JP6613395B2 - 六価クロム還元剤 - Google Patents

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本発明は、土壌や灰および汚泥等の産業廃棄物に含まれる六価クロムの還元剤およびpHの調整剤に関する。
従来の六価クロムの還元処理では、硫酸第一鉄を還元剤として還元処理する方法(例えば、特許文献1参照)がある。しかしながら、一般的に硫酸第一鉄、塩化第一鉄などの還元剤は、アルカリ性でFe(OH)となり、また、酸素と反応して酸化するなど、還元効果が低減することが知られている為、pHを10以下にした後に添加する必要がある。なお、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤は、酸性で反応することにより還元効果を発する為、アルカリ性では反応性が乏しいことが知られている。
また、これらの薬剤は環境中に残存しやすく、生物への影響も懸念される。
また、グルコースによる還元とキレート剤により、固定化する方法(例えば、特許文献2参照)がある。しかしながら、グルコースは末端にアルデヒド基が存在することにより還元性を示すが、還元力が乏しい(表1参照)。
また、キレート剤は高価であることから、処理費用が増大し生物への悪影響を及ぼすことが懸念される。
また、増粘剤と還元剤としてのアスコルビン酸および/又はアスコルビン酸塩と、エリソルビン酸及び/又はエリソルビン酸塩との少なくとも一方を用いる方法(例えば、特許文献3参照)。還元剤としてのアスコルビン酸を測定により適量を添加する方法(例えば、特許文献4参照)がある。しかしながら、アスコルビン酸は、アルカリ性では爆発的に酸素と反応し、分解される。よってこれらの発明では、より多くのアスコルビン酸の添加が必要となる。また、アスコルビン酸は環境中で生分解されるが、薬剤の投入量が多くなることによって、他の有害物質の再溶出などの影響を及ぼすことが懸念される。更にエリソルビン酸、エリソルビン酸塩は、生物への悪影響や他の有害物質の再溶出などの影響を及ぼすことが懸念される。
また、硫酸アルミニウムを不溶化の助剤としている方法(例えば、特許文献5参照)。軽焼マグネシアと生石灰と還元剤および酸性物質の1つとして硫酸アルミニウムを添加する方法(例えば、特許文献6参照)がある。しかしながら、いずれの方法も多量の薬剤の添加を必要とする。(特許文献5の方法では、対象物に対して5〜30%。特許文献6の方法では、対象物に対して8〜10%)この為、薬剤の投入量が多くなることによって、処理費用が増大し、他の有害物質の再溶出や生物への悪影響を及ぼすことが懸念される。
特開2001−121109 特開2008−229540 特開2008−272552 特開平11−104611 特開2014−054602 再表2009/001719
以上に述べた従来の六価クロムの還元剤では、アルカリ性では反応性に乏しく、還元効果が低減する。この為、十分な還元効果を得るためには、より多くの薬剤を添加する必要があり、生物への影響や他の有害物質が溶出してきやすくなる可能性があった。
本発明は、このような従来あった薬剤の効果への影響を減少させ、また生物への影響も最小限に抑えることを実現することを目的とする。
本発明は、六価クロムの還元に有効であり、生物への影響も少ないアスコルビン酸およびアスコルビン酸ナトリウムは、アルカリ性では爆発的に酸素と反応し効果が低減する欠点を、土壌等の中和処理に使用する硫酸アルミニウムを加えることにより、pHを調整し、最大の還元効果を実現させたものである。
また、単独では六価クロムの還元効果が低いグルコースを、アスコルビン酸や硫酸アルミニウムと組み合わせることにより、相乗効果で六価クロムの還元効果を高め、高価となるアスコルビン酸の使用量を減らすとともに、十分な六価クロムの還元効果を得られることを実現させたものである。
また、硫酸アルミニウム本来の凝集作用により、重金属類の凝集封じ込め作用や、薬剤の添加量の減少による他の有害物質が溶出への影響の低減を実現させたものである。
上述のように本発明は、アルカリ性の対象物でも、pH調整を同時にすることによって、使用する還元剤の反応を有益に行えるとともに、薬剤の使用量を減らすことによる、生物への影響や他の有害物質が溶出される懸念を最小限に抑えることを提供できる。
アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの還元力の比較 アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムのpHの比較 アスコルビン酸とグルコースの還元力とpHの比較(長期安定性) アスコルビン酸とグルコースの混合比率の違いよる還元力の効果の比較 アスコルビン酸とグルコースの混合比率の違いよるpHの効果の比較 アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの混合比率による還元力の比較 アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの混合比率によるpHの比較 薬剤の混合比率 グルコースと硫酸アルミニウムの組合せによる還元力の効果の比較 グルコースと硫酸アルミニウムの組合せによるpHの効果の比較 アスコルビン酸とグルコースおよび本剤の還元力とpHの比較 試験試料への薬剤添加による六価クロムの変化 試験試料への薬剤添加によるpHの変化 試験試料の溶出試験結果 試験試料原体と還元剤Aを添加した時の他の有害物質への影響の比較 試験試料原体と還元剤Aを添加した時における酸添加試験による他の有害物質への影響の比較 試験試料原体と還元剤Aを添加した時におけるアルカリ添加試験による他の有害物質への影響の比較
以下、本発明の実施の形態を表1〜表17に基づいて説明する。
表1においては、アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの添加量による還元力を比較した結果である。
表1の結果より、アスコルビン酸は0.10%以上の添加量で顕著な効果が現れたが、グルコースおよび硫酸アルミニウムは1.0%の添加量でも効果はなかった。
表2においては、アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの添加量によるpHを比較した結果である。
表2の結果より、アスコルビン酸は0.20%以上の添加量で中性となり顕著な効果が現れた。グルコースは0.50%以上の添加量でも効果はなかった。硫酸アルミニウムはpHをアルカリ性から酸性側に調整できることが確認できた。
表1および表2の結果から、アスコルビン酸では0.20%以上の添加量で六価クロムの還元およびpH調整ができることから、今後の試験の添加量は0.20%以上とすることで試験を実施した。
表3においては、「アスコルビン酸とグルコースの還元力とpHの比較(長期安定性)」を確認した結果である。
試験方法は、六価クロムを5.4mg/L、pHを12.1とした水溶液に、アスコルビン酸とグルコースをそれぞれ0.2%添加した後の変化を確認した。
表3の結果より、アスコルビン酸は、六価クロムの低減に効果があり、またpH調整も可能で効果は高かった。
グルコースは、六価クロムの低減やpH調整には効果は低かった。しかしながら、安価であるグルコースを主体として、効果を高めることが可能であれば、より実用的であることから、グルコースを主体とした混合割合での試験を行った。結果を表4および表5に示した。
図面4の結果より、アスコルビン酸35重量部以上とグルコース65重量部未満の組み合わせでは、顕著な効果が現れた。
図面5の結果より、アスコルビン酸とグルコースの組み合わせでは、アスコルビン酸の量が増加するに従い、pHの中性側への効果が確認できたが、僅かな効果の上昇であった。
これらから、更に効果を高める必要のあるアスコルビン酸とグルコースの組み合わせとして、アスコルビン酸30重量部とグルコース70重量部の比率を基準に、より六価クロムの還元が可能となり、pHの効果を高める効果を確認するための図面6および図面7の試験を行った。
この際にpH調整が難しいのは、アスコルビン酸ナトリウムとグルコースで、アスコルビン酸ナトリウムは還元力はあるが、酸としての働きはなく、液性は中性であることと、グルコースは図面2および図面3の結果からも分かるように、酸性側へのpH調整効果が低いことがわかる。また、図面1と図面2および図面3の結果からも六価クロムの還元には、pH調整が重要であることから、pH調整用の薬剤として硫酸アルミニウムを使用する。硫酸アルミニウムは、酸性であることから一般的に土壌の中和剤として使われている。また、硫酸アルミニウムはアルカリ分と反応して水酸化アルミニウムの重合物を生じ、中性付近では陽性電荷をもつ為、反対の電荷をもっている粘土や有機物などと中和して凝集することが知られている。
表6は、「アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの混合比率による還元力の比較」を確認した。
試験方法は、表6に示した混合割合で、アスコルビン酸・グルコース・硫酸アルミニウムを混合した薬剤を0.2%添加した後の変化を確認した。
表6の結果より、六価クロムが硫酸アルミニウムの混合量が表4の試験のように0重量部では、0.09mg/Lであったものが、アスコルビン酸が少量で還元力の弱いグルコースが主体でも、硫酸アルミニウムを混合することによって、0.00mg/Lとなった。なお、硫酸アルミニウムの混合量が20重量部から30重量部では、効果が不十分であったが、グルコースの量を減少させ、アスコルビン酸や硫酸アルミニウムを増加させることにより、効果が増大することが予測できる。
よって、表6の結果から、アスコルビン酸・グルコース・硫酸アルミニウムを混合することによる効果を確認できた。
表7は、「アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウムの混合比率によるpHの比較」を確認した。
試験方法は、表7に示した混合割合で、アスコルビン酸・グルコース・硫酸アルミニウムを混合した薬剤を0.2%添加した後の変化を確認した。
表7の結果より、pHが硫酸アルミニウムの混合量が表5の試験のように0重量部ではpHが、11.0までが限界であったが、アスコルビン酸が少量で還元力の弱いグルコースが主体でも、硫酸アルミニウムを混合することによって、六価クロムの還元が顕著であるとともにpHが9台まで調整できる結果となった。
よって、表7の結果から、アスコルビン酸・グルコース・硫酸アルミニウムを混合することによる効果を確認できた。
また、アスコルビン酸は、酸としての働きの他に、強い還元剤としての働きを有する。
アスコルビン酸ナトリウムは、酸としての働きはないが、強い還元剤としての働きを有する。
グルコースは、酸としての働きはないが、還元剤としての働きを有する。
ここで、酸としての働きのないアスコルビン酸ナトリウムやグルコースには、特に硫酸アルミニウムによるpH調整の補助剤としての有効性が更に高まることがわかった。
よって、アスコルビン酸が18重量部以上、グルコースが42重量部〜70重量部、硫酸アルミニウムが5重量部〜40重量部の範囲の組み合わせが、六価クロムの低減とpHの酸性側への調整に効果があることを確認した。
アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムと同等の効果を期待できる薬剤として、エリソルビン酸やエリソルビン酸ナトリウムも還元剤としての働きを有するが、生物への影響が懸念されることや、グルコースと硫酸アルミニウムおよびアスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムの混合添加による効果が高いことから、本発明では使用していない。
更に表8に示した混合割合で試験試料による添加試験を行った。
表8の還元剤は、表6で六価クロムの還元に効果を示し、かつアスコルビン酸が最小量で効果が認められた、混合比率で作成したものを試験用に用いた。
試験は、液体試料、六価クロムを5.4mg/L、pHを12.5とした水溶液で、本発明表8の混合比率で混合した還元剤を0.05%〜0.30%まで0・05%刻みで添加した結果を、アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウム単独で試験を実施した表1および表2の結果と比較する為に還元剤による試験結果を追記して、表9および表10に示した。
また、アスコルビン酸とグルコースおよび硫酸アルミニウム単独で長期安定性の試験を実施した表3の結果と比較するために、本発明表8の混合割合で混合した還元剤を0.20%添加し、10日後の確認試験を表3に追記して、表11に示した。
表9の結果より、六価クロムの還元効果は0.10%以上の添加で、効果を確認した。
表10の結果より、pHの調整効果は0.10%以上の添加で、効果を確認した。
表11の結果より、本発明による薬剤の混合添加試験で、10日後にはアスコルビン酸単独では5.4mg/Lから0.01mg/L未満と低減していたが、本発明も5.4mg/Lから0.01mg/L未満と低減しており、六価クロムの還元はアスコルビン酸単独と同等の結果を得ることができた。
pHは、アスコルビン酸単独では12.5から6.6と中性側に傾いたのに対して、本発明の添加では12.5から6.3と僅かであるが中性側へのpH調整効果が高かった。
表8の混合割合で試験試料への添加試験結果を表12および表13に示した。
添加量は、液体試料での添加量0.20%と、固体試料では多くの有機物や化学物質が多く含有されている可能性があり、目的物質以外の反応が予測されることから、過剰に添加した場合で0.05%添加した条件で試験を実施した。
試験試料は、「石炭灰とPS灰」の混灰試料と「土壌と石炭灰」の混合試料を用意した。それぞれ1重量部に対して1重量部の割合で混合して、更に混合試料に対して、ポルトランドセメントを1.5〜3%添加混合したものを使用した。1重量部に対して1重量部の割合で混合した理由は、これまでの傾向から試験試料が単独の場合は、目立った汚染物質の溶出は少ないが、混合された試料では、汚染物質が溶出しやすい傾向にあること、また、ポルトランドセメントを添加した理由は、軟弱地盤などではポルトランドセメントを始めとするセメントの使用による地盤の強度安定化を実施することが多く、このことにより六価クロムの溶出が問題となる事例が多い為、ポルトランドセメントの添加をした試料を試験試料として選択した。
試験の方法は環告46号(「土壌の汚染に係る環境基準について」)に準じて、分析をした。風乾した試料を粗砕した後、非金属性の2mmのふるいを通過させた試料と溶媒(純水)を重量体積比10%の割合で混合し、その混合液が500ml以上となるようにする。試料液を浸とう回数毎分200回・振とう幅を4cm以上5cm以下に調整して、6時間連続浸とうする。その後、10分から30分静置後、毎分3000回転で20分遠心分離した後の上澄み液を、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過したろ液を試験溶液とする。
この試験溶液を、日本工業規格65.2.1のジフェニルカルバジド吸光光度法によって、分析した。
表12は添加試験の六価クロムの結果を示した。
1回目の「石炭灰とPS灰」の混灰試料に対しての添加試験での0.50%添加の場合は、開始前に0.09mg/Lであったが、1週間後では0.01mg/Lとなり、3週間後でも0.01mg/Lと安定していた。 0.20%添加の場合でも、開始前に0.09mg/Lであったが、1週間後では0.03mg/Lとなり、3週間後でも0.03mg/Lと安定していた。
1回目の「土壌と石炭灰」の混合試料では、0.50%添加の場合は、開始前に0.07mg/Lであったが、1週間後では0.01mg/Lとなり、3週間後でも0.01mg/Lと安定していた。
2回目の「石炭灰とPS灰」の混灰試料に対しての添加試験では、0.05%添加の場合は、開始前に0.14mg/Lであったが、1週間後では0.02mg/Lとなり、3週間後でも0.02mg/Lと安定していた。
2回目の「土壌と石炭灰」の混合試料では、0.50%添加の場合は、開始前に0.07mg/Lであったが、1週間後では0.03mg/Lとなり、3週間後でも0.02mg/Lと安定していた。
これらの試験結果から、時間の経過とともに六価クロムが低減していき、六価クロムが安定した結果となった。
表13は添加試験のpHの結果を示した。pHの試験方法は、日本工業規格12.1のガラス電極法で測定した。
1回目の「石炭灰とPS灰」の混灰試料に対しての添加試験では、0.50%添加の場合は、開始前に11.1であったが、1週間後では8.6となり、3週間後でも8.5と安定していた。 0.20%添加の場合でも、開始前に11.1であったが、1週間後では8.9となり、3週間後でも8.8と安定していた。
1回目の「土壌と石炭灰」の混合試料では、0.50%添加の場合は、開始前に9.3であったが、1週間後では9.5となり、3週間後でも9.2と安定していた。
2回目の「石炭灰とPS灰」の混灰試料に対しての添加試験では、0.50%添加の場合は、開始前に11.3であったが、1週間後では9.2となり、3週間後でも9.3と安定していた。
2回目の「土壌と石炭灰」の混合試料では、0.50%添加の場合は、開始前に9.3であったが、1週間後では9.0となり、3週間後でも9.1と安定していた。
これらの試験結果から、時間の経過とともにpHが低減していき、pHが安定した結果となった。
表14は、試験試料の六価クロム以外の有害金属の溶出量を環告46号によって、分析した結果である。六価クロム以外ではふっ素が基準値の0.8mg/Lを超える0.9mg/Lであった。
表15は、試験試料原体と試験試料原体に本薬剤を0.50%添加した時の溶出量を環告46号によって、分析した結果である。本薬剤を添加すると六価クロムとふっ素が低減して、他の有害物質には影響はなかった。
表16および表17は、「酸・アルカリ添加試験による他の有害物質への影響」の有無を確認した。酸添加試験は酸性雨による暴露の影響を確認するため、アルカリ添加試験はコンクリート建造物との長期接触による影響を確認するために実施した。試験方法は、一般社団法人土壌環境センター提案の「酸・アルカリ試験」による方法で評価した。
酸添加試験は、硫酸を添加して酸性にした溶媒を、アルカリ試験は、消石灰を添加してアルカリ性にした溶媒を環告46号試験と同様の操作によって、作成した溶媒を試験溶液として、日本工業規格65.2.1のジフェニルカルバジド吸光光度法によって、分析した。
表16は酸添加試験の結果である。六価クロムが0.05mg/Lだった試験試料が、酸添加試験では0.05mg/Lと変わらず、本薬剤を添加した酸添加試験では0.04mg/Lとなった。フッ素は0.9mg/Lだった試験試料が、酸添加試験では0.8mg/Lとなり、本薬剤を添加した酸添加試験では0.6mg/Lとなった。カドミウム・全シアン・鉛・砒素・全水銀・セレン・pHには大きな影響はなかった。本薬剤の添加による六価クロムやフッ素の溶出は、酸における影響が低減できることを確認した。
表17はアルカリ添加試験の結果である。六価クロムが0.05mg/Lだった試験試料が、アルカリ添加試験では0.06mg/Lとなり、本薬剤添加したアルカリ添加試験では0.01mg/L未満となった。フッ素が、0.9mg/Lだった試験試料が、アルカリ添加試験では1.3mg/Lとなり、本有悪剤を添加したアルカリ添加試験では1.1mg/Lとなった。カドミウム・全シアン・鉛・砒素・全水銀・セレンには大きな影響はなかった。pHはアルカリ側に傾いた。本試験結果より、六価クロムには影響が出ていないことを確認した。また、フッ素がアルカリ試験において僅かに影響が出ているが、本発明による薬剤を添加することによって影響が軽減されていた。
このように、本発明は環境への影響が少ない薬剤を主体とし、従来の六価クロムの還元効果が低かったグルコースを使用しながらも、十分な還元効果を発揮することが可能となり、かつpHの中性側への調整を実現した。また、本発明による薬剤の添加による他の有害物質への影響も最小限に止めることが実現された。

Claims (1)

  1. アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムの少なくともいずれか18重量部〜25重量部と、グルコース42〜70重量部と、硫酸アルミニウム5〜40重量部となるように混合した六価クロム還元剤およびpH調整剤。
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