JP6616616B2 - 調湿システム - Google Patents

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Description

本発明は、調湿システムに関し、例えば、居室空間等の湿度調整に利用可能な調湿システムに関する。
従来、例えば住宅の居室空間内の内装壁等に調湿パネルが用いられている。このような調湿パネルは、例えば、居室空間の空気の湿度が高い場合、空気中に含まれる水分を吸収保持することができる。その後、居室空間の空気の湿度が低下した場合、調湿パネルは、自ら保持している水分を空気中に放出する。
特開2004−76494号公報
上記のような調湿パネルは、居室空間の空気中に含まれる水分量に応じて、水分の吸収及び放出が自然に行われる。このように、調湿パネルによる吸湿及び放湿は、居室空間の室内環境に依存した受動的なものであり、湿度を積極的に調節することが難しいという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、積極的に、居室空間等の湿度を調節することができる調湿システムを提供することを主たる目的としている。
本発明は、調湿システムであって、内部に調湿材が配されたチャンバーと、前記チャンバーに相対湿度の高い空気及び相対湿度の低い空気を選択的に供給するための切換可能な2つの空気取込口と、前記チャンバーを通過した空気を、室外又は居室空間に選択的に取り出すための切換可能な2つの空気取出口と、前記空気取込口及び前記空気取出口を切り換えるための制御手段とを含み、前記チャンバーは、チャンバー内部の空気と接触する内表面に配された前記調湿材からなる調湿層と、その背面側に隣接して配された断熱材からなる断熱層とを含み、前記制御手段は、前記相対湿度の高い空気である室外空気を、前記空気取込口の一方から前記チャンバーに供給し、かつ、前記調湿材に水分が吸収された前記室外空気を、前記空気取出口の一方から前記室外に取り出す第1空気流路と、前記相対湿度の低い空気である前記居室空間の空気を、前記空気取込口の他方から前記チャンバーに供給し、かつ、前記調湿材から水分が放出された前記居室空間の空気を、前記空気取出口の他方から前記居室空間に取り出す第2空気流路とを交互に設定することを特徴とする。
本発明に係る前記調湿システムにおいて、前記調湿層の厚さが2mm以下であるのが望ましい。
本発明に係る前記調湿システムにおいて、前記断熱材の熱抵抗値が0.050m2・k/W以上であるのが望ましい。
本発明の調湿システムは、相対湿度の高い空気をチャンバーに供給することにより、空気中に含まれる水分を調湿材に吸収保持させ、相対湿度が低い空気を、空気取出口から取り出すことができる。また、本発明の調湿システムは、相対湿度の低い空気をチャンバーに供給することにより、調湿材が保持している水分を空気中に放出させ、相対湿度が高い空気を、空気取出口から取り出すことができる。従って、本発明の調湿システムは、空気取出口から必要に応じて低湿又は高湿の空気を取り出して、例えば、居室空間等の換気空気として利用することができる。これにより、居室空間等の湿度調整等が可能となる。
チャンバーは、チャンバー内部の空気と接触する内表面に配された調湿材からなる調湿層と、その背面側に隣接して配された断熱材からなる断熱層とを含んでいる。これにより、本発明の調湿システムは、チャンバーの内表面側の熱容量を小さくできるため、チャンバー内部の空気の温度変化を防ぐことができる。一般に、空気の温度変化に伴って、空気の相対湿度も変化する。従って、本発明の調湿システムは、チャンバー内部に蓄えられた熱の影響による空気の相対湿度の変化を防ぐことができるため、チャンバーに相対湿度が高い空気、又は、相対湿度が低い空気が選択的に供給されることにより、調湿層への水分の吸収、及び、調湿層の水分の放出を、迅速に切り換えることができる。これにより、本発明の調湿システムは、居室空間等の湿度を効果的に調節することができる。
本実施形態の調湿システムが用いられる住宅の概念図である。 本実施形態のパネルの斜視図である。 図2のパネルの正面図である。 図3のA−A断面図である。 空気の相対湿度と、調湿層の平衡含水率との関係を示すグラフである。 本実施形態の調湿システムの第1空気流路を説明する概念図である。 本実施形態の調湿システムの第2空気流路を説明する概念図である。 空気の相対湿度と、調湿層の平衡含水率との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の調湿システムを説明する断面図である。 本発明の他の実施形態の調湿システムを説明する断面図である。 (a)は、比較例1のパネルを示す断面図、(b)は、比較例2のパネルを示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の調湿システムが用いられる住宅Bの概念図である。図2は、本実施形態のパネルの斜視図である。本実施形態の調湿システムは、例えば、居室空間L等の湿度調整に利用される。図1及び図2に示されるように、調湿システムは、内部に調湿材(図示省略)が配されたチャンバー5と、チャンバー5に空気を供給するための空気取込口13と、チャンバー5から空気を取り出すための空気取出口14とを含んで構成されている。本実施形態では、チャンバー5、空気取込口13、及び、空気取出口14が、例えば、建築用のパネル(以下、単に「パネル」ということがある)2に形成されている。
図1に示されるように、パネル2は、例えば、一般的な住宅やビル等の壁パネル、天井パネル、又は、床パネル等として用いられる。本実施形態のパネル2は、住宅Bの居室空間Lに配置される壁パネル2Aとして構成されている。また、本実施形態の壁パネル2Aは、複数の居室空間Lのうち、寝室Lsに設けられている。
図3は、図2のパネルの正面図である。図4は、図3のA−A断面図である。図4では、後述する第2取込ダンパー25を省略して表示している。
図2及び図3に示されるように、本実施形態のパネル2は、外周部に配された枠体3と、この枠体3の両側の面にそれぞれ配された面材4、4とを含んで構成されている。このパネル2の内部に、チャンバー5が形成されている。
枠体3は、上枠材3A、下枠材3B、及び、上枠材3Aと下枠材3Bとの間を上下に継ぐ一対の縦枠材3C、3Cを含んでいる。これにより、枠体3は、正面視において、矩形状に形成される。
図4に拡大して示されるように、上枠材3A及び下枠材3Bは、例えば、ウエブ3a、及び、ウエブ3aの両端から鍔状にのびる一対のフランジ3b、3bを含んで構成されている。これにより、上枠材3A及び下枠材3Bは、ウエブ3aと、一対のフランジ3b、3bとで形成された凹部3hを有する断面コ字状に形成される。図2に示されるように、一対の縦枠材3C、3Cは、例えば、断面矩形状に形成された木質材によって形成されている。
図4に示されるように、上枠材3Aの凹部3h及び下枠材3Bの凹部3hは、枠体3の内側を互いに向くように配置されている。一対の縦枠材3C、3Cの上端は、上枠材3Aの凹部3hの内部にそれぞれ固定されている。一対の縦枠材3C、3Cの下端は、下枠材3Bの凹部3hの内部にそれぞれ固定配置されている。
一対の面材4、4は、例えば、枠体3の両側の面を覆う大きさを有しており、例えば、正面視矩形の板状に形成されている。各面材4、4は、枠体3の両側の面に、例えばビス等の固着具によって固定される。一対の面材4、4には、居室空間Lに面して配される居室側面材4sが含まれている。この居室側面材4sの表面には、例えば壁紙等が配されている。また、本実施形態の一対の面材4、4は、例えば、石膏ボード等で形成されている。
図2及び図4に示されるように、チャンバー5は、枠体3及び一対の面材4、4によって囲まれた空間として構成されている。図2及び図3に示されるように、本実施形態のチャンバー5には、一対の縦枠材3C、3C間に、上枠材3Aと下枠材3Bとの間を上下にのびる少なくとも一つ、本実施形態では一つのスタッド6が設けられている。このようなスタッド6により、チャンバー5は、パネル幅方向の一方側S1に配置される第1チャンバー部5aと、パネル幅方向の他方側S2に配置される第2チャンバー部5bとに区分される。
図2に示されるように、本実施形態のスタッド6は、一対の縦枠材3C、3Cと同様に、例えば、断面矩形の木質材によって形成されている。スタッド6の上端は、上枠材3Aに固定されている。スタッド6の下端は、下枠材3Bに固定されている。このようなスタッド6により、パネル2の強度が高められる。
図2に示されるように、スタッド6には、第1チャンバー部5aと第2チャンバー部5bとの間を継ぐ連通部7が設けられている。本実施形態の連通部7は、例えば、パネル2の厚さ方向の一方側が、断面矩形状に切り欠かれることによって形成されている。このような連通部7により、第1チャンバー部5aと第2チャンバー部5bとが、パネル2の幅方向で連通されうる。本実施形態の連通部7は、スタッド6(パネル2)の下方側に設けられているが、このような態様に限定されることはなく、例えば、スタッド6(パネル2)の上方側に設けられてもよい。
チャンバー5は、第1チャンバー部5a、第2チャンバー部5b及び連通部7によって、パネル2の内部を、正面視略U字状にのびている。本実施形態では、第1チャンバー部5aの上方側を、チャンバー5の一端側としている。さらに、第2チャンバー部5bの上方側を、チャンバー5の他端側としている。
本実施形態のチャンバー5には、調湿層16、及び、調湿層16の背面側に隣接して配された断熱材17Mによって構成された断熱層17が設けられている。図4に示されるように、断熱層17は、各面材4、4の内面4iに、防湿層9を介して固着されている。
各面材4、4の内面に配されている調湿層16、16は、パネル2の厚さ方向において、互いに離間して配置されている。これにより、チャンバー5内の調湿層16、16間において、空気を通過させる隙間が形成される。
調湿層16は、空気中に含まれる水分量に応じて、水分の吸収(吸湿)、及び、水分の放出(放湿)を行う調湿機能を有するものである。調湿層16は、チャンバー5内部の空気と接触する内表面5sに配された調湿材(図示省略)によって構成されている。本実施形態の調湿材は、例えば、バインダー(図示省略)又は紙(図示省略)等に練り込まれ、断熱材17Mの内表面に配置されている。なお、調湿層16の調湿機能を効果的に発揮させるために、20〜95質量%の調湿材が、バインダー又は紙に含有されるのが望ましい。
調湿材(図示省略)としては、種々のものを適宜採用することができる。吸放湿性能を効果的に発揮させるために、調湿材としては、細孔径が2nm以下のものが採用されるのが望ましい。このような細孔径を有する調湿材としては、例えば、ゼオライト群、シリカゲル、又は、メソポーラスシリカ等が採用されうる。なお、調湿材には、高分子吸着材が採用されてもよい。さらに、これらの調湿材が組み合わされることにより、調湿層16が形成されてもよい。
バインダー(図示省略)としては、種々のものを適宜採用することができるが、例えば、湿気伝導率が0.010g/mhmmHg以上、好ましくは0.025g/mhmmHg以上のバインダーが採用されるのが望ましい。このようなバインダーは、空気と調湿材(図示省略)との間で、水分を円滑に通過させることができるため、調湿材の調湿機能を維持できる。なお、上記湿気伝導率を有するバインダーとしては、例えば、アクリルシリコン系バインダー樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、又は、エポキシ樹脂が採用されうる。また、調湿材が練りこまれる紙としては、例えば、ダンボール紙が採用されうる。
図5は、空気の相対湿度と、調湿層16の平衡含水率との関係を示すグラフである。このグラフで示される調湿層16は、概ね30〜70%RHの相対湿度域で、良好な吸放湿性能を有するものである。図5のグラフに示されるように、例えば、冬季において、低温の室外空気(小屋裏の空気)は、高温の居室空間の空気に比べて相対湿度が高い。相対湿度の高い室外空気(小屋裏の空気)は、相対湿度の低い居室空間の空気に比べて、調湿層16(図4に示す)の平衡含水率を高くすることができる。従って、調湿層16に効果的に吸湿させるためには、相対湿度の高い室外空気が、空気取込口13を介して、調湿層16が配されているチャンバー5(図4に示す)に供給されるのが望ましい。
他方、相対湿度の低い居室空間の空気は、相対湿度の高い室外空気(小屋裏の空気)に比べて、調湿層16(図4に示す)の平衡含水率を低くすることができる。従って、調湿層16に効果的に放湿させるためには、相対湿度の低い居室空間の空気が、空気取込口13を介して、調湿層16が配されているチャンバー5(図4に示す)に供給されるのが望ましい。これにより、相対湿度が高められたチャンバー5の空気を、空気取出口14から取り出して、居室空間L等の換気空気として利用することで、居室空間L等の湿度調整等が可能となる。
また、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、迅速に切り換えるためには、例えば、相対湿度が高い室外空気(小屋裏の空気)、及び、相対湿度が低い居室空間の空気が、空気取込口13を介して、チャンバー5に選択的に供給されるのが望ましい。さらに、冬季において、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、効果的に切り替えるには、調湿層16の平衡含水率が、相対湿度が20〜30%RHにおいて、含水率の変化が10%以上であるのが望ましい。
ところで、図4に示したチャンバー5の内表面5s側の熱容量が大きいと、内表面5s側で蓄えられた熱が、チャンバー5内の空気の温度を変化させる。このような温度変化は、チャンバー5内の空気の相対湿度を変化させる。このため、上記のように、相対湿度が高い室外空気(小屋裏の空気)、及び、相対湿度が低い居室空間の空気が選択的に供給されたとしても、チャンバー5内での相対湿度の変化によって、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、迅速に切り換えられないという問題がある。なお、チャンバー5の内表面5s側の熱容量が大きくなる一例としては、調湿層16の背面側に、熱抵抗が小さい面材4が隣接して配された場合である。
本実施形態では、調湿層16の背面側に、熱抵抗の大きい断熱材17Mが隣接して配されている。このため、チャンバー5の内表面5s側の熱容量を小さくできる。これにより、チャンバー5内の空気の温度変化を防ぐことができるため、チャンバー5内の空気の相対湿度の変化を防ぐことができる。従って、相対湿度が高い空気、及び、相対湿度が低い空気が、チャンバー5に選択的に供給されることにより、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、迅速に切り換えることができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、断熱材17Mの熱抵抗値は、0.050m2・k/W以上、さらに好ましくは0.200m2・k/W以上が望ましい。これにより、断熱層17は、チャンバー5の内表面5s側の熱容量を効果的に小さくできるとともに、居室空間Lの断熱性を高めることができる。また、断熱層17は、調湿層16の背面の全域に配置されるのが望ましい。断熱層17を構成する断熱材としては、例えば、ポリスチレン、ウレタン、又は、フェノールボード等が採用されうる。
なお、調湿層16の厚さT1(図4に示す)が大きいと、調湿層16の断熱層17側(即ち、チャンバー5の内表面5sと反対側)に配置された調湿材が、チャンバー5の内表面5sへの吸放湿(水分の厚さ方向の移動)に時間を要し、調湿層16に含まれる全ての調湿材を最大限に活用できないおそれがある。このため、調湿層16の厚さT1は、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1.8mm以下である。他方、調湿層16の厚さT1が小さいと、調湿材の含有量が小さくなり、調湿層16の水分の吸収量、及び、放出量が小さくなるおそれがある。このため、調湿層16の厚さT1は、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上である。
本実施形態の防湿層9は、シート状に形成され、面材4の内側の全域に配置されている。このような防湿層9は、居室空間Lの空気中に含まれる水分が、面材4を介して、パネル2の内部へ浸入するのを防ぐことができるため、パネル2の内部の結露を防ぐことができる。また、チャンバー5の空気中に含まれる水分が、面材4を介して、居室空間L側に浸入するのを防ぐことができる。このような作用を効果的に発揮させるために、防湿層9、9の透湿抵抗は、好ましくは170mhmmHg/g以上である。
図2及び図4に示されるように、空気取込口13は、チャンバー5に、空気を取り込むためのものである。本実施形態の空気取込口13は、チャンバー5の一端側(即ち、第1チャンバー部5aの上方側)に設けられている。空気取込口13は、枠体3に設けられた第1取込口13aと、面材4(本実施形態では、居室側面材4s)に設けられた第2取込口13bとを含んでいる。これらの第1取込口13a及び第2取込口13bは、パネル2の上下方向において、スタッド6の連通部7が設けられる方向(本実施形態では、パネル2の下方側)に対して、逆側(本実施形態では、パネル2の上方側)に設けられている。
図4に示されるように、本実施形態の第1取込口13aは、枠体3の上枠材3Aを、上下方向に貫通している。図2及び図3に示されるように、第1取込口13aは、スタッド6に対して一方側S1に配置されている。これにより、第1取込口13aと、チャンバー5(第1チャンバー部5a)とが連通されうる。図2に示されるように、本実施形態の第1取込口13aは、平面視において円形状に形成されているが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、第1取込口13aは、平面視において、矩形状や三角形状等に形成されてもよい。
本実施形態の第1取込口13aは、取込ダクト21の一端が接続されている。取込ダクト21は、例えば、その一端から他端まで連続する筒状に形成されている。図1に示されるように、取込ダクト21の他端は、住宅Bの小屋裏30に接続されている。このような取込ダクト21により、小屋裏30(図1に示す)と、図4に示したチャンバー5(第1チャンバー部5a)とが、第1取込口13aを介して連通されうる。図1及び図3に示されるように、本実施形態の取込ダクト21には、第1取込ダンパー22及びファン29が設けられている。
第1取込ダンパー22は、取込ダクト21の他端側を開閉するためのものである。例えば、第1取込ダンパー22が開かれることにより、図4に示されるように、小屋裏の空気(相対湿度が高い室外空気)Aoが、第1取込口13aを介して、チャンバー5に供給されうる。また、第1取込ダンパー22(図1に示す)が閉じられることにより、例えば、冬季の自然換気によって、居室空間の空気Aiが小屋裏30(図1に示す)へ流出するのを防ぐことができる。
図1に示されるように、ファン29は、小屋裏30側からチャンバー5側に向かって送風するためのものである。このようなファン29が運転されることにより、小屋裏30を負圧にして、図4に示されるように、小屋裏の空気(相対湿度が高い室外空気)Aoを、チャンバー5に積極的に供給できる。なお、図1に示した第1取込ダンパー22の開閉や、ファン29の制御(運転又は停止)は、例えば、制御手段や、居住者の操作によって実施されるのが望ましい。
図2及び図4に示されるように、本実施形態の第2取込口13bは、居室側面材4sの上方側において、面材4(居室側面材4s)、防湿層9、断熱層17及び調湿層16を、パネル2の厚さ方向に貫通している。図2及び図3に示されるように、第2取込口13bは、スタッド6に対して、一方側S1に設けられている。これにより、居室空間Lと、チャンバー5(第1チャンバー部5a)とが連通されうる。本実施形態の第2取込口13bは、正面視において、横長矩形状に形成されているが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、第2取込口13bは、正面視において、円形状や三角形状等に形成されてもよい。
本実施形態の第2取込口13bには、第2取込ダンパー25が設けられている。第2取込ダンパー25は、第2取込口13bを開閉するためのものである。例えば、第2取込ダンパー25が開かれることにより、図2及び図4に示されるように、相対湿度が低い居室空間の空気Aiが、第2取込口13bを介して、チャンバー5に供給されうる。また、第2取込ダンパー25が閉じられることにより、居室空間の空気Aiがチャンバー5に供給されるのを防ぐことができる。
第2取込口13bには、居室空間L側からチャンバー5側に向かって送風するファン(図示省略)が設けられるのが望ましい。第2取込ダンパー25が開かれた状態でファンが運転されることにより、居室空間の空気Aiを、チャンバー5に積極的に供給できる。なお、第2取込ダンパー25の開閉や、ファンの制御(運転又は停止)は、例えば、制御手段や、居住者の操作によって実施されるのが望ましい。
本実施形態の空気取込口13は、第1取込ダンパー22(図1に示す)が開かれ、かつ、取込ダクト21のファン29(図1に示す)が運転される場合、第2取込ダンパー25((図2に示す))が閉じられ、かつ、第2取込口13bのファン(図示省略)が停止される。これにより、小屋裏の空気(相対湿度が高い室外空気)Aoのみを、第1取込口13aを介して、チャンバー5に供給できる。
他方、本実施形態の空気取込口13は、第1取込ダンパー22(図1に示す)が閉じられ、かつ、取込ダクト21のファン29(図1に示す)が停止される場合、第2取込ダンパー25(図2に示す)が開かれ、かつ、第2取込口13bのファン(図示省略)が運転される。これにより、相対湿度が低い居室空間の空気Aiのみを、第2取込口13bを介して、チャンバー5に供給できる。
このように、本実施形態の空気取込口13は、相対湿度が高い空気(小屋裏の空気(室外空気))Ao、及び、相対湿度が低い空気(居室空間の空気)Aiを、チャンバー5に選択的に供給できる。
図2及び図3に示されるように、空気取出口14は、チャンバー5から空気Acを取り出すためのものである。本実施形態の空気取出口14は、チャンバー5の他端側(即ち、第2チャンバー部5bの上方側)に設けられている。空気取出口14は、枠体3に設けられた第1取出口14aと、面材4(本実施形態では、居室側面材4s)に設けられた第2取出口14bとを含んでいる。これらの第1取出口14a及び第2取出口14bは、第1取込口13a及び第2取込口13bと同様に、スタッド6の連通部7が設けられる方向(本実施形態では、パネル2の下方側)に対して、逆側(本実施形態では、パネル2の上方側)に設けられている。
本実施形態の第1取出口14aは、第1取込口13aと同様に、枠体3の上枠材3Aを、上下方向に貫通している。第1取出口14aは、スタッド6に対して、他方側S2に配置されている。これにより、第1取出口14aと、チャンバー5(第2チャンバー部5b)とが連通されうる。本実施形態の第1取出口14aは、第1取込口13aと同様に、平面視において円形状に形成されているが、このような態様に限定されるわけではない。
第1取出口14aは、取出ダクト23の一端が接続されている。取出ダクト23は、取込ダクト21と同様に、筒状に形成されている。取出ダクト23の他端は、住宅Bの小屋裏30(図1に示す)に接続されている。このような取出ダクト23により、図2に示したチャンバー5(第2チャンバー部5b)と小屋裏30とが、第1取出口14aを介して連通されうる。なお、取出ダクト23の他端は、住宅Bの屋外So(図1に示す)に接続されてもよい。
図1及び図3に示されるように、本実施形態の取出ダクト23には、第1取出ダンパー24が設けられている。第1取出ダンパー24は、取出ダクト23の他端側を開閉するためのものである。例えば、第1取出ダンパー24が開かれることにより、チャンバー5の空気Acが、第1取出口14aを介して、小屋裏30(図1に示す)に取り出される。また、第1取出ダンパー24が閉じられることにより、例えば、冬季の自然換気によって、居室空間の空気Aiが小屋裏30へ流出するのを防ぐことができる。第1取出ダンパー24の開閉は、例えば、制御手段や、居住者の操作によって実施されるのが望ましい。
図2及び図4に示されるように、本実施形態の第2取出口14bは、第2取込口13bと同様に、居室側面材4sの上方側において、面材4(本実施形態では、居室側面材4s)、防湿層9、断熱層17及び調湿層16を、パネル2の厚さ方向に貫通している。第2取出口14bは、スタッド6に対して、他方側S2に配置されている。これにより、居室空間Lと、チャンバー5(第2チャンバー部5b)とが連通されうる。本実施形態の第2取出口14bは、第2取込口13bと同様に、正面視において、横長矩形状に形成されているが、このような態様に限定されるわけではない。
第2取込口13bには、第2取出ダンパー26が設けられている。第2取出ダンパー26は、第2取出口14bを開閉するためのものである。例えば、第2取出ダンパー26が開かれることにより、チャンバー5の空気Acが、第2取出口14bを介して、居室空間Lに取り出される。また、第2取出ダンパー26が閉じられることにより、チャンバー5の空気Acが、居室空間Lに取り出されるのを防ぐことができる。第2取出ダンパー26の開閉は、例えば、制御手段や、居住者の操作によって実施されるのが望ましい。
本実施形態の空気取出口14は、第1取出ダンパー24が開かれた場合、第2取出ダンパー26が閉じられる。これにより、チャンバー5の空気Acを、第1取出口14aを介して、小屋裏30(図1に示す)のみに取り出すことができる。他方、第1取出ダンパー24が閉じられた場合、第2取出ダンパー26が開かれる。これにより、チャンバー5の空気Acを、第2取出口14bを介して、居室空間Lのみに取り出すことができる。
このように、本実施形態の空気取出口14は、チャンバー5の空気Acを、小屋裏30又は居室空間Lに選択的に取り出すことができる。
次に、本実施形態の調湿システムの作用について説明する。調湿システムは、第1空気流路、及び、第2空気流路を形成して、居室空間Lの湿度を調整する。図6は、本実施形態の調湿システムの第1空気流路15Aを説明する概念図である。
第1空気流路15Aは、調湿層16(図4に示す)に相対湿度の高い第1空気A1を供給して、調湿層16に吸湿させるためのものである。本実施形態の第1空気A1は、居室空間の空気Ai(図4に示す)よりも低温の小屋裏の空気(室外空気)Aoである。
本実施形態では、第1取込ダンパー22及び第1取出ダンパー24が開かれるとともに、第2取込ダンパー25及び第2取出ダンパー26が閉じられる。これにより、小屋裏30からパネル2の第1チャンバー部5a及び第2チャンバー部5bを経て、小屋裏30に至る第1空気流路15Aが設定される。
本実施形態の第1空気流路15Aは、その少なくとも一部が、チャンバー5の調湿層16、16(図4に示す)の隙間によって形成されている。また、本実施形態では、取込ダクト21のファン29が運転される。これにより、第1空気流路15Aは、小屋裏の空気(室外空気)Aoを、チャンバー5の調湿層16、16(図4に示す)に積極的に供給できる。
図5に示したように、冬季において、小屋裏の空気(室外空気)Aoは、居室空間Lの空気に比べて相対湿度が高い。このため、小屋裏の空気Ao中に含まれる水分が、調湿層16(図4に示す)に効果的に吸収されうる。このように、本実施形態の第1空気流路15Aは、相対湿度の高い第1空気A1(本実施形態では、小屋裏の空気(室外空気)Ao)を循環させることにより、調湿層16に効果的に吸湿させることができる。
しかも、本実施形態では、図4に示されるように、調湿層16の背面側に隣接して配された断熱層17により、チャンバー5の内表面5s側の熱容量を小さくできるため、チャンバー5内部の空気Acの温度変化(相対湿度の変化)を防ぐことができる。従って、本実施形態の第1空気流路15Aは、調湿層16に水分を迅速に吸収させることができる。
図6に示されるように、第1空気流路15Aを循環した相対湿度の低い空気Ac(本実施形態では、調湿層16に水分が吸収された小屋裏の空気(室外空気)Ao)は、第1取出口14a及び取出ダクト23を介して、小屋裏30に直接排出される。従って、本実施形態の第1空気流路15Aは、低温の小屋裏の空気(室外空気)Aoが居室空間Lに供給されないため、居室空間Lの温度低下、及び、相対湿度の低下を防ぐことができる。
図7は、本実施形態の調湿システムの第2空気流路15Bを説明する概念図である。第2空気流路15Bは、吸湿させた調湿層16(図4に示す)に、相対湿度の低い第2空気A2を供給し、相対湿度を高めた第3空気A3を得るためのものである。本実施形態の第2空気A2は、小屋裏の空気(室外空気)Ao(図6に示す)よりも高温の居室空間の空気Aiである。
本実施形態では、第2取込ダンパー25及び第2取出ダンパー26が開かれるとともに、第1取込ダンパー22及び第1取出ダンパー24が閉じられる。さらに、取込ダクト21のファン29が停止される。これにより、居室空間Lからパネル2の第1チャンバー部5a及び第2チャンバー部5bを経て、居室空間Lに至る第2空気流路15Bが設定される。
本実施形態の第2空気流路15Bは、その少なくとも一部が、チャンバー5の調湿層16、16(図4に示す)の隙間によって形成されている。また、本実施形態では、第2取込ダンパー25に設けられたファン(図示省略)が運転される。これにより、第2空気流路15Bは、高温の居室空間の空気Aiを、チャンバー5の調湿層16、16(図4に示す)に積極的に供給できる。
図5に示したように、冬季において、居室空間の空気Aiは、小屋裏の空気Aoに比べて相対湿度が低い。このため、調湿層16(図4に示す)に含まれる水分が、第2空気流路15Bを循環する居室空間の空気Ai中に、効果的に放出されうる。
しかも、本実施形態では、図4に示されるように、調湿層16の背面側に隣接して配された断熱層17により、チャンバー5の内表面5s側の熱容量を小さくできるため、チャンバー5内部の空気Acの温度変化(相対湿度の低下)を防ぐことができる。従って、本実施形態の第2空気流路15Bは、調湿層16の水分を迅速に放出させることができる。
図7に示されるように、本実施形態の第2空気流路15Bは、第1空気流路15A(図6に示す)によって吸湿させた調湿層16(図4に示す)を放湿させることができるため、相対湿度を高めた第3空気A3を得ることができる。相対湿度を高めた第3空気A3は、第2取出口14bを介して、居室空間Lに供給される。従って、本実施形態の第2空気流路15Bは、例えば、空気調和機等(図示省略)の空調(暖房)によって湿度が低下しがちな居室空間Lに、高湿の第3空気A3が供給されるため、居室空間Lを効果的に加湿できる。
このように、本実施形態の調湿システムは、調湿層16(図4に示す)に積極的に吸湿させる第1空気流路15A(図6に示す)と、相対湿度を高めた第3空気A3を得る第2空気流路15B(図7に示す)とによって、居室空間Lを加湿できる。従って、調湿システムは、居室空間Lの室内環境に依存することなく、居室空間Lの湿度を調節することできる。
本実施形態の調湿システムにおいて、図6に示した第1空気流路15Aは、居室空間Lに居住者が不在の時に設定されるのが望ましい。これにより、居室空間Lへの加湿を考慮することなく、調湿層16に集中して吸湿させることができる。さらに、図7に示した第2空気流路15Bは、居室空間Lに居住者が滞在している時に設定されるのが望ましい。これにより、調湿層16に蓄えられた水分を利用して、居室空間Lを集中して加湿できる。
このように、本実施形態の調湿システムは、居住者の生活リズムに合わせて、居室空間Lの湿度をコントロールできる。なお、本実施形態のパネル2は、寝室Lsに設けられているため、居住者の就寝時に生じがちな室内乾燥を、効果的に防ぐことができる。
第1空気流路15A及び第2空気流路15Bの切り替えは、住宅Bに設けられた制御手段(図示省略)や、居住者の操作等によって切り替えられるのが望ましい。また、居室空間Lの滞在の有無は、居室空間Lに設けられたセンサーや、予め定められたタイマーによって判断されるのが望ましい。
本実施形態の相対湿度の低い第2空気A2としては、居室空間の空気Aiが供給される態様が例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、第2空気A2は、居室の空気Aiよりも高温の空調された空気Awであってもよい。
図8は、空気の相対湿度と、調湿層の平衡含水率との関係を示すグラフである。図8に示されるように、高温の空調された空気は、図5に示した居室空間の空気Aiに比べて、相対湿度が低いため、調湿層16(図4に示す)の平衡含水率を低くできる。従って、調湿層16に効果的に放湿させるためには、相対湿度の低い高温の空調された空気が、調湿層16(図4に示す)に供給されるのが望ましい。
高温の空調された空気の供給は、例えば、図示しない空気調和機、及び、空気調和機に接続される空調ダクトが、空気取込口13(図6に示す)に接続されることにより、容易に実現できる。なお、この実施形態の空気取込口13は、小屋裏の空気(室外空気)Ao、及び、高温の空調された空気を、チャンバー5に選択的に供給可能に構成されるのが望ましい。
これまでの実施形態では、内部に調湿材(図示省略)が配された一つのチャンバー5を有する調湿システムが例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。調湿システムは、例えば、内部に調湿材が配された2つ以上、この実施形態では2つのチャンバー(第1チャンバー5A、及び、第2チャンバー5B)を有するものでもよい。図9及び図10は、本発明の他の実施形態の調湿システムを説明する断面図である。なお、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の各チャンバー5A、5Bは、筐体35、35の内部空間に形成されている。各チャンバー5A、5Bには、これまでの実施形態と同様に、調湿材(図示省略)から構成される調湿層16と、その背面側に隣接して配された断熱材17Mから構成される断熱層17とを含んでいる。
これにより、各チャンバー5A、5Bは、相対湿度の高い空気が供給されることにより、空気中に含まれる水分を調湿材に吸収保持させることができる。また、各チャンバー5A、5Bは、相対湿度の低い空気が供給されることにより、調湿材が保持している水分を空気中に放出させ、相対湿度が高い空気を得ることができる。
しかも、各チャンバー5A、5Bは、調湿層16の背面側に隣接して配された断熱層17により、各チャンバー5A、5Bの内表面5s(図4に示す)側の熱容量を小さくできる。このため、各チャンバー5A、5Bは、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、迅速に切り換えることができる。
調湿層16及び断熱層17は、筐体35の内面の少なくとも一部に配置されていればよい。なお、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を効果的に実施させるために、調湿層16及び断熱層17が、筐体35の内面の全域に配置されるのが望ましい。
各筐体35、35には、各チャンバー5A、5Bに空気を供給するための空気取込口13と、各チャンバー5A、5Bから空気を取り出すための空気取出口14とがそれぞれ設けられている。
空気取込口13は、相対湿度の高い空気(この実施形態では、小屋裏の空気Ao)及び相対湿度の低い空気(この実施形態では、居室空間の空気Ai)を選択的に供給するための第1ダクト31、31がそれぞれ接続されている。
図9に示されるように、第1ダクト31、31は、例えば、第1チャンバー5Aに小屋裏の空気Aoが供給される場合、第2チャンバー5Bに居室空間の空気Ai(又は、高温の空調された空気)が供給される。他方、図10に示されるように、第1ダクト31、31は、第1チャンバー5Aに居室空間の空気Ai(又は、高温の空調された空気)が供給される場合、第2チャンバー5Bに小屋裏の空気Aoが供給される。このような小屋裏の空気Ao及び居室空間の空気Ai(又は、高温の空調された空気)の供給の切り替えは、図示しないダンパーやファン等によって実現されうる。
空気取出口14は、各チャンバー5A、5Bの空気を、小屋裏30及び居室空間Lに選択的に取り出す第2ダクト32、32がそれぞれ接続されている。
図9に示されるように、第2ダクト32、32は、例えば、第1チャンバー5Aの空気が、小屋裏30に取り出される場合、第2チャンバー5Bの空気が、居室空間Lに取り出される。他方、図10に示されるように、第2ダクト32、32は、第1チャンバー5Aの空気が居室空間Lに取り出される場合、第2チャンバー5Bの空気が小屋裏30に取り出される。このような小屋裏30及び居室空間Lへの取り出しの切り替えは、図示しないダンパーやファン等によって実現されうる。
この実施形態の調湿システムは、これまでの実施形態の調湿システムと同様に、第1空気流路15A、及び、第2空気流路15Bを形成して、居室空間Lの湿度を調整する。第1空気流路15Aは、これまでの実施形態と同様に、調湿層16(図4に示す)に相対湿度の高い第1空気A1を供給して、調湿層16に吸湿させるためのものである。他方、第2空気流路15Bは、吸湿させた調湿層16(図4に示す)に、相対湿度の低い第2空気A2を供給し、相対湿度を高めた第3空気A3を得るためのものである。
図9に示されるように、第1チャンバー5Aには、相対湿度の高い第1空気A1(小屋裏の空気Ao)が、第1ダクト31を介して供給される。これにより、第1チャンバー5Aの調湿層16に水分wを吸収させることができる。さらに、第1チャンバー5Aの空気は、第2ダクト32を介して、小屋裏30に取り出される。これにより、小屋裏30から第1チャンバー5Aを経て、小屋裏30に至る第1空気流路15Aが設定される。このような第1空気流路15Aにより、居室空間Lの温度低下を防ぎつつ、第1チャンバー5Aの調湿層16に効果的に吸湿させることができる。
他方、第2チャンバー5Bには、相対湿度の低い第2空気A2(居室空間の空気Ai(又は、高温の空調された空気))が、第1ダクト31を介して供給される。これにより、第2チャンバー5Bの調湿層16に含まれる水分wを効果的に放出させることができるため、相対湿度を高めた第3空気A3を得ることができる。さらに、第2チャンバー5Bの空気(第3空気A3)は、第2ダクト32を介して、居室空間Lに取り出される。これにより、居室空間Lから第2チャンバー5Bを経て、居室空間Lに至る第2空気流路15Bが設定される。このような第2空気流路15Bにより、居室空間Lを効果的に加湿できる。
図10に示されるように、第1チャンバー5Aは、相対湿度の低い第2空気A2(居室空間の空気Ai(又は、高温の空調された空気))が供給され、かつ、第1チャンバー5Aの空気(第3空気A3)が、居室空間Lに取り出される。これにより、居室空間Lから第1チャンバー5Aを経て、居室空間Lに至る第2空気流路15Bが設定される。このような第2空気流路15Bにより、第1チャンバー5Aの調湿層16に含まれる水分wを効果的に放出させて、居室空間Lを効果的に加湿できる。
他方、第2チャンバー5Bは、相対湿度の高い第1空気A1(小屋裏の空気Ao)が供給され、かつ、第2チャンバー5Bの空気が、小屋裏30に取り出される。これにより、小屋裏30から第2チャンバー5Bを経て、小屋裏30に至る第1空気流路15Aが設定される。このような第1空気流路15Aにより、居室空間Lの温度低下を防ぎつつ、第2チャンバー5Bの調湿層16に効果的に吸湿させることができる。
このように、この実施形態の調湿システムでは、第1チャンバー5A及び第2チャンバー5Bにおいて、調湿層16への吸湿、及び、居室空間Lの加湿が同時に実施されうる。しかも、第1チャンバー5A及び第2チャンバー5Bでは、図9及び図10に示したように、第1空気流路15A及び第2空気流路15Bを交互に設定できるため、第1チャンバー5A又は第2チャンバー5Bの一方の調湿層16に、連続して吸湿させることができる。さらに、第1チャンバー5A又は第2チャンバー5Bの他方の調湿層16を連続的に放湿させて、居室空間Lを加湿することができる。従って、この実施形態の調湿システムは、常に、居室空間Lを加湿することができる。
この実施形態の調湿システムも、前実施形態の調湿システムと同様に、調湿層16の背面側に、熱抵抗の大きい断熱材17Mが隣接して配されているため、調湿層16への水分の吸収、及び、調湿層16が保持している水分の放出を、迅速に切り換えることができる。
この実施形態の調湿システムでは、第1チャンバー5A及び第2チャンバー5Bを含む2つのチャンバー5が用いられる態様が例示されたが、例えば、3つ以上のチャンバー(図示省略)を用いて、調湿層16への吸湿、及び、居室空間Lの加湿が交互に実施されてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2乃至図4に示した基本構造を有し、かつ、チャンバーの内表面に配される調湿層と、調湿層の背面側に隣接して配され、かつ、熱抵抗値がそれぞれ異なる断熱材とを有する調湿システムが、下記のシミュレーショソフトウェアを用いて、コンピュータにモデルとして入力された(実施例1〜実施例3)。
また、比較のために、図11(a)に示されるように、調湿層の背面側に隣接して面材が配された調湿システムが、コンピュータにモデルとして入力された(比較例1)。さらに、図11(b)に示されるように、調湿層の背面側に隣接して面材が配され、かつ、面材の背面側に隣接して断熱材が配された調湿システムが、コンピュータにモデルとして入力された(比較例2)。
そして、実施例1〜3及び比較例1〜2の調湿システムについて、低温で相対湿度の高い空気をチャンバーに供給して、チャンバー内が5℃かつ相対湿度が65%RHに安定した状態を初期条件として設定した。そして、調湿層に水分が十分に吸収された状態から、高温で相対湿度の低い空気をチャンバーに供給して、チャンバー内の相対湿度が、放湿に有効な25%RH以下となるまでの時間が計算され、それぞれ比較された。時間が短いほど、調湿層への水分の吸収、及び、調湿層が保持している水分の放出を、迅速に切り換え可能であることを示している。共通仕様は、次のとおりである。テスト結果を、表1に示す。
・シミュレーショソフトウェア:(株)建築環境ソリューションズ製の「非定常 熱・湿気計算システムH&M Ver.2.3.1」
・居室空間の温度:18℃
・チャンバーに供給される空気:
・空気の供給量:50m3/h
・相対湿度が高い空気:
・温度:5℃
・絶対湿度:3.5g/kg’
・相対湿度の低い空気:
・温度:35℃
・絶対湿度:3.5g/kg’
・パネル:
・面材:
・材料:石膏ボード(厚さ:12.5mm)
・熱抵抗値:0.057m2・k/W
・高さ:2400mm
・幅:100mm
Figure 0006616616
テストの結果、実施例1〜3の調湿システムは、比較例1及び比較例2の調湿システムに比べて、25%RH以下となるまでの時間を短くすることができた。また、実施例1〜3に示されるように、断熱材の熱抵抗値が大きくなるほど、25%RH以下となるまでの時間を短くすることができた。
5 チャンバー
13 空気取込口
14 空気取出口
16 調湿層
17 断熱層

Claims (3)

  1. 調湿システムであって、
    内部に調湿材が配されたチャンバーと、
    前記チャンバーに相対湿度の高い空気及び相対湿度の低い空気を選択的に供給するための切換可能な2つの空気取込口と、
    前記チャンバーを通過した空気を、室外又は居室空間に選択的に取り出すための切換可能な2つの空気取出口と
    前記空気取込口及び前記空気取出口を切り換えるための制御手段とを含み、
    前記チャンバーは、チャンバー内部の空気と接触する内表面に配された前記調湿材からなる調湿層と、その背面側に隣接して配された断熱材からなる断熱層とを含み、
    前記制御手段は、前記相対湿度の高い空気である室外空気を、前記空気取込口の一方から前記チャンバーに供給し、かつ、前記調湿材に水分が吸収された前記室外空気を、前記空気取出口の一方から前記室外に取り出す第1空気流路と、
    前記相対湿度の低い空気である前記居室空間の空気を、前記空気取込口の他方から前記チャンバーに供給し、かつ、前記調湿材から水分が放出された前記居室空間の空気を、前記空気取出口の他方から前記居室空間に取り出す第2空気流路とを交互に設定することを特徴とする調湿システム。
  2. 前記調湿層の厚さが2mm以下である請求項1記載の調湿システム。
  3. 前記断熱材の熱抵抗値が0.050m2・k/W以上である請求項1又は2記載の調湿システム。
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