JP6611642B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物および反射フィルム - Google Patents
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Description
しかしながら、上記の従来技術等では、初期の反射率は高いものの、使用中、特に熱が加わる状況で長期間使用した場合に、経時変化によって反射率が劣ってくるという問題があった。
本発明に使用するポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを主モノマーとする種々のポリマーであって、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルモノマーと他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。共重合体としては、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル共重合体が挙げられる。中でも、耐熱性に優れるものとして塩化ビニルの単独重合体を好ましく使用することができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、1種類のみで使用してもよく、2種以上を混合して使用しても良い。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、好ましくは800〜1500、より好ましくは1000〜1300である。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、酸化チタンを23〜65質量部含有する。酸化チタンの含有量の下限は、25質量部以上とすることが好ましく、27質量部以上とすることがより好ましく、30質量部以上とすることが更に好ましく、36質量部以上とすることが特に好ましい。酸化チタンの含有量を23質量部以上とすることで、熱が加わる状態で保管または使用された場合においても、反射率の低下を抑制することができる。
酸化チタンの含有量の上限は、63質量部以下とすることが好ましく、60質量部以下とすることがより好ましく、58質量部含有することが更に好ましい。酸化チタンの含有量を65質量部以下とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の成形性を良好とすることができる。
また、酸化チタンの粒径は、特に限定されるものではないが、0.01〜0.5μmが好ましく、0.05〜0.4μmがより好ましく、0.1〜0.4μmがさらに好ましい。酸化チタンの粒径を上記下限以上とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に、酸化チタンを均一に分散させることができ、また、上記上限以下とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂と酸化チタンとの界面が緻密に形成されるので、反射フィルムに高い反射性を付与できる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、過塩素酸金属塩を含有している。その含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5.0質量部、更に好ましくは0.1〜3.0質量部、特に好ましくは0.1〜2.0質量部である。
過塩素酸金属塩を0.1質量部以上含有することにより、熱が加わる状態で保管および使用された場合にも、反射率の低減をより抑制することができる。また、10質量部以下とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム成形した場合にも、フィルム表面からのブリードアウトや着色を抑制することができる。
これらの過塩素酸金属塩の中でも、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム及び過塩素酸マグネシウムが好ましく使用することができ、特に過塩素酸バリウムが好ましく使用することができる。
また、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、更にポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、可塑剤を5〜70質量部含有することが好ましく、10〜65質量部含有することがより好ましく、15〜60質量部含有することが更に好ましい。可塑剤の含有量を上記とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物から可塑剤がブリードアウトすることを抑制することができる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、さらに紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
前記紫外線吸収剤として、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等のトリアジン類等があげられる。中でも、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を使用することが好ましい。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上混合して用いられる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において必要に応じて、成型用の合成樹脂に通常配合される公知の樹脂添加剤、例えば、光安定剤、耐候助剤、熱安定剤、安定化助剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、防菌防黴剤及び着色剤等の各種添加剤を配合することができる。
本発明の反射フィルムは、上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる。
表面層、裏面層としては、使用される用途により、適宜選択される層を設けることができるが、例えば、光拡散層、強度を補うための基材層(金属板、樹脂板)などを挙げることができる。なお、基材層を形成する場合は、表面層または裏面層の一方に形成する。
[反射率の測定]
得られた反射シートを使用し、縦30mm、横30mmの寸法でカットサンプルを作製した。次にギヤーオーブン(エスペック社製「GPH−202」)を使用し、80℃、の環境下で2000時間養生させた後、カットサンプルの表面の反射率をJIS K 7361−1に準拠して分光光度計(日立製作所社製「U−3500」)を使用して波長550nmの値を測定した。なお、測定前に標準反射板(酸化アルミナ)の反射率が100%となるように光度計を設定した。得られた測定結果を表1、表2に示した。
得られた反射シートを使用し、縦30mm、横30mmの寸法でカットサンプルを作製した。次にギヤーオーブン(エスペック社製「GPH−202」)を使用し、80℃、の環境下で2000時間養生させた後、カットサンプルの表面の色差(ΔE)をコニカミノルタ社製「分光測色計CM−2500d」を使用して測定した。得られた測定結果を表1、表2に示した。
[ポリ塩化ビニル系樹脂]
(A):ポリ塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ社製:「TH−1000」)、
[可塑剤]
(B−1):ポリエステル系可塑剤(ジェイ・プラス社製:「D620」)、
(B−2):フタル酸系可塑剤(ジェイ・プラス社製:「DOP」)、
[酸化チタン]
(C):ルチル系酸化チタン(勝田化工社製:「NBD−1169W」)、
[過塩素酸金属塩]
(D):過塩素酸バリウム(ADEKA社製:「アデカスタブ M−CPS55R」)、
[紫外線吸収剤]
(E):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(BASF社製:「CHIMASSORB81」)、
<反射シートの作製>
表1に示す配合となるように調整した原料と紫外線吸収剤(E)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、次いで160℃で3分間、バンバリーミキサーで混練りした。得られた混練物を170℃で7分間、カレンダー成形にて混練し、2本ロールを用い、厚さ150μmおよび300μmの反射フィルムを作製した。
表1より、実施例1〜9はいずれも、耐熱の促進試験を行った後においても反射率が高く、また色差が小さく、変色が少なかった。よって、熱が加わる状態で保管や使用された場合においても優れた反射性能および外観を有する反射フィルムであることが確認された。
一方、比較例1〜3はいずれも、酸化チタンの含有量が少ないため、今までにない優れた反射率を得ることができなかった。また、比較例4〜9はいずれも、過塩素酸金属塩を含有していないため、耐熱の促進試験により、反射率の低下および色差の増大が見られた。
Claims (4)
- ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、酸化チタンを36〜65質量部と過塩素酸バリウムを0.5〜10質量部含有することを特徴とする反射フィルム用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
- 更に可塑剤を5〜70質量部含有する、請求項1に記載の反射フィルム用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる反射フィルム。
- 前記反射フィルムの厚みが、70〜500μmである、請求項3に記載の反射フィルム。
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