JP6610624B2 - 車両の防曇制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用防曇制御装置に関し、特に防曇性被膜が施されたウィンドウ等の窓用の板状体を備えた車両の防曇制御に関するもので自動車等の車両の安全技術の分野に属する。
一般に、車両に備えられたウィンドウは、雨の日または雪の日などにウィンドウの車室内側と車室外側の雰囲気温度、湿度より、一方のウィンドウの表面が露点以下になる、もしくはウィンドウに対して急激な温度変化が起こった場合に、雰囲気中の水分が水滴として付着し、ウィンドウの表面に結露が発生する。該結露によって、前記ウィンドウを透過する光の散乱が発生し、その結果曇りが生じる。前記ウィンドウに曇りが生じれば、運転者の視界を妨げることになり、運転の支障になることがある。
そして、前記ウィンドウに結露によって曇りが発生した場合、デフロスタによってウィンドウ内面に付着した水分を気化させることで、ウィンドウの曇りを解消している。このデフロスタは、例えば、動力源によって空調ユニットのコンプレッサが駆動されてエバポレータによる除湿機能が作動するとともに、低湿度の外気を取り込みながら空調風がデフロスタ吹出口からウィンドウ内面に送風されることで、ウィンドウの曇りを解消するものである。
このように、前記ウィンドウの防曇のためにデフロスタを作動させることによる換気によって、特に、寒冷時においては、車室内の温度が下がり、換気後の車内温度を適切な温度へ復帰させるための熱負荷が必要となる。
ところで、近年、二酸化炭素の排出規制や低燃費化等の要求から、車室内の温度を適温に保つための熱負荷の低減が求められている。前述のように、寒冷時における熱負荷としては、ウィンドウの防曇のための換気負荷(具体的には、デフロスタ作動のために外気を取り入れる換気)が大きな割合を占めており、この換気負荷であるデフロスタの作動を低減することで効果的に熱負荷を低減することができ、燃費向上が期待できる。
そこで、デフロスタ作動の頻度や作動時間を削減するために、車両に備えられたウィンドウを曇りづらくする技術として、特殊な被膜を形成させて防曇処理を施したウィンドウが提案されている。防曇性被膜としては、親水性被膜、滑水性被膜、及び吸水性被膜が知られている。
具体的には、親水性被膜を用いる場合、被膜表面に付着した水分が膜を形成することで、水滴の発生が抑制される。滑水性被膜を用いる場合、被膜表面に付着した水滴を被膜に沿って滑落させることができる。吸水性被膜を用いる場合、被膜の表面に付着した水分が被膜内部に吸収されることで、水滴の発生が抑制される。
これらの防曇性被膜を用いる場合、前記ウィンドウに付着した水滴での光の散乱を抑制できるため、前記デフロスタの作動機会ないし作動時間の低減を図ることができる。
上述した防曇性被膜のうち、吸水性被膜は、表面に水滴が残りづらく、膜中に吸収された水が凍結しづらい利点があることで注目されている。
ところで、吸水性被膜を用いる場合、この膜内に吸収された水分量が、被膜内に吸収し得る水分量(以下、「飽和吸水量」という)に達すると、それ以上の吸水が出来なくなり、被膜の表面に水滴が発生してしまう。
この課題に関しては、例えば特許文献1には、被膜に含まれる水分量を検出して、該水分量が所定量に達すると、デフロスタを作動させて、被膜内の水分を気化させる技術が開示されている。この技術によれば、被膜内の水分量に応じてデフロスタを作動させることで、被膜による吸水能力を回復させることで、ウィンドウが曇ることによる視認性の悪化を抑制している。
特許第4670418号公報
ところで、本願発明者は、前記吸水性処理が施された防曇ウィンドウにおいて、被膜内部に水滴を取り込む際の被膜の膨張が、該被膜全体で均一に発生するのではなく、局所的に吸水が進む場合があることに着目し、前記被膜の吸水量の不均一、或いは、前記被膜の吸水量の不均一に起因する膨張むらが発生すると、ウィンドウが曇るかどうかに関わらず、ウィンドウ及び被膜を透過した透視像のひずみ(以下、「透視ひずみ」という。)が生じ、乗員の視認性を悪化させる可能性があることを発見した。
具体的には、前記被膜は、水分を吸収することによって膨張するが、該被膜を備えたウィンドウの表面付近における車室内の温度及び湿度は、前記被膜の部位によって異なるため、被膜の表面に付着する水分の量は、被膜の部位によって異なる。また、前記被膜の材料の密度は均一でないため、該被膜の部位によって吸水可能量が異なる。そのため、前記被膜の吸水量には、部位によるむらが生じやすい。そして、この吸水量の不均一によって生じる前記被膜の膨張むらが原因で、前記透視ひずみが増大し、乗員の視認性を悪化させる可能性がある。
この課題に対して、特許文献1に記載の吸水性処理を施した防曇制御装置では、防曇被膜に付着している水分量が、曇りが発生する閾値以上となった場合に乾燥手段を作動させるため、前記課題の、水滴が吸水被膜に不均一に吸水されることによって生じる、被膜の透視ひずみを検出することができない。
そこで、本発明は、防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置において、防曇性被膜の吸水に伴う視認性の悪化を抑制するという全く新たな課題を解決することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る防曇被膜を備えた防曇制御装置は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
車室内空間と車室外空間との間に設けられた窓用の板状体と、
前記板状体の車室内側表面に設けられ、表面に付着した水分を内部に吸収することによって膨張する防曇性被膜と、
前記防曇性被膜に吸収された水分を気化させる乾燥手段と、
前記防曇性被膜の吸水量の不均一によって生じる膨張むらに応じて変化する前記防曇性被膜の熱伝導率が、所定の限界値に達したときに前記乾燥手段を作動させる制御手段と、を備えることを特徴とする車両の防曇制御装置。
ここでいう「所定の限界値」とは、前記防曇性被膜の熱伝導率の変化量が、「所定の限界値」を超えたときに、板状体及び防曇性被膜を通した透視像のひずみが、乗員に不快感を与える程度に悪化する可能性が発生する値を意味するものとする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記防曇性被膜の熱伝導率を検出するためのセンサを少なくとも2か所以上に備えており、前記膨張むらは、前記センサによって算出された温度上昇量の最大値、または、平均値に基づいて熱伝導率を求めることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、
前記熱伝導率は、該防曇性被膜の第1ポジションでパルス状の熱負荷を与えることによる、第2ポジションでの熱負荷出力時から所定時間後の温度上昇量または温度上昇速度と、熱負荷出力後における最大温度上昇量または最大温度上昇速度とのうちの少なくとも1つであることを特徴とする。


請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の発明において、
前記第1ポジションと、前記第2ポジションとは、前記防曇性被膜の車室内側に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の発明において、
前記第1ポジションと前記第2ポジションとは、前記板状体の厚み方向に見てオーバーラップする位置に配置されるとともに、前記防曇性被膜の車室内側と、前記板状体と前記防曇性被膜の界面と、の一方側と他方側とにそれぞれ設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、
前記乾燥手段は、乾燥した空気を前記防曇性被膜の表面に吹き出すものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、
前記乾燥手段は、前記板状体に配設され、導電体に電流を流すことで発熱させるものであり、前記導電体は、前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、
前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、防曇性被膜を備えた窓用の板状体を有する車両の防曇制御装置は、前記防曇性被膜の吸水量の不均一によって生じる膨張むらに応じて変化する前記防曇性被膜の熱伝導率の変化量が、所定の限界値に達したときに、前記乾燥手段を作動させて、前記防曇性被膜から水分を気化させるので、乗員の視認性を確保するための防曇を達成しつつ、前記板状体が曇るかどうかにかかわらず生じる、透視ひずみによる視界の悪化を抑制することができる。
請求項に記載の発明によれば、前記防曇性被膜の熱伝導率の変化量を検出するための検出装置を少なくとも2か所以上に配置し、前記検出装置によって検出される熱伝導率の変化量の分布の状況を数値化し、該熱伝導率の変化量の分布の状況に応じて乾燥手段の作動要否を決定できるので例えば、複数の検出装置のうちの特定の検出装置が熱伝導率の変化量を検出し、他の検出装置は熱伝導率の変化量を検出しなかった場合、被膜全体として熱伝導率の変化量の変化が生じているものと認識することで前記乾燥手段の作動要否を判定できる。また、前記熱伝導率の変化量の分布の状況として、複数の検出装置が検出する熱伝導率の変化量の最大値と最小値の差を用いて、前記差が所定の閾値以上の場合は被膜全体として熱伝導率の変化量の変化が生じていると認識することで前記乾燥手段の作動要否を判断できる。これにより、熱伝導率の変化量の差を直接監視することができ、乗員の視界を確保しつつ、不必要な前記乾燥手段の作動を抑制することの精度を向上させることができる。
請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の前記熱伝導率の変化量を具体的に示したもので、該熱伝導率の変化量は、前記防曇性被膜の第1ポジションでパルス状の熱負荷を与え、第2ポジションでの熱負荷出力時から所定時間後の温度上昇量または温度上昇速度と、熱負荷出力後における最大温度上昇量または最大温度上昇速度とのうちの少なくとも1つである。
請求項に記載の発明によれば、前記第1ポジションと、前記第2ポジションと、が車室内側に設けられていることで、前記熱伝導率の変化量の検出時に、車外の気温等の影響を受けにくい状態とすることができるので、前記熱伝導率の変化量を精度良く検出することができる。その結果、前記乾燥手段を不要に作動させることがなく、エネルギー消費を抑制することができる。
請求項に記載の発明によれば、前記第1ポジションと、前記第2ポジションとが、前記板状体の厚み方向に見てオーバーラップする位置に配置されるとともに、前記防曇性被膜の車室内側と、前記板状体と前記防曇性被膜の界面と、の一方側と他方側とにそれぞれ設けられているので、前記防曇性被膜の厚み方向の熱伝導率の変化量を検出することができる。
請求項に記載の発明によれば、前記乾燥手段は、乾燥した空気を防曇性被膜表面に吹き出すものであるので、従来の空調装置を使用して、運転者の視認性の悪化を防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、前記乾燥手段は、導電体を発熱させるものであるので、該導電体が前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面に設けられる場合、従来の電熱ヒータを使用して、運転者の視認性の悪化を防止することができる。また、前記導電体が、前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられる場合においては、前記防曇性被膜を直接暖めることができ、効果的に該防曇性被膜に吸収された水分を除去することができる。
請求項に記載の発明は、前記請求項1から請求項に記載の板状体を具体的に示したもので、前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂である。
本発明の第1及び第2参考例に係る防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置の説明図である。 本発明の第1及び第2参考例に係る防曇制御装置のシステム図である。 前記第1参考例の防曇性被膜の膨張による歪の状態を模式的に示す説明図である。 本発明の第1及び第2参考例と実施形態に係るコントロールユニットが備える透視ひずみと歪量(膜厚、温度上昇量)との関係マップである。 前記第2参考例の防曇性被膜の膨張による該防曇性被膜の膜厚の状態を模式的に示す説明図である。 本発明の実施形態に係る防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置の説明図である。 本発明の実施形態に係る防曇性制御装置のシステム図である。 熱伝導性に関する値と透視ひずみとの関係を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る防曇制御装置の熱伝導性検出装置の変形例の説明図である。
以下、本発明の参考例及び実施形態について説明する。
まず、図1に示すように、本発明の第1参考例に係る車両1は、防曇性被膜を備えたフロントウィンドウ10と、該フロントウィンドウ10の車室内側に配置される乾燥手段としての空調装置20と、前記フロントウィンドウ10の防曇を制御する防曇制御装置30とが設けられている。なお、前記フロントウィンドウは、ガラスや樹脂などの窓用の板状体で形成されている。
前記フロントウィンドウ10の車室内側の面には、吸水層としての防曇性被膜11が積層され、該防曇性被膜11が吸水性を有する樹脂製の材料を用いて形成されている。
前記空調装置20には、前記フロントウィンドウ10の車室内側の面に沿って空調風を吹き出すデフロスタ吹出口21が設けられている。
前記防曇制御装置30には、図2に示すように、透視ひずみに関連するパラメータを検出する歪センサ31と、コントロールユニット32とが、備えられている。前記歪センサ31は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の表面に配置されて、該防曇性被膜11の表面の膨張による延びを歪量εとして検出する。そして、前記歪センサ31によって検出された歪量εは、前記コントロールユニット32に出力される。
ここで、前記防曇性被膜11の表面の膨張による歪量εと、前記透視ひずみとの関係を説明する。
まず、前述のように前記防曇性被膜11は、水分を吸収することによって膨張するが、前記防曇性被膜11を備えたフロントウィンドウ10の表面付近における車室内の温度及び湿度は、該防曇性被膜11の部位によって異なるため、被膜の表面に付着する水分の量は、被膜の部位によって異なる。さらに、前記防曇性被膜11の材料の密度は均一でないため、該防曇性被膜11の部位によって吸水可能量が異なる。したがって、前記防曇性被膜11の吸水量には、部位によるむらが生じやすい。
その結果、この吸水量の不均一によって生じる前記防曇性被膜11の膨張むらが原因で、前記防曇性被膜11の表面における歪が出現し、該歪量の増加に伴って、前記透視ひずみが増大し、乗員の視認性を悪化させる。
次に、図3を用いて、前記防曇性被膜11の膨張による延びの状態を説明する。なお、図3は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の表面の拡大図であり、前記防曇性被膜11の吸水前と吸水後の状態を説明するため、図の破線で示す前記防曇性被膜11の吸水後の状態を誇張して示している。
図3に示すように、前記歪センサ31によって検出される前記防曇性被膜11の膨張による延びは、該防曇性被膜11の表面が持ち上がるように膨張するときの該防曇性被膜11の延びを歪ゲージ等で検出している。
コントロールユニット32は、前記歪センサ31により検出された歪量εが、図4に示すように、予め備えられた、歪量εと透視ひずみとの関係マップから、閾値としての透視ひずみの限界値Aに対応する歪量ε0以上の場合に、前記空調装置20を作動させるようになっている。なお、図4では、前記歪量εの増大に伴って、前記透視ひずみが増大する特性を直線で示したが、これは前記歪量εと前記透視ひずみの関係を比例関係に限定して示すものではない。
以上の構成により、前記防曇性被膜11を備えた車両の防曇制御装置30は、前記フロントウィンドウ10に水分が付着し始めると、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11が前記水分を吸水する。そして、前記防曇性被膜11は、吸水により膨張し、前記防曇性被膜11の表面が延び、歪が発生する。このとき、前記コントロールユニット32に予め備えられた歪量と透視ひずみのマップから、該防曇性被膜11の歪量εが透過ひずみの限界値Aに対応する歪量ε0以上の場合に、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹出口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。その結果、前記防曇性被膜11に吸水されていた水分が気化されて、該防曇性被膜11の膨張が吸水前の状態に回復し、透視ひずみの限界に達する以前に、乗員の視界を確保することができる。
以上の説明では、歪センサ31は、1箇所のみを例に挙げて説明したが、前記防曇性被膜11の不均一性を検出するために、複数箇所に歪センサを配置する場合を含んでいる。この場合、複数の歪センサ31…31から取得した歪量の最大値または平均値に基づいて、前記歪量を求めても良い。
また、例えば、複数個の歪センサが、前記フロントウィンドウ10全体に配置された場合、前記複数個の歪センサから得られた歪量が前記コントロールユニット32に入力される。そして、前記コントロールユニット32によって、前記複数個の歪量の最大値と最小値の差を算出することで、前記フロントウィンドウ10全体の歪量の分布を数値化し、この数値化された歪量の分布が、予め設定された閾値以上の場合に、被膜全体として歪みが発生しているものと認識し、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
これにより、歪量の差を直接監視することができ、乗員の視界を確保しつつ、不必要な前記乾燥手段の作動を抑制することの精度を向上させることができる。
また、複数個の歪センサが配置される別の例として、例えば、前記複数個の歪センサが配置された場合、前記複数個の歪センサのうちの特定のセンサ(例えば、運転席前に配置された歪センサ)が歪みを検出し、他のセンサは歪みを検出しなかった場合、被膜全体として歪みが生じているものと認識し、このような場合は、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
次に、図1〜図5を参照しながら第2参考例における車両の防曇制御装置130について説明する。なお、第1参考例と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。
この参考例では、前記透視ひずみに関連するパラメータを検出する構成が、第1参考例と異なる。なお、その他の部分は、第1参考例と同様の構成であり、第1参考例同様の効果が得られる。具体的には、第2参考例では、第1参考例の歪センサ31に代えて膜厚センサ131を用いる。
前記防曇制御装置130には、図2に示すように、透視ひずみに関するパラメータを検出する膜厚センサ131と、コントロールユニット132とが、備えられている。前記膜厚センサ131は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の表面に配置されて、該防曇性被膜11の膜厚dを検出する。そして、前記膜厚センサ131によって検出された膜厚dは、前記コントロールユニット132に出力される。
ここで、前記防曇性被膜11の膨張による膜厚の増大と、前記透視ひずみとの関係を説明する。
まず、第1参考例同様に前記防曇性被膜11は、水分を吸収することによって膨張するが、前記防曇性被膜11の吸水量には、部位によるむらが生じやすい。その結果、この吸水量の不均一によって生じる前記防曇性被膜11の膨張むらが原因で、前記防曇性被膜11の膨張による膜厚にも不均一が出現し、該膜厚の不均一の増加に伴って前記透視ひずみが増大し、乗員の視認性を悪化させる。
次に、図5を用いて、前記防曇性被膜11の膨張による膜厚の増大の状態を説明する。なお、図5は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の表面の拡大図であり、前記防曇性被膜11の吸水前と吸水後の状態を説明するため、図の破線で示す前記防曇性被膜11の吸水後の状態を誇張して示している。
前記膜厚センサ131によって検出される前記防曇性被膜11の膜厚は、図5(a)に示すように、該防曇性被膜11の表面が吸水により持ち上がるように膨張するときの該防曇性被膜11の吸水膨張後の膜厚dを検出している。
コントロールユニット132は、前記膜厚センサ131により検出された膜厚dが、図4に示すように、予め備えられた、膜厚dと透視ひずみ量との関係マップから、閾値としての透視ひずみの限界値Aに対応する膜厚d0以上の場合に、前記空調装置20を作動させるようになっている。
このような構成により、前記防曇性被膜11を備えた車両の防曇制御装置130は、前記フロントウィンドウ10に水分が付着し始めると、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11が前記水分を吸水する。そして、前記防曇性被膜11は、吸水により膨張し、前記防曇性被膜11の膜厚dが増大する。このとき、前記コントロールユニット132に予め備えられた膜厚と透視ひずみのマップから、該防曇性被膜11の膜厚dが透過ひずみの限界値Aに対応する膜厚d0以上の場合に、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹出口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。その結果、前記防曇性被膜11に吸水されていた水分が気化されて、該防曇性被膜11の膨張が吸水前の状態に回復し、透視ひずみの限界に達する前に、乗員の視界を確保することができる。
なお、第2参考例に示す前記防曇性被膜11の膜厚dをパラメータに用いる場合、例えば、前記防曇性被膜11付近の温度が高温である等の前記防曇性被膜11の熱膨張を考慮しなくてはいけないような状況においては、前記膜厚センサ131により検出された膜厚から前記熱膨張による膜厚の増大分を差し引く補正を行うことで、より精度の良い透視ひずみを判定することができる。
具体的には、前記防曇性被膜11が、該防曇性被膜11付近の温度によって一様に膨張する場合、パラメータとしている膜厚が熱膨張分余分に検出されることになるため、図5(b)の仮想線で示す熱膨張による膜厚の増大分Δdを、前記膜厚センサ131によって検出された膜厚Dから差し引くことで、前記防曇性被膜11の吸水に起因する膜厚d1のみを算出することができる。
以上の説明では、膜厚センサ131は、1箇所のみを例に挙げて説明したが、前記防曇性被膜11の不均一性を検出するために、複数箇所に膜厚センサ131を配置する場合を含んでいる。この場合、複数の膜厚センサ131…131から取得した膜厚の最大値、平均値、或いは、差に基づいて、前記膜厚を求めても良い。
また、例えば、複数個の膜厚センサが、前記フロントウィンドウ10全体に配置された場合、前記複数個の膜厚センサから得られた膨張量が前記コントロールユニット32に入力される。そして、前記コントロールユニット32によって、前記複数個の膨張量の最大値と最小値の差を算出することで、前記フロントウィンドウ10全体の膨張量の分布を数値化し、この数値化された膨張量の分布が、予め設定された閾値以上の場合に、被膜全体として歪みが発生しているものと認識し、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
これにより、膨張量の差を直接監視することができ、乗員の視界を確保しつつ、不必要な前記乾燥手段の作動を抑制することの精度を向上させることができる。
また、複数個の膜厚センサが配置される別の例として、例えば、前記複数個の膜厚センサが配置された場合、前記複数個の膜厚センサのうちの特定のセンサ(例えば、運転席前に配置された膜厚センサ)が膨張を検出し、他のセンサは膨張を検出しなかった場合、被膜全体として膨張が生じているものと認識し、このような場合は、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
次に、図6及び図7を参照しながら実施形態における車両の防曇制御装置について説明する。なお、図1に示す第1実施形態と同様の構成については、図6及び図7において同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。
この実施形態では、前記防曇制御装置230の構成が、第1参考例と異なる。なお、その他の部分は、第1参考例と同様の構成であり、第1参考例同様の効果が得られる。
実施形態における前記防曇制御装置230には、図7に示すように、パルス状の熱負荷を出力する熱負荷出力部233と、温度センサ231と、コントロールユニット232とが、設けられている。また、この実施形態においては、前記熱負荷出力部233は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の車室内側の表面で下側の第1ポジションP1に配置され、前記温度センサ231は、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11の車室内側の表面で上側の第2ポジションP2に配置されるとともに、前記防曇性被膜11の温度Tを検出する。そして、前記温度センサ231によって検出された温度Tは、前記コントロールユニット232に出力される。


なお、前記第1ポジションP1および前記第2ポジションP2の配置は、前記第1ポジションP1が上側、前記第2ポジションP2が下側に配置されても良く、さらに左右に所定の距離で離間した位置に配置されていても良い。また、前記第1ポジションP1と前記第2ポジションP2は、図7に示す場合に比べて近接して配置されても良い。
そして、コントロールユニット232では、第1ポジションP1に入力される熱負荷Qによる第2ポジションP2での所定時間Δt1における温度上昇量ΔTが、前記透視ひずみに関連するパラメータとして算出される。
具体的には、前記第1ポジションP1にパルス状の熱負荷Qが入力された時の第2ポジションP2での温度T0と、前記熱負荷入力された時から、所定時間Δt1後の第2ポジションP2での温度T1とから、所定時間における温度上昇量ΔTを算出する。
なお、前記所定時間Δtにおける温度上昇量ΔTと、熱伝導性との関係は、図8(a)に示すように、前記温度上昇量ΔTの増加に伴って、前記熱伝導性が上昇する関係を有している。なお、図8(a)では、前記温度上昇量ΔTと前記熱伝導性の関係を直線で示したが、これは前記温度上昇量ΔTと前記熱伝導性の関係を比例関係に限定して示すものではない。また、図8(b)に示すように、前記防曇性被膜11の熱伝導性は、該防曇性被膜11の吸水量の増加に伴って上昇する関係を有している。図8(b)では、前記熱伝導性と前記吸水量の関係を直線で示したが、これは前記熱伝導性と前記吸水量の関係を比例関係に限定して示すものではない。
そして、前記防曇性被膜11の吸水量と、前記透視ひずみとの関係は、前述のように、前記防曇性被膜11の吸水量の不均一及び、吸水量の不均一によって生じる膨張むらが、乗員の視認性の悪化の程度を示す透視ひずみを生じさせており、図8(c)に示すように、前記吸水量の増加に伴って、前記透視ひずみも増加する。したがって、図4に示すように、前記熱伝導性に関する値としての前記所定時間Δtにおける温度上昇量ΔTと、前記透視ひずみと、を関連づけることができる。なお、図8(c)では、前記吸水量と前記透視ひずみの関係を直線で示したが、これは前記吸水量と前記透視ひずみの関係を比例関係に限定して示すものではない。
前記コントロールユニット232は、前記熱負荷出力部233にパルス信号を出力し、これにより前記熱負荷出力部233からパルス状の熱負荷Qが出力される。そして、前記温度センサ231により検出された熱負荷入力前の第2ポジションP2での温度T0と、熱負荷入力から所定時間Δt1後の第2ポジションでの温度T1と、の差から算出される所定時間Δt1後の温度上昇量ΔT1が、図4に示すように、予め備えられた、前記所定時間Δtにおける温度上昇量ΔTと透視ひずみとの関係マップから、閾値としての透視ひずみの限界値Aに対応する所定時間における温度上昇量ΔT0以上の場合に、前記空調装置20を作動させるようになっている。ここで、熱伝導性は前記防曇性被膜11の温度に依存するが、常用温度範囲(−20℃〜80℃)ではその影響が小さいことから、閾値である温度上昇量ΔT0は前記防曇性被膜11の温度T0を考慮することなく決定しても良いし、前記防曇性被膜11の温度T0が無視できない場合は、該温度T0によって決定されても良い。
このような構成により、前記防曇性被膜11を備えた車両の防曇制御装置230は、前記フロントウィンドウ10に水分が付着し始めると、前記フロントウィンドウ10の防曇性被膜11が前記水分を吸水する。そして、前記防曇性被膜11は、吸水により前記防曇性被膜11内の水分量の増加によって、前記防曇性被膜11の熱伝導性が増大する。このとき、前記コントロールユニット232に予め備えられた温度上昇量と透視ひずみのマップから、該防曇性被膜11の温度上昇量ΔT1が透過ひずみの限界値Aに対応する温度上昇量ΔT0以上の場合に、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹出口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。その結果、前記防曇性被膜11に吸水されていた水分が気化されて、該防曇性被膜11の膨張が吸水前の状態に回復し、透視ひずみの限界に達する前に、乗員の視界を確保することができる。
なお、本実施形態では、熱伝導性に関する値として、所定時間Δtにおける温度上昇量ΔTを用いたが、これに代えて、前記所定時間Δtと温度上昇量ΔTとに基づいて算出される所定温度までの温度上昇速度Vを用いても良い。また、熱伝導性に関する値の別の例として、前記防曇性被膜11の第1ポジションP1にパルス状の熱負荷Qが入力されたときの第2ポジションP2で検出される温度T2が、所定温度T0+ΔT2に達するまでの時間Δt2、又は、温度上昇量ΔT2と所定時間Δt2に基づいて算出される温度上昇速度V2を用いても良い。
熱伝導性に関する値としてはまた、前記第1ポジションP1にパルス状の熱負荷Qが入力された時の第2ポジションP2での温度T0と、前記熱負荷が入力された時から第2ポジションP2で検出される温度の極大値T1’とから、算出する最大温度上昇量ΔT1’を用いても良い。また、前記第1ポジションP1に前記熱負荷が入力された時から第2ポジションP2で検出される温度の極大値T1’が検出されるまでの時間Δt’とから、算出される最大温度上昇速度V3を用いても良い。
ここで、熱負荷出力時から所定時間における温度上昇量と温度上昇速度、および、熱負荷出力後における最大温度上昇量と最大温度上昇速度は、前記防曇性被膜11の前記温度T0に依存するが、常用温度範囲ではその影響が小さいことから、閾値は前記防曇性被膜11の前記温度T0を考慮することなく決定しても良いし、前記防曇性被膜11の温度T0が無視できない場合は、該温度T0によって決定されても良い。
また、前記所定時間における温度上昇量と温度上昇速度、最大温度上昇量と最大温度上昇速度は、前記第2ポジションP2での温度T0、車室内温度(前記空調装置20から前記防曇性被膜11に送風している場合は、その送風を生じさせているブロア出力と送風温度)、車室外温度、車速によって異なるが、前記第1ポジションP1と前記第2ポジションP2の位置関係によっては常用温度範囲での影響が小さいことから、閾値は、前記温度T0、前記車室内温度(または前記ブロア出力と前記送風温度)、前記車室外温度、前記車速等のパラメータを考慮することなく決定されても良いし、前記パラメータの影響が無視できない場合は、該パラメータによって決定されても良い。
ところで、前記第1ポジションP1と前記第2ポジションP2とは、図9に示すように、前記フロントウィンドウ10の厚み方向に見てオーバーラップする位置に配置されるとともに、前記第1ポジションP1が前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面に設けられ、前記第2ポジションP2が前記防曇性被膜11の車室内側に設けられていてもよい。また、前記第1ポジションP1が前記防曇性被膜11の車室内側に設けられ、前記第2ポジションP2が前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面に設けられてもよい。なお、ここでいう前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面とは、前記フロントウィンドウ10の車室内側の面と前記防曇性被膜11との間の面を示す。
さらに、熱伝導性に関する値として、熱伝導率を用いても良い。この場合、本実施形態においては、パルス状の熱負荷を用いることで温度センサにおける温度変化を用いたが、前記第1ポジションP1及び第2ポジションP2の間の温度勾配から熱伝導率を求めても良い。また、熱伝導率は、前記熱負荷出力部233から出力された熱量Q、前記所定時間Δt1、Δt2、前記温度上昇量ΔT1、ΔT2、前記所定温度T0+ΔT2、前記温度上昇速度V、V2等に基づいて算出されてもよい。ここで、熱伝導率は前記防曇性被膜11の前記温度T0に依存するが、常用温度範囲ではその影響が小さいことから、閾値は前記防曇性被膜11の前記温度T0を考慮することなく決定しても良いし、前記防曇性被膜11の温度T0が無視できない場合は、該温度T0によって決定されても良い。
以上の説明では、温度センサ231及び熱負荷出力部233とで構成される熱伝導性検出装置は、1箇所のみを例に挙げて説明したが、前記防曇性被膜11の不均一性を検出するために、複数箇所に温度センサ及び熱負荷出力部を配置する場合を含んでいる。この場合、複数の温度センサから取得した温度に基づいて算出した温度上昇量の最大値、平均値、或いは、差に基づいて、前記熱伝導性に関する値を求めても良い。
また、例えば、複数セットの熱伝導性検出装置が、前記フロントウィンドウ10全体に配置された場合、前記複数セットの熱伝導性検出装置の温度センサから得られた温度が前記コントロールユニット232に入力される。そして、前記コントロールユニット232によって、複数の熱負荷入力部に入力される。
そして、前記複数セットの熱伝導性検出装置に入力される熱負荷Qによる前記複数の温度センサが配置される位置での所定時間Δt1における温度上昇量ΔTの最大値と最小値の差を算出することで、前記フロントウィンドウ10全体の温度上昇量の分布を数値化し、この数値化された温度上昇量の分布が、予め設定された閾値以上の場合に、被膜全体として熱伝導性に関する値の変化が発生しているものと認識し、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
これにより、前記温度上昇量ΔTの差を直接監視することができ、乗員の視界を確保しつつ、不必要な前記乾燥手段の作動を抑制することの精度を向上させることができる。
また、複数セットの熱伝導性検出装置が配置される別の例として、例えば、前記複数セットの熱伝導性検出センサが配置された場合、前記複数セットの熱伝導性検出装置のうちの特定の検出装置(例えば、運転席前に配置された検出装置)が温度上昇量を検出し、他の検出装置は温度上昇量を検出しなかった場合、被膜全体として温度上昇量の変化が生じているものと認識し、このような場合は、前記空調装置20を作動させて前記デフロスタ吹き出し口21から、前記防曇性被膜11に向けて空調風を送風する。
また、前記防曇性被膜11の吸水量を前記透視ひずみに関連するパラメータとして用いても良い。この場合、前記防曇性被膜11において互いに間隔を開けて配置された一対の導体間の静電容量値を検出し、該静電容量値に基づいて、前記防曇性被膜11の吸水量を算出してもよい。ここで、静電容量は前記防曇性被膜11の前記温度T0に依存するが、常用温度範囲ではその影響が小さいことから、閾値は前記防曇性被膜11の前記温度T0を考慮することなく決定しても良いし、前記防曇性被膜11の温度T0が無視できない場合は、該温度T0によって決定されても良い。
さらに、前記透視ひずみは、屈折異常に起因するものであるため、前記透視ひずみに起因するパラメータとして、屈折率の変化量を用いることもできる。その場合、前記フロントウィンドウ10の車外側に発光部、車室内側に受光部を配置して、前記発光部から発光される光の前記受光部での受光状態を検出することで、吸水前の受光状態と吸水後の受光状態とから屈折率の変化量を算出し、透視ひずみの限界Aと対応した屈折率の変化量以上の場合に前記乾燥手段20を作動させてもよい。なお、前記発光部は車室内側に配置されても良く、この場合は、発光部から発光された光が、前記防曇性被膜11の表面で反射した反射光の状態を前記受光部で検出してもよい。ここで、屈折率は前記防曇性被膜11の前記温度T0に依存するが、常用温度範囲ではその影響が小さいことから、閾値は前記防曇性被膜11の前記温度T0を考慮することなく決定しても良いし、前記防曇性被膜11の温度T0が無視できない場合は、該温度T0によって決定されても良い。
なお、本実施形態では、乾燥手段として前記空調装置20を用いたが、これに代えて、導電体を発熱させるものであってもよい。そして、該導電体は、前記フロントウィンドウ10の内部または該フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面に設けられてもよく、この場合、従来の電熱ヒータを用いることができる。一方、前記導電体は、前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面または前記防曇性被膜11の車室内側表面に設けられてもよく、この場合においては、前記防曇性被膜を直接暖めることができ、効果的に該防曇性被膜に吸収された水分を除去することができる。なお、前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面とは、前記フロントウィンドウ10の車室内側の面と前記防曇性被膜11との間の面を示す。
以上のように本発明によれば、防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置において、防曇性被膜の吸水に伴う視認性の悪化を抑制することができ、車両の安全技術分野において好適に利用される可能性がある。
10 フロントウィンドウ(ガラスや樹脂などの窓用の板状体)
11 防曇性被膜
20 空調装置(乾燥手段)
30 防曇制御装置
31 歪センサ
32、132、232 コントロールユニット(制御手段)
131 膜厚センサ
231 温度センサ
ε 歪量
P1 第1ポジション
P2 第2ポジション
ΔT 温度上昇量
V 温度上昇速度

Claims (8)

  1. 車室内空間と車室外空間との間に設けられた窓用の板状体と、
    前記板状体の車室内側表面に設けられ、表面に付着した水分を内部に吸収することによって膨張する防曇性被膜と、
    前記防曇性被膜に吸収された水分を気化させる乾燥手段と、
    前記防曇性被膜の吸水量の不均一によって生じる膨張むらに応じて変化する前記防曇性被膜の熱伝導率が、所定の限界値に達したときに前記乾燥手段を作動させる制御手段と、を備えることを特徴とする車両の防曇制御装置。
  2. 前記防曇性被膜の熱伝導率を検出するためのセンサを少なくとも2か所以上に備えており、前記膨張むらは、前記センサによって算出された温度上昇量の最大値、または、平均値に基づいて熱伝導率を求めることを特徴とする請求項1に記載の車両の防曇制御装置。
  3. 前記熱伝導率は、該防曇性被膜の第1ポジションでパルス状の熱負荷を与えることによる、第2ポジションでの熱負荷出力時から所定時間後の温度上昇量または温度上昇速度と、熱負荷出力後における最大温度上昇量または最大温度上昇速度とのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の防曇制御装置。
  4. 前記第1ポジションと、前記第2ポジションとは、前記防曇性被膜の車室内側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両の防曇制御装置。
  5. 前記第1ポジションと前記第2ポジションとは、前記板状体の厚み方向に見てオーバーラップする位置に配置されるとともに、前記防曇性被膜の車室内側と、前記板状体と前記防曇性被膜の界面と、の一方側と他方側とにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両の防曇制御装置。
  6. 前記乾燥手段は、乾燥した空気を前記防曇性被膜の表面に吹き出すものであることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
  7. 前記乾燥手段は、前記板状体に配設され、導電体に電流を流すことで発熱させるものであり、前記導電体は、前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
  8. 前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
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