JP6614230B2 - ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、微粒子を含む高温の気体用のダクトに関し、特に、前記微粒子が衝突することに起因するダクト内面の摩耗を効果的に抑制することができるダクトに関する。
土砂や鉱石などの固体粒子を含有するスラリーを流すための配管では、前記固体粒子が衝突することにより配管内面が摩耗することが一般的に知られている。
一方、気体を流すためのダクトでは、一般的には、上記のような摩耗は問題とならない。しかし、気体が高温であり、かつ粉塵(ダスト)などの微粒子を含んでいる場合には、ダクトの摩耗が問題となる場合がある。
その一例として、転炉からの排ガスを流すためのダクト(以下、「転炉排ガスダクト」という)が挙げられる。転炉とは、金属を精錬するために用いられる炉であり、製鉄所における鋼の精錬などに用いられる。鋼を精錬する場合、高炉で得られた銑鉄を転炉に入れた状態で転炉内へ酸素を吹きつけることにより、銑鉄中に含まれている炭素や不純物(ケイ素、リン、マンガン、硫黄など)が酸素と反応して除去される。その際、炭素と酸素が反応して生じた一酸化炭素を含む高温の排ガス(転炉排ガス、Oxygen converter Gas、OGとも呼ばれる)が発生する。
図1は、転炉および転炉排ガスダクトの構造の一例を示す模式図である。転炉1には、溶融状態の銑鉄2が収容されており、転炉1内へ、ランス3を通じて酸素が吹き込まれる。転炉1の上方にはスカート4およびフード5が設けられており、転炉1で発生した高温の転炉排ガスが回収される。フード5の先端には、斜め上方に延びるダクト6が接続されており、転炉排ガスは、ダクト6を通って集塵機7へと運ばれる。
転炉排ガスには、酸化鉄などの金属酸化物を主体とする微粒子が含まれており、該微粒子は集塵機7によって回収される。しかし、前記微粒子は、転炉1から集塵機7までの間、高速の気流に乗ってダクト6内を移動するため、微粒子が衝突することによってダクト6の内面が摩耗する。とくに、転炉排ガスは1000℃以上の高温であるため、ダクト6のエロージョンが促進される。その結果、長期間の使用によって、ダクト6の減肉が問題となる。また、ダクト6にはダクト冷却のための冷却水流路が設けられることがあり、そのような場合には、減肉によって冷却水が漏洩するおそれがある。
そこで、上記のようなダクトの摩耗を防止するために、転炉排ガスダクトの内面に、耐摩耗性や耐食性に優れる溶射皮膜を設けることが提案されている(特許文献1、2)。
特許第3834244号公報 特開平09−235663号公報
しかし、特許文献1、2に記載されているような溶射皮膜を設ける方法では、溶射を行うために時間や労力を要することに加え、高価な合金やサーメットなどを溶射材として使用するため、コストが増加する。また、溶射皮膜の厚さは通常数百μm〜1mm程度であり、溶射皮膜自体が摩耗して消失すると保護効果が失われてしまう。再度溶射皮膜を形成すれば再びダクトを保護することも可能であるが、そのためには該ダクトを含む設備の運転を休止する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微粒子の衝突による摩耗を極めて効果的に抑制できるとともに、長期間にわたって摩耗防止効果を維持することができ、さらに安価で生産性に優れるダクトを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.微粒子を含む高温の気体用のダクトであって、
前記ダクトの内面に、長手方向が前記ダクトの長手方向と垂直な方向となるように、該ダクトの長手方向に間隔をあけて配置された複数のリブを備えることを特徴とする、ダクト。
2.前記ダクトの断面が直径dの円形であり、
前記リブの前記ダクトの内面からの高さhが、0.005d以上、0.025d以下である、上記1に記載のダクト。
3.前記ダクトの断面が長方形または正方形であり、
前記リブが設けられているダクトの面と、前記面に対向する面との間の距離をdとしたとき、
前記リブの前記ダクトの内面からの高さhが、0.005d以上、0.025d以下である、上記1に記載のダクト。
4.前記リブが、前記ダクトの長手方向に間隔iで等間隔に配置されており、
前記iが、5h以下である、上記2または3に記載のダクト。
5.前記リブが、前記ダクトの長手方向長さの1/10以上の範囲にわたって設けられている、上記1〜4のいずれか一項に記載のダクト。
6.前記リブが板状部材である、上記1〜5のいずれか一項に記載のダクト。
7.前記気体が転炉からの排ガスである、上記1〜6のいずれか一項に記載のダクト。
本発明によれば、微粒子の衝突による摩耗を極めて効果的に抑制できるとともに、長期間にわたって摩耗防止効果を維持することができる。また、本発明のダクトは、安価で生産性に優れる。
転炉および転炉排ガスダクトの構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるダクトの構造を模式的に示す斜視図である。 図2に示したダクトの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるリブの断面形状を示す模式図である。 数値シミュレーションによって得られた、ダクト内におけるガス流速分布を表す図である。 図5の一部を拡大した図である。 数値シミュレーションでの流速観測点を示す図である。 h/dと、流速観測点での流速との関係を示すグラフである。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な一実施態様を示すものであり、本発明は、以下の説明によって何ら限定されるものではない。
本発明の一実施形態におけるダクトは、微粒子を含む高温の気体用のダクトであって、前記ダクトの内面に、長手方向が前記ダクトの長手方向と垂直な方向となるように、該ダクトの長手方向に間隔をあけて配置された複数のリブを備えることを特徴とする。
[ダクト]
本発明におけるダクトとしては、特に限定されることなく、微粒子を含む高温の気体を通すためのダクトであれば任意のものを用いることができる。前記ダクトの材質としては、金属、樹脂、セラミック、およびそれらの複合材料など、任意の材料を用いることができる。強度およびコストの観点からは、金属製のダクトを用いることが好ましい。
前記ダクトの形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。ダクトの長手方向(ダクト内で気体が流れる方向)に垂直な方向における該ダクトの断面(以下、単に「ダクトの断面」という)の形状についても特に限定されず、任意の形状とすることができるが、製造しやすさからは、円形または矩形(四角形)とすることが好ましい。なお、断面形状に凹凸や変形があっても、全体として円形または矩形として認識できるものについては「円形」および「矩形」に包含されるものとする。
前記ダクトの寸法は、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。例えば、転炉排ガスダクトとして用いる場合には、ダクトの断面を、1辺の長さが3〜5mの矩形とすることが好ましい。
[微粒子を含む高温の気体]
本発明のダクトは、特に限定されず、微粒子を含む高温の気体であれば任意の気体に適用することができる。微粒子を含む高温の気体の一例としては上述した転炉排ガスが挙げられるが、微粒子を含む高温の気体であれば、転炉排ガスと同様にダクトの摩耗の問題が存在し、本発明によってそれを解決できることは明らかである。微粒子を含む高温の気体の他の例としては、燃焼灰を含む火力発電用ボイラの排ガスなどが挙げられる。
なお、ここで「微粒子」とは、気流に乗ってダクト内を移動することができる粒子全般を指し、その粒径は特に限定されない。例えば、転炉排ガスの場合、含まれる微粒子の平均粒径は、1.0〜3.0μm程度、より具体的には、操業条件にもよるが1.2〜2.5μm程度である。また、微粒子の材質は特に限定されない。粒子の衝突によるエロージョンは、固体粒子に限らず、ミストなどの液滴によっても引き起こされることが知られており、本発明における微粒子は、固体微粒子、液体微粒子、およびそれらの混合粒子であってよい。例えば、転炉排ガスには、上述したように酸化鉄などの金属酸化物を主体とするダストが含まれている。
また、ここで「高温」とは、常温以上に加熱された状態を意味し、その温度は特に限定されないが、例えば、20℃以上とすることができる。温度が高いほど微粒子の衝突による摩耗が促進される傾向があるため、本発明は、気体の温度が高いほど有効である。したがって、気体温度は、100℃以上であってもよく、300℃以上であってもよく、さらに500℃以上であってもよい。1000℃以上であっても適用可能である。一方、気体温度の上限は特に限定されないが、一般的には2000℃以下であり、1800℃以下であってもよく、1600℃以下であってよく、500℃以下であってよく、100℃以下であってもよい。
なお、転炉排ガスダクトの場合、炭素鋼などの鋼材からなるダクトを用いることが一般的である。そして、炭素鋼の場合、450℃以上、特に500℃以上の高温雰囲気において、いわゆる高温酸化が顕著となる。高温酸化によって酸化したダクトの内面は、微粒子の衝突による摩耗を受けやすい状態となっているため、本発明を適用することによる効果が極めて大きい。
[リブ]
本発明のダクトは、その内面に、リブの長手方向が前記ダクトの長手方向と垂直な方向となるように、該ダクトの長手方向に間隔をあけて配置された複数のリブを備えることを特徴とする。このように、ダクトの長手方向と垂直な方向に延びた状態のリブを設けることにより、ダクトの内面付近における気体の流れが阻害され、局所的に流速が低下するので、微粒子の衝突に起因するダクト内面の摩耗を効果的に抑制することができる。このリブには、ダクト10に取り付けられる部位があり、所定の長さを有するものである。
図2は、本発明の一実施形態におけるダクト10の構造を模式的に示す斜視図である。また、図3は、図2に示したダクト10の構造を模式的に示す断面図である。ダクト10は、断面が正方形であり、その内面にリブ11を備えている。図中の矢印Aは、ダクト10の長手方向を示しており、この方向はダクト内を気体が流れる方向と同じである。リブ11は、ダクト10の長手方向と垂直な方向(矢印Bで示した方向)に延びるように、ダクト10の内面に取り付けられている。
図2に示した例では、ダクト10の4つの側面の内の1面のみにリブ11が形成されているが、リブ11は2つ以上の面に取り付けることもでき、すべての面に取り付けることもできる。ダクトの形状や、ダクト内の流速分布などにより、面によって摩耗の起こりやすさが異なることもあるため、必要に応じてリブを形成する面を選択することができる。
なお、以下の説明におけるリブの寸法や形状の好適条件については、少なくとも1つのリブが当該条件を満たすことが好ましいが、すべてのリブが当該条件を満たすことがより好ましい。
(リブの幅)
図2に示した例では、リブ11の幅WRは、リブ11が設けられているダクト10の面10aの幅WDと等しくなっている(WR=WD)であるが、WRは特に限定されず、任意の寸法とすることができる。しかし、流速を低下させる効果はリブの近傍において得られるため、WRが大きいほど広範囲で摩耗を防止することができる。したがって、ダクト10の幅WDに対するリブ11の幅WRの比(WR/WD)を、0.5以上とすることが好ましく、0.8以上とすることがより好ましく、1とすることがさらに好ましい。ここで「幅」とは、リブが取り付けられている面上における、ダクトの長手方向と垂直な方向における長さを指すものとする。
また、個々のリブ11の幅WRはそれぞれ異なっていてもよいが、すべてのリブの幅が上記条件を満たすことが好ましい。さらに、ダクト内面の摩耗が起こりやすい位置を中心に、リブ11を、いわゆる千鳥状に配置されることを含んで、適切な位置に配置しても良い。
ダクトの断面が円形である場合には、円周上の長さで表したリブの幅をWR、円周の長さをWDとしたとき、比(WR/WD)を、0.2以上とすることが好ましく、0.4以上とすることがより好ましく、0.6以上とすることがさらに好ましい。ダクトの断面が円形である場合も、ダクト内の流速分布などにより、場所によって摩耗の起こりやすさが異なることもあるため、ダクト内面の摩耗が起こりやすい位置を中心に、リブ11を適切な位置に配置しても良い。
(リブの厚さ)
上述したようにリブを設ければ、リブの厚さによらず流速低減効果が得られる。そのため、前記リブの厚さは特に限定されず、任意の厚さとすることができる。しかし、微粒子の衝突による減肉を考慮すると、リブの厚さを1.0mm以上とすることが好ましい。リブの厚さが1.0mm以上であれば、より長期間にわたって流速低減効果を得ることができる。なお、ここで「リブの厚さ」とは、ダクトの長手方向(ダクト内で気体が流れる方向)におけるリブの最大厚さを指すものとする。例えば、リブとして、一定の厚さを有する板状部材を用いる場合には、前記板状部材の厚さをリブの厚さとする。また、後述する図4(c)のように断面形状が三角形であるリブを用いる場合には、前記三角形の底辺の長さをリブの厚さとする。また、例えば、後述する図4(d)のように断面形状が円形であるリブを用いる場合には、前記円の直径をリブの厚さとする。
(リブ取り付け範囲)
図2、3に示した例では、リブ11は、ダクト10の長さ方向全体では無く、半分程度の範囲に形成されている。具体的には、図3に示したように、ダクト10の長さLDに対するリブ11が取り付けられている範囲の長さLRの比(LR/LD)が0.5とされている。流速を低下させる効果はリブの近傍において得られるため、広範囲で摩耗抑制効果を得るためには、リブ取り付け範囲を広くすることが望ましい。したがって、LR/LDは、0.1以上とすること、言い換えれば、前記リブが、前記ダクトの長手方向長さの1/10以上の範囲にわたって設けられていることが好ましい。LR/LDは、0.2以上とすることがより好ましく、0.5以上とすることがさらに好ましい。LR/LDの上限は特に限定されず、1とすることができる。しかし、ダクトの形状や、ダクト内における流速分布によっては、摩耗がほとんど発生しない部位が存在する場合もある。そのような場合には、施工費用を低減するために、摩耗が顕著に生じる部分にのみリブを形成する方が、費用対効果の面で望ましい。そのため、LR/LDは、場合によっては、0.8以下であってよく、0.6以下であってよく、0.5以下であってもよい。ここで「長さ」とは、ダクトの長手方向においてリブが配置されている範囲を指す。なお、リブ取り付け範囲は、ダクトの前半または後半に限られるものではなく、ダクトの全長の任意の位置であってよい。さらに、ダクトの長手方向の複数の場所に分散させて配置してもよい。その場合、リブが取り付けられている部分の長さの合計が、上記条件を満たすことが好ましい。
(リブの形状)
本発明におけるリブの形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。ダクトの内面にリブが設けられていれば、その形状によらず一定の摩耗抑制効果が得られる。図4は、本発明の一実施形態におけるリブ11の断面形状を示す模式図である。ここで、リブの「断面形状」とは、リブの長手方向(図2の矢印Bの方向)に垂直な断面の形状を指すものとする。
図2、3に示した例では板状のリブが用いられている。すなわち、リブ11の断面形状は、図4(a)に示すような長方形である。このとき、リブが取り付けられているダクトの面10aの表面(内表面)から、リブ11の先端までの高さを、リブの高さhとする。
リブの断面形状は、上記のような長方形に限定されず、任意の形状とすることができる。断面形状の例としては、例えば、図4(b)のような正方形、図4(c)のような三角形、図4(d)のような円形とすることもできる。何れの場合においても、リブが取り付けられているダクトの面10aの表面(内表面)から、リブ11の先端(ダクトの面から最も離れた部分)までの高さを、リブの高さhとする。
リブ11の高さhは、特に限定されないが、過度に大きい(高さが高い)と、ダクト内の気流の流れが阻害され、ダクト本来の機能が低下するおそれがある。また、リブが大型化することによる重量増加や施工費用の増加が問題となる場合もある。そのため、例えば、ダクトの断面が長方形または正方形である場合には、リブが設けられているダクトの面10aと、前記面に対向する面との間の距離をdとしたとき(図2を参照)、リブの高さhを、0.025d以下とすることが好ましい。また、ダクトの断面が円形である場合にも同様に、断面の直径をdとしたとき、リブの高さhを0.025d以下とすることが好ましい。また、同様の観点から、リブの高さの絶対値については、10cm以下とすることが好ましい。一方、リブの高さhの下限は、流速を落として摩耗を抑制する効果を十分に発揮させるという観点からは、ある程度の高さを有していることが望ましい。そのため、リブの高さhは、0.005d以上とする。また、同様の観点から、リブの高さの絶対値については、1cm以上とすることが好ましく、5cm以上とすることがより好ましい。
なお、施工しやすさなどを考慮すると、リブ11は、図3、図4(a)に示すような板材とすることが好ましい。また、その際、図4(a)では、板状のリブがダクトの内面に対して垂直に取り付けられているが、ダクトの上流側または下流側へ傾斜した状態でリブを取り付けることも許容される。その場合、板状リブとダクト内面とがなす角は、該リブのダクト下流側の角度θで、60°以上、120°以下とすることが好ましく、80°以上、100°以下とすることがより好ましい。施工しやすさの面では、90°(垂直)とすることが最も好ましい。
(リブの間隔)
リブの取り付け間隔は特に限定されないが、極端に間隔が広い場合、リブとリブとの間で発生する摩耗が十分に抑制できなくなるおそれがある。そのため、リブの間隔iはリブの高さhの5倍以下、すなわち、i≦5hとすることが好ましい。一方、リブの間隔を過度に小さくしても、摩耗抑制効果が飽和することに加え、施工が困難となるため、リブの間隔iは、20cm以上とすることが好ましく、30cm以上とすることが好ましく、40cm以上とすることが好ましい。なお、リブの間隔は、必ずしも一定である必要は無いが、施工の容易さや、広い面に対して摩耗抑制効果を均一に得るという観点からは、等間隔にリブを設けることが好ましい。
(リブの形成方法)
上記リブの形成方法は特に限定されず、任意の方法で形成することができる。例えば、ダクトの側面を構成する板状部材(パネル)の製造時に一体成形することもできる。また、リブを有さないダクトの内面に、板材や棒材などのリブ形成部材を接合してリブを形成することもできる。前記接合には、リブやダクトの材質に応じ、任意の方法を用いることができる。施工の容易さや接合強度の観点からは、リブを溶接で接合することが好ましい。さらに、施工を容易にするために、リブ11に台座や支持体などの施工用の部品を用いても良い。施工用の部品がある場合は、リブ11の高さhは前記部品を含む高さとする。
本発明によれば、上記のようにダクトの内面にリブを設けるのみでダクト内面の摩耗を効果的に抑制することができる。また、本発明のようにリブを設ける方法であれば、数百μm〜1mm程度の薄い溶射皮膜を用いる場合に比べてリブ自体の消耗がほとんど無視できるため、極めて長期にわたって摩耗抑制効果を保つことができる。さらに、本発明のダクトは、内面にリブを備えるのみの単純な構造であるため、安価で生産性にも優れている。
リブを設けることによる効果を確認するために、汎用熱流体解析ソフトウェア(ANSYS社製Fluent)を用いて、有限体積法に基づく数値シミュレーションを行った。前記シミュレーションにおいては、図2、3に示した構造のダクトをモデルとして使用した。ダクト10の断面は、4m×4mの正方形とした。また、リブ11は、高さhが10cm、厚さが10mmである普通鋼の薄板とし、ダクト10の長手方向における間隔i:40cmで、ダクトの1面にのみ、等間隔で設けた。なお、リブの効果を確認するために、図に示したように、ダクトの上流側半分にはリブを設けず、下流側半分にのみリブを設けた。ダクト10の全長は20mとした。
また、前記数値シミュレーションでは、高温の気体と、該気体に含まれる微粒子のパラメータを以下のとおりとした。
(気体)
・流量:195,000 (Nm3/hr)
・温度:1300℃
・組成:CO:65%、CO2:20%、N2:15%
(粒子)
・材質:鉄
・粒径:30μm、100μm、200μm
・量:φ30μm=1.0kg/s、
φ100μm=0.8kg/s、
φ200μm=0.6kg/s
図5は、上記モデルを用いた数値シミュレーションによって得られた、ダクト内のガス流速分布を表す図である。また、図6は、図5のうち、リブが設けられていない部分と、リブが設けられている部分との境界付近を拡大した図である。図5、6では、色が濃い部分ほど流速が早いことを意味する。なお、以下の数値シミュレーション結果の分析では、図5、6に示される流速分布のうち、図7に示されるダクト内面付近での流速観測点12での流速に着目した。
上記数値シミュレーションの結果、ダクト内を19m/s以上の流速で気体が流れるような条件であっても、リブが形成されている領域では、流速観測点12、すなわち、ダクト内面付近での気体の流速が1m/s程度まで低下することが確認できた。
また、上記数値シミュレーションにより、気体にのって移動する粒子の軌跡を求めたところ、上述した気体流速の低下にともなってダクト内面付近における粒子の移動速度が低下するとともに、ダクト内面への粒子の衝突が防止できていることが確認できた。
次に、気体流速の低下の効果と、リブ11の高さhの関係について考察する。リブが設けられているダクトの面10aと、前記面に対向する面との間の距離をdとする(図2を参照)。図8は、h/dの値を0(リブなし)から0.04まで変化させたときに、流速観測点12での流速の変化を示したグラフである。
図8に示した結果から分かるように、h/dが0.005以上であれば、リブがないとき(h/d=0)に比べて流速が十分に低下していることがわかる。一方、h/dが0.025を超える領域では、hをいくら大きくしても効果は向上しないことがわかった。よって、h/dは0.005以上0.025以下とすることが好ましい。
1 転炉
2 銑鉄
3 ランス
4 スカート
5 フード
6 ダクト
7 集塵機
10 ダクト
10a 面
11 リブ
12 流速観測点

Claims (4)

  1. 微粒子を含む高温の気体用のダクトであって、
    前記ダクトの内面に、長手方向が前記ダクトの長手方向と垂直な方向となるように、該ダクトの長手方向に間隔をあけて配置された複数のリブを備え、
    前記リブが板状部材であり、
    前記リブが、前記ダクトの長手方向に間隔iで等間隔に配置されており、前記リブの前記ダクトの内面からの高さをhとしたとき、前記iが5h以下であり、
    前記ダクトの長手方向長さL D に対する、前記ダクトの長手方向における前記リブが取り付けられている範囲の長さL R の比(L R /L D )が0.5以上であり、
    前記ダクトの断面が円形または矩形であり、
    前記断面が円形である場合、該断面の円周の長さをWD、該円周上の長さで表した前記リブの幅をWRとしたとき、WDに対するWRの比(WR/WD)が0.6以上であり、
    前記断面が矩形である場合、前記リブが前記ダクトの内面のうち2以上の面に設けられている、ダクト。
  2. 前記ダクトの断面が直径dの円形であり、
    前記リブの前記ダクトの内面からの高さhが、0.005d以上、0.025d以下である、請求項1に記載のダクト。
  3. 前記ダクトの断面が長方形または正方形であり、
    前記リブが設けられているダクトの面と、前記面に対向する面との間の距離をdとしたとき、
    前記リブの前記ダクトの内面からの高さhが、0.005d以上、0.025d以下である、請求項1に記載のダクト。
  4. 前記気体が転炉からの排ガスである、請求項1〜のいずれか一項に記載のダクト。
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