JP6618674B2 - 地中埋設箱の防蟻構造 - Google Patents

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Description

この発明は、地中埋設箱内へのシロアリの侵入を防止する防蟻構造に関するものである。
従来より、ケーブルが配設される管路内とか胴道内等にシロアリが住むのを防止するため、前記管路内等に防蟻剤を散布してシロアリを駆除する防蟻方法が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第2795512号公報
しかし、前記従来の防蟻方法は、管路(保護管)内にシロアリが侵入することは防げても、管路が接続される地中埋設箱においては、防蟻が十分とはいえなかった。
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、必要とする防蟻効果を容易に得ることができる、地中埋設箱の防蟻構造を提供することにある。
この発明に係る地中埋設箱の防蟻構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る地中埋設箱の防蟻構造は、地中に埋設される地中埋設箱内における防蟻構造であって、前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、保護管が、直接または接続具を介して接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設される。ここで、前記地中埋設箱の内面において、防蟻成分を含有する防蟻具が、前記地中埋設箱が有する接合部に跨がって、またはその接合部と前記貫通孔との間に、配置される。そして、前記保護管は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されている。
この防蟻構造によると、地中埋設箱は、その内面において、防蟻具が、接合部に跨がって配置されたり、接合部と貫通孔との間に配置されたりする。そこで、防蟻具が接合部に跨がって配置されると、接合部から内部に侵入しようとするシロアリを、その防蟻具でくい止めることができ、そのシロアリが保護管とかケーブルに達するのを防ぐことができる。そして、防蟻具が接合部と貫通孔との間に配置された場合には、シロアリが接合部から内部に侵入したとしても、その防蟻具により、シロアリが保護管とかケーブルに達するのを防ぐことができる。また、保護管は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されており、これによって、シロアリが保護管の内面を伝って地中埋設箱内に侵入するのを防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明に係る地中埋設箱の防蟻構造のように、請求項1に記載の防蟻構造において、前記防蟻具は、シート状に形成された防蟻シートからなってもよい。
また、請求項3に記載の発明に係る地中埋設箱の防蟻構造のように、請求項1または2に記載の防蟻構造において、前記保護管の、少なくとも内面側に施される防蟻処理は、前記保護管自身が防蟻成分を含有する材料で形成され、または、その保護管の内面を形成する層が防蟻成分を含有する材料で形成されることによってもよい。
また、請求項4に記載の発明に係る地中埋設箱の防蟻構造のように、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防蟻構造において、前記地中埋設箱の、前記保護管が接続される接続部分において、前記ケーブルと、前記保護管または前記接続具との間が、防蟻成分を含有する他の防蟻具により、閉塞されてもよい。こうして、ケーブルと、保護管または接続具との間を、他の防蟻具により閉塞することで、保護管内にシロアリが侵入したとしても、そのシロアリが保護管内と地中埋設箱内との間を移動するのを防ぐことができる。
この発明に係る地中埋設箱の防蟻構造によれば、地中埋設箱内に防蟻具を配置し、保護管の少なくとも内面側に防蟻処理を施すことで、地中埋設箱の接合部からシロアリが内部に侵入して保護管とかケーブルに達するのを防ぐとともに、シロアリが保護管の内面を伝って地中埋設箱内に侵入するのを防ぐことができ、必要とする防蟻効果を容易に得ることができる。
この発明の一実施の形態の、断面図である。 同じく、変形例を示す、要部拡大断面図である。 同じく、他の変形例を示す、要部拡大断面図である。
以下、この発明に係る地中埋設箱の防蟻構造を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、地中を示し、2は、地中1に埋設される地中埋設箱を示す。3は、前記地中埋設箱2に接続される保護管を示す。4は、前記保護管3内に通されるケーブル(電力ケーブルとか通信ケーブル(光ファイバケーブルを含む))を示す。5は、前記地中1に埋設される地中埋設箱2内における防蟻構造を示す。
この防蟻構造5は、地中埋設箱2の側壁2aに形成された貫通孔2bに、保護管3が直接または接続具を介して接続されて(図示実施の形態においては、保護管3が直接接続されて)、保護管3内と地中埋設箱2内とに渡ってケーブル4が配設される。そして、地中埋設箱2は、その地中埋設箱2の内面において、防蟻成分を含有する防蟻具2pが、その地中埋設箱2が有する接合部2cに跨がって、またはその接合部2cと貫通孔2bとの間に、配置される。詳細には、この防蟻具2pは、シート状に形成された防蟻シートからなる。
具体的には、地中埋設箱2は、ハンドホールとかマンホール等からなる。この地中埋設箱2は、前述の接合部2cを有する。詳細には、地中埋設箱2は、底壁2dと側壁2aとを有する箱本体2eと、その箱本体2eの上方の開口2f周りに配置される枠状の蓋受け2gと、開口2fを閉じるように蓋受け2gに載せられる蓋体2hとを備える。さらに、箱本体2eは、側壁2aの中間位置で分離されて、下側の第1構成体2iと、上側の第2構成体2jとで構成される。そこで、第1構成体2iと第2構成体2jとの間が前記接合部2cとしての第1接合部2kとなり、この第1接合部2kには、一般には、ブチルパテ等のパテが詰められる。そして、箱本体2e(詳しくは、第2構成体2j)と蓋受け2gとの間が前記接合部2cとしての第2接合部2mとなり、蓋受け2gと蓋体2hとの間が前記接合部2cとしての第3接合部2nとなる。
また、地中埋設箱2は、第1接合部2kに跨がって、前述の防蟻具2pとしての第1防蟻シート2qが配置され、第2接合部2mおよび第3接合部2nと貫通孔2bとの間に、防蟻具2pとしての第2防蟻シート2rが配置される。ここで、第1および第2防蟻シート2q、2rは、不織布に防蟻成分を含有するものである。詳細には、不織布に防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着(詳しくは、非水溶性の接着剤を用いて接着されることによる付着)されて形成される。この防蟻成分としては、例えば、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物、ピレスロイド系剤、有機リン剤、カーバメート剤、ホウ素化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
保護管3は、ケーブル4を収容保護する電線管であって、図示実施の形態においては、その長手方向に波が形成された波付管からなり、可撓性を備える。そして、保護管3は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されている。詳細には、保護管3の、少なくとも内面側に施される防蟻処理は、保護管3自身が防蟻成分を含有する材料で形成されることによる。ここで、防蟻成分としては、防蟻具2pの場合と同様の成分が挙げられ、この防蟻成分は、通常、マイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されて成形される。
また、地中埋設箱2の、保護管3が接続される接続部分において、ケーブル4と、保護管3または接続具(図示実施の形態においては、保護管3)との間が、防蟻成分を含有する他の防蟻具6により、閉塞される。ここで、防蟻具6は、通水性を備える。
この防蟻具6は、例えば、ケーブル4の外周に巻きつけ可能なシート状に形成された防蟻シート6aからなる。そして、この防蟻シート6aは、第1および第2防蟻シート2q、2rと同様に、不織布に防蟻成分を含有するものである。詳細には、防蟻シート6aは、不織布に防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着(詳しくは、非水溶性の接着剤を用いて接着されることによる付着)されて形成される。ここで、防蟻成分としては、防蟻具2pの場合と同様の成分が挙げられる。なお、図示実施の形態においては、保護管3の口元部分には、ベルマウス7が挿入されて、防蟻シート6a(防蟻具6)は、ケーブル4とベルマウス7との間に詰められる。
また、ケーブル4は、地中埋設箱2内において、連結具8により連結されている。そして、連結具8の両端においては、その連結具8とケーブル4とに跨がるように、前記防蟻シート6aと同様の防蟻シート9が巻きつけられる。なお、図中符号10は、地中埋設箱2の貫通孔2bにおいて、その内面と保護管3との間の隙間を埋めるモルタル等の充填材を示す。
次に、以上の構成からなる地中埋設箱2の防蟻構造5の作用効果について説明する。この防蟻構造5によると、地中埋設箱2は、その内面において、防蟻具2pが、接合部2cに跨がって配置されたり、接合部2cと貫通孔2bとの間に配置されたりする。そこで、防蟻具2p(詳しくは、第1防蟻シート2q)が接合部2c(詳しくは、第1接合部2k)に跨がって配置されると、接合部2c(詳しくは、第1接合部2k)から内部に侵入しようとするシロアリを、その防蟻具2p(詳しくは、第1防蟻シート2q)でくい止めることができ、そのシロアリが保護管3とかケーブル4に達するのを防ぐことができる。そして、防蟻具2p(詳しくは、第2防蟻シート2r)が接合部2c(詳しくは、第2接合部2mとか第3接合部2n)と貫通孔2bとの間に配置された場合には、シロアリが接合部2c(詳しくは、第2接合部2mとか第3接合部2n)から内部に侵入したとしても、その防蟻具2p(詳しくは、第2防蟻シート2r)により、シロアリが保護管3とかケーブル4に達するのを防ぐことができる。そして、保護管3は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されており、これによって、シロアリが保護管3の内面を伝って地中埋設箱2内に侵入するのを防ぐことができる。すなわち、この防蟻構造5によれば、地中埋設箱2内に防蟻具2pを配置し、保護管3の少なくとも内面側に防蟻処理を施すことで、地中埋設箱2の接合部2cからシロアリが内部に侵入して保護管3とかケーブル4に達するのを防ぐとともに、シロアリが保護管3の内面を伝って地中埋設箱2内に侵入するのを防ぐことができ、必要とする防蟻効果を容易に得ることができる。また、これにより、ケーブル4として、表面をシロアリが食い破ることのできない硬い材料で被覆する等した、高価な防蟻ケーブルを用いる必要がない。
また、ケーブル4と、保護管3または接続具(図示実施の形態においては、保護管3)との間を、他の防蟻具6により閉塞することで、保護管3内にシロアリが侵入したとしても、そのシロアリが保護管3内と地中埋設箱2内との間を移動するのを防ぐことができる。そして、防蟻具6は、通水性を備えており、保護管3は内に雨水や地下水が流れ込んだとしても、その水は、防蟻具6を通過して、地中埋設箱2側へと流れ出ることができる。このため、ケーブル4が水に長期間浸されることがなく、ケーブル4への水の浸透を防ぐことができる。なお、地中埋設箱2内に入った水は、ポンプ等により排出されたり、また、地中埋設箱2に水抜き孔が設けられる場合には、その水抜き孔を通して排出される。
また、防蟻具6は、防蟻シート6aからなる。このため、その防蟻シート6aをケーブル4の外周に巻きつけることで、ケーブル4とか、保護管3や接続具(図示実施の形態においては、保護管3)の各種サイズに対応することができる。
また、防蟻シート6a(防蟻具6)は、不織布を用いたものであり、そのことによって、防蟻シート6aは、通水性を備えるが、その不織布がシロアリに絡み付きやすく、その不織布自身によってもシロアリの移動を防ぐことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護管3は、波付管でなくとも、平滑管であってもよい。
また、保護管3は、その保護管3自身が防蟻成分を含有する材料で形成されるが、その保護管3が多層管からなる場合には、その保護管3の内面を形成する層(内層)が防蟻成分を含有する材料で形成されてもよい。また、保護管3の内面側に防蟻処理を施す方法としては、保護管3の全体または前記内層の材料が防蟻成分を含有する以外に、保護管3の内面に、防蟻成分を有する防蟻剤を塗布、散布して付着させてもよい。
また、保護管3に挿入されるベルマウス7においても、保護管3と同様に、防蟻処理が施されてもよい。
また、地中埋設箱2内に配置される防蟻具2pは、不織布によって形成されなくとも、前述した防蟻成分が、例えばマイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されてシート状に成形されたものでもよい。
また、防蟻具6は、シート状に形成された防蟻シート6aからならなくとも、ケーブル4が挿入される筒状体からなって、例えば、通水性を備えた多孔質材料によって形成されてもよい。
また、図2に示すように、保護管3は、地中埋設箱2の貫通孔2bに、直接接続されなくとも、接続具11を介して接続されてもよい。そして、この場合には、ケーブル4と接続具11との間が、防蟻具6により閉塞される。ここで、接続具11は、筒状に形成された、第1コネクタ11aと第2コネクタ11bとを備える。第1コネクタ11aは、地中埋設箱2の外側に配置されて、保護管3が挿入され接続される。第2コネクタ11bは、地中埋設箱2の内側から貫通孔2bに挿入されて第1コネクタ11aに、例えばねじ込まれることにより連結される。また、この接続具11においては、第1コネクタ11aの内面と保護管3の外面との間に、オーリング12が配置され、第1コネクタ11aの端面と地中埋設箱2の外面との間に、パッキン13が配置される。そして、この接続具11においても、保護管3と同様に、防蟻処理が施されてもよい。
また、この図2に示す例においては、防蟻具6とケーブル4との間に、防蟻具6の防蟻成分がケーブル4に移行するのを防止するシート材14が配置される。このシート材14は、例えば、ステンレスとかアルミ等の金属からなる。そして、シート材14は、テープ状に形成されて、ケーブル4に巻かれる。これにより、防蟻成分がケーブル4に移行するのが防止され、また、防蟻具6が防蟻成分とともに有機溶剤を含有する場合であっても、その有機溶剤がケーブル4に移行することがない。また、このシート材14は、前述の図1に示す例とか、後述する図3に示す例においても、用いることができる。
また、図3に示すように、地中埋設箱2の貫通孔2b内において、保護管3の外周に防蟻シート15が巻きつけられてもよい。ここで、防蟻シート15は、前述した防蟻成分が、例えばマイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されて成形される。もっとも、この防蟻シート15は、前述の第1および第2防蟻シート2q、2r、並びに、防蟻シート6aと同様に、不織布を用いたものであってもよい。
また、ケーブル4と、保護管3または接続具11との間が、防蟻具6によって閉塞されるが、この防蟻具6は、無くともよい。
また、図1および図3に示す例においては、保護管3の口元部分に、ベルマウス7が挿入されるが、このベルマウス7は、無くともよい。
1 地中
2 地中埋設箱
2a 側壁
2b 貫通孔
2c 接合部
2k 第1接合部(接合部)
2m 第2接合部(接合部)
2n 第3接合部(接合部)
2p 防蟻具
2q 第1防蟻シート(防蟻具)
2r 第2防蟻シート(防蟻具)
3 保護管
4 ケーブル
5 防蟻構造
6 防蟻具(他の防蟻具)
11 接続具

Claims (4)

  1. 地中に埋設される地中埋設箱内における防蟻構造であって、
    前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、保護管が、直接または接続具を介して接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設され、
    前記地中埋設箱の内面において、防蟻成分を含有する防蟻具が、前記地中埋設箱が有する接合部に跨がって、またはその接合部と前記貫通孔との間に、配置され、また、
    前記保護管は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されている、地中埋設箱の防蟻構造。
  2. 前記防蟻具は、シート状に形成された防蟻シートからなる、請求項1に記載の地中埋設箱の防蟻構造。
  3. 前記保護管の、少なくとも内面側に施される防蟻処理は、前記保護管自身が防蟻成分を含有する材料で形成され、または、その保護管の内面を形成する層が防蟻成分を含有する材料で形成されることによる、請求項1または2に記載の地中埋設箱の防蟻構造。
  4. 前記地中埋設箱の、前記保護管が接続される接続部分において、前記ケーブルと、前記保護管または前記接続具との間が、防蟻成分を含有する他の防蟻具により、閉塞される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の地中埋設箱の防蟻構造。
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