JP2011018110A - 電力量管理システム及び家電機器変動報知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】家電機器と接続されている分岐ブレーカとの間に状態の変動が生じたであろうことを使用者に報知することによって、改めて家電機器と分岐ブレーカとの関連づけを確認させることができ、結果として省エネを促す啓発を効果的に行うことのできる電力量管理システム及び家電機器変動報知方法を提供する。
【解決手段】家電機器2と、家電機器2の実消費電力量を分岐ブレーカごとに測定する分電盤装置1と、分岐ブレーカごとの実消費電力量の変動を検出する検出装置3と、家電機器2、分電盤装置1、検出装置3と接続されるゲートウェイ装置4と、通信ネットワーク6に接続されゲートウェイ装置4を介して提供された情報を保存する管理センター5を備え、検出装置3は、分岐ブレーカごとの推定消費電力量と実消費電力量とを比較し、実消費電力量が推定消費電力量の範囲を超えた場合に分岐ブレーカに接続される家電機器2の変動を報知する。
【選択図】図9
【解決手段】家電機器2と、家電機器2の実消費電力量を分岐ブレーカごとに測定する分電盤装置1と、分岐ブレーカごとの実消費電力量の変動を検出する検出装置3と、家電機器2、分電盤装置1、検出装置3と接続されるゲートウェイ装置4と、通信ネットワーク6に接続されゲートウェイ装置4を介して提供された情報を保存する管理センター5を備え、検出装置3は、分岐ブレーカごとの推定消費電力量と実消費電力量とを比較し、実消費電力量が推定消費電力量の範囲を超えた場合に分岐ブレーカに接続される家電機器2の変動を報知する。
【選択図】図9
Description
本発明は、各家庭で使用される家電機器の電力量を管理するための電力量管理システム及び分岐ブレーカに接続される家電機器の変動を使用者に報知する家電機器変動報知方法に関する。
家庭内において省エネを実現するためにはその家に住む人(家人)の意識を啓発することが重要である。この啓発活動の手助けを行うものとして、従来より例えば、家人が家庭内で使用するエネルギー(電力消費量)をリアルタイムに計測し表示させる、といったシステムの開発が行われている。
以下の特許文献1では、住い手(家人)が利用している電気機器や主幹電力量だけでなく、他の家庭の電気機器や主幹電力量と比較を行うことができる発明(エネルギー管理システム)が開示されている。この発明により、住い手の省エネに対する啓発意識を継続することができ、結果的に省エネ効果を持続させることができる、とされる。
しかしながら、上記特許文献1に開示されているエネルギー管理システムでは、以下の点に配慮されていない。
すなわち、上述した家庭内で使用される電力消費量を家人(以下、この家人のことを「使用者」と表わす)に提示することで省エネの啓発を行う場合、その家庭内での電力消費量の総量を示すのでは不十分である。むしろ家電機器ごと、或いはその家電機器が設置されている部屋ごとの消費電力量が提示されると使用者に明確に消費電力量を示すことができるため、より啓発ができるものと思われる。
一般に家電機器はそれぞれ分電盤装置の分岐ブレーカに接続されているため、明確に区別するためにこの分岐ブレーカに家電機器の名称や部屋名、例えば「居間のエアコン」といったラベルを貼付することが多い。但し、上述した特許文献1では、どのようにして分岐ブレーカにラベルを貼付するのかまでは示されていない。
なお、このラベルの貼付に当たっては、分岐ブレーカごとにどのような家電機器が接続されているかを使用者に推定させる仕組み、方法がないわけではない。
しかし、例えば、部屋の模様替えに伴う家電機器の移設や新たな家電機器の増設といった、これまで分岐ブレーカに接続されていた家電機器の種類、内容に変化があった場合には、実状とラベルの表示とが乖離する可能性があった。このような乖離がそのままにされていると、例えば、故障等の異常が生じても発見が遅くなったり、適切なエネルギー管理ができなくなってしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、家電機器と接続されている分岐ブレーカとの間に状態の変動が生じた場合に、その状態が生じたであろうことを使用者に報知することによって、改めて家電機器、或いはその家電機器が接続される部屋と分岐ブレーカとの関連づけを確認させることができ、結果として省エネを促す啓発を効果的に行うことのできる電力量管理システム及び家電機器変動報知方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、電力量管理システムにおいて、通信機能を備える家電機器と、家電機器の実消費電力量を分岐ブレーカごとに測定する分電盤装置と、分岐ブレーカごとの実消費電力量の変動を検出する検出装置と、家電機器、分電盤装置、検出装置と接続され、家電機器、分電盤装置、或いは検出装置相互間、または通信ネットワークとの間の通信を仲介するゲートウェイ装置と、通信ネットワークに接続され、ゲートウェイ装置を介して提供された家電機器に関する情報を保存する管理センターを備え、検出装置は、分岐ブレーカごとの推定消費電力量と分岐ブレーカごとの実消費電力量とを比較し、実消費電力量が推定消費電力量の範囲を超えた場合には、家電機器の使用者に対して分岐ブレーカに接続される家電機器の変動を報知する。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、家電機器変動報知方法において、管理センターに記憶されている分岐ブレーカに接続される家電機器に関する情報を表わす登録家電機器情報テーブルと、登録家電機器情報テーブルに示される家電機器の消費電力量に関する情報を表わす家電種別消費電力量表を取得するステップと、家電機器の運転状態を把握するステップと、家電種別消費電力量表に基づいて、家電機器の運転状態における推定消費電力量を取得するステップと、登録家電機器情報テーブルに基づいて、家電機器が接続される分岐ブレーカの番号を取得するステップと、取得された番号が付与される分岐ブレーカに接続される家電機器以外の家電機器に関する推定消費電力量を取得するステップと、取得された各家電機器の推定消費電力量を合算して、分岐ブレーカごとの合算された推定消費電力量を算出するステップと、分岐ブレーカにおける実消費電力量を取得するステップと、実消費電力量と合算された推定消費電力量とを比較するステップと、実消費電力量が合算された推定消費電力量の範囲内あるか否かを判断するステップと、実消費電力量が合算された推定消費電力量の範囲外にある場合に、分岐ブレーカに接続される家電機器に変動が生じた旨を報知するステップとを備える。
本発明によれば、家電機器と接続されている分岐ブレーカとの間に状態の変動が生じた場合に、その状態が生じたであろうことを使用者に報知することによって、改めて家電機器、或いはその家電機器が接続される部屋と分岐ブレーカとの関連づけを確認させることができ、結果として省エネを促す啓発を効果的に行うことのできる電力量管理システム及び家電機器変動報知方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態における電力量管理システムSは、家Hにある分電盤装置1と、複数の家電機器2と、家電機器2の消費電力量を推定等する検出装置3と、この分電盤装置1、家電機器2、検出装置3とが接続されるゲートウェイ装置4と、分電盤装置1や家電機器2に関連する情報を記憶格納する管理センター5と、から構成される。ゲートウェイ装置4と、管理センター5とは通信ネットワーク6を介して互いに接続されている。
なお、図1においては、家電機器2がゲートウェイ装置4に1つしか接続されていないように描かれているが、これは図面上複数の家電機器2をまとめて表わしたものである。
図2は、分電盤装置1の内部構成を示すブロック図である。分電盤装置1は、分電盤装置1を構成する複数の分岐ブレーカからの情報を受信する受信手段1aと、分岐ブレーカを介して各家電機器の実際の消費電力量を測定する電力測定手段1bと、分電盤装置1の情報を記憶する記憶手段1cと、各家電機器の実消費電力量に関する情報をゲートウェイ装置4を介して検出装置3等に送出する送信手段1dと、から構成される。
分岐ブレーカは、例えば、家Hの部屋ごとに設けられており、また、接続される家電機器2の容量が大きい場合は、その家電機器2のために1つの分岐ブレーカが接続される。従って、電力測定手段1bが分岐ブレーカごとに実際に家電機器2が消費した消費電力量を計測することによって、分岐ブレーカごとの実消費電力量はもちろんのこと、(いずれかの部屋で)使用された家電機器をある程度把握することが可能となる。
電力測定手段1bは、分岐ブレーカごとに測定された実消費電力量を所定の時間おきに送信手段1d、ゲートウェイ装置4を介して管理センター5へと送信する。管理センター5へと送信される実消費電力量は、基本的に後述する記憶手段1cに記憶される直近に計測されたものを除く。但し、例えば、直近分、或いは、過去分といった管理センター5に送信する実消費電力量の種類については、任意に設定することができる。ここで、所定の時間とは、例えば1分おきであるが、設定者、或いは使用者が任意に設定することができる。また、検出装置3の要求に応じて分岐ブレーカごとに測定された実消費電力量を検出装置3へ送信する。
記憶手段1cには、電力測定手段1bにおいて計測された分岐ブレーカごとの消費電力量に関する情報を管理センター5へと送信するまでの間、一時的に記憶させておくことができる。従って、直近に計測された実消費電力量が記憶手段1cに記憶されることになり、後述するように、検出装置3からの要求に対してはこの記憶されている実消費電力量を電力測定手段1bを介して検出装置3へと送信する。
なお、ここでは、記憶手段1cには直近に計測された実消費電力量が記憶されるように記載したが、計測の前後を問わず全ての実消費電力量を管理センター5に送信して記憶させるように設定しても良い。
記憶手段1cには、併せて上述された分電盤装置1を識別するための情報が記憶されている。電力測定手段1bが管理センター5へと消費電力量を送信する際にこの識別情報も併せて送信する。これにより管理センター5においていずれの分電盤装置1から送信された情報であるかを把握することができる。
家電機器2は、例えば冷蔵庫、エアコン、ランドリー、照明装置、或いはテレビといった家H内、或いはその外部に設置される機器の総称である。その意味では、分電盤装置1も家電機器2に含まれるとも考えられるが、以下の説明においては分電盤装置1は家電機器2に含まれないものとする。
家電機器2は、外部機器との通信を可能にする通信装置を備えており、ゲートウェイ装置4と接続されて家電機器2に固有の情報や電源のON、OFF、運転開始、終了等の運転履歴情報といった情報をゲートウェイ装置4を介して管理センター5へと送信する。なお、ここで「固有の情報」には、例えば、家電機器2の種別(エアコンや冷蔵庫といった種別)、型番、家電機器2の設置場所に関する情報が含まれる。また、家電機器2は、ゲートウェイ装置4によってその運転が制御されるように設定されていても良い。
また、上述したように、図1に示す電力量管理システムSにおいては便宜上家電機器2はまとめて1つしか表わされていないが、家H内にいくつ設置されていても良い。但し、その全てがゲートウェイ装置4に接続されている。家電機器2は分電盤装置1と接続されており、各家電機器2が使用した電力量については上述した通り分岐ブレーカごとに消費電力量として測定される。また、図1においては家Hも1つ(1軒)しか表わされていないが、家Hについても通信ネットワーク6に何軒接続されていても良い。
なお、図1においては、分電盤装置1、家電機器2とゲートウェイ装置4との接続を示すラインが表わされているが、これは各機器間において情報を送信するためのラインであり、家電機器2ごとの消費電力量を測定するための分電盤装置1と家電機器2とを接続するラインは表わされていない。そのため、図1においては、家電機器2が接続される分岐ブレーカは表わされていない。
検出装置3は、分岐ブレーカに接続される各家電機器2の推定消費電力量を算出するとともに、分電盤装置1から取得する分岐ブレーカごとの実消費電力量とこの推定消費電力量を比較することによって、家電機器2の状態の変動を推定する。
図3は、検出装置3の内部構成を示すブロック図である。検出装置3は、分電盤装置1や管理センター5から送信される情報を受信する受信手段3aと、その受信した情報等を記憶する記憶手段3bと、記憶手段3b内の情報に基づいて家電機器2が接続される分岐ブレーカごとの推定消費電力量を算出する算出手段3cと、算出手段3cによって算出された推定消費電力量と分電盤装置1から取得した分岐ブレーカごとの実消費電力量とを比較する比較手段3dと、比較手段3dによって導き出された結果を基に分岐ブレーカに接続される家電機器2の変動の有無を判断する判断手段3eと、判断結果を家電機器2の使用者に報知するために判断結果を図示しない、例えば表示手段へと送出する送信手段3fとから構成される。
なお、この検出装置3の各手段の働きについては、推定消費電力量の算出や実消費電力量との比較の流れを説明する部分において併せて説明する。また、本発明の実施の形態においては、検出装置3を1つの装置として家H内に設けられた場合を例にとって説明を行う。
但し、検出装置3が独立した装置であることには拘らず、例えば、検出プログラムとして存在し、家H内に設置されてゲートウェイ装置4に接続されるパソコンのような情報端末、或いは、携帯電話のように使用者によって持ち運び可能な携帯情報端末のCPUに読み込まれて実行されることによって、検出システムが情報端末、或いは携帯情報端末に実装されて使用されても良い。また、ゲートウェイ装置4内に設けられていても良い。
ゲートウェイ装置4は、家Hに設置される全ての分電盤装置1及び家電機器2と接続され、分電盤装置1或いは、家電機器2から送出される各種情報を通信ネットワーク6を介して管理センター5へと送信する。すなわち、ゲートウェイ装置4は分電盤装置1、或いは家電機器2と通信ネットワーク6との間の通信を仲介する役割を果たす。また、検出装置3もゲートウェイ装置4に接続され、検出装置3が分電盤装置1または管理センター5から情報を取得する際にもこれらの機器の間の通信を仲介する役割を果たす。
さらに、ゲートウェイ装置4にも機器固有の情報があり、管理センター5へ各種情報を送信する際に併せて送信する。このことにより管理センター5ではいずれのゲートウェイ装置4から送信された情報であるかを把握することができる。また、例えば家電機器2から送信された情報にこのゲートウェイ装置4の固有情報を付加して記憶しておくことで、どの家H内に設置された家電機器2であるかをより簡便に把握することができる。
管理センター5は、上述したように分電盤装置1や家電機器2に関連する情報を記憶格納する。管理センター5の内部構成については特に説明しないが、内部に設けられた記憶手段に記憶格納されている情報としては、例えば、分電盤装置1や家電機器2の種別や型番、或いは、接続される分岐ブレーカの番号等の家H内に設置されるこれらの機器の属性に関する情報、または、家電機器2ごとの一般的な消費電力量に関する情報等を挙げることができる。また、分電盤装置1や家電機器2の動作履歴や各動作が行われた際の実際の消費電力量に関する情報等も記憶されている。
なお、以下の説明の便宜上、特に機器の属性に関する情報は、管理センター5の記憶手段内の「登録家電機器情報テーブル」に記憶されており、また、各家電機器2の一般的な消費電力量に関する情報は、「家電種別消費電力量表」に記憶されているものとする。
通信ネットワーク6は、インターネット通信網やLAN等、どのようなネットワークであっても構わない。本発明の実施の形態においては、図1に示すように管理センター5は、家Hの外部に設けられている通信ネットワーク6上に設けられているが、家H内に張り巡らされた通信ネットワーク6上に管理センター5が設けられていても良い。
次に、検出装置3が分岐ブレーカに接続される家電機器2の状態が変動したことを推定する流れについて、以下図4ないし図9を適宜用いながら説明する。また、上述したように検出装置3の内部に設けられた各手段の働きに関しても併せて説明する。
なお、以下の説明においては、各家電機器2は、それぞれ分岐ブレーカに接続され、家電機器2と接続される分岐ブレーカとの関係は既に明らかになっている、例えば、分岐ブレーカに接続される家電機器を表わすラベルが貼付されている状態を前提とする。すなわち、本発明はこのような状態から、様々な理由により家電機器2がこれまで接続されていた分岐ブレーカから別の分岐ブレーカに接続されたような場合(移設の場合)、或いは、新たな家電機器2が分岐ブレーカに接続された場合(新設の場合)に、分岐ブレーカに対する家電機器2の状態が変動したことを推定し、家電機器2の使用者に対して変動したであろうことを報知するものである。
図4は、検出装置3の状態の遷移を示す状態遷移図である。検出装置3は、通常待機状態にあるが、まず初期設定がなされ、その後、家電機器2の運転状態が変化した場合、或いは、予め決められた所定時間が到来した場合にそれぞれ定められた処理が行われる。
まず初期設定がなされる場面について説明する。この初期設定では、家電機器2が接続される各分岐ブレーカごとの推定消費電力量を算出することを目的としている。初期設定処理の流れは図5のフローチャートに示されている。初期設定は、例えば、検出装置3が起動されるたびに、或いは、例えば情報端末内のソフトが起動されるたびに行われる。本発明の実施の形態においては、上述したように家H内に検出装置3が設けられているので、検出装置3が起動された場合に初期設定が行われる(ST1)。
検出装置3が起動すると、ゲートウェイ装置4、通信ネットワーク6を介して管理センター5にアクセスする(ST2)。これは消費電力量を推定する際に必要となる基本的な情報を取得するためである。検出装置3は管理センター5へアクセスすると、管理センター5に記憶されている登録家電機器情報テーブル及び、この登録家電機器情報テーブルに記載されている家電機器に関する家電種別消費電力量表の2種類の情報を取得する(ST3)。
図6は、検出装置3が管理センター5から取得する登録家電機器情報テーブルの内容の一例を示す模式図である。登録家電機器情報テーブルは、例えば、「アドレス」、「種別」、「型番」、「分岐ブレーカ番号」といった項目が表形式で示される。図6に示すテーブルの最下欄には、「照明装置」について、「アドレス」が「1812」、「型番」が「ZZZ−015」、接続される「分岐ブレーカ番号」が「4」であると表わされている。「アドレス」は、各家電機器2ごとに割り当てられたものであり、例えば、家H内に設けられている宅内通信ネットワークを介して情報の通信を行う際に用いられる。なお、図6に示す登録家電機器情報テーブルは、あくまでも一例であり、テーブルに記憶される項目は任意に設定することができる。
「家電種別消費電力量表」は、各家電機器2の動作状態ごとに消費される電力量をまとめて表に表わしたものである。ここでの消費電力量は、あくまでもその家電機器が動作した際に消費されるであろう電力量を示しており、実際に該当する家電機器2が動作した際に消費される電力量ではない。従って、「家電種別消費電力量表」に記録されている各家電機器の消費電力量は、いわば計算上求められた消費電力量であるといえる。そのため、「家電種別消費電力量表」から取得される各家電機器2の消費電力量は、推定されるに過ぎない。従って、以下、「家電種別消費電力量表」を基に取得された各家電機器2の消費電力量を以下、「推定消費電力量」と表わす。
管理センター5から登録家電機器情報テーブル、家電種別消費電力量表を取得した検出装置3は、記憶手段3bに記憶させる(ST4)。
次に、検出装置3は、家H内に設置されている家電機器2の中からまずある特定の家電機器2に対して、その運転状態に関する情報(以下、適宜「状態情報」と表わす)を要求し、取得する(ST5)。その上で、判断手段3eは、記憶手段3bに記憶されている管理センター5から取得した「家電種別消費電力量表」を参照して、取得した状態情報に示されるその家電機器の運転状態における推定消費電力量を取得する(ST6)。
また、「家電種別消費電力量表」には家電機器2の消費電力量の上限値、下限値が記録されている。これは、家電機器の動作状態は常に一定であり、消費される電力量も一定である、ということはなく、同じ動作状態であってもある幅をもって電力が消費されることに基づく。そのため、「家電種別消費電力量表」には消費電力量の上限値、下限値が記録されており、検出装置3が取得する家電機器2の運転状態における推定消費電力量にも上限値、下限値が存在する。
さらに、今度は「登録家電機器情報テーブル」から消費電力量を取得した家電機器2が接続されている分岐ブレーカの番号を取得する(ST7)。これは、図6に示すテーブルの最右欄に記載されている「分岐ブレーカ番号」を参照する。分岐ブレーカ番号を取得するのは、推定消費電力量を取得した家電機器が接続されている分岐ブレーカに接続されている他の家電機器の推定消費電力量も取得するためである。
そこで、取得した分岐ブレーカ番号を基に、登録家電機器情報テーブルの中から同じ分岐ブレーカ番号を持つ家電機器2を特定する(ST8)。特定される家電機器2の数は、その分岐ブレーカに接続される全ての家電機器2の数から既に推定消費電力量が取得された家電機器を減じた数となる。この数は単数、或いは複数を問わないのは言うまでもない。そして、上述した手順により、特定された家電機器2それぞれの推定消費電力量を取得する(ST9)。
これにより、ある分岐ブレーカに接続される全ての家電機器2に関する推定消費電力量が取得されたことになる。そこで、これら全ての家電機器2に関する推定消費電力量を算出手段3cにおいて合算することで、この分岐ブレーカにおける推定消費電力量が算出される(ST10)。なお、上述したように、推定消費電力量は、各家電機器2の運転状態ごとにある幅をもって取得される。従って、運転状態によっては推定消費電力量の上限値、下限値が求められることになる。
家H内には、複数の分岐ブレーカが設けられており、それぞれの分岐ブレーカに家電機器2が接続されている。そこで、次に全ての分岐ブレーカに関する推定消費電力量が取得されたか否かについて、判断手段3eにおいて判断される。取得されていなければ上述したステップ5に戻って同様の手順で分岐ブレーカごとの推定消費電力量を算出する(ST11のNO)。
家H内の全ての分岐ブレーカに関する推定消費電力量が取得されると(ST11のYES)、これにより家H内における分岐ブレーカごとの推定消費電力量が取得されたことになる。この情報は、検出装置3の記憶手段3b内に記憶される。以上で初期設定処理が終了する。
図7は、記憶手段3b内に記憶された各分岐ブレーカごとの推定消費電力量を示すテーブルである。最左欄から最右欄に向けて、「ブレーカ番号」、「アドレス」、「機器種別」、「動作状態」、「電力量下限」、「電力量上限」、「分岐ブレーカ推定消費電力量」が表わされている。例えば、ブレーカ番号「1」には、「ランドリー」、「ドライヤー」、「照明装置」といった家電機器2が接続されている。なお、これら家電機器2の内容からすれば、ブレーカ番号「1」には洗濯室、或いは、浴室付近に設置される家電機器2が接続されていると推定できる。
また、ブレーカ番号「1」の「ランドリー」の「動作状態」は、「ON/乾燥モード」とされており、「(消費される)電力量の下限」は「25(W)」、「(消費される)電力量の上限」は「32(W)」である。これはランドリーの複数ある動作状態のうち、「乾燥状態(モード)」がONの状態にあることを示している。この場合、消費電力量は、下限が「25(W)」であり、上限が「32(W)」である。
ブレーカ番号「1」には、この「ランドリー」の他、「ドライヤー」、「照明装置」が接続されており、「ドライヤー」は、OFFであるので消費される電力量はない(ゼロである)。一方、「照明装置」はONの動作状態にあるが、その消費電力量は特に上下することがないため、下限値、上限値とも「2(W)」である。
ブレーカ番号「1」に接続される各家電機器2の動作状態がこのような状態にあるとき、分岐ブレーカ1の推定消費電力量は、下限値、上限値それぞれに分岐ブレーカ1に接続される家電機器2の推定消費電力量を合算すると、分岐ブレーカ1の推定消費電力量の下限は「27(W)」であり、上限は「34(W)」となる。なお、接続される各家電機器2の運転状態によってこの推定消費電力量の下限、上限が変化するのは上述した通りである。また、同様に、ブレーカ番号「2」の分岐ブレーカ2の推定消費電力量は、下限が「14(W)」であり、上限は「30(W)」である。
次に、家電機器2の運転状態に変化が生じた場合に、検出装置3の消費電力量の推定を行う流れについて、図8のフローチャートを基に説明する。
家電機器2の運転状態が変化したか否かは、検出装置3では把握できない。従って、家電機器2から運転状態が変更したことの情報(変化情報)を受信して初めて家電機器2の運転状態の変更を把握する(ST21)。但しここでは、単に運転状態が変更されたことのみを通知されるので、この通知を受信した判断手段3eは、改めて運転状態が変化した家電機器2に対して詳細な変化情報を要求し、その情報を取得する(ST22)。
詳細な変化情報を取得した判断手段3eは、記憶手段3b内に記憶されている家電種別消費電力量表を基に、変化情報に示される家電機器の運転状態における消費電力量を取得する(ST23)。その上で、改めてその家電機器2が接続されている分岐ブレーカの推定消費電力量を算出手段3cにて算出する(ST24)。
このように、家電機器2の動作状態が変化するたびに以上の処理を行うことによって、検出装置3は常に家電機器2の最新の運転状態を反映した分岐ブレーカの推定消費電力量を取得することができる。
各分岐ブレーカごとの推定消費電力量を取得した検出装置3は、予め定められた時間ごとに各分岐ブレーカに接続される家電機器2に変動がないか検出を行う。以下、この処理の流れについて、図9に示すフローチャートを基に説明する。
判断手段3e内には、図示しないタイマが設けられており、このタイマは、予め定められた所定の時間を計測する。これは所定時間ごとに検出装置3が各分岐ブレーカに接続される家電機器2に変動がないか検出を行うためである。なお、このタイマは、特に判断手段3eの内部に設けられていなくても良い。
判断手段3eは、タイマからの計時情報に基づいて、所定時間が経過したか否かを判断する(ST31)。所定時間が経過しない場合は、そのまま待機する。ただ、この間も上述したような推定消費電力量の算出は行われている。
所定の時間が経過した場合は(ST31のYES)、タイマをOFFにし、改めてタイマをONとして計時を開始させる(ST32)。これは、次の所定の時間を計測するためである。
タイマを再びONとした後、家電機器2に状態変化があるか否かをチェックする(ST33)。家電機器2の運転状態に変化があった直後は、推定消費電力量の比較の対象となる実消費電力量の変動幅が大きく、比較する情報としては不適格であるからである。そのため、直近に家電機器2の運転状態に変化があった場合には(ST33のYES)、一旦時間を置いて家電機器2が消費する電力量がある程度落ち着くまで待つ(ST34)。
所定の時間が経過すると(ST34のYES)、改めて家電機器2に状態の変化がないか確認して、ない場合に(ST33のNO)、分電盤装置1に対して該当の時間帯における各分岐ブレーカの実消費電力量に関する情報を要求する(ST35)。ここで「該当の時間帯」と表わしているのは、例えば、ステップ31で示した「経過した所定の時間」である。但し、ここで要求する実消費電力量は、推定消費電力量と比較されうる情報であれば足りるため、ここで示した時間帯に限定される訳ではない。
検出装置3から要求を受けた分電盤装置1は、電力測定手段1bにおいて測定された該当する時間帯における各分岐ブレーカごとの実消費電力量に関する情報を検出装置3へと送信する(ST36)。分電盤装置1では、逐次各分岐ブレーカに接続されている家電機器2の消費電力量に関する情報を取得しているので、その中から該当する情報を検出装置3へ送信する。
各分岐ブレーカごとの実消費電力量を取得した検出装置3は、比較手段3dにおいて、既に算出してある、各分岐ブレーカごとの推定消費電力量と比較する(ST37)。ここで、上述したように、推定消費電力量には下限値、上限値といった幅があるため、この幅の範囲内に実消費電力量が収まるか否か比較する(ST38)。
比較の結果、判断手段3eが、実消費電力量は推定消費電力量の範囲内に収まる、と判断した場合(ST38のYES)、その分岐ブレーカに接続される家電機器2の状態に変化はないと判断することができる。
換言すれば、ある幅をもつ推定消費電力量を超えて実消費電力量が計測されたということは、上限値を超えた場合、その分岐ブレーカに新たな家電機器2が接続されたのではないかと判断できる。一方、実消費電力量が推定消費電力量の下限値よりも低かった場合には、その分岐ブレーカに接続される家電機器2のいずれかが取り外されたか、或いは、故障のために運転されていないと判断することができる。
そこで、実消費電力量が推定消費電力量の範囲内に収まらなかったと判断された場合には(ST38のNO)、上述したように、分岐ブレーカに接続される家電機器2に何らかの状態変動が生じたと考えられるので、その旨、家電機器2の使用者に対して報知する(ST39)。
ここで、使用者に対する報知の方法は、どのような方法も採用することができる。例えば、検出装置3が音声によって報知する方法、或いは、検出装置3の判断手段3eにおいて報知信号を生成し、該当する家電機器2に対して送信してその家電機器2自身に報知させる方法等を挙げることができる。また、情報端末上において検出プログラムを起動させている場合には、例えば、使用者が消費電力量を確認する画面を開いた際に、分岐ブレーカに接続される家電機器2に何らかの状態変動が生じた旨のメッセージを出力して報知させる、或いは、画面上にメイン画面とは異なる小さなサブ画面を表示させてその旨を報知させる、といった方法を挙げることができる。
以上説明したように、家電機器と接続されている分岐ブレーカとの間に状態の変動が生じた場合に、その状態が生じたであろうことを使用者に報知することによって、改めて家電機器、或いはその家電機器が接続される部屋と分岐ブレーカとの関連づけを確認させることができ、結果として省エネを促す啓発を効果的に行うことのできる電力量管理システム及び家電機器変動報知方法を提供する。
なお、この発明は、上述実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、分岐ブレーカに接続される家電機器に何らかの状態変動が生じた場合に使用者に報知するだけではなく、変動後の各分岐ブレーカに接続される家電機器の構成を推定し、その推定情報も併せて使用者に報知することとしても良い。
また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 …分電盤装置
2 …家電機器
3 …検出装置
3a…受信手段
3b…記憶手段
3c…算出手段
3d…比較手段
3e…判断手段
3f…送信手段
4 …ゲートウェイ装置
5 …管理センター
6 …通信ネットワーク
H …家
S …電力量管理システム
2 …家電機器
3 …検出装置
3a…受信手段
3b…記憶手段
3c…算出手段
3d…比較手段
3e…判断手段
3f…送信手段
4 …ゲートウェイ装置
5 …管理センター
6 …通信ネットワーク
H …家
S …電力量管理システム
Claims (4)
- 通信機能を備える家電機器と、
前記家電機器の実消費電力量を分岐ブレーカごとに測定する分電盤装置と、
前記分岐ブレーカごとの実消費電力量の変動を検出する検出装置と、
前記家電機器、前記分電盤装置、前記検出装置と接続され、前記家電機器、前記分電盤装置、或いは前記検出装置相互間、または通信ネットワークとの間の通信を仲介するゲートウェイ装置と、
前記通信ネットワークに接続され、前記ゲートウェイ装置を介して提供された前記家電機器に関する情報を保存する管理センターを備え、
前記検出装置は、前記分岐ブレーカごとの推定消費電力量と前記分岐ブレーカごとの実消費電力量とを比較し、前記実消費電力量が前記推定消費電力量の範囲を超えた場合には、前記家電機器の使用者に対して前記分岐ブレーカに接続される前記家電機器の変動を報知することを特徴とする電力量管理システム。 - 前記検出装置は、
前記家電機器に関する情報や前記推定消費電力量に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段内の情報に基づいて前記家電機器が接続される前記分岐ブレーカごとの前記推定消費電力量を算出する算出手段と、
前記推定消費電力量と前記分電盤装置から取得した前記分岐ブレーカごとの前記実消費電力量とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって導き出された結果を基に前記分岐ブレーカに接続される前記家電機器の変動の有無を判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力量管理システム。 - 前記検出装置によって前記分岐ブレーカに接続される前記家電機器の変動が生じたと判断された場合、前記分電盤装置が測定した前記消費電力量に関する情報を保存する前記管理センターが変動後の新たな前記家電機器と前記分岐ブレーカとの接続関係を構築することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力量管理システム。
- 管理センターに記憶されている分岐ブレーカに接続される家電機器に関する情報を表わす登録家電機器情報テーブルと、前記登録家電機器情報テーブルに示される前記家電機器の消費電力量に関する情報を表わす家電種別消費電力量表を取得するステップと、
前記家電機器の運転状態を把握するステップと、
前記家電種別消費電力量表に基づいて、前記家電機器の運転状態における推定消費電力量を取得するステップと、
前記登録家電機器情報テーブルに基づいて、前記家電機器が接続される前記分岐ブレーカの番号を取得するステップと、
前記取得された番号が付与される分岐ブレーカに接続される前記家電機器以外の家電機器に関する推定消費電力量を取得するステップと、
取得された各家電機器の推定消費電力量を合算して、前記分岐ブレーカごとの合算された推定消費電力量を算出するステップと、
前記分岐ブレーカにおける実消費電力量を取得するステップと、
前記実消費電力量と前記合算された推定消費電力量とを比較するステップと、
前記実消費電力量が前記合算された推定消費電力量の範囲内にあるか否かを判断するステップと、
前記実消費電力量が前記合算された推定消費電力量の範囲外にある場合に、前記分岐ブレーカに接続される前記家電機器に変動が生じた旨を報知するステップと、
を備えることを特徴とする家電機器変動報知方法。
Priority Applications (1)
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JP2009160643A JP2011018110A (ja) | 2009-07-07 | 2009-07-07 | 電力量管理システム及び家電機器変動報知方法 |
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- 2009-07-07 JP JP2009160643A patent/JP2011018110A/ja active Pending
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