JP6618516B2 - 通線工具および通線方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電柱に架設された通信線等を一束化するための一束化ハンガーの中に、新たな通信線を通すための通線工具および通線方法に関するものである。
近年、通信技術の進歩に伴い、電柱に架設された電線本線となる通信線に沿って光ケーブル等の新たなケーブルを設置することが多くなって来ており、これらのケーブルは、電柱間に張った支持線により保持される。
そして、図9に示すように、これらのケーブル101は、美観等の観点から、支持線103にスパイラル状等に巻かれた一束化ハンガー105等の道具により、一束化されて支持線103に支持されるようになっている。
図9は、支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105により一束化されて支持線103に支持されたケーブル101を示す概略説明図である。
特開2000−134738号公報
しかしながら、上述した一束化ハンガー105を用いた一束化工法では、新たなケーブルを追加しようとした場合、一束化ハンガー105内にその新たなケーブルを通さなければならず、やっかいな手作業が強いられるものであった。
すなわち、従来では、図10に示すような先方ガイド部材107を用いて、その先方ガイド部材107の後端107aに直進性の有る長いロッド109を取り付け、先方ガイド部材107を使って一束化ハンガー105内を通した後、ロッド109の後端に新たなケーブルを取り付け牽引して一束化ハンガー105内に追加していた。
なお、先方ガイド部材107は、一束化ハンガー105内に直進性の有る長いロッド109を案内する機能を有する。
図10は、従来技術により、一束化ハンガー105内に直進性の有る長いロッド109を通す動作を示す概略説明図である。
なお、図10では、わかり易くするため、図9に記載したケーブル101および支持線103は省略して表示した。
当然、上記手作業は、高所作業車等を使っての高所作業となり、危険を伴うばかりでなく、作業場所が制限される、コストや時間がかかる等の問題点があった。
また、先方ガイド部材107を一束化ハンガー105内に押しこんで行くためには、上述した直進性の有る長いロッド109を用いなければならず、先方ガイド部材107に直接に新たなケーブルを繋ぐことはできず、手間のかかるものであった。
また、上記先行技術文献のような通線工具も提案されているが、スムーズに一束化ハンガー内に新たな通信線を通すことのできるものではなかった。
本発明は、上述の問題を解決するためのものであり、その目的は、安全かつスムーズに一束化ハンガーの中に、新たな通信線を通すことのできる通線工具および通線方法を提供することである。
本発明の特徴は、ケーブルを一束化するため支持線にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー内に新たなケーブルを通すための通線工具であって、作業者が持って操作する伸縮自在の操作棒と、前記操作棒の先端に取り付けられる保持部と、前記保持部に回転自在に保持されると共に、その回転軸から外側に伸る複数の柱状部材を有する輪転部と、前記輪転部の各柱状部材の先端部と揺動自在に係合する牽引部と、を有し、前記作業者が、前記牽引部の後端に新たなケーブルまたはひもを取り付け、前記操作棒を操作して前記牽引部を前記一束化ハンガー内に挿入し、所定方向に前記通線工具が向かうように前記操作棒を操作することにより、前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出て、前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動し、前記牽引部の前方の下部には、前記牽引部の前記所定方向への移動において、前記一束化ハンガー内にすでに敷設されたケーブルが前記保持部と前記牽引部との間に巻き込まれないように、前記敷設されたケーブルを掻き分ける掻き分けフィンが設けられていることである。
本発明の他の特徴は、前記通線工具が、さらに、前記輪転部の柱状部材を所定位置に一時的に係留する係留部材を有することである。
本発明の他の特徴は、前記輪転部の柱状部材の所定位置は、前記保持部と前記牽引部との間の入り口が大きく開くように前記柱状部材が停止する位置であることである。
本発明の他の特徴は、前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動することにより、前記牽引部に取り付けられた前記新たなケーブルまたはひもが、前記一束化ハンガー内を通る通線動作が行われることである。
本発明の他の特徴は、前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記輪転部の柱状部材の間に挟まれた状態で、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出ることである。
本発明の他の特徴は、前記牽引部の前端に、前記新たなケーブルを案内するための先方ガイド部材が取り付けられることである。
本発明の他の特徴は、前記通線工具が、さらに、前記先方ガイド部材の外周を覆うカバーを有することである。
本発明の他の特徴は、前記牽引部の後端に、前記新たなケーブルの通線動作時に、前記先方ガイド部材の直進性を向上させるための安定棒が取り付けられることである。
本発明の他の特徴は、前記輪転部が、前記回転軸に設けられた軌道輪からなる円筒部材を有し、前記円筒部材の上方が、前記保持部から外へ突出していることである。
本発明の他の特徴は、前記輪転部の軌道輪からなる円筒部材には、前記回転軸から外側に伸る7つの柱状部材が設けられていることである。
本発明の他の特徴は、前記各柱状部材の先端部が、R形状となっていることである。
本発明の他の特徴は、作業者が持って操作する伸縮自在の操作棒と、前記操作棒の先端に取り付けられる保持部と、前記保持部に回転自在に保持されると共に、その回転軸から外側に伸る複数の柱状部材を有する輪転部と、前記輪転部の各柱状部材の先端部と揺動自在に係合する牽引部と、を有する通線工具を用いて、ケーブルを一束化するため支持線にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー内に新たなケーブルを通すための通線方法であって、
前記作業者が前記牽引部の後端に前記新たなケーブルまたはひもを取り付ける工程と、
前記作業者が前記操作棒を伸ばし、前記牽引部を前記一束化ハンガー内に挿入する工程と、
前記通線工具を前記一束化ハンガー内において所定方向に向かうように前記操作棒を操作する工程と、を有し、
前記所定方向に前記通線工具が向かうように前記操作棒を操作することにより、前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出て、前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動し、
前記牽引部の前方の下部には、前記牽引部の前記所定方向への移動において、前記一束化ハンガー内にすでに敷設されたケーブルが前記保持部と前記牽引部との間に巻き込まれないように、前記敷設されたケーブルを掻き分ける掻き分けフィンが設けられていることである。
安全かつスムーズに一束化ハンガーの中に、新たな通信線または通信線牽引用のひもなどを通すことができる。
本発明の第1の実施形態の通線工具1を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、側面図である。 図1に示した通線工具1の本体部を示す側面図である。 図1に示した通線工具1の本体部の使用されている状態での側面図である。 図1に示した通線工具1の本体部の背面図である。 図2に示した牽引部7の展開図である。 保持部材5aを外した状態での通線工具1の本体部の斜視図である。 支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105内に、図1に示した通線工具1を使ってケーブルを通す方法の概略説明図である。 支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105内に、図1に示した通線工具1を使ってケーブルを通す方法の概略説明図である。 支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105により一束化されて支持線103に支持されたケーブル101を示す概略説明図である。 従来技術により、一束化ハンガー105内に直進性の有る長いロッド109を通す動作を示す概略説明図である。 本発明の第2の実施形態の通線工具1を示す図であり、先方ガイド部材107へカバー107aを装着する前の側面図である。 本発明の第2の実施形態の通線工具1を示す図であり、先方ガイド部材107へカバー107aを装着した後の側面図である。 本発明の第3の実施形態の通線工具1の本体部を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態の通線工具1の本体部を示す斜視図である。
本発明は、図9および図10に示すように、電柱に架設された電線本線となる通信線に沿って設置されたケーブル101が、支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105により一束化されて支持線103に支持されている状態で、新たなケーブルを一束化ハンガー105内に通すための通線工具に関するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態の通線工具1を示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、側面図である。
図2は、図1に示した通線工具1の主要部を示す側面図であり、図3は、図1に示した通線工具1の主要部の使用されている状態での側面図である。
図4は、図1に示した通線工具1の本体部の背面図である。
図1〜図3に示すように、通線工具1は、作業者が持って使用する伸縮自在の操作棒3と、操作棒3の先端3aに取り付けられる本体部からなり、その本体部は、輪転部材9を回転自在に保持する保持部5と、輪転部材9の先端部と揺動自在に係合する牽引部7とからなっている。
なお、保持部5の下端に、操作棒3の先端3aが取り付けられており、牽引部7の一端7dには、図10に示すような先方ガイド部材107が取り付けられ、牽引部7の他端7eには、所定の長さの安定棒21が取り付けられ、その安定棒21の先端には、新たなケーブル10(あるいは新たなケーブル10の接続された紐)を取付けるための係止部材23が設けられている。
なお、安定棒21は、後述するように、新たなケーブル10の通線動作時に、先方ガイド部材107の直進性を向上させる働きをする。
図2および図4に示すように、輪転部材9は、保持部5をなす2つの保持部材5a、5bに挟まれるようになっており、保持部材5a、5bの間に架け渡された軸部9aを中心矢印B方向に回転する。輪転部材9は、矢印B方向に回転するだけでは無く、矢印B方向と反対の矢印C方向に回転させることもできる。
輪転部材9の軸部9aには、軌道輪からなる円筒部材9bが設けられ、この円筒部材9bには、軸部9aを中心にして、扇状に外側に伸る複数(この実施形態例の場合は7つ)の柱状部材9cが設けられており、各柱状部材9cの先端部には、後述する牽引部7の溝7cと係合する車輪9fが回転自在に設けられている。そして、柱状部材9cは、輪転部材9の回転時に、図2の矢印B方向に回転するようになっている。
そして、円筒部材9bの上方部9b1は、保持部材5a、5bから外へ突出するようになっている。
また、牽引部7の所定位置には、磁石部材11が設けられており、各柱状部材9cの先端部9fを引き付けて、後述する所定位置に一時的に係留する係留部材として機能する。このため、各柱状部材9cの車輪を含む先端部9fは、磁石部材11に反応する金属からできている。
なお、各柱状部材9cの先端部9fは、R形状となっており、その足部は、断面丸形状となっている。従って、各柱状部材9cの先端部9fや足部が、新たなケーブル10と接触しても、そのケーブル10が引っ掛かったり、そのケーブル10を傷つけたりすることがない。
図5は、図2に示した牽引部7の展開図であり、図6は、通線工具1の本体部の斜視図であり、保持部材5aを外した状態となっている。
図4および図5に示すように、牽引部7は、2つの牽引部材7a、7bとが合わさるようになっており、2つの牽引部材7a、7bとが合わされた状態で、円弧状の溝7cを形成し、その円弧状の溝7cに、輪転部材9の各柱状部材9cの車輪9fが係合して相互に移動自在となる。
従って、牽引部7と保持部5とが一定の距離を保った状態で、輪転部材9が回転できるようになっている。
さらに、牽引部7の前方の下部には、掻き分けフィン7fが設けられている。
図8に示すように、通常、一束化ハンガー105内には、ドロップケーブル101がすでに複数本敷設されており、この掻き分けフィン7fは、後述するように、実際に通線工具1を使ってケーブルまたは牽引用のひもを一束化ハンガー105内に通す場合に、そのすでに敷設されたドロップケーブル101を掻き分けて、そのドロップケーブル101が、通線工具1の牽引部7の溝7cに巻き込まれることを防止する役割をはたす。
次に、上述した構成の通線工具1の使用方法について説明する。
図7および図8は、支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105内に、図1に示した通線工具1を使ってケーブルまたは牽引用のひもを通す方法の概略説明図である。
図8に示すように、まず、作業者13は、牽引部7の一端7dに、先方ガイド部材107を取り付けると共に、安定棒21の係止部材23に、新たなケーブル10(あるいは新たなケーブル10を接続した紐)を取付ける。そして、図7に示すように、伸縮自在の操作棒3を伸ばすと共に、操作棒3を持ち上げて、通線工具1の本体部を一束化ハンガー105に近づけ、一束化ハンガー105の一端から、牽引部7の一端7dに取り付けられた先方ガイド部材107を一束化ハンガー105内に挿入する。
この際、操作棒3が先方ガイド部材107の長手方向に対して略垂直の状態となるが、保持部5に設けられた突出部5cにより、先方ガイド部材107の基端部が保持部材5a、5bの間に挟まることが防止される。
先方ガイド部材107が一束化ハンガー105内に挿入されたら、作業者13は、図8に示すA方向に通線工具1が向かうように、操作棒3を操作する。
この時に、図8に示すように、操作棒3が、先方ガイド部材107の長手方向に対して約45°後方に傾く状態で、先方ガイド部材107および通線工具1がA方向に移動するように操作棒3が操作される。
それにより、図8に示すように、一束化ハンガー105の下部105aが、通線工具1の保持部5と牽引部7との間の入り口15に入って行く。
ここで、輪転部材9の各柱状部材9cは、磁石部材11により所定位置に一時的に係留されている。すなわち、ここで、輪転部材9の所定位置とは、保持部5と牽引部7との間の入り口15が大きく開くように、柱状部材9cが停止する位置となっている。
これにより、一束化ハンガー105の下部105aが、スムーズに入り口15に入って行くことができる。
なお、このような輪転部材9の各柱状部材9cを一時的に係留する機能が無いと、各柱状部材9cが入り口15に留まって、一束化ハンガー105の下部105aが、スムーズに入り口15に入って行くことができない可能性がある。
次に、矢印A方向に通線工具1が移動するように操作すると、一束化ハンガー105の下部105aが、入り口15近くの柱状部材9c1に当り、その柱状部材9c1を、矢印B方向に付勢し、磁石部材11により引き付けられていた柱状部材9c3を、磁石部材11の引っ張り力から引き離し、輪転部材9を矢印B方向に回転させ、次の柱状部材9c1が磁石部材11により引き付けられる。
なお、輪転部材9が矢印B方向に回転すると同時に、牽引部7の円弧状の溝7c内を、各柱状部材9cの車輪9fが移動して行く。
このように、輪転部材9の柱状部材9cが、常に、保持部5と牽引部7との間の入り口15が大きく開くような停止位置(所定位置)となるので、一束化ハンガー105の下部105aが、スムーズに入り口15に入って行き、輪転部材9の矢印B方向への回転に伴って、輪転部9の各柱状部材9cの間に挟まれた状態で、保持部5と牽引部7との間の出口17から出て行くことができる。
これにより、先方ガイド部材107と牽引部7とが、一束化ハンガー105内を矢印Aの方向へ進んで行くこととなり、牽引部7に取り付けられた所定の長さの安定棒21の係止部材23に取り付けられた新たなケーブルまたは牽引用のひも10などが、一束化ハンガー105内に通される。
ここで、牽引部7には、所定の長さの安定棒21が取り付けられているが、この安定棒21により、先方ガイド部材107の直進性を向上させることができる。
すなわち、この安定棒21が無い状態だと、矢印A方向に通線工具1が移動するように操作して先方ガイド部材107を一束化ハンガー105内に押し込んで行くと、先方ガイド部材107の先端が上下に振られてしまうことがあり、そのまま前進すると、一束化ハンガー105から外れた方向に進んでしまう問題があった。
この安定棒21を設けると、先方ガイド部材107の先端が上下に振られてしまうことが無く、一束化ハンガー105から外れた方向に進んでしまうことも無い。
なお、先方ガイド部材107と牽引部7とが一束化ハンガー105内を矢印Aの方向へ進む際、掻き分けフィン7fは、図8に示すように、一束化ハンガー105内のドロップケーブル101を掻き分けて、そのドロップケーブル101が、通線工具1の牽引部7の溝7cに巻き込まれることを防止する。
そして、一束化ハンガー105の他端から、先方ガイド部材107および牽引部7を一束化ハンガー105の外に搬出することにより、一束化ハンガー105の一端から他端へと、新たなケーブル10が通ることとなる。
また、上述のような新たなケーブル10の通線動作において、一束化ハンガー105内に、すでにケーブルが配設されている場合にも、円筒部材9bの上方部9b1が、保持部材5a、5bから外へ突出するようになっているので、その配設されているケーブルが、保持部材5a、5bとの各柱状部材9cの間に挟まれたりすることがない。
上述のように新たなケーブルまたは牽引用のひも10などが一束化ハンガー105内に通されるので、図10の従来例に示すような直進性の有るロッド109を用いる必要が無くなり、牽引部7の係止部材7fに、直接に新たなケーブルまたは牽引用のひも10を取り付けることができ、作業者の手間を大幅に省くことができる。
また、輪転部材9は、矢印B方向に回転されるだけでは無く、矢印B方向と反対の矢印C方向に回転させることもできるようになっている。
従って、図8に示すA方向に新たなケーブル10を(一束化ハンガー105内に)通しすぎた場合にも、通線工具1をD方向に戻すことができ、新たなケーブル10を所望する位置まで戻って通すようにすることもできる。
また、この実施形態では、通線工具1に、図10に示すような従来の先方ガイド部材107が取り付けられているが、これに限定されることは無く、棒のような他の構造の先方ガイド部材を取り付けても良いし、何も取り付け無くても良い。
上述のように、本発明を実施した通線工具1によれば、電柱に架設された電線本線となる通信線に沿って設置されたケーブル101が支持線103にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー105により一束化されて支持線103に支持されている状態で、簡単、安全かつスムーズに一束化ハンガー105の中に、新たなケーブル10を通すことのできるという効果を奏する。
次に、図11および図12を参照して、本発明の第2の実施形態の通線工具1について説明する。
この第2の実施形態の通線工具1は、先方ガイド部材107に、先方ガイド部材107の外周を覆う外周カバー107eを取り付けた構成となっている。
すなわち、図11に示すように、先方ガイド部材107が、先端部107aおよび基端部107bを有する中心棒107cと、先端部107aの後部と基端部107bの前部との間に懸架された複数(この場合2本)の懸架棒107dとを有する構造となっており、懸架棒107dは、その中央部が中心棒107cの外周方向へ膨らむ形状となっている。
そして、外周カバー107eが、その先端と後端とに穴を有する構成となっている。そして、図11図に示すように、外周カバー107eの後端の穴から、中心棒107cの先端部107aを通して行き、図12に示すように、懸架棒107dの外周をすっぽりと覆うように外周カバー107eを先方ガイド部材107に装着する。
このように外周カバー107eを先方ガイド部材107に装着すると、先方ガイド部材107の内部に、例えば、一束化ハンガー105の終端部等の部品が入り込み、先方ガイド部材107の移動の妨げとなることが無い。
次に、図13および図14を参照して、本発明の第3の実施形態の通線工具1について説明する。
この第3の実施形態の通線工具1は、保持部5の突出部5cに、磁石5dを設けると共に、その磁石5dと対応する位置の先方ガイド部材107の基端部107bに、磁石5dと接触する金属部107fを設けた構成となっている。
このような構成とすることにより、作業者が、一束化ハンガー105の一端から先方ガイド部材107を一束化ハンガー105内に挿入するために、この通線工具1を持ち上げる際、磁石5dと金属部107fとが吸着するので、先方ガイド部材107の動作が安定する。
すなわち、作業者が、操作棒3を操作して通線工具1を持ち上げると、安定棒21の係止部材23に取り付けられた新たなケーブル10も持ち上げられるが、その新たなケーブル10の重さに引っ張られて、牽引部7が、輪転部材9の軸部9aを中心に矢印B方向に回動し、それに伴い、牽引部7に取り付けられた先方ガイド部材107の先端が上に持ち上げられ、上下に揺れて不安定となり、先方ガイド部材107を一束化ハンガー105へ挿入することを難かしくしていた。
そこで、この第3の実施形態のように、保持部5の磁石5dと先方ガイド部材107の金属部107fとを吸着させるようにすれば、作業者が、操作棒3を操作して通線工具1を持ち上げる際に、先方ガイド部材107の動作が安定するので、先方ガイド部材107を一束化ハンガー105へ簡単に挿入することができるようになる。
また、先方ガイド部材107を一束化ハンガー105へ挿入した後は、操作棒3を後方へ操作することにより、保持部5の磁石5dと先方ガイド部材107の金属部107fとを簡単に離脱させることができるので、先方ガイド部材107と牽引部7とを、一束化ハンガー105内へ矢印Aの方向へ進すませることができる。
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
1 通線工具
3 操作棒
5 保持部
5c 突出部
5d 磁石
7 牽引部
7c 溝
7f 係止部材
7f 掻き分けフィン
9 輪転部材
9a 軸部
9c 柱状部材
10 新たなケーブルまたは牽引用のひも
11 磁石部材
13 作業者
21 安定棒
101 ケーブル
103 支持線
105 一束化ハンガー
107 先方ガイド部材
107e 外周カバー
109 直進性の有る長いロッド

Claims (12)

  1. ケーブルを一束化するため支持線にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー内に新たなケーブルを通すための通線工具であって、
    作業者が持って操作する伸縮自在の操作棒と、
    前記操作棒の先端に取り付けられる保持部と、
    前記保持部に回転自在に保持されると共に、その回転軸から外側に伸る複数の柱状部材を有する輪転部と、
    前記輪転部の各柱状部材の先端部と揺動自在に係合する牽引部と、を有し、
    前記作業者が、前記牽引部の後端に新たなケーブルまたはひもを取り付け、前記操作棒を操作して前記牽引部を前記一束化ハンガー内に挿入し、所定方向に前記通線工具が向かうように前記操作棒を操作することにより、前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出て、前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動し、
    前記牽引部の前方の下部には、前記牽引部の前記所定方向への移動において、前記一束化ハンガー内にすでに敷設されたケーブルが前記保持部と前記牽引部との間に巻き込まれないように、前記敷設されたケーブルを掻き分ける掻き分けフィンが設けられている
    ことを特徴とする通線工具。
  2. 前記通線工具が、さらに、前記輪転部の柱状部材を所定位置に一時的に係留する係留部材を有することを特徴とする請求項1に記載の通線工具。
  3. 前記輪転部の柱状部材の所定位置は、前記保持部と前記牽引部との間の入り口が大きく開くように前記柱状部材が停止する位置であることを特徴とする請求項2に記載の通線工具。
  4. 前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動することにより、前記牽引部に取り付けられた前記新たなケーブルまたはひもが、前記一束化ハンガー内を通る通線動作が行われることを特徴とする請求項1に記載の通線工具。
  5. 前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記輪転部の柱状部材の間に挟まれた状態で、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通線工具。
  6. 前記牽引部の前端に、前記新たなケーブルを案内するための先方ガイド部材が取り付けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の通線工具。
  7. 前記通線工具が、さらに、前記先方ガイド部材の外周を覆うカバーを有することを特徴とする請求項6に記載の通線工具。
  8. 前記牽引部の後端に、前記新たなケーブルの通線動作時に、前記先方ガイド部材の直進性を向上させるための安定棒が取り付けられることを特徴とする請求項6、7のいずれかに記載の通線工具。
  9. 前記輪転部が、前記回転軸に設けられた軌道輪からなる円筒部材を有し、前記円筒部材の上方が、前記保持部から外へ突出していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通線工具。
  10. 前記輪転部の軌道輪からなる円筒部材には、前記回転軸から外側に伸る7つの柱状部材が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の通線工具。
  11. 前記各柱状部材の先端部が、R形状となっていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の通線工具。
  12. 作業者が持って操作する伸縮自在の操作棒と、前記操作棒の先端に取り付けられる保持部と、前記保持部に回転自在に保持されると共に、その回転軸から外側に伸る複数の柱状部材を有する輪転部と、前記輪転部の各柱状部材の先端部と揺動自在に係合する牽引部と、を有する通線工具を用いて、ケーブルを一束化するため支持線にスパイラル状などに巻かれた一束化ハンガー内に新たなケーブルを通すための通線方法であって、
    前記作業者が前記牽引部の後端に前記新たなケーブルまたはひもを取り付ける工程と、
    前記作業者が前記操作棒を伸ばし、前記牽引部を前記一束化ハンガー内に挿入する工程と、
    前記通線工具を前記一束化ハンガー内において所定方向に向かうように前記操作棒を操作する工程と、を有し、
    前記所定方向に前記通線工具が向かうように前記操作棒を操作することにより、前記一束化ハンガーが、前記輪転部の回転に伴って、前記保持部と前記牽引部との間の入り口から入り、前記保持部と前記牽引部との間の出口から出て、前記一束化ハンガー内における前記所定方向へ前記牽引部が移動し、
    前記牽引部の前方の下部には、前記牽引部の前記所定方向への移動において、前記一束化ハンガー内にすでに敷設されたケーブルが前記保持部と前記牽引部との間に巻き込まれないように、前記敷設されたケーブルを掻き分ける掻き分けフィンが設けられている
    ことを特徴とする通線方法。
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