JP2015000155A - 医療分野で用いられるコネクタ用抜止具およびコネクタ用抜止具セット - Google Patents
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Abstract
【課題】医療用チューブのコネクタに対する接続状態を安定して保持することができる、新規な構造のコネクタ用抜止具と、かかるコネクタ用抜止具を含むコネクタ用抜止具セットを提供する。
【解決手段】コネクタ用抜止具14であって、コネクタ12に接続された医療用チューブ66に対して巻き付け可能に湾曲された弾性湾曲部30と、弾性湾曲部30の周方向一方の側から延び出した第1の延出片部32と、弾性湾曲部30の周方向他方の側から延び出した第2の延出片部34と、それら第1の延出片部32および第2の延出片部34の各対向面側に突設されて、弾性湾曲部30と協働して医療用チューブ66の外周面に対して締付力を及ぼす第1の締付用突部44および第2の締付用突部46とを有する。また、コネクタ用抜止具セット10として、コネクタ用抜止具14と、医療用チューブ66が接続されるコネクタ12とが、収容体16に収容されている。
【選択図】図6
【解決手段】コネクタ用抜止具14であって、コネクタ12に接続された医療用チューブ66に対して巻き付け可能に湾曲された弾性湾曲部30と、弾性湾曲部30の周方向一方の側から延び出した第1の延出片部32と、弾性湾曲部30の周方向他方の側から延び出した第2の延出片部34と、それら第1の延出片部32および第2の延出片部34の各対向面側に突設されて、弾性湾曲部30と協働して医療用チューブ66の外周面に対して締付力を及ぼす第1の締付用突部44および第2の締付用突部46とを有する。また、コネクタ用抜止具セット10として、コネクタ用抜止具14と、医療用チューブ66が接続されるコネクタ12とが、収容体16に収容されている。
【選択図】図6
Description
本発明は、医療用チューブのコネクタへの接続部に用いられるコネクタ用抜止具と、かかるコネクタ用抜止具を含むコネクタ用抜止具セットに関する。
従来から、医療分野では、医療用チューブ(カテーテル等を含む)によって構成された輸液ラインや輸血ラインなどが利用されている。かかる医療用チューブは、その端部において栄養剤バッグや分岐管などに接続されることにより、例えば患者の体内へ薬液や血液、栄養剤などの流動体を注入するための輸液ラインや輸血ラインを構成するようになっている。
ところで、栄養剤バッグや分岐管などにおける医療用チューブの接続部位には、一般に特許文献1(実用新案登録第3118198号公報)に示されているような先細テーパ状のポート部を備えたコネクタが採用されている。コネクタのポート部が先細テーパ状とされていることで、かかるポート部を医療用チューブの端部に対して容易に挿し入れて接続できるようになっている。
ところが、このような医療用チューブの接続部位では、コネクタのポート部が先細テーパ状とされていること等から、予期せずに医療用チューブがポート部から離脱(抜脱)するおそれがあった。特に、高粘性の栄養剤等を比較的に高い圧力で医療用チューブ内に流通させる場合や、滑り易い薬液等が医療用チューブへのポート部の挿入面間に侵入した場合には、医療用チューブのポート部からの抜脱が一層発生し易くなる。
なお、かかる問題への対策として、特許文献2(特開2004−81433号公報)に示されているようなロックリングを医療用チューブの端部に設けて、コネクタのポート部の外周面に設けられた雄ねじ部に対してロックリングを締め付けてねじ固定することも考えられる。ところが、このようなねじ固定構造は、医療用チューブとコネクタに対してロックリングの雄ねじ部を設ける必要があることから製造が難しく、また、医療用チューブのコネクタへの着脱の度にねじ操作が必要とされることから操作が面倒で時間もかかるという問題があった。
また、コネクタのポート部が挿し入れられた医療用チューブの端部外周面に対して洗濯ばさみの如き周知構造の締付具を装着することにより抜脱を防止することも検討した。しかしながら、洗濯ばさみの如き周知構造の締付具では、医療用チューブを径方向両側から挟み付けるだけであるから、効果的な抜脱防止作用が発揮され難く、挟み付け力を大きくすると手指による着脱作業が困難になってしまうという問題があった。しかも、洗濯ばさみ状の構造上の理由から、手指による操作力を及ぼす力点部分が、医療用チューブを挟む作用点部分に対して、支点部分を挟んで反対側に向かって大きく突き出してしまうこととなり、この大きく突き出した力点部分が邪魔になったり、他部材に引っ掛かって不用意に締付具が外れてしまうおそれもあった。
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、医療用チューブのコネクタに対する接続状態を安定して保持することができると共に、洗濯ばさみ状の締付具のように力点部分が外方へ大きく突き出することによる不具合も回避される、新規な構造のコネクタ用抜止具と、かかるコネクタ用抜止具を含むコネクタ用抜止具セットを提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明の特徴とするところは、コネクタに設けられた先細テーパ状のポート部を医療用チューブの開口端に挿し入れて接続した該医療用チューブの該コネクタへの接続部に用いられて、該医療用チューブの該コネクタからの抜け出しを防止するコネクタ用抜止具であって、前記コネクタの前記ポート部に接続された前記医療用チューブの外周面に対して略半周に亘って巻き付け可能に湾曲された帯状の弾性湾曲部と、前記弾性湾曲部の周方向一方の側から延び出して先端縁部に係止部が設けられた第1の延出片部と、前記弾性湾曲部の周方向他方の側から延び出して先端部分が前記係止部側に向かって湾曲していると共に、該先端部分の内面に該係止部が係止される係止面が設けられた第2の延出片部と、それら第1の延出片部および第2の延出片部の各対向面側に突設されて、前記弾性湾曲部と協働して前記医療用チューブの外周面に対して締付力を及ぼす第1の締付用突部および第2の締付用突部とを、有する医療分野で用いられるコネクタ用抜止具にある。
本発明に従う構造とされたコネクタ用抜止具は、第1の延出片部と第2の延出片部とに対して相互に接近させる方向の操作力が外部から及ぼされることにより、弾性湾曲部の曲率が大きくなる方向に弾性変形すると共に、第1及び第2の締付用突部が相互に接近する方向に相対変位する。そして、係止部を係止面に係止させることで、第1の延出片部と第2の延出片部とを相互に接近した状態に保持されることができる。
而して、このような係止部の係止面に対する係止状態では、弾性湾曲部と第1及び第2の締付用突部とによって囲まれた医療用チューブの挿通領域が小さく絞られることとなり、それら弾性湾曲部と第1及び第2の締付用突部とによって、コネクタのポート部に外挿された医療用チューブの開口端の外周面に対して、実質的に半周を越える周長に亘って締付力が及ぼされることとなる。
従って、前述の如き洗濯ばさみ状の締付具が単に径方向両側から挟み付けるだけであるのに対して、周上で締付力を及ぼすことのできる本発明のコネクタ用抜止具では、医療用チューブに対して大きな抜止力を効率的に作用させることが可能になり、医療用チューブをコネクタのポート部への接続状態に一層安定して保持することができる。
しかも、本発明に係るコネクタ用抜止具では、弾性湾曲部上に位置する支点に対して、操作力が及ぼされる力点が位置する第1及び第2の延出片部と、医療用チューブに締付力を及ぼす作用点としての弾性湾曲部と第1及び第2の締付用突部が、何れも、同じ側に位置して設けられることから、支点を中心として互いに反対側に力点と作用点が位置する前述の如き洗濯ばさみ状の締付具に比して、全体サイズをコンパクトにすることができる。
さらに、本発明に係るコネクタ用抜止具では、医療用チューブに巻き付けられる弾性湾曲部から延び出す第2の延出片部が第1の延出片部側に湾曲して、それら第1の延出片部と第2の延出片部の各先端側部分が相互に係止されて装着されることから、かかる装着状態においてコネクタ用抜止具の全体が周方向でつながったループ状とされる。それ故、一対の力点部分が外方へ大きく突き出す前述の如き洗濯ばさみ状の締付具に比して、力点としての第1及び第2の延出片部の先端が外方に大きく突き出すことがなく、大きな突き出しによる他部材への干渉等の不具合が回避され得る。
ところで、本発明に係るコネクタ用抜止具では、前記弾性湾曲部には貫通窓が形成されており、周方向に延びる複数本のコード状湾曲体によって該弾性湾曲部が構成されている態様が、好適に採用され得る。
このような貫通窓が形成された弾性湾曲部の構造を採用することにより、医療用チューブの周方向に延びるコード状湾曲体によって、コネクタのポート部に外挿された医療用チューブに対して大きな締付力を集中的に作用させて締め付けによる抜止効果の向上を図ることが可能になる。特に前記特許文献1に記載されているように、例えばポート部の外周面に抜止用段部が形成されている場合には、かかる段部に対するコード状湾曲体の係止作用を利用することも可能であり、それによって医療用チューブの抜止効果の更なる向上が図られ得る。
また、本発明に係るコネクタ用抜止具では、前記第1の締付用突部および前記第2の締付用突部が、前記第1の延出片部および前記第2の延出片部の延出方向両側に傾斜面を有する山形状とされている態様が、好適に採用され得る。
このような山形状の第1及び第2の締付用突部を採用することにより、それらの締付用突部の強度を効率的に確保することが出来ると共に、医療用チューブを弾性湾曲部と協働して締め付けるのに一層効率的な位置に、第1及び第2の締付用突部の医療用チューブへの押付位置を設定することができる。
さらに、本発明は、上述の如き本発明に従う構造とされたコネクタ用抜止具を、医療用チューブが接続される先細テーパ状のポート部を備えたコネクタと組み合わせて、収容体に収容してなるコネクタ用抜止具セットも、特徴とする。
このようなコネクタ用抜止具セットとすることにより、サイズが良好に適合するコネクタとコネクタ用抜止具とを医療現場へ効率的に提供することが出来て、その管理も容易となる。また、かかるコネクタ用抜止具セットには、コネクタ用抜止具の使用方法を説明した印刷物等を追加して組み合わせることも可能であり、それによって、コネクタ用抜止具の正しい使用による医療用チューブの抜脱防止効果がより確実に達成され得る。
また、かかるコネクタ用抜止具セットでは、更に、前記医療用チューブを含んで供給用ラインが形成される栄養剤を収容した栄養剤バッグがセットに追加されて組み合わされていても良い。
特に粘度の大きい栄養剤を患者に供給する胃瘻チューブや経腸チューブでは、コネクタへの接続部に大きな流動抵抗力が抜脱方向に作用することとなるが、本発明に係るコネクタ用抜止具セットを採用してコネクタ用抜止具で固定することにより、かかる抜脱が防止されて安定した輸液ラインが実現可能となる。
本発明に従う構造とされたコネクタ用抜止具およびコネクタ用抜止具セットにおいては、弾性湾曲部と第1及び第2の締付用突部とによって医療用チューブの外周面を締め付けるようにして、医療用チューブに対してコネクタからの抜止力を効率的に及ぼすことができる。
しかも、本発明に係るコネクタ用抜止具およびコネクタ用抜止具セットでは、支点部分に対する力点部分および作用点部分が同じ側に設けられることから、全体サイズをコンパクトにできると共に、洗濯ばさみ状の締付具のように力点部分が外方へ大きく突き出することによる他部材への干渉等の不具合も回避される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。先ず、図1には、本発明の実施形態としてのコネクタ用抜止具セット10が示されている。このコネクタ用抜止具セット10は、輸液ラインにおける医療用チューブの接続部を協働して構成するコネクタ12とコネクタ用抜止具14を含んで構成されている。これらコネクタ12とコネクタ用抜止具14が、樹脂袋などの収容体16に密封状態で封入されて滅菌状態で医療現場に提供されるようになっている。なお、図1に示されているように、コネクタ用抜止具セット10の使用方法を記載した説明書(Instruction Manual)も、収容体16へ同封または添付等されることにより、併せて提供されることが好ましい。
より詳細には、コネクタ12は、図2に示されているように、中心軸上を直線的に延びる貫通孔18を備えた管状体とされており、軸方向中間部分より先端側(図2中の左斜め下方側)は、外周面が先細のテーパ形状とされたポート部20とされている。また、このポート部20の外周面には、周方向に延びる環状の段差部22が、軸方向に所定間隔で複数設けられている。
一方、コネクタ12の基端側(図2中の右斜め上方側)は、大径のねじ式接続部24とされており、図3に示されているように、市販の栄養剤バッグ26の取出口28に対してねじ固定可能とされている。即ち、栄養剤バッグ26には雄ねじ式の取出口28が設けられており、この取出口28に適合するように、貫通孔18の開口部が大径化されると共に内周面に雌ねじが形成されることによって、取出口28に対してねじ固定可能なねじ式接続部24が構成されている。なお、ねじ式接続部24の外周面には、凹凸が付されており、栄養剤バッグ26の取出口28への着脱に際しての手指による作業性の向上が図られている。
また、コネクタ用抜止具14は、図4〜5に示されているように、略半円筒状に湾曲した弾性湾曲部30の周方向両端から第1及び第2の延出片部32,34が延び出して一体形成された構造を有している。
弾性湾曲部30は、略一定の外幅寸法と厚さ寸法を有する帯状とされている。特に本実施形態では、弾性湾曲部30において、幅方向の中央部分を湾曲方向の略全長に亘って延びる幅広の貫通窓36が形成されており、それによって、弾性湾曲部30が、貫通窓36の両側を湾曲方向に延びる2本のコード状湾曲体38,38によって構成されている。
第1及び第2の延出片部32,34は、弾性湾曲部30の湾曲方向の各一方の端部から、それぞれ、弾性湾曲部30と略同じ一定の外幅寸法をもって接線方向に延び出している。これら第1及び第2の延出片部32,34の外面には、それぞれ凹凸が付されており、第1及び第2の操作面40,42が形成されている。
また、第1及び第2の延出片部32,34の各内面は、互いに所定距離を隔てて対向位置しており、延び出し方向の中間部分においてそれぞれ対向方向に向かって突出する第1及び第2の締付用突部44,46が形成されている。これら第1及び第2の締付用突部44,46は、何れも、第1及び第2の延出片部32,34の延び出し方向の両側に傾斜面を有する山形状とされている。そして、第1及び第2の締付用突部44,46の各突出先端部は、何れも、円弧状断面をもって幅方向の略全長に亘って一定高さで延びる稜線構造とされている。なお、第1及び第2の締付用突部44,46には、それぞれ、幅方向両端面に開口する一対の肉抜部48,48が形成されている。
さらに、第1の延出片部32の延び出し方向の先端側は、第1の締付用突部44によって実質的に厚肉化されて剛性が大きくされていると共に、先端縁部が鋭角な先細状断面を有する係止部50とされている。
一方、第2の延出片部34の延び出し方向の先端側には、第1の延出変部32側に向かって略1/4周の円弧状に湾曲して、係止部50に向かって立ち上がる立上湾曲部52が設けられている。なお、この立上湾曲部52における立ち上がりの基端部分には、弾性湾曲部30と同様な幅広の貫通窓54が形成されており、立上湾曲部52の有効断面積ひいては弾性等が適切に調節されている。
また、第2の延出片部34の立上湾曲部52には、その先端側から板状に立ち上がる立上板状部56が設けられており、この立上板状部56に係止溝58が形成されている。この係止溝58は、立上板状部56の内面に開口して、立上板状部56の幅方向全長に亘って直線的に延びるようにして形成されている。また、かかる係止溝58は、略V字形の断面形状とされており、立上板状部56の先端側の係止溝58内面が、立上板状部56の内面に対して略直角に切れ込んだ係止面60とされている。
そして、コネクタ用抜止具14に外力が及ぼされていないフリーな開放状態では、第1の延出片部32と第2の延出片部34の各先端面が互いに所定距離を隔てて対向位置している。また、第1の延出片部32の先端縁部は、第2の延出片部34の立上板状部56の立ち上がり方向の上方にまで被さるように延び出していると共に、これら第1の延出片部32と第2の延出片部34の各先端面は、対向面が略平行な傾斜案内面62,64とされている。
而して、かかるコネクタ用抜止具14は、図4,5に示された開放状態から第1及び第2の延出片部32,34を手の指先で摘むようにして第1及び第2の操作面40,42に対して操作力を及ぼして、締付状態とすることができる。即ち、かかる操作力により、第1の延出片部32と第2の延出片部34を相互に接近させる方向に外力が加えられると、弾性湾曲部30が、その曲率を大きくする方向に弾性変形させられる。それに伴って、第1及び第2の延出片部32,34の両傾斜案内面62,64が相互に当接し、更に、第1の延出片部32の係止部50が第2の延出片部34の立上板状部56を外方に押し広げて、立上湾曲部52を曲率が小さくなる方向に弾性変形させつつ、立上板状部56の基端側へ向かって係止部50が摺動することとなる。そして、かかる係止部50が、立上板状部56の係止溝58に達すると、立上湾曲部52の弾性によって係止部50が係止溝58に入り込んで、係止部50が係止面60に当接することにより、係止部50が係止面60に係止される。その後は、手指による外力を解除しても、係止部50が係止面60への係止作用に基づき、弾性湾曲部30の弾性に抗して、第1及び第2の延出片部32,34が相互の接近状態に保持された締付状態が実現されることとなる。
この締付状態では、コネクタ用抜止具14において、弾性湾曲部30の曲率半径が小さく維持されると共に、第1及び第2の締付用突部44,46の両突出先端部が互いに接近状態に保持される。それ故、これら弾性湾曲部30と第1及び第2の締付用突部44,46とによって囲まれる領域に医療用チューブを挿通することで、かかる医療用チューブに対して締付力を及ぼすことが可能となる。
具体的には、図6,7に、本実施形態のコネクタ用抜止具セット10を用いて、コネクタ12に装着された医療用チューブ66を、コネクタ用抜止具14で締め付けて抜け止め保持せしめた状態の一例が示されている。なお、図6,7に示されたコネクタ12は、図3に示されているようにねじ式接続部24において栄養剤バッグ26の取出口28へねじ固定されることにより、コネクタ12の貫通孔18が栄養剤バッグ26の内部に接続されて、栄養剤バッグ26から体内への医療用チューブ66等を介した供給ラインが形成されているものであるが、図6,7では、かかる栄養剤バッグ26の図示を省略する。
そして、かかるコネクタ12のポート部20に対して、医療用チューブ66の一方の端部の開口部分が外挿されて装着されている。なお、ポート部20の外径寸法は、医療用チューブ66の内径寸法に対して、その先端部において略同じか僅かに小さいことが望ましい。これにより、医療用チューブ66にポート部20を挿し入れる際に、ポート部20を医療用チューブ66に深く挿入することが可能とされる。一方、外径寸法が大きくなるポート部20の基端側においては、医療用チューブ66が弾性的に拡径変形することにより、ポート部20に密着して被せられるようになっている。
かかる医療用チューブ66は、その先端がポート部20の基端部近くに達する位置まで外挿されており、医療用チューブ66とコネクタ12との接続部である医療用チューブ66の先端近くに対してコネクタ用抜止具14が装着されて、医療用チューブ66をポート部20に対して締め付けて固定するようになっている。
すなわち、コネクタ用抜止具14には、その弾性湾曲部30と第1及び第2の締付用突部44,46とによって囲まれる領域に対して、コネクタ12のポート部20に外挿された医療用チューブ66が挿通されている。かかる状態下で前述のようにコネクタ用抜止具14に操作力を及ぼして、第1の延出片部32の係止部50を第二の延出片部34の係止溝58に係止されることにより、弾性湾曲部30と第1及び第2の締付用突部44,46とによって囲まれる領域が実質的に縮小される。これに伴い、それら弾性湾曲部30と第1及び第2の締付用突部44,46が、医療用チューブ66の外周面に対して当接して、径方向内方への締付力を及ぼすようになっている。そして、この当接力が、医療用チューブ66をポート部20に対して押し付けるように作用する結果、ポート部20からの医療用チューブ66の抜け出しが防止されて連結状態に固定的に保持されることとなる。
ここにおいて、上述の如き構造とされたコネクタ用抜止具14では、弾性湾曲部30が医療用チューブ66の略半周に亘って巻き付けられて外周面に圧縮力を及ぼすと共に、第1及び第2の締付用突部44,46が医療用チューブ66を弾性湾曲部30に向けて径方向に押し付けるように作用する。それ故、医療用チューブ66を周上の大きな領域に亘って効率的に縮径方向へ締め付けることが出来るのであり、医療用チューブ66のポート部20への固定力が効果的に発揮され得る。
特に本実施形態では、弾性湾曲部30が、周方向に延びる2本のコード状湾曲体38,38で構成されていることから、周方向の締付力が医療用チューブ66に対して集中して効率的に及ぼされることとなる。しかも、ポート部20の外周面には環状の段差部22が設けられていることから、コード状湾曲体38により医療用チューブ66の軸方向で局所的に作用した周方向の締付力が、医療用チューブ66の段差部22への係合力を増大させることとなり、一層大きな抜止作用を発揮し得る。
また、図7に示されているように、例えば一方のコード状湾曲体38を、医療用チューブ66を外れた位置でポート部20の基端部に巻き付けることにより、コード状湾曲体38をポート部20の段差部22に対して直接に係止させることも可能である。これにより、コネクタ用抜止具14自体のポート部20からの抜け出しを確実に防止することが出来て、医療用チューブ66がコネクタ用抜止具14と一緒にポート部20から抜け出してしまう不具合も回避される。
そして、このように医療用チューブ66がポート部20に対して強固に接続固定されることから、例えば栄養剤バッグ26から高粘性の栄養剤が大きな圧力で送り出される場合等においても、医療用チューブ66で構成される輸液ラインが安定して維持され得て、目的とする治療等を安心して行うことが可能になる。
また、上述の構造とされたコネクタ用抜止具14では、操作力が及ぼされる力点となる第1及び第2の延出片部32,34と、医療用チューブ66に締付力を及ぼす作用点となる弾性湾曲部30と第1及び第2の締付用突部44,46が、支点となる弾性湾曲部30の周方向中間部分に対して同じ側に位置することとなる。それ故、支点に対して力点と作用点が互いに反対側に位置する例えば洗濯ばさみの如き構造に比して、全体サイズを小さく出来て、他の作業の邪魔になり難いという効果が発揮される。
更にまた、コネクタ用抜止具14によって医療用チューブ66を締付固定した状態では、弾性湾曲部30から周方向両側に延び出した第1及び第2の延出片部32,34が各先端部で相互に係止されて、周方向で相互につながった連結状態とされる。これにより、コネクタ用抜止具14が、全体として環状のエンドレス構造を呈することとなって、例えば洗濯ばさみの如き構造における大きな突き出し部分などが無くなり、他部材の引っ掛かり等に起因してコネクタ用抜止具14が不用意に外れてしまう不具合も効果的に防止され得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の具体的な説明によって限定的に解釈されるものでない。例えば、医療用チューブとして、図8に示されている如き分岐ポート68を備えたYポートコネクターチューブ70を採用する場合でも、かかるYポートコネクターチューブ70におけるコネクタ12のポート部20への接続部位に対して、上述の如きコネクタ用抜止具14が同様に採用され得る。
また、本発明に係るコネクタ用抜止具14は、図1に示されているようにコネクタ12等と組み合わせて販売等する他、コネクタ用抜止具14の単体で又は使用説明書(Instruction Manual)と組み合わせて提供することも可能である。特に医療用では、輸液ラインなどを構成するコネクタや輸液チューブの径寸法が略定まっていることから、コネクタ用抜止具14を単体で提供し、また、必要に応じて複数サイズを選択できるようにすることで、医療現場で利用することが可能となる。勿論、栄養剤バッグ26などを更に組み合わせてコネクタ用抜止具セットとして販売することも可能であり、また、栄養剤バッグ26とコネクタ12とを接続する延長チューブなども、必要に応じてコネクタ用抜止具セット内に組み合わせても良い。
更にまた、本発明に係るコネクタ用抜止具14の用途は、栄養剤の供給用の輸液ラインに限定されるものでなく、輸血ラインなどの各種の医療用ラインにおいて、医療用ケーブルのポート部からの抜け防止用に用いられ得る。
さらに、前述のコネクタ12やコネクタ用抜止具14は、材質や製造方法を限定されるものでなく、要求される硬度や弾性等のほか、用途や使用環境、滅菌方法などに応じて、例えばナイロンやポリプロピレン、フッ素樹脂等の合成樹脂やアルミニウム合金等の金属などからなる単体構造や複合構造をもって一体成形されたものが適宜に採用され得る。
また、コネクタ12やコネクタ用抜止具14の具体的構造は、前記実施形態によって限定されるものでなく、例えばポート部20の外周面に段差部22が設けられていない構造のコネクタや、弾性湾曲部30や立上湾曲部52に貫通窓36,54が設けられていない構造のコネクタ用抜止具も、本発明において採用可能である。更に、例えば弾性湾曲部30において、貫通窓36を、板幅方向で複数並列的に形成することにより、かかる弾性湾曲部30を、3本以上のコード状湾曲体38で構成することも可能である。
更にまた、コネクタ用抜止具14の第1及び第2の延出片部32,34における第1及び第2の締付用突部44,46の具体的形状や大きさ等も任意に設定可能である。例えば、山形状とされた第1及び第2の締付用突部44,46における両傾斜面の傾斜角度を任意に設定することも可能であり、また、第1及び第2の締付用突部44,46の突出高さを板幅方向で部分的に異ならせて、弾性湾曲部30におけるコード状湾曲体38のように、医療用チューブ66への押付力を集中的に作用させたり、ポート部20の段差部22への係合作用を発揮させたりすることも可能である。
さらに、コネクタ用抜止具14における第1及び第2の延出片部32,34の各先端部分における係止構造も前記実施形態に限定されるものでなく、例えば、第2の延出片部34に貫通孔を形成してその内周面を係止面とし、第1の延出片部32の先端部分を小幅化して、かかる貫通孔へ挿通係止させたり、或いは、第2の延出片部34の外側面に係止面を形成すると共に、第1の延出片部32の先端部分に鉤型のフック状係止部を形成して、このフック状係止部を第2の延出片部34の外側面に重ね合わせて係止させたりすること等も可能である。
また、第1及び第2の延出片部32,34の各先端部分における係止構造において、第1の延出片部32の第2の延出片部34に対する係止位置を、立上湾曲部52の立上方向で多段階に設定可能とし、装着に際しての弾性湾曲部30の曲率の程度を、医療用チューブ66の外径寸法や医療用チューブ66への締付力の程度などに応じて調節設定可能にすることもできる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更を加えた態様で実施することが可能であり、そのような各態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれることとなる。
10:コネクタ用抜止具セット、12:コネクタ、14:コネクタ用抜止具、16:収容体、20:ポート部、26:栄養剤バッグ、30:弾性湾曲部、32:第1の延出片部、34:第2の延出片部、36:貫通窓、38:コード状湾曲体、44:第1の締付用突部、46:第2の締付用突部、50:係止部、60:係止面、66:医療用チューブ
Claims (5)
- コネクタに設けられた先細テーパ状のポート部を医療用チューブの開口端に挿し入れて接続した該医療用チューブの該コネクタへの接続部に用いられて、該医療用チューブの該コネクタからの抜け出しを防止するコネクタ用抜止具であって、
前記コネクタの前記ポート部に接続された前記医療用チューブの外周面に対して略半周に亘って巻き付け可能に湾曲された帯状の弾性湾曲部と、
前記弾性湾曲部の周方向一方の側から延び出して先端縁部に係止部が設けられた第1の延出片部と、
前記弾性湾曲部の周方向他方の側から延び出して先端部分が前記係止部側に向かって湾曲していると共に、該先端部分の内面に該係止部が係止される係止面が設けられた第2の延出片部と、
それら第1の延出片部および第2の延出片部の各対向面側に突設されて、前記弾性湾曲部と協働して前記医療用チューブの外周面に対して締付力を及ぼす第1の締付用突部および第2の締付用突部と
を、有することを特徴とするコネクタ用抜止具。 - 前記弾性湾曲部には貫通窓が形成されており、周方向に延びる複数本のコード状湾曲体によって該弾性湾曲部が構成されている請求項1に記載のコネクタ用抜止具。
- 前記第1の締付用突部および前記第2の締付用突部が、前記第1の延出片部および前記第2の延出片部の延び出し方向両側に傾斜面を有する山形状とされている請求項1又は2に記載のコネクタ用抜止具。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載されたコネクタ用抜止具と、
医療用チューブが接続される先細テーパ状のポート部を備えたコネクタと
を、収容体に収容したことを特徴とするコネクタ用抜止具セット。 - 前記医療用チューブを含んで供給用ラインが形成される栄養剤を収容した栄養剤バッグが更に組み合わされている請求項4に記載のコネクタ用抜止具セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013125438A JP2015000155A (ja) | 2013-06-14 | 2013-06-14 | 医療分野で用いられるコネクタ用抜止具およびコネクタ用抜止具セット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013125438A JP2015000155A (ja) | 2013-06-14 | 2013-06-14 | 医療分野で用いられるコネクタ用抜止具およびコネクタ用抜止具セット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015000155A true JP2015000155A (ja) | 2015-01-05 |
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ID=52295065
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2015000155A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024116912A1 (ja) * | 2022-11-30 | 2024-06-06 | 株式会社Screenホールディングス | 灌流回路キット |
-
2013
- 2013-06-14 JP JP2013125438A patent/JP2015000155A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024116912A1 (ja) * | 2022-11-30 | 2024-06-06 | 株式会社Screenホールディングス | 灌流回路キット |
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