JP6609132B2 - 抗酸化性化合物及びそれを含有する組成物の製造方法、並びに、それに用いられる新規微生物 - Google Patents

抗酸化性化合物及びそれを含有する組成物の製造方法、並びに、それに用いられる新規微生物 Download PDF

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Description

本発明は、化粧品素材や食品機能性成分等として有効な、特定の抗酸化性化合物及びそれを含有する組成物の製造技術に関する。
特許文献1には、下記式:
Figure 0006609132
に示されるように、パン酵母によって、オリーブの葉又は枝の抽出物に含まれているオレウロペインアグリコンのアルデヒド型(化合物A)を、抗酸化性化合物であるアルコール型(化合物B)に還元する技術が開示されている。
特許第4652355号公報
本発明は、パン酵母よりも高い反応効率(変換効率及び最終到達変換率)にてオレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物をアルコール型化合物に還元可能な技術の提供を第一の課題とする。また、特許文献1で用いている酵母はパン酵母であることから、得られた組成物にパン独特の香りがある。よって、本発明は、得られた組成物にパン独特の香りが無く、より化粧品素材として適した組成物の製造技術の提供を第二の課題とする。
本発明者らは、特定の微生物を用いると、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物を還元することにより下記式:
Figure 0006609132
で示されるアルコール型化合物を製造する方法において、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物を使用することを特徴とする製造方法である。
本発明は、オリーブの構成部位の抽出物を微生物で処理することで、下記式:
Figure 0006609132
で示される化合物を含有する微生物処理オリーブ抽出物を製造する方法において、前記微生物として、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物を使用することを特徴とする製造方法である。
ここで、本発明は、前記アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物が、由来の明確な公知のSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビジエ)BY4741株を使用した場合における前記アルデヒド型化合物から前記アルコール型化合物への変換量(α1)と、当該アウレオバシジウム・プルランス種を使用した場合における前記アルデヒド型化合物から前記アルコール型化合物への変換量(α2)と、を測定した際、反応後1時間の場合におけるα2/α1が7以上となる微生物であってもよい。
また、前記アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物が、由来の明確な公知のSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビジエ)BY4741株を使用した場合における前記アルデヒド型化合物から前記アルコール型化合物への変換量(α1)と、当該アウレオバシジウム・プルランス種を使用した場合における前記アルデヒド型化合物から前記アルコール型化合物への変換量(α2)と、を測定した際、反応後24時間の場合におけるα2/α1が5.5以上となる微生物であってもよい。
また、本発明は、前記アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物が、以下の(a)〜(c)からなる群より選択される微生物であってもよい:
(a)受託番号:NITE P−02078として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe3−2(2)株{識別の表示:15.6.18 マキオ Oe3−2(2) A.pullulans};
(b)受託番号:NITE P−02079として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe7−2(1)株{識別の表示:15.6.25 マキオ Oe7−2(1) A.pullulans};
(c)受託番号:NITE P−02077として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe1−3−30(2)株{識別の表示:15.6.18 マキオ Oe1−3−30(2) A.pullulans}。
本発明は、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)種に属する微生物であって、以下の(a)〜(c)からなる群より選択される微生物である:
(a)受託番号:NITE P−02078として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe3−2(2)株;
(b)受託番号:NITE P−02079として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe7−2(1)株;
(c)受託番号:NITE P−02077として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe1−3−30(2)株。
本発明によれば、同一菌体量にてパン酵母よりも高い反応効率(変換効率及び最終到達変換率)で、オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物(A)を抗酸化性化合物であるアルコール型化合物(B)に還元可能であるという効果を奏する。更に、本発明によれば、得られた組成物にパン独特の香りが無く、より化粧品素材として適した組成物を製造可能であるという効果を奏する。
図1は、オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物(A)とアルコール型化合物(B)の定量の為のHPLC条件を示した図である。 図2は、オリーブ葉抽出物を基質とする変換反応における、(左)化合物B量の経時変化、(右)化合物A量の経時変化 (1時間まで)、を示した図である。 図3は、オリーブ葉抽出物を基質とする変換反応における、(左)化合物B量の経時変化、(右)化合物A量の経時変化 (24時間まで)、を示した図である。 図4は、アウレオバシジウム・プルランス種で変換生成した化合物の1H−NMRデータの構造への帰属を示した図である。 図5は、アウレオバシジウム・プルランス種2種(NBRC1菌株、Oe3−2(2))とパン酵母の変換活性の比較を示した図である。 図6は、精製した化合物Aを基質として用いる変換反応の経時変化を示した図である。
≪1.オレウロペインアグリコンのアルコール型化合物の製造方法≫
本発明に係るオレウロペインアグリコンのアルコール型化合物の製造方法は、オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物を還元することにより下記式:
Figure 0006609132
で示されるアルコール型化合物を製造する方法において、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物を使用することを特徴とする。以下、各要件を詳述する。
<1−1.アウレオバシジウム・プルランス種>
本発明で使用可能なアウレオバシジウム・プルランス種は、好適には、下記条件を充足する微生物である。
(条件)
下記の<精製した化合物Aを基質として用いる変換活性試験>において、由来の明確な公知のSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビジエ)BY4741株を使用した場合におけるウレオロペインアグリコンのアルデヒド型化合物(A)からアルコール型化合物(B)への変換量(α1)と、アウレオバシジウム・プルランス種を使用した場合におけるウレオロペインアグリコンのアルデヒド型化合物(A)からアルコール型化合物(B)への変換量(α2)と、を測定する。そして、好適なアウレオバシジウム・プルランス種は、(反応後1時間の場合)α2/α1が7以上となるものが好適であり、10以上となるものがより好適であり、12.5以上となるものが更に好適であり、15以上となるものが特に好適であり、(反応後2時間の場合)α2/α1が7以上となるものが好適であり、10以上となるものがより好適であり、12.5以上となるものが更に好適であり、15以上となるものが特に好適であり、(反応後24時間の場合)α2/α1が5.5以上となるものが好適であり、5.75以上となるものがより好適であり、6.0以上となるものが更に好適であり、6.25以上となるものが特に好適である。尚、変換量はピークエリアとする。
(好適なアウレオバシジウム・プルランス種)
好適なアウレオバシジウム・プルランス種は、花由来微生物である。より好適な種は、オリーブ花由来微生物である。これらの中でも新規株である下記3種:
(a)受託番号:NITE P−02078として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe3−2(2)株;
(b)受託番号:NITE P−02079として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe7−2(1)株;
(c)受託番号:NITE P−02077として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe1−3−30(2)株
が最も好適である。
<1−2.製造条件>
製造条件の一例は、化合物Aの濃度が0.5〜5mg/ml程度であり、反応時間が10分から数時間である。但し、上記方法は一例に過ぎず、微生物種や基質により適宜設定する。
≪2.微生物処理オリーブ抽出物の製造方法≫
本発明に係る微生物処理オリーブ抽出物の製造方法は、オリーブの構成部位(例えば、葉又は枝)の抽出物を、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物で処理することで、下記式:
Figure 0006609132
で示される化合物を含有する組成物を得る方法である。以下、各要件を詳述する。
<2−1.オリーブの構成部位の抽出物>
(使用可能・好適なオリーブ種)
オリーブとは、モクセイ科オリーブ属の植物であるオリーブ(Olea europaea)を意味する。品種の代表例としては、例えばネバディロブランコ、ミッション、マンザニロ、ルッカ、モルー、アルベキーナ、ジャンボカラマタ、カラマタ、エンペントレ、ピクアール、コロネイキ、ファルガ、セントキャサリン、アスコラノ、チプレシーノ、フラントイオ、アメランク、ルッケ、コルニカブラ、オヒブランカ、レチン・デ・セビーリャ、ピクード、ベルディアル、カラスケタ、モライオロ、コレッジョラ、レッチーノドンドリーノ、コラティーナ、レッチョ・デル・コルノ、サンタ・カテリーナ、オリアローザ・バレーゼ、ノチェラーラデベルベリーチェ、セムラリ、セムシャリ、サヤリ、シェトイ、ジェルブイ、ザルマティ、ホジブランコ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ワシントン、ウエストオーストラリアミッション、サウスオーストラリアベンダル、アザパ、バルネア、ゴルダル、アスコラーナテレナブラックイタリアン、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモス、アスコラーナ、アスラーノ、アスラーノ・テネラ、アメリカンオークラン、カザリーバ、クライスト、ジェンティーレ・ディ・キエーティセビラーノ、タジャスカティニーオイル、バロウニ、ベルダル、ペンドリーノ、ホワイト、マウリィーノ、ラ・タンシュ、ラキーノ、J5等が知られているが、本発明においてはいずれの品種も使用することができる。好ましい品種としては、ネバディロブランコ、ミッション、マンザニロ、ルッカ、モルー、アルベキーナ、セントキャサリンであるが、特に限定されない。
(構成部位)
オリーブの構成部位(使用部位)としては、果実、種子、樹皮、枝、葉、芽等が挙げられるが、主として枝、葉を用いるのが好ましく、特に好ましいのは葉である。これらは、そのまま又は乾燥した後に適当な大きさに裁断したり、粉砕して用いることができる。
(抽出溶媒)
抽出に用いられる溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれも使用することができる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、エチルエーテル、等のエステル類やエーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;液体二酸化炭素;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。このうち、水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、等を用いるのが好ましく、水、エタノールを用いるのがより好ましい。これらを混合して用いるのが最も好ましい。混合液の混合比(水:エタノール)は、体積比で好ましくは約100:1〜約1:100、より好ましくは約20:1〜約1:20であり、最も好ましくは約1:9〜1:1である。
(抽出条件)
前記の使用部位からの抽出は、例えばオリーブ1質量部に対して1〜50質量部の溶剤を用い、数時間〜数週間浸漬するのが好ましい。また、抽出時の溶媒の温度は約0℃〜約150℃の範囲であればよいが、約5℃〜約100℃が好ましく、約20℃〜約70℃がより好ましい。また、抽出物の分離精製手段としては、濾紙やメンブランフィルター、限外濾過膜などを用いた濾過、イオン交換樹脂や合税吸着剤、活性炭、ケイ藻土等による成分吸着、クロマトグラフィーを用いた分画等を挙げることができる。分離精製後は、そのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスやペースト状に調製してもよい。
<2−2.アウレオバシジウム・プルランス種>
本発明で使用可能なアウレオバシジウム・プルランス種(好適なものを含む)は、上記1−2で記載した微生物である。
<2−3.製造条件>
製造条件の一例は、抽出物濃度が1〜10 mg/mL程度であり、反応時間が10分から数時間である。但し、上記方法は一例に過ぎず、微生物種や基質により適宜設定する。
1.<オリーブ葉抽出物を基質として用いる試験>
(試験対象微生物)
表1に、実施例にて使用した新規菌株を示す。26SrDNA−D1/D2塩基配列解析により、下記新規菌株はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)種に属すると推定された。また、いずれも単離源はオリーブ花である。更に、市販の乾燥パン酵母を比較例として用いた。
Figure 0006609132
(オリーブ葉抽出物の調製)
オリーブ葉(ルッカー種)から得られた95%エタノール抽出物31.6gを酢酸エチルと水により有機溶媒分画して酢酸エチル抽出物19.1gを得た。この抽出物をオリーブ葉抽出物として用いた。
(試験方法)
オリーブ花由来菌株3種をYM培地中で28℃の条件で24時間振とう培養した。遠心分離により集めた湿菌体を蒸留水に懸濁して得た菌体懸濁液を用いて反応を行った。菌体(最終濃度が乾燥菌体重量相当で25mg/mL)とオリーブ葉抽出物(化合物Aの最終濃度7.5mg/mL)を混合した反応液500μLを37℃で反応させた。反応後反応液を酢酸エチルにより抽出し、得られた酢酸エチル可溶画分中の化合物Aと化合物BをHPLC(条件は図1に示す)で定量した。
(結果)
反応時間1時間までの化合物A量及び化合物B量の経時変化を図2に、反応時間24時間までの化合物A量及び化合物B量の経時変化を図3に示す。パン酵母と比較して、花由来高活性株Oe1−3−30(2)、Oe3−2(2)、Oe7−2(1)は非常に優れた変換活性を有していることが分かる。具体的には、これらの花由来高活性株はより短時間でより高濃度の基質を変換することができる。それに加えてパン酵母を用いた反応では反応時間を長くしても基質が残ったまま変換反応が進行しないのに対し、これら高活性株を用いた反応では加えたほぼ全量の基質が変換された。
2.<アウレオバシジウム・プルランス種により変換生成する化合物がパン酵母により生成する化合物と同一である事の証明>
(反応、化合物の精製、NMR測定)
上述の500μLの反応を4mLにスケールアップしてOe3−2(2)株を用いて37度で1時間反応を行った。得られた反応液を酢酸エチル抽出した後、酢酸エチル可溶画分を分取ODS−HPLCにより精製し、目的の化合物Bを3.9mg得た。この精製化合物を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定を行った。
(結果)
NMR測定結果を表2に、さらにその構造中のプロトンへの帰属を図4に示す。この結果はパン酵母で得られる化合物Bと一致していたことからアウレオバシジウム・プルランス種により変換生成する化合物とパン酵母により変換生成物とが同一である事が証明された。
Figure 0006609132
3.<他のアウレオバシジウム・プルランス種の変換活性>
今回単離された新規株が全てアウレオバシジウム・プルランス種と同定されたことから、他のアウレオバシジウム・プルランス種も同様に高い変換活性を持つことが予想されたため、製品評価技術基盤機構(NBRC)に保存されている他のアウレオバシジウム・プルランス種(NBRC6353株)の変換活性を評価した(1時間反応)。結果、既存のアウレオバシジウム・プルランス株もパン酵母よりも高い変換活性を有していることが確認された。結果を図5に示す。
4.<精製した化合物Aを基質として用いる変換活性試験>
(化合物Aの精製)
オリーブ葉抽出物19mgをOASIS HLBカートリッジカラム(Waters社)に供して精製を行い、化合物Aを10.6mg精製した。
(試験方法)
今回の試験には花由来アウレオバシジウム・プルランス種3種、NBRC保存アウレオバシジウム・プルランス種2種(NBRC6353株、NBRC100716株)に加えて、Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビジエ)BY4741株を用いた。これまでは市販パン酵母(例えば日清フーズ社製ドライイースト)を用いてきたが、今回は由来の明確なサッカロマイセス セレビジエ標準株を用いて試験を行った。菌体の調製は上述と同様の方法で行った。菌体(最終濃度が乾燥菌体重量相当で5mg/mL オリーブ葉抽出物の実験の5分の1)と精製した化合物A(化合物Aの最終濃度1.5mg/mL オリーブ葉抽出物の実験の5分の1)を混合した反応液500μLを37℃で反応させた。反応液中の化合物Aと化合物BをHPLCで定量した。
(結果)
結果を図6に示す。図6から分かるように、オレウロペインアグリコンのアルコール型化合物(化合物B)への変換効率は、短時間(1及び2h)及び長時間(24h)共、「3種のアウレオバシジウム・プルランス種」>「既知2種のアウレオバシジウム・プルランス種(NBRC6353及びNBRC100716)」>「サッカロマイセス セレビジエ標準株(BY4741)」、という結果となった。
5.<香り試験>
化合物Aから化合物Bへの変換反応にパン酵母を使用すると、変換反応液が酵母独特の香りとパンのような香りがするため、これを化粧品素材として使用するにはふさわしくないという問題があった。しかしながら、パン酵母の代わりに上記新規株3菌株を用いて変換反応を行うことで、香りの問題が改善されることが確認された。香り試験の結果を表3に示す。A〜Eの5名がサンプル{市販乾燥パン酵母又は新規株Oe3−2(2)を用いて変換反応を行った後に菌体を除いた反応液}20μLを手の甲に塗布し、香りを確認した。
Figure 0006609132

Claims (4)

  1. オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物を還元することにより下記式:
    Figure 0006609132
    で示されるアルコール型化合物を製造する方法において、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物を使用することを特徴とする製造方法。
  2. オリーブの構成部位の抽出物(当該抽出物は、オレウロペインアグリコンのアルデヒド型化合物を含有するものである)を微生物で処理することで、下記式:
    Figure 0006609132
    で示されるアルコール型化合物を含有する微生物処理オリーブ抽出物を製造する方法において、前記微生物として、アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物を使用することを特徴とする製造方法。
  3. 前記アウレオバシジウム・プルランス種(Aureobasidium pullulans)に属する微生物が、以下の(a)〜(c)からなる群より選択される微生物である、請求項1又は2記載の製造方法:
    (a)受託番号:NITE P−02078として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe3−2(2)株;
    (b)受託番号:NITE P−02079として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe7−2(1)株;
    (c)受託番号:NITE P−02077として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe1−3−30(2)株。
  4. アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)種に属する微生物であって、以下の(a)〜(c)からなる群より選択される微生物:
    (a)受託番号:NITE P−02078として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe3−2(2)株;
    (b)受託番号:NITE P−02079として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe7−2(1)株;
    (c)受託番号:NITE P−02077として寄託されているアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)Oe1−3−30(2)株。
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