JPH11197903A - アルミホイール切削用工作機械 - Google Patents

アルミホイール切削用工作機械

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Publication number
JPH11197903A
JPH11197903A JP2041198A JP2041198A JPH11197903A JP H11197903 A JPH11197903 A JP H11197903A JP 2041198 A JP2041198 A JP 2041198A JP 2041198 A JP2041198 A JP 2041198A JP H11197903 A JPH11197903 A JP H11197903A
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JP
Japan
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spindle
aluminum wheel
main shaft
cutting
machine tool
Prior art date
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Pending
Application number
JP2041198A
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English (en)
Inventor
Koji Matsumoto
光司 松本
Tetsuya Sakagami
哲也 坂上
Takuya Ikegaya
拓哉 池ヶ谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Tec Corp
DMG Mori Co Ltd
Original Assignee
Asahi Tec Corp
Mori Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミホイールのディスク部表面を切削加工に
よって鏡面状に仕上げることのできる工作機械を提供す
る。 【解決手段】ベッド2と、主軸4及び主軸4を回転自在
に支持する主軸受を有する主軸台3と、主軸4を軸中心
に回転せしめる駆動モータと、ベッド2上の滑り案内面
2aに沿って滑動する移動台6と、油圧作動部5及び油
圧作動部5に油圧を供給する油圧ユニット12と備えて
なるアルミホイール切削用の工作機械において、主軸4
と駆動モータとの軸心を一致せしめるとともに、JIS
B 1514−1986及びJIS B 1533−
1993に規定される精度4級以上の円筒ころ軸受を主
軸受に用いて構成する。主軸4の振れ,振動,回転むら
等を有効に抑制することができ、主軸系を高い剛性を備
えたものとすることができる。これにより、振動に起因
して加工表面が粗くなるのを防止することができ、アル
ミホイールの加工表面を鏡面状に仕上げることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用のアルミ
ホイールを切削するための工作機械に関し、更に詳しく
は、アルミホイールのディスク部表面を鏡面状に切削す
ることのできる工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ホイールは自動車の価値観を増すことから若者を中心と
してその需要が高く、従来より多くの自動車に装着され
ている。このアルミホイールの一例を図5に示す。同図
に示すように、機能上、アルミホイール30はタイヤが
装着されるリム部31と、車軸のハブ部に組み付けられ
るディスク部32とを備えている。そして、アルミホイ
ール30のデザイン上の価値観は、専ら、自動車に装着
された際に看者によって視覚されるディスク部32の外
観によって左右される。もとよりデザイン上の価値観は
流行に左右されるものではあるが、最近ではディスク部
32に鏡面状の光沢のあるものが高級感を高めるものと
して人気を集めている。
【0003】ディスク部32に光沢を持たせる方法とし
ては、従来、ディスク部32をその表面粗さが12.
5〜25μmRmax(JIS B 0601−199
4)となるように切削仕上げし、ついで同部をバフ研磨
した後、クリア塗装する方法、同じくディスク部32
をその表面粗さが12.5〜25μmRmaxとなるよ
うに切削仕上げし、ついで同部をバフ研磨した後、同部
にクロムメッキを施す方法等がある。これら各製造方法
により製造されたアルミホイール30はそれぞれに高い
光沢を備えており、高い商品価値を備えている。
【0004】ところで、現在ではあらゆる市場において
製品の低価格化が進んでおり、かかるアルミホイールの
市場においても当然に製品の低価格化が求められてい
る。しかしながら、上述した及びの方法において
は、バフ研磨用の設備,メッキ用の設備等大がかりな設
備が必要であるため、市場が要求するように製造コスト
を低く押えることができないという問題があった。
【0005】また、近年では地球規模の環境保護が求め
られており、資源のリサイクルを中心とした資源保護が
進められている。しかしながら、上記の方法により製
造したアルミホイール30においては、クロムメッキ中
に含まれるニッケルが当該アルミホイール30を再利用
する際に品質面で悪影響を及ぼすため、従来、これを再
利用することが困難であった。また、このの方法によ
り製造したアルミホイール30は、これを所謂塩害地域
で使用すると、塩分を含んだ空気によりメッキ面が腐蝕
し、光沢を失うという問題も有していた。
【0006】このような状況の下、現在では、鏡面状の
高い光沢を備えたアルミホイール30を、メッキ技術を
用いないでしかも廉価に製造することのできる製造技術
が求められている。その一つとして、前記ディスク部3
2を切削加工のみにより仕上げることが考えられる。こ
のようにすれば、バフ研磨設備が不要となり、しかもハ
ンドリング等の工数を削減し、加工時間を短縮すること
ができることから、その製造コストを低減することがで
きるのである。尚、上述したようにアルミホイール30
を鏡面状の高い光沢を備えたものとするには、その表面
粗さがJISB 0601−1994に規定される平均
粗さ(Ra)が0.1μm以下であるか、または十点平
均粗さ(Rz)が0.6μm以下であることが必要であ
ると、本発明者等の研究によってつきとめられた。表面
粗さがこの範囲にあれば、ディスク部32は求められる
鏡面状の光沢を備え、アルミホイール30は高い商品価
値を備えたものとなる。
【0007】従来から前記ディスク部32の切削に用い
られてきた工作機械の一例たるNC旋盤を図6に示す。
図6は当該NC旋盤の概略構成を示す平面図である。同
図に示すように、このNC旋盤1はベッド2と、主軸4
を有する主軸台3と、主軸4を回転させる駆動モータ1
5と、主軸4の前方端に装着されたチャック5と、矢示
Z方向(通常、この方向の移動軸を「Z軸」という)に
往復動する往復台6と、この往復台6上で矢示X方向
(通常、この方向の移動軸を「X軸」という)に往復動
する刃物台9と、チャック5等の油圧作動部に油圧を供
給する油圧ユニット12と、これら各部の作動を制御す
る制御装置17及び操作盤18とを備えている。
【0008】前記主軸4は軸中心に回転自在に前記主軸
台3に支持されている。この支持形態の一例を図7に示
す。図中、19及び22は円筒ころ軸受であり、20は
アンギュラ玉軸受であり、21は間座である。切削時の
大きい負荷を受け、且つ振れ精度良く主軸4を支持する
ために、通常、同図7に示すように、復列の円筒ころ軸
受19と複数のアンギュラ玉軸受20とを主軸4の前部
側に配置し、主軸系の剛性を高めている。尚、従来一般
的に、これら軸受にはJIS B 1514−1986
及びJIS B 1533−1993に規定される精度
5級以下のものが使用されている。
【0009】また、前記主軸4は、その後端部に設けた
プーリ4aと前記駆動モータ15に設けたプーリ15a
とに掛け回された駆動ベルト16によって前記駆動モー
タ15の動力が伝達され、これによって当該主軸4は軸
中心に回転するようになっている。尚、駆動モータ15
の動力を主軸4に伝達する機構は、この他に、図8に示
すような、歯車変速機構23を介して伝達するものもあ
る。
【0010】また、前記往復台6は、サーボモータ8及
びボールねじ7により駆動され、ベッド2上に設けられ
た滑り案内面2aに沿って矢示Z方向に滑動するように
なっている。図9は図6における矢視A方向の側面図で
あるが、同図に示すように、ベッド2上に設けた滑り案
内面2aと往復台6に設けた滑り面6aが係合し、滑り
面6aが滑り案内面2aに対して摺動することにより、
高い静的精度が得られるようになっている。前記刃物台
9も同様の構造を備えており、サーボモータ11及びボ
ールねじ10により駆動され、往復台6上に設けられた
滑り案内面6bに沿って矢示X方向に滑動するようにな
っている。
【0011】また、前記油圧ユニット12は、前記ベッ
ド2に付設された油圧タンク13と、この油圧タンク1
3上に設けられた油圧ポンプ14とからなるものであ
り、油圧ポンプ14によって昇圧された油圧が前記油圧
チャック5等の油圧作動部に供給されるようになってい
る。
【0012】以上の構成を備えたNC旋盤1によれば、
前記アルミホイール30のリム部31をチャック5によ
り把持し、駆動モータ15により主軸4を所定方向に回
転せしめるとともに、サーボモータ8及び11を駆動し
て、刃物台9を矢示X方向及びZ方向に適宜移動せしめ
ることにより、前記リム部31及びディスク部32を所
望形状に切削することができる。
【0013】そして、このNC旋盤1を用いて前記ディ
スク部32の表面粗さを十点平均粗さで0.6μm以下
とするには、理論的には次式、Rz=f2 /8Rにより
切削の条件を定めることができる。ここに、fは工具の
送り量(mm/rev)であり、Rは工具の刃先半径
(ノーズR)である。従って、工具のノーズRを適宜に
設定することで、所望の表面粗さを得るための工具送り
fを理論的には決定することができる。
【0014】しかしながら、前記NC旋盤1が完全な剛
体であれば如上のような理論を適用して、所望の表面粗
さを求め得るかもしれないが、実際のNC旋盤1は種々
の誤差要因を孕んでおり、単に、理論から導かれる切削
条件をそのまま適用しても被加工物を求める表面粗さに
仕上げることはできない。
【0015】特に、上例のように、駆動ベルト16を介
して駆動モータ15の動力を主軸4に伝達するように構
成すると、駆動ベルト16のテンションによって主軸4
にラジアル方向の偏荷重が作用して主軸4が振動し易く
なり、また、駆動ベルト16の振動も主軸4に伝わり、
これらの振動が原因となって加工表面が粗くなるという
問題がある。また、駆動ベルト16がスリップすること
による不都合も考えられる。一方、駆動モータ15の動
力を歯車変速機構23を介して主軸4に伝達するように
構成したものも、歯車の噛み合い部の振動が主軸4に伝
わり、この振動によって加工表面が粗くなるためこの場
合も同様に問題である。
【0016】また、上述したように、従来のNC旋盤1
の主軸4は、JIS B 1514−1986及びJI
S B 1533−1993に規定される精度5級以下
の軸受により支持されているが、この程度の精度の軸受
では、主軸4の振れを抑えて高精度にこれを支持するこ
とができないため、回転ムラが発生し、ディスク部32
表面を鏡面状に仕上げることができない。
【0017】また、上例では、滑り案内面2a,6bに
より前記往復台6及び刃物台9の往復動を案内するよう
にしているため高い静的精度が得られるものの、その一
方で同部の摩擦係数が大きいことから溜め送り現象を生
じ易く、送り目が不均一になり、加工表面が粗くとなる
という問題もある。また、ディスク部32に存在する凹
凸部分を切削する際に、工具が大きく振動するが、案内
面が金属面同士の接触であるため、発生した振動が減衰
し難いという問題もある。
【0018】更に、前記油圧ユニット12がベッド2に
付設されているため、油圧ポンプ14の振動がベッド2
を介して被加工物及び工具刃先に伝わり易く、このため
に加工表面が粗くなるという不都合もある。
【0019】このように、上述した従来のNC旋盤1に
は、加工表面を悪化させる種々の要因が存在しており、
これを用いて、加工表面を平均粗さで0.1μm以下、
または十点平均粗さで0.6μm以下となるような極め
て高い精度に仕上げるのは正しく不可能であったのであ
る。
【0020】本発明は以上の実情に鑑みなされたもので
あって、アルミホイールのディスク部表面を切削加工に
よって鏡面状に仕上げることのできる工作機械の提供を
目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するための本発明の請求項1に係る発明は、ベッド
を有する機械本体と、主軸及び該主軸を回転自在に支持
する主軸受を有する主軸台又は主軸頭と、前記主軸を軸
中心に回転せしめる駆動モータと、前記ベッド上の滑り
案内面に沿って滑動する移動台と、油圧作動部及び該油
圧作動部に油圧を供給する油圧ユニットと備えてなるア
ルミホイール切削用の工作機械において、前記主軸と駆
動モータとの軸心を一致せしめるとともに、JIS B
1514−1986及びJIS B 1533−19
93に規定される精度4級以上の円筒ころ軸受を前記主
軸受に用いて構成したことを特徴とするものである。
【0022】上述したように、駆動ベルトや歯車変速機
構等の中間機構を介して主軸に駆動モータの動力を伝達
すると、この中間機構が原因となって主軸が振動し、こ
の振動が加工部位に伝わって加工表面が粗くなるが、本
発明によれば、主軸と駆動モータとをその軸心が一致す
るように一体的に直結せしめているので、前記中間機構
に起因した振動の発生がなく、この種の振動による加工
表面の悪化を未然に防止することができる。また、主軸
が振動する要因には、切削時の切削抵抗等、前記中間機
構の他にも各種の要因があるが、本発明によれば、JI
S B 1514−1986及びJIS B 1533
−1993に規定される精度4級以上の円筒ころ軸受に
より主軸を支持しているので、主軸の振れ,振動,回転
むら等を有効に抑制することができ、主軸系を高い剛性
を備えたものとすることができる。従って、各種振動要
因によって主軸が振動するのを防止することができ、こ
れに起因して加工表面が粗くなるのを防止することがで
きる。
【0023】斯くして本発明によれば、主軸と駆動モー
タとをその軸心が一致するように一体的に直結せしめた
こと、JIS B 1514−1986及びJIS B
1533−1993に規定される精度4級以上の円筒
ころ軸受を主軸受に用いたことの両効果が相俟って、被
加工物たるアルミホイールの加工表面粗さを極めて高精
度に、即ち、鏡面状に仕上げることができる。
【0024】本発明の請求項2に係る発明は、上述した
請求項1の発明における前記ベッド上に設けた滑り案内
面及び/又は該滑り案内面に係合する前記移動台の滑り
面にフッ素系樹脂膜を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0025】上述したように、移動台の案内に滑り案内
面を用いると高い静的精度が得られる一方で、滑り部の
摩擦係数が大きいことから溜め送り現象を生じ易く、こ
のために加工表面が粗くなるという欠点を有している。
本発明によれば、ベッド上に設けた滑り案内面及び/又
は該滑り案内面に係合する移動台の滑り面にフッ素系樹
脂膜を形成しているので、フッ素系樹脂膜の低摩擦抵抗
性によって滑り部の摺動抵抗を低くすることができ、溜
め送り現象を伴うことなく極めてスムーズに移動台を移
動させることができる。従って、従来のように溜め送り
によって加工表面が粗くなるという問題を生じない。ま
た、フッ素系樹脂は制振性が高く、切削抵抗等に伴う各
種振動を当該フッ素系樹脂が吸収するため、この面から
も被加工物の加工表面を滑らかなものとすることができ
る。
【0026】斯くして本発明によれば、前記請求項1の
発明における場合に比べて、被加工物の加工表面を悪化
させる要因を更に除去することができ、被加工物たるア
ルミホイールの加工表面粗さを更に高精度に、即ち、更
に加工表面を良好な鏡面状に仕上げることができる。
【0027】本発明の請求項3に係る発明は、上述した
請求項1の発明又は請求項2の発明における前記油圧ユ
ニットを前記機械本体とは分離して配設したことを特徴
とするものである。
【0028】上述したように、油圧ユニットが機械本体
に付設されていると、当該油圧ユニットの振動が機械本
体を介して被加工物及び工具刃先に伝わり易く、このた
めに加工表面が粗くなるという問題がある。本発明によ
れば、油圧ユニットを機械本体とは分離して配設してい
るので、当該油圧ユニットの振動が被加工物及び工具刃
先に伝わり難く、従って、油圧ユニットの振動に起因し
て被加工物表面が悪化するのを防止することができる。
【0029】斯くして本発明によれば、前記請求項1の
発明又は請求項2の発明における場合に比べて、被加工
物の加工表面を悪化させる要因を更に除去することがで
き、被加工物たるアルミホイールの加工表面粗さを更に
高精度に、即ち、更に加工表面を良好な鏡面状に仕上げ
ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について添付図面に基づき説明する。図1は本実施形態
に係るNC旋盤の概略構成を示す平面図であり、図2は
図1における矢視A方向の側面図であり、図3は主軸の
概略構成を示す平面図である。
【0031】図1乃至図3に示すように、本実施形態に
係るNC旋盤101は、主軸4と駆動モータ104とを
その軸心が一致するように一体的に直結して設けた点、
移動台たる往復台6及び刃物台9の滑り面6a(但し、
刃物台9の滑り面は図示していない)にフッ素系樹脂膜
103を形成した点、油圧ユニット12をベッド2と分
離して配設した点、更に、図7に示す円筒ころ軸受19
にJIS B 1514−1986及びJIS B 1
533−1993に規定される精度4級のものを用いた
点が、図6に示す従来のNC旋盤1と異なるのみであ
り、その余の構成は従来のNC旋盤1のそれと同じであ
る。従って、従来のNC旋盤1と同じ構成部分について
は同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。以
下、本例のNC旋盤101の詳細について説明する。
【0032】図3に示すように、本例のNC旋盤101
は、主軸4と駆動モータ104とが一体的に設けられて
ユニット化された所謂ビルトイン方式の主軸ユニットを
備えている。図中、105は主軸台3に設けられたステ
ータであり、106は主軸4に外嵌したロータであり、
これらステータ105及びロータ106によって駆動モ
ータ104が構成され、主軸4はこの駆動モータ104
によって直接駆動されるようになっている。
【0033】また、往復台6の滑り面6a及び刃物台9
の滑り面(図示せず)にフッ素系樹脂膜103を形成し
ている。尚、この構造は往復台6及び刃物台9について
同様であるので、代表として往復台6の構造について図
2に示し、且つ往復台6についてのみ説明する。本例で
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる
シート体103を往復台6の滑り面6aに貼付した後、
当該シート体103の表面に切削加工,油溝付与加工,
きさげ加工等の各種加工を施した。尚、当該滑り部の摺
動抵抗,制振性を適切なものとするためには、最終的に
形成される樹脂膜を0.5〜5mmの範囲とするのが好
ましい。
【0034】また、図1に示すように、前記油圧ユニッ
ト12をベッド2とは分離した状態でこれを設置し、昇
圧した油圧を油圧ホース102により各油圧作動部に供
給するようにしている。
【0035】また、上述したように、図7に示す円筒こ
ろ軸受19にJIS B 1514−1986及びJI
S B 1533−1993に規定される精度4級のも
のを用いている。尚、JIS B 1514−1986
はころがり軸受の主要寸法と回転精度に関する許容差及
び許容値について規定したものであり、JIS B15
33−1993は円筒ころ軸受の形式と主要寸法につい
て規定したものである。
【0036】また、使用工具はその刃先が天然ダイヤモ
ンドで形成されているものが好ましく、刃先半径は1.
0〜4.0mmの範囲が好ましい。
【0037】以上の構成を備えた本例のNC旋盤101
によれば、ビルトイン方式の主軸ユニットを採用してい
るので、駆動モータ104により主軸4を直接駆動する
ことができ、中間機構を用いて主軸4に動力を伝達する
従来におけるような振動を生じないものとなっている。
また、主軸4をJIS B 1514−1986及びJ
IS B 1533−1993に規定される精度4級の
円筒ころ軸受19により支持しており、これによって主
軸4の振れ,振動,回転むら等が有効に抑制されるた
め、主軸系が極めて高い剛性を備えたものとなってい
る。
【0038】また、往復台6の滑り面6a及び刃物台9
の滑り面(図示せず)にフッ素系樹脂膜103を形成し
ているので、フッ素系樹脂膜103の低摩擦抵抗性によ
って当該滑り部の摺動抵抗が小さくなっており、往復台
6及び刃物台9を極めてスムーズに移動させることがで
きるようになっている。また、当該フッ素系樹脂103
は制振性が高く、切削抵抗等に伴う各種振動を当該フッ
素系樹脂103によって有効に吸収することができるよ
うになっている。
【0039】更に、油圧ユニット12をベッド2と分離
させて設置しているので、当該油圧ユニット12の振動
が被加工物及び工具刃先に伝わり難くなっている。
【0040】このように、本例のNC旋盤101によれ
ば、振動等の被加工物の加工表面を悪化させる各種要因
を効果的に除去しているので、被加工物たるアルミホイ
ールの加工表面粗さを極めて高精度に、即ち、良好な鏡
面状に仕上げることができる。
【0041】
【実施例】上記実施形態に係るNC旋盤101を実施例
の装置として用い、上述の従来のNC旋盤1を比較例の
装置として用いて図5に示すアルミホイール30のディ
スク部32(加工最大直径が420mm、最小直径が6
0mm)を切削した。尚、それぞれにおいて、ノーズR
が1.5mmの天然ダイヤモンド製の工具を用い、主軸
4の回転数を2000rpm、工具の送りを0.07m
m/rev、切込を0.1mmとした切削条件の下で加
工を行った。得られたディスク部32の表面粗さを測定
した結果を下表表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】上記表1に示すように、実施例のNC旋盤
101により加工したディスク部32の表面粗さは、目
的とする表面粗さ、即ち、平均粗さ(Ra)が0.1μ
m以下、十点平均粗さ(Rz)が0.6μm以下のいず
れの基準をも満足している。一方、比較例のNC旋盤1
により加工したアルミホイール30のディスク部32の
表面粗さはいずれの基準をも満足していない。このよう
に、実施例に係るNC旋盤101によれば、加工表面の
表面粗さを極めて高精度に仕上げることができる。
【0044】以上、本発明の一実施形態について詳述し
たが、本発明の具体的な態様が上述した例に限られるも
のでないことは言うまでもないことである。特に、付言
するならば、主軸4と駆動モータ104とを直結する方
法は、上例のビルトイン方式のものに限られず、図4に
示すように、カップリング107を介して駆動モータ1
04と主軸4とをその軸心が一致するように直結して構
成したものであっても良い。この場合にも、主軸4に駆
動モータ104の動力を伝達する際の振動の発生を極力
抑えることができる。
【0045】また、上例では、主軸4の前方側の円筒こ
ろ軸受19にJIS B 1514−1986及びJI
S B 1533−1993に規定される精度4級以上
のものを用いたが、これに限るものではなく、主軸4を
支持する全ての或いは適宜選択した軸受について同4級
以上のものを用いても良い。
【0046】また、上例では、往復台6の滑り面6a及
び刃物台9の滑り面(図示せず)にフッ素系樹脂膜10
3を貼付したが、これに代えて滑り案内面2a及び6b
にフッ素系樹脂膜103を貼付したものとしても良く、
更には、滑り面と滑り案内面の双方にフッ素系樹脂膜1
03を貼付したものとしても良い。また、アルミホイー
ル30のディスク部32を切削する場合のように、被加
工物の端面加工が主たる加工である場合には、刃物台9
の滑り面(図示せず)及び/又は滑り案内面6b、即ち
X軸方向にのみフッ素系樹脂膜103を貼付したもので
も良い。また、当然のことながら、フッ素系樹脂膜10
3は上記PTFEを原料としたものに限られず、同様の
効果を奏するのであれば他のフッ素系樹脂によるもので
あっても良い。
【0047】また、上例ではアルミホイール用の切削工
作機械としてNC旋盤を例示したが、本発明の対象とな
る工作機械がこれに限られるものではなく、アルミホイ
ールを切削し得る、例えば、主軸頭を備えたマシニング
センタ,ターニングセンタ等の他の工作機械も当然に本
発明に含まれる。
【0048】また、被加工物の加工表面粗さを更に向上
させるには、移動台(往復台6,刃物台9)の動作制御
を、1μm未満、好ましくは0.1μm以下の単位で指
令を与え、又動作位置を検出できるように構成すると良
い。これにより、テーパや円弧を切削する際の補間が滑
らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るNC旋盤の概略構成
を示す平面図である。
【図2】図1における矢視A方向の側面図である。
【図3】本実施形態に係るNC旋盤の主軸部分の概略構
成を示す平面図である。
【図4】主軸と駆動モータとを直結する他の態様を示す
平面図である。
【図5】アルミホイールを示す正面図である。
【図6】従来のアルミホイール切削用のNC旋盤の概略
構成を示す平面図である。
【図7】従来のNC旋盤の主軸の支持態様を示す平面図
である。
【図8】主軸に駆動モータの動力を伝達するための他の
態様を示す平面図である。
【図9】図6における矢視A方向の側面図である。
【符号の説明】
1 NC旋盤 2 ベッド 2a 滑り案内面 3 主軸台 4 主軸 5 チャック 6 往復台 6a 滑り面 6b 滑り案内面 9 刃物台 12 油圧ユニット 15 駆動モータ 16 駆動ベルト 19 円筒ころ軸受 30 アルミホイール 31 リム部 32 ディスク部 101 NC旋盤 103 フッ素系樹脂膜(シート体) 104 駆動モータ 105 ステータ 106 ロータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッドを有する機械本体と、主軸及び該
    主軸を回転自在に支持する主軸受を有する主軸台又は主
    軸頭と、前記主軸を軸中心に回転せしめる駆動モータ
    と、前記ベッド上の滑り案内面に沿って滑動する移動台
    と、油圧作動部及び該油圧作動部に油圧を供給する油圧
    ユニットと備えてなるアルミホイール切削用の工作機械
    において、 前記主軸と駆動モータとの軸心を一致せしめるととも
    に、JIS B 1514−1986及びJIS B
    1533−1993に規定される精度4級以上の円筒こ
    ろ軸受を前記主軸受に用いて構成したことを特徴とする
    アルミホイール切削用工作機械。
  2. 【請求項2】 前記ベッド上に設けた滑り案内面及び/
    又は該滑り案内面に係合する前記移動台の滑り面にフッ
    素系樹脂膜を形成したことを特徴とする請求項1記載の
    アルミホイール切削用工作機械。
  3. 【請求項3】 前記油圧ユニットを前記機械本体とは分
    離して配設したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    アルミホイール切削用工作機械。
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