JP6610502B2 - ジャンクションボックスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,ジャンクションボックスの製造方法に関する。さらに詳細には,電池パックに取付けて使用されるジャンクションボックスの製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は,さまざまな用途の電力源として利用される際には,その用途に応じた出力を得るため,一般的に,複数の二次電池を組み合わせた組電池として用いられている。組電池は,複数の二次電池を,例えば,特許文献1のように,電池パック内に収容することで構成される。また,電池パック内には,二次電池の他にも,リレーやレジスタ等の電子部品が装着されたジャンクションボックスが収容されている。
特開2014−154240号公報
ところで,電池パック内には,その用途に応じた個数の二次電池が収容される。また,ジャンクションボックスについても,用途に応じて異なる種類のものが用いられることがある。具体的には,ジャンクションボックスの枠体に装着される電子部品の個数や種類,枠体の大きさ等の異なるものである。
また,ジャンクションボックスに複数の種類がある場合であっても,その複数種のジャンクションボックスを1つの生産設備で製造できることが好ましい。複数種のジャンクションボックスを、共通の生産設備で製造できるからである。さらに,生産設備で製造するジャンクションボックスの種類の切り替え(段取り替え)においては,その段取り替えのために必要な生産設備の部品点数を,できるだけ少なくしておくことが好ましい。設備費用を低減できるとともに,設備の段取り替えに要する時間を短くすることができるからである。すなわち,複数種のジャンクションボックスを,安価に短時間で製造することができるからである。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,種類の異なるジャンクションボックスを,安価に短時間で製造することができるジャンクションボックスの製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のジャンクションボックスの製造方法は,電池パックへの取付座面,および,取付座面とは反対側に設けられた装着領域を有する枠体と,装着領域に装着された電子部品とを備えるジャンクションボックスの製造方法であって,受け治具に,枠体をその取付座面側を向けて設置する枠体設置工程と,受け治具に設置された枠体の装着領域に向けて,電子部品を押圧することで,電子部品を装着領域に装着する電子部品装着工程とを有し,枠体として,取付座面よりも凹んだ面であるとともに,電子部品装着工程における押圧方向を投影方向としたときに装着領域と重なる装着裏面を有するものを用い,受け治具として,枠体設置工程で設置される枠体の装着裏面に接触する受圧面を有するとともに,枠体設置工程で設置される枠体の取付座面に対応する位置と,枠体とは取付座面の配置が異なる異種枠体の取付座面に対応する位置とのいずれにも,取付座面に接触しないように形成された逃げ部が設けられているものを用いることを特徴とするジャンクションボックスの製造方法である。
本発明に係るジャンクションボックスの製造方法では,受け治具として,枠体と,その枠体とは取付座面の配置が異なる異種枠体のいずれの取付座面に対応する位置にも,逃げ部が設けられているものを用いる。このため,取付座面の配置が異なる複数の枠体を,1つの受け治具に設置することができる。これにより,種類の異なるジャンクションボックスを,安価に短時間で製造することができる。
本発明によれば,種類の異なるジャンクションボックスを,安価に短時間で製造することができるジャンクションボックスの製造方法が提供されている。
ジャンクションボックスの正面図である。 図1に示すジャンクションボックスの平面図である。 図1に示すジャンクションボックスの底面図である。 図1に示すジャンクションボックスとは異なる種類のジャンクションボックスの正面図である。 図4に示すジャンクションボックスの平面図である。 図4に示すジャンクションボックスの底面図である。 受け治具の正面図である。 受け治具を,図1に示すジャンクションボックスとともに示す平面図である。 受け治具を,図4に示すジャンクションボックスとともに示す平面図である。 枠体設置工程と電子部品仮設置工程とを説明するための図である。 電子部品圧入工程に用いる圧入装置を示す図である。 圧入装置を用いた電子部品圧入工程を説明するための図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず,本形態のジャンクションボックスの製造方法により製造されるジャンクションボックスについて説明する。図1に,本形態に係るジャンクションボックス100の正面図を示す。また,図2にジャンクションボックス100の平面図を,図3に底面図を示している。
図1,図2に示すように,ジャンクションボックス100は,枠体110と,システムメインリレー120,130とを有している。枠体110は,ジャンクションボックス100のベースであり,装着領域111,112が設けられている。つまり,枠体110には,装着領域が2つ,設けられている。
システムメインリレー120,130は,ともに電子部品であり,それぞれ枠体110の装着領域111,112に装着されている。ジャンクションボックス100において,システムメインリレー120,130はそれぞれ,枠体110の装着領域111,112の開口より,その内部へと収容されたものである。なお,枠体110の装着領域111,112の開口はいずれも,枠体110の外面のうち,同じ1つの外面に設けられている。システムメインリレー120,130の枠体110への装着は,例えば,スナップフィット構造によって行うことができる。
また,ジャンクションボックス100は,複数の二次電池とともに電池パックに収容されるものである。このため,ジャンクションボックス100の枠体110には,電池パックへ取り付けるための取付部117が複数,設けられている。
取付部117は,図2,図3に示すように,枠体110の四隅にそれぞれ設けられている。図2,図3においては,4つの取付部117をそれぞれ,取付部117A,117B,117C,117Dとして示している。また,取付部117には,枠体110の厚み方向に貫通する貫通孔119が形成されている。貫通孔119は,ボルトやネジ等の締結部品を通すためのキリ穴である。そして,ジャンクションボックス100は,取付部117の貫通孔119に通された締結部品によって電池パックに固定される。
また,取付部117は,図1に示すように,システムメインリレー120,130が装着されている側とは反対側において,出っ張っている。具体的に,本形態の枠体110において,取付部117は,装着領域111,112の開口に対して裏面となる装着裏面116よりも出っ張っている。その取付部117の突出方向における先端側の面が,電池パックへの取り付けの際に,電池パックに接触する取付座面118である。装着裏面116は,図2,図3からわかるように,システムメインリレー120,130の装着領域111,112への収容方向を投影方向としたときに,装着領域111,112と重なる部分を含む枠体110の外面である。
また,図1には,装着裏面116から取付座面118までの高さXを示している。高さXは,取付部117A,117B,117C,117Dのすべてについて同じである。つまり,本形態の枠体110において,四隅の取付部117の取付座面118はすべて,同じ平面内に位置している。
また,図4から図6には,上記のジャンクションボックス100とは異なるジャンクションボックス200を示している。図4にジャンクションボックス200の正面図を,図5に平面図を,図6に底面図を示している。ジャンクションボックス200についても,複数の二次電池とともに電池パックに収容されるものである。ただし,本形態において,ジャンクションボックス200は,ジャンクションボックス100が収容される電池パックとは異なる用途で使用される電池パックに収容されるものである。例えば,ジャンクションボックス100の電池パックと,ジャンクションボックス200の電池パックは,異なる種類の自動車に搭載される。つまり,ジャンクションボックス200は,ジャンクションボックス100が収容される電池パックとは異なる種類の電池パックに収容される。
図4,図5に示すように,ジャンクションボックス200は,枠体210と,システムメインリレー120,130と,プリチャージリレー220,230と,レジスタ240とを有している。枠体210には,装着領域211,212,213,214,215が設けられている。つまり,枠体210には,枠体110よりも多い5つの装着領域が設けられている。
プリチャージリレー220,230,および,レジスタ240についても,システムメインリレー120,130と同様,電子部品である。そして,システムメインリレー120,130はそれぞれ,枠体210の装着領域211,212に装着されている。プリチャージリレー220,230はそれぞれ,枠体210の装着領域213,214に装着されている。レジスタ240は,枠体210の装着領域215に装着されている。ジャンクションボックス200において,システムメインリレー120,130,プリチャージリレー220,230,レジスタ240はそれぞれ,枠体210の装着領域211,212,213,214,215の開口より,その内部へと収容されたものである。なお,枠体210の装着領域211,212,213,214,215の開口はいずれも,枠体210の外面のうち,同じ1つの外面に設けられている。電子部品の枠体210への装着についても,例えば,スナップフィット構造によって行うことができる。
また,ジャンクションボックス200の枠体210にも,枠体110と同様,電池パックへ取り付けるための取付部217が設けられている。また,取付部217についても,図5,図6に示すように,枠体210の四隅にそれぞれ設けられている。図5,図6においては,4つの取付部217をそれぞれ,取付部217A,217B,217C,217Dとして示している。また,取付部217にも,枠体210の厚み方向に貫通する貫通孔219が形成されている。貫通孔219についても,ボルトやネジ等の締結部品を通すためのキリ穴である。そして,ジャンクションボックス200についても,取付部217の貫通孔219に通された締結部品によって電池パックに固定される。
また,枠体210の取付部217についても,図4に示すように,電子部品が装着されている側とは反対側において,出っ張っている。具体的に,枠体210において,取付部217は,各装着領域の開口に対して裏面となる装着裏面216よりも出っ張っている。その取付部217の突出方向における先端側の面が,電池パックへの取り付けの際に,電池パックに接触する取付座面218である。なお,装着裏面216についても,図5,図6からわかるように,電子部品の装着領域への収容方向を投影方向としたときに,装着領域211,212,213,214,215と重なる部分を含む枠体210の外面である。
また,図4には,装着裏面216から取付座面218までの高さXを示している。高さXは,取付部217A,217B,217C,217Dのすべてについて同じである。つまり,枠体210においても,枠体110と同様,四隅の取付部217の取付座面218はすべて,同じ平面内に位置している。本形態では,枠体210の取付部217との高さXは,枠体110の取付部117と同じである。
なお,本形態において,枠体110の4つの取付部117のうちの2つは,枠体210の取付部217の2つと同じ配置で設けられている。具体的には,枠体110の取付部117A,117Bと,枠体210の取付部217A,217Bとが,同じ配置で設けられている。そして,枠体210は,枠体110の取付部117Aから取付部117Cまでの距離よりも,取付部217Aから取付部217Cまでの距離が長いものである。
また,本形態の枠体110は,電池パックへの取付座面118の合計面積が小さなものである。これにより,枠体110の電池パックへの取り付けを,適切に行うことができる。すなわち,例えば,電池パックのジャンクションボックス100の取り付け箇所には,ビード等の突起が存在していることがある。そして,本形態とは異なり,枠体の取付座面が広い場合には,その取付座面が電池パックの突起に接触し,電池パックに取り付けられたジャンクションボックスが,電池パックに対して傾いてしまう。ジャンクションボックスが電池パックに対して傾いてしまった場合には,ボルトやネジ等での締結箇所に隙間が形成されてしまい,適切な締結軸力を発生させることができないおそれがある。つまり,ジャンクションボックスが電池パックから外れてしまうおそれがある。
このような問題に対し,本形態のジャンクションボックス100の枠体110は,取付座面118の合計面積が小さなものであり,取付座面118以外の装着裏面116は,取付座面118よりも高さXだけ凹んでいる。よって,電池パックに高さXよりも低い突起があったとしても,その突起によって,ジャンクションボックス100が,電池パックに対して傾いてしまうことがないようにされている。よって,本形態では,取付部117において,ジャンクションボックス100と電池パックとの締結を適切に行うことができる。このことは,ジャンクションボックス200についても同様である。
本形態の製造方法は,上記のような異なる2種のジャンクションボックス100,200を,安価に短時間で製造することのできるものである。なお,ここでは,ジャンクションボックス100を製造する場合について詳細に説明する。ジャンクションボックス100は,枠体110の装着領域111,112にシステムメインリレー120,130を装着することで製造される。具体的に,本形態では,次の手順によりジャンクションボックス100を製造する。
1.枠体設置工程
2.電子部品仮設置工程
3.電子部品装着工程
まず,「1.枠体設置工程」では,図7に示す受け治具50を用いる。図7は受け治具50の正面図であり,図8に平面図を示している。図7,図8からわかるように,受け治具50は,全体として板状のものである。また,図7に示すように,受け治具50は,その上側に,枠体110または枠体210が設置されるものである。
受け治具50は,図7における上側に,第1受圧部51,第2受圧部52を有している。また,図7に示すように,第1受圧部51は上面に第1受圧面53を,第2受圧部52は上面に第2受圧面54を有している。本形態の受け治具50において,第1受圧部51の第1受圧面53と第2受圧部52の第2受圧面54とは,同じ平面内に位置している。
また,受け治具50には,第1受圧面53および第2受圧面54よりも凹んだ退避面55が形成されている。つまり,第1受圧部51および第2受圧部52は,退避面55から突出するように設けられている。退避面55は,受け治具50が,枠体110の取付部117および枠体210の取付部217に接触しないようにするために形成された面である。
すなわち,退避面55は,図8に示すように,受け治具50に設置される枠体110の取付部117A,117B,117C,117Dに対応する箇所に形成されている。これにより,受け治具50には,枠体110の取付部117A,117B,117C,117Dに対応する箇所にそれぞれ,逃げ部60,61,62,63が設けられている。
また,図7に示すように,退避面55から,第1受圧面53および第2受圧面54までの高さYは,枠体110の取付部117の高さXよりも高くされている。そして,受け治具50は,設置された枠体110の装着裏面116に,第1受圧面53が接触する。一方,受け治具50に設置された枠体110の取付部117の取付座面118と,退避面55との間には,高さXと高さYとの差の分,隙間が形成される。これにより,受け治具50は,枠体110の取付部117の取付座面118に何も接触しないような形状とされている。
また,図9に示すように,受け治具50の退避面55は,枠体210の取付部217A,217B,217C,217Dに対応する箇所にも形成されている。つまり,受け治具50には,枠体210の取付部217C,217Dに対応する箇所にもそれぞれ,逃げ部64,65が設けられている。なお,枠体210の取付部217A,217Bについては,前述したように,枠体110の取付部117A,117Bと同じ配置で設けられている。よって,受け治具50は,枠体210の取付部217A,217が枠体110の取付部117A,117Bと同じ位置になるように枠体210を設置することで,枠体210の取付部217の取付座面218にも何も接触しないような形状とされている。
そして,ジャンクションボックス100を製造する場合の「1.枠体設置工程」では,図10に示すように,受け治具50上に枠体110を設置する。具体的には,枠体110の取付部117A,117B,117C,117Dをそれぞれ,受け治具50の逃げ部60,61,62,63の箇所に合わせつつ,枠体110の装着裏面116を,受け治具50の第1受圧部51の第1受圧面53に接触させる。なお,図10には,システムメインリレー120,130を示しているが,本形態の「1.枠体設置工程」では,システムメインリレー120,130と接触する前の状態の枠体110を,受け治具50上に設置する。
次に,「2.電子部品仮設置工程」を行う。本工程では,図10に示すように,システムメインリレー120,130を,受け治具50上の枠体110に仮設置する。本形態における仮設置では,枠体110の装着領域111,112にそれぞれ,システムメインリレー120,130を完全ではない状態で設置する。具体的には,システムメインリレー120,130の一部分をそれぞれ,システムメインリレー120,130が装着領域111,112から容易にズレてしまわない程度まで,装着領域111,112の内部へと挿入すればよい。
続いて,「3.電子部品装着工程」を行う。本工程では,システムメインリレー120,130を装着領域111,112へ向けて押し込むことで,システムメインリレー120,130を装着領域111,112へと装着する。また,本形態では,図11に示す圧入装置10を用いて本工程を行う。
圧入装置10は,ロッド20と,レバー30とを有している。そして,作業者によりレバー30が押し下げられることでロッド20を下降させ,レバー30が押し上げられることでロッド20を上昇させることのできるものである。なお,図11は,レバー30が押し下げられる前の,ロッド20が上昇端にあるときの圧入装置10を示している。そして,圧入装置10は,ロッド20を下降させることで,ロッド20の下部に設けられた押圧部21により,対象物を押圧することができるものである。
本工程では,まず,圧入装置10の押圧部21の下に,枠体110が設置された受け治具50を配置する。枠体110は,システムメインリレー120,130が仮設置された状態である。また,受け治具50は,圧入装置10の押圧部21の直下にシステムメインリレー120,130が合うように配置する。
そして,図12に示すように,作業者がレバー30を押し下げ,ロッド20および押圧部21を下降させる。下降した押圧部21は,その直下に位置するシステムメインリレー120,130を,枠体110に向けて押圧する。これにより,システムメインリレー120,130を,枠体110に装着する。
また,システムメインリレー120,130が押圧されている間,枠体110は受け治具50に向けて押し付けられる。つまり,「3.電子部品装着工程」における押圧力は,装着領域111,112が設けられている枠体110の中央付近にかかることとなる。そして,このときの枠体110は,装着裏面116が,受け治具50の第1受圧面53に押し付けられる。具体的には,図8からわかるように,枠体110の装着裏面116のうち,装着領域111,112に対応する領域が,受け治具50の第1受圧面53に押し付けられる。
ここで,例えば,本形態とは異なり,受け治具として,枠体110の取付座面118に接触するものを用いた場合,「3.電子部品装着工程」における押圧力を,取付座面118によって受けることとなる。しかし,取付座面118は枠体110の外縁の四隅に配置されている。このため,枠体110の中央付近にかかる押圧力により,枠体110の中央付近が押圧力の向きに撓んでしまい,押圧力を適切に受けることができないおそれがある。
そして,「3.電子部品装着工程」において押圧力を適切に受けることができず,枠体110が撓んだ場合,枠体110が破損するおそれがある。あるいは,枠体110を撓ませることで,枠体110に残留応力が発生してしまうおそれもある。さらには,枠体110が撓むことで装着領域111,112がシステムメインリレー120,130から遠ざかる向きに逃げてしまい,システムメインリレー120,130を装着領域111,112の奥まで適切に挿入できないおそれもある。
これに対し,本形態では,受け治具50として,枠体110の取付部117の取付座面118に接触しないように,その対応する位置に逃げ部60,61,62,63が設けられたものを用いている。このため,枠体110の装着裏面116の装着領域111,112に対応する領域を,受け治具50の第1受圧面53によって支持しつつ,「3.電子部品装着工程」を行うことができる。すなわち,「3.電子部品装着工程」を,枠体110を撓ませることなく行うことができる。よって,本形態では,「3.電子部品装着工程」での押圧力を,受け治具50によって適切に受けることができ,システムメインリレー120,130を適切に,枠体110の装着領域111,112の奥まで収容し,装着することができる。これにより,ジャンクションボックス100を,適切に製造することができる。
さらに,本形態では,受け治具50を用いて,ジャンクションボックス100とは異なる種類のジャンクションボックス200についても,上記と同じように製造することができる。前述したように,受け治具50には,ジャンクションボックス200の枠体210の取付部217の取付座面218に対応した位置にも,逃げ部60,61,64,65が設けられているからである。また,受け治具50には,図9に示すように,「1.枠体設置工程」において,枠体210の装着裏面216に接触する第1受圧部51の第1受圧面53および,第2受圧部52の第2受圧面54が設けられているからである。
よって,本形態の製造方法では,ジャンクションボックス100とジャンクションボックス200とを,例えば交互に製造する場合であっても,共通の受け治具50を用いて行うことができる。すなわち,種類の異なるジャンクションボックスを製造する場合であっても,製造するジャンクションボックスの種類に応じて,異なる受け治具を用いる必要はない。このため,本形態では,ジャンクションボックスの種類ごとに異なる受け治具を用いる場合と比較して,ジャンクションボックスを安価に製造することができる。
また,製造するジャンクションボックスの種類を異なるものとする場合にも,受け治具を取り替える必要がない。つまり,受け治具の取り替えに時間を要することはない。このため,全体として,ジャンクションボックスを短時間で製造することができる。さらに,ジャンクションボックスの種類ごとに異なる受け治具が存在する場合には,使用する受け治具の選択を誤ってしまうおそれもある。しかし,本形態では,ジャンクションボックスの種類が複数であるのに対して受け治具の種類が1種のみであるため,受け治具の選択を誤ってしまうおそれもない。
以上詳細に説明したように,本実施の形態のジャンクションボックスの製造方法では,枠体110を受け治具50に設置する枠体設置工程を行う。さらに,受け治具50に設置された枠体110の装着領域111,112に向けてそれぞれ,システムメインリレー120,130を押圧することで,システムメインリレー120,130を装着領域111,112に装着する電子部品装着工程を行う。枠体110は,受け治具50と対面する面に,電子部品装着工程における押圧方向を投影方向としたときに装着領域111,112と重なる装着裏面116を有する。さらに,枠体110は,装着裏面116よりも突出しているとともに,電池パックへの取り付け時に座面となる取付座面118を備える取付部117を有する。また,受け治具50は,枠体110の装着裏面116に接触する第1受圧面53を有する。加えて,受け治具50には,枠体110の取付部117に対応する位置に逃げ部60,61,62,63が,枠体210の取付部217に対応する位置に逃げ部60,61,64,65が設けられている。これにより,種類の異なるジャンクションボックスを,安価に短時間で製造することができるジャンクションボックスの製造方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態では,「1.枠体設置工程」,「2.電子部品仮設置工程」,「3.電子部品装着工程」の順で行う例について説明している。しかし,例えば,枠体設置工程と,電子部品仮設置工程とは逆の順序で行うこともできる。あるいは,枠体設置工程と,電子部品仮設置工程とを同時に行うこととしてもよい。
また,上記の実施形態では,「1.枠体設置工程」と「3.電子部品装着工程」との間に,「2.電子部品仮設置工程」を行っている。しかし,「2.電子部品仮設置工程」は,必須の工程ではない。例えば,電子部品装着工程を,圧入装置の押圧部の先端に電子部品を装着して行う場合,電子部品仮設置工程を行う必要はない。
また,上記の実施形態では,受け治具に,受圧面よりも凹んだ退避面を形成することで逃げ部を形成している。しかし,例えば,受け治具の逃げ部は,貫通孔であってもよい。具体的には,受け治具のうち,取付部の配置が異なる複数の枠体の取付部に対応した箇所すべてに貫通孔を形成しておき,その貫通孔を逃げ部とすることもできる。
10 圧入装置
50 受け治具
51 第1受圧部
52 第2受圧部
53 第1受圧面
54 第2受圧面
55 退避面
60,61,62,63,64,65 逃げ部
100,200 ジャンクションボックス
110,210 枠体
111,112,211,212,213,214,215 装着領域
116,216 装着裏面
117,217 取付部
118,218 取付座面
120,130 システムメインリレー
220,230 プリチャージリレー
240 レジスタ

Claims (1)

  1. 電池パックへの取付座面,および,前記取付座面とは反対側に設けられた装着領域を有する枠体と,
    前記装着領域に装着された電子部品とを備えるジャンクションボックスの製造方法において,
    受け治具に,前記枠体をその前記取付座面側を向けて設置する枠体設置工程と,
    前記受け治具に設置された前記枠体の前記装着領域に向けて,前記電子部品を押圧することで,前記電子部品を前記装着領域に装着する電子部品装着工程とを有し,
    前記枠体として,
    前記取付座面よりも凹んだ面であるとともに,前記電子部品装着工程における押圧方向を投影方向としたときに前記装着領域と重なる装着裏面を有するものを用い,
    前記受け治具として,
    前記枠体設置工程で設置される前記枠体の前記装着裏面に接触する受圧面を有するとともに,
    前記枠体設置工程で設置される前記枠体の前記取付座面に対応する位置と,前記枠体とは前記取付座面の配置が異なる異種枠体の前記取付座面に対応する位置とのいずれにも,前記取付座面に接触しないように形成された逃げ部が設けられているものを用いることを特徴とするジャンクションボックスの製造方法。
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