JPH0734843U - 針抜け防止具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 輸液セットの側注管に装着された異なる形状
の側注用輸液セットの注射針を含む注入部にも対応で
き、取付け容易で外れる虞の無い針抜け防止具を提供す
る。 【構成】 合成樹脂シートから成形され、板状中間部３
の一端に注射針用の針基締付部１を、他端に注入管用の
穿刺締付部２を設け、それぞれの締付部は、スリット４
を設けた差込基部５と、両側辺を鋸歯状突起６とし前記
スリットに差込み係止させる差込係止片７からなり、針
基締付位置を針基締付部で、側注管ポート部直下に横に
接続する短管を穿刺締付部で締め付けて、針基と横向き
の短管間距離を不動に保持することができる。穿刺締付
部には長さ調節帯８が設けられているので、針基と短管
管の距離が異なっても対応できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、輸液セットとカテーテルの接続部あるいは輸液セットのライン途中 の側注部と側注ラインとの接続部において、接続部が外れないように固定するた めの固定具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

輸液セットとカテーテルを接続し、あるいは輸液セットのライン途中の側注部 と側注ラインを接続する場合、一方の注入管のゴム質の穿刺体に他方の注入用の 注射針を穿刺して二つのラインを接続し、輸液を行なう。この穿刺針が誤って抜 けることがあると、針先で周囲を傷着けることがあり、感染の危険ももたらす。 また、輸液途中で操作が中断されると輸液管理上不都合を生じ、あるいは針は抜 けるに至らなくても針の穿刺方向への移動があると、針周辺を通しての汚染が起 り得る。 しかしながら、従来、この注射針穿刺による接続部を外れないように固定する ことについては、特に考慮は払われず、二つの要固定部の間に粘着テープや伴創 膏を貼りわたして固定したり、あるいは何等の固定法も講じられないでいた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者は、上記のように結合部が不安定な状態で接続され、危険な状態に置 かれている点に鑑み、結合が容易で且つ外れない構造について研究し、弾性で屈 撓性の合成樹脂シートを用いて針基部及び穿刺部を締め付けるのにスリットを設 けた差込部に両側辺を鋸歯状突起６とした係止部を差し込み締め付け係止させる ことを着想し、種々検討を重ね、本考案を完成するに至った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かくして、本考案によれば、高分子物質製シートから成形され、板状中間部３ の一端に注射針用の針基締付部１を、他端に注入管用の穿刺締付部２を設け、前 記それぞれの締付部は、スリット４を設けた差込基部５と、両側辺を鋸歯状突起 ６とし前記スリットに差込み係止する差込係止片７からなることを特徴とする針 抜け防止具が提供される。

【０００５】 図１は針抜け防止具実施例の平面図で、合成樹脂シートを打抜成形し、板状中 間部３の片側に横方向に針基締付部１が形成され、針基締付部は、スリット４ａ が穿設された差込基部５ａと中間板状部とほぼ垂直に横設された差込係止片７ａ からなり、差込係止片７ａの両側辺は左右突起端間の距離をスリット長さより大 として鋸歯状突起６ａが複数個設けられている。板状中間部３の他の側には穿刺 締付部２が設けられ、この穿刺締付部は板状中間部の延長方向に連続して設けら れた差込基部５ｂと長さ調節帯８及び差込係止片７ｂから形成されている。板状 中間部と長さ調節帯の差込係止片ａ側の互いの平行した側辺間に段差を設けて形 成されその間隔は４〜８ｍｍである。差込係止片７ｂの両側辺には鋸歯突起６ｂ が複数個設けられている。

【０００６】 この実施例に示す針抜け防止具は、図３の（Ａ），（Ｂ）及び（Ｃ）に示す注 射器−側注管用のもので、このセットでは輸液は直角に折曲した短管９を経て側 注管の穿刺部ポート直下で注射針方向と一致した輸液排出管に合流して流下する もので、穿刺部ポート下にデッドスペースを生じないので好適に用いられる。な お、前記短管９の長さは平行する２管の芯−芯で４〜８ｍｍである。 上記Ａ，Ｂ，Ｃそれぞれの針基締付位置Ｐと短管９の管径及びＰと短管９間の 距離の異なるものに対して一種類の防止具で対応できるようにするために各部分 の概略寸法は、中間板状部長さ３０ｍｍ，差込係止片７ａ長さの４０〜５０ｍｍ ，差込基部５ｂの長さ２５ｍｍ，長さ調節帯の長さ３０ｍｍ，差込係止片ｂの長 さ３０ｍｍ程度とすればよいが、その寸法はこれに限定されるものではない。 防止具シートの材質は、樹脂、ゴム等の高分子物質から形成されるが、弾性、 可撓性に富む合成樹脂が好適で、ポリ塩化ビニル，ポリエチレン，ポリプロピレ ンが用いられ、その厚みは０．３〜０．９ｍｍ程度が防止具の操作上好ましい。

【０００７】

【作用】

本考案防止具を注射器を装着した輸液セットに取り付けるには、図３に示した 針基締付位置Ｐに針基締付部を当てて巻き付け、シートの弾性，可撓性を利 用して差込係止片７ａを差込基部５ａのスリットに挿通し締め付け鋸歯状突起 を係止固定させる。同様にして、注入管の短管９に穿刺締付部を巻付け、針基締 付部と穿刺締付部間が緩まぬように差込係止片７ｂを充分に引っ張り、差込基部 ５ｂに設けられた適宜のスリットに係止させればよい。穿刺締付部には長さ調節 帯があるので、異なる針基と短管９間の距離にも対応できる。又、針基締付位置 Ｐは締付部の管径の拡大する手前または鍔部の手前であり、締付位置Ｐと短管９ の間が不動に結合されるので、接触等によっても針抜けを生じる虞がない。また 、板状中間部に対し穿刺締付部は短管９の長さだけ横にずらしてあり、重なり合 うことがなく、操作しやすい。

【０００８】 図４は本考案の他の実施例の平面図で、穿刺締付部の差込基部と差込係止片の 組が複数（本実施例では２組）並列して針基締付と同じ側に設けられたものであ る。この防止具では、針基締付位置を針基締付部で締め付け固定した後、側注管 の管体の所望位置に対応するように複数の穿刺締付部の組から選んで締め付け固 定すれば良い。この第２の実施例のものは、前記の短管を有する側注管のほか、 従来のＹ分岐型の側注管にも使用することができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案防止具は、スリットに係止片を差し込み引っ張り固定すればよいので、 取付けが簡単で、かつ外れることがない。特に第１の実施例では、針基締付部と 短管との距離が異なるものにも対応して結合でき、かつ結合された距離は接触等 の場合にも緩みが生ぜず安全である。また、プラスチックシートの打抜製品であ り、廉価に製作することが出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案針抜け防止具の第１の実施例の平面図で
ある。

【図２】本考案針抜け防止具の取付方法を示す説明図で
ある。

【図３】本考案針抜け防止具の第１の実施例の適用され
る注射器と注入管の組合わせ例の図面である。

【図４】本考案針抜け防止具の第２の実施例の平面図面
である。

【符号の説明】

１ 針基締付部 ２ 穿刺締付部 ３ 板状中間部 ４ａ，４ｂ スリット ５ａ，５ｂ 差込基部 ６ａ，６ｂ 鋸歯状突起 ７ａ，７ｂ 差込係止片 ８ 長さ調節帯 ９ 短管 Ｐ 針基締付位置

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高分子物質製シートから成形され、板状
   中間部３の一端に注射針用の針基締付部１を、他端に注
   入管用の穿刺締付部２を設け、前記それぞれの締付部
   は、スリット４を設けた差込基部５と、両側辺を鋸歯状
   突起６とし前記スリットに差込み係止する差込係止片７
   からなることを特徴とする針抜け防止具。
2. 【請求項２】 前記板状中間部の一端に針基締付部１の
   差込基部と差込係止片が横設され、他端に複数のスリッ
   トを有する差込基部５の側辺が板状中間部３の一の側辺
   と連続して設けられ、かつ差込係止片が長さ調節帯８を
   介在させて差込基部に連設されるとともに該長さ調節帯
   ８と板状中間部３の前記針基締付部の差込係止片７側の
   互いの平行側辺間に段差を設けて形成されたことを特徴
   とする請求項１記載の針抜け防止具。
3. 【請求項３】 前記針基締付部が板状中間部の一端に横
   設され、他端に複数の前記穿刺締付部が並列横設されて
   いることを特徴とする請求項１記載の針抜け防止具。