JP6618839B2 - 針棒回転装置を備えたミシン - Google Patents
針棒回転装置を備えたミシン Download PDFInfo
- Publication number
- JP6618839B2 JP6618839B2 JP2016049031A JP2016049031A JP6618839B2 JP 6618839 B2 JP6618839 B2 JP 6618839B2 JP 2016049031 A JP2016049031 A JP 2016049031A JP 2016049031 A JP2016049031 A JP 2016049031A JP 6618839 B2 JP6618839 B2 JP 6618839B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- needle bar
- needle
- sewing machine
- guide shaft
- support
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
釜先が糸輪を常に補足しやすい条件とするためには、針孔が常に釜の中心に向くように針棒を回転させることが望ましい。
また、特許文献2には、いわゆる「振り子式」の針棒揺動機構において、その典型的な構造が開示されている。
形態1:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ミシン本体(16,216)に設けた支点(11,211)を中心として円錐面に沿うように揺動可能に支持された針棒支持体(4,204)と、前記針棒支持体(4,204)に接続されており、前記針棒支持体(4,204)を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッド(6,206)と、棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体(4,204)によって支持され、前記針棒支持体(4,204)とともに揺動可能な針棒(2,202)と、前記針棒(2,202)に沿って延在する案内軸(5,205)と、一端側が前記針棒(2,202)に対して固定され、他端側が前記案内軸(5,205)を中心に回転可能に設けられ、前記針棒支持体(4,204)の揺動に応じて前記針棒(2,202)に前記軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部(9,10,210)と、を備える針棒回転装置を備えたミシン(100,200)である。
図1は、本発明による針棒回転装置を備えたミシン100の第1実施形態を示す図である。
図2は、ミシン100の内部の主要な構成を模式的に示した図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、適宜簡略化して示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。ただし、これらの向きは、発明の構成を限定するものではない。
針棒支持体4は、針棒支持体ピン11を支点として振り子状に揺動可能に設けられている。針棒支持体4には、振幅ロッド6が接続されている。
振幅ロッド6には、モータ13の所定角度内における往復回転動作が伝えられ、振幅ロッド6は、針棒支持体4を揺動させる。
連結部材9は、針棒2に固定されており、針棒2と案内軸5とを繋ぎ、針棒2を回転させる力を連結部材9に伝える。
針棒接続ブラケット8には、クランクロッド7が係合している。針棒接続ブラケット8は、針棒2とクランクロッド7とを繋ぎ、針棒2に固定されている連結部材9を挟み込み、クランクロッド7の回転運動を針棒の上下運動に変換する。
クランクロッド7には、モータ14の回転力が伝達機構12を介して伝えられ、この回転力によってクランクロッド7は、針棒接続ブラケット8を略Z軸方向に往復運動をさせる。
案内軸接続ブラケット10は、連結部材9の傾きを吸収し、上下運動する連結部材9を案内軸5に沿って案内する。
連結部材9及び案内軸接続ブラケット10には、案内軸5が挿入されており、本実施形態の針棒回転装置の主要部を構成している。
また、本実施形態の連結部材9及び案内軸接続ブラケット10は、針棒支持体4の揺動に応じて針棒2に軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部としての機能を備えている。
案内軸5は、針棒2を回転させるための案内部材として機能する。
針棒支持体4が揺動させられると、針棒2も針棒支持体4とともに揺動する。このとき、連結部材9の一端が針棒2に固定されており、他端側が案内軸接続ブラケット10とともに案内軸5に位置規制されているので、針棒2は、その揺動位置に応じて、針棒2の軸線を中心として回転させられる。これにより、針1の針孔1aの向きが回転させられる。
図3は、針棒支持体4及び針棒2がXプラス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
図4は、針棒支持体4及び針棒2が揺動範囲の中間位置、すなわち揺動していない状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
図5は、針棒支持体4及び針棒2がXマイナス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
針棒支持体4には、接続孔4aが形成されており、この接続孔4aに振幅ロッド6(図2参照)が接続されている。振幅ロッド6は、を揺動させる駆動力をこの接続孔4aを介して針棒支持体4へ伝える
針棒支持体4は、支持部4b,4cにより、針棒2を回転可能、かつ、軸線方向に移動可能な状態で支持している。
図7は、針棒2と針棒支持体4と案内軸5と連結部材9とをZプラス側から見た図である。
図8は、図7から針棒支持体4を省略した図である。
連結部材9は、Z軸方向に貫通した孔9aに針棒2が貫通しており、針棒2の所定の位置において、連結部材9は、針棒2に対してねじ15を用いて基部9bが固定されている。
また、連結部材9は、針棒2に対して直角な方向に延在する延長部9cを有している。この延長部9cには、Z軸方向に貫通した孔9dが設けられており、この孔9dには、案内軸5が貫通している。
図10は、図9において針棒接続ブラケット8を部分的に切断して示した図である。
針棒接続ブラケット8は、クランクロッド7が接続される軸部8aと、連結部材9を挟み込む基部8bとを有している。軸部8aは、基部8bから略Xプラス側に向かって突出して設けられており、クランクロッド7に挿入されている。基部8bは、連結部材9をZ軸方向の上下から挟み込むように配置され、さらに、針棒2が貫通している。
連結部材9は、揺動によって針棒接続ブラケット8に近づくので、針棒接続ブラケット8と連結部材9とは、案内軸5を中心とする連結部材9の揺動動作により両者が干渉しないように形成されている。
図12は、図11において針棒接続ブラケット8の基部8bを部分的に切断して拡大した図である。
針棒2と針棒接続ブラケット8の関係は、クランクロッド7に対し針棒2が傾く(図11中の角度α)ので、針棒接続ブラケット8に針棒2よりも大きな貫通孔8cを開口している。この貫通孔8cは、傾きに対し必要最低限の大きさの孔として、かじりを避けつつ、針棒2の振幅量に影響するガタを少なくする対策を施している。
さらに、針棒接続ブラケット8と連結部材9との間に、Z軸方向においてガタが生じない構造とするために、連結部材9は、常に針棒接続ブラケット8と接するように構成されている。
図14は、図13の状態を連結部材9において拡大した図である。
案内軸5のZマイナス側端部には、案内軸5と針棒2とを繋ぐ支持体案内板17が配置されている。支持体案内板17は、一端に案内軸5が貫通しており、他端に針棒2が貫通している。支持体案内板17と案内軸5との間、及び、支持体案内板17と針棒2との間は、固定されていないすきま嵌合となっている。支持体案内板17は、針棒2及び針棒支持体4のZマイナス側が案内軸5から所定の範囲内で揺動するように適度に移動を規制している。
本実施形態では、針1と釜3との間の隙間調整を行うと、支持体案内板17を支点に針棒支持体4がY軸方向に傾き、例えば、図13,14中の角度βで示したような傾きが生じる。したがって、針棒2と案内軸5とは、必ずしも平行とはならない。
そこで、本実施形態では、上述の傾きに対して連結部材9が案内軸5にかじらないように、連結部材9に傾く量よりも大きな孔9dを開口し、案内軸5と孔9dとの間に隙間が設けられている(図15参照)。
延長部9cの内部は、円筒状に中空構造となっている孔9eが形成されている。この孔9e内に、案内軸接続ブラケット10が摺動自在な状態で挿入されている。すなわち、案内軸接続ブラケット10は、連結部材9の延在方向で連結部材9に対して相対的に移動可能、かつ、延在方向に延びる仮想直線(延長部9cの中心軸)を中心として連結部材9に対して相対的に回転可能となるように、連結部材9と嵌合し、かつ、案内軸5に嵌合している。
案内軸接続ブラケット10には、案内軸5が貫通して嵌合する長孔10aが開口されている。この長孔10aの長手方向の幅も、上述の孔9dと同様に、かじりを防止するために、案内軸5よりも大きめに開口されており、案内軸5と長孔10aの長手方向の内壁との間に隙間が設けられている。
図17は、図16において案内軸5部分で切断した断面図である。
針棒支持体ピン11を中心に針棒支持体4が左右に揺動すると、連結部材9は案内軸5を中心に回転を行うが、連結部材9は針棒2に固定されているので針棒2と同様に傾く(例えば、図16,17中の角度γ)。このとき、揺動方向の傾きによって連結部材9が案内軸5にかじらないよう、連結部材9の孔9dは、この断面においても、大きめに開口されており、孔9dと案内軸5との間に隙間が設けられている。
図19は、針棒2が下死点位置にある状態を示す図である。
図20は、針棒2が上死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。
図21は、針棒2が下死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。
針棒2と案内軸5は「振り子式」の構造上、平行とならないため、針棒2が上下運動(Z軸方向における往復運動)を行うと連結部材9の位置における針棒2と案内軸5との間の軸間距離が、図20中のL1と図21中のL2との間で変化する構造となっている。
そこで、本実施形態の孔9dは、針棒2と案内軸5との間の軸間距離が変わる点も考慮して、その孔径が設定されている。
しかし、長孔10aを大きくし過ぎると、連結部材9の孔9dを大きくした対策と同じであって、針棒2と案内軸5との関係を適切に保てなくなるおそれがある。そこで、長孔10aの長手方向の寸法は、針棒2と案内軸5の傾き分、すなわち、針1と釜3との間の隙間調整分にとして必要最小限の長さとしている。そして、本実施形態では、針棒2と案内軸5との間の軸間距離が変化することに対しての対策として、案内軸接続ブラケット10が連結部材9の中で軸線方向に移動することができる構造としている。
また、図16,17中に示した角度γの傾きに対応するために、長孔10aをこの向きにも大きくしてしまうと、針棒2と案内軸5との関係を適切に保てなくなるおそれがある。そこで、案内軸5と案内軸接続ブラケット10との間で、この方向については隙間を設けないように長孔10aの短手寸法を設定してある。そして、図16,17中に示した角度γの傾きに対応できるように、連結部材9の中で案内軸接続ブラケット10が回転可能とする構造となっている。
本実施形態では、針棒2に対して連結部材9がねじ15により固定されている。連結部材9がねじ15により固定されることで、針棒支持体4は、X軸方向に揺動するが、針棒2は、案内軸5を中心に回転する構造となる。よって、針棒支持体4が揺動した量に応じて、針棒2が回転することができる。
このように、本実施形態では、針棒2を支える機構部分を振り子式として、針の孔が釜の中心に向くようにした。針棒2を支えている機構部分を、「振り子式」にすることによって、針棒2の揺動と回転に必要な動力はモータ1個となり、伝達機構は、振幅ロッド1個ですみ、部品点数を非常に少なくすることができる。
また、全体を揺動させる「揺動式」から「振り子式」にすることによって、構造を小さくすることができ、スペースを確保することができる。また、構造を小さくすることで、機構部分を振幅させるモータへの負荷が軽減され、モータを小型化することができる。
そして、従来の「振り子式」は、その構造上、針の孔が釜の中心を向かないものであった。これに対して、本実施形態では、針棒2に針1の針孔1aが釜の中心を向くようにするための連結部材9を取り付け、さらに針棒2を回転させるためのガイドとして案内軸5を設け、連結部材9を案内軸5にガイドさせて針棒2を回転させている。これにより、本実施形態のミシン100は、釜先が糸輪を常に補足しやすい条件で縫製を行うことができる。そして、本実施形態のミシン100は、上述した様に、構造が簡単で、かつ、小型化が容易な針棒回転装置を備えたミシンとすることができる。
また、本実施形態によれば、針揺動に応じた針棒回転が可能な振り子式針棒揺動機構を備えたミシンを提供することができる。
図22は、本発明による針棒回転装置を備えたミシン200の第2実施形態を示す図である。
図23は、ミシン200の内部の主要な構成を模式的に示した図である。
なお、図22及び図23を含め、以下に示す各図は、適宜簡略化して示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、これら図22と図23、及び、以下に示す各図の一部には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。X軸方向におけるプラス側を、Xプラス、Y軸方向におけるマイナス側をXマイナスと記載し、Y軸方向、及び、Z軸方向についても、同様に記載する。ただし、これらの向きは、発明の構成を限定するものではない。
図23に示すように、針棒202の一端には、針孔201aが設けられた針201が固定されている。針棒202は、棒形状の部材であって、この棒形状の軸線方向(略Z軸方向)に往復運動可能となるように針棒支持体204により支持されている。
針棒支持体204は、針棒支持体ピン211を支点として振り子状に揺動可能に設けられている。針棒支持体204には、振幅ロッド206が接続されている。
振幅ロッド206には、モータ213の所定角度内における往復回転動作が伝えられ、振幅ロッド206は、針棒支持体204を揺動させる。よって、針棒支持体204には、図中に示した矢印A方向へ揺動をさせる力が作用する。
針棒係合部209は、針棒202に固定されている。また、針棒係合部209には、針棒202とともに針棒202の軸線を中心とした回転が可能な状態で針棒接続ブラケット208が係合している。よって、針棒202は、針棒接続ブラケット208によって軸線を中心とした回転を規制されない。そして、針棒係合部209は、針棒202を軸線方向に駆動する駆動力を針棒接続ブラケット208から受ける。
針棒接続ブラケット208には、クランクロッド207が係合している。針棒接続ブラケット208は、針棒202とクランクロッド207とを繋ぎ、針棒202に固定されている針棒係合部209を挟み込み、上軸218の回転運動を上下運動として針棒202に伝える。
クランクロッド207には、モータ214の回転力が伝達機構212を介して伝えられ、この回転力によってクランクロッド207は、針棒接続ブラケット208を略Z軸方向に往復運動をさせる。
支持体案内板217によって、針棒202の揺動範囲は、矢印Bで示したような案内軸205を中心とした円弧状の範囲に規制される。したがって、針棒202は、矢印A方向への揺動と、矢印Bの揺動とが合成された円錐面に沿うような円弧揺動を行うこととなる(後述の図29参照)。
案内軸205は、針棒202を回転させるための案内部材として機能する。
針棒支持体204が揺動させられると、針棒202も針棒支持体204とともに揺動する。このとき、針棒案内板210の一端が針棒202に固定されており、他端側が案内軸205に係合しているので、針棒202は、その揺動位置に応じて、針棒202の軸線を中心として回転させられる。これにより、針201の針孔201aの向きが回転させられる。
釜203には、剣先203aが設けられている。釜203は、上軸218と同期して回転する下軸219の回転により回転させられて、剣先203aが針孔201aに通された糸により形成される糸輪を補足する。
図24は、ミシン200における針棒回転装置の要部を示す斜視図である。
図25は、針棒接続ブラケット208まわりの分解斜視図である。
針棒支持体204には、振幅ロッド206(図23参照)が接続されているが、図24では、他の構造を見やすくするために振幅ロッド206を省略している。
針棒支持体204は、支持部204a,204bにより、針棒202を回転可能、かつ、軸線方向に移動可能な状態で支持している。
軸部208aは、クランクロッド207に摺動可能な状態で挿入されており、上軸218の回転に同期してクランクロッド207から駆動力を得て、Z軸に沿って往復運動を行う。
係合部208bは、針棒202に固定された針棒係合部209に係合するように、内部が針棒係合部209の球面形状に接触する形状に形成されている。これにより、係合部208bは、針棒202の軸線まわりにおける回転を規制することなく、すなわち、針棒202に軸線まわりの回転自由度を与えた状態で、針棒係合部209に対して針棒202の軸線に沿った向きの力を伝えることができる。また、係合部208bは、球面形状により針棒係合部209に係合することにより、針棒202が揺動したときに生じるクランクロッド207と針棒202との相対角度の変化も吸収することができる。
なお、図25において、係合部208bは、1つのブロックであるかのように図示されている。しかし、針棒202に固定された針棒係合部209に係合するために、係合部208bは、分割可能な構成となっており、例えば、不図示のねじ等を用いて、図24に示した状態に組立可能である。
図27は、針棒案内板210を図26中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。
図26に示すように、針棒案内板(針棒案内部)210は、固定部210aと、係合部210dとを有している。
固定部210aには、嵌合孔210bが開口されている。この嵌合孔210bには、針棒202が嵌合している。固定部210aは、ねじ穴210cに不図示のねじを挿入してねじ止めされることにより、針棒係合部209から針棒202の軸線方向に沿って離れた位置で針棒202に対して固定されている。
係合部210dは、図27に示すように、断面形状が半円形状に内側に突出して形成されており、この突出した半円形状が案内軸205を挟み込むような形で、案内軸205に係合している。これにより、係合部210dは、案内軸205を中心に回転可能であって、案内軸205に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合することができる。加えて、半円形状がX方向左右より挟み込むような形で案内軸205に係合しているため、係合部210dと案内軸205の距離がY方向に変化したとしてもその変化を吸収することが可能である。よって、針棒案内板210は、案内軸205を中心とした円周上に針棒202の揺動範囲を規制しながらも、矢印Aと矢印Bとで示した2つの揺動を合成した円弧揺動によって生じる、針棒202と案内軸205との相対的な傾きや軸間距離の変化を吸収することができる。
図28は、ミシンにおいて縫い目が形成されるときの糸と釜剣先との関係を針の位置毎に並べて示す図である。なお、この図28において説明する縫い目の形成は、本発明に限らず、一般的なミシンにおける縫い目の形成を説明するものである。
図28では、布231,232を上糸220により縫い合わせるときに縫い目を形成する状態を示している。図28中の左から右に向かって行くにしたがい、針201が上昇していく。このとき、左から2番目と3番目の図において、糸輪220aが形成されており、この糸輪220a内を剣先203aが通ることにより、上糸を引っ掛けて、縫い目が形成されていく。このように、ミシンにおける縫い目の形成には、非常に小さな糸輪220a内を剣先203aが通過しなければならず、糸輪220aが十分な大きさに形成されないと、縫い目の形成を失敗してしまうおそれがある。
針棒202は、案内軸205により揺動する位置を規制されているので、針201は、図29に示すような円錐状の軌跡に沿って移動する。
針棒202が回転しないと、針孔201aの向きが一定であることから、針201の揺動範囲の両端側では、針孔201aが釜203の回転中心を向かない。よって、針棒202が回転しないと、剣先203aが糸輪220aを捕捉する状況においては、糸輪220aに対して剣先203aが斜めに侵入することとなる。この場合、剣先203aの侵入方向から見ると、見かけ上、糸輪220aが小さくなってしまう。したがって、この従来の場合には、剣先203aが糸輪220aを正しく捕捉する確率が下がってしまう。
本実施形態では、上述した針棒回転装置によって、常に、針孔201aが釜203の回転中心を向いている。したがって、糸輪220aに対して剣先203aが斜めに侵入することなく、剣先203aが糸輪220aを正しく捕捉する確率を、針棒202が揺動しない場合と同じとすることができる。
また、ミシン200は、針棒案内板210の係合部210dを半円形状に突出させて、この半円形状で案内軸205に挟み込むように構成されている。これにより、円錐面を沿うような円弧揺動によって生じる、針棒202と案内軸205との相対的な傾きや軸間距離の変化を、簡単かつ小型の構成によって吸収することができる。
よって、本実施形態によれば、構造が簡単で、かつ、小型化が容易な針棒回転装置を備えたミシンを提供することができる。
また、本実施形態によれば、針揺動に応じた針棒回転が可能な振り子式針棒揺動機構を備えたミシンを提供することができる。
図32は、第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの斜視図である。
図33は、第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの分解斜視図である。
第3実施形態の針棒回転装置は、針棒接続ブラケット308及び針棒係合部309の形態が第2実施形態と異なる他は、第2実施形態と同様な構成をしている。よって、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
例えば、本発明の実施形態においては、後述する二つの回転中心を同一軸(案内軸5、205)としている。一方、支持体案内板(17、217)の回転中心に対し、針孔1aが厳密に釜中心を向くために必要となる回転中心(連結部材9及び針棒案内板210の回転中心)は、設計上の各部品の位置関係の違いによって若干異なるようにしてもよい。この場合、針1が揺動及び回転した際、針孔1aの向きと釜中心が厳密な意味で一致しているとは言えない形態となることもある。しかし、前述した回転中心の違いは非常に微小であり、その違いによる針孔1aの向きと釜中心とのずれも微小であり、発明の実質的な効果をなんら減損するものではない。すなわち、針孔1aの向きが厳密に釜中心を向いていなくても、針棒回転部(9,10,210)によって針棒1を回転させることができれば、縫製時に釜先が糸輪を常に補足しやすい条件とすることができる。
1a 針孔
2 針棒
3 釜
4 針棒支持体
4a 接続孔
4b 支持部
4c 支持部
5 案内軸
6 振幅ロッド
7 クランクロッド
8 針棒接続ブラケット
8a 軸部
8b 基部
8c 貫通孔
9 連結部材
9a 貫通した孔
9b 基部
9c 延長部
9d 孔
9e 孔
10 案内軸接続ブラケット
10a 長孔
11 針棒支持体ピン
12 伝達機構
13 モータ
14 モータ
15 ねじ
16 ミシン本体
17 支持体案内板
100 ミシン
200 ミシン
201 針
201a 針孔
202 針棒
203 釜
203a 剣先
204 針棒支持体
204a 支持部
204b 支持部
205 案内軸
206 振幅ロッド
207 クランクロッド
208 針棒接続ブラケット
208a 軸部
208b 係合部
209 針棒係合部
210 針棒案内部(板)
210a 固定部
210b 嵌合孔
210c 穴
210d 係合部
211 針棒支持体ピン
212 伝達機構
213 モータ
214 モータ
215 ねじ
216 ミシン本体
217 支持体案内板
218 上軸
219 下軸
220 上糸
220a 糸輪
231 布
232 布
308 針棒接続ブラケット
309 針棒係合部
309a 貫通孔
338 ピン
381 基部
381a 嵌合孔
381b 連結部
381c ピン孔
382 軸部
382a 連結部
382b ピン孔
383 ピン
Claims (8)
- ミシン本体に設けた支点を中心として円錐面に沿うように揺動可能に支持された針棒支持体と、
前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
前記針棒に沿って延在する案内軸と、
一端側が前記針棒に対して固定され、他端側が前記案内軸を中心に回転可能に設けられ、前記針棒支持体の揺動に応じて前記針棒に前記軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部と、
を備える針棒回転装置を備えたミシン。 - ミシン本体に設けた支点を中心として揺動可能に支持された針棒支持体と、
前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
軸線方向の摺動及び軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
前記針棒に対して固定され、前記針棒に対して直角な方向に延在する連結部材と、
前記針棒に沿って延在する案内軸と、
前記連結部材の延在方向で前記連結部材に対して相対的に移動可能、かつ、前記延在方向に延びる仮想直線を中心として前記連結部材に対して相対的に回転可能となるように、前記連結部材と嵌合し、かつ、前記案内軸に嵌合する案内軸接続ブラケットと、
を備える針棒回転装置を備えたミシン。 - 請求項2に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
前記針棒支持体は、その揺動中心軸が延在する方向に沿った方向において前記支点の位置調節が可能であり、
前記案内軸と、前記連結部材及び前記案内軸接続ブラケットとの嵌合部位には、前記支点の位置調節により生じる前記案内軸と前記針棒との間の傾きを許容する隙間が設けられていること、
を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。 - 請求項2又は請求項3に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
前記針棒を軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッドが係合する針棒接続ブラケットを備え、
前記針棒接続ブラケットは、前記連結部材に係合して設けられており、
前記針棒接続ブラケットには、前記針棒の傾きを許容するように前記針棒との間に隙間が設けられており、
前記針棒接続ブラケットと前記連結部材とは、前記連結部材の前記案内軸を中心とする揺動動作により両者が干渉しないように形成されていること、
を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。 - ミシン本体に設けた支点を中心として揺動可能に支持された針棒支持体と、
前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
前記針棒を前記軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッドと、
前記クランクロッドが係合する針棒接続ブラケットと、
前記針棒に固定されており、かつ、前記針棒とともに前記針棒の前記軸線を中心とした回転が可能な状態で前記針棒接続ブラケットが係合して前記針棒を前記軸線方向に駆動する駆動力を前記針棒接続ブラケットから受ける針棒係合部と、
前記針棒に沿って延在する案内軸と、
前記針棒に対して固定される固定部、及び、前記案内軸を中心に回転可能であって、前記案内軸に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合する係合部を有する針棒案内部と、
を備える針棒回転装置を備えたミシン。 - 請求項5に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
前記針棒案内部の係合部は、断面形状が半円形状に突出した部位が前記案内軸に係合していること、
を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。 - 請求項5又は請求項6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
前記針棒係合部は、少なくとも一部が球面形状に形成されており、
前記針棒接続ブラケットは、前記針棒係合部の前記球面形状に係合していること、
を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。 - 請求項5又は請求項6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
前記針棒係合部は、前記針棒が挿入される2つのリング状部材により構成されており、
前記針棒接続ブラケットは、前記2つのリング状部材の間に配置されて、前記2つのリング状部材のそれぞれに係合していること、
を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW105111947A TWI629392B (zh) | 2015-05-25 | 2016-04-15 | Sewing machine with needle bar rotating device |
US15/138,275 US9822472B2 (en) | 2015-05-25 | 2016-04-26 | Sewing machine including needle bar turning apparatus |
CN201610309820.8A CN106192240B (zh) | 2015-05-25 | 2016-05-11 | 具备针杆旋转装置的缝纫机 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015105239 | 2015-05-25 | ||
JP2015105239 | 2015-05-25 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016214831A JP2016214831A (ja) | 2016-12-22 |
JP6618839B2 true JP6618839B2 (ja) | 2019-12-11 |
Family
ID=57579787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016049031A Active JP6618839B2 (ja) | 2015-05-25 | 2016-03-11 | 針棒回転装置を備えたミシン |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6618839B2 (ja) |
TW (1) | TWI629392B (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102776722A (zh) * | 2012-08-19 | 2012-11-14 | 颜新宁 | 针杆转动式花样缝纫机 |
TWI522510B (zh) * | 2013-03-13 | 2016-02-21 | Chee Siang Ind Co Ltd | Sewing machine needle bar switching device |
TWI490387B (zh) * | 2013-05-24 | 2015-07-01 | Chee Siang Ind Co Ltd | The threading mechanism of the needle type sewing machine |
-
2016
- 2016-03-11 JP JP2016049031A patent/JP6618839B2/ja active Active
- 2016-04-15 TW TW105111947A patent/TWI629392B/zh not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW201704583A (zh) | 2017-02-01 |
JP2016214831A (ja) | 2016-12-22 |
TWI629392B (zh) | 2018-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6761659B2 (ja) | ミシン | |
JP6618839B2 (ja) | 針棒回転装置を備えたミシン | |
KR200405210Y1 (ko) | 반회전 가마 구동방식 자수기 | |
JP2005334234A (ja) | 筒型上飾り縫いミシン | |
JP6552247B2 (ja) | ミシン | |
US9809912B2 (en) | Vibration reduction mechanism for a sewing machine | |
TWI660086B (zh) | 裁縫機 | |
US9822472B2 (en) | Sewing machine including needle bar turning apparatus | |
JP2009261815A (ja) | 送り出し腕型ミシン | |
JP4596349B2 (ja) | 送り出し腕形偏平縫いミシン | |
JP2009247377A (ja) | ミシン | |
JPH0751481A (ja) | ミシンのルーパ駆動機構 | |
TWI522510B (zh) | Sewing machine needle bar switching device | |
US3313258A (en) | Needle jogging mechanisms | |
JPH0515681A (ja) | ミシンのルーパ駆動機構 | |
JP2010057906A (ja) | 上下送りミシン | |
JPH0142229B2 (ja) | ||
JP4625251B2 (ja) | 動作伝達機構 | |
JPH0610954Y2 (ja) | 動力伝達装置 | |
US3094086A (en) | Control mechanism for zig-zag sewing machines | |
JP2020005786A (ja) | ミシンの運動伝達機構 | |
JP2003024664A (ja) | ミシンの針振り装置 | |
JP4783529B2 (ja) | ミシンの針振り装置 | |
JPS637029Y2 (ja) | ||
JPH07112085A (ja) | 針送りミシンの送り機構 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160316 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160325 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190301 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191010 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191029 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191113 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6618839 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |