図1〜図11を用いて、申請者が起案した申請について、回付先(部署や担当者)への回付を支援するための回付管理システム、回付管理方法及び回付管理プログラムを説明する。具体的には、申請者が起案した申請について、回付先の確認者(承認者等)が内容を確認する。
図1に示すように、申請の回付を支援するために、回付管理システムとしての回付管理サーバ20を用いる。この回付管理サーバ20は、ネットワークを介して、ユーザ端末10やディレクトリ管理サーバ40に接続される。
ユーザ端末10は、申請者、回付先の担当者が用いるコンピュータ端末である。申請者は、ユーザ端末10を用いて、各種申請を行なう。回付先の各担当者は、ユーザ端末10を用いて、申請内容を閲覧したり確認したりする。そして、承認者は、申請内容を確認して、「承認・回付」や「差戻」、「否決」の入力等を行なう。このユーザ端末10は、図示しないディスプレイ等の表示部や、キーボードやポインティングデバイス等の入力部を備える。
ディレクトリ管理サーバ40は、ユーザやネットワーク資源の管理を一括して行なうディレクトリサービスを提供するコンピュータシステムである。このため、ネットワークを利用するユーザや組織に関する情報を蓄積したユーザデータベースを備えている。
ユーザデータベースには、回付管理サーバ20を利用するユーザを管理するためのユーザ管理レコードが記録されている。このユーザ管理レコードは、ユーザ登録が行なわれた場合に記録される。ユーザ管理レコードには、ユーザID、氏名、連絡先、所属、役職、認証コードに関するデータが記録されている。
ユーザIDデータ領域には、回付管理サーバ20のユーザを特定するための識別子(例えば、企業における社員番号)に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、このユーザの氏名に関するデータが記録される。
連絡先データ領域には、このユーザの連絡先(例えば、メールアドレスや電話番号)に関するデータが記録される。
所属データ領域には、このユーザが所属する部署を特定するための識別子(部署ID)に関するデータが記録される。
役職データ領域には、このユーザの役職を特定するための識別子に関するデータが記録される。この役職により、承認の権限を特定することができる。
認証コードデータ領域には、ユーザ認証を行なう場合の認証情報(例えば、パスワード)に関するデータが記録される。
回付管理サーバ20は、申請者によって起案された申請の回付を管理するコンピュータである。この回付管理サーバ20は、制御部21、部署情報記憶部22、ユーザ情報記憶部23、回付グループ情報記憶部24、回付マスタ情報記憶部25、画面情報記憶部26、カスタマイズ情報記憶部27、申請情報記憶部28、回付経路情報記憶部29を備えている。
制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する処理(ユーザ認証段階、申請管理段階、回付経路管理段階、回付処理段階等の各処理)を行なう。そして、制御部21は、回付管理プログラムの実行により、ユーザ認証部211、申請管理部212、回付経路管理部213、回付処理部214として機能する。
ユーザ認証部211は、ユーザ端末10を使用するユーザを認証する処理を実行する。このユーザ認証部211は、ユーザ端末10から、ユーザの認証情報(ユーザID及び認証コード)を取得する。更に、ユーザ認証部211は、取得した認証情報と、ディレクトリ管理サーバ40とを用いて、アクセスしたユーザを特定する。ユーザ認証ができなかった場合には、ユーザ認証部211は、エラーメッセージをユーザ端末10に送信する。ユーザ認証ができた場合には、ユーザ認証部211は、回付管理サーバ20の利用を許可する。
申請管理部212は、ユーザ端末10からの要求に応じて、申請の起案を支援する処理を実行する。
回付経路管理部213は、申請の回付先部署についての回付経路や、回付先部署において申請を確認する担当者についての回付経路の作成を支援する処理を実行する。この回付経路管理部213は、申請内容に応じて、確認を行なう権限(役職)を特定するための権限判定情報を保持する。
回付処理部214は、申請について、回付先における確認作業(閲覧や承認等)を支援する処理を実行する。
図2(a)に示すように、部署情報記憶部22には、各部署を管理するための部署管理レコード220が記録される。この部署管理レコード220は、管理者によって部署が登録された場合に記録される。部署管理レコード220は、部署ID、部署名、役割、上位部署ID、下位部署IDに関するデータを含んで構成される。
部署IDデータ領域には、各部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
部署名データ領域には、この部署の名称に関するデータが記録される。
役割データ領域には、この部署の役割に関するデータが記録される。例えば、システム管理に関する申請の回付経路の作成時に、申請者が、この部署の回付部区分(後述)を決定する場合に参照する参考情報が記録される。
上位部署IDデータ領域には、この部署の上位組織の部署を特定するための識別子(部署ID)に関するデータが記録される。
下位部署IDデータ領域には、この部署の下位組織の部署を特定するための識別子(部署ID)に関するデータが記録される。
図2(b)に示すように、ユーザ情報記憶部23には、回付管理サーバ20のユーザを管理するためのユーザ管理レコード230が記録される。このユーザ管理レコード230は、ディレクトリ管理サーバ40からユーザ情報を取得した場合に記録される。ユーザ管理レコード230には、ユーザID、氏名、所属、役職、役割、連絡先に関するデータを含んで構成される。
ユーザIDデータ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、このユーザの氏名に関するデータが記録される。
所属データ領域には、このユーザが所属する部署を特定するための識別子(部署ID)に関するデータが記録される。
役職データ領域には、このユーザの役職に関するデータが記録される。本実施形態では、例えば、役職としては、「部長」、「課長」等が記録される。
役割データ領域には、このユーザの役割を特定するための識別子に関するデータが記録される。例えば、セキュリティを管理する担当者においては、「セキュリティ管理」等の役割を特定するための情報が記録される。また、所定の回付において、特定の権限を有する担当者については、特定権限者としての役割を特定するための情報が記録される。
連絡先データ領域には、このユーザの連絡先(例えば、メールアドレス)に関するデータが記録される。
図2(c)に示すように、回付グループ情報記憶部24には、回付先として設定可能なグループ(回付グループ)についての回付グループ管理レコード240が記録される。この回付グループでは、複数のユーザをまとめて、一つの回付先を構成することができる。この回付グループ管理レコード240は、回付グループを構成するユーザが登録された場合に記録される。回付グループ管理レコード240には、部署ID、回付グループID、ユーザIDに関するデータを含んで構成される。
部署IDデータ領域には、各部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
回付グループIDデータ領域には、この部署内に設定された回付グループを特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、他部署からの回付を受け付ける受付グループに属するユーザについては、受付グループを示す識別子が設定されている。受付グループは、例えば、申請者が、回付先部署における担当者を把握していない場合に、この回付先部署における回付先窓口として設定する場合に用いられる。この場合、申請書は、受付グループに回付され、この受付グループに属するユーザが、この部署内の担当者回付経路を決定する。
ユーザIDデータ領域には、この回付グループに属するユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。この回付グループに、複数の担当者が属している場合には、すべての担当者のユーザIDが記録される。
図2(d)に示すように、回付マスタ情報記憶部25には、回付経路の作成時に用いる回付経路パターンについての回付マスタ管理レコード250が記録される。この回付マスタ管理レコード250は、回付経路パターンが登録された場合に記録される。回付マスタ管理レコード250には、パターンID、申請種別、登録部署ID、登録者ID、オプション情報(共有区分、変更可否、利用区分)、回付経路パターンに関するデータを含んで構成される。
パターンIDデータ領域には、各回付経路パターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
申請種別データ領域には、この回付経路パターンを用いる申請の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
登録部署IDデータ領域には、この回付経路パターンを登録した部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
登録者IDデータ領域には、この回付経路パターンを登録したユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
共有区分データ領域には、この回付経路パターンの共有可否を特定するためのフラグが記録される。共有区分には、例えば、全ユーザにおいて回付経路パターンを利用可能な場合には「全ユーザ共有」、登録部署のみが利用可能な場合には「所属共有」、回付経路パターンの共用を認めない「共有不可」等が設定される。
変更可否データ領域には、この回付経路パターンの回付経路の変更可否を示すフラグが記録される。回付経路の変更が可能な場合には変更可能フラグを記録し、回付経路の変更を許容しない場合には、変更不可フラグを記録する。
利用区分データ領域には、この回付経路パターンを利用する場合の条件に関するデータが記録される。この利用区分としては、例えば、施策案件の決裁や発注稟議の決裁等の申請種別を設定することができる。また、利用区分を、申請内容に応じて設定するようにしてもよい。例えば、決裁対象金額に応じて、異なる回付経路パターンを設定する。
回付経路パターンデータ領域には、部署回付経路、担当者回付経路についてのテンプレートが記録される。
例えば、図2(e)に示すように、回付経路パターンWF1としては、申請部や関係部、所管部等の回付部署や、各部署における承認者の役職を設定したテンプレートを用いることができる。また、回付経路パターンWF1において、回付先部署に対して受付グループを設定しておくことも可能である。なお、図2(e)では、例として、部署回付経路、担当者回付経路を含めた回付経路パターンを説明したが、部署回付経路のみからなる回付経路パターン、担当者回付経路のみからなる回付経路パターンを設定することも可能である。
図3(a)に示すように、画面情報記憶部26には、ユーザ端末10のディスプレイに表示させる出力画面を生成するための画面定義ファイル260が記録される。この画面定義ファイル260は、回付区分(回付部区分、回付者区分)に応じた画面を決定した場合に記録される。ここで、回付部区分は、回付経路における部署の担務(例えば、申請部、関係部、所管部、回覧部等)を識別する区分である。また、回付者区分は、回付経路における担当者の担務(例えば、申請者、承認者、回覧者、配布者等)を識別する区分である。そして、画面定義ファイル260は、画面ID、回付区分(回付部区分、回付者区分)に関連付けられて、マークアップ言語(XML)で作成される。本実施形態では、複数の部署で共通の画面定義ファイル261や特定の部署(例えば所管部)で用いる画面定義ファイル262、特定の回付区分αにおいて用いる画面定義ファイル263等が記録される。各画面定義ファイル261〜263には、すべての画面定義ファイル260において共通する共通項目や、特定の画面定義ファイル260に用いられる専用項目が設定される。これらの項目は、回付区分(回付部区分、回付者区分)に応じて変更される。そして、画面定義ファイル260により、各項目について、後述する申請情報記憶部28に記録された申請内容に含まれる各項目の項目値を呼び出す。そして、画面定義ファイル260を用いて、回付区分に応じた各項目を設定した出力画面を生成し、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。例えば、共通の画面定義ファイル261を用いて、申請部用画面501や関係部用画面502を生成する。また、画面定義ファイル262を用いて、所管部用画面503を生成する。また、画面定義ファイル263を用いて、回付区分α用画面504を生成する。
図3(b)に示すように、カスタマイズ情報記憶部27には、出力画面をカスタマイズするためのカスタマイズ管理レコード270が記録される。このカスタマイズ管理レコード270は、ユーザの必要に応じて出力画面の設定を変更する場合に記録される。カスタマイズ管理レコード270は、画面ID、ユーザID、部署ID、役職、設定変更内容に関するデータが記録される。
画面IDデータ領域には、カスタマイズする各出力画面を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、カスタマイズした出力画面を用いるユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
部署IDデータ領域には、カスタマイズした出力画面を用いる部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
役職データ領域には、カスタマイズした出力画面を用いる役職を特定するための識別子に関するデータが記録される。
なお、ユーザID〜役職は、カスタマイズ管理レコード270を特定するためのキー情報であり、これらの何れか少なくとも一つ以上が記録されていればよい。例えば、特定のユーザのためのカスタマイズ管理レコード270であれば、ユーザIDのみを記録する。また、特定の部署のためのカスタマイズ管理レコード270であれば、部署IDのみを記録する。また、特定の部署及び役職のためのカスタマイズ管理レコード270であれば、部署ID及び役職を記録する。ここで、ユーザID〜役職のキー情報を用いて、複数のカスタマイズ管理レコード270を特定できる場合には、カスタマイズ管理レコード270の優先順位を決めておく。そして、この優先順位の順番でカスタマイズに用いるカスタマイズ管理レコード270を特定する。
設定変更内容データ領域には、この出力画面のカスタマイズに用いる設定に関するデータが記録される。設定変更内容としては、例えば、特定の項目の追加や、レイアウト(項目配置)、項目毎の入力可否、画面出力時の画面サイズ、フォント種類やフォントサイズ等を用いることができる。
図4(a)に示すように、申請情報記憶部28には、起案された申請を管理するための申請管理レコード280が記録される。この申請管理レコード280は、申請者によって起案された場合に記録される。申請管理レコード280は、申請ID、件名、申請者、申請日、申請種別、内容、ステータスに関するデータを含んで構成される。
申請IDデータ領域には、各申請を特定するための識別子に関するデータが記録される。
件名データ領域には、この申請の件名(表題)に関するデータが記録される。
申請者データ領域には、この申請を行なったユーザを特定するための識別子(ユーザID)に関するデータが記録される。
申請日データ領域には、この申請が起案された年月日に関するデータが記録される。
申請種別データ領域には、この申請の種類に関するデータが記録される。
内容データ領域には、この申請の内容に関するデータが記録される。この内容には、申請に必要な項目毎に項目値が設定される。
ステータスデータ領域には、この申請の確認状況を特定するためのフラグが記録される。本実施形態では、このデータ領域には、「回付中」や、承認者によって設定された「承認」、「差戻」、「否決」等を示すフラグが記録される。
更に、申請管理レコード280には、起案された申請に添付された添付ファイル281(補足資料)が関連付けられて記録される。
図4(b)に示すように、回付経路情報記憶部29には、各申請を回付する経路に関する回付経路データ290が記録される。この回付経路データ290は、申請者によって申請が登録された場合に記録される。また、回付先において修正された場合に更新される。この回付経路データ290は、部署回付経路データ291及び担当者回付経路データ292を含んで構成される。
この部署回付経路データ291は、申請ID、回付順、直並列識別、回付部区分、部署ID、ステータスに関するデータを含んで構成される。
申請IDデータ領域には、各申請を特定するための識別子に関するデータが記録される。
回付順データ領域には、この申請の回付経路における回付順を特定するための識別子に関するデータが記録される。
直並列識別データ領域には、後続の回付順の部署との関係(直列又は並列)を特定するための識別子に関するフラグが記録される。この直並列識別子により、第1階層によるまとまりが構成される。直列が設定されている場合には先行の部署での確認完了後に後続の部署に回付され、並列が設定されている場合には同時期に回付される。
回付部区分データ領域には、この部署の回付における区分(担務)に関するデータが記録される。この区分には、例えば、申請部、関係部、所管部、回覧部等がある。
部署IDデータ領域には、回付先の部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、この回付経路において、この部署の確認状況を特定するためのフラグが記録される。部署回付経路データ291が登録された当初は空欄であり、この部署に属するすべての回付先担当者の回付確認を完了した場合には確認済フラグが記録される。
また、担当者回付経路データ292は、申請ID、部署ID、回付順、直並列識別、ユーザID、回付者区分、ステータスに関するデータを含んで構成される。
この担当者回付経路データ292は、部署回付経路データ291の申請ID、部署IDに関連付けられている。
回付順データ領域には、この申請の部署回付経路における回付の順番に関するデータが記録される。
直並列識別データ領域には、後続の回付順の担当者との関係(直列又は並列)を特定するための識別子に関するデータが記録される。直列が設定されている場合には先行の担当者における確認完了後に後続の担当者に回付され、まとめて並列が設定されている場合には同時期に回付される。
ユーザIDデータ領域には、回付先担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。なお、後述するように、このユーザIDデータ領域には、回付グループIDを設定することも可能である。
回付者区分データ領域には、この回付先担当者の回付における区分(担務)に関するデータが記録される。この区分には、例えば、申請者、承認者、回覧者、配布者等がある。なお、ユーザIDデータ領域に回付グループIDが設定されている場合には、回付者区分データ領域は空欄とする。
ステータスデータ領域には、この回付経路において、この回付先担当者の確認状況を特定するためのフラグが記録される。担当者回付経路データ292が登録された当初は空欄であり、担当者において回付確認を完了した場合には確認済フラグが記録される。
(起案・回付の概要)
次に、図6を用いて、起案・回付の概要を説明する。
まず、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、申請者は、ユーザ端末10を用いて、回付管理サーバ20にアクセスする。この場合、回付管理サーバ20の制御部21のユーザ認証部211は、ユーザ端末10のディスプレイにログイン画面を出力する。このログイン画面には、ユーザIDや認証コードを入力するための入力欄が設けられている。そして、ユーザ認証部211は、ディレクトリ管理サーバ40を用いて、ユーザ端末10から取得したユーザID、認証コードを用いて、ユーザ認証を行なう。ユーザ認証ができない場合には、ユーザ認証部211は、エラーメッセージをユーザ端末10に送信し、回付管理サーバ20へのログインを拒否する。
ユーザ認証ができた場合、回付管理サーバ20の制御部21は、トップ画面表示処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のユーザ認証部211は、ユーザ端末10のディスプレイに、トップ画面を出力する。このトップ画面には、起案申請ボタン、回付先変更ボタン、回付確認ボタン等が含まれる。ここで、新たな申請の起案を行なう場合には、起案申請ボタンを選択する。
この場合、回付管理サーバ20の制御部21は、申請情報の取得処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の申請管理部212は、ユーザ端末10のディスプレイに申請入力画面を出力する。この申請入力画面には、申請種別、件名の入力欄や、申請に必要な項目毎に入力欄が設けられている。そして、申請者は、この申請入力画面に申請内容を入力する。申請管理部212は、申請入力画面への入力の完了を検知した場合、申請IDを付与した申請管理レコード280を生成し、申請情報記憶部28に記録する。更に、申請管理部212は、システムタイマから現在日時を取得し、申請管理レコード280の申請日データ領域に記録し、申請入力画面に入力された申請内容を、申請管理レコード280の申請種別、件名、内容の各データ領域に記録する。
更に、制御部21の申請管理部212は、ユーザ端末10のディスプレイに、添付ファイル指定画面を出力する。ここで、添付ファイルを設定する場合には、申請者は、ユーザ端末10を用いて、添付ファイルを指定する。この場合、申請管理部212は、ユーザ端末10において指定された添付ファイルを取得し、申請管理レコード280に関連付けて、申請情報記憶部28に登録する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路の設定処理を実行する(ステップS1−4)。この承認・回付経路の設定処理では、回付先部署及び回付先担当者の設定を行なう。この回付経路の設定については、図7を用いて後述する。
そして、回付経路の設定が終了した場合、申請の回付が開始される。この場合、制御部21の回付処理部214は、申請情報記憶部28の申請管理レコード280のステータスデータ領域に「回付中」を示すフラグを記録する。
また、回付内容の確認を行なう場合には、トップ画面において回付確認ボタンを選択する。
この場合、回付管理サーバ20の制御部21は、回付確認処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付先における確認作業を支援する。承認者における確認作業では、「承認・回付」や「差戻」、「否決」が選択される。そして、確認を完了した場合、回付処理部214は、担当者回付経路データ292のステータスデータ領域に、確認済フラグを記録する。この回付確認処理については、図8を用いて後述する。
(回付経路の設定処理)
図7を用いて、回付経路の設定処理を説明する。
ここでは、まず、回付管理サーバ20の制御部21は、マスタ検索処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、申請情報記憶部28の申請管理レコード280を用いて申請種別を特定する。次に、回付経路管理部213は、回付マスタ情報記憶部25を用いて、特定した申請種別に応じた回付マスタ管理レコード250を検索する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、利用可能なマスタがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、ユーザ情報記憶部23に記録された申請者のユーザ管理レコード230を用いて、所属(部署ID)を特定する。そして、回付マスタ情報記憶部25から抽出した回付マスタ管理レコード250の共有区分(オプション情報)に基づいて、利用可否を判定する。ここでは、共有区分が「全ユーザ共有」の場合には、全ユーザにおいて利用可能と判定する。共有区分が「所属共有」の場合には、申請者の部署IDが、回付マスタ管理レコード250の登録部署IDと一致する場合に利用可能と判定する。共有区分が「共有不可」の場合には、申請者のユーザIDが、回付マスタ管理レコード250の登録者IDと一致する場合に利用可能と判定する。そして、利用可能な回付経路パターンを特定した場合には、利用可能なマスタがあると判定する。一方、該当する回付マスタ管理レコード250を抽出できない場合や、共有区分(オプション情報)に基づいて回付経路パターンを利用できない場合には、利用可能なマスタがないと判定する。
利用可能なマスタがないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、部署回付経路の入力処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213が、部署回付経路設定画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。この部署回付経路設定画面には、回付先部署の部署ID、回付順、直並列識別、回付部区分の指定欄が設けられている。そして、申請者は、部署回付経路設定画面を用いて、回付先部署を指定し、直列や並列で回付順に並べた部署回付経路を作成する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、担当者回付経路の入力処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、担当者回付経路設定画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。この担当者回付経路設定画面には、回付先の部署ID毎、回付先担当者のユーザID毎に、回付順、直並列識別、回付者区分の指定欄が設けられている。そして、申請者は、担当者回付経路設定画面を用いて、回付先担当者を指定し、直列や並列で回付順に並べた担当者回付経路を作成する。なお、申請者が回付先担当者のユーザIDを把握していない場合、ユーザIDの指定欄に「受付グループ」を入力する。
一方、利用可能なマスタがあると判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路パターンの取込処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、ユーザ端末10のディスプレイに、回付マスタ管理レコード250に記録された回付経路パターンを表示する。次に、回付経路管理部213は、ユーザ情報記憶部23のユーザ管理レコード230に記録された役職を用いて、回付経路パターンに含まれる回付先部署毎にユーザIDを特定する。そして、回付経路管理部213は、ユーザIDを、回付経路パターンに割り当てる。
例えば、図5(a)に示す回付経路パターンWF1に対して、図5(b)に示すように、回付経路WF2において、ユーザ情報記憶部23に記録された役職に応じて各部署における担当者(ユーザa1〜a3,ユーザb1〜b3)を割り当てた担当者回付経路を生成する。ここで、回付経路パターンWF1において、回付先部署の受付グループが設定されている場合には、担当者の割り当てを行なわないで、回付経路WF2においても受付グループを設定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、変更可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、回付マスタ管理レコード250に記録されたオプション情報(変更可否)を取得する。ここで、回付マスタ管理レコード250に変更不可フラグが設定されている場合には、変更不可と判定する。一方、回付マスタ管理レコード250に変更可能フラグが設定されている場合には、変更可能と判定する。
変更可能と判定した場合(ステップS2−6において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、変更処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、担当者による回付経路の変更を許可する。この場合には、回付経路管理部213は、部署回付経路設定画面及び担当者回付経路設定画面を、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。そして、申請者は、必要に応じて回付経路を修正する。
一方、変更不可と判定した場合(ステップS2−6において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路の変更を許可せず、変更処理(ステップS2−7)をスキップする。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、権限者の特定処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、回付経路の順番に基づいて権限者を特定する。ここでは、回付経路に含まれる担当者のユーザ管理レコード230に記録された役職に基づいて、権限者を特定する。なお、特定の権限が必要な場合には、ユーザ情報記憶部23のユーザ管理レコード230に記録された役割に応じて、特定権限者を特定するようにしてもよい。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、権限者のチェック処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、権限判定情報を用いて、申請情報記憶部28に記録された申請管理レコード280の内容に応じて、特定した権限者の役職が妥当かどうかを判定する。妥当でない場合には、ユーザ端末10のディスプレイにアラームを出力する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路の登録処理を実行する(ステップS2−10)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、回付先の部署についての部署回付経路データ291を生成し、回付先の担当者についての担当者回付経路データ292を生成する。そして、回付経路管理部213は、生成した部署回付経路データ291及び、担当者回付経路データ292を、回付経路情報記憶部29に記録する。
(回付確認処理)
次に、図8を用いて、回付確認処理を説明する。
ここでは、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者に係る申請の特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29において、ユーザ認証したユーザIDが記録された担当者回付経路データ292を特定する。そして、回付処理部214は、ステータスデータ領域に確認済フラグが記録されていない担当者回付経路データ292を特定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、一覧画面の出力処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、特定した担当者回付経路データ292の申請IDに基づいて、申請管理レコード280を特定する。そして、回付処理部214は、特定した申請管理レコード280の申請ID、件名を一覧表示させた申請一覧表示画面を生成する。この申請一覧表示画面には、各申請について申請管理レコード280の内容(申請者〜ステータス)を表示させるためのリンクボタンを含める。更に、各申請について、承認対象を選択するための承認選択ボタン(チェックボックス)が表示される。
そして、回付管理サーバ20の制御部21は、申請毎に以下の処理を繰り返す。
ここでは、回付管理サーバ20の制御部21は、先行回付先は確認済かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29において、回付先担当者の担当者回付経路データ292に対して、回付順が先行し、直列かつ直近の担当者回付経路データ292を特定する。先行する直近の担当者回付経路データ292のステータスデータ領域に確認済フラグが記録されていない場合には、先行回付先は確認済でないと判定する。なお、同じ部署に先行する担当者が記録されていない場合には、回付順が先行し、直列かつ直近の部署回付経路データ291を特定する。そして、先行する直近の部署回付経路データ291のステータスデータ領域に確認済フラグが記録されていない場合には、先行回付先は確認済でないと判定する。
先行回付先は確認済でないと判定した場合(ステップS3−3において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、予告表示処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、申請一覧表示画面において、この申請についての予告表示を出力する。本実施形態では、予告表示として、承認選択ボタンを非活性状態で表示する。
一方、先行回付先は確認済と判定した場合(ステップS3−3において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、確認可能表示処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、申請一覧表示画面において、申請についての確認可能表示を出力する。本実施形態では、確認可能表示として、承認選択ボタンを選択できるように活性状態で表示する。なお、直列かつ直近の先行回付先が確認済であり、ログイン者が申請を確認できる状態であることを示すメッセージを表示するようにしてもよい。
以上の処理を、特定した申請毎に繰り返す。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、申請選択処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、申請一覧表示画面において、リンクボタンを用いて、申請の選択を検知した場合、この申請の申請管理レコード280の内容を、ユーザ端末10のディスプレイに表示する。
この場合、回付処理部214は、選択された申請についての回付状況を、回付経路を回付順に表示した階層表示により出力する。この処理については、図10を用いて後述する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、確認処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、確認可能表示が出力された申請が選択された場合、ユーザ端末10のディスプレイに申請内容表示画面を出力するための確認画面の表示処理を実行する。この処理については、図11を用いて後述する。
この確認画面には、申請内容表示欄、添付ファイル一覧、プレビュー画面が含まれる。添付ファイル一覧には、この申請の添付ファイルのファイル名を一覧表示する。また、ファイル一覧において添付ファイルが選択された場合、回付処理部214は、プレビュー画面に添付ファイル281の内容(プレビュー)を表示する。
そして、回付先担当者が、申請内容や添付ファイルを確認した場合、この確認画面に確認結果を入力する。具体的には、承認者の確認画面には、「承認・回付」や「差戻」、「否決」を選択するためのボタンが表示される。「承認・回付」ボタンは、申請を承認する場合に用いる。「差戻」ボタンは、差戻し先を指定して申請を差し戻す場合に用いる。「否決」ボタンは、申請された申請を却下し、回付を終了させる場合に用いる。確認を完了し、各ボタンが選択された場合、回付処理部214は、担当者回付経路データ292のステータスデータ領域に、確認済フラグを記録する。そして、決裁権限を有する回付先において「差戻」、「否決」が選択された場合や、最終の権限者において「承認・回付」が選択された場合には、回付処理部214は、申請情報記憶部28の申請管理レコード280のステータスデータ領域に、それぞれ「差戻」や「否決」、「承認」を示すフラグを記録する。そして、回付処理部214は、申請者に通知を行なう。
(受付グループの対応処理)
次に、図9を用いて、受付グループの対応処理を説明する。この受付グループの対応処理は、回付先の部署に所属する回付先の担当者を把握していない場合に用いられる。
まず、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループの設定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、上述したように回付経路の設定処理において、回付経路情報記憶部29の担当者回付経路データ292のユーザIDデータ領域に「受付グループ」を記録する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、予告時期の到来判定処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29において受付グループが設定された回付経路について、回付順が先行し、直列かつ直近の部署回付経路データ291を特定する。先行する直近の部署回付経路データ291のステータスデータ領域に確認済フラグが記録された場合、予告時期の到来と判定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループに属する担当者への通知処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、回付グループ情報記憶部24において、予告時期が到来した部署IDが部署IDデータ領域に記録された回付グループ管理レコード240を抽出し、回付グループIDデータ領域に「受付グループ」が記録された回付グループ管理レコード240を特定する。次に、回付経路管理部213は、この回付グループ管理レコード240に記録されているユーザIDを特定する。そして、回付経路管理部213は、特定したユーザIDのユーザ管理レコード230に記録された連絡先に対して、部署内の回付経路の設定を依頼する通知を送信する。
次に、受付グループに属する担当者が回付管理サーバ20にアクセスする場面を説明する。受付グループに属する担当者への通知(ステップS4−3)を受けてアクセスする場合の他、通知を受ける前にアクセスする場合も同様の処理が行なわれる。
ここでは、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループに属する担当者のアクセス処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のユーザ認証部211は、ユーザ端末10からのアクセスを受け付ける。そして、ユーザ認証部211は、ユーザ端末10から取得したユーザIDを特定する。そして、制御部21の回付処理部214は、上述した回付確認処理のステップS3−1〜S3−5を実行する。このステップS3−1において、特定したユーザIDが、回付グループ情報記憶部24の回付グループ管理レコード240に記録されている場合には、この回付グループ管理レコード240に記録されている部署IDを特定する。そして、回付処理部214は、この部署IDの回付グループ(ここでは、「受付グループ」)が設定されている担当者回付経路データ292を、回付経路情報記憶部29から抽出する。そして、回付処理部214は、この受付グループに属するユーザIDによるアクセスの場合には、受付グループに属する担当者のアクセスと判定し、この担当者回付経路データ292の申請を申請一覧表示画面に含める。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループ用画面の出力処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、「受付グループ」が設定され、確認可能表示の申請が選択された場合、受付グループ用画面を出力する。この受付グループ用画面は、この担当者が所属する部署内の回付経路を設定するための画面である。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−1,S2−2と同様に、マスタ検索処理(ステップS4−6)、利用可能なマスタがあるかどうかについての判定処理(ステップS4−7)を実行する。
利用可能なマスタがないと判定した場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−4と同様に、担当者回付経路の入力処理を実行する(ステップS4−8)。
一方、利用可能なマスタがあると判定した場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−5,S2−6と同様に、回付経路パターンの取込処理(ステップS4−9)、変更可能かどうかについての判定処理(ステップS4−10)を実行する。
変更可能と判定した場合(ステップS4−10において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−7と同様に、変更処理を実行する(ステップS4−11)。
一方、変更不可と判定した場合(ステップS4−10において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、変更処理(ステップS4−11)をスキップする。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−8、S2−9と同様に、権限者の特定処理(ステップS4−12)、権限者のチェック処理(ステップS4−13)を実行する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路の登録処理を実行する(ステップS4−14)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、受付グループ用画面を用いて、部署内の回付先担当者を指定する。この場合、回付経路管理部213は、指定された回付先担当者についての担当者回付経路データ292を生成する。そして、回付経路管理部213は、生成した担当者回付経路データ292を、回付経路情報記憶部29に記録する。
図5(c)に示すように、受付グループが設定されたC部については、C部が確認可能になった場合に、C部の受付グループの担当者が、C部内の担当者回付経路WF3を作成する。また、受付グループが設定されたD部については、D部が確認可能になった場合に、D部の受付グループの担当者が、D部内の担当者回付経路WF4を作成する。
(階層表示処理)
次に、図10を用いて、階層表示処理を説明する。
まず、図10(a)に示すように、回付管理サーバ20の制御部21は、回付先の経路一覧表示処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29に記録された部署回付経路データ291を用いて、回付先部署を回付部区分毎に階層表示する。この場合、回付処理部214は、担当者回付経路データ292を用いて、回付部区分(階層)毎に、回付先部署のアイコンを出力する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者表示処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、階層表示において、ログイン者の所属部署を特定し、階層表示上のアイコンに、他部署と識別できるように表示する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、回付状況の表示処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、部署回付経路データ291、担当者回付経路データ292を用いて、確認済みの部署を特定する。そして、回付処理部214は、階層表示において、部署回付経路データ291に記録されたステータスに応じて、確認済み、又は未確認を識別できるように表示する。
この場合、図10(b)に示すように、階層表示600においては、回付経路の回付部区分の階層601や、各回付部区分の部署アイコン602が表示される。ここで、網掛けの部署アイコン602は確認済みを表し、白色の部署アイコン602は未確認を表している。更に、この階層表示600には、ログイン者の所属部署の表示マーク603が出力される。また、階層表示600において、網掛け表示された階層604は回付中を示している。なお、部署アイコン602が選択された場合、回付処理部214は、回付経路情報記憶部29から、この部署の担当者回付経路データ292を取得し、この部署内の回付先の担当者の回付経路画面を出力する。この回付経路画面には、回付先担当者の人物アイコンを、担当者回付経路データ292に記録された直並列識別に応じて、直列、並列表示した経路図を含める。更に、回付処理部214は、担当者回付経路データ292に記録されたステータスに応じて、各人物アイコンにおいて、確認済み、又は未確認を識別できるように表示する。
図10(c)の階層表示610に示すように、回付が進捗した場合、回付中の階層604が、ログイン者の所属部署の表示マーク603に接近することにより、回付が近いことを把握することができる。
(確認画面の表示処理)
図11を用いて、確認画面の表示処理を説明する。ここでは、ユーザ毎に画面をカスタマイズする。
まず、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者の特定処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、ログイン認証時のユーザIDを取得する。更に、回付処理部214は、ユーザ情報記憶部23から、ログイン者のユーザ管理レコード230を取得し、ユーザ管理レコード230に記録された役職を特定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、確認対象の特定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、一覧画面において指定された確認対象の申請IDを特定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、回付区分の特定処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29から、特定した申請IDが記録された部署回付経路データ291、担当者回付経路データ292を取得する。そして、回付処理部214は、担当者回付経路データ292を用いて、ログイン者のユーザIDに関連付けられた回付者区分を特定する。更に、回付処理部214は、部署回付経路データ291を用いて、ログイン者の所属部署の部署IDに関連付けられた回付部区分を特定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、出力画面の生成処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、特定した回付区分(回付部区分、回付者区分)に応じた画面定義ファイル260を画面情報記憶部26から取得する。次に、回付処理部214は、取得した画面定義ファイル260を用いて出力画面を生成する。この場合、出力画面の申請内容欄には、申請情報記憶部28に記録された申請内容について、項目毎に項目値を設定する。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、カスタマイズ登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、カスタマイズ情報記憶部27において、出力画面の画面IDについて、ログイン者のユーザID、部署ID、役職の何れか少なくとも一つが記録されたカスタマイズ管理レコード270を検索する。カスタマイズ管理レコード270を抽出できた場合には、カスタマイズ登録があると判定する。
カスタマイズ登録があると判定した場合(ステップS6−5において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、出力画面のカスタマイズ処理を実行する(ステップS6−6)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、抽出したカスタマイズ管理レコード270の設定変更内容を用いて、出力画面のカスタマイズを行なう。
一方、カスタマイズ管理レコード270を抽出できず、カスタマイズ登録がないと判定した場合(ステップS6−5において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、出力画面のカスタマイズ処理(ステップS6−6)をスキップする。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、画面の出力処理を実行する(ステップS6−7)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、出力画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、マスタ検索処理を実行する(ステップS2−1)。利用可能なマスタがないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、部署回付経路の入力処理(ステップS2−3)、担当者回付経路の入力処理(ステップS2−4)を実行する。これにより、回付先部署において、申請を確認する担当者を任意に設定した回付経路を作成することができる。
(2)本実施形態では、利用可能なマスタがあると判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路パターンの取込処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、回付経路パターンを用いて効率的に回付経路を作成することができる。
更に、回付経路管理部213は、ユーザ情報記憶部23から、回付経路パターンに設定された部署において、役職に応じたユーザIDを特定する。これにより、回付経路において担当者を効率的に割り当てることができる。
(3)本実施形態では、変更可能と判定した場合(ステップS2−6,S4−10において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、変更処理を実行する(ステップS2−7,S4−11)。これにより、状況に応じて、回付経路の変更を許容することができる。一方、変更不可と判定した場合(ステップS2−6,S4−10において「NO」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、変更処理(ステップS2−7,S4−11)をスキップする。これにより、回付経路パターンを用いて作成された回付経路について、ユーザによる変更可否を制御できる。
(4)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、権限者の特定処理(ステップS2−8,S4−12)、権限者のチェック処理(ステップS2−9,S4−13)を実行する。これにより、的確な権限者を設定することができる。
(5)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者に係わる申請の特定処理(ステップS3−1)、一覧画面の出力処理(ステップS3−2)を実行する。これにより、自身が確認を行なう必要がある申請を把握することができる。
更に、回付管理サーバ20の制御部21は、先行回付先は確認済かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−3)。先行回付先の確認状況に応じて、回付管理サーバ20の制御部21は、予告表示処理(ステップS3−4)、確認可能表示処理(ステップS3−5)を実行する。これにより、回付状況を的確に把握することができる。
(6)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、確認処理を実行する(ステップS3−7)。画面情報記憶部26に記録された画面定義ファイル260を用いて生成された回付区分(回付部区分、回付者区分)に応じた出力画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。これにより、効率的に出力画面を作成することができる。
(7)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループの設定処理を実行する(ステップS4−1)。これにより、回付先部署における承認等の確認者を把握していない場合にも、回付経路を設定することができる。
(8)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、予告時期の到来判定処理(ステップS4−2)、受付グループに属する担当者への通知処理(ステップS4−3)を実行する。これにより、受付グループに属する担当者は、回付経路に担当者を割り当てる時期を把握できる。
(9)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、受付グループに属する担当者のアクセス処理(ステップS4−4)、受付グループ用画面の出力処理(ステップS4−5)を実行する。これにより、担当者回付経路が設定されていない場合にも、受付グループにおいて担当者の割り当てを行なうことができる。
そして、回付管理サーバ20の制御部21は、マスタ検索処理(ステップS4−6)、利用可能なマスタがあるかどうかについての判定処理(ステップS4−7)を実行する。これにより、効率的に担当者回付経路を作成することができる。
(10)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、回付先の経路一覧表示処理(ステップS5−1)、ログイン者表示処理(ステップS5−2)、回付状況の表示処理(ステップS5−3)を実行する。これにより、階層表示により、回付経路や回付状況を把握することができる。
(11)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者の特定処理(ステップS6−1)、確認対象の特定処理(ステップS6−2)、回付区分の特定処理(ステップS6−3)、出力画面の生成処理(ステップS6−4)を実行する。これにより、回付先の担務(回付区分)に応じた画面を出力することができる。
(12)本実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、ログイン者のカスタマイズ登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−5)。ログイン者のカスタマイズ登録があると判定した場合(ステップS6−5において「YES」の場合)、回付管理サーバ20の制御部21は、出力画面のカスタマイズ処理を実行する(ステップS6−6)。これにより、部署やユーザ、役職等に応じてカスタマイズした画面を出力することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、回付マスタ情報記憶部25には、回付経路の作成時に用いる回付経路パターンについての回付マスタ管理レコード250が記録される。回付マスタ管理レコード250には、パターンID、申請種別、登録部署ID、登録者ID、オプション情報(共有区分、変更可否、利用区分)、回付経路パターンに関するデータを含んで構成される。そして、オプション情報において変更可能フラグが設定されている場合には、担当者による回付経路の変更を許容する。ここで、回付経路において、変更を許容する回付先と、変更を許容しない回付先とを設定してもよい。この場合には、回付経路パターンの回付先毎に、変更可否情報を設定する。
・上記実施形態では、画面情報記憶部26には、ユーザ端末10のディスプレイに表示させる出力画面を生成するための画面定義ファイル260が記録される。画面定義ファイル260は、画面ID、回付区分(回付部区分、回付者区分)に関連付けられたXML形式で作成される。画面IDの画面定義ファイル260に関連付けられる情報は、回付区分に限定されるものではない。例えば、画面IDの画面定義ファイル260を、カスタマイズ情報記憶部27に記録された回付部区分や回付者区分に応じて、カスタマイズしてもよい。この場合には、画面定義ファイル260には共有項目のみを設定しておき、カスタマイズ情報記憶部27に回付部区分や回付者区分に応じた専用項目や項目レイアウト等を設定しておく。そして、カスタマイズ後に、これらの項目についての項目値を申請情報記憶部28から取得する。
・上記実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、予告時期の到来判定処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、受付グループが設定された回付経路について、回付順が先行し、直列かつ直近の回付先部署が確認済となった場合に予告時期の到来と判定する。予告時期は、直列かつ直近の回付先部署に限定されない。例えば、申請時や複数階層の先行回付先が確認済となった場合に予告時期の到来と判定してもよい。これにより、予め部署内の回付経路を設定しておくことができる。
・上記実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、一覧画面の出力処理を実行する(ステップS3−2)。ここで、一覧画面に表示される回付経路を、回付状況に応じて変更して出力するようにしてもよい。例えば、確認済みの部署を折り畳んで統合した形態で圧縮表示するようにしてもよい。この場合には、回付管理サーバ20の制御部21が圧縮表示処理を実行する。
(圧縮表示処理)
図12を用いて、圧縮表示処理を説明する。
まず、図12(a)に示すように、回付管理サーバ20の制御部21は、確認済み部署の特定処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路情報記憶部29に記録された部署回付経路データ291を用いて、確認済みの部署を特定する。
この場合、図12(b)に示すように、階層表示620においては、網掛けの部署アイコン602のみが表示された回付部区分の階層621,622は確認済みとなる。一方、階層623〜625では、白色の部署アイコン602があるため、回付中の部署が残っており、回付部区分の階層としては確認済みでない。
次に、回付管理サーバ20の制御部21は、折り畳み処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部21の回付処理部214は、階層表示において、確認済みの回付部区分の階層621,622については折り畳んで統合した形態で表示する。
具体的には、図12(c)に示すように、階層表示630においては、階層621,622をまとめて圧縮して一階層631で表示する。この階層には十字マーク632が出力される。この十字マーク632が選択された場合には、圧縮された階層631が展開されて、図12(b)に示す階層621,622に展開する。
・上記実施形態では、回付グループ情報記憶部24に、回付先として設定可能な回付グループについての回付グループ管理レコード240を記録する。ここで、回付グループ情報記憶部24に設定されるグループは、受付グループに限定されるものではない。例えば、複数の承認者のユーザIDを含めた承認者グループを設定してもよい。この場合には、承認者グループに属する少なくとも一人の承認者が確認した場合、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路情報記憶部29の担当者回付経路データ292に、承認者グループに関連付けてステータスを記録する。
また、回付グループに属するユーザを特定できれば、回付グループ管理レコード240に記録される情報はユーザIDに限定されるものではない。例えば、ユーザ情報記憶部23のユーザ管理レコード230に記録された役職や役割を、回付グループ管理レコード240に記録してもよい。そして、予告時期の到来時には、ユーザ情報記憶部23から、回付グループ管理レコード240に記録された役職や役割に該当するユーザIDを特定し、このユーザIDの担当者への通知を行なう。
・上記実施形態では、画面情報記憶部26には、ユーザ端末10のディスプレイに表示させる出力画面を生成するための画面定義ファイル260が記録される。この画面定義ファイル260は、マークアップ言語(XML)で作成される。画面定義ファイル260は、マークアップ言語(XML)に限定されるものではなく、画面に含まれる項目のレイアウトを特定できるものであればよい。例えば、HTMLや表形式ファイル等を用いることも可能である。
・上記実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、回付経路パターンの取込処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の回付経路管理部213は、ユーザ情報記憶部23のユーザ管理レコード230に記録された役職を用いて、回付経路パターンに含まれる回付先部署毎にユーザIDを特定し、回付経路パターンに割り当てる。ここで、役職に応じて、申請者がユーザIDを割り当てるようにしてもよい。この場合、回付経路管理部213は、ユーザ情報記憶部23を用いて、回付先部署において、回付経路パターンで設定された役職の担当者候補を特定し、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。そして、申請者は、この担当者候補を用いて回付先担当者を設定する。
・上記実施形態では、回付マスタ情報記憶部25には、回付経路の作成時に用いる回付経路パターンについての回付マスタ管理レコード250が記録される。ここで、テンプレートに回付部区分のみを設定しておき、回付管理サーバ20の制御部21が、この回付部区分に応じて、部署を設定するようにしてもよい。この場合には、回付経路管理部213が、部署情報記憶部22の部署管理レコード220に記録された役割を用いて、回付経路パターンに設定された回付部区分に応じた部署IDを特定する。
例えば、図5(b)に示す回付経路パターンWF1において、回付部区分(関連部、所管部、回覧部)のみを設定しておく。更に、部署情報記憶部22の部署管理レコード220の役割データ領域に、申請種別、申請部に応じて、回付部区分を示す情報を記録しておく。そして、回付経路管理部213は、申請種別、申請部(A部)に対して、部署情報記憶部22に記録された役割に応じた部署(B部〜F部)を特定する。そして、回付経路管理部213は、回付部区分に応じて特定した部署を、回付経路パターンに割り当てた回付経路WF2を作成する。
・上記実施形態では、回付管理サーバ20の制御部21は、予告表示処理を実行する(ステップS3−4)。ここでは、予告表示として、承認選択ボタンを非活性状態で表示するが、予告表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、回付の予告を示すメッセージを表示するようにしてもよい。また、回付状況に応じて、予告表示の態様を変更してもよい。例えば、回付経路において、確認済の先行回付先とログイン者との距離に応じて、表示態様や表示内容を変更する。具体的には、制御部21の回付処理部214は、回付経路において、確認済の最後の回付先とログイン者の回付先との間に存在する回付先数をカウントする。そして、回付処理部214は、回付先数に応じた配色のマスクを用いて、承認選択ボタン(チェックボックス)を非活性状態にする。