JP6609427B2 - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、放電によって被加工物を加工するワイヤ放電加工機に関する。
放電によって加工を行うワイヤ放電加工機には、固定した被加工物に対し、ワイヤ電極の加工部を移動させるものと、固定したワイヤ電極の加工部に対し、被加工物を移動させるものがあり、被加工物を移動させるワイヤ放電加工機の具体例が特許文献1に記載されている。
特許文献1のワイヤ放電加工機は、被加工物が固定されたテーブルをX軸方向及びY軸方向に移動して、ワイヤ電極に対する被加工物の位置を変える。テーブルの位置調整精度は、加工の正確性に大きな影響を与えるため、テーブルの正確な移動は、加工精度を高める上で、重要である。
特許文献1では、説明が省略されているが、この種のワイヤ放電加工機においては、図9に示す構造によって、テーブル100がX軸方向及びY軸方向に移動するようにしている。即ち、Y軸方向に沿ったガイドレール101に、サドル102の下部に設けられたスライドブロック103を移動可能に取り付け、サドル102の上部に設けられたX軸方向に沿ったガイドレール104に、テーブル100の下部に設けられたスライドブロック105を移動可能に取り付ける。これによって、テーブル100は、サドル102がガイドレール101に沿って進退するのに伴いY軸方向に移動し、テーブル100が、スライドブロック105と共に、ガイドレール104に沿って進退することによって、X軸方向に移動する。
従来、スライドブロック103、105には、玉やころの複数の転動体を有する直動式の転がり軸受が用いられ、スライドブロック103、105は、転動体の転がりを利用して、ガイドレール101、104との間に生じる摩擦力をそれぞれ抑制し、テーブル100を円滑に移動させる。
ここで、転がり軸受とは、特許文献2の図5に代表例が記載されているように、スライドブロック(軸受本体)とガイドレールの間に設けられた複数の玉(ボール)が、ガイドレールに形成されたガイド溝に沿って転動して、スライドブロックが移動するものである。玉は、スライドブロック及びガイドレールに接触している部分に予圧が加えられ、玉の転動によりスライドブロック及びガイドレールに接触していた状態が解除されることによって、その予圧が抜ける。
直動式の転がり軸受を利用したスライドブロックとガイドレールの組み合わせが採用される理由として、取り付けが容易で生産性に優れる点や、組み付けに影響されずに摩擦力を低く抑えることができる点が挙げられる。
特開2004−209622号公報 特開2008−279541号公報
ところで、近年、ワイヤ放電加工機は、求められる加工精度が上昇している。本発明者らは、加工精度の向上を目的に、鋭意検討の結果、テーブルが、移動の際に、その移動方向と異なる方向において、マイクロメートルオーダで変位し、そのテーブルの変位が加工精度に悪影響を与えていることを確認した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、テーブルを移動の際に、その移動方向とは異なる方向にテーブルが変位するのを抑制可能なワイヤ放電加工機を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るワイヤ放電加工機は、被加工物が固定されたテーブルを移動して、ワイヤ電極に対する前記被加工物の位置を変えるワイヤ放電加工機において、前記テーブルをX軸方向に進退可能に載置するサドルと、前記サドルを、前記X軸方向に垂直なY軸方向に進退可能に載置するベース台とを備え、前記テーブルは、下側に、第1の受け部を有し、前記サドルは、前記第1の受け部が面接触した状態で摺動可能に連結された第1のガイドを上側に、第2の受け部を下側に、それぞれ有し、前記ベース台は、上側に、前記第2の受け部が面接触した状態で摺動可能に連結された第2のガイドを有し、前記第1の受け部は、2つあって、それぞれ、樹脂からなる第1の摺動部材を備え、前記Y軸方向負側に配された該第1の受け部が備える該第1の摺動部材は、水平部J及び該水平部Jの前記Y軸方向正側に連続して形成された垂下部Kのみを備え、前記Y軸方向正側に配された前記第1の受け部が備える前記第1の摺動部材は、水平部M及び該水平部Mの前記Y軸方向負側に連続して形成された垂下部Nのみを備え、前記第1のガイドは2つあって、前記Y軸方向負側に配された一方の該第1のガイドは、前記水平部Jに面接触する平面部j及び前記垂下部Kに面接触する平面部kを備え、前記Y軸方向正側に配された他方の該第1のガイドは、前記水平部Mに面接触する平面部m及び前記垂下部Nに面接触する平面部nを備え、前記第2の受け部は、2つあって、それぞれ、樹脂からなる第2の摺動部材を備え、前記X軸方向正側に配された該第2の受け部が備える該第2の摺動部材は、水平部P及び該水平部Pの前記X軸方向負側に連続して形成された垂下部Qのみを備え、前記X軸方向負側に配された前記第2の受け部が備える前記第2の摺動部材は、水平部R及び該水平部Rの前記X軸方向正側に連続して形成された垂下部Sのみを備え、前記第2のガイドは2つあって、前記X軸方向正側に配された該第2のガイドは、前記水平部Pに面接触する平面部p及び前記垂下部Qに面接触する平面部qを備え、前記X軸方向負側に配された前記第2のガイドは、前記水平部Rに面接触する平面部r及び前記垂下部Sに面接触する平面部sを備える。
本発明者らは、数々の検証によって、テーブルを移動させる構造に、直動式の転がり軸受(即ち、テーブルが移動する際に、玉に対し、予圧がかかった状態と、予圧がかかっていない状態が繰り返される構造を持つ軸受)を用いることが、テーブルに移動方向とは異なる方向の変位を招来させる原因であることを突き止めた。これは、直動式の転がり軸受の各転動体にかかる圧力が、テーブルの移動に伴い変化することによるものと考えられる。そして、受け部とガイドを面接触した状態で摺動可能に連結する構造を採用することで、直動式の転がり軸受を用いる構造に比べ、テーブルの移動方向とは異なる方向の変位を抑制できることが認められた。
本発明に係るワイヤ放電加工機において、前記第1の摺動部材と前記第1のガイドが面接触する部分、及び、前記第2の摺動部材と前記第2のガイドが面接触する部分に、潤滑油が供給されるのが好ましい。
本発明に係るワイヤ放電加工機において、前記潤滑油の吐出口は、前記第1、第2の受け部に形成されているのが好ましい。
本発明に係るワイヤ放電加工機において、前記潤滑油は、連続的に供給されるのが好ましい。
本発明に係るワイヤ放電加工機は、テーブルの第1の受け部が、サドルの第1のガイドに面接触した状態で摺動可能に連結され、サドルの第2の受け部が、ベース台の第2のガイドに面接触した状態で摺動可能に連結されているので、テーブルの移動を、その移動方向とは異なる方向にテーブルが変位するのを抑制した状態で行うことが可能である。
本発明の一実施の形態に係るワイヤ放電加工機の説明図である。 同ワイヤ放電加工機の部分側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、同ワイヤ放電加工機のテーブルの底面図及び変形例に係るテーブルの底面図である。 サドルとベース台の連結を示す説明図である。 比較例の被加工物の振動を示すグラフである。 実施例1の被加工物の振動を示すグラフである。 (A)、(B)はそれぞれ、実施例2、3の被加工物の移動の様子を示すグラフである。 実施例2、3の被加工物の加工のばらつきを示すグラフである。 従来例に係るワイヤ放電加工機のテーブルを移動させる構造を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るワイヤ放電加工機10は、被加工物Wが固定されたテーブル11を移動して、ワイヤ電極12に対する被加工物Wの位置を変えるものである。以下、詳細に説明する。
ワイヤ放電加工機10は、図1に示すように、被加工物Wが固定されるテーブル11と、テーブル11をX軸方向に進退可能に載置するサドル13と、サドル13をY軸方向に進退可能に載置するベース台14を備えている。ここで、X軸及びY軸は、それぞれ水平に配された仮想軸であり、X軸とY軸は直交している。即ち、Y軸方向はX軸方向に対して垂直(直角)である。
被加工物Wは、支持部材15によってテーブル11に固定され、図示しない加工液が蓄えられた加工槽16が、テーブル11に載置されている。被加工物W及び支持部材15は、加工槽16に収容されて、加工槽16内の加工液に浸漬される。
平面視して、矩形状のテーブル11には、図1、図2、図3(A)に示すように、下側に、Y軸方向負側に形成された溝状の受け部17(第1の受け部)、及び、Y軸方向正側(一側)に形成された溝状の受け部18(第1の受け部)が設けられている。受け部17、18は、それぞれX軸方向に沿って形成され、図2、図3(A)に示すように、溝状の受け部17、18に、摩擦を抑制する摺動部材19、20(第1の摺動部材)が、接着剤によってそれぞれ固定されている。即ち、テーブル11は、受け部17、18を有し、受け部17、18は、それぞれ摺動部材19、20を備えている。
本実施の形態では、摺動部材19、20は、図3(A)に示すように、X軸方向に沿って長い合成樹脂であり、テフロンと砲金粒子を混合して成型されている。摺動部材19は、図2、図3(A)に示すように、水平に配された板状の水平部19a及び水平部19aのY軸方向正側に連続して形成された板状の垂下部19bを備え、摺動部材20は、水平に配された板状の水平部20a及び水平部20aのY軸方向負側に連続して形成された板状の垂下部20bを備えている。
なお、図1においては、摺動部材19、20の記載が省略されている。
サドル13は、図2、図4に示すように、上側に、X軸方向に長い凸状のガイド21、22(第1のガイド)を有している。サドル13のY軸方向負側に設けられたガイド21は、受け部17に嵌入されて、摺動部材19の水平部19a及び垂下部19bに面接触した状態で受け部17に摺動可能に連結されている。サドル13のY軸方向正側に設けられたガイド22は、受け部18に嵌入されて、摺動部材20の水平部20a及び垂下部20bに面接触した状態で受け部18に摺動可能に連結されている。
ガイド21は、受け部17に比べてX軸方向に長く、上側に、摺動部材19の水平部19aに面接触する平面部21aと摺動部材19の垂下部19bに面接触する平面部21bとを備えている。ガイド22は、受け部18に比べてX軸方向に長く、上側に、摺動部材20の水平部20aに面接触する平面部22aと摺動部材20の垂下部20bに面接触する平面部22bとを備えている。
サドル13には、図2に示すように、螺子軸23が連結されたモータ24が固定され、X軸方向に配された螺子軸23には、テーブル11に固定されたナット25が装着されている。螺子軸23は、図示しない軸受によって支持されている。
モータ24は、駆動方向が切り替え可能であり、螺子軸23を、左回転及び右回転させるこができる。ナット25は、螺子軸23が左回転することにより、螺子軸23に沿ってX軸方向正側(一側)に移動し、螺子軸23が右回転することにより、螺子軸23に沿ってX軸方向負側(他側)に移動する。
テーブル11は、モータ24の駆動によって、ガイド21、22に案内されて、ナット25と共にX軸方向で進退する。テーブル11とサドル13は、摺動部材19及びガイド21が、水平部19aと平面部21a及び垂下部19bと平面部21bをそれぞれ面接触して摩擦力を抑制した状態で連結され、摺動部材20及びガイド22が、水平部20aと平面部22a及び垂下部20bと平面部22bをそれぞれ面接触して摩擦力を抑制した状態で連結されている。
ここで、ガイド21、22は、硬度HS65〜75の焼き入れ鋼であり、平面部21a、21b及び平面部22a、22bは、研磨によって、表面粗さの低減化(本実施の形態では、表面粗さRaが0.3μm以下)及び平坦化(本実施の形態では、X軸方向の全長に渡る平坦度が10μm以下)が図られ、摺動部材19、20は、それぞれガイド21、22に接触する部分が均一に加工されていることから、ガイド21と摺動部材19の間の摩擦力、及び、ガイド22と摺動部材20の間の摩擦力は、それぞれ低減されている。そのため、テーブル11は、サドル13に対して、X軸方向で円滑に移動可能である。
また、図1に示すように、テーブル11に対して潤滑油を送る油供給手段26が、配管27を介して、テーブル11に接続され、テーブル11には、図2に示すように、配管27に連結された流路28が設けられている。そして、流路28の出側である潤滑油の吐出口29、30が、図2、図3(A)に示すように、受け部17、18にそれぞれ配されている。
本実施の形態の摺動部材19、20には、図3(A)に示すように、下側が開口した溝31、32がそれぞれ設けられている。溝31は、摺動部材19の水平部19aの幅方向(Y軸方向)中央に、X軸方向に沿って形成された1つの直線部31a、及び、Y軸方向に沿って設けられ直線部31aと直交する複数の直線部31bを備え、溝32も、摺動部材20の水平部20aの幅方向(Y軸方向)中央に、X軸方向に沿って形成された1つの直線部32a、及び、Y軸方向に沿って設けられ直線部32aと直交する複数の直線部32bを備えている。溝31の底部(即ち、摺動部材19)に、複数の吐出口29が、X軸方向に所定のピッチで設けられ、溝32の底部(即ち、摺動部材20)に、複数の吐出口30が、X軸方向に所定のピッチで設けられている。
摺動部材の水平部に設けられる溝は、溝31、32の形状に限定されず、例えば、図3(B)に示されているように、複数のZ(アルファベットのZ)を連結した形状の溝であってもよい。
なお、摺動部材19の垂下部19b及び摺動部材20の垂下部20bにも、潤滑油の吐出口及び溝が形成されている。
油供給手段26から送られた潤滑油は、配管27及び流路28を通って、複数の吐出口29、30から送り出される。複数の吐出口29から出た潤滑油は、溝31を伝って、溝31全体から摺動部材19とガイド21が面接触する部分に供給され、複数の吐出口30から出た潤滑油は、溝32を伝って、溝32全体から摺動部材20とガイド22が面接触する部分に供給される。摺動部材19とガイド21の接触面に生じる摩擦力、及び、摺動部材20とガイド22の接触面に生じる摩擦力は、供給される潤滑油によって低減される。
本実施の形態では、摺動部材19の水平部19aにおいて、溝31を除く領域に、ガイド21の平面部21aにそれぞれ面接触する複数の凸部と、その凸部より2〜3μm凹んだ(即ち、上方に位置する)複数の凹部が、それぞれ万遍なく設けられている。潤滑油は、その複数の凹部を流路として、摺動部材19の水平部19aとガイド21の平面部21aの接触領域に、安定的に供給される。複数の凸部の合計面積は、摺動部材19の水平部19aの溝31を除く領域全体の面積の15〜25%である。また、複数の凸部及び複数の凹部が設けられている点は、摺動部材20の水平部20aにおいても同じである。
ここで、潤滑油の吐出口29、30はそれぞれ、受け部17、18ではなく、ガイド21、22に設けることもできるが、受け部17、18に設ける場合、ガイド21、22に設ける場合に比べ、受け部17とガイド21が接触している領域全体、及び、受け部18とガイド22が接触している領域全体へ、潤滑油を効率的に供給可能である。なお、潤滑油の吐出口29、30をガイド21、22にそれぞれ設ける場合、油供給手段26に配管27を介して接続される流路28は、サドル13に設けられる。
しかも、本実施の形態においては、潤滑油が、連続的に供給されているので、間欠的に潤滑油が供給される場合に比べ、スティックスリップの発生を安定的に抑制することができる。
また、サドル13は、図1、図2、図4に示すように、下側に、溝状の受け部33、34(第2の受け部)を有している。受け部33は、サドル13のX軸方向正側に、Y軸方向に沿って設けられ、受け部34は、サドル13のX軸方向負側に、Y軸方向に沿って設けられている。受け部33、34は、図2、図4に示すように、底部に、テフロンと砲金粒子を混合して成型されたY軸方向に長い摺動部材37、38(第2の摺動部材)をそれぞれ備えている。
摺動部材37は、板状の水平部37a及び水平部37aのX軸方向負側に連続して形成された垂下部37bを備え、摺動部材38は、板状の水平部38a及び水平部38aのX軸方向正側に連続して形成された垂下部38bを備えている。
ベース台14は、上側に、Y軸方向に沿って長いガイド41、42(第2のガイド)を有している。上方に突出したガイド41、42は、図4に示すように、X軸方向に間隔を空けて設けられている。ガイド41は、摺動部材37の水平部37aに面接触する平面部41aと、摺動部材37の垂下部37bに面接触する平面部41bを有し、ガイド42は、摺動部材38の水平部38aに面接触する平面部42aと、摺動部材38の垂下部38bに面接触する平面部42bを有している。
受け部33は、図2、図4に示すように、摺動部材37の水平部37a及び垂下部37bが、ガイド41の平面部41a、41bにそれぞれ面接触した状態で、ガイド41に摺動可能に連結され、受け部34は、摺動部材38の水平部38a及び垂下部38bが、ガイド42の平面部42a、42bにそれぞれ面接触した状態で、ガイド42に摺動可能に連結されている。
サドル13には、図1に示すように、油供給手段26が、配管27を介して接続され、配管27は、図2に示すように、サドル13に形成された流路46に連結されている。摺動部材37、38には、X軸方向中央にY軸方向に沿った1つの直線部、及び、X軸方向に沿って設けられた複数の直線部からなる溝31と同様の形状の図示しない溝が形成され、摺動部材37、38の溝(即ち、受け部33、34)には、配管27の出側である潤滑油の複数の吐出口47がそれぞれ形成されている。
油供給手段26から配管27を経由して流路46に送られた潤滑油は、摺動部材37に形成された吐出口47から溝を伝って、摺動部材37とガイド41が面接触する部分に供給され、摺動部材38に形成された吐出口47から溝を伝って、摺動部材38とガイド42が面接触する部分に供給される。
本実施の形態では、摺動部材37の水平部37aにおいても、溝を除く領域に、ガイド41の平面部41aにそれぞれ面接触する複数の凸部と、その凸部より2〜3μm凹んだ(即ち、上方に位置する)複数の凹部が、それぞれ万遍なく設けられているため、潤滑油は、その複数の凹部を流路として、摺動部材37の水平部37aとガイド41の平面部41aの接触領域に、安定的に供給される。この複数の凸部及び複数の凹部が設けられている点は、摺動部材38の水平部38aにおいても同じである。
また、ガイド41、42も、ガイド21、22と同様に、硬度HS65〜75の焼き入れ鋼であり、平面部41a、41b及び平面部42a、42bは、研磨によって、表面粗さの低減化(本実施の形態では、表面粗さRaが0.3μm以下)及び平坦化(本実施の形態では、Y軸方向の全長に渡る平坦度が10μm以下)が図られ、摺動部材37、38は、それぞれガイド41、42に接触する部分が均一に加工されている。従って、ガイド41と受け部33は、ガイド41と摺動部材37の間の摩擦力が抑制された状態で連結され、ガイド42と受け部34も、ガイド42と摺動部材38の間の摩擦力が抑制された状態で連結されている。
ベース台14には、図2に示すように、螺子軸48が連結されたモータ49が固定され、Y軸方向に配された螺子軸48には、図2、図4に示すように、サドル13に固定されたナット50が装着されている。なお、螺子軸48は、図示しない軸受によって支持されている。
モータ49は、螺子軸48を右回転及び左回転させることができ、ナット50は、螺子軸48が右回転することにより、螺子軸48に沿ってY軸方向正側(一側)に移動し、螺子軸23が左回転することにより、螺子軸48に沿ってY軸方向負側(他側)に移動する。
また、ベース台14には、図1に示すように、上下に長いコラム51が連結され、コラム51の上側には、Y軸方向に配されたガイド52に進退可能に装着されたスライドブロック53が載せられている。そして、スライドブロック53には、スライドブロック53に対してX軸方向に移動可能な支持ブロック54が取り付けられ、支持ブロック54には、支持ブロック54に対して昇降する昇降部材55が装着されている。なお、図1においては、スライドブロック53、支持ブロック54及び昇降部材55をそれぞれ移動させる駆動源の記載を省略している。
昇降部材55には、上ワイヤガイド56が固定され、コラム51に固定された支持部材57には、上ワイヤガイド56の下方に固定された下ワイヤガイド58が取り付けられている。上ワイヤガイド56は、スライドブロック53、支持ブロック54及び昇降部材55の位置調整により、移動する。ワイヤ電極12は、図示しないワイヤ供給手段から供給され、上ワイヤガイド56及び下ワイヤガイド58によって張設された状態で支持される。
なお、図1においては、ワイヤ電極12の上ワイヤガイド56より上流側の部分及び下ワイヤガイド58の下流側の部分の記載が、省略されている。
ワイヤ電極12の上ワイヤガイド56と下ワイヤガイド58の間の張設された部分は、上ワイヤガイド56の移動によって、被加工物Wに対する角度が変えられる。
被加工物Wの加工は、主として、テーブル11の位置調整により、ワイヤ電極12の上ワイヤガイド56と下ワイヤガイド58の間の部分に対して被加工物Wの位置を変えることによって行われる。そして、ワイヤ電極12の上ワイヤガイド56と下ワイヤガイド58の間の張設された部分の角度調整によって、被加工物Wに対するテーパ加工等をなすことができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
1つ目の実験では、被加工物が固定されたテーブルを移動させ、被加工物がテーブルの進行方向(以下、単に「進行方向」ともいう)に対して直交する方向(以下、単に「直交方向」ともいう)に振動する振幅(変位する幅)を計測した。振幅の計測は、ガイドに対し直動式の転がり軸受を接触させて、受け部をガイドに移動可能に連結した比較例と、ガイドに対して受け部を面接触させて摺動可能に連結した実施例1それぞれに対して行った。比較例及び実施例1の実験結果を、それぞれ図5、図6に示す。
図5、図6のグラフは、横軸が、被加工物の進行方向の移動量を示し、縦軸が、被加工物の直交方向の振幅を示す。図5、図6のグラフは、縦軸の縮尺が等しい。
図5のD1及び図6のD2は、それぞれ、比較例における被加工物の一の振動の振幅、及び、実施例1における被加工物の一の振動の振幅であり、D1=0.25μm、D2=0.05μmである。振幅が小さいほど、加工精度が高くなることは言うまでもない。
実験結果より、実施例1は、比較例と比べて、振幅が小さいのが明らかであることから、実施例1は、比較例に比べ、振動を抑制した状態で加工できることが確認された。
2つ目の実験では、摺動部材とガイドが面接触する部分に対して、潤滑油を間欠的に供給する実施例2と、潤滑油を連続的に供給する実施例3について、被加工物の移動の様子を比較した。具体的には、被加工物を3.75μm前進させた後、3.75μm後退させる指令信号をモータに与えた際の、被加工物の動きを記録し、記録したデータを、横軸が時間軸で縦軸が被加工物の移動量を示すグラフに出力した。実施例2、3に対応するグラフは、図7(A)、(B)にそれぞれ示す通りとなった。なお、実施例2においては、潤滑油を5分ごとに供給した。
図7(A)、(B)のグラフにおいて、移動量の上昇は、被加工物の前進を意味し、移動量の減少は、被加工物の後退を意味する。そして、D3、D4は、実施例2における被加工物の総前進距離、及び、実施例3における被加工物の総前進距離をそれぞれ示し、D3=2.54μm、D4=3.54μmであった。従って、実施例3は、実施例2に比べて、被加工物が、目標値に近い距離の前進をしたことが確認された。被加工物の後退においても、実施例3は、実施例2に比べ、被加工物が目標値に近い距離を移動した。
また、2つ目の実験においては、モータによるテーブルの単位送り量が、0.25μmに設定され、被加工物を3.75μm前進(後退も同じ)させる際、合計15回のテーブルの単位送りをなす制御が、モータによって行われた。そのため、被加工物が目標とする移動を行った場合、グラフには、15個の同じ大きさの段差が存在することとなる。
この点、実施例3のグラフでは、被加工物の前進及び後退に対応する各領域に、15個の段差があったのに対し、実施例2のグラフでは、被加工物の前進に対応する領域に存在する段差が14個であった。これは、実施例2において、図7(A)に示すように、矢印で指す部分でスティックスリップが生じたのが原因と考えられる。
更に、グラフの各段差の大きさのばらつきは、実施例3が、実施例2に比べて小さく、実施例3は、実施例2と比較して、被加工物を、より安定的に移動可能であることが確認された。
3つ目の実験では、実施例2、3それぞれによって、30個の被加工物を加工し、加工寸法のばらつきを計測した。計測結果を出力した図8のグラフにおいて、縦軸は、1つ目の被加工物の加工寸法を基準(加工寸法=0μm)とした際の各被加工物の加工寸法のばらつきを示している。グラフの四角の点及び丸の点は、実施例2の計測値及び実施例3の計測値をそれぞれ示している。
実験結果より、各被加工物の加工寸法のばらつきは、実施例3が、実施例2に比べ全体的に小さく、更に、被加工物の加工後の寸法の最大値と最小値の差においても、実施例3=0.7μm、実施例2=1.2μmであり、実施例3が実施例2の約58%であった。従って、実施例3は、実施例2より、高い精度で加工が可能であることが確認された。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、第1、第2の受け部、及び、第1、第2のガイドそれぞれの個数には、限定がない。
また、第1、第2の摺動部材は、必ずしも必要ではなく、潤滑油の供給も、必ずしも必要ではない。
そして、潤滑油を供給する場合、潤滑油の供給は、連続的になされるのが好ましいが、間欠的になされてもよい。
10:ワイヤ放電加工機、11:テーブル、12:ワイヤ電極、13:サドル、14:ベース台、15:支持部材、16:加工槽、17、18:受け部、19:摺動部材、19a:水平部、19b:垂下部、20:摺動部材、20a:水平部、20b:垂下部、21:ガイド、21a、21b:平面部、22:ガイド、22a、22b:平面部、23:螺子軸、24:モータ、25:ナット、26:油供給手段、27:配管、28:流路、29、30:吐出口、31:溝、31a、31b:直線部、32:溝、32a、32b:直線部、33、34:受け部、37:摺動部材、37a:水平部、37b:垂下部、38:摺動部材、38a:水平部、38b:垂下部、41:ガイド、41a、41b:平面部、42:ガイド、42a、42b:平面部、46:流路、47:吐出口、48:螺子軸、49:モータ、50:ナット、51:コラム、52:ガイド、53:スライドブロック、54:支持ブロック、55:昇降部材、56:上ワイヤガイド、57:支持部材、58:下ワイヤガイド、W:被加工物

Claims (4)

  1. 被加工物が固定されたテーブルを移動して、ワイヤ電極に対する前記被加工物の位置を変えるワイヤ放電加工機において、
    前記テーブルをX軸方向に進退可能に載置するサドルと、前記サドルを、前記X軸方向に垂直なY軸方向に進退可能に載置するベース台とを備え、
    前記テーブルは、下側に、第1の受け部を有し、前記サドルは、前記第1の受け部が面接触した状態で摺動可能に連結された第1のガイドを上側に、第2の受け部を下側に、それぞれ有し、前記ベース台は、上側に、前記第2の受け部が面接触した状態で摺動可能に連結された第2のガイドを有し、前記第1の受け部は、2つあって、それぞれ、樹脂からなる第1の摺動部材を備え、前記Y軸方向負側に配された該第1の受け部が備える該第1の摺動部材は、水平部J及び該水平部Jの前記Y軸方向正側に連続して形成された垂下部Kのみを備え、前記Y軸方向正側に配された前記第1の受け部が備える前記第1の摺動部材は、水平部M及び該水平部Mの前記Y軸方向負側に連続して形成された垂下部Nのみを備え、前記第1のガイドは2つあって、前記Y軸方向負側に配された一方の該第1のガイドは、前記水平部Jに面接触する平面部j及び前記垂下部Kに面接触する平面部kを備え、前記Y軸方向正側に配された他方の該第1のガイドは、前記水平部Mに面接触する平面部m及び前記垂下部Nに面接触する平面部nを備え、前記第2の受け部は、2つあって、それぞれ、樹脂からなる第2の摺動部材を備え、前記X軸方向正側に配された該第2の受け部が備える該第2の摺動部材は、水平部P及び該水平部Pの前記X軸方向負側に連続して形成された垂下部Qのみを備え、前記X軸方向負側に配された前記第2の受け部が備える前記第2の摺動部材は、水平部R及び該水平部Rの前記X軸方向正側に連続して形成された垂下部Sのみを備え、前記第2のガイドは2つあって、前記X軸方向正側に配された該第2のガイドは、前記水平部Pに面接触する平面部p及び前記垂下部Qに面接触する平面部qを備え、前記X軸方向負側に配された前記第2のガイドは、前記水平部Rに面接触する平面部r及び前記垂下部Sに面接触する平面部sを備えることを特徴とするワイヤ放電加工機。
  2. 請求項1記載のワイヤ放電加工機において、前記第1の摺動部材と前記第1のガイドが面接触する部分、及び、前記第2の摺動部材と前記第2のガイドが面接触する部分に、潤滑油が供給されることを特徴とするワイヤ放電加工機。
  3. 請求項2記載のワイヤ放電加工機において、前記潤滑油の吐出口は、前記第1、第2の受け部に形成されていることを特徴とするワイヤ放電加工機。
  4. 請求項2又は3記載のワイヤ放電加工機において、前記潤滑油は、連続的に供給されることを特徴とするワイヤ放電加工機。
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