JP6916517B2 - 電線収容設備における保護管の取付具 - Google Patents
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電線共同溝とは、電線の設置及び管理を行う2以上の者の電線を収容するために、道路管理者が道路の地下に設ける施設のことをいう。また、電線共同溝は、一般部と特殊部とを有しており、このうち一般部は、電力、通信、放送事業者等の電線を収容する管路部分をいい、特殊部は、需要家への供給のための電線の分岐部や接続部等を総称していう。
前記側壁に対して傾斜した姿勢で当該側壁の内面よりも前記電線収容設備の外側に配置されかつ前記保護管を取り付けるための取付孔が形成された第1板部を有している。
また、取付具の第1板部が、側壁に対して傾斜した姿勢で配置されるので、側壁に対して開口を斜めに形成する必要が無くなり、開口を容易に形成することができる。また、保護管を特殊な構造とすることなく斜めに取り付けることができるので、一般的に使用される汎用品の保護管を用いることができる。
このような構成によって、第1板部と第2板部との間に形成される空間を介して、電線収容設備内に水等が浸入するのを抑制することができる。
このような構成によって、取付具が開口から外部へ離脱しないように位置を規制することができる。
このような構成によって、取付具が開口から内部へ離脱しないように位置を規制することができる。
この構成によれば、取付具が第1部品と第2部品とからなり、それぞれ側壁の内面に係止する第1係止部と、側壁の外面に係止する第2係止部とを有しているので、これら第1係止部と第2係止部とによって側壁を挟んだ状態で、取付具を固定することができる。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る保護管の取付具を適用したケーブルトラフの斜視図である。図2は、ケーブルトラフの横断面図である。
本実施形態では、電線収容設備であるケーブルトラフ10に保護管41,43が取り付けられている。このケーブルトラフ10は、電線共同溝の一般部を構成する小型トラフであり、浅層埋設方式により歩道等の道路Rの下方における比較的浅い層に埋設される。ケーブルトラフ10の内部には、長手方向に沿って延びる収容空間Sが形成され、この収容空間Sに複数本の電線Kが収容されている。なお、本明細書において、幅方向とは、ケーブルトラフ10の長手方向(電線共同溝の延長方向)に直交する水平な方向をいう。
ボックス本体21は、底壁23と、この底壁23の幅方向両端から上方へ立ち上がる一対の側壁24とを有し、断面形状がほぼコの字状に形成されている。したがって、ボックス本体21は、長手方向の両端と上端とにおいて開放されている。
図2及び図3に示すように、取付具30は、小型ボックス11の側壁24に形成された開口26に装着され、小型ボックス11の側壁24に対して斜めに電線Kを引き出すために用いられる。電線Kには、その太さ等に応じて許容される曲げ半径(最小曲げ半径)が定められている。そのため、側壁24の近くに配置された電線Kを当該側壁24から引き出そうとした場合、最小曲げ半径以下で湾曲させることができないので、側壁24に対して直交する方向に電線Kを引き出すことができず、当該側壁24に対して傾斜した状態で引き出さざるを得ない。このような場合に、本実施形態の取付具30を用いることによって側壁24に対して斜めに電線Kを引き出すことが可能となっている。
閉塞板部33は、略三角形状の板材であり、第1板部31及び第2板部32の上下側辺に接着され、第1板部31と第2板部32との間に形成される略三角形の空間を上下両側から塞いでいる。
また、第1板部31及び一方の係止板部34と、第2板部32及び他方の係止板部34とは、線対称形状に形成されている。また、第1板部31、第2板部32、及び係止板部34は、一枚の板材を屈曲することによって構成されている。
取付具30を装着するために小型ボックス11の側壁24に形成される開口26は、取付具30の上下の閉塞板部33の間隔よりも若干大きい高さと、第1板部31及び第2板部32を合わせた幅(図5の左右方向の幅)よりも若干広い横幅とを有する矩形状の開口とされている。
管口部材41は、合成樹脂製の管であり、その外周には螺旋状の凹凸部41aが形成されている。この管口部材41の基端部には結合部材42が取り付けられる。結合部材42は、合成樹脂製の管であり、外周に螺旋状の突条部42aが形成されている。結合部材42の軸方向の一端には、径方向外方に突出する鍔部42bが形成されている。また、管口部材41の先端部には、延長管43を連結するための連結部41bが設けられている。これらの管口部材41,結合部材42、及び延長管43は、全て電線Kを保護するための保護管を構成している。
図8(a)に示すように、まず、小型ボックス11の側壁24に開口26を形成する。具体的には、ケーブルトラフ10の設置現場において、側壁24に形成されたノックアウト部24aをグラインダー等の工具を用いて矩形状にくり抜き(切断位置を符号Cで示す)、開口26を形成する。
その後、管口部材41の先端に延長管43(図3参照)を接続し、小型ボックス11内の電線Kを結合部材42、管口部材41、及び、延長管43を通して外部へ引き出し、道路に隣接する建物等に電線Kを引き込む。
この比較例では、小型ボックス11の側壁24に対して斜めに開口126が形成され、この開口126に対して、基端面141aが斜めに傾斜した特殊構造の管口部材141が装着されている。この例においては、管口部材141の基端面141aが側壁24の内面24bに沿って配置されているので、電線Kの曲げスペースを小型ボックス11内のみで確保しなければならず、側壁24からある態度離れた(距離L)電線Kしか管口部材141を通して外部に引き出すことができない。また、小型ボックス11内には、通常電線Kがぎっしりと収容されているため、小型ボックス11内で電線を取り回すスペースを確保し難い。
図10は、第2の実施形態における取付具の平面図、図11は、取付具の斜視図である。本実施形態の取付具50は、第1部品50Aと、第2部品50Bとの2部品によって構成されている。第1部品50Aは、第1板部51A、第2板部52A、及び係止板部54を備えており、これらは、第1の実施形態の取付具30における第1板部31、第2板部32、及び係止板部34と略同一の構造を有している。第1板部51A及び第2板部52Aには、それぞれ取付孔56Aが形成されている。
図13(a)に示すように、まず、小型ボックス11の側壁24に開口26を形成する。この手順は、図8(a)を用いて説明した第1の実施形態と同様である。
そして、図13(b)に示すように、取付具50における第1部品50Aの第1板部51A及び第2板部52Aを、小型ボックス11の内側から開口26内に挿入する。そして、係止板部54を側壁24の内面24bに当接させて係止する。
次いで、図14(b)に示すように、取付具50における第2板部52A,52Bに形成された取付孔56A,56Bに、キャップ部材44及び結合部材42を取り付ける。
ただし、本実施形態の取付具50は、2部品を要することから、第1の実施形態の取付具30と比べて部品点数が多く、構造が複雑となる。したがって、この点においては第1の実施形態の取付具30の方が有利である。
図15は、取付具の変形例を示す平面図である。
図15(a)に示す取付具30は、第1板部31が第2板部32よりも平面視で長く形成されたものである。また、第1板部31は、側壁24の内面24bに対して第1実施形態よりも緩やかに傾斜、例えば略30°で傾斜している。このような変形例によって、第1板部31に対してより大径の管口部材41を取り付けることができ、さらに、電線Kの引き出し方向をより側壁24に対して垂直な方向に近づけることができる。
取付具は、以下に説明するような形態で使用することも可能である。図16は、取付具の使用形態の変形例を示すケーブルトラフの横断面図である。
図16に示す取付具30は、図3に示す取付具30を約90度回転させた状態で、小型ボックス11の側壁24の開口26に装着されている。より具体的には、取付具30は、管口部材41が取り付けられる第1板部31が上側に配置され、第2板部32が下側に配置されるように側壁24の開口26に装着されている。そして、管口部材41は、側壁24に対して斜め上方向に傾斜した姿勢に配置されている。
なお、本変形例では、平面視において管口部材41が側壁24に対して直交した姿勢となるが、小型ボックス11の底壁23から管口部材41までの間で上下方向の高さが確保されるため、この高さを利用して電線Kを大きく曲げて管口部材41から電線Kを引き出すことができる。
例えば、本発明の取付具が適用される電線収容設備は、上述のようなケーブルトラフ10(小型ボックス11)に限らず、ハンドホール等であってもよい。また、電線Kの収容空間と排水空間との双方を備えた側溝ブロックであってもよい。
11 :小型ボックス
24 :側壁
24b :内面
24c :外面
26 :開口
30 :取付具
31 :第1板部
32 :第2板部
33 :閉塞板部
34 :係止板部(第1係止部)
35 :押さえ部材(第2係止部)
36 :取付孔
41 :管口部材(保護管)
42 :結合部材(保護管)
43 :延長管(保護管)
50 :取付具
50A :第1部品
50B :第2部品
51A :第1板部
51B :第1板部
52A :第2板部
52B :第2板部
53 :閉塞板部
54 :係止板部(第1係止部)
54A :係止板部(第1係止部)
54B :係止板部(第2係止部)
55 :押さえ部材(第2係止部)
56A :取付孔
56B :取付孔
K :電線
S :収容空間
Claims (5)
- 電線収容設備の側壁に形成された開口に装着され、かつ前記電線収容設備の内部から外部へ引き出される電線を通すための保護管を取り付ける取付具であり、
前記開口の周縁における前記側壁の内面に係止する第1係止部と、
前記開口の周縁における前記側壁の外面に係止し、前記第1係止部との間で前記側壁を挟み込む第2係止部と、
前記側壁に対して傾斜した姿勢で当該側壁の内面よりも前記電線収容設備の外側に配置され、かつ前記電線収容設備の内部側の端部が前記第1係止部に接続され、かつ前記保護管を取り付けるための取付孔が形成された第1板部と、
前記側壁の内面よりも前記電線収容設備の外側に配置され、かつその外側の端部が前記第1板部の外側の端部に接続され、かつ前記電線収容設備の内部側の端部が前記第1係止部に接続される第2板部と、を備え、
前記第2係止部が、前記第1板部と前記第2板部とが並ぶ方向に直交する方向における、前記取付具の両側のみで前記側壁の外面に係止する、電線収容設備における保護管の取付具。 - 前記第1係止部が、前記第1板部と前記第2板部とが並ぶ方向における、前記取付具の両端のみに設けられている、請求項1に記載の電線収容設備における保護管の取付具。
- 前記第2板部が、前記第1板部とは異なる方向で前記側壁に対して交差している、請求項1又は2に記載の電線収容設備における保護管の取付具。
- 前記第1板部と前記第2板部との間に形成される空間を両側から塞ぐ閉塞板部をさらに有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電線収容設備における保護管の取付具。
- 前記電線収容設備の内部側から前記開口に装着される第1部品と、前記電線収容設備の外部側から前記開口に装着されかつ前記第1部品に結合される第2部品とを有し、前記第1部品が、前記開口の周縁における前記側壁の内面に係止する前記第1係止部を有し、前記第2部品が、前記開口の周縁における前記側壁の外面に係止する前記第2係止部を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電線収容設備における保護管の取付具。
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