JP6618839B2 - 針棒回転装置を備えたミシン - Google Patents

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本発明は、針棒回転装置を備えたミシンに関するものである。
針棒の落下位置を移動可能に構成することにより、いわゆるジグザグ縫い等の動作を行えるミシンでは、釜が定位置で回転するいわゆる固定釜が用いられている。このようなミシンでは、釜に対して針の落下位置が変化することから、針孔の向きが釜に対して変化する。これにより、針孔を通っている糸により形成される糸輪の向きと釜先との関係も変化するので、針棒の落下位置によっては、釜先が糸輪を補足しにくい状況となるおそれがあった。仮に、釜先が糸輪の補足に失敗してしまうと、適切な縫い目を形成することができない。
釜先が糸輪を常に補足しやすい条件とするためには、針孔が常に釜の中心に向くように針棒を回転させることが望ましい。
特許文献1には、いわゆる「揺動式」の針棒揺動機構において、さらに針棒を回転させる専用の機構を備えたミシンが開示されている。
また、特許文献2には、いわゆる「振り子式」の針棒揺動機構において、その典型的な構造が開示されている。
特公平1−35674号公報 実開昭62−96385号公報
特許文献1は、針棒が回転軸を中心に円筒面を添うように揺動するいわゆる「揺動式」の針棒揺動機構に関する技術である。この揺動式機構は針棒の動きが後述する「振り子式」と比較して単純であるため、例えば特許文献1のような針棒回転機構をさらに加え、針の揺動と回転動作を同時に行えるような機構を設けることは比較的容易であった。しかし、振り子式機構が揺動式機構と比べ、小型化や部品点数の削減においてより優れていることから、ミシンにおいても高機能かつ小型化が求められる昨今では、実際に採用される機構は揺動式ではなく特許文献2に開示されるような振り子式機構が主流となっている。
一方、特許文献2に開示される振り子式針棒揺動機構は円錐面に沿うような揺動動作を行うため、揺動式と比較し針の揺動に応じて釜回転軸に対して針棒軸線が傾いてしまうという機構的な複雑さを有している。さらに、この傾きを有したまま針は上下運動を行うため、針上下運動中に針と釜回転軸間の距離も変化してしまうというさらなる機構的な複雑さを有している。これら機構的な複雑さは針棒揺動機構に回転機構を追加しようとする際の技術的な大きな障壁となることから、従来技術においては振り子式針棒揺動機構において、同一の動力源によって針の揺動運動と回転運動が行える機構は提案されていなかった。
本発明の課題は、針揺動に応じた針棒回転が可能な振り子式針棒揺動機構を備えたミシンを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
形態1:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ミシン本体(16,216)に設けた支点(11,211)を中心として円錐面に沿うように揺動可能に支持された針棒支持体(4,204)と、前記針棒支持体(4,204)に接続されており、前記針棒支持体(4,204)を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッド(6,206)と、棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体(4,204)によって支持され、前記針棒支持体(4,204)とともに揺動可能な針棒(2,202)と、前記針棒(2,202)に沿って延在する案内軸(5,205)と、一端側が前記針棒(2,202)に対して固定され、他端側が前記案内軸(5,205)を中心に回転可能に設けられ、前記針棒支持体(4,204)の揺動に応じて前記針棒(2,202)に前記軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部(9,10,210)と、を備える針棒回転装置を備えたミシン(100,200)である。
形態2:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ミシン本体に設けた支点を中心として揺動可能に支持された針棒支持体(4)と、前記針棒支持体(4)に接続されており、前記針棒支持体(4)を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッド(6)と、軸線方向の摺動及び軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体(4)によって支持され、前記針棒支持体(4)とともに揺動可能な針棒(2)と、前記針棒(2)に対して固定され、前記針棒(2)に対して直角な方向に延在する連結部材(9)と、前記針棒(2)に沿って延在する案内軸(5)と、前記連結部材(9)の延在方向で前記連結部材(9)に対して相対的に移動可能、かつ、前記延在方向に延びる仮想直線を中心として前記連結部材(9)に対して相対的に回転可能となるように、前記連結部材(9)と嵌合し、かつ、前記案内軸(5)に嵌合する案内軸接続ブラケット(10)と、を備える針棒回転装置を備えたミシン(100)である。
形態3:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、形態2に記載の針棒回転装置を備えたミシン(100)において、前記針棒支持体(4)は、その揺動中心軸が延在する方向に沿った方向において前記支点の位置調節が可能であり、前記案内軸(5)と、前記連結部材(9)及び前記案内軸接続ブラケット(10)との嵌合部位には、前記支点の位置調節により生じる前記案内軸(5)と前記針棒(2)との間の傾きを許容する隙間が設けられていること、を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン(100)である。
形態4:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、形態2又は形態3に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、前記針棒(2)を軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッド(7)が係合する針棒接続ブラケット(8)を備え、前記針棒接続ブラケット(8)は、前記連結部材(9)に係合して設けられており、前記針棒接続ブラケット(8)には、前記針棒(2)の傾きを許容するように前記針棒(2)との間に隙間が設けられており、前記針棒接続ブラケット(8)と前記連結部材(9)とは、前記連結部材(9)の前記案内軸(5)を中心とする揺動動作により両者が干渉しないように形成されていること、を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン(100)である。
形態5:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ミシン本体(216)に設けた支点(211)を中心として揺動可能に支持された針棒支持体(204)と、前記針棒支持体(204)に接続されており、前記針棒支持体(204)を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッド(206)と、棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体(204)によって支持され、前記針棒支持体(204)とともに揺動可能な針棒(202)と、前記針棒(202)を前記軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッド(207)と、前記クランクロッド(207)が係合する針棒接続ブラケット(208,308)と、前記針棒(202)に固定されており、かつ、前記針棒(202)とともに前記針棒(202)の前記軸線を中心とした回転が可能な状態で前記針棒接続ブラケット(208,308)が係合して前記針棒(202)を前記軸線方向に駆動する駆動力を前記針棒接続ブラケット(208,308)から受ける針棒係合部(209,309)と、前記針棒(202)に沿って延在する案内軸(205)と、前記針棒(202)に対して固定される固定部(210a)、及び、前記案内軸(205)を中心に回転可能であって、前記案内軸(205)に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合する係合部(210d)を有する針棒案内部(210)と、を備える針棒回転装置を備えたミシン(200)である。
形態6:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、形態5に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、前記針棒案内部(210)の係合部(210d)は、断面形状が半円形状に突出した部位が前記案内軸(205)に係合していること、を特徴とする針棒回転装置を備えたミシンである。
形態7:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、形態5又は形態6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、前記針棒係合部(209)は、少なくとも一部が球面形状に形成されており、前記針棒接続ブラケット(208)は、前記針棒係合部(209)の前記球面形状に係合していること、を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン(200)である。
形態8:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、形態5又は形態6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、前記針棒係合部(309)は、前記針棒(202)が挿入される2つのリング状部材により構成されており、前記針棒接続ブラケット(308)は、前記2つのリング状部材の間に配置されて、前記2つのリング状部材のそれぞれに係合していること、を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン(200)である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、構造が簡単で、かつ、小型化が容易な針棒回転装置を備えたミシンを提供できる。
本発明による針棒回転装置を備えたミシン100の第1実施形態を示す図である。 ミシン100の内部の主要な構成を模式的に示した図である。 針棒支持体4及び針棒2がXプラス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。 針棒支持体4及び針棒2が揺動範囲の中間位置、すなわち揺動していない状態の針棒回転装置を示す斜視図である。 針棒支持体4及び針棒2がXマイナス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。 連結部材9を針棒2に固定するねじ15が見えるように示した斜視図である。 針棒2と針棒支持体4と案内軸5と連結部材9とをZプラス側から見た図である。 図7から針棒支持体4を省略した図である。 図8に針棒接続ブラケット8を追加して示した図である。 図9において針棒接続ブラケット8を部分的に切断して示した図である。 針棒接続ブラケット8付近をYマイナス側から見た図である。 図11において針棒接続ブラケット8の基部8bを部分的に切断して拡大した図である。 針棒支持体4周辺をXマイナス側から見た図である。 図13の状態を連結部材9において拡大した図である。 連結部材9付近を切断した断面図である。 針棒2と案内軸5とをYマイナス側から見た図である。 図16において案内軸5部分で切断した断面図である。 針棒2が上死点位置にある状態を示す図である。 針棒2が下死点位置にある状態を示す図である。 針棒2が上死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。 針棒2が下死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。 本発明による針棒回転装置を備えたミシン200の第2実施形態を示す図である。 ミシン200の内部の主要な構成を模式的に示した図である。 ミシン200における針棒回転装置の要部を示す斜視図である。 針棒接続ブラケット208まわりの分解斜視図である。 針棒案内板210を示す斜視図である。 針棒案内板210を図26中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。 ミシンにおいて縫い目が形成されるときの糸と釜剣先との関係を針の位置毎に並べて示す図である。 本実施形態の針棒回転装置のように、針棒を振り子状に揺動させる時の、針201の軌跡を示す図である。 仮に、針棒202が回転せずに揺動を行う場合について、針孔201aと剣先203aとの関係を示す図である。 針棒202が回転しながら揺動を行う本実施形態の針棒回転装置を備えるミシン200における、針孔201aと剣先203aとの関係を示す図である。 第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの斜視図である。 第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの分解斜視図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による針棒回転装置を備えたミシン100の第1実施形態を示す図である。
図2は、ミシン100の内部の主要な構成を模式的に示した図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、適宜簡略化して示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。ただし、これらの向きは、発明の構成を限定するものではない。
針棒2の一端には、針孔1aが設けられた針1が固定されている。針棒2は、略Z軸方向に往復運動可能となるように針棒支持体4により支持されている。
針棒支持体4は、針棒支持体ピン11を支点として振り子状に揺動可能に設けられている。針棒支持体4には、振幅ロッド6が接続されている。
振幅ロッド6には、モータ13の所定角度内における往復回転動作が伝えられ、振幅ロッド6は、針棒支持体4を揺動させる。
また、針棒2には、針棒接続ブラケット(針棒抱き)8が連結部材9を介して係合している。
連結部材9は、針棒2に固定されており、針棒2と案内軸5とを繋ぎ、針棒2を回転させる力を連結部材9に伝える。
針棒接続ブラケット8には、クランクロッド7が係合している。針棒接続ブラケット8は、針棒2とクランクロッド7とを繋ぎ、針棒2に固定されている連結部材9を挟み込み、クランクロッド7の回転運動を針棒の上下運動に変換する。
クランクロッド7には、モータ14の回転力が伝達機構12を介して伝えられ、この回転力によってクランクロッド7は、針棒接続ブラケット8を略Z軸方向に往復運動をさせる。
連結部材9は、針棒2に固定されている。また、連結部材9には、後述するように案内軸接続ブラケット(案内軸抱き)10が係合している。
案内軸接続ブラケット10は、連結部材9の傾きを吸収し、上下運動する連結部材9を案内軸5に沿って案内する。
連結部材9及び案内軸接続ブラケット10には、案内軸5が挿入されており、本実施形態の針棒回転装置の主要部を構成している。
また、本実施形態の連結部材9及び案内軸接続ブラケット10は、針棒支持体4の揺動に応じて針棒2に軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部としての機能を備えている。
案内軸5は、針棒2を回転させるための案内部材として機能する。
針棒支持体4が揺動させられると、針棒2も針棒支持体4とともに揺動する。このとき、連結部材9の一端が針棒2に固定されており、他端側が案内軸接続ブラケット10とともに案内軸5に位置規制されているので、針棒2は、その揺動位置に応じて、針棒2の軸線を中心として回転させられる。これにより、針1の針孔1aの向きが回転させられる。
次に、本実施形態の針棒回転装置の構成をより具体的に説明する。
図3は、針棒支持体4及び針棒2がXプラス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
図4は、針棒支持体4及び針棒2が揺動範囲の中間位置、すなわち揺動していない状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
図5は、針棒支持体4及び針棒2がXマイナス側へ揺動した状態の針棒回転装置を示す斜視図である。
針棒支持体4は、Zプラス端側に設けられた針棒支持体ピン11を支点として、この支点を中心として振り子状に揺動可能に支持されている。
針棒支持体4には、接続孔4aが形成されており、この接続孔4aに振幅ロッド6(図2参照)が接続されている。振幅ロッド6は、を揺動させる駆動力をこの接続孔4aを介して針棒支持体4へ伝える
針棒支持体4は、支持部4b,4cにより、針棒2を回転可能、かつ、軸線方向に移動可能な状態で支持している。
針棒2は、その軸線方向の摺動及び軸線を中心とした回転が可能なように針棒支持体4によって支持されており、針棒支持体4とともに揺動可能となっている。針棒2のZマイナス側には、針1が取り付けられる。本実施形態の針棒2は、中空のパイプ状に形成されている(図7参照)。
案内軸5は、針棒2に沿って延在するように、ミシン本体16に固定されている。ここで、案内軸5は、針棒2に沿って延在すると説明したが、針棒2は、揺動を行うことから、案内軸5と針棒2とは、平行に配置されているとは限らない。
図6は、連結部材9を針棒2に固定するねじ15が見えるように示した斜視図である。
図7は、針棒2と針棒支持体4と案内軸5と連結部材9とをZプラス側から見た図である。
図8は、図7から針棒支持体4を省略した図である。
連結部材9は、Z軸方向に貫通した孔9aに針棒2が貫通しており、針棒2の所定の位置において、連結部材9は、針棒2に対してねじ15を用いて基部9bが固定されている。
また、連結部材9は、針棒2に対して直角な方向に延在する延長部9cを有している。この延長部9cには、Z軸方向に貫通した孔9dが設けられており、この孔9dには、案内軸5が貫通している。
図9は、図8に針棒接続ブラケット8を追加して示した図である。
図10は、図9において針棒接続ブラケット8を部分的に切断して示した図である。
針棒接続ブラケット8は、クランクロッド7が接続される軸部8aと、連結部材9を挟み込む基部8bとを有している。軸部8aは、基部8bから略Xプラス側に向かって突出して設けられており、クランクロッド7に挿入されている。基部8bは、連結部材9をZ軸方向の上下から挟み込むように配置され、さらに、針棒2が貫通している。
連結部材9は、揺動によって針棒接続ブラケット8に近づくので、針棒接続ブラケット8と連結部材9とは、案内軸5を中心とする連結部材9の揺動動作により両者が干渉しないように形成されている。
図11は、針棒接続ブラケット8付近をYマイナス側から見た図である。
図12は、図11において針棒接続ブラケット8の基部8bを部分的に切断して拡大した図である。
針棒2と針棒接続ブラケット8の関係は、クランクロッド7に対し針棒2が傾く(図11中の角度α)ので、針棒接続ブラケット8に針棒2よりも大きな貫通孔8cを開口している。この貫通孔8cは、傾きに対し必要最低限の大きさの孔として、かじりを避けつつ、針棒2の振幅量に影響するガタを少なくする対策を施している。
また、針棒接続ブラケット8の軸部8aは、クランクロッド7に対して必ず直交するので、針棒支持体4が揺動すると針棒2に固定されている連結部材9は針棒接続ブラケット8に対して回転運動する形となる。
さらに、針棒接続ブラケット8と連結部材9との間に、Z軸方向においてガタが生じない構造とするために、連結部材9は、常に針棒接続ブラケット8と接するように構成されている。
図13は、針棒支持体4周辺をXマイナス側から見た図である。
図14は、図13の状態を連結部材9において拡大した図である。
案内軸5のZマイナス側端部には、案内軸5と針棒2とを繋ぐ支持体案内板17が配置されている。支持体案内板17は、一端に案内軸5が貫通しており、他端に針棒2が貫通している。支持体案内板17と案内軸5との間、及び、支持体案内板17と針棒2との間は、固定されていないすきま嵌合となっている。支持体案内板17は、針棒2及び針棒支持体4のZマイナス側が案内軸5から所定の範囲内で揺動するように適度に移動を規制している。
ここで、本実施形態のような、いわゆる「振り子式」の針棒揺動構造を備えたミシンでは、針と釜との間の隙間調整は、針棒支持体ピン11の位置をY軸方向(図13中の両矢印A方向)に移動することにより行われており、本実施形態でも同様の構成となっている。
本実施形態では、針1と釜3との間の隙間調整を行うと、支持体案内板17を支点に針棒支持体4がY軸方向に傾き、例えば、図13,14中の角度βで示したような傾きが生じる。したがって、針棒2と案内軸5とは、必ずしも平行とはならない。
そこで、本実施形態では、上述の傾きに対して連結部材9が案内軸5にかじらないように、連結部材9に傾く量よりも大きな孔9dを開口し、案内軸5と孔9dとの間に隙間が設けられている(図15参照)。
図15は、連結部材9付近を切断した断面図である。
延長部9cの内部は、円筒状に中空構造となっている孔9eが形成されている。この孔9e内に、案内軸接続ブラケット10が摺動自在な状態で挿入されている。すなわち、案内軸接続ブラケット10は、連結部材9の延在方向で連結部材9に対して相対的に移動可能、かつ、延在方向に延びる仮想直線(延長部9cの中心軸)を中心として連結部材9に対して相対的に回転可能となるように、連結部材9と嵌合し、かつ、案内軸5に嵌合している。
案内軸接続ブラケット10には、案内軸5が貫通して嵌合する長孔10aが開口されている。この長孔10aの長手方向の幅も、上述の孔9dと同様に、かじりを防止するために、案内軸5よりも大きめに開口されており、案内軸5と長孔10aの長手方向の内壁との間に隙間が設けられている。
図16は、針棒2と案内軸5とをYマイナス側から見た図である。
図17は、図16において案内軸5部分で切断した断面図である。
針棒支持体ピン11を中心に針棒支持体4が左右に揺動すると、連結部材9は案内軸5を中心に回転を行うが、連結部材9は針棒2に固定されているので針棒2と同様に傾く(例えば、図16,17中の角度γ)。このとき、揺動方向の傾きによって連結部材9が案内軸5にかじらないよう、連結部材9の孔9dは、この断面においても、大きめに開口されており、孔9dと案内軸5との間に隙間が設けられている。
図18は、針棒2が上死点位置にある状態を示す図である。
図19は、針棒2が下死点位置にある状態を示す図である。
図20は、針棒2が上死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。
図21は、針棒2が下死点位置にある状態で連結部材9を切断した断面図である。
針棒2と案内軸5は「振り子式」の構造上、平行とならないため、針棒2が上下運動(Z軸方向における往復運動)を行うと連結部材9の位置における針棒2と案内軸5との間の軸間距離が、図20中のL1と図21中のL2との間で変化する構造となっている。
そこで、本実施形態の孔9dは、針棒2と案内軸5との間の軸間距離が変わる点も考慮して、その孔径が設定されている。
ここで、上述のように、連結部材9の孔9dは、案内軸5に対して十分に大きな隙間を設けるような大きな孔となっている。しかし、孔9dが大きいことから、この連結部材9だけでは、針棒2と案内軸5との関係を適切に保持することができなくなり、針棒2の揺動に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、連結部材9の中に案内軸接続ブラケット10を設けてあり、この案内軸接続ブラケット10の存在によって、針棒2と案内軸5との間の関係を適切に保つようにしている。
先にも述べたように、案内軸接続ブラケット10は、連結部材9の中に挿入されており、案内軸5が案内軸接続ブラケット10に挿入されている。案内軸接続ブラケット10は、図13,14中に示した角度βのような傾きに対して、案内軸5を挿入する孔を長孔10aとすることによりかじり対策が施されていると先に説明した。
しかし、長孔10aを大きくし過ぎると、連結部材9の孔9dを大きくした対策と同じであって、針棒2と案内軸5との関係を適切に保てなくなるおそれがある。そこで、長孔10aの長手方向の寸法は、針棒2と案内軸5の傾き分、すなわち、針1と釜3との間の隙間調整分にとして必要最小限の長さとしている。そして、本実施形態では、針棒2と案内軸5との間の軸間距離が変化することに対しての対策として、案内軸接続ブラケット10が連結部材9の中で軸線方向に移動することができる構造としている。
また、図16,17中に示した角度γの傾きに対応するために、長孔10aをこの向きにも大きくしてしまうと、針棒2と案内軸5との関係を適切に保てなくなるおそれがある。そこで、案内軸5と案内軸接続ブラケット10との間で、この方向については隙間を設けないように長孔10aの短手寸法を設定してある。そして、図16,17中に示した角度γの傾きに対応できるように、連結部材9の中で案内軸接続ブラケット10が回転可能とする構造となっている。
以上説明した構成により、本実施形態のミシン100において、針棒支持体4は、針棒支持体ピン11を中心にモータ13の動力を用いて振り子状に左右(X軸方向)に揺動する。そして、針棒支持体4を振り子状に揺動させる力を用いて、針棒2を回転させる構造となっている。
本実施形態では、針棒2に対して連結部材9がねじ15により固定されている。連結部材9がねじ15により固定されることで、針棒支持体4は、X軸方向に揺動するが、針棒2は、案内軸5を中心に回転する構造となる。よって、針棒支持体4が揺動した量に応じて、針棒2が回転することができる。
このように、本実施形態では、針棒2を支える機構部分を振り子式として、針の孔が釜の中心に向くようにした。針棒2を支えている機構部分を、「振り子式」にすることによって、針棒2の揺動と回転に必要な動力はモータ1個となり、伝達機構は、振幅ロッド1個ですみ、部品点数を非常に少なくすることができる。
また、全体を揺動させる「揺動式」から「振り子式」にすることによって、構造を小さくすることができ、スペースを確保することができる。また、構造を小さくすることで、機構部分を振幅させるモータへの負荷が軽減され、モータを小型化することができる。
そして、従来の「振り子式」は、その構造上、針の孔が釜の中心を向かないものであった。これに対して、本実施形態では、針棒2に針1の針孔1aが釜の中心を向くようにするための連結部材9を取り付け、さらに針棒2を回転させるためのガイドとして案内軸5を設け、連結部材9を案内軸5にガイドさせて針棒2を回転させている。これにより、本実施形態のミシン100は、釜先が糸輪を常に補足しやすい条件で縫製を行うことができる。そして、本実施形態のミシン100は、上述した様に、構造が簡単で、かつ、小型化が容易な針棒回転装置を備えたミシンとすることができる。
また、本実施形態によれば、針揺動に応じた針棒回転が可能な振り子式針棒揺動機構を備えたミシンを提供することができる。
(第2実施形態)
図22は、本発明による針棒回転装置を備えたミシン200の第2実施形態を示す図である。
図23は、ミシン200の内部の主要な構成を模式的に示した図である。
なお、図22及び図23を含め、以下に示す各図は、適宜簡略化して示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、これら図22と図23、及び、以下に示す各図の一部には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。X軸方向におけるプラス側を、Xプラス、Y軸方向におけるマイナス側をXマイナスと記載し、Y軸方向、及び、Z軸方向についても、同様に記載する。ただし、これらの向きは、発明の構成を限定するものではない。
図22に示すように、本実施形態のミシン200は、外観上は、従来からのミシンと同様な形態をしている。
図23に示すように、針棒202の一端には、針孔201aが設けられた針201が固定されている。針棒202は、棒形状の部材であって、この棒形状の軸線方向(略Z軸方向)に往復運動可能となるように針棒支持体204により支持されている。
針棒支持体204は、針棒支持体ピン211を支点として振り子状に揺動可能に設けられている。針棒支持体204には、振幅ロッド206が接続されている。
振幅ロッド206には、モータ213の所定角度内における往復回転動作が伝えられ、振幅ロッド206は、針棒支持体204を揺動させる。よって、針棒支持体204には、図中に示した矢印A方向へ揺動をさせる力が作用する。
また、針棒202には、針棒接続ブラケット208が針棒係合部209を介して係合している。
針棒係合部209は、針棒202に固定されている。また、針棒係合部209には、針棒202とともに針棒202の軸線を中心とした回転が可能な状態で針棒接続ブラケット208が係合している。よって、針棒202は、針棒接続ブラケット208によって軸線を中心とした回転を規制されない。そして、針棒係合部209は、針棒202を軸線方向に駆動する駆動力を針棒接続ブラケット208から受ける。
針棒接続ブラケット208には、クランクロッド207が係合している。針棒接続ブラケット208は、針棒202とクランクロッド207とを繋ぎ、針棒202に固定されている針棒係合部209を挟み込み、上軸218の回転運動を上下運動として針棒202に伝える。
クランクロッド207には、モータ214の回転力が伝達機構212を介して伝えられ、この回転力によってクランクロッド207は、針棒接続ブラケット208を略Z軸方向に往復運動をさせる。
さらに、針棒202には、針棒案内板210(針棒案内部)が固定されている。この針棒案内板210の針棒202に固定されている側とは反対側は、案内軸205を中心に回転可能であって、案内軸205に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合している。本実施形態の針棒案内板210は、針棒支持体204の揺動に応じて針棒202に軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部としての機能を備えている。
さらに、針棒202には、針棒案内板210から針棒202の軸線方向に沿ってZマイナス側に離れた位置に、案内軸205と針棒支持体204の支持部204bとを繋ぐ支持体案内板217が配置されている。
支持体案内板217によって、針棒202の揺動範囲は、矢印Bで示したような案内軸205を中心とした円弧状の範囲に規制される。したがって、針棒202は、矢印A方向への揺動と、矢印Bの揺動とが合成された円錐面に沿うような円弧揺動を行うこととなる(後述の図29参照)。
案内軸205は、針棒202を回転させるための案内部材として機能する。
針棒支持体204が揺動させられると、針棒202も針棒支持体204とともに揺動する。このとき、針棒案内板210の一端が針棒202に固定されており、他端側が案内軸205に係合しているので、針棒202は、その揺動位置に応じて、針棒202の軸線を中心として回転させられる。これにより、針201の針孔201aの向きが回転させられる。
釜203には、剣先203aが設けられている。釜203は、上軸218と同期して回転する下軸219の回転により回転させられて、剣先203aが針孔201aに通された糸により形成される糸輪を補足する。
次に、本実施形態の針棒回転装置の構成をより具体的に説明する。
図24は、ミシン200における針棒回転装置の要部を示す斜視図である。
図25は、針棒接続ブラケット208まわりの分解斜視図である。
図24に示すように、針棒支持体204は、Zプラス端側に設けられた針棒支持体ピン211を支点として、この支点を中心として振り子状に揺動可能に支持されている。
針棒支持体204には、振幅ロッド206(図23参照)が接続されているが、図24では、他の構造を見やすくするために振幅ロッド206を省略している。
針棒支持体204は、支持部204a,204bにより、針棒202を回転可能、かつ、軸線方向に移動可能な状態で支持している。
針棒202は、その軸線方向の摺動及び軸線を中心とした回転が可能なように針棒支持体204によって支持されており、針棒支持体204とともに揺動可能となっている。針棒202のZマイナス側には、針201が取り付けられる。
案内軸205は、針棒202に沿って延在するように、ミシン本体216に固定されている。ここで、案内軸205は、針棒202に沿って延在すると説明したが、針棒202は、揺動を行うことから、案内軸205と針棒202とは、平行に配置されているとは限らない。
針棒係合部209は、ねじ215を用いて針棒202に固定されている。針棒係合部209は、針棒202が貫通する部分以外の外周面が、球面形状に形成されている。
針棒接続ブラケット208は、軸部208aと、係合部208bとを備えている。
軸部208aは、クランクロッド207に摺動可能な状態で挿入されており、上軸218の回転に同期してクランクロッド207から駆動力を得て、Z軸に沿って往復運動を行う。
係合部208bは、針棒202に固定された針棒係合部209に係合するように、内部が針棒係合部209の球面形状に接触する形状に形成されている。これにより、係合部208bは、針棒202の軸線まわりにおける回転を規制することなく、すなわち、針棒202に軸線まわりの回転自由度を与えた状態で、針棒係合部209に対して針棒202の軸線に沿った向きの力を伝えることができる。また、係合部208bは、球面形状により針棒係合部209に係合することにより、針棒202が揺動したときに生じるクランクロッド207と針棒202との相対角度の変化も吸収することができる。
なお、図25において、係合部208bは、1つのブロックであるかのように図示されている。しかし、針棒202に固定された針棒係合部209に係合するために、係合部208bは、分割可能な構成となっており、例えば、不図示のねじ等を用いて、図24に示した状態に組立可能である。
図26は、針棒案内板210を示す斜視図である。
図27は、針棒案内板210を図26中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。
図26に示すように、針棒案内板(針棒案内部)210は、固定部210aと、係合部210dとを有している。
固定部210aには、嵌合孔210bが開口されている。この嵌合孔210bには、針棒202が嵌合している。固定部210aは、ねじ穴210cに不図示のねじを挿入してねじ止めされることにより、針棒係合部209から針棒202の軸線方向に沿って離れた位置で針棒202に対して固定されている。
係合部210dは、図27に示すように、断面形状が半円形状に内側に突出して形成されており、この突出した半円形状が案内軸205を挟み込むような形で、案内軸205に係合している。これにより、係合部210dは、案内軸205を中心に回転可能であって、案内軸205に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合することができる。加えて、半円形状がX方向左右より挟み込むような形で案内軸205に係合しているため、係合部210dと案内軸205の距離がY方向に変化したとしてもその変化を吸収することが可能である。よって、針棒案内板210は、案内軸205を中心とした円周上に針棒202の揺動範囲を規制しながらも、矢印Aと矢印Bとで示した2つの揺動を合成した円弧揺動によって生じる、針棒202と案内軸205との相対的な傾きや軸間距離の変化を吸収することができる。
次に、本実施形態において、針棒202を回転させる理由について説明する。
図28は、ミシンにおいて縫い目が形成されるときの糸と釜剣先との関係を針の位置毎に並べて示す図である。なお、この図28において説明する縫い目の形成は、本発明に限らず、一般的なミシンにおける縫い目の形成を説明するものである。
図28では、布231,232を上糸220により縫い合わせるときに縫い目を形成する状態を示している。図28中の左から右に向かって行くにしたがい、針201が上昇していく。このとき、左から2番目と3番目の図において、糸輪220aが形成されており、この糸輪220a内を剣先203aが通ることにより、上糸を引っ掛けて、縫い目が形成されていく。このように、ミシンにおける縫い目の形成には、非常に小さな糸輪220a内を剣先203aが通過しなければならず、糸輪220aが十分な大きさに形成されないと、縫い目の形成を失敗してしまうおそれがある。
図29は、本実施形態の針棒回転装置のように、針棒を振り子状に揺動させる時の、針201の軌跡を示す図である。
針棒202は、案内軸205により揺動する位置を規制されているので、針201は、図29に示すような円錐状の軌跡に沿って移動する。
図30は、仮に、針棒202が回転せずに揺動を行う場合について、針孔201aと剣先203aとの関係を示す図である。
針棒202が回転しないと、針孔201aの向きが一定であることから、針201の揺動範囲の両端側では、針孔201aが釜203の回転中心を向かない。よって、針棒202が回転しないと、剣先203aが糸輪220aを捕捉する状況においては、糸輪220aに対して剣先203aが斜めに侵入することとなる。この場合、剣先203aの侵入方向から見ると、見かけ上、糸輪220aが小さくなってしまう。したがって、この従来の場合には、剣先203aが糸輪220aを正しく捕捉する確率が下がってしまう。
図31は、針棒202が回転しながら揺動を行う本実施形態の針棒回転装置を備えるミシン200における、針孔201aと剣先203aとの関係を示す図である。
本実施形態では、上述した針棒回転装置によって、常に、針孔201aが釜203の回転中心を向いている。したがって、糸輪220aに対して剣先203aが斜めに侵入することなく、剣先203aが糸輪220aを正しく捕捉する確率を、針棒202が揺動しない場合と同じとすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ミシン200は、針棒係合部209に球面形状を設けることにより、針棒202に対してその軸線まわりの回転方向に自由度を与えている。また、針棒案内板210を設けて針棒202の回転を規制した。これにより、針棒202は、円弧揺動をしたときの案内軸205と針棒202との相対位置の変化により、針棒202に回転運動が与えられ、針孔201aが常に釜中心を向くことができる。
また、ミシン200は、針棒案内板210の係合部210dを半円形状に突出させて、この半円形状で案内軸205に挟み込むように構成されている。これにより、円錐面を沿うような円弧揺動によって生じる、針棒202と案内軸205との相対的な傾きや軸間距離の変化を、簡単かつ小型の構成によって吸収することができる。
よって、本実施形態によれば、構造が簡単で、かつ、小型化が容易な針棒回転装置を備えたミシンを提供することができる。
また、本実施形態によれば、針揺動に応じた針棒回転が可能な振り子式針棒揺動機構を備えたミシンを提供することができる。
(第3実施形態)
図32は、第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの斜視図である。
図33は、第3実施形態の針棒接続ブラケット308まわりの分解斜視図である。
第3実施形態の針棒回転装置は、針棒接続ブラケット308及び針棒係合部309の形態が第2実施形態と異なる他は、第2実施形態と同様な構成をしている。よって、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図32に示すように、針棒係合部309は、2つ一組で設けられており、ねじ21を用いて針棒202に固定されている。針棒係合部309は、針棒202が貫通する貫通孔309aを中心としたリング状部材として形成されている。
針棒接続ブラケット308は、基部381と、軸部382と、ピン383とを組み合わせることにより構成されている。
基部381は、嵌合孔381aに針棒202が摺動可能な状態で挿入されて針棒202と嵌合している。また、基部381は、図中の上下から針棒係合部309により挟まれてこれら2つの針棒係合部309のそれぞれに係合しており、基部381の上下(Z軸方向)の移動は、針棒202に伝えられる。ここで、基部381は、針棒202の軸線まわりの回転については、規制していないので、針棒202は、その軸線まわりの回転についての制限を基部381からは受けない。基部381には、軸部382の連結部382aを両側から挟み込むように形成された連結部381bが設けられている。この連結部381bには、ピン孔381cが開口されている。
図33に示すように、軸部382は、一方側が連結部382aとなって、基部381の連結部381bに連結しており、他方側がクランクロッド207に挿入されている。連結部382aには、ピン孔382bが開口されている。
ピン383は、ピン孔381c及びピン孔382bに挿入されていることにより、針棒202の軸線に垂直な向きに延在している。よって、軸部382は、基部381に対してピン338を中心として回動可能な状態で連結している。このように、軸部382が基部381に対して回動可能となっていることにより、針棒202が揺動したときに生じるクランクロッド207と針棒202との相対角度の変化も吸収することができる。
以上説明したように、第3実施形態によれば、針棒接続ブラケット308を、基部381と、軸部382と、ピン383とを組み合わせることにより構成した。これにより、第2実施形態のような球面による接触を利用することなく、第2実施形態と同様な機能を実現可能である。本実施形態の針棒接続ブラケット308及び針棒係合部309は、第2実施形態のような球面形状よりも製造が容易な形状の組み合せにより構成されているので、本実施形態のミシンは、より簡単に製造が可能である。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
例えば、本発明の実施形態においては、後述する二つの回転中心を同一軸(案内軸5、205)としている。一方、支持体案内板(17、217)の回転中心に対し、針孔1aが厳密に釜中心を向くために必要となる回転中心(連結部材9及び針棒案内板210の回転中心)は、設計上の各部品の位置関係の違いによって若干異なるようにしてもよい。この場合、針1が揺動及び回転した際、針孔1aの向きと釜中心が厳密な意味で一致しているとは言えない形態となることもある。しかし、前述した回転中心の違いは非常に微小であり、その違いによる針孔1aの向きと釜中心とのずれも微小であり、発明の実質的な効果をなんら減損するものではない。すなわち、針孔1aの向きが厳密に釜中心を向いていなくても、針棒回転部(9,10,210)によって針棒1を回転させることができれば、縫製時に釜先が糸輪を常に補足しやすい条件とすることができる。
1 針
1a 針孔
2 針棒
3 釜
4 針棒支持体
4a 接続孔
4b 支持部
4c 支持部
5 案内軸
6 振幅ロッド
7 クランクロッド
8 針棒接続ブラケット
8a 軸部
8b 基部
8c 貫通孔
9 連結部材
9a 貫通した孔
9b 基部
9c 延長部
9d 孔
9e 孔
10 案内軸接続ブラケット
10a 長孔
11 針棒支持体ピン
12 伝達機構
13 モータ
14 モータ
15 ねじ
16 ミシン本体
17 支持体案内板
100 ミシン
200 ミシン
201 針
201a 針孔
202 針棒
203 釜
203a 剣先
204 針棒支持体
204a 支持部
204b 支持部
205 案内軸
206 振幅ロッド
207 クランクロッド
208 針棒接続ブラケット
208a 軸部
208b 係合部
209 針棒係合部
210 針棒案内部(板)
210a 固定部
210b 嵌合孔
210c 穴
210d 係合部
211 針棒支持体ピン
212 伝達機構
213 モータ
214 モータ
215 ねじ
216 ミシン本体
217 支持体案内板
218 上軸
219 下軸
220 上糸
220a 糸輪
231 布
232 布
308 針棒接続ブラケット
309 針棒係合部
309a 貫通孔
338 ピン
381 基部
381a 嵌合孔
381b 連結部
381c ピン孔
382 軸部
382a 連結部
382b ピン孔
383 ピン

Claims (8)

  1. ミシン本体に設けた支点を中心として円錐面に沿うように揺動可能に支持された針棒支持体と、
    前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
    棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
    前記針棒に沿って延在する案内軸と、
    一端側が前記針棒に対して固定され、他端側が前記案内軸を中心に回転可能に設けられ、前記針棒支持体の揺動に応じて前記針棒に前記軸線を中心とした回転をさせる針棒回転部と、
    を備える針棒回転装置を備えたミシン。
  2. ミシン本体に設けた支点を中心として揺動可能に支持された針棒支持体と、
    前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
    軸線方向の摺動及び軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
    前記針棒に対して固定され、前記針棒に対して直角な方向に延在する連結部材と、
    前記針棒に沿って延在する案内軸と、
    前記連結部材の延在方向で前記連結部材に対して相対的に移動可能、かつ、前記延在方向に延びる仮想直線を中心として前記連結部材に対して相対的に回転可能となるように、前記連結部材と嵌合し、かつ、前記案内軸に嵌合する案内軸接続ブラケットと、
    を備える針棒回転装置を備えたミシン。
  3. 請求項2に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
    前記針棒支持体は、その揺動中心軸が延在する方向に沿った方向において前記支点の位置調節が可能であり、
    前記案内軸と、前記連結部材及び前記案内軸接続ブラケットとの嵌合部位には、前記支点の位置調節により生じる前記案内軸と前記針棒との間の傾きを許容する隙間が設けられていること、
    を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
    前記針棒を軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッドが係合する針棒接続ブラケットを備え、
    前記針棒接続ブラケットは、前記連結部材に係合して設けられており、
    前記針棒接続ブラケットには、前記針棒の傾きを許容するように前記針棒との間に隙間が設けられており、
    前記針棒接続ブラケットと前記連結部材とは、前記連結部材の前記案内軸を中心とする揺動動作により両者が干渉しないように形成されていること、
    を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
  5. ミシン本体に設けた支点を中心として揺動可能に支持された針棒支持体と、
    前記針棒支持体に接続されており、前記針棒支持体を揺動させる駆動力を伝える振幅ロッドと、
    棒形状の部材であって、当該棒形状の軸線方向の摺動及び前記軸線を中心とした回転が可能なように前記針棒支持体によって支持され、前記針棒支持体とともに揺動可能な針棒と、
    前記針棒を前記軸線方向に駆動する駆動力を伝えるクランクロッドと、
    前記クランクロッドが係合する針棒接続ブラケットと、
    前記針棒に固定されており、かつ、前記針棒とともに前記針棒の前記軸線を中心とした回転が可能な状態で前記針棒接続ブラケットが係合して前記針棒を前記軸線方向に駆動する駆動力を前記針棒接続ブラケットから受ける針棒係合部と、
    前記針棒に沿って延在する案内軸と、
    前記針棒に対して固定される固定部、及び、前記案内軸を中心に回転可能であって、前記案内軸に対して相対的に傾く自由度を有した状態で係合する係合部を有する針棒案内部と、
    を備える針棒回転装置を備えたミシン。
  6. 請求項5に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
    前記針棒案内部の係合部は、断面形状が半円形状に突出した部位が前記案内軸に係合していること、
    を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
    前記針棒係合部は、少なくとも一部が球面形状に形成されており、
    前記針棒接続ブラケットは、前記針棒係合部の前記球面形状に係合していること、
    を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の針棒回転装置を備えたミシンにおいて、
    前記針棒係合部は、前記針棒が挿入される2つのリング状部材により構成されており、
    前記針棒接続ブラケットは、前記2つのリング状部材の間に配置されて、前記2つのリング状部材のそれぞれに係合していること、
    を特徴とする針棒回転装置を備えたミシン。
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