(本発明の基礎となった知見)
省エネルギー意識の高まりなどのため、分岐回路(分岐ブレーカ)ごとに消費電力を計測して利用されるようになった。そのため、分岐回路と分岐回路に接続されている家電機器との対応付けを自動で行う技術が検討されている。しかし、使い勝手や利便性といった、ユーザに提供可能な価値を生み出すことについての検討が不十分である。
例えば、空気調和機(以下、「エアコン」と称される)のように消費電力の大きな機器は、分岐回路を単独で使用することが多い。このため、このような機器の新設、移設などについては、ユーザに問い合わせる必要性は低い。
また、分岐回路と機器との紐付け(関連付け)処理において、機器が検出される。このため、機器に合った情報をユーザに提供することが可能である。例えば、ファンヒーターや扇風機といった季節商品など、一定期間使用されていない機器を検出したとき、安全に使用するために機器の状態の確認を行うように促すなど、機器の種別又は機器の状態に合わせた通知をユーザに行うことが可能である。
以上の考察により、本発明者らは、以下のように本開示にかかる各態様の発明を想到するに至った。
本開示の一態様は、
宅内に設置された機器の情報を管理する機器管理装置における機器管理方法であって、
前記機器が接続されうる分電盤が備える分岐回路ごとに、所定の時間間隔で単位時間あたりの消費電力を取得する取得ステップと、
前記単位時間あたりの消費電力の推移に基づき、前記分岐回路に接続された前記機器の存在を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて存在を推定された機器である推定機器が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定ステップと、
前記推定機器が前記所定の条件を満たすと前記条件判定ステップで判定された場合にのみ、前記所定の条件に応じたユーザへの問合せ情報を送信する送信ステップと、
を含むものである。
これにより、存在を推定された推定機器が所定の条件を満たす場合にのみ、その所定の条件に応じたユーザへの問合せ情報が送信される。したがって、不必要なユーザへの通知をなくして機器管理装置において問合せ情報を送信する負荷を軽減することが可能になるとともに、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記推定機器が前記宅内に新たに設置された新設機器であると判定すると、前記所定の条件を満たさないと判定してもよい。
推定機器が宅内に新たに設置された新設機器である場合には、ユーザに問い合わせる必要性が低い。そこで、本態様では、推定機器が新設機器であると判定されると、所定の条件を満たさないと判定されるので、ユーザへの問合せ情報は送信されない。このため、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定機器が前記管理情報に登録されていない場合に、前記推定機器は前記新設機器であると判定してもよい。
これにより、宅内に存在する機器と分岐回路とが関連付けられた管理情報に基づき、存在を推定された推定機器が宅内に新たに設置された新設機器であるか否かを判定することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、
前記管理情報において前記新設機器に関連付けられた分岐回路に他の既存機器が既に関連付けられているか否かを判定する第1機器判定ステップと、
前記新設機器に関連付けられた分岐回路に前記既存機器が既に関連付けられていると前記第1機器判定ステップで判定された場合に、前記新設機器が前記分岐回路を専用分岐回路として単独で使用するか否かを判定する第2機器判定ステップと、
前記新設機器が前記専用分岐回路を使用すると前記第2機器判定ステップで判定されると、前記既存機器は前記新設機器に置き換えられたと判定する第3機器判定ステップと、を含んでもよい。
前記条件判定ステップは、前記既存機器が前記新設機器に置き換えられたと前記第3機器判定ステップで判定されると、前記所定の条件を満たさないと判定してもよい。
これにより、宅内に新たに設置されたと判定された新設機器が専用分岐回路を使用するものである場合、その新設機器に関連付けられた専用分岐回路に接続されていた既存機器は新設機器に置き換えられたと判定される。したがって、ユーザに問い合わせる必要性が低いため、所定の条件を満たさないと判定されて、問合せ情報は送信されない。これによって、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、
前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定機器が前記管理情報に登録されていない場合に、前記推定機器は前記宅内に新たに設置された新設機器であると判定する新設判定ステップと、
前記管理情報において前記新設機器に関連付けられた分岐回路に他の既存機器が既に関連付けられているか否かを判定する第1機器判定ステップと、
前記管理情報において前記新設機器に関連付けられた分岐回路に前記既存機器が既に関連付けられていると前記第1機器判定ステップで判定された場合に、前記新設機器が前記分岐回路を共用分岐回路として他の機器と共同で使用するか否かを判定する第2機器判定ステップと、を含んでもよい。
前記条件判定ステップは、前記新設機器が前記共用分岐回路を使用すると前記第2機器判定ステップで判定されると、前記推定機器が前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
前記送信ステップは、前記問合せ情報として、前記既存機器が存在するか否かを前記ユーザに対して確認するための情報を送信してもよい。
前記条件判定ステップは、前記問合せ情報に対する応答の内容に応じて、前記管理情報において前記既存機器に関する情報を更新するか否かを判定してもよい。
これにより、宅内に新たに設置されたと判定された新設機器が共用分岐回路を使用するものである場合、その新設機器に関連付けられた共用分岐回路に接続されていた既存機器が存在するか否かをユーザに問い合わせる必要があるため、推定機器が所定の条件を満たすと判定される。その結果、問合せ情報として、既存機器が存在するか否かをユーザに対して確認するための情報が送信される。問合せ情報に対する応答に基づき、既存機器が新設機器に置き換えられたか否かを判定することが可能となる。これによって、管理情報において既存機器に関する情報を更新するか否かを判定することができる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記推定機器が、既に接続されていた第一の分岐回路に対応する第一の場所から第二の分岐回路に対応する第二の場所に移設された移設機器であると判定すると、前記推定機器が前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
推定機器が宅内の第一の場所から第二の場所に移設された移設機器である場合には、移設が一時的な移動であるか否かをユーザに問い合わせる必要性が高い。そこで、推定機器が所定の条件を満たすと判定されることから、ユーザに問合せ情報を送信することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定ステップにおいて前記第二の分岐回路に接続されていると推定された前記推定機器が、前記管理情報に存在し、かつ前記第二の分岐回路と異なる前記第一の分岐回路に関連付けられている場合、前記推定機器は前記移設機器であると判定してもよい。
これにより、宅内に存在する機器と分岐回路とが関連付けられた管理情報に基づき、存在を推定された推定機器が移設機器であるか否かを判定することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、
前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定ステップにおいて第一の分岐回路に接続されていると推定された前記推定機器が、前記管理情報に存在し、かつ前記第一の分岐回路と異なる第二の分岐回路に関連付けられている場合、前記推定機器は、前記第二の分岐回路に接続された第一の場所から前記第一の分岐回路に接続された第二の場所に移設された移設機器であると判定する移設判定ステップと、
前記推定機器が前記移設機器であると前記移設判定ステップで判定された場合に、前記移設機器が前記分岐回路を専用分岐回路として単独で使用するか否かを判定する機器判定ステップと、を含んでもよい。
前記条件判定ステップは、前記移設機器が前記専用分岐回路を使用しないと前記機器判定ステップで判定されると、前記推定機器が前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
前記送信ステップは、前記問合せ情報として、前記移設機器の前記第一の場所から前記第二の場所への移設が一時的なものであるか否かを前記ユーザに対して確認するための情報を送信してもよい。
これにより、宅内に既に存在する推定機器が宅内の他の場所に移設された移設機器であると判定されると、移設機器が専用分岐回路を使用するか否かが判定される。移設機器が専用分岐回路を使用しないと判定された場合に、その移設が、移設として管理する必要のない一時的なものであるか否かを適切に判定するための情報をユーザから得ることが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、
前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定ステップにおいて第一の分岐回路に接続されていると推定された前記推定機器が、前記管理情報に存在し、かつ前記第一の分岐回路と異なる第二の分岐回路に関連付けられている場合、前記推定機器は、前記第二の分岐回路に接続された第一の場所から前記第一の分岐回路に接続された第二の場所に移設された移設機器であると判定する移設判定ステップと、
前記推定機器が前記移設機器であると前記移設判定ステップで判定された場合に、前記移設機器が前記分岐回路を専用分岐回路として単独で使用するか否かを判定する機器判定ステップと、を含んでもよい。
前記条件判定ステップは、前記移設機器が前記専用分岐回路を使用すると前記機器判定ステップで判定されると、前記推定機器が前記所定の条件を満たさないと判定してもよい。
これにより、宅内に既に存在する推定機器が宅内の他の場所に移設された移設機器であると判定されると、移設機器が専用分岐回路を使用するか否かが判定される。移設機器が専用分岐回路を使用する場合、移設は一時的な移動ではないと考えられる。したがって、ユーザに問い合わせる必要性が低いため、推定機器が所定の条件を満たさないと判定されて、問合せ情報が送信されない。これによって、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記推定機器が所定期間以上使用されていない場合に、前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
これにより、推定機器が所定期間以上使用されていない場合に、所定の条件を満たすと判定される。このため、所定期間以上使用されていないことに応じたユーザへの問合せ情報を送信することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定機器が、前記管理情報に登録され、かつ前記推定ステップにおいて所定期間以上存在を推定されていない場合に、前記推定機器は所定期間以上使用されていないと判定してもよい。
推定機器が、宅内に存在する機器と分岐回路とが関連付けられた管理情報に登録され、かつ推定ステップにおいて所定期間以上存在を推定されていないということは、推定機器が所定期間以上電力を消費していないということを意味する。したがって、管理情報に基づき、推定機器が所定期間以上使用されていないか否かを判定することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記送信ステップは、前記推定機器が所定期間以上使用されていないと前記条件判定ステップで判定された場合に、前記問合せ情報として、前記推定機器の点検を前記ユーザに対して促すための情報を送信してもよい。
これにより、宅内に既に存在すると推定された推定機器が所定期間以上使用されていない場合に、安全な使用のために推定機器の点検をユーザに対して促すための情報を送信することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記推定機器が、所定期間以上継続して使用されている場合に、前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
これにより、推定機器が所定期間以上継続して使用されている場合に、所定の条件を満たすと判定されるため、所定期間以上継続して使用されていることに応じたユーザへの問合せ情報を送信することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記条件判定ステップは、前記分岐回路ごとに前記宅内に存在する機器と前記分岐回路とが関連付けられた管理情報を参照し、前記推定機器が、前記管理情報に登録され、かつ前記推定ステップにおいて所定期間以上継続して存在を推定された場合に、前記推定機器は所定期間以上継続して使用されていると判定してもよい。
推定機器が、宅内に存在する機器と分岐回路とが関連付けられた管理情報に登録され、かつ推定ステップにおいて所定期間以上継続して存在を推定されたということは、推定機器が所定期間以上継続して電力を消費したということを意味する。したがって、管理情報に基づき、推定機器が所定期間以上継続して使用されているか否かを判定することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記送信ステップは、前記推定機器が所定期間以上継続して使用されていると前記条件判定ステップで判定された場合に、前記問合せ情報として、前記推定機器に用いられる部品の状態確認を前記ユーザに対して促すための情報を送信してもよい。
これにより、宅内に既に存在すると推定された推定機器が所定期間以上継続して使用されている場合に、その推定機器に用いられる部品(例えばエアコンのフィルター)の状態確認をユーザに対して促すための情報を送信することが可能となる。
上記態様において、例えば、
前記推定ステップは、前記機器の動作に伴う前記単位時間あたりの消費電力の推移情報を参照し、前記参照された推移情報と、前記取得ステップにおいて所定の時間間隔で取得された前記分岐回路における前記単位時間あたりの消費電力の推移とを比較することにより、前記分岐回路に接続された前記機器の存在を推定してもよい。
これにより、機器の動作に伴う単位時間あたりの消費電力の推移情報と、取得ステップにおいて所定の時間間隔で取得された分岐回路における単位時間あたりの消費電力の推移との比較により、機器の存在を適切に推定することが可能となる。
本開示の他の態様は、
宅内に設置された機器の情報を管理する機器管理装置における機器管理方法であって、
前記機器が接続されうる分電盤が備える分岐回路ごとに、所定の時間間隔で単位時間あたりの消費電力を取得する第1取得ステップと、
前記機器に対する操作の内容および当該操作が行われた時刻に関する情報を取得する第2取得ステップと、
前記機器に対する前記操作が行われた時刻を含む所定の時間内における前記単位時間あたりの消費電力の推移に基づき、前記操作が行われた機器が接続された分岐回路を推定する推定ステップと、
前記単位時間あたりの消費電力の推移に基づき、前記操作が行われた機器が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記操作が行われた機器が前記所定の条件を満たすと前記判定ステップで判定された場合にのみ、前記所定の条件に応じたユーザへの問合せ情報を送信する送信ステップと、
を含むものである。
これにより、操作が行われた機器が所定の条件を満たす場合にのみ、その所定の条件に応じたユーザへの問合せ情報が送信される。したがって、不必要なユーザへの通知をなくして機器管理装置において問合せ情報を送信する負荷を軽減することが可能になるとともに、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
なお、各図では、同様の要素には同様の符号が付され、詳細な説明は、適宜、省略される。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る機器情報管理システムの第1の実施の形態について説明する。
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る機器情報管理システムの構成を概略的に示すブロック図である。図1において、本第1の実施の形態の機器情報管理システム101は、機器管理部102、関連検知部103、電力データ管理部104、ユーザ通信部105を備える。機器情報管理システム101は、例えば、中央演算処理装置(CPU)とメモリとを含む。なお、機器情報管理システム101は、CPUに限られず、他のハードウェアを含んでもよい。
機器108aは、例えばエアコン、自然冷媒ヒートポンプ給湯機などの分岐回路107a(専用分岐回路の一例)を単独で使用する機器である。機器108b,108cは、例えば洗濯機、電子レンジ、テレビ受像機(以下、「テレビ」と称される)などの分岐回路107b(共用分岐回路の一例)を共同で使用する機器である。宅内の電力線は、一般に、外部の電源から各々分岐ブレーカを介して分岐回路107a,107bに分岐されている。計測ユニット106は、分岐回路107a,107bごとの消費電力を計測する。
以下では、分岐回路107a,107bを区別しないときは、「分岐回路107」と総称され、機器108a,108b、108cを区別しないときは、「機器108」と総称される。
ユーザ端末109は、典型的には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどのユーザが使用する情報端末である。また、機器情報管理システム101と計測ユニット106、および、機器情報管理システム101とユーザ端末109とは、それぞれインターネット、Local Area Network(LAN)などのネットワークによって接続され、相互の通信が可能に構成されている。
なお、ユーザ端末109は、機器情報管理システム101に備えられたモニタと入力デバイスとで構成されていても良い。この場合、機器情報管理システム101とユーザ端末109とは、ネットワークで接続されている構成ではない。図1では、1つの機器が接続された分岐回路107aが1個だけ示されているが、1個に限られない。同様に、図1では、複数の機器が接続された分岐回路107bが1個だけ示されているが、1個に限られない。
図2は、機器管理部102の構成を概略的に示すブロック図である。機器管理部102は、データ管理部201、通知受付部202、判定部203、機器情報保存部204を備える。
データ管理部201は、機器情報保存部204に保存された機器情報600(図6を参照して後述)を管理する。データ管理部201は、通知受付部202から受け取った情報、および、判定部203から受け取った判定内容を基に、機器情報600(管理情報の一例)の新規作成、もしくは、機器情報保存部204に保存された機器情報600の更新を行う。データ管理部201は、新規作成した機器情報600を機器情報保存部204に保存する。通知受付部202は、関連検知部103からの通知を受け取り、受け取った通知をデータ管理部201に引き渡す。
判定部203は、データ管理部201の要求により、判定を行う。判定部203の判定の処理については後述する。機器情報保存部204は、データ管理部201により管理される機器情報600を保存する。機器情報保存部204は、典型的にはハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。
図3は、関連検知部103の構成を概略的に示すブロック図である。関連検知部103は、データ取得部301、推定部302、通知部303、電力データ保存部304を備える。
データ取得部301(取得部の一例)は、推定部302からの要求により、電力データ管理部104から、所望の分岐回路の、所望の時間範囲における、単位時間あたりの消費電力のデータ列を取得する。また、推定部302は、データ取得部301により取得されたデータ列と、電力データ保存部304に保存されている消費電力のデータ列とを比較することにより、分岐回路107a,107bに接続されている機器を推定する。推定部302は、分岐回路107a,107bに接続されている機器を推定できた場合には、推定された機器とその機器が接続されている分岐回路とを通知部303に引き渡す。
また、通知部303は、推定部302から引き渡された機器と分岐回路とを、機器管理部102に引き渡す。電力データ保存部304には、機器ごとに、その動作時の、単位時間あたりの消費電力のデータ列が予め保存されている。電力データ保存部304は、典型的にはハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。
図4は、電力データ管理部104の構成を概略的に示すブロック図である。電力データ管理部104は、電力データ受信部401、入出力部402、電力データ要求処理部403、電力データ保存部404を備える。
電力データ受信部401は、計測ユニット106と通信し、定期的に、分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力のデータ列を計測ユニット106から受信する。電力データ受信部401は、受信したデータ列を入出力部402に引き渡す。本実施の形態においては、電力データ受信部401は、例えば、20分ごとに最新の20分間のデータ列の送信を計測ユニット106に要求する。電力データ受信部401は、その応答として計測ユニット106から送信されたデータ列を受信する。なお、電力データ受信部401は、計測ユニット106から定期的に送信されるデータ列を受信しても良い。
入出力部402は、電力データ受信部401から引き渡されたデータ列を電力データ保存部404に保存する。また、入出力部402は、電力データ要求処理部403からの要求により、指定された分岐回路、時間範囲の、単位時間あたりの消費電力のデータ列を、電力データ保存部404から読み出す。入出力部402は、読み出したデータ列を電力データ要求処理部403に引き渡す。
電力データ要求処理部403は、関連検知部103のデータ取得部301からの要求を受け付け、要求された分岐回路と時間範囲とを指定して、入出力部402にデータ列を要求する。電力データ要求処理部403は、入出力部402から指定されたデータ列を受け取り、受け取ったデータ列を関連検知部103のデータ取得部301に引き渡す。電力データ保存部404は、分岐回路ごとに、単位時間あたりの消費電力のデータ列を保存する。電力データ保存部404は、典型的にはハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。
図5は、ユーザ通信部105の構成を概略的に示すブロック図である。ユーザ通信部105(送信部の一例)は、通信要求処理部501、メッセージ生成部502、通信部503、応答解釈部504を備える。
通信要求処理部501は、機器管理部102の判定部203からの要求を受け付け、メッセージ生成部502に通信内容を通知する。通信要求処理部501は、必要に応じて、応答解釈部504が解釈した応答の内容を判定部203に引き渡す。また、メッセージ生成部502は、通信要求処理部501から受け取った要求を基に、ユーザに送信する通信メッセージを生成する。
また、通信部503は、メッセージ生成部502が生成したメッセージをユーザ端末109に送信する。通信部503は、必要に応じて、ユーザ端末109からのレスポンスを受信し、受信した応答メッセージを応答解釈部504に引き渡す。また、応答解釈部504は、通信部503から引き渡された応答メッセージを解釈し、その内容を通信要求処理部501に引き渡す。
図6は、機器情報保存部204に保存されている機器情報600の一例を概略的に示す図である。機器情報600は、分岐番号601、機種602、品番603、番号604、検出日605、前回検出日606、連続検出日数607を含む。
分岐番号601は、分岐回路を特定する記号を表す。1つの分岐回路に1つの分岐番号が付されている。例えば分岐番号CT00は、分岐回路107aに対応し、分岐番号CT01は、分岐回路107bに対応する。
機種602は、分岐番号601に対応する分岐回路に接続されている機器の機種名を表す。品番603は、分岐番号601に対応する分岐回路に接続されている機器の品番を表す。
番号604は、同じ分岐回路に複数の同じ機器が接続されている場合に、それぞれを区別するためのものである。例えば、分岐番号CT01には、同じプレーヤが二つ接続されているため、番号604として連番が付けられている。なお、分岐番号CT00と分岐番号CT04とには、それぞれ同じエアコンが接続されているが、分岐回路が異なるため、番号604は同じになっている。検出日605、前回検出日606、連続検出日数607については、後述される。なお、本第1の実施の形態では、機器情報600は、検出日605、前回検出日606、連続検出日数607を含まなくてもよい。
図6では、分岐番号CT03に対応する分岐回路に接続されている機器が検出されていないため、分岐番号CT03に対応する欄は、空欄となっている。
機器情報600は、図6に示されるデータ構成に限られない。例えば、機器情報600は、機器が接続されている分岐番号のみで構成されていても良い。つまり、図6では、分岐番号CT03が含まれない構成でもよい。
次に、計測ユニット106が計測する、分岐回路ごとの、単位時間あたりの消費電力のデータについて説明する。本実施の形態においては、計測ユニット106は、1分あたりの消費電力を計測する。図7に示されるように、データには分単位のタイムスタンプが付与される。ここで、9:00のタイムスタンプが付与されたデータは、9:00:00から9:00:59までの消費電力を表すものとする。
図7は、計測ユニット106によって計測される消費電力のデータ列の一例を概略的に示す図である。図7において、列701は、タイムスタンプとなる時刻を表す。列702,703,704,705は、それぞれ、分岐番号CT00,CT01,CT02,CTnnの分岐回路の消費電力のデータ列を表す。
また、行711は、9:00のタイムスタンプが付与されたデータを表す。行712は、9:01のタイムスタンプが付与されたデータを表す。行713は、9:02のタイムスタンプが付与されたデータを表す。行714は、9:03のタイムスタンプが付与されたデータを表す。行715は、9:04のタイムスタンプが付与されたデータを表す。行716は、9:05のタイムスタンプが付与されたデータを表す。
電力データ管理部104は、本実施形態では、計測ユニット108により計測された消費電力をmWh単位で記録する。図7の列705、行711のセルに記録されている分岐番号CTnn、時刻9:00の消費電力を表す“−”は、何らかの原因により測定が失敗したことを表す。
電力データ管理部104は、図7に示されるような表形式で、計測ユニット108により計測された消費電力のデータ列を電力データ保存部404に保存する。図7の列704では、9:00−9:05の時間帯の消費電力が0になっている。したがって、分岐番号CT02に対応する分岐回路に接続されている機器は、この時間帯では動作していないことが分かる。
図8〜図10は、電力データ保存部304に予め保存されているデータを概略的に示す図である。図8は、操作対応情報800の一例を示し、図9は、電力情報900の一例を示し、図10は、電力データ1000の一例を示す。
図8において、操作対応情報800は、機種801、品番802、操作/動作803、インデックス804を含む。機種801は、機器の機種名を表す。品番802は、機器の品番を表す。操作/動作803は、機器に施された操作又は機器の動作を表す。インデックス804は、電力情報900(図9)の識別子である。各インデックス804は、一つの操作/動作803に対応する。
図9において、電力情報900は、インデックス901、データ数902、データ列903を含む。インデックス901は、データ列903の識別子であり、操作対応情報800のインデックス804に対応する。データ数902は、データ列903を構成するデータの個数である。データ列903は、時系列に並んだデータの列である。データ列903の一つのデータは、1分間の消費電力量を表し、データ列903は、消費電力の変化パターンを表す。
例えば、図8の最初の行では、機種801が「エアコン」であり、品番802が「AC−001」であり、操作/動作803が「暖房開始」であり、インデックス804が「AC−001−W−0」になっている。この「AC−001−W−0」に対応するインデックス901を図9の電力情報900において参照すると、データ列903は、「2,5,2,5,2,5,2,5,1,5」になっている。図9のデータ列903は、図8の機種801で操作/動作803が行われたときの消費電力の推移から、例えば実験的に求められたものである。
このように、図8の操作対応情報800は、機種801の操作/動作803と図9の電力情報900のデータ列903との対応関係を表す。図8の操作対応情報800と、図9の電力情報900とは、予め作成されて電力データ保存部304に保存されている。図8の操作対応情報800と、図9の電力情報900とを参照することにより、操作/動作803が行われたときの機器の消費電力量の推移を取得することができる。
図10の電力データ1000は、電力情報900のデータ列903をグラフ形式で表したものである。図10の電力データ1000は、機種801の機器において操作/動作803が行われたときの1分あたりの消費電力の推移を表す。図10の電力データ1000は、例えば、図8の機種801の「洗濯機」において、操作/動作803が「洗濯開始」から「洗濯終了」までのデータ列903(図9)をグラフ形式で表したものでもよい。
図11は、本第1の実施の形態における機器情報管理システム101の処理を概略的に示すフローチャートである。以下、図1〜図5、図11を参照しながら、本第1の実施の形態における機器情報管理システム101の動作について説明する。
本第1の実施の形態における機器情報管理システム101では、例えば、電力データ管理部104は、計測ユニット108により計測された各分岐回路107a、107bの消費電力を監視する。電力データ管理部104により、閾値(例えば1分あたり1mWh)以上の消費電力の変化が検出されると、図11の動作が開始される。
まずステップS1001において、関連検知部103は、分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力の変化を解析して機器の機種(例えばエアコン)などを推定し、推定した推定機器と分岐回路との関連付けを行う。本処理の詳細については図12を参照して後述する。
続いて、ステップS1002(条件判定ステップの一例、新設判定ステップの一例)において、機器管理部102のデータ管理部201は、機器情報保存部204に保存されている機器情報600を参照して、ステップS1001で推定された推定機器が、既に機器管理部102によって管理されている機器(つまり機器情報600に登録されている機器)であるか否かを判定する。推定機器が既に管理されている機器でない場合には(ステップS1002でNO)、処理はステップS1003に進む。一方、推定機器が既に管理されている機器である場合には(ステップS1002でYES)、処理はステップS1004に進む。
ステップS1003では、推定機器が新たに設置された新設機器であると考えられるため、機器管理部102は、機器新設処理を行う。本処理の詳細については図13を参照して後述する。ステップS1004(条件判定ステップの一例、移設判定ステップの一例)において、機器管理部102は、ステップS1001で推定機器と関連付けされた分岐回路が、機器管理部102で管理され機器情報保存部204に保存されている機器情報600において推定機器と関連付けされている分岐回路と同一の分岐回路であるか否かを判定する。
ステップS1001で推定機器と関連付けされた分岐回路が、機器情報600において推定機器と関連付けされている分岐回路と同一である場合には(ステップS1004でYES)、図11の処理は終了する。一方、ステップS1001で推定機器と関連付けされた分岐回路が、機器情報600において推定機器と関連付けされている分岐回路と異なる場合には(ステップS1004でNO)、処理はステップS1005に進む。ステップS1005では、推定機器が移設されたものと考えられるため、機器管理部102は、移設確認処理を行う。本処理の詳細については図14を参照して後述する。
図12は、図11のステップS1001において関連検知部103により行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
まずステップS1101(取得ステップの一例)において、関連検知部103のデータ取得部301は、電力データ管理部104から、分岐回路ごとの単位時間(本実施形態では1分間)あたりの消費電力のデータ列を取得する。本処理は、計測ユニット106に接続されている全ての分岐回路に対して行う。また、データ取得部301は、ステップS1101の実行時刻から一定期間過去に遡った期間(本実施形態では20分間)のデータ列を取得する。例えば、ステップS1101の実行時刻が10:00であれば、データ取得部301は、9:40から10:00までの期間のデータ列を取得する。
続いて、ステップS1102(推定ステップの一例)において、推定部302は、ステップS1101において取得されたデータ列と、電力データ保存部304に保存されている電力データ(図9のデータ列903又は図10の電力データ1000)とを比較する。
機器の動作中における消費電力は、図9のデータ列903又は図10の電力データ1000のように変化する。このため、推定部302は、このデータ列903又は電力データ1000と、ステップS1101で取得されたデータ列とを比較することにより、機器の推定を行うことが可能である。ここで、推定される内容は、少なくとも機器の機種602(図6)を含む。なお、推定される内容は、本実施形態では、機器の品番603(図6)も含んでいる。
続いてステップS1103において、推定部302は、ステップS1102で比較した結果、ステップS1101で取得されたデータ列が特定の機器と推定されたか否かの判定を行う。推定部302は、図10に示されるように、例えばデータ列702(図7)を順次移動させながら、その都度、データ列702と電力データ1000との波形のマッチングを行う。推定部302は、例えば、データ列702と電力データ1000との波形の類似度を算出する。推定部302は、算出された類似度が閾値以上のときに、データ列702の機器は、電力データ1000の機器であると推定する。ステップS1101で取得されたデータ列が特定の機器と推定されたと判定された場合は(ステップS1103でYES)、処理はステップS1104に進み、推定されていないと判定された場合には(ステップS1103でNO)、処理はステップS1105に進む。
ステップS1105では、推定部302は、電力データ保存部304に保存されている電力データ(図9のデータ列903又は図10の電力データ1000)の比較対象機器のなかで比較を行っていない機器があるか否かの判定を行う。比較を行っていない機器が有る場合には(ステップS1105でYES)、処理はステップS1102に戻って別の機器の電力データとの比較が行われる。一方、比較を行っていない機器が無い場合には(ステップS1105でNO)、処理はステップS1101に戻って、新しい消費電力のデータ列が取得される。このように、図12の処理は、特定の機器と推定される(ステップS1103でYES)まで、継続される。
ステップS1104において、推定部302は、推定した推定機器と、推定に使用した消費電力を計測した分岐回路とを通知部303に引き渡す。通知部303は、引き渡された推定機器と分岐回路とを機器管理部102の通知受付部202に通知する。通知受付部202は、通知された推定機器と分岐回路とをデータ管理部201に通知する。その後、図12の処理は終了して、図11のステップS1002に進む。
なお、上述されたように、ステップS1101、ステップS1102の処理は繰り返し行われる。このため、推定部302は、直前のステップS1101で取得されたデータ列と、それ以前のステップS1101で取得されたデータ列とが連結されたデータ列を用いて、ステップS1102での比較処理を行っても良い。
また、上述のように、図10に示される電力データ1000は、機器の動作開始から動作終了までのデータ列903(図9)をグラフ形式で表したものでもよい。その場合には、機器又は動作によって、電力データ1000の時間幅が異なる。このため、推定部302は、電力データ1000ごとに、比較に使用するデータ列を、ステップS1101で取得したデータ列から、電力データ1000の時間幅に適合するように抽出しても良い。
図13は、図11のステップS1003における機器新設処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS1301において、機器管理部102のデータ管理部201は、通知受付部202が関連検知部103から受け取った機器108の情報を、機器情報保存部204の機器情報600に登録する。機器情報600に登録されるデータは、図6に示されるように、推定された機器の機種602と、推定された機器が接続されている分岐回路を表す分岐番号601とを含む。
続いて、ステップS1302(条件判定ステップの一例、第1機器判定ステップの一例)において、データ管理部201は、機器情報保存部204に保存された機器情報600を検索し、同じ分岐回路に関連付けられた機器が既に登録されているか否かを調べる。機器が登録されていない場合は(ステップS1302でNO)、新設機器の登録(ステップS1301)をもって、図13の機器新設処理は終了する。一方、機器が既に登録されている場合には(ステップS1302でYES)、処理はステップS1303に進む。図13の説明では、以下、この既に登録されている機器は「既存機器」と称される。
ステップS1303(条件判定ステップの一例、第2機器判定ステップの一例)において、判定部203は、ステップS1301で登録された新設機器が、分岐回路を、専用分岐回路として使用する機器か、又は共用分岐回路として使用する機器かを判定する。専用分岐回路とは、機器が単独で使用する分岐回路である。上述のように、例えば、エアコン又は自然冷媒ヒートポンプ給湯機などは、分岐回路を単独で使用する。共用分岐回路とは、複数の機器により、同時に使用される分岐回路である。機器が、専用分岐回路を使用する機器であるか、又は共用分岐回路を使用する機器であるかの情報は、電力データ保存部304に予め保存されていてもよい。
新設機器が専用分岐回路を使用する機器であれば(ステップS1303でYES)、処理はステップS1304に進む。一方、新設機器が共用分岐回路を使用する機器であれば(ステップS1303でNO)、処理はステップS1305に進む。
ステップS1304(条件判定ステップの一例、第3機器判定ステップの一例)において、判定部203は、既存機器が未接続の状態に更新されたと判定する。推定された新設機器が専用分岐回路を使用する機器であるため、他に接続された機器は無いと考えられる。したがって、判定部203は、ユーザに問い合わせることなく、以前に接続されていた既存機器は新設機器に置き換えられたと判断することができる。その後、処理はステップS1307に進む。
ステップS1305(送信ステップの一例)において、判定部203は、ユーザ通信部105に、既存機器の存在をユーザに問い合わせるように依頼する。これは、既存機器が複数の機器で使用する共用分岐回路の機器であるので、既存機器が継続して接続されているか否かを判定することが困難であるためである。
続いて、ステップS1306(条件判定ステップの一例)において、判定部203は、ユーザ通信部105から受け取ったユーザの応答に従い、既存機器の更新の要否を判定する。すなわち、判定部203は、ユーザから既存機器は継続して接続されているとの応答があれば、更新不要と判定する。一方、判定部203は、ユーザから既存機器は取り外されたとの応答があれば、既存機器は未接続の状態に更新されたと判定する。
続いて、ステップS1307で、データ管理部201は、判定部203が、ステップS1304もしくはステップS1306で行った判定の内容に従い、機器情報保存部204に保存された機器情報600において既存機器の情報を更新する。既存機器が未接続の状態に更新されたと判定部203により判定された場合には、データ管理部201は、機器情報600の既存機器の情報を削除してもよく、機器情報600の既存機器に対応する分岐番号601の欄を空欄にしてもよい。
図14は、図11のステップS1005における移設確認処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS1201(条件判定ステップの一例、機器判定ステップの一例)において、機器管理部102の判定部203は、図12のステップS1104で通知受付部202が関連検知部103から受け取った推定機器(つまり図11のステップS1001で推定された推定機器)が、専用分岐回路を使用する機器であるか否かを判定する。推定機器が専用分岐回路を使用する機器であると判定された場合には(ステップS1201でYES)、処理はステップS1202に進む。一方、推定機器が共用分岐回路を使用する機器であると判定された場合には(ステップS1201でNO)、処理はステップS1206に進む。
ステップS1202において、判定部203は、以前の専用分岐回路から現在の専用分岐回路に、推定機器が移設されたと判定する。推定機器が専用分岐回路を使用する機器であるため、判定部203は、ユーザに問い合わせることなく、推定機器は移設されたと判断することができる。
続いて、ステップS1203において、データ管理部201は、機器情報保存部204に保存された機器情報600を検索し、通知受付部202が関連検知部103から推定機器とともに受け取った分岐回路と関連付けられた機器が既に登録されているか否かを調べる。機器が登録されていない場合には(ステップS1203でNO)、処理はステップS1205に進む。一方、機器が既に登録されている場合には(ステップS1203でYES)、処理はステップS1204に進む。図14の説明では、以下、この既に登録されている機器は「既存機器」と称される。
ステップS1204において、判定部203は、既存機器が未接続の状態に更新されたと判定する。推定機器が専用分岐回路を使用する機器であるため、他に接続された機器は無いと考えられる。したがって、判定部203は、ユーザに問い合わせることなく、以前に接続されていた既存機器が、移設された推定機器に置き換えられたと判断することができる。
ステップS1206(送信ステップの一例)において、判定部203は、ユーザ通信部105に、推定機器が一時的な移動であるか否かをユーザに問い合わせるように依頼する。推定機器が共用分岐回路を使用する機器であるため、ユーザは、推定機器を何らかの理由で一時的に移動させた後、元の位置に戻すのか、あるいは、推定機器を移動させた場所で継続的に使用するのかが不明である。そこで、ユーザ通信部105は、この点をユーザに問い合わせる問合せ情報を、ユーザ端末109に送信する。
続いて、ステップS1207において、ユーザ通信部105は、ユーザ端末109からユーザの応答を受信する。ユーザ通信部105は、受信したユーザの応答を判定部203に通知する。
続いて、ステップS1208において、判定部203は、ユーザ通信部105から受け取ったユーザの応答に従い、推定機器の情報更新の要否を判定する。すなわち、ユーザから一時的な移動であるとの応答を受けた場合には、判定部203は、推定機器の情報の更新を行わないと判定する。一方、ユーザから移動先で継続的に使用するとの応答を受けた場合は、判定部203は、推定機器の情報を更新すると判定する。
ステップS1205において、データ管理部201は、ステップS1202、ステップS1204、ステップS1208において判定部203により判定された内容に従い、必要に応じて、機器情報保存部204に保存された機器情報600において、推定機器および既存機器の情報を更新する。ステップS1205により図14の処理は終了する。
以下、図15を参照しながら、ユーザ通信部105の動作について説明する。
ユーザ通信部105の通信要求処理部501は、機器管理部102の判定部203から、ユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認の依頼を受け付ける。依頼を受け付けた通信要求処理部501は、メッセージ生成部502に依頼内容を伝える。メッセージ生成部502は、依頼内容に基づき、ユーザに通知、もしくは、ユーザに確認するためのメッセージを生成する。
メッセージ生成部502は、生成したメッセージを通信部503に引き渡す。通信部503は、メッセージ生成部502から引き渡されたメッセージをユーザ端末109に送信する。ユーザ端末109は、通信部503から送信されたメッセージを含む内容を表示画面に表示する。
送信先に関するユーザ端末109の情報を、ユーザ通信部105が管理してもよい。なお、送信先に関するユーザ端末109の情報を、機器と関連付けて機器管理部102が管理してもよい。この場合、機器管理部102は、ユーザへの通知もしくは確認の依頼時に、送信先に関するユーザ端末109の情報をユーザ通信部105に引き渡せばよい。
図15は、ユーザ端末109の表示画面1201の一例を示す図である。図14のステップS1206で使用されるユーザに問い合わせるためのメッセージ1202の一例が、表示画面1201の上部に表示されている。図15では、メッセージ生成部502により生成された「機器の移動が検出されました。移設でしょうか?」とのメッセージ1202が表示されている。表示画面1201の下部には、応答ボタン1203,1204が表示されている。応答ボタン1203には、「はい、移設しました」という文が表示されている。応答ボタン1204には、「いいえ、一時的な移動であり、移設ではありません」という文が表示されている。
ユーザは、応答ボタン1203,1204のいずれかを選択し、選択した応答ボタンを押下する。本実施形態では、ユーザ端末109は、スマートフォン又はタブレットなどのタッチパネルを備える装置である。
ユーザに通知のみを行う場合、通信部503は、通信完了を応答解釈部504に通知する。応答解釈部504は、通信要求処理部501に通信完了を通知する。通信要求処理部501は、ユーザへの通知が完了したことを、機器管理部102の判定部203に通知し、処理を終了する。
ユーザに確認を求める場合は、通信部503は、ユーザ端末109からの応答を受信する。例えば図15に示される表示画面1201の場合、ユーザが応答ボタン1203もしくは応答ボタン1204を押下すると、ユーザ端末109から通信部503に、応答ボタンに応じたメッセージが送信される。
ユーザが応答ボタン1203を押下すると、ユーザ端末109は、機器を移設したことを表すメッセージを、通信部503に対応するUniform Resource Locator(URL)に、例えばHyper Text Transfer Protocol(HTTP)のPOSTメソッドで送信する。ユーザが応答ボタン1204を押下すると、ユーザ端末109は、機器を一時的に移動したことを表すメッセージを、通信部503に対応するURLに、例えばHTTPのPOSTメソッドで送信する。
通信部503は、ユーザ端末109から受信した応答メッセージを応答解釈部504に引き渡す。応答解釈部504は、応答メッセージの内容を解析し、ユーザの応答内容を抽出する。応答解釈部504は、抽出したユーザの応答内容を通信要求処理部501に引き渡す。通信要求処理部501は、受け取ったユーザの応答内容を、機器管理部102の判定部203に引き渡して、処理を終了する。
以上、説明した本第1の実施の形態の機器情報管理システム101により、機器108の情報に応じて、必要な場合にのみユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認を行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
また、本第1の実施形態では、関連検知部103の推定部302が推定した推定機器の種別(例えば、専用分岐回路を使用する機器であるか否か)に応じて、ユーザへの確認の要否を適切に判断することにより、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
なお、計測ユニット106は、さらに、分岐回路107の電圧情報を機器情報管理システム101に送信してもよい。機器情報管理システム101の機器管理部102は、さらに、分岐回路107の電圧情報を管理してもよい。機器管理部102の判定部203は、ステップS1303(図13)、ステップS1201(図14)において、まず、推定機器が接続された分岐回路107の電圧情報によって、分岐回路107が専用分岐回路であるか否かの判定を行ってもよい。判定部203は、分岐回路107の電圧情報から分岐回路107が専用分岐回路であるか否かを判定できなかった場合に、上述の判定を行う構成であっても良い。
日本では、通常の機器は、電圧100Vの電源を使用するが、エアコン又は自然冷媒ヒートポンプ給湯機など、消費電力の大きな機器は、電圧200Vの電圧を使用するものもある。後者の機器は、専用分岐回路を使用する。このため、判定部203は、分岐回路107の電圧情報によって、専用分岐回路であるか否かの判定が可能となる。
この構成によれば、分岐回路107の電圧情報によって、必要な場合にのみユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認を行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
また、ステップS1003(図11)の機器新設処理において、新設機器が共用分岐回路を使用する機器であり(図13のステップS1303でNO)、既存機器が存在する場合(図13のステップS1302でYES)、直ぐに上述のユーザへの問合せ(図13のステップS1305)を行う構成に限られない。例えばユーザへの問合せに先立ち、関連検知部103の処理と同様に、消費電力の変化を解析することにより、既存機器の存在を確認する構成であっても良い。
また、ステップS1207において、ユーザから一時的な移動であるとの応答を受信した場合には、ステップS1208において、判定部203は、推定機器の情報の更新を行わないと判定したが、これに限られない。例えば、判定部203は、ステップS1208において、一旦更新を保留してもよい。判定部203は、再度、もしくは所定の回数、推定機器の同じ分岐回路への関連付けを検知した場合に、機器情報600を更新すると判定しても良い。
(実施の形態2)
以下、本開示にかかる機器情報管理システムの第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
図6に示されるように、機器管理部102により管理される機器情報600は、検出日605を含む。検出日605は、分岐番号601に対応する分岐回路に接続されている機器が関連検知部103の推定部302により推定された日付のうち現時点に最も近い日付を表す。
データ管理部201は、図12のステップS1104において通知受付部202から推定機器と分岐回路とが通知されたとき、その日付を記憶する。データ管理部201は、後述される図16のステップS1003の機器新設処理、ステップS1005の移設確認処理、及びステップS1009の期間確認処理において、その日付を含む機器情報600を機器情報保存部204に保存する。
図16は、本第2の実施の形態における機器情報管理システム101の処理を概略的に示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図11に示された第1の実施の形態のフローチャートと、推定機器が既に管理されている機器である場合に(ステップS1002でYES)、ステップS1004に先立ち、ステップS1009の期間確認処理が行われる点が異なる。
図17は、図16のS1009における期間確認処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS1701において、データ管理部201は、図12のステップS1104において通知受付部202から推定機器と分岐回路とが通知されたときの日付を含む機器情報600を機器情報保存部204に保存する。
続いて、ステップS1702において、データ管理部201は、推定機器が暖房を行う機器であるか否かを判定する。推定機器が暖房を行う機器であれば(ステップS1702でYES)、処理はステップS1703に進む。一方、推定機器が暖房を行う機器でなければ(ステップS1702でNO)、本実施形態では、暖房を行う機器についてのみ期間を確認しているため、図17の期間確認処理は終了する。
ステップS1703において、データ管理部201は、機器情報保存部204に保存されている機器情報600を参照して、現在の分岐回路と異なる他の分岐回路を含めて、現在の日付に最も近い推定機器の検出日605を取得する。データ管理部201は、取得した推定機器の検出日605を判定部203に通知する。
続いて、ステップS1704(条件判定ステップの一例)において、判定部203は、現在の日付と、通知された検出日605とを比較し、検出日605から現在の日付まで3ヶ月以上経過しているか否かを判定する。3か月以上経過していれば(ステップS1704でYES)、判定部203は、メッセージの送信が必要と判定し、処理はステップS1705に進む。一方、3か月以上経過していなければ(ステップS1704でNO)、図17の期間確認処理は終了する。
続いて、ステップS1705(送信ステップの一例)において、判定部203は、ユーザ通信部105の通信要求処理部501にメッセージの送信を要求する。ユーザ通信部105は、図15を参照して説明された第1の実施の形態の処理と同様の処理により、ユーザ端末109にメッセージを送信する。その後、図17の処理は終了する。
図18は、図17のステップS1705で送信されたメッセージが表示されたユーザ端末109の表示画面1401の一例を示す図である。図18において、ユーザ端末109は、「ファンヒータが検出されました。このファンヒータは3ヶ月以上使用されておりません。安全な使用のため、発熱部の清掃など、メンテナンスはお済みでしょうか?」とのメッセージ1402を表示画面1401に表示している。このように、図18の例では、安全に使用するためのメンテナンスを促すメッセージが表示されている。
以上のように、関連検知部103の推定部302により推定された推定機器が所定の期間(本実施形態では3ヶ月)以上使用されていないと判定されている。そこで、本第2の実施の形態では、推定機器が暖房機器の場合には、安全な使用のための点検を行うことを促すメッセージをユーザ端末109に送信している。これによって、ユーザの利便性が向上するという効果が得られる。
なお、上記第2実施形態では、暖房機器が3ヶ月以上使用されていないときにメッセージが送信されているが、機器は暖房機器に限られず、所定の期間は3ヶ月に限られない。機器情報管理システム101は、例えばエアコンが5ヶ月以上使用されていないときに、カビ取り又は消臭などのメンテナンスを勧めるメッセージをユーザ端末109に送信してもよい。あるいは、機器情報管理システム101は、全ての機器について、1ヶ月以上使用されていないときは、コンセントの周辺に埃が溜まっていないかの注意を促すメッセージをユーザ端末109に送信してもよい。
なお、機器管理部102は、さらに、機器が連続して推定されている期間を管理してもよい。この期間が予め定められたしきい値を超えた場合に、ユーザ通信部105は、ユーザ端末109にメッセージを送信する構成であっても良い。この場合、図6に示されるように、機器管理部102により管理される機器情報600は、検出日605、前回検出日606、連続検出日数607を含む。前回検出日606は、検出日605の前に機器が推定された日付を表す。連続検出日数607は、機器が連続して推定された日数を表す。機器管理部102のデータ管理部201は、検出日605と前回検出日606とが連続しているときは、連続検出日数607を1だけ増加させる。
図19は、図18と異なるメッセージが表示されたユーザ端末109の表示画面1501の一例を示す図である。図19において、ユーザ端末109は、「エアコンが1ヶ月連続して使用されております。フィルタの状態のチェックをお勧めいたします。」とのメッセージ1502を表示画面1501に表示している。
図19に示される実施の形態では、関連検知部103の推定部302によりエアコンが毎日推定されると、機器管理部102のデータ管理部201は、機器情報600のエアコンの連続検出日数607を更新する。機器管理部102の判定部203は、エアコンの連続検出日数607が閾値(図19では1ヶ月)以上か否かを判定する。エアコンの連続検出日数607が1ヶ月以上であれば、判定部203は、メッセージの送信をユーザ通信部105に依頼する。ユーザ通信部105は、図19に示されるような、フィルタのチェックを促すメッセージを送信する。また、この「連続」の判定部203による判定は、推定された日が連続する場合のみ「連続」とみなす構成であっても良いし、連続していなくても、1日など特定の期間以下のみ空いていても「連続」とみなす構成であっても良い。
なお、図19に示される実施の形態では、エアコンが1ヶ月以上連続して使用されているときにメッセージが送信されているが、機器はエアコンに限られず、所定の期間は1ヶ月に限られない。機器情報管理システム101は、例えば空気清浄機が1ヶ月以上連続して使用されているときに、フィルタの掃除を促すメッセージをユーザ端末109に送信してもよい。あるいは、機器情報管理システム101は、全ての機器について、1ヶ月以上連続して使用されているときは、コンセントの周辺に埃が溜まっていないかのチェックを促すメッセージをユーザ端末109に送信してもよい。
(実施の形態3)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る機器情報管理システムの第3の実施の形態について説明する。
図20は、本開示の第3の実施の形態に係る機器情報管理システムの構成を概略的に示すブロック図である。図20において、本第3の実施の形態の機器情報管理システム1601は、機器管理部1602、関連検知部1603、電力データ管理部104、ユーザ通信部105、機器操作部1606、機器通信部1607を備える。機器情報管理システム1601は、例えば、CPUとメモリとを含む。なお、機器情報管理システム1601は、CPUに限られず、他のハードウェアを含んでもよい。
機器1608aは、例えばエアコン、自然冷媒ヒートポンプ給湯機などの分岐回路107a(専用分岐回路の一例)を単独で使用する機器である。機器1608b,1608c,1608dは、例えば洗濯機、電子レンジ、テレビなどの分岐回路107b(共用分岐回路の一例)を共同で使用する機器である。
機器インタフェース1609は、機器1608a,1608b,1608cと接続され、機器情報管理システム1601と通信を行う。なお、機器1608dは、機器インタフェース1609と接続されていない。以下では、機器1608a,1608b、1608c,1608dを区別しないときは、「機器1608」と総称される。
なお、電力データ管理部104、ユーザ通信部105、分岐ブレーカ107、計測ユニット106、ユーザ端末109は、図1に示した、第1の実施の形態におけるものと同様のものであるため、同じ符号を付与しており、以下、これらについての詳細な説明は省略する。
機器1608は、機器インタフェース1609から受け取ったメッセージを解釈し、それに従った動作を行うように構成されている。また、機器1608は、受け取ったメッセージに対する応答を機器インタフェース1609に返す。機器1608は、応答として、動作開始成功又は動作開始失敗などのステータスを返す。もしくは、機器1608は、メッセージを受け取ったということを表す応答を返しても良い。また、機器1608は、動作開始又は動作停止など、状態に変化が起こった場合には、機器インタフェース1609を通じて、その変化を機器情報管理システム1601に通知する機能を備えても良い。このような、メッセージに従った動作又は状態変化の通知を行う機器1608は、ECHONET Lite又はUniversal Plug and Play(UPnP)などの技術により実現可能である。
さらに、機器1608は、機器インタフェース1609を通じて受け取った要求に従い、機器1608の型番、機器1608を識別する固有の機器IDなどの機器の情報、又は機器の動作状況、機器の状態などの詳細情報を返信する機能を備えていても良い。
機器インタフェース1609は、機器情報管理システム1601と通信を行う。機器インタフェース1609は、機器情報管理システム1601から受け取ったメッセージを機器1608に引き渡す。機器インタフェース1609は、機器1608から受け取ったメッセージを機器情報管理システム1601に送信する。なお、機器インタフェース1609は、機器1608の一部として構成されていても良い。
図21は、機器管理部1602の構成を概略的に示すブロック図である。機器管理部1602は、データ管理部1701、通知受付部202、判定部1703、機器情報保存部204、機器情報受信部1705を備える。
データ管理部1701は、機器情報保存部204に保存された機器情報600(図6)を管理する。データ管理部1701は、通知受付部202から受け取った情報、および、判定部1703から受け取った判定内容、機器情報受信部1705から受け取った情報を基に、機器情報600を新規作成して機器情報保存部204に保存し、もしくは、機器情報保存部204に保存された機器情報600を更新する。
判定部1703は、データ管理部1701の要求により、判定を行うものであり、その処理については後述する。機器情報受信部1705は、機器通信部1607が通信により取得した機器1608の状態を受け取る。機器情報受信部1705は、受け取った機器1608の状態をデータ管理部1701に引き渡す。
図22は、関連検知部1603の構成を概略的に示すブロック図である。関連検知部1603は、データ取得部301、推定部1802、通知部303、電力データ保存部304、操作要求部1805を備える。このうち、データ取得部301、通知部303、電力データ保存部304は、図3で示した上記第1の実施の形態におけるデータ取得部301、通知部303、電力データ保存部304と同様のものであるため、同じ符号を付与しており、以下、これらの詳細な説明は省略する。
推定部1802は、操作要求部1805を通じて機器1608に対する操作要求を送信する。推定部1802は、操作の成否を操作要求部1805より受け取る。また、推定部1802は、データ取得部301を用いて、要求した機器1608の操作を含む前後の時間帯の、分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力のデータ列を取得する。また、推定部1802は、電力データ保存部304に保存されている、要求した操作で観測される電力データと取得したデータ列とを比較する。推定部1802は、比較結果に基づき、操作を要求した機器1608が接続されている分岐回路を推定する。推定部1802は、分岐回路が推定できた場合には、操作を要求した機器と推定された分岐回路とを通知部303に引き渡す。
電力データ保存部304には、図8、図9を参照して説明されたように、機器の機種801ごとに、及び操作/動作803ごとに、その操作/動作によって観測される単位時間あたりの消費電力のデータ列903が保存されている。以下、この消費電力のデータ列は電力データとも称される。
操作要求部1805は、推定部1802の要求により、機器操作部1606に機器1608の操作を依頼する。操作要求部1805は、操作の結果を機器操作部1606より受け取る。操作要求部1805は、受け取った操作の結果を推定部1802に引き渡す。
図23は、機器操作部1606の構成を概略的に示すブロック図である。機器操作部1606は、操作要求受付部1901、メッセージ処理部1902、操作情報保存部1903を備える。
操作要求受付部1901は、関連検知部1603からの機器1608に対する操作要求を受け付ける。操作要求受付部1901は、受け付けた操作要求をメッセージ処理部1902に引き渡す。操作要求受付部1901は、操作要求に基づく処理の成否をメッセージ処理部1902から受け取る。操作要求受付部1901は、受け取った処理の成否を関連検知部1603に引き渡す。
メッセージ処理部1902は、操作要求受付部1901から機器1608の操作要求が引き渡されると、操作情報保存部1903に保存された情報を参照しながら、機器1608に送信するコマンドメッセージを生成する。メッセージ処理部1902は、生成したコマンドメッセージを機器通信部1607に引き渡す。さらに、メッセージ処理部1902は、機器通信部1607から送信されたコマンドメッセージに対する返信メッセージを受け付けると、操作情報保存部1903に保存された情報を参照しながら、受け付けた返信メッセージを解釈する。メッセージ処理部1902は、解釈した返信メッセージの内容を操作要求受付部1901に引き渡す。
操作情報保存部1903は、機器1608の種類に応じて、対応する操作コマンドの形式又は規格を保存する。操作情報保存部1903は、典型的にはハードディスクドライブ、フラッシュメモリといった不揮発性メモリで構成される。
機器1608の操作を実現する手法として、本実施形態では、ECHONET Lite又はUPnPなどが使用される。操作情報保存部1903には、機器1608を操作する手法の種類、その手法のメッセージ形式、語彙など、メッセージ処理部1902が利用できる情報が保存されている。
メッセージ処理部1902は、操作情報保存部1903に保存されている情報に従い、操作のコマンドメッセージの生成、および、返信メッセージの解釈を行う。例えば、機器1608がECHONET Liteを使用する場合、メッセージ処理部1902は、ECHONET Lite電文の生成、および、解釈を行う。また、機器1608がUPnPを使用する場合には、メッセージ処理部1902は、UPnPに従って、メッセージの生成、および、解釈を行う。
図24は、機器通信部1607の構成を概略的に示すブロック図である。機器通信部1607は、通信要求処理部2001、送信データ生成部2002、通信部2003、受信データ処理部2004を備える。
通信要求処理部2001は、機器操作部1606からの要求により、送信するメッセージを送信データ生成部2002に引き渡す。通信要求処理部2001は、機器操作部1606からの要求に対して受信されたメッセージを受信データ処理部2004から受け取る。通信要求処理部2001は、受け取ったメッセージを機器操作部1606に引き渡す。また、通信要求処理部2001は、機器管理部1602からの要求により、送信するメッセージを送信データ生成部2002に引き渡す。通信要求処理部2001は、機器管理部1602からの要求に対して受信されたメッセージを受信データ処理部2004から受け取る。通信要求処理部2001は、受け取ったメッセージを機器管理部1602に引き渡す。
送信データ生成部2002は、通信要求処理部2001から受け取ったメッセージを用いて送信データを生成する。本実施形態では例えば、ECHONET Liteが使用され、ECHONET Lite電文は、HTTPのPOSTメソッドを使用して機器1608に送信される。この場合、送信データ生成部2002は、ECHONET Lite電文をボディ部に含むHTTP POSTリクエストメッセージを生成する。
通信部2003は、機器インタフェース1609と通信することにより、送信データ生成部2002が生成した送信データを機器インタフェース1609に送信する。通信部2003は、機器インタフェース1609から送信される応答を受信する。通信部2003は、受信した応答を受信データ処理部2004に引き渡す。
通信部2003は、本実施形態では例えば、ECHONET Liteを使用し、ECHONET Lite電文により、HTTPのPOSTメソッドを使用して機器1608と通信する。この場合、通信部2003は、IPネットワークを通じて、送信データ生成部2002により生成されたHTTP POSTリクエストメッセージを機器インタフェース1609が受信するURLに送信する。通信部2003は、機器インタフェース1609を通じて送られたレスポンスメッセージを受信する。通信部2003は、受信したレスポンスメッセージを受信データ処理部2004に引き渡す。
受信データ処理部2004は、通信部2003が受信したレスポンスメッセージから、機器1608の応答メッセージを抽出する。受信データ処理部2004は、抽出した応答メッセージを通信要求処理部2001に引き渡す。上述のように、本実施形態では例えば、通信部2003は、ECHONET Liteを使用し、ECHONET Lite電文により、HTTPのPOSTメソッドを使用して機器1608と通信する。この場合、受信データ処理部2004は、受信したHTTP POSTレスポンスメッセージのボディ部から、ECHONET Lite電文を抽出する。受信データ処理部2004は、抽出したECHONET Lite電文を通信要求処理部2001に引き渡す。
図25は、本第3の実施の形態における機器情報管理システム1601の処理を概略的に示すフローチャートである。以下、図20〜図25を参照しながら、本第3の実施の形態における機器情報管理システム1601の動作について説明する。
本第3の実施の形態における機器情報管理システム1601では、まずステップS2001において、関連検知部1603は、機器1608を操作する。また、関連検知部1603は、分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力の変化を解析して、操作した機器1608が接続されている分岐回路を推定する。関連検知部1603は、操作した機器と推定された分岐回路との関連付けを行う。本処理の詳細については、図26を参照して後述する。
続いて、ステップS2002において、機器管理部1602のデータ管理部1701は、ステップS2001で操作対象とした機器が、既に機器情報600に登録されている機器(つまり機器管理部1602によって管理されている機器)であるか否かを判定する。操作対象の機器が登録されている機器でない場合には(ステップS2002でNO)、処理はステップS2003に進む。一方、操作対象の機器が既に登録されている機器である場合には(ステップS2002でYES)、処理はステップS2004に進む。ステップS2003では、操作対象の機器が新たに設置された新設機器であると考えられるため、機器新設処理が行われる。本処理の詳細については、図27を参照して後述する。
ステップS2004において、機器管理部1602の判定部1703は、操作対象の機器と関連付けされた分岐回路が、機器管理部1602の機器情報保存部204に保存されている機器情報600において、操作対象の機器と関連付けされている分岐回路と同一のものか否かを判定する。同一である場合には(ステップS2004でYES)、図25の処理は終了する。一方、異なる場合には(ステップS2004でNO)、処理はステップS2005に進む。ステップS2005では、操作対象の機器が移設されたものと考えられるため、移設確認処理が行われる。本処理の詳細については後述する。
ここで、計測ユニット106が計測する、分岐回路ごとの、単位時間あたりの消費電力のデータ列、および、電力データ管理部104が電力データ保存部404に保存するデータ列は、第1の実施の形態と同様である。
図26は、図25のステップS2001において関連検知部1603により行われる推定処理の詳細を示すフローチャートである。
まずステップS2101において、関連検知部1603の推定部1802は、操作要求部1805に、機器1608に対する所定の操作を要求する。例えば、推定部1802は、機器1608の起動を要求する。この要求された操作に応じて、機器1608は、動作する。
続いて、ステップS2102において、データ取得部301は、電力データ管理部104より、ステップS2101の操作の前後の所定の時間帯における、単位時間あたりの消費電力のデータ列を取得する。所定の時間帯とは、例えば、操作を行った時刻の10分前から、操作を行った時刻の20分後までの30分間の期間などである。この期間の長さは、ステップS2101にて行われた操作の種類(例えばエアコンのオン)によって決められてもよい。
また、所定の時間帯は、機器1608の種別によって決められてもよい。例えば洗濯機では、動作開始から所定時間(例えば10分間)は給水が行われるため、特徴ある消費電力のデータ列が得られない。そこで、機器1608が洗濯機の場合、動作開始の10分後から40分後までの30分間の期間としてもよい。このように、所定の時間帯は、消費電力として機器1608の特徴が得られる期間に決めればよい。本ステップS2102の処理は、計測ユニット106に接続されている全ての分岐回路107に対して行われる。
続いて、ステップS2103において、推定部1802は、電力データ保存部304から、ステップS2101で行われた操作に対応する消費電力のデータ列(電力データ)を読み出す。
続いて、ステップS2104において、推定部1802は、ステップS2102において取得された消費電力のデータ列と、ステップS2103で読み出された電力データとを比較する。ここで、機器1608は、電力データと類似度の高い消費電力のデータ列が計測された分岐回路に接続されていると推定される。
続いてステップS2105において、推定部1802は、ステップS2104で比較した結果、機器1608が接続されている分岐回路を推定可能か否かの判定を行う。推定部1802は、例えば、ステップS2102において取得されたデータ列と、ステップS2103で読み出された電力データとの類似度が、予め定められた閾値以上であれば、分岐回路を推定可能と判定する。分岐回路が推定可能と判定された場合は(ステップS2105でYES)、処理はステップS2106に進む。一方、分岐回路が推定可能ではないと判定された場合には(ステップS2105でNO)、処理はステップS2101に戻って、再度処理が繰り返される。このように、図26の処理は、分岐回路が推定される(ステップS2105でYES)まで、継続される。
処理がステップS2101に戻される場合、2回目のステップS2101において、関連検知部1603の推定部1802は、操作要求部1805に、最初のステップS2101で要求した操作と異なる操作を要求してもよい。例えば最初のステップS2101で機器1608の起動が要求された場合には、2回目のステップS2101で機器1608の動作停止が要求されてもよい。
ステップS2106において、推定部1802は、ステップS2101で操作された機器1608と、推定された分岐回路とを通知部303に引き渡す。通知部303は、引き渡された機器と分岐回路とを機器管理部1602の通知受付部202に通知する。
なお、ステップS2102において、データ取得部301は、電力データ管理部104より定期的に消費電力のデータ列を取得してもよい。ステップS2104において、推定部1802は、ステップS2102で定期的に取得された全体の消費電力のデータ列のうち、所定の範囲のデータ列と読み出された電力データとを比較してもよい。
図27は、図25のステップS2003の機器新設処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS2201において、機器管理部1602のデータ管理部1701は、通知受付部202が関連検知部1603から受け取った機器1608の情報を、機器情報保存部204の機器情報600(図6)に登録する。機器情報600に登録されるデータは、図6に示されるように、操作された機器1608の機種602と、機器1608が接続されていると推定された分岐回路を表す分岐番号601と、機器通信部1607を通じて取得された機器1608の情報(例えば機器の品番603)とを含む。
関連検知部1603は、機器通信部1607を通じて、さらに、機器1608のモデル名、機器IDなど、より詳細な情報を取得してもよい。関連検知部1603は、例えば、UPnPのDevice Architectureなどの既存の規格を使用することにより、詳細な情報を取得することが可能である。あるいは、機器情報管理システム1601と機器1608との間に通信規約を予め決めておき、その通信規約に従ってデータ通信を行うことによっても、関連検知部1603は、詳細な情報を取得することが可能である。本実施の形態においては、機器情報保存部204に保存される機器情報600は、機器1608を特定する機器IDを含んでもよい。
続いて、ステップS2202(判定ステップの一例)において、データ管理部1701は、機器情報保存部204に保存されている機器情報600を検索し、推定された分岐回路に関連付けられた機器が既に登録されているか否かを調べる。機器が登録されていない場合は(ステップS2202でNO)、新設機器の登録(ステップS2201)をもって、図27の機器新設処理は終了する。一方、機器が既に登録されている場合には(ステップS2202でYES)、処理はステップS2203に進む。図27の説明では、以下、この既に登録されている機器は「既存機器」と称される。
ステップS2203(判定ステップの一例)において、判定部1703は、ステップS2201で登録された新設の機器1608が、専用分岐回路を使用する機器か、又は共用分岐回路を使用する機器かを判定する。新設機器が専用分岐回路を使用する機器であれば(ステップS2203でYES)、処理はステップS2204に進む。一方、新設機器が共用分岐回路を使用する機器であれば(ステップS2203でNO)、処理はステップS2205に進む。
ステップS2204において、判定部1703は、既存機器が未接続の状態に更新されたと判定する。推定された新設の機器1608が専用分岐回路を使用する機器であるため、他に接続された機器は無いと考えられる。したがって、判定部203は、ユーザに問い合わせることなく、以前に接続されていた既存機器は新設機器に置き換えられたと判断することができる。
ステップS2205(判定ステップの一例)において、判定部1703は、機器通信部1607に依頼して、既存機器と通信可能であるか否かを調べる。既存機器と通信可能であれば(ステップS2205でYES)、処理はステップS2208に進む。一方、既存機器と通信不可能であれば(ステップS2205でNO)、処理はステップS2206に進む。
例えば既存機器が機器1608a,1608b、1608cであれば、機器インタフェース1609と接続されているので、通信可能と判定される。一方、例えば既存機器が機器1608dであれば、機器インタフェース1609と接続されていないので、通信不可能と判定される。
ステップS2206(送信ステップの一例)において、判定部1703は、ユーザ通信部105(送信部の一例)に、既存機器の存在をユーザに問い合わせるように依頼する。これは、既存機器が複数の機器で使用する共用分岐回路の機器であり、かつ、既存機器と通信不可能であるので、既存機器が継続して分岐回路に接続されているか否かを判定することが困難であるためである。
続いて、ステップS2207において、判定部1703は、ユーザ通信部105から受け取ったユーザの応答に従い、既存機器の更新の要否を判定する。すなわち、判定部1703は、ユーザから既存機器は継続して接続されているとの応答があれば、更新不要と判定する。一方、判定部1703は、ユーザから既存機器は取り外されたとの応答があれば、既存機器は未接続の状態に更新されたと判定する。ステップS2206、ステップS2207の処理は、第1の実施の形態で説明された図13のステップS1305、ステップS1306の処理と同様である。
ステップS2208では、機器管理部1602のデータ管理部1701は、既存機器に関する機器情報の更新を保留する。ステップS2209の処理が終了した後、引き続いて、図25に示した処理を既存機器に対して行うことにより、既存機器が接続されている分岐回路を推定して機器情報を更新するように、ステップS2208において、機器情報管理システム1601が設定される。
続いて、ステップS2209において、データ管理部1701は、判定部1703によりステップS2204、ステップS2207で行われた判定内容に従い、機器情報保存部204に保存されている既存機器に関する機器情報600を更新する。
なお、ステップS2204において、ステップS2205からステップS2208と同様の処理を行う構成であっても良い。
次に、図25のステップS2005の移設確認処理の詳細について説明する。ステップS2005の移設確認処理は、図14に示される第1の実施の形態におけるステップS1005の移設確認処理と同様の構成である。
なお、本第3の実施の形態においては、図14のステップS1204では、判定部1703は、機器通信部1607に依頼して、既存機器と通信可能であるか否かを調べてもよい。判定部1703は、既存機器と通信不可能であれば、既存機器は未接続の状態に更新されたと判定してもよい。判定部1703は、既存機器と通信可能であれば、既存機器に関する機器情報の更新を保留してもよい。さらに、ステップS1205の処理終了後に、引き続いて、図25に示した処理を既存機器に対して行うことにより、既存機器が接続されている分岐回路を推定して機器情報を更新するように、機器情報管理システム1601が設定されてもよい。
なお、図25に示した、本第3の実施の形態における機器情報管理システム1601の動作は、ユーザからの要求に従い実行する構成であっても良い。また、機器管理部1602が管理する機器1608に対して、定期的(例えば1日ごと)に行う構成であっても良い。また、機器1608が、機器情報管理システム1601からの要求があったときに実行する構成であっても良い。
以上、説明した本第3の実施の形態の機器情報管理システム1601により、機器1608の情報に応じて、必要な場合にのみユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認を行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
また、機器1608の種別(例えば専用分岐回路を使用する機器又は共用分岐回路を使用する機器)に応じて、ユーザへの確認の要否を適切に判断することにより、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
なお、計測ユニット106は、さらに、分岐回路107の電圧情報を機器情報管理システム1601に送信してもよい。機器情報管理システム1601の機器管理部1602は、さらに、分岐回路107の電圧情報を管理してもよい。機器管理部1602の判定部1703は、ステップS2203(図27)、ステップS1201(図14)において、まず、機器が接続された分岐回路107の電圧情報によって、分岐回路107が専用分岐回路であるか否かの判定を行ってもよい。判定部1703は、例えば分岐回路107の電圧が200Vであれば、分岐回路107が専用分岐回路であると判定してもよい。判定部1703は、分岐回路107の電圧情報から分岐回路107が専用分岐回路であるか否かを判定できなかった場合に、上述の判定を行う構成であっても良い。
この構成によれば、分岐回路107の電圧情報によって、必要な場合にのみユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認を行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
また、機器通信部1607は、さらに、機器インタフェース1609を介して機器1608が送信する機器1608の状態変化と、その状態変化が発生した発生日時との通知を受信して、受信した通知を機器管理部1602に引き渡してもよい。機器管理部1602の機器情報受信部1705は、さらに、状態変化と発生日時との通知を受け取って、受け取った通知をデータ管理部1701に引き渡してもよい。データ管理部1701は、受け取った状態変化と発生日時との通知を関連検知部1603に引き渡してもよい。関連検知部1603の推定部1802は、さらに、データ取得部301によって取得された分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力のデータ列から、受け取った機器1608の状態変化に起因する単位時間あたりの消費電力のデータ列の変化を検出することにより、機器1608が接続されている分岐回路を推定してもよい。単位時間あたりの消費電力のデータ列の変化の検出は、上述した方法と同様の処理で行うことが可能である。
ここで、機器1608の状態変化は、機器1608の起動、停止、冷房又は暖房などの運転モード変更、設定温度変更などの設定変更などのユーザの操作によるもの、および、気温などの環境によって機器1608自身の判定によるものを含む。なお、機器1608の状態変化の通知は、ECHONET Liteに定義されたもの又はUPnPのイベンティングを用いることによって実現可能である。また、機器1608から発生日時が通知されない場合には、機器インタフェース1609が状態変化を受信した日時、もしくは、機器通信部1607が状態変化を受信した日時を使用してもよい。この場合には、関連検知部1603の推定部1802は、解析する電力データの時間帯を大きくして、機器1608の状態変化の発生日時が解析の時間帯に含まれるようにすればよい。これによって、上記の処理が可能である。
(実施の形態4)
以下、本開示にかかる機器情報管理システムの第4の実施の形態について説明する。本第4の実施の形態においては、第3の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
図6に示されるように、機器管理部1602により管理される機器情報600は、検出日605を含む。検出日605は、関連検知部1603の推定部1802により、機器1608が接続されていると分岐回路107が推定された日付のうち現時点に最も近い日付を表す。すなわち、データ管理部1701は、図26のステップS2106において通知受付部202から操作された機器と推定された分岐回路とが通知されたとき、その日付を記憶する。データ管理部1701は、図25のステップS2003の機器新設処理、ステップS2005の移設確認処理、及び後述される図28のステップS2401の期間確認処理において、その日付を含む機器情報600を機器情報保存部204に保存する。
図28は、本第4の実施の形態における機器情報管理システム1601の処理を概略的に示すフローチャートである。図28のフローチャートは、図25に示された第3の実施の形態のフローチャートと、操作対象とされた機器が既に登録されている機器である場合に(ステップS2002でYES)、ステップS2004に先立ち、ステップS2401の期間確認処理が行われる点が異なる。
ステップS2401の期間確認処理は、図16に示された第2の実施の形態のステップS1009の期間確認処理と同様である。すなわち、ステップS2401の期間確認処理では、図17のフローチャートと同様の処理が行われる。
以上のように、関連検知部1603の推定部1802により推定された分岐回路に接続されている機器が所定の期間(本実施形態では3ヶ月)以上使用されていないと判定されている。そこで、本第4の実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様に、機器が暖房機器の場合には、安全な使用のための点検を行うことを促すメッセージをユーザ端末109に送信している。これによって、ユーザの利便性が向上するという効果が得られる。
なお、機器管理部1602は、さらに、推定された分岐回路と接続されている機器が連続して検出されている期間を管理してもよい。この期間が予め定められたしきい値を超えた場合に、ユーザ通信部105は、ユーザ端末109にメッセージを送信する構成であっても良い。この場合、図6に示されるように、機器管理部102により管理される機器情報600は、検出日605、前回検出日606、連続検出日数607を含む。
例えば、エアコンが1ヶ月以上連続して検出されている場合に、ユーザ通信部105は、図19に示されるような、フィルタのチェックを促すメッセージを送信する。また、この「連続」の判定部1703による判定は、検出された日が連続する場合のみ「連続」とみなす構成であっても良いし、連続していなくても、1日など特定の期間以下のみ空いていても「連続」とみなす構成であっても良い。
(実施の形態5)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る機器情報管理システムの第5の実施の形態について説明する。
図29は、本開示の第5の実施の形態に係る機器情報管理システムの構成を概略的に示すブロック図である。図29において、本第5の実施の形態の機器情報管理システム2501は、機器管理部2502、関連検知部2503、電力データ管理部104、ユーザ通信部105、機器操作部1606、機器通信部1607、サービス受付部2508を備える。機器情報管理システム2501は、例えば、CPUとメモリとを含む。なお、機器情報管理システム2501は、CPUに限られず、他のハードウェアを含んでもよい。
サービス提供サーバ2509は、機器1608の操作に関するサービスを提供する。なお、電力データ管理部104、ユーザ通信部105、機器通信部1607、機器1608、機器インタフェース1609、分岐回路107、計測ユニット106、ユーザ端末109は、図20に示した、第3の実施の形態におけるものと同様のものであるため、同じ符号を付与しており、以下、これらについての詳細な説明は省略する。また、機器操作部1606は、第3の実施の形態の機器操作部1606と比較して、操作要求を関連検知部2503からだけではなく、機器管理部2502からも受け付けることのみ異なる。
図30は、機器管理部2502の構成を概略的に示すブロック図である。機器管理部2502は、データ管理部2601、通知受付部202、判定部1703、機器情報保存部204、機器情報受信部1705、操作要求部2606、要求処理部2607を備える。このうち、通知受付部202、判定部1703、機器情報保存部204、機器情報受信部1705は、図21で示した第3の実施の形態における通知受付部202、判定部1703、機器情報保存部204、機器情報受信部1705と同様のものであるため、同じ符号を付与しており、以下、これらの詳細な説明は省略する。
データ管理部2601は、第3の実施の形態のデータ管理部1701と同様に、機器情報保存部204に保存された機器情報600(図6)を管理する。データ管理部2601は、通知受付部202から受け取った情報、および、判定部1703から受け取った判定内容、機器情報受信部1705から受け取った情報を基に、機器情報600を新規作成して機器情報保存部204に保存し、もしくは、機器情報保存部204に保存された機器情報600を更新する。
さらに、データ管理部2601は、要求処理部2607がサービス受付部2508から受け取った機器1608への操作要求を操作要求部2606に引き渡す。データ管理部2601は、操作要求部2606から機器1608の応答を受け取る。データ管理部2601は、受け取った機器1608の応答を、機器情報保存部204に保存するとともに、要求処理部2607に引き渡す。さらに、データ管理部2601は、上記のように行った機器1608の操作の内容と、その操作を行った日時とを、関連検知部2503の状態変化取得部2706(図31)に通知する。
操作要求部2606は、データ管理部2601から引き渡された操作要求に応じて、機器操作部1606に機器1608の操作を依頼する。操作要求部2606は、操作の結果を機器操作部1606より受け取る。操作要求部2606は、受け取った操作の結果をデータ管理部2601に引き渡す。
要求処理部2607は、サービス受付部2508からの要求により、データ管理部2601に機器1608の操作を依頼する。要求処理部2607は、操作の結果をデータ管理部2601より受け取る。要求処理部2607は、受け取った操作の結果をサービス受付部2508に引き渡す。
図31は、関連検知部2503の構成を概略的に示すブロック図である。関連検知部2503は、データ取得部301、推定部2702、通知部303、電力データ保存部304、操作要求部1805、状態変化取得部2706を備える。このうち、データ取得部301、通知部303、電力データ保存部304、操作要求部1805は、図22で示した第3の実施の形態におけるデータ取得部301、通知部303、電力データ保存部304、操作要求部1805と同様のものであるため、同じ符号を付与しており、以下、これらの詳細な説明は省略する。
推定部2702は、第3の実施の形態と同様の推定方法に加えて、状態変化取得部2706を通じて機器1608に施された操作の情報を取得する。また、推定部2702は、データ取得部301を用いて、取得した情報が示す機器1608の操作を含む前後の時間帯の、分岐回路ごとの単位時間あたりの消費電力のデータ列を取得する。また、推定部2702は、電力データ保存部304に保存されている、機器1608に施された操作で観測される電力データと取得したデータ列とを比較することにより、機器1608が接続されている分岐回路を推定し、推定できた場合には、操作が施された機器1608と推定された分岐回路とを通知部303に引き渡す。
電力データ保存部304には、図8、図9を参照して説明されたように、機器の機種801ごとに、及び操作/動作803ごとに、その操作/動作によって観測される単位時間あたりの消費電力のデータ列903が保存されている。以下、この消費電力のデータ列は電力データと称される。
また、状態変化取得部2706は、機器管理部2502のデータ管理部2601より、機器1608に施された操作の内容と、該操作が施された日時とを受け取る。状態変化取得部2706は、受け取った操作の内容及び日時を推定部2702に引き渡す。
図32は、サービス受付部2508の構成を概略的に示すブロック図である。サービス受付部2508は、サービス処理部2801、送信データ生成部2802、通信部2803、受信データ処理部2804を備える。
送信データ生成部2802は、サービス処理部2801からの依頼内容に基づき、サービス提供サーバ2509に送信するデータを生成する。受信データ処理部2804は、サービス提供サーバ2509から受信したデータを処理してメッセージを抽出する。受信データ処理部2804は、抽出したメッセージをサービス処理部2801に引き渡す。通信部2803は、サービス提供サーバ2509と通信する。通信部2803は、IPネットワークのネットワークインタフェースなどに相当する。
サービス処理部2801は、サービス提供サーバ2509への依頼内容を生成する。サービス処理部2801は、受信データ処理部2804から引き渡された、サービス提供サーバ2509からのメッセージを処理する。サービス処理部2801による処理には、サービス提供サーバ2509からのメッセージから機器1608への操作要求を抽出すること、抽出した操作要求を機器管理部2502に引き渡すこと、機器管理部2502から受け取った機器1608の操作の結果を抽出すること、抽出した操作の結果を送信データ生成部2802に引き渡すことが含まれる。
また、送信データ生成部2802によるサービス提供サーバ2509に送信するデータの生成には、機器1608に対して行った操作の結果を通知するデータを生成することが含まれる。また、サービス処理部2801は、サービス提供サーバ2509がユーザに提示するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を作成するものであっても良い。
サービス提供サーバ2509は、ユーザに対して機器1608の操作を行うためのユーザインタフェース、典型的には、GUIを提示する。サービス提供サーバ2509は、ユーザインタフェースを用いたユーザの機器1608に対する操作要求を受け取る。サービス提供サーバ2509は、サービス受付部2508に、ユーザが要求した機器1608の操作を依頼する。サービス提供サーバ2509は、操作の結果をサービ受付部2508から受け取る。サービス提供サーバ2509は、受け取った操作の結果をユーザインタフェースによりユーザに提示する。なお、サービス提供サーバ2509は、操作の結果の提示を行わない構成であっても良い。
サービス受付部2508とサービス提供サーバ2509との間の通信は、Hyper Text Markup Language(HTML)又はJavaScript(登録商標)を使用してWebブラウザ上にGUIを表示し、ユーザの入力を受けるとユーザの入力内容を送信することで実現できる。上記通信は、HTTPを用いて行われてもよい。あるいは、上記通信は、サービス受付部2508とサービス提供サーバ2509との間で独自に取り決めた方法を用いて行われてもよい。
以下、本第5の実施の形態における機器情報管理システム2501の動作について説明する。本第5の実施の形態における機器情報管理システム2501の動作は、図25のフローチャートで示された第3の実施の形態における機器情報管理システムの動作と、ステップS2001の動作のみ異なるものである。すなわち、第3の実施の形態のステップS2001(図25)において機器1608に対して行われる操作は、機器情報管理システム1601により行われていたのに対して、第5の実施の形態のステップS2001において機器1608に対して行われる操作は、ユーザにより行われる。以下、図33を参照しながら、本第5の実施の形態におけるステップS2001において関連検知部2503が行う処理について説明する。
図33は、図25のステップS2001において、第5の実施の形態の関連検知部2503が行う推定処理の詳細を示すフローチャートである。関連検知部2503では、まずステップS3101(第2取得ステップの一例)において、推定部2702(第2取得部の一例)は、状態変化取得部2706が機器管理部2502のデータ管理部2601から受け取った、機器1608に施された操作の内容と日時とを、状態変化取得部2706から取得する。
続いて、ステップS3102(第1取得ステップの一例)において、データ取得部301(第1取得部の一例)は、電力データ管理部104より、状態変化取得部2706が受け取った操作の日時の前後の所定の時間帯における、単位時間あたりの消費電力のデータ列を取得する。所定の時間帯とは、例えば、操作を行った時刻の10分前から、操作を行った時刻の20分後までの30分間の期間などである。この期間の長さは、ステップS3101にて引き渡された操作の種類によって決められてもよい。本処理は、計測ユニット106に接続されている全ての分岐回路107に対して行われる。
続いて、ステップS3103において、推定部2702は、電力データ保存部304から、ステップS3101にて取得された操作による状態変化に対応する消費電力のデータ列(電力データ)を読み出す。
続いて、ステップS3104(推定ステップの一例)において、推定部2702は、ステップS3102において取得されたデータ列と、ステップS3103で読み出された電力データとを比較する。ここで、機器1608は、電力データと類似度の高い消費電力のデータ列が計測された分岐回路に接続されていると推定される。
続いてステップS3105において、推定部2702は、ステップS3104で比較した結果、機器1608が接続されている分岐回路を推定可能か否かの判定を行う。推定部2702は、例えば、ステップS3102において取得されたデータ列と、ステップS3103で読み出された電力データとの類似度が、予め定められた閾値以上であれば、分岐回路を推定可能と判定する。分岐回路が推定可能と判定された場合は(ステップS3105でYES)、処理はステップS3106に進む。一方、分岐回路が推定可能ではないと判定された場合には(ステップS3105でNO)、処理はステップS3101に戻って、再度処理が繰り返される。このように、図33の処理は、分岐回路が推定される(ステップS3105でYES)まで、継続される。
ステップS3106において、推定部2702は、操作された機器1608と、推定された分岐回路とを通知部303に引き渡す。通知部303は、引き渡された機器1608と分岐回路とを、機器管理部2502の通知受付部202に通知する。
なお、ステップS3102において、データ取得部301は、電力データ管理部104より定期的に消費電力のデータ列を取得してもよい。ステップS3104において、推定部1802は、ステップS3102で定期的に取得された全体の消費電力のデータ列のうち、所定の範囲のデータ列と読み出された電力データとを比較してもよい。
以上、説明された本第5の実施の形態の機器情報管理システム2501により、機器1608の情報に応じて、必要な場合にのみユーザへの通知、もしくは、ユーザへの確認を行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
また、機器1608の種別(例えば専用分岐回路を使用する機器又は共用分岐回路を使用する機器)に応じて、ユーザへの確認の要否を適切に判断することにより、ユーザの利便性が向上するといった効果が得られる。
なお、機器通信部1607は、さらに、機器インタフェース1609を介して機器1608が送信する機器1608の状態変化と、その状態変化が発生した発生日時との通知を受信して、受信した通知を機器管理部2502に引き渡してもよい。機器管理部2502の機器情報受信部1705は、さらに、状態変化と発生日時との通知を受け取って、受け取った通知をデータ管理部2601に引き渡してもよい。データ管理部2601は、受け取った状態変化と発生日時との通知を関連検知部2503に引き渡してもよい。関連検知部2503の推定部2702は、受け取った状態変化と発生日時との通知を使用して、上記と同様の検知処理を行うことにより、機器1608が接続されている分岐回路を推定してもよい。
ここで、機器1608の状態変化は、機器1608の起動、停止、運転モード変更、設定変更などのユーザの操作によるもの、および、気温などの環境によって機器1608自身の判定によるものを含む。なお、機器1608の状態変化の通知は、ECHONET Liteに定義されたもの又はUPnPのイベンティングを用いることによって実現可能である。また、機器1608から発生日時が通知されない場合には、機器インタフェース1609が状態変化を受信した日時、もしくは、機器通信部1607が状態変化を受信した日時を使用してもよい。この場合には、関連検知部1603の推定部2702は、解析する電力データの時間帯を大きくして、機器1608の状態変化の発生日時が解析の時間帯に含まれるようにすればよい。これによって、上記の処理が可能である。
なお、第3の実施の形態で記載した変形例は、本第5の実施の形態においても提供可能である。
また、第4の実施の形態にて、第3の実施の形態に施した変化を、本第5の実施の形態に施すことも可能である。
(その他の変形例)
本開示を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下のような場合も、本開示に含まれる。
(1)上記の各システムを構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(2)上記の各システムを構成する構成要素の一部又は全部は、装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(3)本開示の機器情報管理システムは、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示の機器情報管理システムは、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD―ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示の機器情報管理システムは、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本開示の機器情報管理システムは、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(4)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。