JP4292578B2 - 微粉炭吹き込み方法及び装置 - Google Patents
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Description
そこで、高炉操業においては、より一層多量の微粉炭を吹き込むための操業技術開発が要請されるに至り、現在では120kg/T以上の微粉炭多量吹込み操業が行われている。
このような、廃プラスチックを羽口から吹き込む場合の問題点として、廃プラスチックは破砕あるいは造粒されているものの、その粒径が微粉炭に比べると大きくまた着火性が悪いことから、未燃焼のままレースウェイから高炉内に侵入・蓄積して、炉内の通気性を阻害し、高炉の生産性を悪化させることが挙げられる。
また、先行技術2の方法は、混合粉体の分配器以降の搬送用配管内の粒子の搬送速度が廃プラスチックと微粉炭で等しい場合には、廃プラスチックと微粉炭粒子は分離して羽口に吹き込まれることになり、微粉炭の燃焼熱を廃プラスチックに与えるという効果がえられず、廃プラスチックの燃焼性改善の十分な効果はみられない。
しかしながら、実操業においては、数十ある羽口のすべてに微粉炭と廃プラスチックを同時に吹き込むとは限らない。
例えば、34の羽口のうちの26については微粉炭のみの吹込みを行い、残りの8について微粉炭と廃プラスチックの同時吹込みを行うという場合がある。このような場合に34の羽口に連通する分岐管には分配器で分配された概略等量の微粉炭が流れるが、このうちの一部について微粉炭と廃プラスチックの同時吹込みするとなると、同時吹込みをする羽口では微粉炭のみの羽口に比較して酸素不足となって燃焼性が悪くなるという問題がある。つまり、着火性の悪い廃プラスチックに対して着火性をよくするために微粉炭を廃プラスチックに付着させたものの、微粉炭の燃焼で酸素が使われ酸素不足になってしまい廃プラスチックの燃焼ができないという問題がある。ここで、酸素富化率を高めることも考えられるが、酸素富化率を高めると羽口先温度が上昇することになり、羽口先温度が限界値で操業している通常操業では、酸素富化率を高めることができないのが現状である。
すなわち、本発明の課題は、微粉炭のみの吹込みと微粉炭及び合成樹脂材の吹込みが混在する微粉炭吹込み操業において、微粉炭の総吹込み量を減らすことなく、また、酸素富化率を高めることなく、微粉炭及び合成樹脂材同時吹込みにおける燃焼性を改善して、すべての羽口において均等な燃焼を実現するにはいかにすべきかという点にある。
本実施の形態における装置は、微粉炭を貯留する微粉炭貯留タンク1と、この微粉炭貯留タンク1に貯留されている微粉炭を所定量ずつ微粉炭輸送管7に切り出す微粉炭噴射装置3を備えている。微粉炭輸送管7には切り出された微粉炭を気流輸送するための窒素ガスを供給する圧縮窒素供給装置5が設けられており、この圧縮窒素供給装置5から噴出される窒素ガスによって微粉炭は微粉炭輸送管7内を羽口側に向かって気流輸送される。微粉炭輸送管7は途中で分配器9によって羽口の数と同数(本例では34)の微粉炭分岐管11に分配される。分配された微粉炭分岐管11のうちの8本(図中符号11aを付したもの)については後述の廃プラスチック輸送管39と合流して粉粒体吹込み用ランス23に接続される。微粉炭分岐管11aには気流の流れに直交する方向から流量制御用の窒素ガスを吹き込むための流量制御管13が接続されており、流量制御管13には流量制御管13に窒素ガスを吹き込むための圧縮窒素供給装置15が設けられている。微粉炭分岐管11aにおける流量制御管13の接続部17の内面には磨耗防止のためにセラミックのコーティングが施されている。
微粉炭分岐管11aにおける縮径部19の下流側では後述の廃プラスチック輸送管39が連結されそれ以降は粉粒体輸送管21となる。粉粒体輸送管21の先端部には粉粒体吹込み用ランス23が設けられている。粉粒体吹込み用ランス23は、図2に示すように、その先端(噴射口)の位置が熱風の送風支管25の内部ないし羽口4の内部であって、羽口4の先端(炉内側の先端)よりも手前(上流側)の位置にくるように設置されている。
分配器9によって分岐された残りの26本の微粉炭分岐管11bは、廃プラスチック輸送管39と合流することなく羽口近くまで配管され、その先端に微粉炭吹込みランス31が取り付けられて羽口に設置される。
廃プラスチック輸送管39と微粉炭分岐管11aとは、前述したように、途中で所定の角度θをもって連結されて粉粒体輸送管21となり粉粒体吹込み用ランス23に連結されている。
以上のように構成された本実施の形態においては、微粉炭貯留タンク1に貯留されている微粉炭が微粉炭噴射装置3によって微粉炭輸送管7に所定量が切り出される。切り出された微粉炭は圧縮窒素供給装置5から噴出される窒素ガスによって微粉炭輸送管7内を羽口側に向かって気流輸送され、分配器9に運ばれる。
気流輸送された微粉炭は分配器9で34本の微粉炭分岐管11に分配される。このとき、8本の微粉炭分岐管11aでは流量制御管13から流量制御用の窒素ガスが気流に直交する方向に噴射されており、また、その下流側には縮径部19が設けられていることから流路抵抗が大きくなっている。このため、残りの26本の微粉炭分岐管11bに比較して微粉炭気流が流れにくくなり、分配器9で分配される微粉炭量は少なくなる。
抵抗値の大きさは流量制御管13から噴射する流量制御用の窒素ガスの流量、流速を変えることによって適宜変更することができる。もっとも、流量制御用の窒素ガスの流量は所定量以上になるとそれ以上流量を増やしても微粉炭量を少なくできなくなる。この点を説明するのが図3に示すグラフであり、図3のグラフは縦軸が微粉炭分岐管11aに流れる微粉炭量(微粉炭分岐管11bを流れる微粉炭量に対する割合)を示し、横軸が流量制御管13から噴射する流量制御用の窒素ガスの流量を示している。
以下の実施例において、廃プラスチック輸送管39と合流する微粉炭分岐管11aへの流量制御を行わなかった場合との比較をすることで本実施形態の効果を実証する。
また、抵抗手段としての流量制御管13から流量制御用の窒素ガスは30Nm3であり、縮径部19では分岐管11aがφ8であるところをφ7に縮径している。
このように、微粉炭流量制御を行わなかった場合には、「プラ+PC」ラインにおいて酸素不足となり、燃焼性が悪くなると共に、「プラ+PC」ラインと「PCのみ」ラインでの羽口先温度にばらつきがでている。
また、微粉炭流量制御を行った場合には、「プラ+PC」ラインの羽口先温度が2255℃であり、「PCのみ」ラインの羽口先温度が2153℃であり、両者のバランスが取れている。
また、本実施の形態では、流量制御管13からの窒素ガスの吹き込みと縮径部19とを併用したので、広範囲の流量制御が可能となる。もっとも、微粉炭の吹込み量等との関係から流量制御範囲が狭くて済む場合には流量制御管13からの窒素ガスの吹き込みのみであってもよい。
また、流量制御管13の噴射角度を変更可能とすることで、窒素ガス量を変更することなく抵抗値の変更を可能とし、さらに微妙な抵抗値の変更ができる。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、窒素ガスに代えて空気を用いてもよい。
2 高炉
3 微粉炭噴射装置
4 羽口
5、37 圧縮窒素供給装置
7 微粉炭輸送管
9 分配器
11 微粉炭分岐管
13 流量制御管
19 縮径部
33 廃プラスチック貯留タンク
35 廃プラスチック吹込みタンク
Claims (8)
- 気流輸送される微粉炭粉流を分配器によって複数の分岐管に分岐し、分岐された一部の分岐管を流れる微粉炭はそのまま高炉に吹込み、残りの分岐管を流れる微粉炭は粉粒状ないし細片状の合成樹脂材に衝突させて高炉に吹き込む微粉炭吹込み方法であって、
前記合成樹脂材に衝突させる微粉炭が流れる分岐管に気流抵抗をつけ、該分岐管を流れる微粉炭量が微粉炭のみの吹込みとなる分岐管を流れる微粉炭量より少なくなるようにしたことを特徴とする微粉炭吹込み方法。 - 気流抵抗は、分岐管を流れる気流の抵抗となる方向にガスを吹き込むことによってつけられることを特徴とする請求項1記載の微粉炭吹込み方法。
- 気流抵抗は、分岐管の管径を絞り込むことと、分岐管を流れる気流の抵抗となる方向にガスを吹き込むことの両方でつけられることを特徴とする請求項1記載の微粉炭吹込み方法。
- 微粉炭のみの吹込みとなる分岐管を流れる微粉炭量と、微粉炭および合成樹脂材の同時吹込みとなる分岐管を流れる微粉炭量及び前記合成樹脂材の合計量とがほぼ等しくなるように抵抗手段の抵抗値を設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の微粉炭吹込み方法。
- 気流輸送される微粉炭粉流を分配器によって複数の分岐管に分岐し、分岐された一部の分岐管を流れる微粉炭はそのまま高炉に吹き込み、残りの分岐管を流れる微粉炭は粉粒状ないし細片状の合成樹脂材に衝突させて高炉に吹き込む微粉炭吹込み装置であって、
前記合成樹脂材に衝突させる微粉炭が流れる分岐管に気流抵抗を与える抵抗手段を備えたことを特徴とする微粉炭吹込み装置。 - 抵抗手段は、分岐管を流れる微粉炭粉流に抵抗となる方向にガスを噴射するガス噴射装置であることを特徴とする請求項5記載の微粉炭吹込み装置。
- 分岐管の途中に管径を絞り込む縮径管を設けたことを特徴とする請求項6記載の微粉炭吹込み装置。
- ガス噴射装置はガス流量、流速のいずれか又は両方を調整可能であることを特徴とする請求項6又は7記載の微粉炭吹込み装置。
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