JP6609590B2 - 層状組織を有する高強度チタン銅条および箔 - Google Patents

層状組織を有する高強度チタン銅条および箔 Download PDF

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Description

本発明は、優れた強度および耐へたり性を有し、特にオートフォーカスカメラモジュール等の導電性ばね材に用いることに好適なチタン銅、チタン銅の製造方法、伸銅品、電子機器部品およびオートフォーカスカメラモジュールに関するものである。
携帯電話のカメラレンズ部には、オートフォーカスカメラモジュールと呼ばれる電子部品が使用される。携帯電話のカメラのオートフォーカス機能は、オートフォーカスカメラモジュールに使用される材料のばね力により、レンズを一定方向に動かすとともに、周囲に巻かれたコイルに電流を流すことで発生する電磁力により、レンズを材料のばね力が働く方向とは反対方向へ動かす。このような機構でカメラレンズが駆動してオートフォーカス機能が発揮される(例えば、特許文献1、2)。
したがって、オートフォーカスカメラモジュールに使用される銅合金箔には、電磁力による材料変形に耐えるほどのばね強度が必要になる。ばね強度が低いと、電磁力による変位に材料が耐えることができず、永久変形(へたり)が発生し電磁力を除荷したあと初期の位置に戻らない。へたりが生じると、一定の電流を流したとき、レンズが所望の位置に移動できずオートフォーカス機能が発揮されない。
オートフォーカスカメラモジュールには、箔厚0.1mm以下で、1100MPa以上の引張強さまたは0.2%耐力を有するCu−Ni−Sn系銅合金箔が使用されてきた。
しかし、近年のコストダウン要求により、Cu−Ni−Sn系銅合金より比較的材料価格が安いチタン銅箔が使用されるようになり、その需要は増加しつつある。
一方で、チタン銅箔の強度はCu−Ni−Sn系銅合金箔より低く、へたりが生じる問題があるため、その高強度化が望まれている。
チタン銅の強度を高める手段としては、たとえば特許文献3、4に記載されたものがある。特許文献3には、チタン銅の製造工程を溶体化処理、亜時効処理、冷間圧延、時効処理とし、溶体化処理後の熱処理を二段階に分けることにより、スピノーダル分解によるTi濃度の幅(濃淡)を大きくさせ、強度と曲げ加工性のバランスを向上させる方法が提案されている。また、特許文献4ではチタン銅の製造工程を溶体化処理、予備時効処理、時効処理、仕上圧延、歪取焼鈍とすることで、同様にTi濃度のゆらぎを大きくすることが有効と記載されている。
その他、チタン銅の強度を更に改善する技術としては、特許文献5〜8に記載されたもの等がある。特許文献5では最終再結晶焼鈍にて平均結晶粒径を調整し、その後、冷間圧延、時効処理を順次行う方法が記載されている。特許文献6では固溶化処理後に、冷間圧延、時効処理、冷間圧延を順次行う方法が記載されている。特許文献7では、熱間圧延及び冷間圧延を行った後、750〜1000℃の温度域で5秒〜5分間保持する溶体化処理を行い、次いで、圧延率0〜50%の冷間圧延、300〜550℃の時効処理、及び圧延率0〜30%の仕上げ冷間圧延を順次行うことにより板面における{420}のX線回折強度を調整する方法が記載されている。特許文献8では、第一溶体化処理、中間圧延、最終の溶体化処理、焼鈍、最終の冷間圧延、及び時効処理を所定の条件で順次行うことにより圧延面における{220}のX線回折強度の半価幅を調整する方法が提案されている。
さらに、強度を高くすることに加え、へたりの発生を抑制するため、特許文献9では、熱間圧延及び冷間圧延を行った後、溶体化処理、圧下率55%以上の冷間圧延、200〜450℃の時効処理、圧下率35%以上の冷間圧延を順次に行い、銅合金箔の表面粗さを制御することが記載されており、また、特許文献10では熱間圧延及び冷間圧延を行った後、溶体化処理、圧下率55%以上の冷間圧延、200〜450℃の時効処理、圧下率50%以上の冷間圧延、必要に応じて歪取り焼鈍を順次に行い、溶体化処理後の冷間圧延の圧下率を制御することで、I(220)/I(311)を制御することが記載されている。特許文献9及び特許文献10に記載のチタン銅箔においては、圧延方向に平行な方向での0.2%耐力について1100MPa以上が達成可能であると記載されている。
また、特許文献11では、800〜1000℃で厚み5〜20mmまで熱間圧延した後、加工度30〜99%の冷間圧延を行い、400〜500℃の平均昇温速度を1〜50℃/秒として500〜650℃の温度帯に5〜80秒間保持することにより軟化度0.25〜0.75の予備焼鈍を施し、加工度7〜50%の冷間圧延を行い、次いで、700〜900℃で5〜300秒間の溶体化処理、及び、350〜550℃で2〜20時間の時効処理を行うことにより、ヤング率を小さくすることがそれぞれ提案されている。
また、組織制御に着目した技術として、特許文献12では、Tiを0.5mass%以上3.5mass%以下の範囲内で含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有するチタン銅において冷間または温間で圧下率90%超えの仕上げ圧延、時効処理を行うことにより、時効処理後にラメラー状組織が形成され、強度と導電率のバランスを向上させる方法が提案されている。
特開2004−280031号公報 特開2009−115895号公報 特開2015−098622号公報 特開2015−127438号公報 特許第4001491号公報 特許第4259828号公報 特開2010−126777号公報 特開2011−208243号公報 特許第5723849号公報 特許第5526212号公報 特開2014−074193号公報 特開2014−173145号公報
特許文献3、4では、チタン銅の強度および曲げ加工性の向上を主たる目的としており、へたりの問題については着目されていない。なお、特許文献3や特許文献4に記載のチタン銅は強度が900〜1200MPa程度であるため、オートフォーカスモジュール等、高い強度が必要とされる用途での使用には耐えられない可能性がある。
特許文献5〜8の明細書中に記載された実施例及び比較例の中には、1100MPa以上の0.2%耐力をもつチタン銅も幾つか見受けられる。しかしながら、特許文献5〜8で提案された従来技術では、材料に荷重を加え変形させたのち荷重を除去すると、へたりが生じるため、単に高強度であるだけではオートフォーカスカメラモジュール等の導電性ばね材として使用できないことが分かった。
特許文献9〜11はへたりの問題に着目し、へたりの発生を抑制する方法を提案している。しかしながら、箔厚が比較的薄いものについては、特許文献9〜11の提案技術では、その効果が所期するほどには発揮されないことが分かった。すなわち、特許文献9〜11の提案技術は、箔厚がある程度厚いものには大きな効果が発揮されるものの、箔厚薄いものには、箔厚が厚いものから予測されるほどの十分な効果が発揮されないことが分かった。
また、特許文献12では、ラメラー組織によって強度が増加するとの記載があるが、特許文献12に記載のチタン銅は強度が低くなることがあり、より高い強度が必要とされる用途では材料が破断してしまうため、ばねとして機能しなくなるという問題がある。したがって、強度とへたりの抑制の両立の観点からは不適切である。
本発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、ばねとして用いた際の所要の高い強度を有するとともに、へたりが小さく、オートフォーカスカメラモジュール等の電子機器部品に使用される導電性ばね材として好適に用いることのできるチタン銅、チタン銅の製造方法、伸銅品、電子機器部品およびオートフォーカスカメラモジュールを提供することを目的とする。
本発明者は、へたりに及ぼす金属組織の影響を調査した結果、金属組織における所定のCuとTiの微細な層状組織がへたりの抑制と高強度化に有効であることを見出した。また、このようなCuとTiの微細な層状組織は、熱間圧延前の予備焼鈍条件の調整により得られることを見出した。
このような知見の下、本発明のチタン銅は、Tiを1.5〜5.0質量%で含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、圧延方向に平行な断面をSTEM−EDXで厚み方向に沿って分析して得られるTi濃度曲線において、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値未満である低濃度Ti層と、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値以上である高濃度Ti層とが、厚み方向に交互に存在するCu及びTiの層状組織を有し、前記圧延方向に平行な断面内にて、高濃度Ti層におけるTi濃度の最大値と低濃度Ti層におけるTi濃度の最小値との差である層状組織中のTi濃度差が3質量%以上であるものである。
ここで、本発明のチタン銅では、層状組織中のTi濃度差が3〜50質量%であることが好ましい。
本発明のチタン銅は、圧延方向に平行な方向の引張強さが1100MPa以上であることが好ましい。
なお、本発明のチタン銅は、Ag、B、Co、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、P、Si、Cr及びZrから選択される1種以上の元素を、総量で0.005〜1.0質量%さらに含有することができる。
また、本発明の電子機器部品は、上記の何れかのチタン銅を備えたものである。ここでは、電子機器部品がオートフォーカスカメラモジュールであることが好適である。
本発明のオートフォーカスカメラモジュールは、レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢するばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備え、前記ばね部材が上記のいずれかのチタン銅であるものである。
本発明によれば、高強度かつへたりの小さいCu−Ti系合金を得ることができ、これは、オートフォーカスカメラモジュール等の電子機器部品に使用される導電性ばね材として好適に用いることができる。
本発明の一の実施形態のチタン銅の圧延方向に平行な断面に対してSTEM−EDX分析を行って得られるTiマッピング図である。 本発明の一の実施形態のチタン銅の圧延方向に平行な断面に対してSTEM−EDXによる線分析を行って得られる圧延方向に平行な断面の厚み方向のTi濃度曲線を示すグラフの模式図である。 従来のチタン銅の圧延方向に平行な断面に対してSTEM−EDX分析を行って得られるTiマッピング図である。 本発明に係るオートフォーカスカメラモジュールを示す断面図である。 図4のオートフォーカスカメラモジュールの分解斜視図である。 図4のオートフォーカスカメラモジュールの動作を示す断面図である。 へたり量を測定する方法を示す概略図である。
本発明の一の実施形態のチタン銅は、Tiを1.5〜5.0質量%で含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなり、箔ないし条の形態をなすものであり、圧延方向に平行な断面をSTEM−EDXで厚み方向に沿って分析して得られるTi濃度曲線において、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値未満である低濃度Ti層と、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値以上である高濃度Ti層とが厚み方向に交互に存在するCu及びTiの層状組織を有し、前記圧延方向に平行な断面内にて、高濃度Ti層におけるTi濃度の最大値と低濃度Ti層におけるTi濃度の差(層状組織中のTi濃度差)が3質量%以上である。
(Ti濃度)
本発明のチタン銅では、Ti濃度を1.5〜5.0質量%とする。チタン銅は、溶体化処理によりCuマトリックス中へTiを固溶させ、時効処理により微細な析出物を合金中に分散させることにより、強度及び導電率を上昇させる。
Ti濃度が1.5質量%未満になると、析出物の析出が不充分となり所望の強度が得られない。Ti濃度が5.0質量%を超えると、加工性が劣化し、圧延の際に材料が割れやすくなる。強度及び加工性のバランスを考慮すると、好ましいTi濃度は2.5〜4.5質量%である。
(その他の添加元素)
本発明の一の実施形態のチタン銅では、Ag、B、Co、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、P、Si、CrおよびZrのうち一種以上を総量で0〜1.0質量%含有させることにより、強度を更に向上させることができる。これらの元素の合計含有量は0、つまり、これら元素を含まなくてもよい。これらの元素の合計含有量の上限を1.0質量%とする理由については、1.0質量%を超えると、加工性が劣化し、圧延の際に材料が割れやすくなるからである。強度及び加工性のバランスを考慮すると、上記元素の一種以上を総量で0.005〜0.5質量%含有させることが好ましい。
(引張強さ)
本発明の一の実施形態のチタン銅では、圧延方向に平行な方向の引張強さが、たとえば1100MPa以上、さらには1200MPa以上を達成することができる。圧延方向に平行な方向での引張強さが1200MPa以上であることは、オートフォーカスカメラモジュールの導電性ばね材として利用する上で望ましい特性である。好ましい実施形態では、圧延方向に平行な方向及び垂直な方向の引張強さはともに1300MPa以上であり、さらに好ましい実施形態ではともに1400MPa以上である。
一方、引張強さの上限値について、本発明が目的とする強度の点では特に制限はないが、手間及びコストを考慮すると、圧延方向に平行な方向及び直角な方向の引張強さは一般には2000MPa以下であり、典型的には1800MPa以下である。
本発明においては、チタン銅の圧延方向に平行な方向での引張強さは、JIS Z2241:2011(金属材料引張試験方法)に準拠して測定する。
(Cu及びTiの層状組織)
本発明の一の実施形態のチタン銅は、図1、2に例示するように、圧延方向に平行な断面に対して査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いたエネルギー分散型X線分光法(EDX)による分析(STEM−EDX分析)を行った場合、圧延方向に平行な断面に、Ti濃度が平均濃度未満である低濃度Ti層と、Ti濃度が平均濃度以上である高濃度Ti層とが、厚み方向(図1では上下方向)に交互に存在するCuとTiの層状組織を有する。
このようなCuとTiの層状組織が圧延方向に平行な断面に連続的に安定して存在することにより、たわみに対する抵抗が強化されて永久変形が生じ難くなり、仮に厚みが0.1mm以下の薄い銅箔であっても、へたりを有効に抑制することができると考えられるが、本発明はこのような理論に限定されるものではない。
この「層状組織」とは、濃度Ti層と高濃度Ti層とが交互に存在する組織であり、それぞれの層が圧延方向に50nm以上連なるものとして定義される。また、圧延方向に対する層の長さが50nm未満であるものは斑点組織と定義される。
一方、従来のチタン銅は、図3に示すように、圧延方向に平行な断面に、Ti濃度の高い部分と低い部分とが不連続かつ斑点状に分布しており、また、厚み方向のTi濃度の複数のピーク値はほぼ均一である。この場合、厚みが薄いものでは、組織が不連続なため、たわみに対する対抗がそれほど強くなく、弾性限内での永久変形が生じやすくなるため、へたりが十分に抑制できないと考えられる。
また、CuとTiの層状組織を表す指標としては、層状組織中のTi濃度差を規定することができる。この分析もSTEM−EDX分析により行う。STEM−EDXで圧延方向に平行な断面を厚み方向に線分析すると、Ti濃度の大小により、測定点毎のTi濃度が変化する。本発明においては、1視野(倍率1,000,000倍、観察視野:140nm×140nm)におけるTi濃度を測定し、図2に示すような厚み方向の距離に対するTi濃度曲線を得る。Ti濃度曲線における高濃度Ti層と低濃度Ti層は、JIS B0601に規定される表面性状についての輪郭曲線をTi濃度曲線に置き換えて準用する。すなわち、高濃度Ti層はTi濃度曲線をX軸(Ti濃度曲線における平均値)によって分断したときにX軸方向に隣り合う二つの交点にはさまれた曲線部分のうち、Ti濃度曲線の平均値よりTi濃度が大きくなる上側の部分として定義する。また、低濃度Ti層はTi濃度曲線をX軸(Ti濃度曲線における平均値)によって分断したときにX軸方向に隣り合う二つの交点にはさまれた曲線部分のうち、Ti濃度曲線の平均値よりTi濃度が小さくなる下側の部分として定義する。
そして、Ti濃度曲線から、各高濃度Ti層の最もTi濃度が高くなる点のうちTi濃度が高い順から5点のTi濃度の平均値と、各低濃度Ti層の最もTi濃度が低くなる点のうちTi濃度が低い順から5点のTi濃度の平均値との差(層状組織中のTi濃度差)を求める。なお、CuとTiの層状組織は圧延方向と平行に発現されることから、上記の線分析は必ず、チタン銅の厚み方向に対して行う。
上述したようにSTEM−EDXで圧延方向に平行な断面の分析・測定を行った場合、本発明のチタン銅は、圧延方向に平行な断面における層状組織中のTi濃度差が3質量%以上であり、さらに4質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより一層好ましい。濃度差が小さすぎる場合、強度とへたりの抑制を両立することが困難となる。一方、濃度差が大きすぎることによるデメリットは無いものの、一定以上の濃度差を超えると強度の上昇もしくはへたりの抑制の効果が飽和しやすくなる傾向が認められたことから、一般には3質量%〜50質量%の間で制御する。
(チタン銅の厚み)
本発明のチタン銅は、たとえば厚みが0.1mm以下であり、典型的な実施形態では厚みが0.018mm〜0.08mmであり、より典型的な実施形態では厚みが0.02mm〜0.06mmである。
(製造方法)
上述したようなチタン銅を製造するには、まず溶解炉で電気銅、Ti等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯を鋳型の鋳造空間に供給し、ここでインゴットに鋳造する。チタンの酸化磨耗を防止するため、溶解及び鋳造は真空中又は不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
ここで、先述したチタン銅の所定のCuとTiの層状組織を得るため、鋳型の調整および熱間圧延前の焼鈍条件を調整することが肝要である。予備焼鈍条件を調整することにより、層状組織中のTi濃度差を制御することができる。
鋳型の厚みは特に指定しないが、インゴットの厚みと同程度に調整することが望ましい。鋳型の周壁部分の厚みは、インゴットの厚みと平行な方向に沿って測るものとする。
また、鋳型の周壁部分の材質は、耐火煉瓦とすることが好適である。従来は、鋳型の周壁部分の材質として鋳鉄または銅を用いていたが、これを耐火煉瓦に代えることにより、溶湯供給後の冷却速度が遅くなって、インゴットの冷却を遅くすることができる。
その後、インゴットに対し、典型的には、予備焼鈍、熱間圧延、冷間圧延1、溶体化処理、冷間圧延2、時効処理、冷間圧延3、歪取焼鈍をこの順で実施し、所望の厚み及び特性を有する箔もしくは条に仕上げる。但し、冷間圧延3、及び/又は、歪取焼鈍は、場合によっては省略可能である。
予備焼鈍はCuとTiの層状組織におけるTi濃度差を調整させる上で重要な熱処理である。温度が高すぎても、低すぎてもTi濃度差が生じないことから、予備焼鈍温度は600〜950℃であることが好ましく、625〜925℃であることがより好ましく、650〜900℃であることがより一層好ましい。また、予備焼鈍の時間が短すぎた場合や長すぎた場合、強度とへたりの両立が難しくなることから、予備焼鈍の時間は1時間〜12時間であることが好ましく、2時間〜11時間であることがより好ましく、3時間〜10時間であることがより一層好ましい。
熱間圧延及びその後の冷間圧延の条件はチタン銅の製造で行われている慣例的な条件で行えば足り、ここでは特段要求される条件はない。また、溶体化処理についても慣例的な条件で構わないが、例えば700〜1000℃で5秒間〜30分間の条件で行うことができる。
高強度を得るため、溶体化処理の後に冷間圧延2を行うことができる。冷間圧延2の圧下率は90%以上とすることが好ましく、95%とすることがより一層好ましい。90%未満では、1100MPa以上の引張強さを得るのが困難になる。圧下率の上限は、本発明が目的とする強度の点からは特に制限はないが、工業的に99.8%を超えることはない。
時効処理の加熱温度は200〜450℃とし、加熱時間は2時間〜20時間とすることが好ましい。加熱温度が200℃未満である場合や450℃を超える場合は、1100MPa以上の引張強さを得ることが困難になる。加熱時間が2時間未満の場合や20時間を越える場合は、1100MPa以上の引張強さを得ることが困難になる。
目的とする強度によっては、時効処理の後に冷間圧延3を行うことができる。冷間圧延3の圧下率は35%以上に設定することが好ましく、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上である。なお、この冷間圧延3が不必要である場合には省略することもできる。
また、残留歪の除去等の目的に合わせて冷間圧延3の後に200〜500℃で1〜5minの歪取焼鈍を行うことができ、不必要である場合には省略することもできる。
なお一般に、熱処理後には、表面に生成した酸化皮膜または酸化物層を除去するために、表面の酸洗や研磨等を行う。本発明でも熱処理後に表面の酸洗や研磨等を行うことも可能である。
(用途)
本発明に係るチタン銅は、限定的ではないが、スイッチ、コネクタ、ジャック、端子、リレー等の電子機器用部品の材料として好適に使用することができ、とりわけオートフォーカスカメラモジュール等の電子機器部品に使用される導電性ばね材として好適に使用することができる。
オートフォーカスカメラモジュールは一実施形態において、レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢するばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備える。電磁駆動手段は例示的には、コの字形円筒形状のヨークと、ヨークの内部壁の内側に収容されるコイルと、コイルを囲繞すると共にヨークの外周壁の内側に収容されるマグネットを備えることができる。
図4は、本発明に係るオートフォーカスカメラモジュールの一例を示す断面図であり、図5は、図4のオートフォーカスカメラモジュールの分解斜視図であり、図6は、図4のオートフォーカスカメラモジュールの動作を示す断面図である。
オートフォーカスカメラモジュール1は、コの字形円筒形状のヨーク2と、ヨーク2の外壁に取付けられるマグネット4と、中央位置にレンズ3を備えるキャリア5と、キャリア5に装着されるコイル6と、ヨーク2が装着されるベース7と、ベース7を支えるフレーム8と、キャリア5を上下で支持する2個のばね部材9a、9bと、これらの上下を覆う2個のキャップ10a、10bとを備えている。2個のばね部材9a、9bは同一品であり、同一の位置関係でキャリア5を上下から挟んで支持すると共に、コイル6への給電経路として機能している。コイル6に電流を印加することによってキャリア5は上方に移動する。尚、本明細書においては、上及び下の文言を適宜、使用するが、図4における上下を指し、上はカメラから被写体に向う位置関係を表わす。
ヨーク2は軟鉄等の磁性体であり、上面部が閉じたコの字形の円筒形状を成し、円筒状の内壁2aと外壁2bを持つ。コの字形の外壁2bの内面には、リング状のマグネット4が装着(接着)される。
キャリア5は底面部を持った円筒形状構造の合成樹脂等による成形品であり、中央位置でレンズを支持し、底面外側上に予め成形されたコイル6が接着されて搭載される。矩形上樹脂成形品のベース7の内周部にヨーク2を嵌合させて組込み、更に樹脂成形品のフレーム8でヨーク2全体を固定する。
ばね部材9a、9bは、いずれも最外周部がそれぞれフレーム8とベース7に挟まれて固定され、内周部120°毎の切欠き溝部がキャリア5に嵌合し、熱カシメ等にて固定される。
ばね部材9bとベース7及びばね部材9aとフレーム8間は接着および熱カシメ等にて固定され更に、キャップ10bはベース7の底面に取付け、キャップ10aはフレーム8の上部に取付けられ、それぞればね部材9bをベース7とキャップ10b間に、ばね部材9aをフレーム8とキャップ10a間に挟み込み固着している。
コイル6の一方のリード線は、キャリア5の内周面に設けた溝内を通って上に伸ばし、ばね部材9aに半田付する。他方のリード線はキャリア5底面に設けた溝内を通って下方に伸ばし、ばね部材9bに半田付する。
ばね部材9a、9bは、本発明に係るチタン銅の板バネである。バネ性を持ち、レンズ3を光軸方向の初期位置に弾性付勢する。同時に、コイル6への給電経路としても作用する。ばね部材9a、9bの外周部の一箇所は外側に突出させて、給電端子として機能させている。
円筒状のマグネット4はラジアル(径)方向に磁化されており、コの字形状ヨーク2の内壁2a、上面部及び外壁2bを経路とした磁路を形成し、マグネット4と内壁2a間のギャップには、コイル6が配置される。
ばね部材9a、9bは同一形状であり、図4及び5に示すように同一の位置関係で取付けているので、キャリア5が上方へ移動したときの軸ズレを抑制することができる。コイル6は、巻線後に加圧成形して製作するので、仕上がり外径の精度が向上し、所定の狭いギャップに容易に配置することができる。キャリア5は、最下位置でベース7に突当り、最上位置でヨーク2に突当るので、上下方向に突当て機構を備えることとなり、脱落することを防いでいる。
図6は、コイル6に電流を印加して、オートフォーカス用にレンズ3を備えたキャリア5を上方に移動させた時の断面図を示している。ばね部材9a、9bの給電端子に電圧が印加されると、コイル6に電流が流れてキャリア5には上方への電磁力が働く。一方、キャリア5には、連結された2個のばね部材9a、9bの復元力が下方に働く。従って、キャリア5の上方への移動距離は電磁力と復元力が釣合った位置となる。これによって、コイル6に印加する電流量によって、キャリア5の移動量を決定することができる。
上側ばね部材9aはキャリア5の上面を支持し、下側ばね部材9bはキャリア5の下面を支持しているので、復元力はキャリア5の上面及び下面で均等に下方に働くこととなり、レンズ3の軸ズレを小さく抑えることができる。
従って、キャリア5の上方への移動に当って、リブ等によるガイドは必要なく、使っていない。ガイドによる摺動摩擦がないので、キャリア5の移動量は、純粋に電磁力と復元力の釣合いで支配されることとなり、円滑で精度良いレンズ3の移動を実現している。これによってレンズブレの少ないオートフォーカスを達成している。
なお、マグネット4は円筒形状として説明したが、これに拘わるものでなく、3乃至4分割してラジアル方向に磁化し、これをヨーク2の外壁2bの内面に貼付けて固着しても良い。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
表1に示す合金成分を含有し残部が銅及び不可避的不純物からなる合金を実験材料とし、合金成分及び製造条件が引張強さおよびへたりに及ぼす影響を調査した。
<製造条件>
まず、真空溶解炉にて電気銅2.5kgを溶解し、表1に記載の合金組成が得られるよう合金元素を添加した。この溶湯を以下に示す鋳型に鋳込み、厚さ30mm、幅60mm、長さ120mmのインゴットを製造した。このインゴットを、次の工程順で加工し、表1に記載の所定の厚みをもつ製品試料を作製した。
(1)溶解鋳造:鋳造温度は1300℃とし、鋳型は耐火煉瓦、鋳鉄、銅から選択し、鋳造時の冷却速度を変化させた。冷却速度は速い順に銅、鋳鉄、耐火煉瓦である。鋳型の厚みは30mmとした。
(2)予備焼鈍:予備焼鈍条件は表1に示す通りとした。
(3)熱間圧延:上記のインゴットをさらに950℃で3時間加熱し、厚さ10mmまで圧延した。
(4)研削:熱間圧延で生成した酸化スケールをグラインダーで除去した。研削後の厚みは9mmであった。
(5)冷間圧延1:圧下率に応じて所定の厚みまで圧延した。
(6)溶体化処理:800℃に昇温した電気炉1に試料を装入し、5分間保持した後、試料を水槽に入れて急冷却した。
(7)冷間圧延2:後述の冷間圧延3を実施しなかったものについては、表1に示す圧下率で表1に示す製品厚みまで圧延した。
(8)時効処理:表1に示す条件の下、Ar雰囲気中で加熱した。
(9)冷間圧延3:冷間圧延3を実施したものについては、表1に示す圧下率で表1に示す製品厚みまで圧延した。なお、冷間圧延3を実施しなかったものについては「‐」としている。
(10)歪取り焼鈍:冷間圧延2又は冷間圧延3を行った後、400℃に昇温した電気炉に試料を装入し、10秒間保持した後、試料を水槽に入れて急冷却した。表1には、この歪取り焼鈍を実施したものについては歪取り焼鈍の温度及び時間を記載し、実施しなかったものについては「‐」と記載した。
上述したようにして作製した各製品試料について、次の評価を行った。
<引張強さ>
JIS Z2241:2011に基き、引張試験機を用いて上述した測定方法に従い圧延方向と平行な方向の引張強さを測定した。
<へたり>
幅15mm、長さ25mmの短冊試料を長手方向が圧延平行方向となるように採取し、図7のように、試料の片端を固定し、この固定端から距離Lの位置に、先端をナイフエッジに加工したポンチを1mm/分の移動速度で押し当て、試料に距離dのたわみを与えた後、ポンチを初期の位置に戻し除荷した。除荷後、へたり量δを求めた。
試験条件は試料の箔厚が0.05mm以下の場合、L=3mm、d=2mmとし、箔厚が0.05mmより厚い場合、L=5mm、d=4mmとした。また、へたり量は0.01mmの分解能で測定し、へたりが検出されなかった場合は<0.01mmと表記している。
<組織分析>
先述したように、圧延方向に平行な断面に対してSTEM−EDXにより観察を行い、それによる画像から層状もしくは斑点のいずれの組織であるかを判断した。ここで用いた査型透過電子顕微鏡は、JEOL社製のJEM−2100Fであり、測定条件は試料傾斜角度0°、加速電圧200kVとした。
また、STEM−EDXで圧延方向に平行な断面を厚み方向に線分析し、厚み方向の距離に対するTi濃度曲線を得た。また、Ti濃度曲線の解析により、層状組織中のTi濃度差を求めた。
実施例1〜22はTi濃度差が3質量%以上である層状組織が得られたため、高強度とへたりの抑制を両立することができた。
比較例1では、熱間圧延前の予備焼鈍を行わなかったことから、斑点組織となり、層状組織中のTi濃度差を測定することができず、これに起因して、大きなへたりが生じた。
比較例2、3は、熱間圧延前の予備焼鈍での加熱温度が低いか又は加熱時間が短いことにより、加熱不足のためにTi濃度差が低く、へたりが生じた。
比較例4および比較例5は、熱間圧延前の予備焼鈍での加熱温度が高いか又は加熱時間が長いことにより、加熱しすぎたために熱間圧延で割れが発生し、サンプルの調製および強度、へたりの測定が出来なかった。
比較例6および比較例7は、鋳型の材質により冷却が速かったため、組織が層状とならず、へたりが生じた。
比較例8は母相のTi濃度が少ないため、強度が低く、へたりも発生した。
比較例9はチタンの濃度が5質量%を超えたため熱間圧延で割れが発生し、サンプルの調製および強度、へたりの測定が出来なかった。
比較例10は副成分の合計が1.0質量%を超えたため熱間圧延で割れが発生し、サンプルの調製および強度、へたりの測定が出来なかった。

Claims (7)

  1. Tiを1.5〜5.0質量%で含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、圧延方向に平行な断面をSTEM−EDXで厚み方向に沿って分析して得られるTi濃度曲線において、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値未満である低濃度Ti層と、Ti濃度がTi濃度曲線におけるTi濃度の平均値以上である高濃度Ti層とが、厚み方向に交互に存在するCu及びTiの層状組織を有し、前記圧延方向に平行な断面内にて、高濃度Ti層におけるTi濃度の最大値と低濃度Ti層におけるTi濃度の最小値との差である層状組織中のTi濃度差が3質量%以上であるチタン銅。
  2. 前記層状組織中のTi濃度差が3〜50質量%である請求項1に記載のチタン銅。
  3. 圧延方向に平行な方向の引張強さが1100MPa以上である請求項1又は2に記載のチタン銅。
  4. Ag、B、Co、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、P、Si、Cr及びZrから選択される一種以上の元素を、総量で0.005〜1.0質量%さらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン銅。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のチタン銅を備えた電子機器部品。
  6. 電子機器部品がオートフォーカスカメラモジュールである請求項5に記載の電子機器部品。
  7. レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢するばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備え、前記ばね部材が請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン銅であるオートフォーカスカメラモジュール。
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