JP5949653B2 - 固体還元剤の吹き込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体還元剤の吹き込み方法に関する。
近年、高炉におけるコークスの消費を抑えるために、微粉炭を用いた高炉の操業方法が実用化されている。微粉炭を用いた高炉の操業方法では、熱風を高炉内に供給するブローパイプを介して、微粉炭が熱風と共に高炉内へ供給される。このブローパイプには、ブローパイプ内に吹き込むための吹き込み用ランスが設けられ、微粉炭がブローパイプ内を流れる熱風に吹き込まれる構成である。
この微粉炭は、ブローパイプ内および高炉内のレースウェイと呼ばれる燃焼空間で燃焼されることにより、コークスの代替として機能する。しかしながら、高炉内のレースウェイには多量のコークスが存在するので、ブローパイプから吹き込まれた熱風中の酸素濃度は急激に減少する。しかも、ブローパイプ内のガス流速は一般に200m/秒という極めて高速なので、吹き込まれた微粉炭が熱風中の酸素と反応可能な時間(すなわち微粉炭の燃焼可能な時間)は極めて短く、20マイクロ秒程度といわれている。よって、微粉炭をコークスの代替として有効活用するためには、この短時間で微粉炭が燃焼される必要がある。しかしながら、微粉炭の吹き込み量を増していくと、微粉炭の燃焼率が低下して、レースウェイに至るまでに微粉炭が燃焼しきれずに、未燃焼の未燃チャーとして高炉内に残留する。
この未燃チャーは、ソルーションロス反応により高炉内で消費される分もあるが、高炉内消費量には限界値が存在するので、消費限界値以上に未燃チャーが発生すると、炉況不安定や生産性低下の原因となる。具体的には、限界値以上の未燃チャーの発生は、未燃チャーがダストとして炉頂から排出されて燃料比の上昇を招き、更には、未燃チャーが炉芯や溶融帯に蓄積すると、炉芯または溶融帯の通気性および通液性を阻害することになる。
そこで、微粉炭の燃焼効率を向上させる方法が多数提案されている。例えば、特許文献1には、微粉炭と共に酸素または酸素富化空気を吹き込み、これらを効率よく接触させることで微粉炭の燃焼率を向上させる方法が記載されている。また、特許文献2には、微粉炭と共に燃焼用ガスを吹き込み、これらを効率よく接触させることで微粉炭の燃焼率を向上させる方法が記載されている。特許文献3には、微粉炭吹き込み用ランスを複数用意し、ブローパイプの上流側から粒子径の小さい微粉炭を吹き込むことで下流から吹き込んだ微粉炭を昇温して燃焼率を向上させる方法が記載されている。特許文献4には、微粉炭を大粒子径と小粒子径に分離し、二重管ランスの中心から大粒子径微粉炭を吹き込み、二重管ランスの周辺部から小粒子径微粉炭を吹き込むことで、小粒子径微粉炭の燃焼膨張を用いて微粉炭の分散を促進して燃焼率を向上させる方法が記載されている。
特開2009−97051号公報 特開2006−241526号公報 特開平10−226806号公報 特開平8−333608号公報
ところで、微粉炭のような粉状物質の燃焼挙動は粒子径によって大きく異なる。つまり、粉状物質では、粒子径が小さいほど燃焼し易く、粒子径が大きいほど燃焼し難い。また、小粒子径の粉状物質の燃焼が大粒子径の粉状物質の燃焼よりも進んでしまうと、小粒子径の粉状物質の燃焼による酸素の消費が大粒子径の微粉炭の燃焼を阻害することから、ますます大粒子径の粉状物質が燃焼し難くなる。したがって、大粒子径の微粉炭ほど未燃チャーとして燃え残ってしまう傾向がある。そこで、未燃チャーの発生を抑制するためには、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させる必要がある。
しかしながら、従来の微粉炭の燃焼効率を向上させる方法では、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させる方法は存在していなかった。例えば、特許文献1および特許文献2に記載の方法は、微粉炭の粒子径による燃焼挙動の違いを考慮していないので、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させることができない。また、特許文献3および特許文献4に記載の方法は、むしろ小粒子径の微粉炭を大粒子径の微粉炭よりも早く燃焼させる方法である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、小粒子径の固体還元剤よりも大粒子径の固体還元剤の燃焼を強く促進させる固体還元剤の吹き込み方法を提供する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の固体還元剤の吹き込み方法は、高炉の羽口に接続されたブローパイプに設けられた複数のランスを介して粉状の固体還元剤を前記高炉内に吹き込む固体還元剤の吹き込み方法であって、前記ブローパイプの主流ガスの上流側に設けられた第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径は、前記ブローパイプの主流ガスの下流側に設けられた第2のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする。
本発明にかかる固体還元剤の吹き込み方法は、小粒子径の固体還元剤よりも大粒子径の固体還元剤の燃焼を強く促進させるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法を適用する高炉の例を示す概略構成図である。 図2は、羽口の近傍のブローパイプの断面模式図である。 図3は、一次ランスからブローパイプ内に吹き込まれた大粒子径微粉炭の粒子軌道を示した模式図である。 図4は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法の第1の実施例を示すブローパイプの概略構成図である。 図5は、一次ランスから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道を示すグラフである。 図6は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法の第2の実施例を示すブローパイプの概略構成図である。 図7は、一次ランスから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道を示すグラフである。 図8は、本発明の効果を示す粒子径が100μmの微粉炭の燃焼量のグラフである。
以下に、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。以下に説明する本発明の実施形態では、粉状の固体還元剤の例として微粉炭の例を用いるが、本発明の実施はこれらの例に限られず、粉状の固体還元剤の一般に適用され得る。
図1は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法を適用する高炉の例を示す概略構成図である。図1に示されるように、高炉1は、高炉1の最頂部(炉頂)から鉄鉱石2とコークス3とを交互に層を成すように装入し、高炉1の下部に設けられた羽口4から熱風を送入することにより、コークス3を燃焼させる構成の炉である。
高炉1の内部において、交互に層を成すように装入された鉄鉱石2およびコークス3は、ゆっくりと下降しながら反応し、高炉1の炉底部に銑鉄5とスラグ6とに分離される。この高炉1の内部において、特徴的な領域が溶融帯7および炉心8である。溶融帯7とは、鉄鉱石2が半分溶けた状態で互いに融着しあった状態となる領域であり、炉心8は、コークス3が長期間静止した状態となる領域である。これら溶融帯7および炉心8は、高炉1の反応において重要な役割を果たし、この溶融帯7および炉心8に先述の未燃チャーが蓄積してしまうと炉況不安定および生産性低下の原因となる。
羽口4は、ブローパイプ9から送入される熱風を高炉1の内部へ導く送入口である。ブローパイプ9の途中には、吹き込み用ランス10が設けられ、吹き込み用ランス10により、熱風中に微粉炭が投入される。また、高炉1の内部における羽口4の接続領域は、レースウェイ11と呼ばれる燃焼空間である。
図2は、羽口4の近傍のブローパイプ9の断面模式図である。図2に示されるように、本発明の実施形態にかかる吹き込み用ランスは、一次ランス10aと二次ランス10bとを有する。一次ランス10aおよび二次ランス10bは、羽口4に連接されたブローパイプ9の周壁を斜めに貫通させて設けられている。
一次ランス10aおよび二次ランス10bは、粉状の固体還元剤として微粉炭を搬送気体に載せてブローパイプ9内に吹き込むためのランスである。ここでは、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子径は、二次ランス10bから吹き込まれる微粉炭の粒子径よりも大きいものとする。
微粉炭の粒子径の分け方は、例えば、以下のように行うことができる。平均粒子径の異なる微粉炭を2種類用意し、平均粒子径の大きい微粉炭を一次ランス10aから吹き込み、平均粒子径の小さい微粉炭を二次ランス10bから吹き込む方法が考えられる。また、1種類の微粉炭を所定の粒子径(例えば平均粒子径)で分離し、所定の粒子径以上の微粉炭を一次ランス10aから吹き込み、所定の粒子径以下の微粉炭を二次ランス10bから吹き込む方法が考えられる。
以下、簡単のため、一次ランス10aから吹き込まれる粒子径の大きい微粉炭を大粒子径微粉炭と記載し、二次ランス10bから吹き込まれる粒子径の小さい微粉炭を小粒子径微粉炭と記載する。
〔粒子軌道〕
以下、一次ランス10aからブローパイプ9内に吹き込まれた大粒子径微粉炭の粒子軌道について説明する。
図3は、一次ランス10aからブローパイプ9内に吹き込まれた大粒子径微粉炭の粒子軌道を示した模式図である。図3に示されるように、一次ランス10aから吹き込まれた大粒子径微粉炭は、噴出された直後において、初速度vp0が一次物質の搬送気体の噴出速度に一致し、時間の経過と共に、ブローパイプ9の内部を流れる主流ガス(熱風)の流速Vに近づく。
一次ランス10aから噴出された大粒子径微粉炭の粒子軌道の算出方法はさまざまな方法があり、どの方法を用いてもよい。簡便な方法としては、ブローパイプ内のガス流れを単純な一様流速であると仮定し、下記式(1)より時間tの関数として流体中の粒子軌道を求める方法がある。なお、図2に示された大粒子径微粉炭の粒子軌道は、下記式(1)により算出された粒子軌道を表している。
Figure 0005949653
ここで、τは、緩和時間と呼ばれる定数であり、微粉炭粒子密度ρp、微粉炭粒子径dp、および、ブローパイプ9内の気体の粘性係数μにより定まる。
なお、上記式(1)による計算以外にも、詳細な粒子軌道を計算する方法として、数値流体解析を用いて粒子軌道を計算する方法がある。数値流体解析には、例えばANSYS FLUENTなどの汎用流体解析ソフトを用いることができる。
ところで、小粒子径の微粉炭は体積に対する表面積が大きく昇温が早いため燃焼反応が早い。また小粒子径の微粉炭は乱流分散効果を受けやすいので、ブローパイプ9内で効率よく分散され、ブローパイプ9内の広範囲における酸素を効率よく使うことが出来る。
一方、大粒子径の微粉炭は、体積に対する表面積が小さく昇温も遅いので、燃焼が遅い。大粒子径の微粉炭が燃焼可能な温度まで昇温されたころには既に小粒子径微粉炭により酸素を消費されているため、酸素欠乏で燃焼効率が悪化する。さらに、大粒子径の微粉炭は乱流による分散効果をあまり受けないので、微粉炭の吹き込み初速度とブローパイプ9の主流ガスで決まる粒子軌道上に高密度で存在することになり、粒子軌道上はさらに厳しい酸素欠乏状態となる。
そこで、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法では、粒子径の大きい微粉炭を吹き込む一次ランス10aを、粒子径の小さい微粉炭を吹き込む二次ランス10bよりもブローパイプ9の上流に配置することにより、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させる。
本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法では、粒子径の大きい微粉炭を粒子径の小さい微粉炭よりも上流からブローパイプ9へ吹き込むことになるので、粒子径の大きい微粉炭の方が粒子径の小さい微粉炭よりもブローパイプ9における滞留時間が長くなる。したがって、粒子径の大きい微粉炭の方が、小さい微粉炭よりもブローパイプ9内を流れる熱風による昇温を強く受けることができ、燃焼効率がより向上する。また、粒子径の大きい微粉炭を粒子径の小さい微粉炭よりも上流からブローパイプ9へ吹き込むので、粒子径の小さい微粉炭が燃焼することによる酸素の消費により、粒子径の大きい微粉炭の燃焼が阻害されることもない。
したがって、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法によれば、従来よりも粒子径の大きい微粉炭を多く利用することができる。そして、従来よりも粒子径の大きい微粉炭を多く利用することにより、微粉炭の粉砕コストを低減することができる。
微粉炭は、粉砕工程にて吹き込みに適した粒子径に粉砕される。一方、微粉炭は、炭種ごとに粉砕性が異なる。ハードグローブ指数(HGI)の大きな炭種は粉砕が容易なので、粒子径の小さい微粉炭を容易に製造可能であるが、ハードグローブ指数(HGI)の小さな炭種は、粒子径の小さい微粉炭を製造することが困難である。
そこで、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法によれば、ハードグローブ指数(HGI)の小さな炭種を、一次ランス10aから吹き込むための微粉炭に利用し、ハードグローブ指数(HGI)の大きな炭種を、二次ランス10bから吹き込むための微粉炭に利用することにより、微粉炭の粉砕コストを低減することができる。
また、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法によれば、粒子径の違いにより異なるランスから微粉炭を吹き込むので、配管内における微粉炭の詰まりを回避することができる。
さらに、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法では、一次ランス10aと二次ランス10bとの位置関係を適切に設定することにより、一次ランス10aから吹き込まれる大粒子径微粉炭と二次ランス10bから吹き込まれる小粒子径微粉炭とを羽口4の位置で同じ温度まで昇温させることができる。
一次ランス10aおよび二次ランス10bから吹き込まれた大粒子径微粉炭および小粒子径微粉炭は、羽口4の位置にて下式(2)のように昇温される。ここで、Tp0は、一次ランス10aおよび二次ランス10bから吹き込まれた大粒子径微粉炭および小粒子径微粉炭の初期温度であり、Tp1およびTp2は、それぞれ、一次ランス10aおよび二次ランス10bから吹き込まれた大粒子径微粉炭および小粒子径微粉炭の羽口4の位置での温度である。また、LおよびLは、それぞれ、一次ランス10aおよび二次ランス10bから羽口4の位置までの距離であり、dp1およびdp2は、それぞれ、大粒子径微粉炭および小粒子径微粉炭の平均粒子径である。さらに、Tはブローパイプ9内の熱風温度であり、hはブローパイプ内ガス‐微粉炭間の熱伝達係数であり、ρは微粉炭の密度であり、Cは微粉炭の比熱である。
Figure 0005949653
したがって、一次ランス10aから吹き込まれる大粒子径微粉炭と二次ランス10bから吹き込まれる小粒子径微粉炭とを羽口4の位置で同じ温度まで昇温させるためには、一次ランス10aおよび二次ランス10bから羽口4の位置までの距離L,Lと粒子径微粉炭および小粒子径微粉炭の平均粒子径dp1,dp2とが、下式(3)で表される関係式を満たせばよい。
Figure 0005949653
一方、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法では、粒子径の大きい微粉炭を吹き込む一次ランス10aを、粒子径の小さい微粉炭を吹き込む二次ランス10bよりもブローパイプ9の上流に配置するので、一次ランス10aから吹き込まれた微粉炭が、二次ランス10bに衝突し、二次ランス10bに磨耗およびアッシュの付着が発生する可能性がある。
そこで、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法では、二次ランス10bに磨耗およびアッシュの付着が発生しないように、一次ランス10aと二次ランス10bとを適切に配置する。そして、この配置に際し、上述の粒子軌道の計算を用いることができる。粒子径の大きい微粉炭は、ブローパイプ9内の熱風の乱流による分散の影響が少ないので、上述の粒子軌道の計算でも精度良く二次ランス10bに磨耗およびアッシュの付着を回避することができる。
以下では、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法における、一次ランス10aおよび二次ランス10bの適切な配置について、実施例に従い説明する。
〔実施例1〕
図4は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法の第1の実施例を示すブローパイプの概略構成図である。図4に示されるように、本実施例は、一次ランス10aおよび二次ランス10bがブローパイプ9の対向する周壁に設けられた配置である。また、図4に示されるように、本実施例では、一次ランス10aおよび二次ランス10bは、ブローパイプ9の熱風の流れる方向に対して45°の角度で設けられている。
一次ランス10aは、平均粒子径が50μm以上の微粉炭をブローパイプ9に吹き込むための円筒状のランスである。図4に示されるように、平均粒子径が50μm以上の微粉炭は、一次ランス10aの円筒の内部を通り、初速度vp0でブローパイプ9に吹き込まれる。
二次ランス10bは、平均粒子径が50μm以下の微粉炭をブローパイプ9に吹き込むための円筒状のランスである。図4に示されるように、平均粒子径が50μm以下の微粉炭は、二次ランス10bの円筒の内部を通りブローパイプ9に吹き込まれ、ブローパイプ9内に拡散される。
ブローパイプ9は、熱風を高炉1へ送入するためのパイプである。本実施例では、ブローパイプ9を流れる熱風の流速Vは200m/sであり、ガス密度は0.94kg/mであり、粘性係数は5.6×10−5Pa・sであり、粒子の密度は1500kg/mである。
以上の条件において、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道の計算をした結果が図5に示されている。図5は、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道を示すグラフである。なお、図5に示されるグラフは、一次ランス10aの吹き込み口をグラフの原点とし、ブローパイプ9の熱風の流れる方向をグラフのx軸とし、ブローパイプ9の横断方向をグラフのy軸としている。
ここで、本実施例の一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭は、粒子径の最小値が50μmであり、粒子径の最大値が100μmである。したがって、図5に示されるグラフにおいて、粒子径が50μmの微粉炭の粒子軌道と粒子径が100μmの微粉炭の粒子軌道との間の斜線領域が、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道の範囲である。
そこで、二次ランス10bを配置する場合、図5に示される斜線領域よりも上側に配置されるべきである。すなわち、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭のうち最大粒子径の微粉炭の粒子軌道よりも、二次ランス10bがブローパイプ9の対向方向に離隔される。具体的には、二次ランス10bの吹き込み口を一次ランス10aの吹き込み口よりも0.15m下流に配置する場合、二次ランス10bの吹き込み口がブローパイプ9の横断方向(y軸方向)に0.027m以上となるように配置されることになる。
以上のように一次ランス10aと二次ランス10bとを配置することにより、本実施例では、一次ランス10aから吹き込まれた微粉炭が、二次ランス10bに衝突することを回避しながらも、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させることができる。
〔実施例2〕
図6は、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法の第2の実施例を示すブローパイプの概略構成図である。図6に示されるように、本実施例は、一次ランス10aおよび二次ランス10bがブローパイプ9の同一方向の周壁に設けられた配置である。また、図6に示されるように、本実施例では、一次ランス10aおよび二次ランス10bは、ブローパイプ9の熱風の流れる方向に対して45°の角度で設けられている。
一次ランス10aは、平均粒子径が50μm以上の微粉炭をブローパイプ9に吹き込むための円筒状のランスである。図6に示されるように、平均粒子径が50μm以上の微粉炭は、一次ランス10aの円筒の内部を通り、初速度vp0でブローパイプ9に吹き込まれる。
二次ランス10bは、平均粒子径が50μm以下の微粉炭をブローパイプ9に吹き込むための円筒状のランスである。図6に示されるように、平均粒子径が50μm以下の微粉炭は、二次ランス10bの円筒の内部を通りブローパイプ9に吹き込まれ、ブローパイプ9内に拡散される。
ブローパイプ9は、熱風を高炉1へ送入するためのパイプである。本実施例では、ブローパイプ9を流れる熱風の流速Vは200m/sであり、ガス密度は0.94kg/mであり、粘性係数は5.6×10−5Pa・sであり、粒子の密度は1500kg/mである。
以上の条件において、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道の計算をした結果が図7に示されている。図7は、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道を示すグラフである。なお、図7に示されるグラフは、一次ランス10aの吹き込み口をグラフの原点とし、ブローパイプ9の熱風の流れる方向をグラフのx軸とし、ブローパイプ9の横断方向をグラフのy軸としている。
ここで、本実施例の一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭は、粒子径の最小値が50μmであり、粒子径の最大値が100μmである。したがって、図7に示されるグラフにおいて、粒子径が50μmの微粉炭の粒子軌道と粒子径が100μmの微粉炭の粒子軌道との間の斜線領域が、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の粒子軌道の範囲である。
そこで、二次ランス10bを配置する場合、図7に示される斜線領域よりも下側に配置されるべきである。すなわち、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭のうち最小粒子径の微粉炭の粒子軌道よりも、二次ランス10bがブローパイプ9の対向方向の手前側に配置される。具体的には、二次ランス10bの吹き込み口を一次ランス10aの吹き込み口よりも0.15m下流に配置する場合、二次ランス10bの吹き込み口がブローパイプ9の横断方向(y軸方向)に0.012m以下となるように配置されることになる。
以上のように一次ランス10aと二次ランス10bとを配置することにより、本実施例では、一次ランス10aから吹き込まれた微粉炭が、二次ランス10bに衝突することを回避しながらも、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させることができる。
図8は、本発明の効果を示す粒子径が100μmの微粉炭の燃焼量のグラフである。図8に示されるグラフは、実施例1と実施例2と比較例とにおける一次ランス10aの先端位置から高炉1内部方向へ1mの位置における大粒子径微粉炭(100μm)の燃焼量を比較したものである。ここでの比較例は、平均粒子径が50μm以下の微粉炭および平均粒子径が50μm以上の微粉炭の両方を一次ランス10aから吹き込んだ例である。なお、一次ランス10aの先端位置から1mの位置とは、高炉1内のレースウェイ11の中心に相当する位置である。
図8に示されるグラフから読み取れるように、本発明を適用した実施例1および2は、比較例と比較して、顕著な燃焼促進効果が認められる。
なお、上記実施例では、ブローパイプ9の中心軸を通る同一平面上に一次ランス10aと二次ランス10bとを配置する構成のみを取り扱ったが、本発明の実施はこの配置に限らず、例えば、3次元的配置による実施も可能である。一次ランス10aと二次ランス10bとを3次元的に配置する場合、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の3次元粒子軌道を算出し、この3次元粒子軌道と二次ランス10bとが交差しないようにすることにより、本発明を適切に実施することができる。また、一つのブローパイプ9に一次ランス10aと二次ランス10bとを複数対備えることにより、本発明を実施することも可能である。また、一次ランス10aと二次ランス10bとを意図的に同一平面からずらして配置することにより、ブローパイプ9内に渦流を発生させるように配置することも可能である。
以上より、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法は、高炉1の羽口4に接続されたブローパイプ9に設けられた複数のランスを介して微粉炭を高炉1内に吹き込む微粉炭の吹き込み方法であって、ブローパイプ9の主流ガスの上流側に設けられた一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭の平均粒子径は、ブローパイプ9の主流ガスの下流側に設けられた二次ランス10bから吹き込まれる微粉炭の平均粒子径よりも大きいので、小粒子径の微粉炭よりも大粒子径の微粉炭の燃焼を強く促進させることができる。
また、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法は、一次ランス10aから吹き込まれる大粒子径微粉炭の平均粒子径をdp1とし、二次ランス10bから吹き込まれる小粒子径微粉炭の平均粒子径をdp2としたときに、一次ランス10aから羽口4までの距離Lと二次ランス10bから羽口4までの距離Lとが先述式(3)を満たすことにより、一次ランス10aから吹き込まれる大粒子径微粉炭と二次ランス10bから吹き込まれる小粒子径微粉炭とを羽口4の位置で同じ温度まで昇温させることができる。
また、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法は、一次ランス10aと二次ランス10bとが、ブローパイプ9の対向する周壁に設けられ、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭のうち最大粒子径の微粉炭の粒子軌道よりも、二次ランス10bがブローパイプ9の対向方向に離隔されていることにより、一次ランス10aから吹き込まれた微粉炭が、二次ランス10bに衝突することを回避することができる。
または、本発明の実施形態にかかる微粉炭の吹き込み方法は、一次ランス10aと二次ランス10bとが、ブローパイプ9の同一方向の周壁に設けられ、一次ランス10aから吹き込まれる微粉炭のうち最小粒子径の微粉炭の粒子軌道よりも、二次ランス10bがブローパイプ9の対向方向の手前側に配置されていることにより、一次ランス10aから吹き込まれた微粉炭が、二次ランス10bに衝突することを回避することができる。
1 高炉
2 鉄鉱石
3 コークス
4 羽口
5 銑鉄
6 スラグ
7 溶融帯
8 炉心
9 ブローパイプ
10 吹き込み用ランス
10a 一次ランス
10b 二次ランス

Claims (4)

  1. 高炉の羽口に接続されたブローパイプに設けられた複数のランスを介して粉状の固体還元剤を前記高炉内に吹き込む固体還元剤の吹き込み方法であって、
    前記ブローパイプの主流ガスの上流側に設けられた第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径は、前記ブローパイプの主流ガスの下流側に設けられた第2のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径よりも大きく、
    前記第1のランスと前記第2のランスとは、前記ブローパイプの対向する周壁に設けられ、前記第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤のうち最大粒子径の前記粉状の固体還元剤の粒子軌道よりも、前記第2のランスが前記ブローパイプの対向方向に離隔されている、
    ことを特徴とする固体還元剤の吹き込み方法。
  2. 高炉の羽口に接続されたブローパイプに設けられた複数のランスを介して粉状の固体還元剤を前記高炉内に吹き込む固体還元剤の吹き込み方法であって、
    前記ブローパイプの主流ガスの上流側に設けられた第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径は、前記ブローパイプの主流ガスの下流側に設けられた第2のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径よりも大きく、
    前記第1のランスと前記第2のランスとは、前記ブローパイプの同一方向の周壁に設けられ、前記第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤のうち最小粒子径の前記粉状の固体還元剤の粒子軌道よりも、前記第2のランスが前記ブローパイプの対向方向の手前側に配置されている、
    ことを特徴とする固体還元剤の吹き込み方法。
  3. 前記第1のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径をdp1とし、前記第2のランスから吹き込まれる前記粉状の固体還元剤の平均粒子径をdp2としたときに、前記第1のランスから前記羽口までの距離Lと前記第2のランスから前記羽口までの距離Lとが下式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の固体還元剤の吹き込み方法。
    Figure 0005949653
  4. 前記粉状の固体還元剤は、微粉炭であることを特徴とする請求項1〜の何れか1つに記載の固体還元剤の吹き込み方法。
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