JP6612798B2 - 分子検出装置および分子検出方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、分子検出装置および分子検出方法に関する。
家庭用の温水器等には、不完全燃焼を起こした際に発生する一酸化炭素を検出する装置が取り付けてあり、早い段階で危険性を知らせてくれる。このようなガス成分は人体に重大な影響を与える。LPガス安全委員会の指針によれば、一酸化炭素の濃度がおおよそ200ppm(百万分の1)程度になると頭痛を引き起こすとされている。比較的濃度が高いガス成分を検出する方法としては種々の方法が知られているが、極低濃度に相当するppb(十億分の1)からppt(一兆分の1)の濃度では検出方法が限られている。
災害現場やテロ行為が行われた現場等においては、極めて微量のガス成分を検出することで、事前に危険性を察知することが望まれている。極低濃度のガス成分は、研究施設内の大型機器を利用して検出する場合が多い。このような場合、ガスクロマトグラフィーや質量分析計のような高価で重量と容積の大きな設置型装置が必要となる。このような点から、極低濃度のガス成分をリアルタイムに検出することが可能な装置、すなわち重量や容積が小さくて携帯性に優れると共に、pptからppbオーダーの極低濃度のガス成分を選択的にかつ高感度に検出することが可能な装置が求められている。
低濃度のガス成分の検出素子としては、例えばカーボンナノ構造体の表面を特定物質と選択的に反応または吸着する有機物質等で表面修飾した導電層を有し、カーボンナノ構造体の表面に付着したガス成分により変化する電位差等を測定する素子が知られている。このような検出素子では、例えば空気中から取得したガス中に検出対象のガス成分と類似の成分等が不純物として混入している場合に、検出対象のガス成分を正確に検出できないおそれがある。さらに、検出プローブとして機能する有機物質は、特定のガス成分に対して十分な相互作用が得られない場合があり、そのようなガス成分は感度よく検出することができないことがある。そこで、ガス成分の種類によらずに、極低濃度のガス成分を選択的にかつ高感度に検出することが可能な装置が求められている。
特開2010−019688号公報 特開2010−139269号公報 特開2015−515622号公報
本発明が解決しようとする課題は、ガス成分の種類によらずに、極低濃度のガス成分を選択的にかつ高感度に検出することを可能にした分子検出装置および分子検出方法を提供することにある。
実施形態の分子検出装置は、被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する捕集部と、前記捕集部で捕集された少なくとも一部の前記被検出分子の分子構造の一部を置換し、置換生成物を生成する置換器と、センサー部と、前記センサー部に設けられ、前記置換器から送られた前記被検出分子または前記置換生成物を捕捉する有機物プローブとを有る検出セルを複数備える検出器と、前記被検出分子または前記置換生成物が前記有機物プローブに捕捉されることにより生じる検出信号の強度差に基づく信号パターンにより前記被検出分子を識別する識別器とを具備し、前記検出セルは、前記被検出分子または前記置換生成物との結合強度が異なる複数の前記有機物プローブを有する
第1の実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。 図1に示す分子検出装置の変形例を示すブロック図である。 第1の実施形態の分子検出装置における検出器の構成を示す図である。 実施形態の分子検出装置による複数の検出セルの一例を示す図である。 図4に示す複数の検出セルによる被検出分子の検出結果の一例を示す図である。 第1の実施形態の分子検出装置の検出器で有機物プローブに用いられる有機化合物の例を示す図である。 第1の実施形態の分子検出装置で検出する被検出分子の例を示す図である。 第1の実施形態の分子検出装置における被検出分子の置換例を示す図である。 第2の実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。 実施例における被検出分子の置換例を示す図である。 実施例の分子検出装置による被検出分子の検出波形の一例を示す図である。 実施例3の分子検出装置における置換器の構成例を示す図である。 実施例3の分子検出装置の構成例を示す図である。 図13に示す分子検出装置の動作シーケンスを示す図である。
以下、実施形態の分子検出装置および分子検出方法について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、各部の厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。図1に示す分子検出装置1は、例えばガス発生元から発生した被検出分子(被検出物)2を含む検出対象ガス3から被検出分子2を検出する装置であり、捕集部10と置換器20と検出器30と識別器40とを備えている。被検出分子2を含む検出対象ガス3は、まず分子検出装置1の捕集部10で捕集される。捕集部10は、検出対象ガス3の捕集口を有しており、ガス流路11を介して置換器20に接続されている。捕集部10は、検出対象ガス3中に含まれる微粒子等の不純物を除去するフィルタを備えていてもよい。
検出対象ガス3は、被検出分子2に類似する分子量や分子構造等を有する物質を不純物として含んでいる場合がある。また、空気中に漂う被検出分子2は図2に示すように、におい成分や微粒子等の様々な夾雑物4(4a、4b)と混ざった状態で存在することが多い。このような点から、検出対象ガス3は図2に示すように、予めフィルタ装置5や分子分配装置6等で前処理した後に、分子検出装置1に送るようにしてもよい。
前処理装置のうちのフィルタ装置5には、一般的な中高性能フィルタ等が用いられる。フィルタ装置5において、検出対象ガス3中に含まれる微粒子等の粒子状物質が除去される。フィルタ装置5で粒子状物質が除去された検出対象ガス3は、分子分配装置6に送られる。分子分配装置6としては、検出対象ガス3をイオン化してイオン化物質群とし、イオン化物質群に電圧を印加して質量に比例する速度で飛行させ、この質量差による飛行速度およびそれに基づく飛行時間を利用して、イオン化物質群から被検出分子2のイオン化物質を分離する装置が挙げられる。このような分子分配装置6としては、イオン化部、電圧印加部、および飛行時間分離部を備える装置が用いられる。
被検出分子2を含む検出対象ガス3は、直接もしくはフィルタ装置5や分子分配装置6等の装置で前処理された後に捕集部10で捕集される。捕集部10で捕集された被検出分子2は、ガス流路11を介して置換器20に送られる。置換器20において、少なくとも一部の被検出分子2の分子構造の一部が置換されて、置換生成物が生成される。置換器20においては、後に詳述するように、有機物プローブで捕捉されにくい被検出分子2が置換される。置換器20を通過する被検出分子2の一部は、置換器20で置換されない場合もある。置換器20の構造や機能、さらに被検出分子2の置換状態等については、後に詳述する。置換器20で生成された被検出分子2の置換生成物、および置換器20で置換されなかった被検出分子2は、検出器30に導かれる。
検出器30は、図3に示すように、複数の検出セル301に区画された検出面30Aを備えている。検出器30の検出面30Aは、置換器20の置換生成物の導出口(図示せず)に向けて配置されている。複数の検出セル301は、それぞれセンサー部31およびセンサー部31に設けられた有機物プローブ32を有する検出素子33を備えている。図3はセンサー部31にグラフェン電界効果トランジスタ(GFET)を用いた検出素子33を示している。
センサー部31としてのGFETは、ゲート電極として機能する半導体基板34と、半導体基板34上にゲート絶縁層として設けられた絶縁膜35と、絶縁膜35上にチャネルとして設けられたグラフェン層36と、グラフェン層36の一端に設けられたソース電極37と、グラフェン層36の他端に設けられたドレイン電極38とを備えている。GFET31のグラフェン層36上には、有機物プローブ32が設けられている。検出器30に導かれた被検出分子2または置換生成物は、グラフェン層36上の有機物プローブ32に捕捉される。有機物プローブ32に捕捉された被検出分子2または置換生成物からGFET31に電子が移動することで電気的な検出が行われる。このようにして、目的とする被検出分子2が選択的に検出される。
有機物プローブ32を構成する有機物は溶剤に溶ける性質を有するため、溶剤に溶かした溶液として塗布することでグラフェン層36に有機物プローブ32を設置することができる。有機物プローブ32はグラフェンと相互作用を得られやすくするために、ピレン環のような構造を有した部位を有することが好ましい。ピレン環のような構造を持つ分子はグラフェンの炭素が構成する六角形状のπ電子系と相互作用を持ち、いわゆるπ―πスタッキングと呼ばれる相互作用状態を形成する。低濃度のプローブ分子を溶媒に溶かしてグラフェンに塗布すると、ピレン環とグラフェンとの間でπ―πスタッキングが形成され、グラフェン上にプローブ分子が整列して固定化される。このような自己配列作用を利用してグラフェン層36上に有機物プローブ32を設置することができる。
グラフェン層36上に設けられた有機物プローブ32に被検出分子2または置換生成物が捕捉されると、GFET31の出力が変化する。グラフェンが1層の場合にはゼロギャップとなっているため、通常はソース電極37とドレイン電極38との間に電気が流れ続けている。グラフェンの層数が2層、3層と増えるとバンドギャップが生じるが、厳密な理論値から考えられるよりも実際の系ではバンドギャップが比較的小さい。ゲート絶縁層35がシリコン酸化膜程度の誘電率の場合には、ソース電極37とドレイン電極38との間に電気が流れ続けることが多い。従って、グラフェン層36はグラフェンの単層構造に限らず、5層以下程度のグラフェンの積層体で構成してもよい。
有機物プローブ32の近傍に飛来した被検出分子2または置換生成物は、水素結合の力等により有機物プローブ32に引き付けられ、場合によっては接触する。被検出分子2または置換生成物の接触が起こると、有機物プローブ32との間で電子のやり取りが発生し、有機物プローブ32が接するグラフェン層36に電気的変化を伝える。有機物プローブ32からグラフェン層36に伝えられた電気的な変化は、ソース電極37とドレイン電極38との間の電気の流れを乱すため、GFET31がセンサーとして機能する。
グラフェン層36をチャネルとして用いたGFET31によれば、極僅かな電気変化であっても顕著に出力として現れる。従って、高感度な検出素子33を構成することができる。GFET31を用いたセンサーは、グラフェンがゼロギャップ半導体としての性質を有することから、ゲート電極34に電圧を加えなくともソース電極37とドレイン電極38との間に電流が流れる傾向もみられる。従って、このままでもセンサーとして機能するが、通常はゲート電極34に電圧を加えた状態でソース電極37とドレイン電極38との間に電流を流し、有機物プローブ32で被検出分子2または置換生成物を捕捉した際のゲート電極34の電気的変化を観測する。
上記した検出素子33による被検出分子2の検出において、有機物プローブ32に捕捉された被検出分子2または置換生成物からGFET31への電子の移動が高いほどセンサーとしての機能が高くなる。GFET31を用いたセンサーは、最も高感度なFETセンサーとされており、カーボンナノチューブを用いたセンサーと比べて3倍ほど感度を向上させることができる。従って、GFET31と有機物プローブ32とを組み合わせた検出素子33を用いることによって、被検出分子2の高感度な検出が可能になる。
図3は複数の検出セル301を格子状(アレイ状)に配列した検出面30Aを示しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。複数の検出セル301は直線状に配列されていてもよい。複数の検出部301のグラフェン層36にそれぞれ設けられた有機物プローブ32のうち、少なくとも一部は被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なっている。すなわち、複数の検出セル301は被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なる複数の有機物プローブ32を備えている。全ての有機物プローブ32が被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なっていてもよいし、一部が被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なっていてもよい。被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なる有機物プローブ32に代えて、グラフェン層36上における有機物プローブ32の密度を変えるようにしてもよい。
図4は検出器30の検出面30Aを6つの検出セル301、すなわち検出セルA、検出セルB、検出セルC、検出セルD、検出セルE、および検出セルFに分割した格子状センサーを示している。検出セルA〜Fのうち、少なくとも一部には種類が異なる有機物プローブ32、すなわち被検出分子2または置換生成物との結合強度が異なる複数の有機物プローブ32が設けられている。複数の有機物プローブ32は、それぞれ被検出分子2または置換生成物と相互作用を有するが、被検出分子2または置換生成物との作用強度(結合強度)が異なるため、検出信号の強度が異なる。図5は検出セルA〜Fによる検出信号の一例を示している。検出セルA〜Fからの検出信号は、それぞれ有機物プローブ32の被検出分子2または置換生成物との結合強度により信号強度が異なっている。
図6は検出セルA〜Fのグラフェン層36上に設けられる有機物プローブ32の一例を示している。有機物プローブ32を構成する有機化合物のうち、有機化合物1〜3、5〜6は被検出分子2または置換生成物に対する反応基としてヒドロキシ基(−OH)を有している。有機化合物4は、反応基としてアミノ基(−NH)を有している。ただし、このような反応基のみではほとんどガス成分と反応しない。水素結合性を高めるために、反応基の隣接部位に誘起効果に優れる官能基(隣接基)を導入した有機化合物を使用する。
反応基であるヒドロキシ基(−OH)に対する隣接基としては、トリフルオロメチル基(−CF)やヘキサフルオロエチル基(−C)等のフッ素原子で置換したアルキル基、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、−CHN基等の窒素を含む官能基、メチル基(−CH)やエチル基(−C)等のアルキル基が挙げられる。有機化合物1、5は、反応基(−OH)の隣接基としてトリフルオロメチル基(−CF)を有している。有機化合物2は、反応基を含む官能基として−CHN−OH基を有している。有機化合物3は、反応基(−OH)の隣接基としてシアノ基(−CN)を有している。有機化合物6は、反応基(−OH)の隣接基としてメチル基(−CH)を有している。反応基であるアミノ基(−NH)に対する隣接基としては、エーテル結合基(−O−)が挙げられる。有機化合物4は、反応基を含む官能基として−O−NH基を有している。
図6に示す有機化合物1〜6は、有機物プローブ32を構成する有機化合物の一例を示すものであり、有機物プローブ32は有機化合物1〜6に限定されない。有機物プローブ32は、図6の有機化合物1に示すように、ヒドロキシ基やアミノ基等の反応基と上述したような隣接基とを有するヘッド部HSと、グラフェン層36等に対する設置部位となるベース部BSと、ヘッド部HSとベース部BSとを結合する結合部CSとを有する有機化合物で構成することが好ましい。ヘッド部HSは、反応基と隣接基を有する1価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、さらに反応基と隣接基が同一の炭素に結合したアルキル基(炭素数:1〜5程度)を有するフェニル基であることがより好ましい。
ベース部BSは、ピレン環、アントラセン環、ナフタセン環、フェナントレン環等の多環構造を有する1価の置換または非置換の多環芳香族炭化水素基であることが好ましく、さらに置換または非置換のピレン基であることがより好ましい。結合部CSは2価基であり、メチレン基やエチレン基等のアルキレン基であってもよいが、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)O−)、カルボニル結合(−CO−)、アミド結合(−NH−CO−)、イミド結合(−CO−NH−CO−)等であることが好ましく、さらにアミド結合であることがより好ましい。
上述したような有機物プローブ32を構成する有機化合物において、反応基の種類、反応基に対する隣接基の種類や数等によって、被検出分子2または置換生成物との結合強度を調整することができる。例えば、有機化合物6の隣接基(CH基)は、有機化合物1の隣接基(CF基)と種類が異なる。トリフルオロメチル基は、電気陰性度が高いフッ素により反応基(OH基)の活性を高める効果を有するのに対し、メチル基はそのような効果が低い。従って、被検出分子2との結合強度を異ならせることができる。有機化合物5は、有機化合物1とは隣接基(CF基)の数が違うため、被検出分子2との結合強度が相違する。有機化合物2〜4は、有機化合物1と反応基を含む官能基の種類が異なるため、被検出分子2との結合強度が相違する。
このように、有機物プローブ32を構成する有機化合物の種類に応じて、被検出分子2または置換生成物との結合強度が調整される。また、検出セル301に設置する有機物プローブ32の密度を調整することによっても、被検出分子2または置換生成物との結合強度を調整することができる。有機物プローブ32の被検出分子2または置換生成物との結合強度の違いに基づいて、検出セルA〜Fからの検出信号の信号強度が異なる。
検出セルA〜Fで検出された信号は、識別器40に送られて信号処理される。識別器40は、検出セルA〜Fからの検出信号を強度に変換し、これら検出信号の強度差に基づく信号パターン(例えば図5に示す6つの検出信号のパターン)を解析する。識別器40には、検出する物質に応じた信号パターンが記憶されており、これら信号パターンと検出セルA〜Fで検出された信号パターンとを比較することによって、検出器30で検出された被検出分子2の識別が行われる。このような信号処理を、ここではパターン認識法と呼ぶ。パターン認識法によれば、例えば指紋検査のように被検出物特有の信号パターンにより被検出分子2を検出および識別することができる。従って、pptからppbオーダーの極低濃度のガス成分(被検出分子2)を選択的にかつ高感度に検出することができる。
上述したパターン認識法を適用することによって、検出器30に導かれる検出対象ガス3に不純物が混入しているような場合においても、被検出分子2を選択的にかつ高感度に検出および識別することができる。例えば、被検出分子2が有毒な有機リン化合物の代表的な材料であるメチルホスホン酸ジメチル(DMMP、分子量:124)の場合、化学的な構造が近いジクロルボスのようなリン酸を持つ農薬、さらにマラチオン、クロルピリホス、ダイアジノンのような使用例が多い有機リン系農薬が存在する。これらの物質の誤検知を防ぐためには、図5に示すような信号パターンにより識別するのが有効である。すなわち、上述した各物質により検出セルA〜Fで検出される信号パターンが異なるため、パターン認識法を適用することで、分子量が近く、また構成元素も似通っている不純物が混入していても、検出対象の物質を選択的にかつ高感度に検出することができる。
上述したような有機物プローブ32により被検出分子2を捕捉するにあたって、被検出分子2はその種類によって捕捉が容易なものと、捕捉が困難なものとがある。この差はガス分子の分子内構造に依存しており、主に分子内の隣り合う原子同士が作り出す分子全体の極性と関係がある。図7は実施形態の分子検出装置1で検出するガス分子の一例を示している。例えば、サリン(GB)や有毒な農薬に含まれる有機リン化合物は、リンと酸素の二重結合(P=O)やリンと酸素の単結合(P−O)を含む構造を有している。このようなリンと酸素の結合構造は、比較的極性が大きいため、水素結合による有機物プローブ32との相互作用が得られやすく、有機物プローブ32から見て捕捉しやすい分子である。また、毒ガスである窒素型マスタード(HN−1)は、窒素と炭素との単結合(N−C)を含む構造を有しており、このような結合構造も比較的極性が大きいため、水素結合による有機物プローブ32との相互作用が得られやすい。
一方、毒ガスである硫黄型マスタード(HD)が有する硫黄と炭素との単結合(S−C結合)は、比較的極性(電気的な偏り)が小さい。さらに、硫黄型マスタード(HD)の分子構造は左右の対称性がよく、この点からも極性が小さい。このようなガス分子(被検出分子2)は、有機物プローブ32との間に相互作用が得られにくく、有機物プローブ32から見て捕捉が難しい分子である。このように、被検出分子2の分子構造によって、異なる性質を持ち合わせている。有機物プローブ32で捕捉しにくい被検出分子2を、置換器20で分子の化学的な構造を変化させ、比較的捕捉が容易な構造に作り変えることによって、有機物プローブ32による捕捉とそれに基づく検出が容易になる。
実施形態の分子検出装置1においては、そのままの形では有機物プローブ32で捕捉されにくい被検出分子2の分子構造の一部を、置換器20で変化させることによって、有機物プローブ32で捕捉されやすい分子構造を有する置換生成物を生成する。例えば、硫黄型マスタード(HD)の場合、図8に示すように、末端基としての塩素基(−Cl)の少なくとも一方をヒドロキシ基(−OH)に置換することによって、有機物プローブ32との相互作用が強い分子に変換することができる。ヒドロキシ基はそれ自体の極性が大きいため、水素結合による有機物プローブ32で捕捉されやすくなる。
このように、有機物プローブ32で捕捉されにくい被検出分子2の分子構造の一部を、置換器20で置換して新しい分子を生成、いわゆる分子変換することによって、有機物プローブ32で捕捉されやすい分子構造を有する置換生成物を生成することができる。有機物プローブ32で捕捉されにくい被検出分子2としては、極性が小さい硫黄と炭素とが結合した部分(S−C結合部分)と、末端基としての塩素基(−Cl)とを有する有機化合物が挙げられる。ただし、これに限られるものではない。置換生成物による被検出分子2の検出に関しては、識別器40に置換生成物に応じた信号パターンを記憶しておき、被検出分子2の置換生成物を有機物プローブ32で捕捉した際の複数の検出セルA〜Fからの検出信号の強度差に基づく信号パターンと比較することによって、被検出分子2を選択的にかつ高感度に検出することができる。
被検出分子2の分子構造の一部を置換する置換器20には、例えば金属と有機物との複合体である金属有機物組成体(メタルオーガニックフレームワーク:MOF)の多孔質物質、または酸化バナジウム微粒子が充填されたカラム等の容器が適用される。MOFの具体例としては、金属として銅(Cuイオン)と、有機物としてカルボニル基を有する有機化合物(有機配位子)とを含む組成体が挙げられる。このようなMOFや酸化バナジウム微粒子が充填されたカラム内に被検出分子2を含む検出対象ガス3を通過させることによって、被検出分子2の塩素基をヒドロキシ基に置換することができる。MOFはそれ自体が多孔質性を有しているため、検出対象ガス3をMOFの空孔内を通過させることによって、塩素基をヒドロキシ基に置換することができる。酸化バナジウム微粒子に関しては、検出対象ガス3をカラム内に充填した酸化バナジウム微粒子間を通過させることによって、塩素基をヒドロキシ基に置換することができる。置換器20は、被検出分子2をMOFや酸化バナジウム微粒子と接触させて生成した置換生成物の収率を向上させたり、置換生成物の置換器20から検出器30への移動を容易にするために、加熱機構等を備えていてもよい。
上述した塩素基のヒドロキシ基への置換反応には水が関与し、水の関与がある場合に反応が促進される。このため、置換器20は水分量を調整する加湿機構と水分量を監視する露点計とを有することが好ましい。MOFや酸化バナジウム微粒子が充填されたカラム内の水分量を加湿機構で数%以上に高めておき、置換器20による被検出分子2の変換効率(置換効率)を維持することによって、例えば砂漠地帯のような極限まで乾燥した地域でも分子検出装置1を利用することが可能になる。また、通常の環境下でも加湿機構と露点計とを用いることによって、水分量の変化による変換効率の変動を抑制することができるため、被検出分子2の良好な変換効率を安定して得ることが可能になる。
置換器20に使用する多孔質物質に関しては、有機配位子と配位不飽和性の金属イオンとを含み、金属イオンサイトに水分子が可逆的に配位および脱離が可能な組成体からなるMOFを使用してもよい。このようなMOFを使用することによって、被検出分子2の塩素基等の一部をヒドロキシ基に置換する際に必要な水分子を、予めMOF内に持たせることができる。従って、気圧や湿度等の外部環境変化に影響されることなく、被検出分子2を有機物プローブ32で捕捉されやすい分子構造を有する置換生成物に置換することができる。上述したCuイオンとカルボニル基を有する有機配位子とを含む組成体からなるMOFは、配位不飽和の金属イオン(Cuイオン)を含むため、水分子が可逆的に配位および脱離が可能なMOFに該当するものである。
他の水分子が可逆的に配位および脱離が可能なMOFとしては、以下に示すカルボニル基を有する有機配位子と配位不飽和性の金属イオンとを含む組成体が挙げられる。
M1(DOBDC)(M1はMg、Co、Ni、Cu、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素である。)
M2O(F,OH)(BTC)(M2はCrおよびFeからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素である。)
M2O(F,OH)(BDC)(M2はCrおよびFeからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素である。)
Zr(OH)(BDC)
Zr(BDC)
Zr(OH)(BPDC)
Zr(BPDC)
Zr(OH)(TPDC)
Zr(TPDC)
Cu(BTC) (別名:HKUST−1)
上記した有機配位子と金属イオンとを含む組成体の化学式において、各略号は以下に示す化合物において、Hが解離した残基を表す。
(DOBDC):2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、
(BTC):1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、
(BDC):テレフタル酸、
(BPDC):4,4’−ビフェニルジカルボン酸
(TPDC):4,4’−p−テルフェニルジカルボン酸
例えば、M1(DOBDC)の場合、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸のカルボキシル基(−COOH)の水素(H)が解離した残基(−C(=O)O−)、言い換えるとカルボニル基(−C(=O)−)を有する有機配位子を含んでいる。他の化合物も同様である。なお、Cu(BTC)は、上述したCuイオンとカルボニル基を有する有機配位子とを含む組成体からなるMOFの具体例である。
なお、元々の分子構造に基づいて有機物プローブ32で捕捉しやすい被検出分子2に関しては、置換器20を介して検出器30に送ったとしても、特に問題を生じることなく、検出器30で検出することができる。従って、有機物プローブ32で捕捉しにくい被検出分子2および有機物プローブ32で捕捉しやすい被検出分子2のいずれも、分子検出装置1で検出することができる。ただし、置換器20を適用した場合、検出対象ガス3をMOFや酸化バナジウム微粒子が充填された容器内を通過させる際に、圧力損失が生じて通過ガス量が低下するおそれがある。このため、有機物プローブ32で捕捉しやすい被検出分子2の検出精度の向上や検出時間の短縮を図るためには、第2の実施形態に示すように、置換器20を配置したガス流路と、捕集部10と検出器30とを直接接続するガス流路の2系統のガス流路を設けることが好ましい。
第1の実施形態の分子検出装置1によれば、パターン認識法を適用することで、pptからppbオーダーの極低濃度のガス分子を選択的にかつ高感度に検出することができる。さらに、置換器20により有機物プローブ32で捕捉しにくい被検出分子2の分子構造の一部を置換し、有機物プローブ32で捕捉されやすい置換生成物に変換することによって、被検出分子2としてのガス成分の種類によらずに、ガス分子を高感度に検出することができる。さらに、検出器30および識別器40で検出感度および検出精度を高めることで、分子検出装置1を小型化することができる。従って、携帯性と検出精度とを両立させた分子検出装置1を提供することが可能になる。このような分子検出装置1は、災害現場やテロ行為が行われた現場等、各種の現場でその機能を有効に発揮する。
(第2の実施形態)
図9は第2の実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。図9に示す分子検出装置1は、第1の実施形態と同様に、捕集部10と置換器20と検出器30と識別器40とを備えている。これら各部10、20、30、40の構成は、第1の実施形態で詳述した通りである。捕集部10から検出器30に至るガス流路は、第1のガス流路11Aと第2のガス流路11Bとの2系統とされている。第1のガス流路11Aには置換器20が設けられており、捕集部10から置換器20を介して検出器30まで接続されている。第2のガス流路11Bは、捕集部10から検出器30まで直接接続されている。
有機物プローブ32で捕捉しにくい被検出分子(第1の被検出分子)2は、第1のガス流路11Aを経由して、第1の実施形態と同様に置換器20で分子構造の一部が置換されて置換生成物が生成され、この置換生成物が検出器30に送られる。有機物プローブ32で捕捉しやすい被検出分子(第2の被検出分子)2は、第2のガス流路11Bを経由して、直接検出器30に送られる。検出対象ガス3が第1および第2の被検出分子を共に含む場合には、それらを同時に検出器30に送ってもよい。また、ガス流路11A、11Bに切り替え用のバルブ等を設けておき、検出対象物に応じてどちらか一方のガス流路のみを介して、被検出分子2または置換生成物を検出器30に送るようにしてもよい。
第1の被検出分子の置換生成物および第2の被検出分子を同時に検出器30に送った場合、検出信号パターンが重畳した状態で得られるものの、そのような検出信号パターンから第1の被検出分子の置換生成物および第2の被検出分子を検出することができる。また、より高精度な検出を行うためには、検出対象物に応じてどちらか一方のガス流路のみを開状態とすることが好ましい。これによって、分子構造の一部を置換する必要がない第2の被検出分子は、通過ガス量の低下等を招くおそれがある置換器20を介することなく検出器30に送られるため、検出精度の向上や検出時間の短縮を図ることができる。すなわち、有機物プローブ32で捕捉しにくい被検出分子(第1の被検出分子)、および有機物プローブ32で捕捉しやすい被検出分子(第2の被検出分子)のいずれについても、高感度にかつ選択的に検出することが可能になる。
(実施例1)
置換器に使用する材料として、MOFを以下のようにして合成する。まず、トリメシン酸5gと硝酸銅10gとを、ジメチルホルムアミド(DMF)とエタノールと水を混合した溶媒250mLに溶解させる。これを丸底フラスコ内に入れて、温浴で温度を加え、85℃で20時間反応させる。固体成分が沈下したら、温度を下げてしばらく静置した後、上澄み液としての溶媒成分を除去(デカント)する。残った固体成分をDMFにより何度か洗浄する。ジクロロメタンに浸漬して数日間常温で放置する。固体をろ過して回収する。回収した固体は、ドライアイストラップを利用して真空乾燥する。固体を170℃に加熱し、溶媒の残留成分を除去する。このようにして、青色固体のMOF(HKUST−1:銅ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート)を10g得る。このようなMOFを粉砕した後、円筒状の容器に充填して置換器とする。
実施例1においては、被検出分子としての硫黄型マスタード(HD)の代替え物質として、図10に分子構造を示す2−クロロエチルエチルスルフィド(CEES)を用意した。CEESを窒素ガスで1ppmの濃度となるように希釈し、これを分子分配器に通過させてから水蒸気と混合する。このようなガス成分を上述したMOFを充填した容器内を通過させる。ガス成分の通過は1度でもよいが、複数回循環させる構造を持たせるとより効果的である。CEESを含むガス成分を、MOFを充填した容器内を通過させることによって、図10に示すように、末端の塩素基がヒドロキシ基に置換される。CEESの塩素基をヒドロキシ基に置換した置換生成物を含むガス成分を、以下に示すGFETと有機物プローブとを組み合わせた検出素子を有する検出器に送る。
GFETと有機物プローブとを組み合わせた検出素子を、以下のようにして用意する。グラフェン層は、グラファイトからの剥離法による基板へ転写して形成したり、化学気相成長法(CVD)を利用して金属の表面に成長させることにより形成する。金属の表面に成長した単層や複数層のグラフェンをポリマー膜に転写して、所望の電界効果トランジスタ(FET)作製用の半導体基板に再度転写する。例えば、銅箔表面に1000℃程度の条件でメタンガスをフローしたCVDによりグラフェンを形成する。
次に、ポリメチルメタクリレート膜を、スピンコート法を用いて4000rpmで塗布し、逆面の銅箔膜を0.1Mの過硫酸アンモニウム溶液でエッチングし、溶液に浮遊したグラフェン膜を回収する。これでグラフェン膜がポリメチルメタクリレート膜側へ転写される。十分に表面を洗浄した後に、これをシリコン基板上に再度転写する。余分なポリメチルメタクリレート膜は、アセトンにより溶解させて除去する。シリコン基板に転写されたグラフェンには、レジストを塗布してパターニングし、酸素プラズマによって電極間隔10μmのパターンを形成する。電極を蒸着してソース電極とドレイン電極を設けたFET構造を形成する。シリコン基板表面に形成されている酸化膜上にグラフェンが配置され、グラフェンがソース電極とドレイン電極で挟まれると共に、シリコン基板側をゲート電極とするFET型のセンサー構造が形成される。
グラフェンセンサーは、グラフェンがゼロギャップ半導体としての性質を持つことから、ゲート電極に電圧を加えなくともソースとドレインの間に電流が流れる傾向もみられる。このままでもセンサーとして機能するため、グラフェンに物質が衝突することで検出信号を得ることができるが、一般的にはゲート電圧を加えた状態でソースとドレイン間に通電し、物質が接触した場合のゲート電極の電気的変化を観測する。
次いで、グラフェンの表面に有機物プローブを設ける。有機物プローブは、メタノール溶液に10nMの濃度で溶解させて、この中にグラフェンセンサー面を数分間浸漬して設置する。有機物プローブには、図6に示した有機化合物1〜6を用いる。実施例1では、図4に示したように、検出器の検出面に6つの検出セルA〜Fを設け、各々に図6に示した異なる有機物化合物1〜6を有機プローブとして設置する。前述したように、有機化合物1〜6は、それぞれ被検出分子(CEES)の置換生成物との結合強度が異なる。
上記した検出セルA〜Fを有する検出器に、被検出分子(CEES)の置換生成物を含むガス成分を導入してCEESの検出を行う。被検出物分子(CEES)の置換生成物は、検出セルA〜Fの有機物プローブにそれぞれ捕捉される。検出セルA〜Fの有機物プローブは、それぞれ被検出分子(CEES)の置換生成物との結合強度が異なるため、ゲート電極に検出される信号もそれぞれ異なる。検出セルA〜Fで検出した結果は、信号処理をする識別器に送られて強度に変換される。強度への変換は種々の方法が考えられるが、ここでは図11におけるP1とP2、およびピークの先端であるP3との面積から算出した値を強度として設定する。必ずしもこの方法に限られるものではない。
図5に示すように、認識結果は相対的な強度表示となって出力される。図5はCEESの置換生成物を被検出物として測定を行った結果を示している。パターン認識ではセル毎に異なる強度をまとめて解析して、被検出分子毎に特有の信号強度パターンを得る。このような信号強度差に基づく信号パターンに基づいて被検出物を識別することによって、pptからppbオーダーの極低濃度の被検出物(ガス分子)を選択的にかつ高感度に検出することができる。さらに、置換器を使用しているため、そのままの分子構造では有機物プローブに捕捉されにくいガス分子についても、高精度に検出することができる。
(実施例2)
置換器に使用する材料として、酸化バナジウム微粒子を以下のようにして調製した。まず、酸化バナジウム1.5gとドデシルアミン1.8mLをエタノール25mLに溶解する。このまま7時間ほど撹拌を続け、純水70mLを加える。得られた物質を180℃で1週間加熱する。緑色の固体が得られるので、これを純水とエタノールで洗浄した後、水分を取り除くために50℃で乾燥させる。このようにして得たナノロッド状の酸化バナジウムを粉砕した後、円筒状の容器に充填して置換器とする。
上述した酸化バナジウム微粒子を充填した置換器を用いる以外は、実施例1と同様にして、CEESの分子構造の一部を置換して置換生成物を生成する工程と、そのような置換生成物を含むガス成分の検出器による検出工程および識別器による識別工程とを実施する。検出器およびそれに用いる有機物プローブは、実施例1と同様とする。その結果、図5に示したように、認識結果として相対的な信号強度パターンが得られる。図5に示した信号強度パターンからCEESの検出が確認される。実施例1と同様に、酸化バナジウム微粒子を用いた置換器を使用することによっても、そのままの分子構造では有機物プローブに捕捉されにくいCEESを高精度に検出できることが確認される。
(実施例3)
実施例1と同様にして、青色固体のMOF(HKUST−1:銅ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート)を10g得る。このようにして得たHKUST−1は、格子内に水分子や溶媒が配位していない状態を有している。そのようなHKUST−1を大気中で1週間放置することによって、配位不飽和なCuサイトに水分子を配位させる。放置後のHKUST−1の重さは、約20質量%増加しており、約20質量%の水分子が吸着していることが確認される。この状態のHKUST−1を粉砕した後、0.5gを秤量し、円筒状の容器に充填して置換器とする。
実施例3においては、被検出分子としての硫黄型マスタード(HD)の代替え物質として、図10に分子構造を示す2−クロロエチルエチルスルフィド(CEES)を用意する。CEESを窒素ガスで1ppmの濃度となるように希釈し、これを分子分配器に通過させてから、上述したMOFを充填した容器に送る。実施例3においては、図12に示すように、容器21の前段にMOF22を充填(第1の充填部)し、その後段にセパレータ23を介して、水分のみを選択的に吸着する吸湿材24を充填(第2の充填部)した置換器20を使用する。図12において、符号25はメッシュ材である。セパレータ23にはグラスウールを使用し、吸湿材24にはモレキュラーシーブス粉末3Aを用いる。MOF22の充填部の外周には、加熱機構としてコイル型のヒータ26が設置されている。ヒータは、さらに吸湿材24の充填部の外周に独立して設置してもよい。これによって、定期的に吸着した水分を排出させて再利用できるようにすることができる。ガス成分の通過は1度でもよいが、複数回循環させる構造を持たせるとより効果的である。
実施例3では、図13に示す装置構成において、図14に示す動作シーケンスにしたがって制御する。図13に示す置換器20および検出器30の構成例において、置換器20と検出器30との間には、第1バルブB1が配置されている。検出器30には、第2バルブB2を介して窒素ボンベ51と、第3バルブB3を介してポンプ52とが接続されている。ポンプ52は、ガストラップ53に接続されている。検出器30は、ポンプ52により減圧される。図14に示すシーケンスは、ヒータ26、第1バルブB1、第2バルブB2、第3バルブB3、およびポンプ52の動作を示している。
まず、第3バルブB3を開くと共に、ポンプ52を動作させて検出器30内を減圧する。次いで、置換器20のMOF用ヒータ26をONにして、MOFを所定温度(例えば200℃)に制御する。それに引き続いて第1バルブB1を開放し、MOF充填容器21内が大気圧になるまでCEESを含むガス成分を置換器20に導入する。このとき、図示しないフローコントローラ等で流速を制御するようにしてもよい。CEESを含むガス成分は、加熱されたMOF充填容器21内を通過することによって、図10に示すように、末端の塩素基がヒドロキシ基に置換される。このとき、MOFから排出された水分のみが図12に示した吸湿材24により選択的に取り除かれる。なお、図13では吸湿材24の図示を省略したが、図13に示す置換器20は図12に示した構造を有している。
CEESの塩素基をヒドロキシ基に置換した置換生成物を含むガス成分は、GFETと有機物プローブとを組み合わせた検出素子を有する検出器30に送られる。置換生成物を含むガス成分の検出器による検出工程、識別器による識別工程、および検出器とそれに用いる有機物プローブは、実施例1と同様とする。その結果、図5に示したように、認識結果として相対的な信号強度パターンが得られる。図5に示した信号強度パターンからCEESの検出が確認される。このように、そのままの分子構造では有機物プローブに捕捉されにくいCEESを高精度に検出できることが確認される。実施例3においては、水分子を脱離可能な状態で吸着させたMOFを用いているため、被検出分子から置換生成物への生成効率を高めることができる。さらに、置換器20にMOF用ヒータ26を設けているため、置換生成物をMOFからより確実に脱離させることができ、これにより置換生成物を置換器20から検出器30へ効率よく送ることが可能になる。言い換えると、置換生成物の検出器30による検出精度を高めることができる。
検出が終わった後は、第3バルブB3を開放すると共にポンプ52を動作させ、検出器30内のガスを吸引した後、窒素ボンベ51に接続された第2バルブB2を開放することによって、検出器30内のガス成分をNガスに置換する。ポンプ52で吸引したCEESを含むガス成分は、ポンプ52の後段に接続したガストラップ53で捕捉することによって、大気中に拡散することを防止することが好ましい。ガストラップ53には、置換器に充填したHKUST−1と同様な吸着性能を持つMOF、活性炭やゼオライト等の多孔性物質を使用することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (13)

  1. 被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する捕集部と、
    前記捕集部で捕集された少なくとも一部の前記被検出分子の分子構造の一部を置換し、置換生成物を生成する置換器と、
    センサー部と、前記センサー部に設けられ、前記置換器から送られた前記被検出分子または前記置換生成物を捕捉する有機物プローブとを有る検出セルを複数備える検出器と、
    前記被検出分子または前記置換生成物が前記有機物プローブに捕捉されることにより生じる検出信号の強度差に基づく信号パターンにより前記被検出分子を識別する識別器とを具備し、
    前記検出セルは、前記被検出分子または前記置換生成物との結合強度が異なる複数の前記有機物プローブを有する、分子検出装置。
  2. 前記センサー部は、グラフェン層と、前記グラフェン層に接続されたソース電極およびドレイン電極とを有する電界効果トランジスタを備え、
    前記有機物プローブは、前記グラフェン層に設けられている、請求項1に記載の分子検出装置。
  3. 前記被検出分子は、硫黄と炭素とが結合した部分と、末端基としての塩素基とを有し、
    前記置換器は、金属と有機物との複合体である金属有機物組成体の多孔質物質が充填された容器を備え、
    前記被検出分子は前記多孔質物質内を通過することにより、前記塩素基の少なくとも一部がヒドロキシ基に置換される、請求項1または請求項に記載の分子検出装置。
  4. 前記金属有機物組成体は、前記金属として銅イオンと、前記有機物としてカルボニル基を有する有機配位子とを含む、請求項に記載の分子検出装置。
  5. 前記金属有機物組成体は、前記金属として配位不飽和性の金属イオンと、前記有機物としてカルボニル基を有する有機配位子とを含み、前記配位不飽和性の金属イオンにより可逆的に水分子が配位および脱離する、請求項に記載の分子検出装置。
  6. 前記置換器は、前記金属有機物組成体の多孔質物質が充填された容器を加熱する加熱機構を備える、請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  7. 前記容器は、前記金属有機物組成体の多孔質物質が充填された第1の充填部と、前記第1の充填部の後段に設けられ、水分のみを選択的に吸着する吸湿材が充填された第2の充填部とを備える、請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  8. 前記被検出分子は、硫黄と炭素とが結合した部分と、末端基としての塩素基とを有し、
    前記置換器は、酸化バナジウム微粒子が充填された容器を備え、
    前記被検出分子は前記酸化バナジウム微粒子間を通過することにより、前記塩素基の少なくとも一部がヒドロキシ基に置換される、請求項1または請求項に記載の分子検出装置。
  9. 前記置換器は加湿機構を備える、請求項または請求項に記載の分子検出装置。
  10. さらに、前記捕集部から前記検出器に至る第1および第2のガス流路を備え、
    前記第1のガス流路には前記置換器が設けられており、前記第1のガス流路において前記被検出分子は前記置換器を介して前記検出器に送られ、
    前記第2のガス流路は前記検出器に直接接続されており、前記第2のガス流路において前記被検出分子は前記検出器に直接送られ、
    前記有機物プローブは、前記第1のガス流路を介して送られた前記置換生成物、および前記第2のガス流路を介して送られた前記被検出分子の少なくとも一方を捕捉する、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  11. 被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する工程と、
    前記捕集された少なくとも一部の前記被検出分子の分子構造の一部を置換し、置換生成物を生成する工程と、
    出セルのセンサー部に設けられた有機物プローブで、前記被検出分子または前記置換生成物を捕捉する工程と、
    前記被検出分子または前記置換生成物が前記有機物プローブに捕捉されることにより生じる検出信号の強度差に基づく信号パターンにより前記被検出分子を識別する工程とを具備し、
    前記検出セルは、前記被検出分子または前記置換生成物との結合強度が異なる複数の前記有機物プローブを有する、分子検出方法。
  12. 前記被検出分子は、硫黄と炭素とが結合した部分と、末端基としての塩素基とを有し、
    前記置換生成物の生成工程は、金属と有機物との複合体である金属有機物組成体からなる多孔質物質を用いて実施され、
    前記被検出分子を前記多孔質物質内を通過させることにより、前記塩素基の少なくとも一部をヒドロキシ基に置換する、請求項11に記載の分子検出方法。
  13. 前記被検出分子は、硫黄と炭素とが結合した部分と、末端基としての塩素基とを有し、
    前記置換生成物の生成工程は、酸化バナジウム微粒子を用いて実施され、
    前記被検出分子を前記酸化バナジウム微粒子間を通過させることにより、前記塩素基の少なくとも一部をヒドロキシ基に置換する、請求項11に記載の分子検出方法。
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