aを形成している。6は駆動軸で、径方向の対向する2箇所に凹部6Aを窪み形成し、貫通孔5へ嵌装して凹部6Aに凸部5Aを係合し、外歯歯車6を回転駆動する。
Sは吸入域空間、Pは吐出域空間、Mは最大容積空間でそれぞれ両歯車3、4間に備え、吸入域空間Sは両歯車3、4の回転により両歯3A、4A間の噛み合い隙間が増加する領域に形成している。吐出域空間Pは両歯車3、4の回転により両歯3A、4A間の噛み合い隙間が減少する領域に形成している。最大容積空間Mは吸入域空間Sと吐出域空間Pとの間で両歯車3、4の回転により両歯3A、4A間の噛み合い隙間が最大となる領域に形成している。7は吸入域空間Sに連通する吸入ポートで、収容孔2の底面2Aに窪み形成して開口し、ポンプ本体1に形成の図示しない吸入流路に接続している。V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10はポンプ室で、内歯歯車3の内歯3Aと外歯歯車4の外歯4Aとにより区画形成している。吸入域空間Sに位置するポンプ室V1、V2、V3、V4、V5は両歯車3、4の回転により容積を増加する。最大容積空間Mに位置するポンプ室V6は容積を最大にする。吐出域空間Pに位置するポンプ室V7、V8、V9、V10は両歯車3、4の回転により容積を減少する。
8、9は吐出域空間Pに連通して両歯車3、4の回転方向Aに離間する二つの吐出ポートで、両歯車3、4の回転方向Aの後方側に位置する一方の吐出ポート8と回転方向Aの前方側に位置する他方の吐出ポート9とから成る。回転方向Aの後方側に位置する一方の吐出ポート8はシフトコントロールバルブ等の高圧の油圧回路に連通して高圧とし、収容孔2の底面2Aに窪み形成して開口している。回転方向Aの前方側に位置する吐出ポート9は、潤滑や冷却のための低圧の油圧回路に連通して回転方向Aの後方側に位置する吐出ポート8の圧力より低圧とし、収容孔2の底面2Aに窪み形成して開口している。
10は離壁で、両歯車3、4の回転方向Aに離間する二つの吐出ポート8、9間に備え、離壁10は高圧となる一方の吐出ポート8と低圧となる他方の吐出ポート9を窪み形成する収容孔2の底面2Aに設けている。離壁10上に位置する内歯歯車3の内歯3Aと外歯歯車4の外歯4Aとの間には、回転方向Aの後方側に位置する一方の吐出ポート8に連通するポンプ室V8と回転方向Aの前方側に位置する他方の吐出ポート9に連通するポンプ室V9との間を仕切る第1仕切隙間Xを形成している。第1仕切隙間Xは、相互に対向する回転方向Aの内歯3Aの一方の歯側面3Bと外歯4Aの一方の歯側面4Bとの間に形成し、後述詳記するとおり隙間寸法を設定している。
Y1は吸入域空間Sにおいて、吸入ポート7に連通するポンプ室V3、V4の間を連通する第2仕切隙間、Y2は吸入域空間Sにおいて、吸入ポート7に連通するポンプ室V2、V3の間を連通する第2仕切隙間である。各第2仕切隙間Y1、Y2は、相互に対向する回転方向Aの一方と反対側となる内歯3Aの他方の歯側面3Cと外歯4Aの他方の歯側面4Cとの間に形成し、隙間寸法を後述詳記するとおり設定している。そして、第2仕切隙間Y1、Y2は第1仕切隙間Xより隙間寸法を大きく設定している。
Z1は最大容積空間Mと吐出域空間Pとの間を仕切る第3仕切隙間、Z2は最大容積空間Mと吸入域空間Sとの間を仕切る第4仕切隙間で、それぞれ内歯3Aの歯先と外歯4Aの歯先との間に形成し、隙間寸法を第1仕切隙間Xと略同等に設定している。
離壁10は、図1に示すポンプ室V8が両歯車3、4の回転で、図2に示すよう離壁10に一つのポンプ室V8として位置した状態で、ポンプ室V8を二つの吐出ポート8、9のいずれにも連通させずに閉じ込み状態とするよう、両歯車3、4の回転方向Aの長さ寸法をポンプ室V8の長さ寸法と略同等か若干長く設ける。
図3および図4に、内歯歯車3の内歯3Aと外歯歯車4の外歯4Aの歯形形状の詳細を示す。
内歯3Aの一方の歯側面3Bは、歯先の頂点3Dと歯底側の点3Eとの間を半径R1の円弧で形成している。半径R1の円弧の中心点C1は、内歯歯車3の中心H(図1に示す)と内歯3Aの歯先の頂点3Dとを結ぶ線上に位置している。外歯4Aの一方の歯側面4Bは、内歯3Aの一方の歯側面3Bを形成する半径R1の円弧により創成される包絡曲線で、歯先の頂点4Dと歯底の中心点4Eとの間を形成している。第1仕切隙間Xは、離壁10上において相互に対向する、内歯3Aの一方の歯側面3Bを形成した半径R1の円弧と、外歯4Aの一方の歯側面4Bを形成した半径R1の円弧により創成される包絡曲線とにより隙間寸法を設定している。そして、第1仕切隙間Xの隙間寸法は、半径R1の変更に伴い変更される。
内歯3Aの他方の歯側面3Cは、歯先の頂点3Dを最大曲率として歯底側の点3Fに向けて漸次曲率を小さくする曲線Lで形成している。曲線Lは以下の式(1)〜(5)で求める。
r=ro−dr・cosθ 式(1)
Px=(ro−dr)+1/4dr{1−cos(2θ)} 式(2)
Py=1/4dr{−2θ+sin(2θ)} 式(3)
Qx=Px−r・cosθ 式(4)
Qy=Py+r・sinθ 式(5)
但し、
rは曲線の半径、
roは基準径、
drは変分量、
θは媒介変数、
Pxは軌道中心のX座標、
Pyは軌道中心のY座標、
Qxは軌道中心(Px,Py)により生成される曲線上の点のX座標、
Qyは軌道中心(Px,Py)により生成される曲線上の点のY座標、
である。
図5に、式1による歯形の模式図を示す。図5は、縦軸に曲線Lの半径rをとり、横軸に媒介変数θをとり、θが0からπ/2に推移するのに伴いrがro−drからroに推移することを図化している。
図6に、式2から式5による歯形の模式図を示す。図6は、曲線Lを形成する半径rの軌道中心PのX,Y座標と、軌道中心Pにより生成される曲線L上の点QのX,Y座標を、媒介変数θに応じて推移することを図化している。
図3および図4に示す如き、外歯4Aの他方の歯側面4Cは、内歯3Aの他方の歯側面3Cを形成する曲線Lにより創成される包絡曲線で、歯先の頂点4Fと歯底の中心点4Eとの間を形成している。第2仕切隙間Y1、Y2(図1に示す)は、吸入域空間Sにおいて相互に対向する、内歯3Aの他方の歯側面3Cを形成した曲線Lと、外歯4Aの他方の歯側面4Cを形成した曲線Lにより創成される包絡曲線とにより隙間寸法を設定している。そして、第2仕切隙間Y1、Y2の隙間寸法は、基準径roおよび変分量drの変更に伴い変更される。外歯4Aは、一歯を、歯先の頂点4Dと歯底の中央点4Eとの間を結ぶ半径R1の円弧で創成される包絡曲線(一方の歯側面4B)と、歯底の中心点4Eと歯先の頂点4Fとの間を結ぶ曲線Lにより創成される包絡曲線(他方の歯側面4C)とで構成する。
内歯3Aの歯底面3Gは、外歯4Aの歯先の頂点4Dが干渉しない半径R2の円弧で形成し、一方の歯側面3B側の点3Hと他方の歯側面3C側の点3Iとの間を結んでいる。3Jは内歯3Aの一方の歯側面3Bと歯底面3Gとの間を接続する第1接続面で、半径R3の円弧で形成し、点3E、3H間を結んでいる。3Kは他方の歯側面3Cと歯底面3Gとの間を接続する第2接続面で、半径R4の円弧で形成し、点3F、3I間を結んでいる。内歯3Aは、一歯を、一方の歯側面3Bと、他方の歯側面3Cと、歯底面3Gと、第1接続面3Jと、第2接続面3Kとで構成している。
次に、かかる構成の作動を説明する。
駆動軸6により外歯歯車4を回転駆動すると、外歯歯車4と内接噛み合いする内歯歯車3が回転駆動され、油が吸入ポート7より吸入域空間Sで容積を増大するポンプ室V1〜V5に吸入されて最大容積空間Mを経て吐出域空間Pに搬送され、吐出域空間Pでポンプ室V7〜V10が容積を減少することで高圧となる吐出ポート8および低圧となる吐出ポート9より吐出される。そして、高圧となる吐出ポート8より吐出された油はシフトコントロールバルブ等の高圧の油圧回路に供給される。また、低圧となる吐出ポート9より吐出された油は潤滑や冷却のための低圧の油圧回路に供給される。
かかる作動で、内歯3Aと外歯4Aとは、離壁10上において相互に対向する回転方向Aの一方の歯側面3B、4Bを、一方の吐出ポート8に連通するポンプ室V8と他方の吐出ポート9に連通するポンプ室V9との間を仕切る第1仕切隙間Xを設定する形状に形成すると共に、吸入域空間Sにおいて相互に対向する回転方向Aの一方と反対側となる他方の歯側面3C、4Cを、第1仕切隙間Xより隙間寸法を大きくして吸入ポート7に連通する複数のポンプ室V3、V4間を連通する第2仕切隙間Y1およびポンプ室V2、V3間を連通する第2仕切隙間Y2を設定する形状に形成した。このため、両歯車3、4の回転で、吸入域空間Sにおいて、外歯歯車4の外歯4Aと内歯歯車3の内歯3Aとを非接触にできるから、吸入ポート7に連通する複数のポンプ室V2、V3、V4間を連通できて、吸入ポート7から吸入域空間Sに油を吸入する吸い込み特性を向上することができる。そして、吐出域空間Pの離壁10上では、外歯4Aと内歯3Aとで一方の吐出ポート8に連通するポンプ室V8と他方の吐出ポート9に連通するポンプ室V9との間を仕切るから、複数の吐出ポート8、9の独立した吐出機能を損なうことなくできる。
また、内歯3Aは、他方の歯側面3Cを、歯先の頂点3Dを最大曲率とし、歯底に向けて漸次曲率を小さくする曲線Lで形成し、外歯4Aは、他方の歯側面4Cを、曲線Lにより創成される包絡曲線で形成する。このため、内歯3Aと外歯4Aとの噛合いにおいて、噛合い速度が不連続に変動することを抑制でき、内歯3Aと外歯4Aとの噛合いが滑らかに推移し、騒音の発生を低減することができる。
また、内歯3Aは、一方の歯側面3Bを、円弧で形成し、外歯4Aは、一方の歯側面4Bを、前記円弧により創成される包絡曲線で形成する。このため、円弧は一つの半径R1で形成することができ、簡単に形成することができる。
また、両歯車3、4の回転方向Aの後方側に位置する一方の吐出ポート8の圧力を高圧にし、両歯車3、4の回転方向Aの前方側に位置する他方の吐出ポート9の圧力を後方側に位置する一方の吐出ポート8の圧力より低圧にする。このため、高圧となる吐出ポート8が開口する箇所では、内歯歯車3の内周側に作用する圧力が、高圧となる吐出ポート8から内歯歯車3の側面を介して外周側に漏出して内歯歯車3の外周側に作用する圧力より高くなり、内歯歯車6は内周側に作用する圧力と外周側に作用する圧力との圧力差に基づく作用力で二つの吐出ポート8、9が位置する側、すなわち図1の右方向側に向けて収装孔2内周面に押圧される。また、外歯歯車4は、外周側に作用する吸入ポート7の圧力と二つの吐出ポート8、9の圧力との圧力差に基づく作用力で吸入ポート7が位置する側、すなわち図1の左方向側に向けて押圧される。よって、内歯歯車3と外歯歯車4とは相反する反対方向に押圧されるから、両歯間3、4の噛み合い隙間が最小となる位置近傍にある最適噛み合い位置より回転方向Aの前方側にずれ易くなる従来のポンプに比し、内歯3Aと外歯4Aとの噛み合い位置が、両歯3A、4A間の噛み合い隙間が最小となる位置近傍にある最適噛み合い位置に安定して位置でき、騒音、振動を低減することができる。
なお、一実施形態では、内歯3Aの一方の歯面3Bを円弧で形成したが、トロコイド曲線やサイクロイド曲線で形成しても良い。また、内歯3Aの一方の歯面3Bを円弧で形成し、外歯4Aの一方の歯面4Bを円弧により創成される包絡曲線で形成したが、逆に、外歯4Aの一方の歯面4Bを円弧で形成し、内歯3Aの一方の歯面3Bを円弧により創成される包絡曲線で形成しても良い。また、二つの吐出ポート8、9を設けたが、三つ以上の吐出ポートを設けても良い。さらにまた、両歯車3、4の回転方向Aの後方側に位置する吐出ポート8を高圧として回転方向Aの前方側に位置する吐出ポート9を低圧としたが、回転方向Aの後方側に位置する吐出ポート8を低圧として回転方向Aの前方側に位置する吐出ポート9を高圧としても良いことは勿論である。
1:ポンプ本体
2:収容孔
2A:底面(摺接面)
3:内歯歯車
3A:内歯
3B、4B:一方の歯
3C、4C:他方の歯
4:外歯歯車
4A:外歯
7:吸入ポート
8、9:吐出ポート
10:離壁
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10:ポンプ室
S:吸入域空間
P:吐出域空間
X:第1仕切隙間
Y1、Y2:第2仕切隙間

Claims (3)

  1. ポンプ本体の収容孔に内歯を有するリング状の内歯歯車を回転自在に収容し、内歯歯車の内歯と内接噛み合いする外歯を有する外歯歯車を内歯歯車の内部に偏心して収容し、両歯車間には両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が増加する領域に吸入域空間を形成し、両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が減少する領域に吐出域空間を形成し、吸入域空間と吐出域空間との間で両歯車の回転により両歯間の噛み合い隙間が最大となる領域に最大容積空間を形成し、内歯歯車の内歯と外歯歯車の外歯とによりポンプ室を区画形成し、ポンプ室は両歯車の回転により吸入域空間で容積を増加し、吐出域空間で容積を減少して設け、収容孔に収容した両歯車の側面が摺接するポンプ本体の摺接面には、吸入域空間に連通して吸入ポートを開口すると共に、吐出域空間に連通して両歯車の回転方向に離間する少なくとも二つの吐出ポートを開口し、二つの吐出ポート間には離壁を備え、内歯と外歯とは、離壁上において相互に対向する回転方向の一方の歯側面を、一方の吐出ポートに連通するポンプ室と他方の吐出ポートに連通するポンプ室との間を仕切る第1仕切隙間を設定する形状に形成すると共に、吸入域空間において相互に対向する回転方向の一方と反対側となる他方の歯側面を、第1仕切隙間より隙間を大きくして吸入ポートに連通する複数のポンプ室間を連通する第2仕切隙間を設定する形状に形成し、内歯の歯先と外歯の歯先との間には、最大容積空間と吐出域空間との間を仕切る第3仕切隙間、および最大容積空間と吸入域空間との間を仕切る第4仕切隙間をそれぞれ形成し、第3仕切隙間と第4仕切隙間は隙間寸法を第1仕切隙間と略同等に設定したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. 前記外歯と前記内歯のいずれか一方は、前記他方の歯面を、歯先の頂点を最大曲率とし、歯底に向けて漸次曲率を小さくする曲線で形成し、前記外歯と前記内歯のいずれか他方は、前記他方の歯面を、前記曲線により創成される包絡曲線で形成することを特徴とする請求項1に記載の内接歯車ポンプ。
  3. 前記外歯と前記内歯のいずれか一方は、前記一方の歯面を、円弧で形成し、前記外歯と前記内歯のいずれか他方は、前記一方の歯面を、前記円弧により創成される包絡曲線で形成することを特徴とする請求項1に記載の内接歯車ポンプ。
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