JP6613361B2 - オーダー管理装置、オーダー管理方法、およびオーダー管理プログラム - Google Patents

オーダー管理装置、オーダー管理方法、およびオーダー管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、オーダーを管理するオーダー管理装置、オーダー管理方法、およびオーダー管理プログラムに関する。
倉庫内または工場内では、作業者がオーダーに従って保管された物品を収集し、出庫先へと仕分ける作業、すなわち出庫作業が行われる。出庫作業では、自動搬送装置によって物品を搬送するピッキングシステムが運用される。下記特許文献1は、物流倉庫において、搬送車を利用して出庫作業者の場所へ対象物品または対象物品が格納されている棚を搬送することでピッキングを行う技術を開示する。
また、通常、物流倉庫や組み立て工場では、複数種類の物品がバケットやパレットの単位で管理される。物流倉庫や組み立て工場が在庫物品を有する場合、出庫作業が進行するに連れて、入庫されている物品の残数が少なくなる。このため、定期的に物品が補充入庫される。出庫作業と入庫作業が繰り返されることで、ある種類の物品が異なる保管区画に分散され、新しい種類の物品を充填可能な保管区画が減少する。
したがって、物品在庫充填率の低下や、ある種類の物品を必要数ピッキングするために複数の異なるバケットやパレットを出庫作業場所へ呼び出す必要がある。これにより、生産性の低下を招いてしまう。
このため、例えば、特許文献2は、物品の種類ごとにサイズとバケットに搭載可能な物品数の上限を設定し、複数のバケットに分散した同じ種類の物品をなるべく少ないバケット数に積み合せる方法を開示する。また、特許文献3は、容量制限に応じた複数種類の物品の混載方法を開示する。
米国特許第8,805,573号明細書 特開2007−186320号公報 特開2005−206317号公報
しかしながら、上記特許文献2および特許文献3には次のような問題がある。複数種類の物品を混載している搬送棚は、出庫指示に従い、自動搬送装置によって作業ステーションに搬送される。複数の作業ステーション(例えば、WS1,WS2とする)で出庫作業が同時に進行する場合、ある搬送棚Xに混載されたある物品Aが作業ステーションWS1,WS2で必要になることがある。
作業ステーションWS1で搬送棚Xから物品Aがピッキングされている間、他の作業ステーションWS2では搬送棚Xが到着するまでの待ち時間が発生する。このため、生産性の低下が発生する。
また、作業ステーションが担当する配送先について種類が異なる複数の物品をピッキングする場合、各々の物品が異なる搬送棚搭載されていると、各搬送棚の搬送を別々に行わなければならない。したがって、作業ステーションへの不必要な搬送が増加し、待ち時間が増加する。このため、生産性の低下が発生する。
本発明は、出庫作業の効率化を図ることを目的とする。
本願において開示される発明の一側面となるオーダー管理装置、オーダー管理方法、およびオーダー管理プログラムは、物品を保管する複数の搬送棚と、搬送されてきた前記搬送棚に保管されている前記物品を出庫する複数の作業ステーションと、を用いて、出庫対象物品の出庫作業を管理するオーダー管理装置、オーダー管理方法、およびオーダー管理プログラムであって、前記オーダー管理装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、前記プロセッサは、前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品の個数と、前記出庫対象物品の配送先と、を含む1以上のオーダーを受信する受信処理と、前記出庫対象物品を保管する特定の搬送棚が第1の作業ステーションに搬送されてから前記出庫対象物品の出庫作業が終了するまでの間に前記第2の作業ステーションにおいて前記特定の搬送棚からの前記出庫対象物品の出庫作業の指示が発生するという前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記オーダーに基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定する判定処理と、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性の判定結果に基づいて、前記特定の搬送棚内、または、前記特定の搬送棚と他の搬送棚との間において、前記出庫対象物品を保管すべき個数を設定する設定処理と、を実行することを特徴とする。
本発明の代表的な実施の形態によれば、出庫作業の効率化を図ることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
図1は、倉庫内の出庫作業の一例を示す説明図である。 図2は、図1に示した作業エリアの詳細を示す説明図である。 図3は、ゲートの詳細を示す説明図である。 図4Aは、ピッキングシステムの一例を示す説明図である。 図4Bは、ピッキングシステムの一例を示す説明図である。 図5は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。 図6は、搬送車のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図7は、配送先テーブルの記憶内容例を示す説明図である。 図8は、搬送棚テーブルの記憶内容例を示す説明図である。 図9は、ピッキングシステムによるピッキング処理手順例を示すシーケンス図である。 図10は、オーダーデータの作成例を示す説明図である。 図11は、図9に示した前処理(ステップS904)の詳細な処理手順例を示すシーケンス図である。 図12は、図11に示した選定処理(ステップS1101)の詳細な処理手順例1を示すフローチャートである。 図13は、搬送棚テーブルにおける棚寄せ判定結果を示す説明図である。 図14は、図13における棚寄せ判定結果である棚寄せ判定結果リストを示す説明図である。 図15は、図11に示した選定処理(ステップS1101)の詳細な処理手順例2を示すフローチャートである。 図16は、搬送棚テーブルにおける分散判定結果を示す説明図である。 図17は、図16における分散判定結果である分散判定結果リストを示す説明図である。 図18は、図11に示した入替決定処理(ステップS1104)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。
<出庫作業の一例>
図1は、倉庫内の出庫作業の一例を示す説明図である。倉庫100は、物品の保管エリア101と、作業エリア102と、を有する。保管エリア101には複数の搬送棚DSが配置される。各搬送棚DSは、1種類以上の物品を搭載する。また、保管エリア101には、複数の搬送車ACが存在する。搬送車ACは、後述する運行管理装置からの制御により、移動する。
具体的には、搬送車ACは、指定された搬送棚DSまで移動する。搬送車ACは、搬送棚DSの真下に潜り込むと、搬送車ACの上面に設けられた図示しないジャッキ機構により、搬送棚DSを真上に持ち上げる。その後、搬送車ACは、搬送棚DSを持ち上げたまま、作業エリア102内の指定された作業ステーションWS1,WS2に移動する。説明上、作業ステーションWS1,WS2を区別しない場合は、作業ステーションWSと表記する。搬送車ACは、作業ステーションWSに到着すると、搬送棚DSを床に下す。出庫作業が終了すると、搬送車ACは、再度搬送棚DSを持ち上げて、搬送棚DSを元の位置に戻す。
作業エリア102には、複数の作業ステーションWSi(iは、1≦i≦nを満たす整数。nは2以上の整数で、作業ステーションWSの総数を示す。本例では、n=2とする。)がある。作業ステーションWSiは、ゲートGij(は、1≦j≦mを満たす整数。mは2以上の整数で、1作業ステーションWSiあたりのゲートGiの総数を示す。本例では、m=2とする。)と、端末Tiと、仕分棚SSiと、を有する。ゲートGijは、搬送棚DSの到着地点となる。1つのゲートGijは、1つの搬送棚DSに対応する。端末Tiは、情報を表示したり、作業者Wiが操作したりするコンピュータである。仕分棚SSiは、ゲートGijを介して搬送棚DSからピッキングされた物品を載置する棚である。
図2は、図1に示した作業エリア102の詳細を示す説明図である。仕分棚SSiは、複数の仕分棚区画Pi−ab(aは、1≦a≦Aを満たす整数。Aは1以上の整数で、仕分棚SSiの区画段を示す。本例では、A=3とする。bは、1≦b≦Bを満たす整数。Bは1以上の整数で、仕分棚SSiの区画列を示す。本例では、B=4とする。)を有する。すなわち、本例では、仕分棚SSiは12個の仕分棚区画Pi−abを有する。各仕分棚区画Pi−abは、当該仕分棚区画Pi−abに投入される物品の配送先に対応する。
図3は、ゲートGijの詳細を示す説明図である。ゲートGijは、水平バー310と水平バー310を両端で支持する垂直バー311とにより構成される。ゲートGijの水平バー310間の空間は、搬送棚DSの棚板間の空間に対応する。搬送棚DSk(kは搬送棚DSを一意に特定する番号)は、その棚板間の空間を、保管区画Qk−cd(cは、1≦c≦Cを満たす整数。Cは1以上の整数で、搬送棚DSの区画段を示す。本例では、C=4とする。dは、1≦d≦Dを満たす整数。Dは1以上の整数で、仕分棚SSiの区画列を示す。本例では、D=3とする。)に分割する。
ゲートGijは、保管区画Qk−cdに対応する表示操作部300をゲートGijの水平バー310に有する。表示操作部300は、表示部301と操作部302とを有する。表示部301には、対応する保管区画Qk−cdから取り出すべき物品の個数や投入すべき物品の個数が表示される。操作部302は、例えば、対応する保管区画Qk−cdから仕分棚区画Pi−abへのピッキングが完了した場合や、対応する保管区画Qk−cdへの投入が完了した場合に作業者Wiにより操作されるボタンである。
出庫作業では、例えば、作業ステーションWS1に待機している搬送棚DSが同時期に作業ステーションWS2でも必要な場合、作業ステーションWS2で待ち時間が発生する。本実施例は、このような待ち時間を低減するために、出庫作業の前処理として、搬送棚DS間での物品の棚寄せ、分散、入替を行う。これにより、出庫作業での搬送棚DSの取り合いや搬送棚DSの無駄な搬送が抑制され、出庫作業中の作業者Wiの待ち時間が低減される。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
<ピッキングシステムの一例>
図4Aは、ピッキングシステムの一例を示す説明図である。ピッキングシステム400は、Warehouse Management System(WMS)401と、オーダー管理装置402と、運行管理装置403と、搬送車ACと、端末Tiと、ゲートGijと、を有する。WMS401は、オーダー管理装置402および運行管理装置403と通信可能に接続される。オーダー管理装置402、運行管理装置403、搬送車AC、端末Ti、およびゲートGijは、ネットワーク410を介して通信可能に接続される。少なくとも、搬送車ACは、ネットワーク410を介して無線通信可能に運行管理装置403と接続される。
WMS401は、オーダー管理装置402と、運行管理装置403と、を制御する。具体的には、WMS401は、オーダー管理装置402にオーダーや搬送棚データを送信する。オーダーとは、物品の物品名、個数、および配送先を含む情報である。搬送棚データとは、物品が保管される搬送棚DSkに関するデータである。具体的には、例えば、搬送棚データは、保管されている物品の物品名、個数、当該物品が保管されている搬送棚DSkと、その保管先である保管区画Qk−cdの位置情報を含む。WMS401は、オーダー管理装置402での処理と、運行管理装置403での処理と、を連携する。例えば、WMS401は、オーダー管理装置402から出庫作業の終了通知を受けると、運行管理装置403に、当該搬送棚DSkを元の位置に戻すよう指示する。
本実施例のピッキングシステムでは、オーダー管理装置402と運行管理装置403は、WMS401に対して図4Aのような並列に接続されたシステムとなっている。したがって、オーダー管理装置402または運行管理装置403で処理された情報は、WMS401を介して送受信され、随時更新されている。その他のシステム形態として、例えば図4Bに示すように、WMS421はオーダー管理装置422を制御し、オーダー管理装置422は運行管理装置423を制御するという、階層的なシステムを設計することも可能である。図4Bのようなシステム形態を取ることで、WMS421を介することなく、オーダー管理装置422と運行管理装置423は直接情報のやり取りが可能である。
オーダー管理装置402は、WMS401からオーダーおよび搬送棚データを受信する受信処理を実行してオーダーデータを生成する。オーダーデータとは、オーダーと仕分棚SSiにおける仕分棚区画Pi−abとを対応付けたデータである。また、オーダー管理装置402は、搬送棚データをWMS401から受信して、後述する搬送棚データテーブルに保存する。オーダー管理装置402は、ゲートGijと端末Tiとを制御する。制御内容については後述する。
運行管理装置403は、保管エリア101の座標情報を有し、各搬送棚DSの現在位置情報を管理する。保管エリア101の床面は、例えば、2次元メッシュで分割されており、運行管理装置403は、各メッシュの中心の座標値を管理する(中心ではなく、メッシュの頂点座標値でもよい)。また、各メッシュは、当該メッシュの座標値を含むマーカーを有する。マーカーは、例えば、メッシュ上に貼着または塗布されたバーコード(2次元コードも含む)である。バーコードはメッシュの座標値が織り込まれた情報である。
また、運行管理装置403は、搬送車ACの運行を管理する。具体的には、例えば、運行管理装置403は、オーダー管理装置402からWMS401を介して搬送棚DSの搬送指示を受け付けると、配送すべき物品を保管する搬送棚DSと、配送すべき物品の配送先の仕分棚区画Pi−abを有する仕分棚SSiがある作業ステーションとを特定し、特定した搬送棚DS経由で特定した作業ステーションWSiまでの経路情報を算出する。そして、運行管理装置403は、ある搬送車AC、例えば、特定した搬送棚DSに最も近い搬送車ACに経路を送信し、経路情報に従って移動するよう指示する。
搬送車ACは移動中床面をスキャンしており、メッシュ通過時にバーコードをスキャンすることにより、その座標値を取得する。搬送車ACは、取得した座標値を運行管理装置403に送信する。これにより搬送車ACの現在位置を管理する。また搬送車ACは、マーカーを用いず、例えば、ソナーやレーザースキャナ等の計測システムを備え、自己位置を逐次推定しながら運行することも可能である。
また、運行管理装置403は、搬送車ACの現在位置の座標値が、搬送すべき搬送棚DSが配置されているメッシュの座標値と一致するか否かを判断する。一致する場合、運行管理装置403は、リフトアップ指示情報を搬送車ACに送信する。搬送車ACは、リフトアップ指示情報を受信すると、ジャッキ機構により搬送棚DSを持ち上げる。そして、搬送車ACは、目標到達地点となる作業ステーションWSiに移動する。
また、運行管理装置403は、搬送車ACの現在位置の座標値が、目標到達地点となる作業ステーションWSi前の指定されたゲートGij前のメッシュの座標値と一致するか否かを判断する。一致する場合、運行管理装置403は、リフトダウン指示情報を搬送車ACに送信する。搬送車ACは、リフトダウン指示情報を受信すると停止して、ジャッキ機構により搬送棚DSを床面に下す。
また、運行管理装置403は、オーダー管理装置402からWMS401経由で当該搬送棚DSからの出庫作業の終了情報を受信すると、リフトアップ指示情報および撤収指示情報を搬送車ACに送信する。搬送車ACは、リフトアップ指示情報を受信すると再度搬送棚DSを持ち上げ、撤収指示情報を受信すると、搬送棚DSを持ち上げたまま、経路情報にしたがって搬送棚DSが配置されていた元の位置に移動する。
そして、運行管理装置403は、搬送車ACの現在位置の座標値が、搬送棚DSが配置されていた元の位置となるメッシュの座標値と一致するか否かを判断する。一致する場合、運行管理装置403は、リフトダウン指示情報を搬送車ACに送信する。搬送車ACは、リフトダウン指示情報を受信すると、ジャッキ機構により搬送棚DSを床面に下す。そして、搬送車ACは、経路情報をクリアする。
<ハードウェア構成例>
図5は、WMS401、オーダー管理装置402、運行管理装置403、および端末Ti(以下、単にコンピュータ500)のハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ500は、プロセッサ501と、記憶デバイス502と、入力デバイス503と、出力デバイス504と、通信インターフェース(通信IF505)と、を有する。プロセッサ501、記憶デバイス502、入力デバイス503、出力デバイス504、および通信IF505は、バス506により接続される。
プロセッサ501は、コンピュータ500を制御する。記憶デバイス502は、プロセッサ501の作業エリアとなる。また、記憶デバイス502は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス502としては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力デバイス503は、データを入力する。入力デバイス503としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナがある。出力デバイス504は、データを出力する。出力デバイス504としては、例えば、ディスプレイ、プリンタがある。通信IF505は、ネットワーク410と接続し、データを送受信する。
図6は、搬送車ACのハードウェア構成例を示すブロック図である。搬送車ACは、プロセッサ601と、記憶デバイス602と、駆動部603と、ジャッキ機構604と、読取デバイス605と、通信IF606と、を有する。プロセッサ601、記憶デバイス602、駆動部603、ジャッキ機構604、読取デバイス605、および通信IF606は、バス607により接続される。プロセッサ601は、搬送車ACを制御する。記憶デバイス602は、プロセッサ601の作業エリアとなる。また、記憶デバイス602は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス602としては、例えば、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリがある。
駆動部603は、プロセッサ601の制御により搬送車ACを移動、旋回または停止させる。ジャッキ機構604は、プロセッサ601の制御により、リフトアップ指示情報を受けるとジャッキアップして搬送棚DSを持ち上げ、リフトダウン指示情報を受けるとジャッキダウンして、搬送棚DSを降ろす。読取デバイス605は、床面上のマーカーを読み取る。マーカーがバーコードである場合、読取デバイス605は、バーコードリーダである。通信IF606は、ネットワーク410と接続し、運行管理装置403からデータを送受信する。
<各種テーブルの記憶内容例>
図7は、配送先テーブルの記憶内容例を示す説明図である。配送先テーブル700は、オーダー管理装置402が記憶する情報である。配送先テーブル700は、配送先フィールド701と、仕分棚区画フィールド702と、仕分棚フィールド703と、を有する。配送先フィールド701は、配送先を特定する情報を格納する記憶領域である。仕分棚区画フィールド702は、仕分棚区画Pi−abを格納する記憶領域である。配送先は、1以上の仕分棚区画Pi−abに対応する。仕分棚フィールド703は、仕分棚SSiを特定する情報を格納する記憶領域である。配送先テーブル700において、例えば、1行目のエントリは、配送先SH1は、仕分棚SS1内の仕分棚区画P1−11〜P1−13に対応することを示す。すなわち、仕分棚SS1内の仕分棚区画P1−11〜P1−13に投入された物品は、配送先SH1に配送される。
図8は、搬送棚テーブルの記憶内容例を示す説明図である。搬送棚テーブル800は、搬送棚DSに関する情報を記憶する情報である。搬送棚テーブル800は、WMS401およびオーダー管理装置402に記憶され、互いに同期して最新の状態に更新される。
搬送棚テーブル800は、IDフィールド801と、物品フィールド802と、個数フィールド803と、搬送棚フィールド804と、棚面フィールド805と、区画段フィールド806と、区画列フィールド807と、を有する。各フィールド801〜807の同一行の値の組み合わせにより、搬送棚テーブル800のエントリである搬送棚データが構成される。
IDフィールド801は、値として、搬送棚データを一意に特定するIDを格納する記憶領域である。物品フィールド802は、値として、物品の名称である物品名を格納する記憶領域である。個数フィールド803は、値として、物品名で特定される物品が保管されている個数を格納する記憶領域である。搬送棚フィールド804は、値として、物品名で特定される物品が保管されている搬送棚DSを特定する情報を格納する記憶領域である。
棚面フィールド805は、値として、搬送棚DSの棚面を格納する記憶領域である。棚面とは、例えば、搬送棚DSの正面側が「表」、背面側が「裏」である。なお、搬送棚DSが搬送車ACによりゲートGijに搬送される場合は、ゲートGijに対面する側が「表」となる。区画段フィールド806は、値として、搬送棚DSの区画段を格納する記憶領域である。区画段は、保管区画Qk−cdが搬送棚DSkのc段目にあることを示す情報である。区画列フィールド807は、値として、搬送棚DSの区画列を格納する記憶領域である。区画列は、保管区画Qk−cdが搬送棚DSkのd列目にあることを示す情報である。
例えば、IDが「1」のエントリである搬送棚データは、搬送棚DS1の棚面「表」から見て1段目でかつ1列目の保管区画Q1−11に物品Aが7個保管されていることを示す。
<ピッキングシーケンス>
図9は、ピッキングシステム400によるピッキング処理手順例を示すシーケンス図である。図9では、説明を簡略化するため、WMS401の処理については省略する。まず、オーダー管理装置402は、WMS401からオーダーを受信してオーダーデータを作成する(ステップS901)。ここで、オーダーデータの作成例について具体的に説明する。
図10は、オーダーデータの作成例を示す説明図である。オーダーは、注文対象となる物品の物品名、個数、および配送先により構成される情報である。オーダーデータは、オーダーと、当該オーダーの配送先に対応する仕分棚SSiの仕分棚区画Pi−abとを関連付けた情報である。オーダー管理装置402は、配送先テーブル700を参照して、オーダーごとに配送先に対応する仕分棚区画Pi−abを特定してオーダーに関連付ける。これにより、オーダーデータが作成される。そして、オーダー管理装置402は、各オーダーデータに固有のIDを割り付けてオーダーデータテーブル1000を作成する。
オーダーデータテーブル1000は、IDフィールド1001と、物品フィールド1002と、個数フィールド1003と、配送先フィールド1004と、仕分棚区画フィールド1005と、を有する。各フィールド1001〜1005の同一行の値の組み合わせにより、オーダーデータテーブル1000のエントリであるオーダーデータが構成される。
図9に戻り、オーダー管理装置402は、オーダーデータ群を対応する端末Tiに送信する(ステップS902)。具体的には、例えば、オーダー管理装置402は、オーダーデータごとに、オーダーデータテーブル1000の仕分棚区画フィールド1005の値である仕分棚区画Pi−abを参照して、その仕分棚SSiが設置されている作業ステーションWSi内の端末Tiを特定して、当該端末Tiにオーダーデータを送信する。例えば、図10の例では、IDが「1」〜「9」のオーダーデータは、作業ステーションWS1内の端末Tiに送信される。IDが「10」、「11」のオーダーデータは、作業ステーションWS2内の端末Tiに送信される。そして、オーダーデータを受信した端末Tiは、受信したオーダーデータを表示する(ステップS903)。
オーダーデータの送信(ステップS902)の後、オーダー管理装置402は、前処理を実行する(ステップS904)。前処理(ステップS904)とは、ステップS905以降のピッキング処理に先立って、搬送棚DS間での物品の棚寄せ、分散、および入替を実行する処理である。なお、棚寄せ、分散、および入替をすべて実行する必要はなく、棚寄せ、分散、および入替のうち少なくともいずれか1つが実行されればよい。前処理(ステップS904)の詳細は、図11で後述する。
前処理(ステップS904)の完了後、オーダー管理装置402は、WMS401を介して運行管理装置403に搬送指示情報を送信する(ステップS905)。搬送指示情報は、運行管理装置403から、オーダーデータに含まれる物品を搭載する搬送すべき搬送棚DSを搬送する特定の搬送車ACに転送される。搬送指示情報とは、搬送すべき搬送棚DSと、搬送先となる作業ステーションWSiと、到着位置となるゲートGijと、現在位置から搬送すべき搬送棚DSを経由して当該ゲートGijに到達するまでの経路情報と、を含む情報である。
搬送指示情報を受信すると、受信した搬送車ACは、搬送すべき搬送棚DSまで移動する(ステップS906)。搬送車ACは、搬送棚DSの下に潜り込んでジャッキ機構604により搬送棚DSをリフトアップして床面から離間させる(ステップS907)。搬送車ACは、搬送棚DSを持ち上げた状態で搬送先となる作業ステーションのゲートGij前に移動する(ステップS908)。搬送車ACは、ゲートGij前に到着すると停止し、ジャッキ機構604により搬送棚DSを床面に降ろす(ステップS909)。搬送車ACは、搬送棚DSを降ろすと、運行管理装置403に到着信号を送信する(ステップS910)。到着信号は、運行管理装置403からWMS401を介してオーダー管理装置402に転送される。到着信号は、搬送棚DSの識別情報とその搬送棚DSが到着したゲートGijの識別情報を含む。
このあと、オーダー管理装置402、ゲートGij、および端末Tiは、出庫作業支援処理を実行する(ステップS911)。出庫作業支援処理(ステップS911)とは、作業ステーションWSiにいる作業者Wiの出庫作業を支援する処理である。出庫作業支援処理(ステップS911)は、例えば、オーダーデータテーブル1000においてIDフィールド1001の値であるIDの昇順に実行される。
出庫作業支援処理(ステップS911)では、オーダー管理装置402は、到着信号を受信すると、搬送棚DSが到着したゲートGijに出庫指示情報を送信する(ステップS921)。出庫指示情報は、宛先となるゲートGijの識別情報、出庫対象物品とその個数、および到着した搬送棚DSにおける出庫対象物品の位置情報(棚面、区画段、および区画列)を含む。宛先となるゲートGijの識別情報は、到着信号から得られる。出庫対象物品とその個数は、オーダーデータテーブル1000から得られる。到着した搬送棚DSにおける出庫対象物品の位置情報は、到着信号に含まれる出庫対象物品および搬送棚DSの識別情報を用いることにより、搬送棚テーブル800から得られる。
ゲートGijは、出庫指示情報を受信すると、出庫指示情報に含まれる位置情報に対応する表示操作部300を点灯し、当該表示操作部300において出庫対象物品の個数を表示する(ステップS922)。
作業者Wiは、点灯表示されたゲートGijを介して、搬送棚DSの保管区画Qk−cdから出庫対象物品を、表示された個数分取り出す。作業者Wiは、端末Tiを参照して、取り出した出庫対象物品の配送先と把握して、仕分棚SSiの対応する仕分棚区画Pi−abに出庫対象物品を収納する。そして、作業者Wiは、点灯中の表示操作部300を操作して消灯する。
作業者Wiが仕分け作業中の出庫対象物品に対応する仕分棚SSiの仕分棚区画Pi−abを認識する他の方法として、例えば仕分棚SSiへのゲートGijと同等な表示機構の設置が挙げられる。搬送棚DSの保管区画Qk−cdから取り出した出庫対象物品に対して、仕分け先の仕分棚区画Pi−abを当該表示操作部300と同等の表示方法によって点灯表示することで、作業者Wiは表示部301と同等の表示方法によって収納すべき物品数を正確に把握しながら出庫対象物品を収納することが可能である。
ゲートGijは、消灯操作を検知すると、出庫対象物品のピッキングが終了したことを検知する(ステップS923)。そして、ゲートGijは、出庫終了情報をオーダー管理装置402に送信する(ステップS924)。
オーダー管理装置402は、出庫終了情報を受信すると、オーダーデータ更新情報を端末Tiに送信する(ステップS925)。オーダーデータ更新情報は、ピッキングが終了した物品についてのオーダーデータのIDと、つぎにピッキングすべき物品を含むオーダーデータのIDとを含む。
端末Tiは、オーダーデータ更新情報を受信すると、オーダーデータ更新情報に含まれるIDを用いて、オーダーデータを更新する(ステップS926)。具体的には、例えば、端末Tiは、ピッキングが終了した物品についてのオーダーデータをオーダーデータ群から削除し、つぎにピッキングすべき物品を含むオーダーデータを強調表示する。これにより、1つの出庫対象物品についての出庫作業支援処理(ステップS911)が終了する。出庫作業支援処理(ステップS911)は、オーダー管理装置402で管理されているオーダーデータテーブル1000の全エントリに含まれる物品のうち、搬送された搬送棚DSに含まれる全物品について実行される。
搬送された搬送棚DSについて出庫作業支援処理(ステップS911)が終了すると、オーダー管理装置402は、WMS401経由で運行管理装置403に搬送棚DSの返却指示情報を送信する(ステップS912)。返却指示情報は、運行管理装置403により、作業ステーションのゲートGij前の搬送棚DSの真下に待機中の搬送車ACに転送される。
搬送車ACは、返却指示情報を受信すると、搬送棚DSを元の位置に返却する(ステップS913)。具体的には、例えば、搬送車ACは、ジャッキ機構604により搬送棚DSをリフトアップして床面から離間させる。搬送車ACは、搬送棚DSを持ち上げた状態で搬送棚DSを元の位置に搬送する。搬送車ACは、元の位置に到着すると停止し、ジャッキ機構604により搬送棚DSを床面に降ろす。搬送車ACは、搬送棚DSを降ろすと、運行管理装置403に到着信号を送信する。他の搬送棚DSを作業ステーションWSiに搬送する場合は、ステップS905以降の処理が繰り返し実行される。
<前処理(ステップS904)>
図11は、図9に示した前処理(ステップS904)の詳細な処理手順例を示すシーケンス図である。オーダー管理装置402は、選定処理を実行する(ステップS1101)。選定処理(ステップS1101)は、物品の種類ごとに、棚寄せ対象となる物品候補や分散対象となる物品候補を選定する処理である。選定処理(ステップS1101)により、搬送棚DSに保管されている物品群は、物品の種類ごとに、棚寄せ対象物品候補、分散対象物品候補、およびそれ以外の物品に分類される。選定処理(ステップS1101)の詳細については後述する。
つぎに、オーダー管理装置402は、実施条件設定をおこなう(ステップS1102)。ここで、実施条件とは、選定処理(ステップS1101)によって選定された棚寄せ対象物品候補および分散対象物品候補を絞り込む条件である。
例えば、棚寄せ実施条件は、棚寄せ作業をなるべく短時間で行うために、棚寄せ作業の回数や時間の指定を含む。回数は、あらかじめ設定された1回あたりの時間や蓄積された過去の実績により時間に換算される。そして、指定された棚寄せ作業の回数または時間を満たすように、オーダー管理装置402は、すべての棚寄せ対象物品候補から、その出庫物品数または搬送棚DSの保管区画数が多い物品に優先的に絞り込む。
また、全搬送棚DSkの空きの保管区画Qk−cdが所定数以下である場合は棚寄せする、という棚寄せ実施条件でもよい。これにより、空きの保管区画Qk−cdの増加を図ることができる。また、棚寄せ対象物品候補の最大搭載数が棚寄せ対象物品候補の出庫物品数よりも多い場合は棚寄せしないという棚寄せ実施条件でもよい。これにより、無駄な棚寄せ作業を抑制することができる。
分散実施条件は、例えば、物品を保管しているすべての搬送棚DSのうち、出庫作業に用いる搬送棚DSをどの程度割り当てるかという制限を含む。この場合、使用可能な搬送棚DSの保管区画数が規定される。例えば、規定した保管区画数を超えないように、オーダー管理装置402は、すべての分散対象物品候補から、出庫物品数または仕分棚SSiの仕分棚区画数が多い物品に優先的に絞り込む。これにより、分散する保管区画数を規定することにより、無駄な分散作業を抑制することができる。なお、実施条件設定(ステップS1102)はオプションであり、オーダー管理装置402は、実施条件設定(ステップS1102)を実行しなくてもよい。
オーダー管理装置402は、実施条件設定(ステップS1102)に従って、棚寄せ対象物品候補から棚寄せ対象物品を決定し、分散対象物品候補から分散対象物品を決定する(ステップS1103)。実施条件設定(ステップS1102)が実行されない場合は、棚寄せ対象物品候補がそのまま棚寄せ対象物品になり、分散対象物品候補がそのまま分散対象物品になる。
オーダー管理装置402は、棚寄せ対象物品および分散対象物品について入替決定処理を実行する(ステップS1104)。入替決定処理(ステップS1104)とは、ある搬送棚DSkのある保管区画Qk−cdに保管されている物品を、当該保管区画Qk−cdから他の搬送棚DSh(h≠k)の保管区画Qh−cdに入れ替えることを決定する処理である。例えば、オーダー群の種類が異なる物品A,Bが、複数の搬送棚DSx,DSyに分散されている場合、各々の搬送棚DSx,DSyを同一の作業ステーションWSiに呼び出す必要がある。したがって、オーダー管理装置402は、物品Aの搬送棚DSxから搬送棚DSyの保管区画Qy−cdへの入替を決定する。これにより、搬送棚DSyを呼び出すだけで、物品A,Bのピッキングが可能になる。
また、オーダー群の種類が異なる物品A,Bが、同一の搬送棚DSxに保管されており、かつ、複数の作業ステーションWS1,WS2から呼び出される可能性が有る場合、複数の作業ステーションWS1,WS2間で搬送棚DSxの取り合いが発生する可能性がある。具体的には、一方の作業ステーションWS1での物品Aの出庫作業と、他方の作業ステーションWS2での物品Bの出庫作業とが同時に発生する可能性がある。物品A、Bのオーダー数がそれぞれ所定数以上ある場合にこのような事態が発生する。したがって、オーダー管理装置402は、物品Aの搬送棚DSxから他の搬送棚DSyの保管区画Qy−cdへの入替を決定する。これにより、物品A、Bについての搬送棚DSxの取り合いを抑制することができる。
なお、入替決定処理(ステップS1104)は、棚寄せ対象物品および分散対象物品について実行されるが、棚寄せ対象物品にだけ実行されてもよく、また、分散対象物品にだけ実行されてもよい。また、オーダー群に含まれる物品のうち、棚寄せ対象物品および分散対象物品を除く物品について実行されてもよく、オーダー群に含まれる全物品について実行されてもよい。
ステップS1105以降の処理は、未選択の棚寄せ対象物品、未選択の分散対象物品、および未選択の入替対象物品の各々について実行される。
オーダー管理装置402は、棚寄せ対象物品および分散対象物品や、入替対象物品を保管する搬送棚DSを搬送するために、WMS401を介して運行管理装置403に搬送指示情報を送信する(ステップS1105)。搬送指示情報は、運行管理装置403から、棚寄せ元、分散元、または入替元(以下、取出し元)となる第1の搬送棚DSを搬送する第1の搬送車ACと、棚寄せ先、分散先、または入替先(以下、投入先)となる第2の搬送棚DSを搬送する第2の搬送車ACに、それぞれ転送される。
ここでの搬送指示情報は、搬送すべき搬送棚DSと、搬送先となる作業ステーションWSiと、到着位置となるゲートGijと、現在位置から搬送すべき搬送棚DSを経由して当該ゲートGijに到達するまでの経路情報と、を含む情報である。なお、第1の搬送車ACの到着位置となるゲートGijと第2の搬送車ACの到着位置となるゲートGijとが、同一作業ステーションWSiで隣りあわせとなるように設定される。
搬送指示情報を受信すると、受信した第1の搬送車ACおよび第2の搬送車ACは、各々第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSまで移動する(ステップS1106)。第1の搬送車ACおよび第2の搬送車ACは、各々第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSの下に潜り込んでジャッキ機構604により第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSをリフトアップして床面から離間させる(ステップS1107)。第1の搬送車ACおよび第2の搬送車ACは、第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSを持ち上げた状態で搬送先となる同一の作業ステーションの第1のゲートGijおよび第2のゲートGij前に移動する(ステップS1108)。
第1の搬送車ACおよび第2の搬送車ACは、各々第1のゲートGijおよび第2のゲートGij前に到着すると停止し、ジャッキ機構604により第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSを床面に降ろす(ステップS1109)。第1の搬送車ACおよび第2の搬送車ACは、第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSを降ろすと、運行管理装置403に到着信号を送信する(ステップS1110)。到着信号は、運行管理装置403からWMS401を介してオーダー管理装置402に転送される。到着信号は、第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSの識別情報とその第1の搬送棚DSおよび第2の搬送棚DSが到着した第1のゲートGijおよび第2のゲートGijの識別情報を含む。
オーダー管理装置402は、到着信号を受信すると、第1の搬送棚DSが到着した第1のゲートGijに取出し元情報を送信する(ステップS1111)。取出し元情報は、第1のゲートGijの識別情報、取出し対象物品(棚寄せ対象物品、分散対象物品、または、入替対象物品)とその個数、および到着した第1の搬送棚DSにおける取出し対象物品の位置情報(棚面、区画段、および区画列)を含む。第1のゲートGijの識別情報は、到着信号から得られる。取出し対象物品とその個数は、後述する取出し対象物品データから得られる。到着した第1の搬送棚DSにおける取出し対象物品の位置情報は、到着信号に含まれる第1の搬送棚DSの識別情報を用いることにより、取出し対象物品データから得られる。取出し対象物品データは、搬送棚テーブル800から、ステップS1101〜S1104によって得られるデータである。
第1のゲートGijは、取出し元情報を受信すると、取出し元情報に含まれる位置情報に対応する表示操作部300を点灯し、当該表示操作部300において取出し対象物品の個数を表示する(ステップS1112)。
作業者Wiは、点灯表示された第1のゲートGijに対応する第1の搬送棚DSkの保管区画Qk−cdから取出し対象物品を、表示された個数分取り出す。作業者Wiは、点灯中の表示操作部300を操作して消灯する。第1のゲートGijは、消灯操作を検知すると、取出し対象物品の取出しが終了したことを検知する(ステップS1113)。そして、第1のゲートGijは、取出し終了情報をオーダー管理装置402に送信する(ステップS1114)。
オーダー管理装置402は、取出し終了情報を受信すると、投入先情報を第2のゲートGijに送信する(ステップS1115)。投入先情報は、第2のゲートGijの識別情報、取出し対象物品とその個数、および第2の搬送棚DSにおける取出し対象物品の投入先となる位置情報(棚面、区画段、および区画列)を含む。第2のゲートGijの識別情報は、到着信号から得られる。取出し対象物品とその個数は、後述する取出し対象物品データから得られる。第2の搬送棚DSにおける取出し対象物品の投入先となる位置情報は、到着信号に含まれる第2の搬送棚DSの識別情報を用いることにより、取出し対象物品データから得られる。
作業者Wiは、点灯表示された第2のゲートGijに対応する第2の搬送棚DSkの保管区画Qk−cdに、取出し対象物品を、表示された個数分投入する。作業者Wiは、点灯中の表示操作部300を操作して消灯する。第2のゲートGijは、消灯操作を検知すると、取出し対象物品の投入が終了したことを検知する(ステップS1117)。そして、第2のゲートGijは、投入終了情報をオーダー管理装置402に送信する(ステップS1118)。
オーダー管理装置402は、終了判定を実行する(ステップS1119)。終了判定(ステップS1119)は、未選択の取出し対象物品があるか否かを判定する処理である。未選択の取出し対象物品がある場合、ステップS1105以降の処理が再実行される。
<選定処理(ステップS1101)>
図12は、図11に示した選定処理(ステップS1101)の詳細な処理手順例1を示すフローチャートである。図12は、棚寄せ対象物品を選定するためのフローチャートである。オーダー管理装置402は、図8の搬送棚テーブル800を参照して、同一種類で複数の保管区画Qk−cdに分散する物品を棚寄せ対象物品候補として検出する(ステップS1201)。棚寄せ対象物品候補が保管されている複数の保管区画Qk−cdは、同一搬送棚DS内でもよく、異なる搬送棚DS内でもよい。
具体的には、例えば、図8において、IDが「1」のエントリの物品は「A」であり、保管区画Qk−cdは搬送棚「DS1」、棚面「表」、区画段「1」、区画列「1」で特定される。また、IDが「9」のエントリの物品は「A」であり、保管区画Qk−cdは搬送棚「DS2」、棚面「表」、区画段「1」、区画列「1」で特定される。したがって、IDが「1」のエントリおよびIDが「9」のエントリが示す物品Aは、棚寄せ対象物品候補に該当する。
また、図8において、IDが「5」のエントリの物品名は「E」であり、保管区画Qk−cdは搬送棚DS「DS1」、棚面「表」、区画段「2」、区画列「2」である。また、IDが「6」のエントリの物品名は「E」であり、保管区画Qk−cdは搬送棚DS「DS1」、棚面「表」、区画段「2」、区画列「3」である。したがって、IDが「5」のエントリおよびIDが「6」のエントリが示す物品Eは、棚寄せ対象物品候補に該当する。
なお、オーダー管理装置402は、配送先から出荷要求が間に合わない場合や存在しない場合、過去の出荷実績に基づいて系統的に高頻度で出荷要求が掛かった物品を棚寄せ対象物品候補に追加してもよい。
オーダー管理装置402は、図10に示したオーダーデータテーブル1000を参照して、出庫対象物品とその個数を検出する(ステップS1202)。
オーダー管理装置402は、棚寄せ対象物品候補である出庫対象物品を棚寄せ判定対象に決定する(ステップS1203)。具体的には、例えば、オーダー管理装置402は、棚寄せ対象物品候補で、かつ、出庫対象物品である物品を棚寄せ判定対象に決定する。上記の例では、ステップS1201において、物品Aおよび物品Eが棚寄せ対象物品候補として検出され、ステップS1202において、物品A〜Hが検出されている。したがって、オーダー管理装置402は、物品Aおよび物品Eを棚寄せ判定対象に決定する。
オーダー管理装置402は、未選択の棚寄せ判定対象があるか否かを判断する(ステップS1204)。未選択の棚寄せ判定対象がある場合(ステップS1204:Yes)、オーダー管理装置402は、未選択の棚寄せ判定対象を1つ選択する(ステップS1205)。
オーダー管理装置402は、選択棚寄せ判定対象を有する同一搬送棚DSの取り合いが複数の作業ステーション間で発生する可能性があるか否かを判定する(ステップS1206)。ここで、ステップS1206の判定処理について具体的に説明する。
複数の保管区画Qk−cdに分散していた物品がより少ない区画数、例えば1保管区画Qk−cdに棚寄せされると、搬送棚DSへの物品の充填率が高まり、保管する物品数や種類が多くなる。一方、例えば、棚寄したある物品Aが多くの出庫先、すなわち、複数の作業ステーションWS1,WS2に跨って必要となり、複数の作業ステーションWS1、WS2で同時期に呼び出される可能性がある。この場合、ある物品Aを搭載した搬送棚DS1は、先に到着した作業ステーションWS1での出庫作業完了後に、次の作業ステーションWS2に搬送される。
したがって、ある物品Aを搭載した搬送棚DS1は、先に到着した作業ステーションWS1での出庫作業に用いられる。その間、次の作業ステーションWS2では、作業ステーションWS2の作業者Wiの待ち時間が発生する。作業ステーションWS2の作業者Wiの待ち時間を解消するため、オーダー管理装置402は、選択棚寄せ判定対象についてステップS1206を実行する。換言すれば、ステップS1206は、棚寄せ判定対象が複数の作業ステーションに同時期に呼ばれるか否かを判定する処理である。
ここで、複数の作業ステーションWSiに同時期に呼ばれる場合とは、例えば、出庫対象物品を保管する特定の搬送棚DSが作業ステーションWS1に搬送されてから出庫対象物品の出庫作業が終了するまでの間に、作業ステーションWS2において当該特定の搬送棚からの当該出庫対象物品の出庫作業の指示が発生する場合をいう。
具体的には、例えば、ある出庫作業時間単位(例えば、1日)での出庫作業で運用する作業ステーション数をNP、1作業ステーションに割り付いている仕分棚SSiの仕分棚区画数をnpとする。同時期に割りついている最大仕分棚区画数はNP×npとなる。ある出庫作業時間単位(例えば、1日)での出庫作業において全配送先に割り当てられている仕分棚区画Pi−abの総数をx、同出庫作業において選択棚寄せ判定対象である物品(例えば、物品A)を出庫する全配送先に割り当てられている仕分棚区画の総数をyとする。
NPは、図10に示したオーダーデータテーブル1000における仕分棚区画フィールド1005の値に対応する配送先テーブル700の仕分棚フィールド703の値の種類数となる。図10の例では、仕分棚SS1、SS2が対象となる作業ステーションWS1、WS2内の仕分棚SSiであるため、NPは「2」である。npは固定値であり、オーダー管理装置402の記憶デバイス502に格納されている。本例の場合、npは「12」である。
また、xは、図10に示したオーダーデータテーブル1000における仕分棚区画フィールド1005の値の種類数となる。図10の例では、仕分棚区画フィールド1005の値は、P1−11〜P1−14、P1−21〜P1−24、P1−31〜P1−34、P2−11〜P2−14の総和「16」となる。
yの値は、図10に示したオーダーデータテーブル1000における配送先フィールド1004から取得される。例えば、選択棚寄せ判定対象が物品Aである場合、配送先はSH1とSH2の2か所である。配送先SH1の仕分棚区画数は3個(P1−11〜P1−13)であり、配送先SH2の仕分棚区画数は1個(P1−14)である。したがって、物品Aについてのyの値は「4」である。
なお、yの値は、配送先ごとに、出庫作業において選択棚寄せ判定対象ではない物品の割合が考慮されてもよい。例えば、上記の例では、物品Aの配送先SH1に割り当てられている仕分棚区画数は3個であるが、今回の出庫作業で配送先SH1に物品A以外にも物品B,Fが配送される(図10を参照)。この場合、物品Aの配送先SH1に割り当てられている仕分棚区画数は3分の1となるため、「1」となる。配送先SH2の仕分棚区画数は1個(P1−14)である。したがって、物品Aについてのyの値は「2」である。
また、物品の種類ごとの数量が考慮されてもよい。例えば、上記の例において、配送先SH1における物品Aの個数は10個、物品Bの個数は20個、物品Fの個数は5個である。この場合、物品Aの配送先SH1に割り当てられている仕分棚区画数は35分の10となるため、0.9(小数点第2位以下を四捨五入)となる。配送先SH2の仕分棚区画数は1個(P1−14)である。したがって、物品Aについてのyの値は「1.9」である。
また、物品の種類ごとの体積が考慮されてもよい。例えば、上記の例において、配送先SH1における物品Aの個数は10個、物品Bの個数は20個、物品Fの個数は5個である。ここで、物品A,B,Fの体積比を1:2:3とする。この場合、物品Aの配送先SH1に割り当てられている仕分棚区画数は65分の10となるため、0.5(小数点第2位以下を四捨五入)となる。配送先SH2の仕分棚区画数は1個(P1−14)である。したがって、物品Aについてのyの値は「1.5」である。
このように、その出庫作業における配送先に配送される物品の種類数を考慮することにより、選択棚寄せ判定対象についての当該配送先に割り当てられている仕分棚区画数の割合を特定することができる。したがって、yの値の高精度化を図ることができる。
また、物品の種類ごとの数量を考慮することにより、当該数量に応じて、選択棚寄せ判定対象についての当該配送先に割り当てられている仕分棚区画数の割合を特定することができる。すなわち、数量が多いほど、相対的に仕分棚区画数が大きくなり、数量が少ないほど、相対的に仕分棚区画数が小さくなる。したがって、物品の種類数を考慮する場合に比べて、yの値の高精度化を図ることができる。
また、物品の種類ごとの体積を考慮することにより、当該体積に応じて、選択棚寄せ判定対象についての当該配送先に割り当てられている仕分棚区画数の割合を特定することができる。すなわち、数量が少なくても、体積が大きいほど、相対的に仕分棚区画数が大きくなる。したがって、物品の数量を考慮する場合に比べて、yの値の高精度化を図ることができる。
ステップS1206の判定処理では、xがnpより多く、かつ、yが最大区画数NP×np以下の場合、複数の作業ステーションWSiで同時期に選択棚寄せ判定対象が必要になる。すなわち、選択棚寄せ判定対象を保管する搬送棚DSが取り合いになる可能性がある(ステップS1206:Yes)。この場合、異なる搬送棚DSに選択棚寄せ判定対象を分散して、異なる作業ステーションWS間で搬送棚DSの取り合いによる待ち時間を解消するのが好ましい。
一方、xがnpを超える場合でも、yが最大区画数NP×npより多ければ、複数の作業ステーションで異なる時期に選択棚寄せ判定対象が処理される。すなわち、選択棚寄せ判定対象を保管する搬送棚DSの取り合いが発生しない(ステップS1206:No)。この場合、同一搬送棚DSに選択棚寄せ判定対象を棚寄せして、同一作業ステーションWSで選択棚寄せ判定対象を連続的に出庫するのが好ましい。
また、xがnp以下の場合、出庫作業が行われる作業ステーションWSは一か所であるため、選択棚寄せ判定対象を保管する搬送棚DSの取り合いが発生しない(ステップS1206:No)。このため、選択棚寄せ判定対象を棚寄せするのが好ましい。
取り合いが発生する可能性がある場合(ステップS1206:Yes)、一方の保管区画から他方の保管区画への棚寄せはしてはいけない。したがって、オーダー管理装置402は、搬送棚テーブル800において、選択棚寄せ判定対象の物品数を調整する設定処理を実行する(ステップS1207)。そして、ステップS1204に戻る。調整方法としては、例えば、棚寄せ判定対象である複数の保管区画Qk−cdに分散された物品間で当該物品の個数を平均化する方法がある。例えば、搬送棚テーブル800において、棚寄せ判定対象が物品Aである場合、IDが「1」の個数は「7」、IDが「9」の個数は「25」である。平均個数は、「16」となるため、IDが「9」のエントリの個数を9個減らして16個にし、IDが「1」のエントリの個数を9個増加して16個にする。これにより、同種の物品の個数を異なる保管区画Qk−cdで均等に配分することができる。
また、棚寄せ判定対象が分散された複数の保管区画Qk−cdの各々において、ステップS1202で検出された個数を満足するように平準化する方法もある。例えば、棚寄せ判定対象が物品Aである場合、図10のオーダーデータテーブル1000において、IDが「1」のオーダーデータでの個数は「10」、IDが「3」のオーダーデータでの個数は「20」である。これに対し、搬送棚テーブル800において、棚寄せ判定対象が物品Aである場合、IDが「1」の個数は「7」、IDが「9」の個数は「25」である。
すなわち、IDが「9」のエントリの個数「25」は、オーダーデータテーブル1000のIDが「3」のオーダーデータの個数「22」を充足するが、IDが「1」のエントリの個数「7」は、オーダーデータテーブル1000のIDが「1」のオーダーデータの個数「10」を充足しない。したがって、搬送棚テーブル800において、IDが「9」のエントリの個数「25」を3個減らして22個とし、IDが「1」のエントリの個数「7」を3個増やして10個とする。これにより、同種の物品の個数を異なる保管区画Qk−cdの各々でピッキング可能な個数に配分することができる。
一方、取り合いが発生する可能性がない場合(ステップS1206:No)、一方の区画から他方の区画への棚寄せしてもよいことになる。したがって、オーダー管理装置402は、搬送棚テーブル800において、選択棚寄せ判定対象の個数を棚寄せする設定処理を実行する(ステップS1208)。そして、ステップS1204に戻る。棚寄せ方法としては、例えば、棚寄せ判定対象である複数の保管区画Qk−cdに分散された物品間で一方の保管区画の棚寄せ判定対象のすべてを他方の保管区画に移す方法がある。この場合、個数が少ない方の区画の棚寄せ判定対象の物品を個数が多い方の保管区画に移すことにより、棚寄せ作業の効率化を促すことができる。
ステップS1204において、未選択の棚寄せ判定対象がない場合(ステップS1204:No)、オーダー管理装置402は、棚寄せ判定対象の選定処理(ステップS1101)を終了する。
図13は、搬送棚テーブル800における棚寄せ判定結果を示す説明図である。図13では、棚寄せ判定対象である物品AについてステップS1207が実行され、IDが「9」のエントリの個数が、IDが「1」のエントリに3個融通される。また、棚寄せ判定対象である物品EについてステップS1208が実行され、IDが「6」のエントリのすべての個数が、IDが「5」のエントリに移行される。
図14は、図13における棚寄せ判定結果である棚寄せ判定結果リストを示す説明図である。棚寄せ判定結果リスト1400は、IDフィールド1401と、物品フィールド1402と、個数フィールド1403と、FROMフィールド1404と、TOフィールド1405と、を有する。各フィールド1401〜1405の値の組み合わせにより、1つの棚寄せ判定対象となるエントリが構成される。
IDフィールド1401は、値として、IDを格納する記憶領域である。IDは、棚寄せ判定対象を一意に特定する識別情報である。物品フィールド1402は、値として、棚寄せ判定対象である物品の識別情報を格納する記憶領域である。個数フィールド1403は、値として、物品フィールド1402で特定される棚寄せ判定対象の個数を格納する記憶領域である。FROMフィールド1404は、棚寄せ元/調整元となる位置情報を格納する記憶領域であり、図8の搬送棚フィールド804と、棚面フィールド805と、区画段フィールド806と、区画列フィールド807と、により構成される。TOフィールド1405は、棚寄せ先/調整先となる位置情報を格納する記憶領域であり、図8の搬送棚フィールド804と、棚面フィールド805と、区画段フィールド806と、区画列フィールド807と、により構成される。
IDが「1」のエントリは、ステップS1207で調整された棚寄せ判定対象である物品Aが、搬送棚DS2の棚面「表」の区画段「1」、区画列「1」から、搬送棚DS1の棚面「表」の区画段「1」、区画列「1」に、3個棚寄せされることを示す。IDが「2」のエントリは、ステップS1208で棚寄せされた棚寄せ判定対象である物品Eが、搬送棚DS1の棚面「表」の区画段「2」、区画列「3」から、搬送棚DS1の棚面「表」の区画段「2」、区画列「2」に、すべて(10個)棚寄せされることを示す。
図15は、図11に示した選定処理(ステップS1101)の詳細な処理手順例2を示すフローチャートである。図15は、分散対象物品を選定するためのフローチャートである。オーダー管理装置402は、図8の搬送棚テーブル800を参照して、1つの保管区画Qk−cdにのみ存在する物品を分散対象物品候補として検出する(ステップS1501)。
具体的には、例えば、図8において、IDが「2」〜「4」、「7」、「8」、「10」のエントリの物品B〜D、F〜Hは、1つの保管区画Qk−cdにのみ存在する物品であるため、分散対象物品候補に該当する。
なお、オーダー管理装置402は、配送先から出荷要求が間に合わない場合や存在しない場合、過去の出荷実績に基づいて系統的に高頻度で出荷要求が掛かった物品を分散対象物品候補に追加してもよい。
オーダー管理装置402は、図10に示したオーダーデータテーブル1000を参照して、出庫対象物品とその個数を検出する(ステップS1502)。ステップS1502は、ステップS1202と同じ処理である。
オーダー管理装置402は、分散対象物品候補である出庫対象物品を分散判定対象に決定する(ステップS1503)。具体的には、例えば、オーダー管理装置402は、分散対象物品候補で、かつ、出庫対象物品である物品を分散判定対象に決定する。上記の例では、ステップS1501において、物品B〜D、F〜Hが分散対象物品候補として検出され、ステップS1502において、物品A〜Hが検出されている。したがって、オーダー管理装置402は、物品B〜D、F〜Hを分散判定対象に決定する。
オーダー管理装置402は、未選択の分散判定対象があるか否かを判断する(ステップS1504)。未選択の分散判定対象がある場合(ステップS1504:Yes)、オーダー管理装置402は、未選択の分散判定対象を1つ選択する(ステップS1505)。
オーダー管理装置402は、選択分散判定対象を有する同一搬送棚DSの取り合いが複数の作業ステーション間で発生する可能性があるか否かを判定する(ステップS1506)。ステップS1506の判定処理は、ステップS1206と同一であるため説明を省略する(「選択棚寄せ判定対象」を「選択分散判定対象」に読み替えればよい。)。
取り合いが発生する可能性がある場合(ステップS1506:Yes)、選択分散判定対象を分散して取り合いを回避する必要がある。したがって、オーダー管理装置402は、複製された搬送棚テーブル800において、選択分散判定対象である物品を他の空き区画に分散する設定処理を実行する(ステップS1507)。そして、ステップS1504に戻る。他の空き区画は、取り合いを回避するため、選択分散判定対象とは異なる搬送棚DS内の空き区画となる。分散方法としては、例えば、分散判定対象の一部または全部を1以上の他の搬送棚DSの空き区画に分散する方法がある。分散する個数については、ステップS1207の調整方法と同様である。
一方、取り合いが発生する可能性がない場合(ステップS1506:No)、分散する必要がないため、ステップS1504に戻る。ステップS1504において、未選択の分散判定対象がない場合(ステップS1504:No)、オーダー管理装置402は、分散判定対象の選定処理(ステップS1101)を終了する。
図16は、搬送棚テーブル800における分散判定結果を示す説明図である。図16では、分散判定対象である物品CについてステップS1507が実行され、IDが「3」のエントリが分割され、IDが「3」のエントリの個数が125個から63個に変更される。また、分割により、物品CについてIDが「11」の新規エントリが作成される。IDが「11」のエントリの個数は、IDが「3」のエントリから分割された62個である。また、搬送棚フィールド804に値は、分割元であるIDが「3」のエントリの搬送棚DS1とは異なる搬送棚DSとなるように設定される。また、棚面フィールド805、区画段フィールド806、および、区画列フィールド807の値は、設定された搬送棚DSにおける空き保管区画Qk−cdを示す値に設定される。
図17は、図16における分散判定結果である分散判定結果リストを示す説明図である。分散判定結果リスト1700は、IDフィールド1701と、物品フィールド1702と、個数フィールド1703と、FROMフィールド1704と、TOフィールド1705と、を有する。各フィールド1701〜1705の値の組み合わせにより、1つの分散判定対象となるエントリが構成される。
IDフィールド1701は、IDを格納する記憶領域である。IDは、分散判定対象を一意に特定する識別情報である。物品フィールド1702は、分散判定対象である物品の識別情報を格納する記憶領域である。個数フィールド1703は、物品フィールド1702で特定される分散判定対象が分散される個数を格納する記憶領域である。FROMフィールド1704は、分散元となる位置情報を格納する記憶領域であり、図8の搬送棚フィールド804と、棚面フィールド805と、区画段フィールド806と、区画列フィールド807と、により構成される。TOフィールド1705は、分散先となる位置情報を格納する記憶領域であり、図8の搬送棚フィールド804と、棚面フィールド805と、区画段フィールド806と、区画列フィールド807と、により構成される。
IDが「1」のエントリは、ステップS1507で分散された分散判定対象である物品Cが、搬送棚DS1の棚面「表」の区画段「1」、区画列「3」から、搬送棚DS3の棚面「表」の区画段「2」、区画列「3」に、62個分散されることを示す。
<入替決定処理(ステップS1104)>
図18は、図11に示した入替決定処理(ステップS1104)の詳細な処理手順例3を示すフローチャートである。まず、オーダー管理装置402は、入替元物品候補群を特定する(ステップS1801)。入替元物品候補群とは、1以上の入替元物品候補である。入替元物品候補とは、入替対象となる一方の物品候補である。
オーダー管理装置402は、入替元物品候補群として、例えば、図14に示した棚寄せ判定結果リスト1400の物品フィールド1402の値かつFROMフィールド1404の値で特定される物品を選択してもよい。また、オーダー管理装置402は、入替元物品候補群として、例えば、棚寄せ判定結果リスト1400および分散判定結果リスト1700以外のオーダーデータ内の物品を選択してもよい。また、オーダー管理装置402は、オーダーデータ内の物品のうち、個数が所定数以上の物品や配送先が所定数以上の物品を選択してもよい。どの種類の物品を入替元物品候補に適用するかはあらかじめオーダー管理装置402に設定される。
オーダー管理装置402は、未選択の入替元物品候補があるか否かを判断する(ステップS1802)。未選択の入替元物品候補がある場合(ステップS1802:Yes)、オーダー管理装置402は、未選択の入替元物品候補を選択する(ステップS1803)。オーダー管理装置402は、ステップS1803で選択された入替元物品候補(選択入替元物品候補)について入替先物品候補群を特定する(ステップS1804)。
入替先物品候補群とは、1以上の入替先物品候補である。入替先物品候補とは、入替対象となる他方の物品候補である。入替元物品候補が、棚寄せ判定結果リスト1400から選択された物品である場合、入替先物品候補は、棚寄せ判定結果リスト1400の物品フィールド1402の値かつTOフィールド1405の値で特定される物品である。入替元物品候補が、棚寄せ判定結果リスト1400および分散判定結果リスト1700以外のオーダーデータ内の物品である場合、オーダー管理装置402は、入替先物品候補として、棚寄せ判定結果リスト1400および分散判定結果リスト1700以外のオーダーデータ内の他の物品を選択してもよい。ただし、オーダー管理装置402は、すでに、ステップS1808で入替情報に含まれる物品を入替先物品候補の対象外とする。
オーダー管理装置402は、未選択の入替先物品候補があるか否かを判断する(ステップS1805)。未選択の入替先物品候補がある場合(ステップS1805:Yes)、オーダー管理装置402は、未選択の入替先物品候補を選択する(ステップS1806)。
オーダー管理装置402は、選択入替元物品候補および選択入替先物品候補が、入替基準に適合するか否かを判定する判定処理を実行する(ステップS180)。入替基準とは、選択入替元物品候補を入替先物品候補に、選択入替先物品候補を入替元物品候補に入れ替えるための基準である。
入替基準の一例として、選択入替元物品候補と選択入替先物品候補とを入れ替えた場合に、オーダーに従って呼び出される搬送棚DSの台数が入替前に比べて減少するという基準がある。
選択入替元物品候補および選択入替先物品候補が棚寄せ判定結果リスト1400から選択された場合を例に挙げて説明する。ここで、選択入替元物品候補および選択入替先物品候補を物品Jとし、オーダーされた物品(オーダーデータ内の物品)をJ,Kとし、オーダーされていない物品をLとする。物品Kは、選択入替元物品候補の物品Jと同一搬送棚DSxに保管されており、物品Lは、選択入替先物品候補の物品Jと同一搬送棚DSyに保管されているものとする。
この場合、選択入替元物品候補の物品Jを、搬送棚DSxから選択入替先物品候補の物品Jが保管されている搬送棚DSyに棚寄せすると、搬送棚DSxには物品Kが保管され、搬送棚DSyには物品J,Lが保管される。したがって、搬送棚DSx,DSyが同一の作業ステーションWSiに呼び出されることになる。同時期に呼び出される場合、搬送棚DSx,DSyは2つのゲートGijを専有してしまい、異なるタイミングで呼び出される場合、搬送棚DSx,DSyが別々に呼び出されるため、いずれか一方の搬送棚DSだけ呼び出す場合に比べて搬送時間が倍になる。
一方、棚寄せ方向を逆にすると、すなわち、選択入替先物品候補の物品Jを、搬送棚DSyから選択入替元物品候補の物品Jが保管されている搬送棚DSxに棚寄せすると、搬送棚DSxには物品J,Kが保管され、搬送棚DSyには物品Lが保管される。したがって、搬送棚DSxが作業ステーションに呼び出され、搬送棚DSyを呼び出す必要がなくなる。すなわち、オーダーされた物品J,Kを1回の搬送で出庫することができる。
このように、選択入替元物品候補と選択入替先物品候補とを入れ替えた場合に、オーダーに従って呼び出される搬送棚DSの台数が入替前に比べて減少する場合に、選択入替元物品候補および選択入替先物品候補は、入替基準に適合することになる。
入替基準の他の例として、選択入替元物品候補と、選択入替元物品候補と同一搬送棚DSに保管されているオーダーデータ内の他の物品と、の組み合わせが、特定の物品の組み合わせに該当するという基準がある。
特定の物品の組み合わせとは、例えば、特定の物品の組み合わせを保管する搬送棚DSの取り合いが異なる作業ステーションで発生しうる組み合わせである。具体的には、例えば、選択入替元物品候補の出庫数と、選択入替元物品候補と同一搬送棚DSに保管されているオーダーデータ内の他の物品の出庫数とが、ともに所定数以上である場合、特定の物品の組み合わせに該当する。
また、選択入替元物品候補のオーダーデータの件数と、選択入替元物品候補と同一搬送棚DSに保管されているオーダーデータ内の他の物品のオーダーデータの件数とが、ともに所定数以上である場合、特定の物品の組み合わせに該当する。したがって、選択入替元物品候補と、選択入替元物品候補と同一搬送棚DSに保管されているオーダーデータ内の他の物品と、の組み合わせは、入替基準に適合すると判断される。これにより、出庫数(またはオーダーデータ件数)が所定数以上の複数の物品を保管する搬送棚DSの取り合いを低減することができる。
ただし、入替後において、選択入替先物品候補と当該他の物品が特定の物品の組み合わせに該当する場合、入替をおこなっても取り合いが解消しないことになるため、入替基準の適合を破棄して入替基準に適合しないと判断される。
ここで、選択入替元物品候補を物品Jとし、オーダーされた物品(オーダーデータ内の物品)をKとする。物品J,Kが同一搬送棚DSに保管されており、かつ、オーダーデータによる物品J,Kの出庫数がともに所定数以上である場合、物品J,Kは特定の物品の組み合わせに該当する。すなわち、選択入替元物品候補である物品Jは、入替基準に適合することになる。選択入替物品候補を物品Lとする。入替後において同一搬送棚DSに保管されることになる物品K,Lの出庫数がともに所定数以上である場合、物品J,Kは特定の物品の組み合わせに該当する。この場合、入替をおこなっても取り合いが解消しないことになるため、入替基準の適合を破棄して入替基準に適合しないと判断される。
入替基準に適合しない場合(ステップS1807:No)、ステップS1805に戻る。一方、入替基準に適合する場合(ステップS1807:Yes)、オーダー管理装置402は、選択入替元物品候補と選択入替先物品候補との組み合わせにより、入替情報を生成する設定処理を実行する(ステップS1808)。入替情報とは、選択入替元物品候補の入替先を、選択入替先物品候補の保管区画に設定し、選択入替先物品候補の入替先を、選択入替元物品候補の保管区画に設定した情報である。
例えば、選択入替元物品候補と選択入替先物品候補との組み合わせが、棚寄せ判定結果リスト1400のエントリである場合、オーダー管理装置402は、当該エントリにおけるFROMフィールド1404の値とTOフィールド1405の値を入れ替えることにより、入替情報を生成する。
選択入替元物品候補と選択入替先物品候補との組み合わせが、棚寄せ判定結果リスト1400および分散判定結果リスト1700のエントリでない場合、オーダー管理装置402は、選択入替元物品候補の物品、個数、保管元情報(搬送棚DS、棚面、区画段、および区画列)と、選択入替先物品候補の物品、個数、保管先情報(搬送棚DS、棚面、区画段、および区画列)と、を含む入替情報を生成する。保管元情報は、棚寄せ判定結果リスト1400のFROMフィールド1404の値に相当する。保管先情報は、棚寄せ判定結果リスト1400のTOフィールド1405の値に相当する。
オーダー管理装置402は、選択入替先物品候補を、入替先物品候補から削除して(ステップS1809)、ステップS1802に戻る。ステップS1802において、未選択の入替元物品候補がない場合(ステップS1802:No)、オーダー管理装置402は、入替決定処理(ステップS1104)を終了して、ステップS1105に移行する。
なお、ステップS1105では、オーダー管理装置402は、棚寄せおよび分散決定(ステップS1103)の結果、および入替決定処理(ステップS1104)の結果である入替情報にしたがって、搬送指示情報を生成して、運行管理装置403に送信する。例えば、オーダー管理装置402は、これらの結果を投入元の個数の降順に搬送指示情報を生成して、生成順に運行管理装置403に送信してもよい。また、オーダー管理装置402は、これらの結果を投入元のオーダーデータの件数の降順に搬送指示情報を生成して、生成順に運行管理装置403に送信してもよい。
このような前処理(ステップS904)を出庫作業に先立って実行しておくことにより、出庫作業において、複数の作業ステーションWSi間での同一搬送棚DSの取り合いを抑制することができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
また、図12に示した棚寄せの選定処理(ステップS1101)により、複数の保管区画に分散して保管されている出庫対象物品を1つの保管区画に棚寄せすることができる。複数の保管区画が同一搬送棚DSに存在する場合は、空き保管区画の増加を図ることができ、他の物品の保管に利用することができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
また、複数の保管区画が異なる搬送棚DSに存在する場合も、棚寄せすることで空き保管区画の増加を図ることができる。更に出庫作業で搬送される搬送棚DSの棚数を低減させることで搬送の回数が減少し、作業ステーションWSi間における搬送棚DSの到着までの待ち時間削減による出庫作業時間の短縮化を図ることができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
また、図15に示した分散の選定処理(ステップS1101)により、1つの保管区画に保管されている出庫対象物品を複数の搬送棚DSに分散して保管することができる。これにより、複数の作業ステーションWSiは、同時期に同じ出庫対象物品を出庫する場合であっても、それぞれ異なる搬送棚DSを呼び出すことができる。これにより、複数の作業ステーションWSi間での同一搬送棚DSの取り合いを抑制することができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
また、図18に示した入替処理(ステップS1104)により、可能な限り同一の搬送棚に複数の出庫対象物品を保管することができる。これにより、搬送される搬送棚DSの棚数の低減による出庫作業時間の短縮化を図ることができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
また、図18に示した入替処理(ステップS1104)により、出庫数やオーダー件数が多い複数の出庫対象物品の異なる搬送棚DSに分散することができ、複数の作業ステーションWSi間での同一搬送棚DSの取り合いを抑制することができる。したがって、出庫作業の効率化を図ることができる。
なお、上述した実施例では、搬送車ACが搬送棚DSを搬送する例について説明したが、搬送棚DS自体が自律的に作業ステーションWSiに移動する構成でもよい。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。

Claims (14)

  1. 物品を保管する複数の搬送棚と、搬送されてきた前記搬送棚に保管されている前記物品を出庫する複数の作業ステーションと、を用いて、出庫対象物品の出庫作業を管理するオーダー管理装置であって、
    前記オーダー管理装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、
    前記プロセッサは、
    前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品の個数と、前記出庫対象物品の配送先と、を含む1以上のオーダーを受信する受信処理と、
    前記出庫対象物品を保管する特定の搬送棚が第1の作業ステーションに搬送されてから前記出庫対象物品の出庫作業が終了するまでの間に第2の作業ステーションにおいて前記特定の搬送棚からの前記出庫対象物品の出庫作業の指示が発生するという前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記オーダーに基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定する判定処理と、
    前記特定の搬送棚の取り合いの可能性の判定結果に基づいて、前記特定の搬送棚内、または、前記特定の搬送棚と他の搬送棚との間において、前記出庫対象物品を保管すべき個数を設定する設定処理と、
    を実行することを特徴とするオーダー管理装置。
  2. 請求項1に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記出庫対象物品の出庫作業を行う作業ステーションの数と、前記作業ステーションにおいて配送先ごとに前記出庫対象物品を仕分ける仕分棚が有する第1の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記オーダーに含まれる全出庫対象物品の全配送先に割り当てられている第2の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記出庫対象物品の配送先に割り当てられている第3の区画数と、に基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定することを特徴とするオーダー管理装置。
  3. 請求項2に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品と同一配送先の他の出庫対象物品との割合に基づいて、前記第3の区画数を算出し、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記出庫対象物品の出庫作業を行う作業ステーションの数と、前記第1の区画数と、前記第2の区画数と、算出した前記第3の区画数と、に基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定することを特徴とするオーダー管理装置。
  4. 請求項3に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品と同一配送先の他の出庫対象物品との割合として、前記出庫対象物品および前記他の出庫対象物品の種類数に基づいて、前記第3の区画数を算出することを特徴とするオーダー管理装置。
  5. 請求項3に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品と同一配送先の他の出庫対象物品との割合として、前記出庫対象物品および前記他の出庫対象物品の種類ごとの数量に基づいて、前記第3の区画数を算出することを特徴とするオーダー管理装置。
  6. 請求項3に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品と同一配送先の他の出庫対象物品との割合として、前記出庫対象物品および前記他の出庫対象物品の種類ごとの体積に基づいて、前記第3の区画数を算出することを特徴とするオーダー管理装置。
  7. 請求項2に記載のオーダー管理装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記複数の搬送棚のうち前記特定の搬送棚を含む搬送棚群内の複数の区画に分散されている前記出庫対象物品を、棚寄せ判定対象に決定する決定処理を実行し、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記棚寄せ判定対象の出庫作業を行う作業ステーションの数と、前記作業ステーションにおいて配送先ごとに前記棚寄せ判定対象を仕分ける仕分棚が有する第1の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記オーダーに含まれる全出庫対象物品の全配送先に割り当てられている第2の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記棚寄せ判定対象の配送先に割り当てられている第3の区画数と、に基づいて、前記棚寄せ判定対象の出庫作業に先立って判定し、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性の判定結果に基づいて、前記複数の区画内で前記棚寄せ判定対象を保管すべき個数を設定することを特徴とするオーダー管理装置。
  8. 請求項7に記載のオーダー管理装置であって、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性がないと判定された場合、前記複数の区画の区画数が減少するように、前記複数の区画内で前記棚寄せ判定対象を保管すべき個数を設定することを特徴とするオーダー管理装置。
  9. 請求項8に記載のオーダー管理装置であって、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚に保管されている前記棚寄せ判定対象の全個数を、他の出庫対象物品が保管されている他の搬送棚において前記棚寄せ判定対象が保管されている区画に保管するように設定することを特徴とするオーダー管理装置。
  10. 請求項2に記載のオーダー管理装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記特定の搬送棚の中で1つの区画にのみ保管されている前記出庫対象物品を、分散判定対象に決定する決定処理を実行し、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記分散判定対象の出庫作業を行う作業ステーションの数と、前記作業ステーションにおいて配送先ごとに前記分散判定対象を仕分ける仕分棚が有する第1の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記オーダーに含まれる全出庫対象物品の全配送先に割り当てられている第2の区画数と、前記複数の作業ステーションの仕分棚において前記分散判定対象の配送先に割り当てられている第3の区画数と、に基づいて、前記分散判定対象の出庫作業に先立って判定し、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚の取り合いの可能性があると判定された場合、前記特定の搬送棚と他の搬送棚との間で前記分散判定対象を保管すべき個数を設定することを特徴とするオーダー管理装置。
  11. 請求項1に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚に保管されている第1の出庫対象物品の個数および第2の出庫対象物品の個数がともに所定数以上であるか否かを判定し、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記第1の出庫対象物品または前記第2の出庫対象物品のうちいずれか一方の情報と、他の搬送棚に保管されている物品の情報とを入れ替えることを特徴とするオーダー管理装置。
  12. 請求項1に記載のオーダー管理装置であって、
    前記判定処理では、前記プロセッサは、前記特定の搬送棚に保管されている第1の出庫対象物品のオーダー件数および第2の出庫対象物品のオーダー件数がともに所定数以上であるか否かを判定し、
    前記設定処理では、前記プロセッサは、前記第1の出庫対象物品または前記第2の出庫対象物品のうちいずれか一方の情報と、他の搬送棚に保管されている物品の情報とを入れ替えることを特徴とするオーダー管理装置。
  13. 物品を保管する複数の搬送棚と、搬送されてきた前記搬送棚に保管されている前記物品を出庫する複数の作業ステーションと、を用いて、出庫対象物品の出庫作業を管理するオーダー管理装置によるオーダー管理方法であって、
    前記オーダー管理装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、
    前記プロセッサは、
    前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品の個数と、前記出庫対象物品の配送先と、を含む1以上のオーダーを受信する受信処理と、
    前記出庫対象物品を保管する特定の搬送棚が第1の作業ステーションに搬送されてから前記出庫対象物品の出庫作業が終了するまでの間に第2の作業ステーションにおいて前記特定の搬送棚からの前記出庫対象物品の出庫作業の指示が発生するという前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記オーダーに基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定する判定処理と、
    前記特定の搬送棚の取り合いの可能性の判定結果に基づいて、前記特定の搬送棚内、または、前記特定の搬送棚と他の搬送棚との間において、前記出庫対象物品を保管すべき個数を設定する設定処理と、
    を実行することを特徴とするオーダー管理方法。
  14. 物品を保管する複数の搬送棚と、搬送されてきた前記搬送棚に保管されている前記物品を出庫する複数の作業ステーションと、を用いて、出庫対象物品の出庫作業を管理するプロセッサに、
    前記出庫対象物品と、前記出庫対象物品の個数と、前記出庫対象物品の配送先と、を含む1以上のオーダーを受信する受信処理と、
    前記出庫対象物品を保管する特定の搬送棚が第1の作業ステーションに搬送されてから前記出庫対象物品の出庫作業が終了するまでの間に第2の作業ステーションにおいて前記特定の搬送棚からの前記出庫対象物品の出庫作業の指示が発生するという前記特定の搬送棚の取り合いの可能性を、前記オーダーに基づいて、前記出庫対象物品の出庫作業に先立って判定する判定処理と、
    前記特定の搬送棚の取り合いの可能性の判定結果に基づいて、前記特定の搬送棚内、または、前記特定の搬送棚と他の搬送棚との間において、前記出庫対象物品を保管すべき個数を設定する設定処理と、
    を実行させることを特徴とするオーダー管理プログラム。
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