JP6614142B2 - 採血ホルダ - Google Patents

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Description

本開示は、採血ホルダに関する。
被検者から採血する際には、採血ホルダと真空採血管とを用いる方法が一般に用いられている。採血ホルダは、後端部から真空採血管を挿入できるホルダ本体に両頭の採血針が取り付けられている。一般に、採血針はホルダ本体に分離可能に取り付けられた状態で医療現場に供給される。採血針が予めホルダ本体に取り付けられているため、すぐに使用することができる。また、採血針をホルダ本体に取り付ける際に採血針が汚染されたり、誤穿刺等の事故が生じたりするおそれも低減できる。一方、採血針をホルダ本体から分離できるため、採血後には、採血針を分別して廃棄することができる。
採血の際には、採血針がホルダ本体に確実に取り付けられていることが重要である。採血針をホルダ本体に確実に取り付けるために、ねじ部を有するコネクタに採血針を接着し、コネクタをホルダ本体の接続部にねじ込むことが行われている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2000−166901号公報
しかしながら、従来のねじ込み式の採血ホルダは、ねじ込まれているコネクタが、輸送時の振動等により緩んだり、ホルダ本体から外れたりするという問題がある。コネクタをねじ込むと共に接着剤等で固定する方法も考えられるが、ホルダ本体によく用いられるポリプロピレンは接着剤による接着が困難であるという問題がある。また、使用後に採血針をホルダ本体から分離することが困難となるという問題もある。また、緩み止めのピンを設けたりする方法も考えられるが、ピンを取り付けたりする工程が増えるため、生産性が低下するという問題がある。両頭の採血針に限らず、ホルダ本体にコネクタを介して針又はチューブ等を接続する場合には同様の問題が発生する。
また、従来のねじ込み式の採血ホルダには、採血管を挿入する際に、コネクタが緩んだり、脱落したりしやすいという問題もある。
本開示は、コネクタの緩み又は脱落が生じにくく且つ組み立てが容易な採血ホルダを実現できるようにすることを目的とする。
採血ホルダの一態様は、先端側に天板部を有する筒状のホルダ本体と、天板部に配置されコネクタが接続される接続部とを備え、接続部は、コネクタに設けられた雄ねじと係合する第1の部分と、第1の部分よりも先端側に設けられた第2の部分とを有し、第2の部分は、内径がコネクタに設けられた鍔部よりも小さく、且つ鍔部が乗り越えることができるロック部を有する。
採血ホルダの一態様において、接続部は、天板部から先端側に突出する筒状とすることができる。
採血ホルダに一態様において、ロック部は、第2の部分における内壁に設けられた凸部とすることができる。
この場合において、凸部は、第2の部分の内周に沿って設けられた、1つ以上の突起部とすることができる。
本開示の採血ホルダによれば、輸送中及び採血管の挿入時においてコネクタの緩み又は脱落が生じにくく且つ組み立てが容易な採血ホルダを実現できる。
図1(a)及び(b)は一実施形態に係る採血ホルダを示し、図1(a)は正面図であり、図1(b)は上面図である。 図2は採血ホルダに接続するコネクタの一例を示す断面図である。 図3は接続部を拡大して示す断面図である。 図4は接続部の変形例を示す断面図である。 図5(a)及び(b)は接続部の変形例を示し、図5(a)は断面図であり、図5(b)は上面図である。 図6は接続部の変形例を示す上面図である。 図7は接続部の変形例を示す上面図である。 図8は接続部の変形例を示す断面図である。
図1(a)及び図1(b)は一実施形態に係る採血ホルダ100を示している。採血ホルダ100は、先端側に設けられた天板部114を有する筒状のホルダ本体110と、天板部114から突出する筒状の接続部121とを有している。以下において特に断りが無い限り、使用時に患者側となる側を先端側とする。また、図1(a)に示すようにホルダ本体を下側にした状態において上下方向を説明する。
採血ホルダ100には、例えば、図2に示すようなコネクタ200を取り付けることができる。図2には、コネクタ200に両頭の採血針221が接着剤231により接着された例を示している。コネクタ200は、雄ねじ216が切られた基部212と、採血針221等が固定されるハブ213と、基部212とハブ213との間に設けられた鍔部214とを有している。コネクタ200に取り付けるデバイスは、両頭の採血針221に限らない。例えば、翼状針の付いたチューブ等を取り付けることができる。また、留置針の外針を取り付けることもできる。
図3に示すように、接続部121は、第1の部分123と、第1の部分123よりも先端側に設けられた第2の部分124とを有している。第1の部分123は、コネクタ200の基部212に設けられた雄ねじと係合する雌ねじを有する。第2の部分124は、コネクタ200をロックするロック部を有している。ロック部は第2の部分124の側壁に設けられ内側に突出する可撓性の凸部とすることができる。
図1(a)及び図1(b)においては、可撓性の凸部を側壁に設けられた弾性変形可能な舌片状部126としている。舌片状部126は、側壁の一部が切り抜かれ、ホルダ本体110側が自由端となり、ホルダ本体110と反対側が固定端となっている。
第2の部分124は、舌片状部126が設けられていない部分においては、コネクタ200の鍔部214の外径よりもわずかに内径が大きい。舌片状部126は自由端側が固定端側よりも内側になるように曲げられている。このため、舌片状部126が設けられた部分における内径の最小値は、鍔部214の外径よりも小さい。また、舌片状部126の下端部と第1の部分123の上端部との間隔は鍔部214の厚さよりもわずかに大きくなっている。これにより、舌片状部126は、コネクタ200をロックするロック部として機能する。
コネクタ200を接続部121にねじ込んでいくと、鍔部214がロック部である舌片状部126に当接する。舌片状部126は弾性変形して外側に拡がることができるため、コネクタ200をさらにねじ込むと、鍔部214は舌片状部126を拡げながらホルダ本体110側に移動する。鍔部214が舌片状部126の位置を越えると、舌片状部126は復元し、図3に示すように、鍔部214の上に乗り上げ、コネクタ200がロックされる。
舌片状部126によりコネクタ200がロックされるため、振動等によってコネクタ200が接続部121から外れるおそれはほとんど無い。また、採血管の挿入時にもコネクタ200が外れるおそれはほとんど無い。しかし、大きな力を掛けてコネクタ200を逆回転させると、舌片状部126を乗り越えさせることができる。従って、使用後にコネクタ200を採血ホルダ100から分離することができる。
ホルダ本体110の天板部114と反対側は、採血管を挿入することができる開口端113となっている。ホルダ本体110の天板部114は、中央部に貫通孔114aを有している。貫通孔114aは接続部121と連通している。
開口端113にはフランジ115を設けることができる。フランジ115を設けることにより、採血管の挿入操作が容易となる。また、フランジ115を下にしてホルダ本体110を自立させることが容易となる。また、採血ホルダ100を横にしてテーブル等の上に置いた場合に転がりにくくすることができる。フランジ115は、必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。また、ホルダ本体110と別の部材によってフランジ115を形成してもよい。
ホルダ本体110は、開口端113から天板部114に向かって次第に径が小さくなるようにすることができる。これにより、採血管の挿入が容易となる。但し、ホルダ本体110の径は一定であってもよい。ホルダ本体110の内側は平滑であってもよいが、採血管保持部を設けることもできる。採血管保持部を設けることにより、採血管をホルダ本体110内に保持することが容易となる。採血管保持部は、採血管を側面から押さえる突起としたり、板ばねとしたりすることができる。また、弾性変形する別部材をホルダ本体110内に挿入して採血管保持部とすることもできる。ホルダ本体110の外側は平滑であってもよいが、凹凸が設けられていてもよい。
ホルダ本体110と接続部121とは、一体に形成することができる。但し、ホルダ本体110と接続部121とを別々に形成した後、組み立てることもできる。ホルダ本体110及び接続部121は、どのような材料により形成されていてもよいが、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等の樹脂により形成することができる。
本実施形態の採血ホルダ100は、ロック部である舌片状部126を自由端側が内側に曲げられた構成とした。しかし、弾性変形する舌片状部126により第2の部分124の内径が鍔部214の外径よりもわずかに小さくなればどのような構成としてもよい。例えば、図4に示すように、舌片状部126の自由端に内側に突出する爪部128を設けた構成とすることができる。
本実施形態においては、ロック部となる可撓性の凸部を舌片状部126とした構成を示した。このような構成のロック部は、デバイスがはめ込みやすく且つ外れにくいという利点を有する。しかし、ロック部において第2の部分124の内径を鍔部214が乗り越えられる程度に小さくすることができれば、他の構成としてもよい。例えば、第2の部分124の内壁に設けた突起部をロック部とすることができる。
図5(a)及び図5(b)は、ロック部となる凸部として、複数の独立した突起部126Aを設けた変形例を示している。突起部126Aは第2の部分124の内周に沿って複数設けられている。突起部126Aが設けられた部分における内径の最小値は鍔部214の外径よりもわずかに小さい。樹脂製の接続部121はある程度の弾性変形が可能であるため、鍔部214は突起部126Aを乗り越えることができる。このような、構成のロック部は形成が容易であるという利点を有する。突起部126Aが等間隔に10個設けられた例を示しているが、突起部126Aの数は特に限定されない。また、突起部126Aを不等間隔に設けることもできる。全ての突起部126Aの周方向の幅及び軸方向の高さが等しい例を示したが、周方向の幅及び軸方向の高さの少なくとも一方が異なる突起部が混在していてもよい。突起部126Aが複数設けられている例を示したが、突起部126Aを1つとすることもできる。
図6は、突起部として、連続した凸条部126Bを設けた変形例を示している。凸条部126Bは第2の部分124の内周に沿って連続して設けられている。このような構成のロック部は、点状の突起部よりもデバイスが外れにくいという利点を有する。図6においては、内壁面からの高さが一定である凸条部126Bが設けられ、凸条部126Bが設けられた部分においても第2の部分124の内形状が円形状となっている。しかし、内壁面からの高さが一定でない凸条部を設けることもできる。
図7は、内壁面からの高さが変化する凸条部126Cを設けた変形例を示している。このような構成のロック部は、高さが一定の連続した凸条部よりもデバイスがはめ込みやすいという利点を有する。図7においては、凸条部126Cが設けられた部分における第2の部分124の内形状が正六角形状となっている。但し、凸条部126Cによって生じる内形状はどのような形状であってもよく、例えば三角形状又は四角形状等とすることができる。また、凸条部126Cによって直線状の辺が生じる例を示したが、凸条部126Cによって曲線状の辺が生じるようにすることができる。例えば、凸条部126Cによって第2の部分124の内形状がレンズ状又は楕円状等となっていてもよい。図7においては、凸条部126Cが内壁面から突出していない部分を有している例を示しているが、全ての部分において内壁面から突出していてもよい。
凸部は、凸条部と独立した突起部とを組み合わせてもよい。例えば、凸条部の一部がさらに突出した構成とすることができる。突起部と舌片状部とを組み合わせることも可能である。
突起部の軸方向に沿った断面形状は、例えば内壁面となす角が、ホルダ本体110側において反対側よりも大きくなっている形状とすることができる。このようにすれば、コネクタ200をねじ込む方向には鍔部214が突起部を乗り越え易くし、コネクタ200が緩む方向には鍔部214が突起部を乗り越えにくくすることができる。
ロック部における内径の最小値は、接続部及びコネクタの材質等にもよるが、鍔部の径よりも0.5%〜2%程度小さい値とすることができる。このような値とすることにより、コネクタの緩みを発生しにくくすることができると共に、コネクタのねじ込みも容易に行うことができる。
図1〜図7において、接続部121が天板部114から先端側に突出している例を示した。しかし、図8に示すように、接続部121が天板部114から開口端113側に突出している構成としてもよい。図8においては、ロック部となる凸部が独立した突起部126Aである例を示したが、天板部114から先端側に突出した接続部121を設ける場合と同様に、連続した凸条部としたり、舌片状部としたりすることができる。
本開示の採血ホルダは、コネクタの緩み又は脱落が生じにくく且つ接続が容易であり、採血ホルダとして有用である。
100 採血ホルダ
110 ホルダ本体
113 開口端
114 天板部
114a 貫通孔
115 フランジ
121 接続部
123 第1の部分
124 第2の部分
126 舌片状部
126A 突起部
126B 凸条部
126C 凸条部
128 爪部
200 コネクタ
212 基部
213 ハブ
214 鍔部
221 採血針
231 接着剤

Claims (4)

  1. 先端側に天板部を有する筒状のホルダ本体と、
    前記ホルダ本体の天板部に配置され、コネクタが接続される接続部とを備え、
    前記接続部は、記コネクタの基部に設けられた雄ねじと係合する第1の部分と、前記第1の部分よりも先端側に設けられた第2の部分とを有し、
    前記第2の部分は、内径が前記コネクタの前記基部よりも先端側に設けられた鍔部よりも小さく、且つ前記鍔部が接続される方向には脱離する方向よりも乗り越えやすいロック部を有する、採血ホルダ。
  2. 前記接続部は、前記天板部から先端側に突出する筒状である請求項1に記載の採血ホルダ。
  3. 前記ロック部は、前記第2の部分における内壁に設けられた凸部である、請求項1又は2に記載の採血ホルダ。
  4. 前記凸部は、前記第2の部分の内周に沿って設けられた、一つ以上の突起部である、請求項3に記載の採血ホルダ。
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