JP6493465B2 - 車両の防曇制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用防曇制御装置に関し、特に防曇性被膜が施されたウィンドウ等の窓用板状体を備えた車両の防曇制御に関するもので自動車等の車両の安全技術の分野に属する。
一般に、車両に備えられたウィンドウは、雨の日または雪の日などにウィンドウの車室内側と車室外側の雰囲気温度、湿度より、一方のウィンドウの表面が露点以下になる、もしくはウィンドウに対して急激な温度変化が起こった場合に、雰囲気中の水分が水滴として付着し、ウィンドウの表面に結露が発生する。該結露によって、前記ウィンドウを透過する光の散乱が発生し、その結果曇りが生じる。前記ウィンドウに曇りが生じれば、運転者の視界を妨げることになり、運転の支障になることがある。
そして、前記ウィンドウに結露によって曇りが発生した場合、デフロスタによってウィンドウ内面に付着した水分を気化させることで、ウィンドウの曇りを解消している。このデフロスタは、例えば、動力源によって空調ユニットのコンプレッサが駆動されてエバポレータによる除湿機能が作動するとともに、低湿度の外気を取り込みながら空調風がデフロスタ吹出口からウィンドウ内面に送風されることで、ウィンドウの曇りを解消するものである。
このように、前記ウィンドウの防曇のためにデフロスタを作動させることによる換気によって、特に、寒冷時においては、車室内の温度が下がり、換気後の車内温度を適切な温度へ復帰させるための熱負荷が必要となる。
ところで、近年、二酸化炭素の排出規制や低燃費化等の要求から、車室内の温度を適温に保つための熱負荷の低減が求められている。前述のように、寒冷時における熱負荷としては、ウィンドウの防曇のための換気負荷(具体的には、デフロスタ作動のために外気を取り入れる換気)が大きな割合を占めており、この換気負荷であるデフロスタの作動を低減することで効果的に熱負荷を低減することができ、燃費向上が期待できる。
そこで、デフロスタ作動の頻度や作動時間を削減するために、車両に備えられたウィンドウを曇りづらくする技術として、特殊な被膜を形成させて防曇処理を施したウィンドウが提案されている。具体的には、防曇処理の施されたウィンドウとして、ウィンドウ表面に親水性、滑水性、及び吸水性の被膜を形成し、曇りの原因である結露が発生しづらいように構成することで、熱負荷のない防曇手段により、換気負荷を低減するものである。
親水性被膜を用いる場合、被膜表面に付着した水分が膜を形成することで、水滴の発生が抑制される。滑水性被膜を用いる場合、被膜表面に付着した水滴を被膜に沿って滑落させることができる。吸水性被膜を用いる場合、被膜の表面に付着した水分が被膜内部に吸収されることで、水滴の発生が抑制される。
これらの防曇性被膜を用いる場合、前記ウィンドウに付着した水滴での光の散乱を抑制できるため、前記デフロスタの作動機会ないし作動時間の低減を図ることができる。
上述した防曇性被膜のうち、吸水性被膜は、表面に水滴が残りづらく、膜中に吸収された水が凍結しづらい利点があることで注目されている。
ところで、吸水性被膜を用いる場合、この膜内に吸収された水分量が、被膜内に吸収し得る水分量(以下、「飽和吸水量」という)に達すると、それ以上の吸水ができなくなり、被膜の表面に水滴が発生してしまう。
この課題に関しては、例えば特許文献1には、被膜に含まれる水分量を検出して、該水分量が所定量に達すると、デフロスタを作動させて、被膜内の水分を気化させる技術が開示されている。この技術によれば、被膜内の水分量に応じてデフロスタを作動させることで、被膜による吸水能力を回復させることができる。
特許第4670418号公報
しかし、特許文献1に記載の防曇制御装置では、防曇被膜に付着している水分量のみをパラメータとしており、該水分量が所定値以上の場合にはデフロスタが常に作動してしまうため、例えば、車室内の湿度が低くデフロスタを作動せずとも早急に乾く環境や、夏場などの前記被膜の表面温度が高い場合は、該被膜の飽和吸水量が高くなり、デフロスタ作動不要な状況においても、前記水分量が閾値を超えるとデフロスタが作動することになり、エネルギ損失が発生してしまう虞がある。
また、前記水分量が所定値未満の場合にはデフロスタが作動しないため、例えば、車室内の湿度が急激に上昇し、前記防曇性被膜の防曇処理能力すなわち吸水速度が追いつかずに、被膜の前記水分量が閾値未満にもかかわらず、曇りが発生する等のデフロスタ作動が必要な状況においてもデフロスタが作動せず、曇りによる視認性の悪化が発生してしまう虞がある。
そこで、防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置の不要な作動を抑制しつつ、必要に応じて効率よく作動させることで、車両の燃費と、乗員の視認性との両立を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る防曇被膜を備えた防曇制御装置は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
車室内空間と車室外空間との間に設けられた窓用の板状体と、
前記板状体の車室内側表面に設けられた防曇性被膜と、
前記防曇性被膜に吸収された水分を気化させる乾燥手段と、
前記防曇性被膜に吸収された水分量を検出する水分量検出手段と、
車室内湿度を検出する湿度検出手段と、
前記水分量検出手段によって検出された水分量及び前記湿度検出手段によって検出された車室内湿度に基づいて補正湿度を算出する補正湿度算出手段と、
前記補正湿度が、所定の閾値以上のときに前記乾燥手段を作動させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の防曇制御装置。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記防曇性被膜の表面温度を取得する表面温度取得手段と、車室内温度を検出する車室内温度検出手段と、車室内空間の水蒸気量が、前記表面温度に対応する飽和水蒸気量に一致すると仮定したときの前記車室内温度での湿度を算出し、該湿度に基づいて前記閾値に設定する閾値設定手段と、をさらに備える。
なお、表面温度取得手段は、前記防曇性被膜の表面温度を直接検出する場合と、算出する場合とを含んでいる。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記表面温度取得手段は、車室内温度と、車室外温度と、車速と、前記乾燥手段の出力とに基づいて前記表面温度を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記補正湿度算出手段は、車室内湿度をRとし、補正湿度をR’とし、前記防曇性被膜の吸水率をαとし、前記防曇性被膜の吸水性能に応じた定数をβとしたとき、次の数式1に基づいて前記補正湿度を算出することを特徴とする。
Figure 0006493465
請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記乾燥手段は、乾燥した空気を防曇性被膜の表面に吹き出すものであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記乾燥手段は、前記板状体に配設され、導電体に電流を流すことで発熱させるものであり、前記導電体は、前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明において、
前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車室内の湿度を、窓用の板状体の防曇性被膜に吸水された水分量に基づいて補正するとともに、この補正湿度が所定の閾値以上のときに乾燥手段を作動させるようにしている。前記防曇性被膜は、該防曇性被膜が飽和吸水量に至るまで表面付近での水蒸気または結露した水を吸収できるので、前記防曇性被膜の表面付近では、前記水分量検出手段によって検出した水分量が前記防曇性被膜の飽和吸水量に達すると、それ以上の吸水ができなくなり、被膜の表面に水滴が発生してしまう。そのため、前記車室内湿度を、前記防曇被膜の水分量を考慮した、補正湿度に基づいて乾燥手段の作動を制御することで、乾燥手段の作動頻度及び作動時間の低減を図りつつ、防曇性被膜表面での曇りの発生を効果的に抑制できる。したがって、エネルギ損失の抑制と視認性の向上との両立を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記閾値は、前記防曇性被膜の表面温度の飽和水蒸気量が、車室内温度における車室内湿度の何パーセントに相当するかを算出し、算出された湿度から閾値を決定するので、例えば、寒冷時等の前記防曇性被膜の表面付近の温度と、前記車室内温度とでは、前記被膜の表面付近の温度の方が低くなることに伴い、前記室内温度における飽和水蒸気量に比べて飽和水蒸気量が減少することが考慮された閾値が用いられることになる。その結果、曇りに達する湿度の閾値をより正確に設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記防曇性被膜の表面温度は、前記車室内温度と、車外温度検出手段によって検出された車外温度と、車速と、前記乾燥手段の出力と、によって算出されるので、新たに表面温度検出手段を設ける必要がなく、既存のセンサを用いて算出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記補正湿度の具体的な算出法を示しており、前記補正湿度算出手段は、補正湿度をR’とし、車室内湿度をRとし、吸水率をαとし、被膜材の吸水性能に応じた定数をβとし、前記数式1に基づいて、前記補正湿度が求められる。なお、吸水率αは、前記防曇性被膜の飽和吸水量に対する、前記水分量検出手段で検出された前記防曇性被膜の現在の水分量の割合を示しており、1−αは、該防曇性被膜の飽和吸水量に達するまでの余裕水分量の割合を示している。そして、前記余裕水分量の割合に、前記防曇性被膜の吸水性能に応じた定数βを乗じた値を現在の車室内湿度Rから差し引くことで、湿度R’に補正している。
請求項5に記載の発明によれば、前記乾燥手段は、乾燥した空気を防曇性被膜の表面に吹き出すものであるので、従来の空調装置を使用して、運転者の視認性の悪化を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記乾燥手段は、導電体を発熱させるものであるので、該導電体が前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面に設けられる場合、請求項5同様に、従来の電熱ヒータを使用して、運転者の視認性の悪化を防止することができる。また、前記導電体が、前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられる場合においては、前記防曇性被膜を直接暖めることができ、効果的に該防曇性被膜に吸収された水分を除去することができる。
請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6に記載の板状体を具体的に示したもので、前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂である。
本発明の実施形態に係る防曇性被膜を備えた車両の概略側面図である。 本発明の実施形態に係る防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置のシステム図である。 本発明の実施形態に係る水分量センサの要部拡大図である。 前記防曇性被膜の表面温度と、車室内の温度における飽和水蒸気量の関係から閾値を算出するための閾値算出マップである。 防曇制御の動作を示すフローチャートである。 図5のフローチャートにおける閾値取得ステップの内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両1は、防曇性被膜を備えたフロントウィンドウ10と、車室内空間の空調を行う空調装置20とが設けられている。なお、前記フロントウィンドウは、ガラスや樹脂などの窓用の板状体で形成されている。
前記フロントウィンドウ10の車室内側の面には、吸水層としての防曇性被膜11が積層され、該防曇性被膜11が吸水性を有する樹脂製の材料を用いて形成されている。
前記空調装置20には、前記フロントウィンドウ10の車室内側の面に沿って空調風を吹き出すデフロスタ吹出口21と、該デフロスタ吹出口21から空調風を送風するためのブロアファン22とが設けられている。前記空調装置20は、前記フロントウィンドウ10を乾燥させる乾燥手段として機能する。
前記車両1は、図1に加えて図2に示すように、前記フロントウィンドウ10の防曇を制御する防曇制御装置30が備えられ、該防曇制御装置30は、前記フロントウィンドウ10から離れた位置に設けられた車室内湿度センサ31と、該車室内湿度センサ31と同じ位置に設けられた車室内温度センサ32と、車室外温度センサ33と、車速センサ34と、前記防曇性被膜11の表面に配置されて、該防曇性被膜11の水分量を計測する水分量センサ35と、コントロールユニット36とで構成されている。そして、これらのセンサで検出した値は、前記コントロールユニット36に出力される。
ここで、図3を用いて、前記水分量センサ35の構成の一例を説明する。なお、図3(a)は、図1におけるA矢視の前記水分量センサ35の要部拡大図であり、図3(b)は、図3(a)におけるB−B断面図を示している。
水分量センサ35は、一対の電極351、351と、それぞれの電極351、351から例えば直線上に延びる一対の導体352、352とを備えている。前記一対の電極351、351はそれぞれリード線(図示せず)を介して前記コントロールユニット36に接続されている。
前記一対の導体352、352は、互いに間隔を空けて、前記防曇性被膜11に取り付けられている。前記一対の導体352、352は、防曇性被膜11の車室内側の表面に、例えば接着剤を用いて固定されている。
前記防曇性被膜11は、前記水分量センサ35の一対の導体352、352間の誘電体として機能し、前記一対の導体352、352は静電容量結合してコンデンサを形成している。前記水分量センサ35は、前記一対の導体352、352間の静電容量値をコントロールユニット36に出力する。
前記コントロールユニット36は、図2に示すように、補正湿度算出部361と、表面温度算出部362と、閾値算出部363とを有している。
前記補正湿度算出部361は、前記水分量センサ35で取得した前記防曇性被膜11の水分量から算出される該防曇性被膜11の吸水率αと、前記車室内湿度センサ31によって取得した車室内湿度Rと、前記防曇性被膜11の吸水性能に応じた定数βと、次の数式1に基づいて補正湿度R’を算出する。
Figure 0006493465
なお、前記吸水率αは、前記防曇性被膜11の飽和吸水量に対する、前記水分量センサ35で検出された前記防曇性被膜11の現在の水分量の割合を示しており、1−αは、該防曇性被膜11の飽和吸水量に達するまでの余裕水分量の割合を示している。そして、前記余裕水分量の割合に、前記防曇性被膜11の吸水性能に応じた定数βを乗じた値を車室内湿度Rから差し引くことで、該車室内湿度Rを湿度R’に補正している。
ここで、前記補正湿度R’について説明すると、本実施形態では、前述のように、防曇性被膜11を備えた車両の防曇制御装置30においては、該防曇性被膜11が表面付近の水蒸気または結露する水を吸収することによって、車室内湿度Rは、湿度センサ31によって検出される湿度Rよりも飽和水蒸気量に至るまでに余裕があると考えられる。したがって、前記車室内湿度Rに対して、前記防曇性被膜11の現在の吸水率αから残りの吸水能力を考慮した補正を行った補正湿度R’を用いている。
前記表面温度算出部362は、車室内温度センサ32で取得した車室内温度Tinと、前記車外温度センサ33で取得した車室外温度Toutと、前記車速センサ34で取得した車速と、前記空調装置20を制御する空調制御装置23から取得したブロアファン22の出力とに基づいて、前記防曇性被膜11の車室内側の表面温度Twinを算出する。
具体的には、前記表面温度算出部362で算出される前記フロントウィンドウ10の表面温度Twinは、車室内温度Tinと、前記フロントウィンドウ10の車室内側の表面の車室内熱伝達率αinと、前記フロントウィンドウ10の車室外側から車室内側への通過熱量Qと、次の数式2から求められる。
Figure 0006493465
また、前記車室外から車室内への通過熱量Qは、車室外とフロントウィンドウ10の車室外熱伝達率αoutと、前記フロントウィンドウ10の熱伝導率λと、前記フロントウィンドウ10の厚さlと、前記フロントウィンドウ10と車室内の車室内熱伝達率αinと、車室外の温度Toutと車室内の温度Tinと、次の数式3から求められる。
Figure 0006493465
なお、車室外空間と前記フロントウィンドウ10の車室外熱伝達率αoutは、前記車速から求められる前記フロントウィンドウ10の車室外側の風速が増すと増大する関係を有し、車室内空間と前記フロントウィンドウ10の熱伝達率αinは、前記ブロアファン22の出力から求められる前記フロントウィンドウ10の車室内側の風速が増すと増大する関係を有している。
前記閾値算出部363は、前記表面温度算出部362で算出された表面温度Twinと、前記車室内温度センサ32で取得した車室内温度Tinと、図4に示すように予め備えられた閾値算出マップとから、前記表面温度Twinに対応する飽和水蒸気量xと、前記室内温度Tinに対応する飽和水蒸気量yを取得する。そして、車室内空間の水蒸気量が、前記表面温度Twinに対応する飽和水蒸気量xに一致すると仮定したときの前記車室内温度Tinでの湿度Rtを算出し、該湿度Rtから前記閾値を設定する。
すなわち、閾値Rtは前記表面温度Twinにおける飽和水蒸気量xと、前記車室内温度Tinにおける飽和水蒸気量yと、次の数式4から求められる。
Figure 0006493465
そして、前記コントロールユニット36は、前記補正湿度算出部361で算出された補正湿度R’が、前記閾値算出部363で算出された閾値Rt以上のときに、前記空調装置20を作動させるようになっている。
次に、前記コントロールユニット36による車両の防曇制御を図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、図5のフローチャートのステップS101で、前記車室内湿度センサ31から車室内湿度Rを取得し、ステップS102で、前記水分量センサ35から前記防曇性被膜11の水分量を取得し、ステップS103で前記水分量から前記防曇性被膜11の現在の吸水率αを算出する。
ステップS104で、前記車室内湿度Rと、前記吸水率αと、予め備えられている前記防曇性被膜11の吸水特性値であるβと、前記数式1に基づいて、前記補正湿度R’を算出する。
次に、ステップS105では、図6に示すフローチャートから算出される閾値を取得する。
ここで、図6の閾値としての湿度の算出方法について説明する。まず、ステップS201で、前記車室内温度センサ32から車室内温度Tinを取得し、ステップS202で前記車室外温度センサ33から車室外温度Toutを取得し、ステップS203で前記車速センサ34から車速Vを取得し、ステップS204で該車速に基づいて車室外の風速を算出し、ステップS205で該車室外の風速に基づいて車室外熱伝達率αoutを算出する。
そして、ステップS206で空調制御装置23からブロアファン22の出力を取得し、ステップS207該ブロアファン22の出力から車室内の風速を算出し、ステップS208で該車室内の風速に基づいて車室内熱伝達率αinを算出する。
ステップS209で、前記車室内温度Tinと、前記車室外温度Toutと、前記車室外熱伝達率αoutと、前記車室内熱伝達率αinと、予め備えられている前記防曇性被膜11を備えたフロントウィンドウ10の熱伝導率λ、及び、厚さlと、前記数式3とによって、前記フロントウィンドウ10の車室外から車室内への通過熱量Qを算出し、ステップS210で前記車室内温度Tinと、ステップS209で算出された前記通過熱量Qと、前記車室内熱伝達率αinと、前記数式2によって、前記防曇性被膜11表面の表面温度Twinを算出する。
ステップS211で、ステップS210で算出された前記表面温度Twinと、前記車室内温度Tinと、予め備えられている図4に示す空気の飽和水蒸気量マップから、前記車室内温度Tinにおける飽和水蒸気量xと、前記表面温度Twinにおける飽和水蒸気量yを取得し、前記車室内温度Tinでの飽和水蒸気量xと、前記表面温度Twinでの飽和水蒸気量yと、前記数式4によって湿度Rtを算出し、該湿度Rtから閾値を決定する。
図5のフローチャートに戻って、ステップS106で、前記補正湿度R’が前記閾値湿度Rt以上の場合は、ステップS107に進み、デフロスタを作動させてスタートに戻り、フローを繰り返す。一方、ステップS106で、前記補正湿度R’が前記閾値湿度Rs未満の場合は、スタートに戻りフローを繰り返す。
このように、本実施形態では、前記車室内湿度Rを前記水分量センサ35によって検出した水分量に基づいて、前記防曇性被膜11の補正湿度R’に補正し、該補正湿度R’が、閾値以上に達したときに前記空調装置20を作動させることで、前記空調装置20の作動を遅らせることができ、エネルギ損失を抑制することができる。
また、前記閾値は、前記防曇性被膜11の表面温度Twinの飽和水蒸気量xが、車室内温度Tinにおける車室内湿度の何パーセントに相当するかを算出し、算出された湿度から閾値を決定するので、例えば、寒冷時において、前記防曇性被膜11の表面付近の温度Twinと、前記車室内温度Tinとでは、前記被膜11の表面付近の温度Twinの方が低くなることに伴い、前記室内温度Tinにおける飽和水蒸気量に比べて飽和水蒸気量が減少することが考慮された閾値が用いられることになる。その結果、曇りに達する湿度の閾値をより正確に設定することができる。
前記防曇性被膜11の表面温度Twinは、前記車室内温度Tinと、前記車外温度Toutと、車速と、前記ブロアファン22の出力と、によって算出されるので、新たに表面温度を検出するためのセンサ等を設ける必要がなく、既存のセンサを用いて算出することができる。
前記補正湿度算出部361は、補正湿度をR’とし、車室内湿度をRとし、吸水率をαとし、被膜材の吸水性能に応じた定数をβとし、前記数式1に基づいて、前記補正湿度が求められる。なお、前記吸水率αは、前記防曇性被膜11の飽和吸水量に対する、前記水分量センサ35で検出された前記防曇性被膜11の現在の水分量の割合を示しており、1−αは、該防曇性被膜11の飽和吸水量に達するまでの余裕水分量の割合を示している。そして、前記余裕水分量の割合に、前記防曇性被膜11の吸水性能に応じた定数βを乗じた値を現在の車室内湿度Rから差し引くことで、該車室内湿度Rを表面付近の湿度R’に補正することができる。
前記空調装置20を用いて、乾燥した空気を前記防曇性被膜11の表面に吹き出すことで、該防曇性被膜11の水分を気化するので、従来の空調装置20を使用して、運転者の視認性の悪化を防止することができる。
なお、本実施形態では、前記表面温度Twinは、前記表面温度算出部362によって算出されたが、図2に破線で示す表面温度センサ37を用いて直接検出しても良い。
なお、本実施形態では、乾燥手段として前記空調装置20を用いたが、これに代えて、導電体を発熱させるものであってもよい。そして、該導電体は、前記フロントウィンドウ10の内部または該フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面に設けられてもよく、この場合、従来の電熱ヒータを用いることができる。一方、前記導電体は、前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面または前記防曇性被膜11の車室内側表面に設けられてもよく、この場合においては、前記防曇性被膜を直接暖めることができ、効果的に該防曇性被膜に吸収された水分を除去することができる。なお、前記フロントウィンドウ10と前記防曇性被膜11の界面とは、前記フロントウィンドウ10の車室内側の面と前記防曇性被膜11との間の面を示す。
以上のように本発明によれば、防曇性被膜を備えた車両の防曇制御装置において、防曇性被膜の吸水に伴う視認性の悪化を抑制することができ、車両の安全技術分野において好適に利用される可能性がある。
10 フロントウィンドウ(ガラスや樹脂などの窓用の板状体)
11 防曇性被膜
20 空調装置(乾燥手段)
30 防曇制御装置
31 湿度センサ(湿度検出手段)
32 温度センサ(車室内温度検出手段)
35 水分量センサ(水分量検出手段)
36 コントロールユニット(制御手段)
361 補正湿度算出部(補正湿度算出手段)
362 表面温度算出部(表面温度取得手段)
363 閾値算出部(閾値設定手段)
Tin 車室内温度
Tout 車室外温度
R 車室内湿度
R’ 補正湿度
x 表面温度に対応する飽和水蒸気量
y 車室内温度に対応する飽和水蒸気量
α 吸水率
β 防曇性被膜の吸水性能に応じた定数

Claims (7)

  1. 車室内空間と車室外空間との間に設けられた窓用の板状体と、
    前記板状体の車室内側表面に設けられた防曇性被膜と、
    前記防曇性被膜に吸収された水分を気化させる乾燥手段と、
    前記防曇性被膜に吸収された水分量を検出する水分量検出手段と、
    車室内湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記水分量検出手段によって検出された水分量及び前記湿度検出手段によって検出された車室内湿度に基づいて補正湿度を算出する補正湿度算出手段と、
    前記補正湿度が、所定の閾値以上のときに前記乾燥手段を作動させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の防曇制御装置。
  2. 前記防曇性被膜の表面温度を取得する表面温度取得手段と、車室内温度を検出する車室内温度検出手段と、車室内空間の水蒸気量が、前記表面温度に対応する飽和水蒸気量に一致すると仮定したときの前記車室内温度での湿度を算出し、該湿度から前記閾値を設定する閾値設定手段と、をさらに備える請求項1に記載の車両の防曇制御装置。
  3. 前記表面温度取得手段は、車室内温度と、車室外温度と、車速と、前記乾燥手段の出力とに基づいて前記表面温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両の防曇制御装置。
  4. 前記補正湿度算出手段は、車室内湿度をRとし、補正湿度をR’とし、前記防曇性被膜の吸水率をαとし、前記防曇性被膜の吸水性能に応じた定数をβとしたとき、次の数式1に基づいて前記補正湿度を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
    Figure 0006493465
  5. 前記乾燥手段は、乾燥した空気を防曇性被膜の表面に吹き出すものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
  6. 前記乾燥手段は、前記板状体に配設され、導電体に電流を流すことで発熱させるものであり、前記導電体は、前記板状体の内部または前記板状体と前記防曇性被膜の界面または前記防曇性被膜の車室内側表面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
  7. 前記板状体は、光透過性を有するガラスまたは樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両の防曇制御装置。
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