JP6610321B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷層付き板、カバー部材および表示装置に関する。
従来、携帯電話等の携帯情報端末に表示装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の表示装置は、表示パネルの前面に設けられ、外光反射を低減したり表示パネルを外部衝撃から保護したりする保護カバーを備えている。保護カバーの表示パネル側の面には、黒枠の印刷マスクが設けられ、この面に接着層を介して保護カバーの飛散防止などのためPETフィルムが貼り付けられている。
特開2011−7830号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、印刷マスクと接着層との界面で剥離が生じて、保護カバーとPETフィルムとの間に空気が入ってしまい、表示の視認性が悪くなる問題がある。一方で、印刷マスクを設けた保護カバーを出荷する際に薄い粘着層の付いたPETフィルムを両面に貼り付けているが、輸送時の振動や衝撃により印刷マスク側のPETフィルムが剥離し、印刷マスクや保護カバーを汚染してしまう問題がある。
本発明は、接着層の厚さによらず、印刷層と接着層との界面での剥離を抑制可能な印刷層付き板、カバー部材および表示装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上述のような剥離の原因が以下の通りであると推測した。
一般的に、接着層と被着体との接着力を高める方策の1つとして、いわゆるアンカー効果を得るために、被着体の表面を粗くすることが行われている。表示装置に用いる印刷層付き板をPETフィルムやフレームに接着する場合、25μm〜500μmといった厚い接着層であれば問題なく接着できる。しかし、例えば、接着層の厚さが5μm以下といった薄い接着層に対し、印刷層の表面を粗くすると、逆に印刷層と接着層との実質上の接触面積が小さくなり、これらの界面での剥離を抑制できないと考えた。
すなわち、本発明の印刷層付き板は、板と、当該板の主面の周縁部に設けられた印刷層とを備える印刷層付き板であって、前記印刷層の表面の十点平均粗さRzが80μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、印刷層の表面の十点平均粗さRzを80μm以下にしているため、接着層の厚さが例えば5μm以下と薄くても、印刷層と接着層との接着強度を十分に確保でき、これらの界面での剥離を抑制できる。なお、十点平均粗さRzとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和であり、μm単位で示される。
本発明の印刷層付き板において、前記十点平均粗さRzが1μm以上であることが好ましい。
本発明では十点平均粗さを1μm以上にした場合は、印刷層と接着層との接着面積を十分に確保でき、これらの界面で剥離が発生する可能性をより低減できる。
本発明の印刷層付き板において、前記板は、ガラスであることが好ましい。
本発明によれば、板としてガラスを用いることで、高い強度と良好な質感とを兼ね備えた印刷層付き板を提供できる。
本発明の印刷層付き板において、前記ガラスは、強化ガラスであることが好ましい。
本発明によれば、ガラスとして強化ガラスを用いることで、強度と耐擦傷性に優れた印刷層付き板を提供できる。
本発明のカバー部材は、上述の印刷層付き板からなる。
本発明によれば、印刷層付き板をカバー部材に用いることで、視認性を確保しつつ被対象物を保護できる。
本発明の表示装置は、上述のカバー部材と、液晶モジュールと、前記カバー部材と前記液晶モジュールとを貼合する接着層とを備えている。
本発明によれば、カバー部材の印刷層と接着層との界面での剥離を抑制できるため、カバー部材の表示パネルに貼合される領域の剥離も抑制でき、表示の視認性の悪化を抑制可能な表示装置を提供できる。
本発明の表示装置は、前記印刷層の十点平均粗さRzと前記接着層の厚さtの比(Rz/t)が0.2〜80であることが好ましい。
本発明によれば、厚さが薄い接着層を使用しても界面での剥離が生じにくい表示装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る印刷層付き板を表し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B線に沿った断面図。 前記印刷層付き板を備える表示装置の部分断面図。
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
〔印刷層付き板の構成〕
まず、印刷層付き板の構成について説明する。
図1(A)に示す印刷層付き板1は、板2と、印刷層3とを備えている。
板2は、透明な強化ガラスにより矩形状に形成されており、第1の主面21と、第2の主面22と、端面23とを備えている。端面23には、図1(B)に示すように、面取り部24が設けられている。
印刷層3は、印刷層付き板1に遮光性を付与するために設けられている。印刷層3は、板2における第1の主面21の周縁部に四角枠状に、かつ、板2の端面23側に位置する外周面31側が面取り部24上に位置するように設けられている。印刷層3の表面32の十点平均粗さRzは、80μm以下である。
なお、印刷層付き板1における印刷層3で囲まれた領域は、液晶パネル等の表示パネルが配置される表示領域4となる。印刷層付き板1が表示装置に用いられる場合、この表示領域4には、液晶パネル等の表示パネルが配置される。表示パネルには駆動のための配線や回路等が設けられており、板2を通して表示パネルを視認した場合、配線等が見えてしまい美観性を損なう。そこで、印刷層3を板2の周縁部に設けることにより、外周近傍に配置された配線等を隠蔽でき、美観性を高められる。
〔印刷層付き板の作用効果〕
印刷層付き板1の印刷層3の表面32の十点平均粗さRzを80μm以下にしているため、この印刷層3を、厚さが薄い接着層を介して、表示装置のフレーム等の被着体に貼合する場合でも、印刷層3と接着層との接着強度を十分に確保でき、これらの界面での剥離を抑制できる。なお、上記表面粗さを有する印刷層3は、例えば、粘度の高い印刷材料や、粒径や量を調整した印刷材料等を使用することにより形成できる。
接着層としては5μm以下であり、3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。接着層が前記範囲の厚さであることで接着剤のコストを抑えられるだけでなく、最終製品設計において接着層の厚さを薄くできるので設計しやすい効果が得られる。また、接着層の密着性が求められつつ最終的に剥離させなければならない、例えば梱包用フィルムなどの用途では、フィルムを剥がした際、その接着層の凝集破壊による残留接着剤が課題となる。前記範囲の厚さの接着層であれば凝集破壊を抑制でき、残留接着剤を低減できる効果も得られる。特に、十点平均粗さRzを1μm以上にした場合は、印刷層と接着層との界面で剥離が発生する可能性をより低減できる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更等ができ、その他、本発明の実施の際の具体的な手順、及び構造等は本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
例えば、板2としては、用途に応じて、種々の形状、材料からなるものを使用できる。
形状としては、例えば、平坦面のみを有する板のみならず、少なくとも一部に曲面を有する板であってもよい。このような曲面板は成形時における加工精度によっては、曲率に多少のばらつきがあり、例えば表示装置のフレームに、厚さが5μm以下と薄い接着層を介して貼合する際に、曲面部に負荷がかかることが想定される。その点、本実施形態の印刷層付き板1は、上述の負荷がかかっても、印刷層3と接着層との界面で剥離しにくくなる。また、板に限らず、フィルム状であってもよい。
材料としては、透明であればよく、一般的なガラス、例えば、無機ガラス、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の有機ガラスを使用でき、その他の合成樹脂等も使用できる。また、視認性を確保できる程度の透明性があればよく、着色ガラスなどでもよい。
板2として、無機ガラスを用いる場合、その厚さは0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。この下限値以上の厚さを備えたガラスであれば、高い強度と良好な質感を兼ね備えた印刷層付き板1を得られる利点がある。また、無機ガラスを用いる場合、その厚さは、0.7mm以上3mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下がさらに好ましい。
板2として、有機ガラスや合成樹脂等を用いる場合、同種・異種問わず重ねられた基材で構成されていてもよく、基材間に各種接着層が挿入されていてもよい。
板2として無機ガラスを用いる場合、化学強化処理、物理強化処理のいずれを行ってもよいが、化学強化処理を行うことが好ましい。上述のような比較的、薄い無機ガラスを強化処理する場合、化学強化処理が適切である。
板2の第1の主面21および第2の主面22のうち少なくとも一方の面には、防眩処理(AG処理)、反射防止処理(AR処理)、耐指紋処理(AFP処理)等が施されることが好ましい。印刷層3が設けられる第1の主面21および面取り部24には、印刷層3との密着性を向上させるため、プライマー処理やエッチング処理等が施されていてもよい。
面取り部24は任意であり、設けなくてもよいが、安全性の観点から設けた方がよい。面取り部24は一般的に言われるC面取りやR面取りを実施できる。板2には孔空け加工処理や切欠き処理が行われてもよいが、これらの部位は面取りがなされることが好ましい。
印刷層3は、用途に応じて種々の印刷方法、インク(印刷材料)により形成されてよい。印刷方法としては、例えば、スプレー印刷やスクリーン印刷が例示できる。これらの方法により、面積の広い板でも良好に印刷できる。特にスプレー印刷では、曲面部を有する板に印刷しやすく、表面32の表面粗さを調整しやすい。一方、スクリーン印刷では、広い板に平均厚さが均一になるように所望の印刷パターンを形成しやすい。また、インクは複数使用してよいが、印刷層3の密着性の観点から同一のインクであることが好ましい。
印刷層3を形成するインクは、無機系でも有機系であってもよい。無機系のインキとしては、例えば、SiO、ZnO、B、Bi、LiO、NaOおよびKOから選択される1種以上、CuO、Al、ZrO、SnOおよびCeOから選択される1種以上、FeおよびTiOからなる組成物であってもよい。
有機系のインクとしては、樹脂を溶剤に溶解した種々の材料を使用できる。例えば、樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、オレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等の樹脂からなる群から少なくとも1種を選択して使用してよい。溶媒としては、水、アルコール類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤を用いてもよい。例えば、アルコール類としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等を使用でき、エステル類としては酢酸エチル、ケトン類としてはメチルエチルケトンを使用できる。芳香族炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等を使用でき、脂肪族炭化水素系溶剤としてはヘキサン等を使用できる。なお、これらは例として挙げたものであり、その他、種々の印刷材料を使用できる。前記有機系の印刷材料は、板に塗布した後、溶媒を蒸発させて樹脂の層を形成することで印刷層3とできる。
印刷層3に用いられるインクには、着色剤が含まれてもよい。着色剤としては、例えば、印刷層3を黒色とする場合、カーボンブラック等の黒色の着色剤を使用できる。その他、所望の色に応じて適切な色の着色剤を使用できる。
印刷層3の印刷は所望の回数だけ積層してもよく、印刷に用いるインキは、各層異なるものを使用してもよい。例えば、利用者が印刷層付き板1を第2の主面22側から見たときに、印刷層3を白く見せたい場合には、まず白色で印刷し、続いて黒色で印刷すればよい。これにより使用者が第2の主面22側から印刷層3を見た際、印刷層3の背面の視認性に関わるいわゆる「透け感」を抑制した白色の印刷層3を形成できる。
印刷層3の乾燥や焼結を実施するタイミングや温度条件等は、使用するインキの特性に応じて適宜選択できる。これらの工程を実施するタイミングや温度条件等は、使用するインキの特性に応じて適宜選択できる。
外周面31が端面23と同一面上に位置するように印刷層3を設けてもよい。
面取り部24が設けられていない第1の主面21に印刷層3を設けてもよく、この場合、外周面31が端面23と同一面上に位置してもよいし、端面23から板内側にずらしていてもよい。
印刷層3は、第1の主面21の一辺に沿う線状、連続する二辺に沿うL字状、対向する二辺に沿う2本の直線状に設けられてもよい。印刷層3は、第1の主面21が四角形以外の多角形や円形あるいは異形の場合、これらの形状に対応する枠状、多角形の一辺に沿う直線状、円形の一部に沿う円弧状に設けられてもよい。
本発明の印刷層付き板1は、例えば、液晶ディスプレイ等のパネルディスプレイやスマートフォン等携帯機器等のカバーガラスといった表示装置用カバーに使用できる。特に、本発明の印刷層付き板1は車載用表示装置用カバーガラスとして適している。表示装置の長期使用により印刷層3と接着層との界面で剥離が発生し、この剥離に伴い、印刷層付き板1の表示パネルに貼合される領域も剥離することで、表示の視認性悪化を招くことがあったが、本発明の印刷層付き板1では、このような表示の視認性悪化も抑制できる。
本発明の印刷層付き板1の印刷層3は、この印刷層付き板1が用いられる物品の模様を構成し、当該物品の意匠性を向上させるものであってもよい。
ここで、カバー部材としての印刷層付き板1を備える表示装置の一例について説明する。
図2に示す表示装置10は、フレーム5を備えている。フレーム5は、底部51と、底部51に対して直交する側壁部52と、底部51に対向する開口部53とを備えている。底部51と側壁部52とで囲まれた空間には、液晶モジュール6が配置されている。液晶モジュール6は、側壁部52側に配置されたバックライト61と、バックライト61上に配置された液晶パネル62とを備えている。
また、フレーム5の上端には、第1の主面21が液晶モジュール6側を向くように印刷層付き板1が設けられている。印刷層付き板1は、開口部53および側壁部52の上端面に設けられた接着層7を介して、印刷層3がフレーム5に、印刷層3の一部および第1の主面21の表示領域4が液晶モジュール6にそれぞれ貼合されている。
なお、接着層7は、板2と同じく透明であり、板2との屈折率差が小さいことが好ましい。
接着層7としては、例えば、液状の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる透明樹脂からなる層が挙げられる。硬化性樹脂組成物としては、例えば、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物等が挙げられ、その中でも、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。硬化性樹脂組成物を、例えば、ダイコータ、ロールコータ等の方法を用いて塗布し、硬化性樹脂組成物膜を形成する。
接着層7は、OCAフィルム(OCAテープ)であってもよい。この場合、印刷層付き板1の第1の主面21側にOCAフィルムを貼合すればよい。
接着層7における印刷層3の一部および表示領域4と液晶モジュール6との間に位置する第1の接着領域71の厚さは、5μm以上400μm以下が好ましく、50μm以上200μm以下がより好ましい。接着層7における印刷層3の残部とフレーム5との間に位置する第2の接着領域72の厚さは、5μm以下であり、3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。接着層7の貯蔵せん断弾性率は、5kPa以上5MPa以下が好ましく、1MPa以上5MPa以下がより好ましい。また、印刷層3の十点平均粗さRzと第2の接着領域72の厚さtの比(Rz/t)が0.2〜80であることが好ましい。このような比の場合、第2の接着領域72の厚さtが薄くても界面での剥離が生じにくくなる。
表示装置10を製造するにあたり、組立順序は特に限定されない。例えば、予め印刷層付き板1に接着層7を配置した構造体を準備しておき、フレーム5に配置し、その後、液晶モジュール6を貼合してもよい。
表示装置10は、タッチセンサ等を備えていてもよい。タッチセンサを組み込む場合は、印刷層付き板1の第1の主面21側に接着層を介してタッチセンサを配置し、それに接着層7を介して液晶モジュール6を配置することとなる。
次に、本発明の実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
[事前準備]
板として、主面が四角形であって厚さが2mmのガラス板を準備した。
また、塗料として黒色インク(株式会社セイコーアドバンス社製)を使用し、溶剤(T−482)、添加剤(酸化鉄)、増粘剤(シリコン)の有無により、以下のように塗料A〜Eを調製した。
塗料Aは、黒色インクに添加剤および増粘剤を追加し、全質量に対して20質量%となるように溶剤を加えて調製した。塗料Bは、黒色インクに添加剤を追加し、全質量に対して20質量%となるように溶剤を加えて調製した。塗料Cは、黒インキ全質量に対して20質量%となるように溶剤を加えて調製した。塗料Dは、黒色インクに添加剤を追加して調製した。塗料Eは、黒色インクをそのまま使用した。なお、塗料Cは粒径の大きな添加剤を除き、塗料Dおよび塗料Eは溶媒を添加せず高粘度とし、最終的に得られる印刷層の表面粗さを制御した。
[印刷層付きガラス板の構成]
次に、比較例として例1,2、実施例として例3〜5の印刷層付きガラス板の構成について説明する。
〔例1〕
上述のガラス板と塗料Aとを使用し(1)防眩処理、(2)端面の研削処理、(3)化学強化処理およびアルカリ処理、(4)印刷層の形成処理をこの順序で行い、例1の印刷層付きガラス板を得た。以下、各処理について説明する。
(1)防眩処理
ガラス板における印刷層が設けられない第2の主面に、以下の手順でフロスト処理による防眩処理を行った。
まず、耐酸性の保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」という)を、ガラス板の防眩処理を施さない第1の主面に貼合した。このガラス板を3質量%のフッ化水素水溶液に3分間浸漬することでエッチングし、ガラス板の第2の主面に付着した汚れを除去した。続いてガラス板を15質量%フッ化水素、15%フッ化カリウムの混合水溶液に3分間浸漬し、ガラス板の第2の主面にフロスト処理を施した。その後、ガラス板を10質量%フッ化水素水溶液に6分間浸漬することで防眩処理を施し、ヘーズ値を25%に調整した。なお、ヘーズ値は、JIS K 7136によりヘーズメータ(商品名:HZ−V3、スガ試験機社製)を用いて測定した。
(2)端面の研削処理
前記防眩処理を施したガラス板を150mm×250mmの大きさに切断した。その後、ガラス板の全周にわたって端面から0.2mmの寸法でC面取りを行った。面取りには600番の砥石(東京ダイヤモンド工具製作所社製)を用い、砥石の回転数が6500rpm、砥石の移動速度が5000mm/minの条件で処理した。これにより端面の表面粗さが450nmとなった。
(3)化学強化処理およびアルカリ処理
ガラス板に貼合した保護フィルムを除去し、450℃に加熱して溶融させた硝酸カリウム塩にガラス板を2時間浸漬した。その後、ガラス板を溶融塩から引き上げ、1時間かけて室温まで徐冷することで化学強化処理を行った。これにより、表面圧縮応力(CS)が730MPa、応力層の深さ(DOL)が30μmの化学強化されたガラス板(ドラゴントレイル(登録商標)、旭硝子社製)を得た。
さらに、このガラス板をアルカリ洗浄水溶液に4時間浸漬してアルカリ処理を施した。
(4)印刷層の形成
ガラス板の第1の主面の外周部に、塗料Aを使用して2cm幅の黒枠状のパターンを印刷し、印刷層を形成した。具体的には、まず、メッシュ径が35μmのスクリーン版をスクリーン印刷機にセットした。そして、このスクリーン版を用い、スキージ速度が160mm/sの条件で塗料Aを塗布した後、150℃で30分間保持して乾燥させ、厚さが5μmの印刷層を有する例1の印刷層付きガラス板を得た。
〔例2〜5〕
厚さが5μmの印刷層を有する例2〜5の印刷層付きガラス板は、それぞれ塗料B〜Eを使用したこと以外は、例1と同様の処理により作製した。
[評価]
例1〜5の印刷層付きガラス板について、印刷層を以下の方法で評価した。
(十点平均粗さRz)
例1〜5の印刷層表面の十点平均粗さRzについて、表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社製、商品名:サーフコム1400D−LCD)により測定した。その測定結果を表1に示す。
(密着力)
印刷層へのフィルム密着力を、以下のように測定した。すなわち、印刷層付きガラス板を出荷する際に使用するフィルムを、印刷層が設けられた第1の主面に貼合し、一定の速度で一定の角度を保ちながら前記フィルムを剥がし、密着力の測定を行った。
フィルムには、PET基材に接着剤としてアクリル系糊剤が3μmだけ貼合されたEC9000ASL(商品名、スミロン社製)を用いた。
フィルムを第1の主面に貼合する際は、第1の主面とフィルムの間に空隙が残らないように注意を払い、ローラにより0.1MPaの荷重をかけ密着させた。
フィルムを剥がすときの速度を50mm/minとし、印刷層付きガラス板とフィルムの成す角度を90°とした。
密着力の測定には、デジタルフォースアナライザー(株式会社イマダ社製、商品名:FA PLUS(ロードセルDPU−50N))を用いた。
例1〜5の印刷層付きガラス板に上記フィルムを貼り付けた試験サンプルをそれぞれ3枚ずつ用意し、密着力を測定した。その平均測定値を表1に示す。
Figure 0006610321
表1に示すように、例1,2では、密着力が0.020N/10mm未満と小さく、フィルムが剥がれやすいことがわかった。これは、フィルムの接着剤が印刷層表面の凹凸に追随できず、実質上の接着面積が小さくなっているためと考えられる。
一方、例3〜5では、密着力が0.020N/10mm以上と大きく、フィルムとの密着性が向上した。これはフィルムの接着剤が印刷層表面の凹凸に追随しやすくなり、実質上の接着面積が大きくなったためと考えられ、例3〜5については密着性が改善された。
以上のことから、十点平均粗さRzが80μm以下の例3〜5の印刷層付きガラス板は、十点平均粗さRzが上記範囲を外れる例1,2の印刷層付きガラス板に比べ、接着剤との優れた密着性を有することがわかった。なお、例1,2のみならず例3〜5についても詳細は示さないが、接着剤が厚い(例えば25μm〜500μm)場合でも高い密着性が得られた。
1…印刷層付き板(カバー部材)、2…板、3…印刷層、5…フレーム、6…液晶モジュール、7…接着層、10…表示装置、21…第1の主面。

Claims (5)

  1. 板と、当該板の主面の周縁部に設けられた印刷層とを備える印刷層付き板からなるカバー部材と、
    液晶モジュールと、
    前記液晶モジュールを囲うフレームと、
    前記カバー部材と、前記液晶モジュールおよび前記フレームとを貼合する接着層と、を備えている表示装置であって、
    前記印刷層と前記フレームとの間の前記接着層の厚さtが5μm以下であり、
    前記印刷層の表面の十点平均粗さRzが80μm以下であることを特徴とする表示装置
  2. 前記十点平均粗さRzが1μm以上である請求項1に記載の表示装置
  3. 前記板は、ガラスである請求項1または請求項2に記載の表示装置
  4. 前記ガラスは、強化ガラスである請求項3に記載の表示装置
  5. 前記印刷層の十点平均粗さRzと前記接着層の厚さtの比(Rz/t)が0.2〜80である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
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