JP6608308B2 - ガラス基板の熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板とセッターとを重ね合わせた状態で、ガラス基板に熱収縮率を低下させるための熱処理を施すガラス基板の熱処理方法に関する。
周知のように、近年、スマートフォンやタブレット型端末等のモバイル端末が急速に普及しており、その高性能化のための技術開発が進められている。これに伴って、モバイル端末に搭載される液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと表記)には、その性能の一つとして、高精細な画像を表示できることが要求されている。
FPDの製造工程では、通常、その構成部品であるガラス基板の表面に、酸化インジウムスズ(ITO)等でなる透明導電膜をパターン形成する処理を実行する。このとき、FPDの高精細化を図るためには、ガラス基板を高温下に曝した状態で処理を実行する必要がある。このことから、熱収縮率が高いガラス基板を処理の対象とした場合には、下記のような不具合が発生することがある。
すなわち、ガラス基板の熱に対する寸法安定性が低いことに由来して、基板に設計通りの透明導電膜を形成することが困難となり、製造されたFPDが所望の高精細性を発揮しないことがある。従って、このような不具合の発生を回避するため、上記の処理の実行前に、ガラス基板の熱収縮率を可及的に低下させることが求められる。
ここで、特許文献1には、ガラス基板の熱収縮率を低下させるための熱処理方法が開示されている。同文献に開示された方法では、高温の徐冷炉内において、ガラス基板全体をセッター(同文献では、耐熱性ガラスセラミック板)と重ね合わせた状態で、ガラス基板に熱処理を施している。なお、同文献には、熱処理の対象となるガラス基板として、板厚が1mmの基板が例示されている。
特開平5−330835号公報
しかしながら、上記の方法によってガラス基板に熱処理を施した場合には、下記のような解決すべき問題が生じていた。
すなわち、FPDに求められる性能としては、高精細な画像を表示できることの他、薄型で軽量であることも要求される。そのため、FPDの構成部品であるガラス基板については、その薄板化が推進されているのが現状である。しかしながら、板厚が500μm以下まで薄板化されたようなガラス基板に対し、上記の方法で熱処理を施した場合には、セッター上のガラス基板が端部を起点に破損しやすいという問題があった。
なお、上記のような問題は、下記の(A),(B)の二点に起因して生じているものと想定される。(A)熱処理後にセッターとガラス基板とが冷えていく際、両者が不可避的に密着し、相互に固定された状態となることがある。(B)両者が冷えていく際、ガラス基板の表層部と内部との間で温度差が生じ、基板内で熱膨張差が発生する。これら二点から、セッターに固定された状態のガラス基板内で熱膨張差が発生することで基板に応力が作用し、この応力が強度の弱い端部を起点に基板を破損に至らしめているものと想定される。
上記の事情に鑑みなされた本発明は、板厚が500μm以下のガラス基板について、セッターと重ね合わせた状態で熱収縮率を低下させるための熱処理を施すにあたり、基板の破損を防止することを技術的な課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、板厚が500μm以下のガラス基板全体をセッターと重ね合わせた状態で、ガラス基板に熱収縮率を低下させるための熱処理を施すガラス基板の熱処理方法であって、ガラス基板として、表面側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度と、裏面側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度とが、共に200MPa以上である基板を用いることに特徴付けられる。
この方法では、熱処理の対象となるガラス基板として、表面側と裏面側とのいずれを凸となるように湾曲させた場合でも、その端部強度が200MPa以上であるガラス基板を用いている。すなわち、板厚が500μm以下と薄いながらも、端部を起点とした破損を十分に防止できるだけの端部強度を備えたガラス基板を用いている。これにより、ガラス基板全体をセッターと重ね合わせた状態で、熱収縮率を低下させるための熱処理を施したとしても、熱処理に伴ってガラス基板が破損するような事態の発生を防止することが可能となる。
上記の方法において、ガラス基板の板厚が、300μm以下であることが好ましい。
板厚が300μm以下のガラス基板に対しては、例えば、研削加工により端部に含まれたマイクロクラックを除去し、端部強度の向上を図るようなことを行い難い。これは、ガラス基板の板厚が極めて薄いことから、研削加工に伴って端部に作用する力によりガラス基板が破損に至る蓋然性が高いためである。しかしながら、本発明に係る方法では、熱処理の対象となるガラス基板として、十分な端部強度を備えたガラス基板を用いているため、その端部に対して改めて強度の向上を図る必要がなく、勿論、研削加工を行う必要もない。このことから、ガラス基板の板厚が300μm以下である場合に、本発明に係る方法を適用すれば、その効果をより有効に活用することができる。
上記の方法において、ガラス基板の端部が、ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、母ガラス基板をレーザー割断により割断することで形成した割断端部であることが好ましい。
レーザー割断により形成した割断端部は、その端部強度を200MPa以上にすることが可能である。従って、ガラス基板の端部が、レーザー割断により形成した割断端部であれば、ガラス基板の破損を防止する上で好適となる。
上記の方法において、ガラス基板の表裏面のうち、母ガラス基板の割断の起点となった初期クラックの痕が残存していない方の面を、セッターに接触させることが好ましい。
ガラス基板において、割断の起点となった初期クラックの痕が残存した部位(端部上の部位)は、その他の部位よりも必然的に強度が低くなる。また、ガラス基板の表裏面のうち、セッターに接触する側の面では、接触しない側の面と比較して熱処理に伴って大きな応力が作用しやすい。そのため、初期クラックの痕が残存していない方の面をセッターに接触させ、痕が残存した方の面をセッターに接触させないようにすれば、強度の低い初期クラックの痕を起点にガラス基板が破損する虞を可及的に排除でき、より確実にガラス基板の破損を防止することが可能となる。
上記の方法において、ガラス基板として、母ガラス基板の割断により四辺の各々が形成された矩形の基板を用いると共に、初期クラックの痕を、ガラス基板に一つのみ残存させることが好ましい。
このようにすれば、矩形のガラス基板における四辺の各々がレーザー割断によって形成された割断端部となると共に、ガラス基板に残存する初期クラックの痕が一つのみに抑制されるため、ガラス基板の破損を一層確実に防止することができる。
上記の方法において、ガラス基板の端部が、ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、母ガラス基板をレーザー溶断により溶断することで形成した溶断端部であってもよい。
レーザー溶断により形成した溶断端部は、その端部強度を200MPa以上にすることが可能である。従って、ガラス基板の端部が、レーザー溶断により形成した溶断端部であれば、ガラス基板の破損を防止する上で好適となる。
上記の方法において、ガラス基板の端部が、ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、切断予定線に沿って母ガラス基板を切断する切断工程の実行により形成した切断端部であり、切断工程が、母ガラス基板における切断予定線を含む部位を湾曲させる湾曲工程と、母ガラス基板の凸湾曲面側から切断予定線上に切断の起点となるクラックを形成するクラック形成工程とを含んでいてもよい。
切断工程の実行により形成した切断端部は、その端部強度を200MPa以上とすることが可能である。そのため、ガラス基板の端部がこのような切断端部であれば、ガラス基板の破損を防止する上で好適となる。
上記の方法において、ガラス基板の表裏面のうち、凸となるように湾曲させた場合に端部強度が高くなる方の面を、セッターに接触させることが好ましい。
上述のように、ガラス基板の表裏面のうち、セッターに接触する側の面では、接触しない側の面と比較して熱処理に伴って大きな応力が作用しやすい。このため、凸となるように湾曲させた場合に端部強度が高くなる方の面、すなわち、ガラス基板を破損させ得る欠陥が少ない方の面をセッターに接触させれば、ガラス基板の破損をより確実に防止することができる。
本発明では、熱処理の対象となるガラス基板として、板厚が500μm以下と薄いながらも、端部を起点とした破損を十分に防止できるだけの端部強度を備えたガラス基板を用いている。これにより、板厚が500μm以下のガラス基板について、セッターと重ね合わせた状態で熱収縮率を低下させるための熱処理を施すにあたり、基板の破損を防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における熱処理工程を示す縦断正面図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における切出工程を示す斜視図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における切出工程を示す平面図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における試験工程を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における切出工程の変形例を示す縦断正面図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における切出工程の変形例を示す縦断正面図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法における熱処理工程を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法について、添付の図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るガラス基板の熱処理方法は、それぞれがセッター1に支持された複数枚のガラス基板2を熱処理炉3内で上下複数段に配した状態で、各ガラス基板2に対して熱収縮率を低下させるための熱処理を施す方法である。この熱処理方法では、各ガラス基板2として、板厚が500μm以下であると共に、表面2a側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度(以下、表面凸湾曲時端部強度と表記)と、裏面2b側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度(以下、裏面凸湾曲時端部強度と表記)とが、共に200MPa以上である基板を用いる。
ここで、上記の熱処理方法において、「表面凸湾曲時端部強度と裏面凸湾曲時端部強度とが、共に200MPa以上であるガラス基板2」とは、以下の「切出工程」〜「平均端部強度算出工程」の各工程を実行した結果から、表面凸湾曲時端部強度と裏面凸湾曲時端部強度とが、共に200MPa以上であるものとみなしたガラス基板2を意味する。
「切出工程」:同一の製造条件で製造した多数枚の母ガラス基板4から、同一の切断条件により切り出した多数枚のガラス基板2を得る(図2,図3)。
「サンプル採取工程」:切出工程で得られた多数枚のガラス基板2の中から、40枚を二点曲げ試験に用いるサンプルガラス基板2Xとして無作為に採取する。
「試験工程」:サンプル採取工程で採取した40枚のサンプルガラス基板2Xの半数(以下、サンプルA群と表記)に対し、その各々の表面2Xa側が凸となるように湾曲させて二点曲げ試験を行うと共に、残りの半数(以下、サンプルB群と表記)に対し、その各々の裏面2Xb側が凸となるように湾曲させて二点曲げ試験を行う(図4)。
「平均端部強度算出工程」:サンプルA群およびサンプルB群の各々について、二点曲げ試験で端部2Xcを起点に破損したサンプルガラス基板2Xのみを抽出すると共に、二点曲げ試験から判明した各サンプルガラス基板2Xの端部強度の平均値(以下、それぞれ平均端部強度A、平均端部強度Bと表記)を算出する。
以上の各工程を実行し、平均端部強度Aと平均端部強度Bとが、共に200MPa以上である場合に、サンプル採取工程でサンプルガラス基板2Xとして採取していないガラス基板2の各々を、その表面凸湾曲時端部強度と裏面凸湾曲時端部強度とが、共に200MPa以上であるものとみなす。
以下、上記の切出工程〜平均端部強度算出工程の各工程について詳述する。
<切出工程>
切出工程では、多数枚の母ガラス基板4の各々を同一の切断条件で切断することにより、ガラス基板2を切り出す限りで、種々の切断手法を採用することができる。ただし、後の平均端部強度算出工程で算出される平均端部強度Aおよび平均端部強度Bを、共に200MPa以上とすることが可能な切断手法に限る。この条件を満たす切断手法は後に例示する。また、同一形状および同一サイズに切り出す限りで、切り出すガラス基板2を任意の形状およびサイズとすることができる。本実施形態では、レーザー割断によって各母ガラス基板4を切断し、各母ガラス基板4から矩形のガラス基板2を切り出すことで、切出工程を実行する場合を例に挙げる。
以下、母ガラス基板4のレーザー割断に用いる割断装置5について説明する。
図2に示すように、割断装置5は、母ガラス基板4を下方から支持した状態で水平に移動が可能な加工台6と、加工台6に支持された母ガラス基板4にレーザー7を照射するレーザー照射器8と、母ガラス基板4に冷媒9を噴射する冷媒噴射ノズル10とを備えている。
加工台6は、図2に示すX方向、及び、X方向に直交するY方向に沿って移動が可能となっている。レーザー照射器8は、定点に固定された状態で設置されており、加工台6がX方向、或いは、Y方向に移動するのに伴い、母ガラス基板4の割断予定線11に沿ってレーザー7を照射することで、母ガラス基板4にレーザー7の熱で加熱された加熱部12を形成する(図2には、加工台6をX方向に移動させた場合を例示している)。冷媒噴射ノズル10は、レーザー照射器8と同様に、定点に固定された状態で設置されており、冷媒9を加熱部12に向かって噴射し、加熱部12の一部を冷却することで、母ガラス基板4に冷却部13を形成する。
この割断装置5は、隣接して形成された加熱部12と冷却部13との温度差に起因して発生する熱応力により、母ガラス基板4の端部4aに形成した初期クラック14を起点として、割断部15を割断予定線11に沿って漸次に形成していくことで、母ガラス基板4を割断する。
ここで、母ガラス基板4から切り出すガラス基板2の形状が矩形の場合、当該ガラス基板2のサイズは、好ましくは300mm角以上、より好ましくは400mm角以上、より一層好ましくは500mm角以上、最も好ましくは600mm角以上である。
また、ガラス基板2の板厚は、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、より一層好ましくは150μm以下、最も好ましくは100μm以下である。ガラス基板2の板厚が小さいほど、ガラス基板2を構成部品とする製品(例えば、FPD)の薄型化・軽量化に対する貢献度が増すと共に、フレキシブル性を付与することが可能となる。ただし、ガラス基板2の板厚が小さすぎると、ガラス基板2に必要とされる最低限の強度を確保することができない。そのため、ガラス基板2の板厚は、好ましくは5μm以上である。
さらに、ガラス基板2の歪点は、好ましくは600℃以上、より好ましくは650℃以上、より一層好ましくは680℃以上、最も好ましくは700℃以上である。なお、ここでいう歪点とは、ASTM C336に規定の方法に基づいて測定した値である。
上述のサイズ、板厚および歪点を有するガラス基板2は、例えば、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス等で構成することができる。本実施形態では、上記の各種のガラスのうち、経年劣化が最も生じ難い無アルカリガラスで構成されたガラス基板2を使用している。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)を実質的に含まないガラスを意味し、具体的には、アルカリ成分の含有量が3000ppm以下のガラスを意味する。なお、アルカリ成分の含有量は、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、最も好ましくは300ppm以下である。
以下、上記の割断装置5を用いて、各母ガラス基板4からガラス基板2を切り出す態様について、図3を参照して説明する。なお、図3においては、割断装置5が備えた加工台6、レーザー照射器8、及び冷媒噴射ノズル10の図示を省略している。
図3(a)に示すように、母ガラス基板4には、切り出しの対象であるガラス基板2(ハッチングを施した部位)が含まれている。ガラス基板2は、一対の長辺2c,2dと、一対の短辺2e,2fとの四辺を備えた矩形の基板である。まず、図3(b)に示すように、母ガラス基板4の端部4aに対して第一初期クラック16を形成し、この第一初期クラック16を起点として、ガラス基板2の長辺2cに沿って延びる第一割断予定線17上に第一割断部18を漸次に形成していくことで、四辺のうちの長辺2cを切り出す。
次に、図3(c)に示すように、母ガラス基板4の端部4aに対して第二初期クラック19を形成し、この第二初期クラック19を起点として、ガラス基板2の短辺2eに沿って延びる第二割断予定線20上に第二割断部21を漸次に形成していくことで、短辺2eを切り出す。なお、短辺2eの切り出しに伴って、母ガラス基板4から第一初期クラック16の痕を含む部位が除去される。次に、図3(d)に示すように、母ガラス基板4の端部4aに対して第三初期クラック22を形成し、この第三初期クラック22を起点として、ガラス基板2の短辺2fに沿って延びる第三割断予定線23上に第三割断部24を漸次に形成していくことで、短辺2fを切り出す。
最後に、図3(e)に示すように、母ガラス基板4の端部4aに対して第四初期クラック25を形成し、この第四初期クラック25を起点として、ガラス基板2の長辺2dに沿って延びる第四割断予定線26上に第四割断部27を漸次に形成していくことで、四辺のうち、最後に残った長辺2dを切り出す。長辺2dの切り出しが完了すると、図3(f)に示すように、母ガラス基板4の割断によって四辺の各々が形成されたガラス基板2が切り出される。つまり、このガラス基板2の端部2gは、レーザー割断によって形成された割断端部となっている。なお、長辺2dの切り出しに伴って、母ガラス基板4から第二初期クラック19の痕、および、第三初期クラック22の痕を含む部位が除去される。これにより、ガラス基板2には、第一初期クラック16の痕〜第四初期クラック25の痕のうち、第四初期クラック25の痕一つのみが残存する。
上記の母ガラス基板4からのガラス基板2の切り出しを、多数枚の母ガラス基板4の各々に対して順次に実行することで、同一の切断条件で切り出された多数枚のガラス基板2が得られる。以上により切出工程が完了する。
<サンプル採取工程>
サンプル採取工程では、多数枚のガラス基板2の中から、40枚をサンプルガラス基板2Xとして採取する。これらの40枚のサンプルガラス基板2Xのうち、半数をサンプルA群とすると共に、残りの半数をサンプルB群とする。
<試験工程>
図4(a)に示すように、サンプルA群に属するサンプルガラス基板2Xの各々は、その表面2Xa側(第四初期クラック25の痕が残存していない面側)が凸となるようにU字状に湾曲させて試験を行う。一方、図4(b)に示すように、サンプルB群に属するサンプルガラス基板2Xの各々は、その裏面2Xb側(第四初期クラック25の痕が残存した面側)が凸となるようにU字状に湾曲させて試験を行う。
具体的には、サンプルガラス基板2Xを上下一対の板体28,28で挟んだ状態で、上方側の板体28を50mm/minの速度で降下させることで、サンプルガラス基板2Xの湾曲した部位の曲率を漸次に大きくしていく。上方側の板体28の降下は、サンプルガラス基板2Xが破損するまで継続して行う。上述した二点曲げ試験をサンプルA群に属する全てのサンプルガラス基板2X、及び、サンプルB群に属する全てのサンプルガラス基板2Xに対して順次に行う。以上により試験工程が完了する。
なお、本実施形態では、各サンプルガラス基板2Xの一対の長辺2c,2dと、一対の短辺2e,2fとのうち、一対の長辺2c,2dが湾曲するように試験を行っている。これは、一対の短辺2e,2fを湾曲させた場合よりも、一対の長辺2c,2dを湾曲させた場合の方が、サンプルガラス基板2Xの曲率を維持しやすく、端部強度を正確に把握できるためである。このことから、本実施形態の変形例として、切出工程で切り出すガラス基板2の形状を矩形とは異ならせた場合や、切出工程でレーザー割断とは異なる切断手法によりガラス基板2を切り出した場合にも、端部強度を正確に把握するべく、サンプルガラス基板2Xを一対の板体28,28で固定しやすくなるように、サンプルガラス基板2Xを湾曲させて試験を行うことが好ましい。
<平均端部強度算出工程>
平均端部強度算出工程では、はじめに、サンプルA群およびサンプルB群の各々について、二点曲げ試験により破損したサンプルガラス基板2Xのうち、端部2Xcを起点に破損したサンプルガラス基板2Xのみを抽出する。つまり、一対の長辺2c,2dのいずれかを起点に破損したサンプルガラス基板2Xのみを抽出する。
次に、サンプルA群およびサンプルB群の各々について、抽出したサンプルガラス基板2Xの各々における端部強度σを下記の式1(参考文献:S.T.Gulati,SID 11 DIGEST,652)から割り出す。なお、式1において、Eはサンプルガラス基板2Xのヤング率、tはサンプルガラス基板2Xの板厚、Dはサンプルガラス基板2Xが端部2Xcを起点に破損した時の一対の板体28,28の間隔を表している。
σ=1.198[E・t/(D−t)]・・・(式1)
最後に、サンプルA群およびサンプルB群の各々について、上記の式1から割り出した端部強度σの平均値を算出することで、サンプルA群における端部強度σの平均値である平均端部強度Aと、サンプルB群における端部強度σの平均値である平均端部強度Bとを算出する。以上により平均端部強度算出工程が完了する。
なお、平均端部強度Aと平均端部強度Bとが、共に200MPa以上である場合に、多数枚のガラス基板2のうち、サンプル採取工程でサンプルガラス基板2Xとして採取していない各ガラス基板2について、その表面凸湾曲時端部強度と裏面凸湾曲時端部強度とを、共に200MPa以上とみなすことができるのは、以下の理由による。すなわち、二点曲げ試験で破損するサンプルガラス基板2Xと、熱処理の対象となるガラス基板2とが、相互に同一の製造条件により製造された各母ガラス基板4から、同一の切断条件によって切り出された基板同士であり、略均等な状態にある基板同士とみなせるためである。
ここで、上記の切出工程において、母ガラス基板4からガラス基板2を切り出すにあたって採用が可能な切断手法のうち、レーザー割断を採用した場合に、平均端部強度Aおよび平均端部強度Bを、共に200MPa以上とすることが可能な切断条件を下記の表1に例示する。なお、表1に示した各切断条件は、母ガラス基板4から矩形のガラス基板2を切り出すにあたり、四辺(一対の長辺2c,2d及び一対の短辺2e,2f)の各々の切り出しに共通する切断条件である。また、表1における「板厚」、「レーザー出力」、「ミスト流量」、「エアー圧力」、「割断速度」、「ビーム長さ」の各項目は、それぞれ下記の事項を表している。
「板厚」:母ガラス基板4(日本電気硝子社製のガラス基板(製品名:OA−10G))、及び、母ガラス基板4から切り出されるガラス基板2の板厚
「レーザー出力」:レーザー照射器8が照射するレーザー7の出力
「ミスト流量」:冷媒噴射ノズル10が噴射する冷媒9(空気と水とを混合させてなるミスト)の単位時間あたりの流量
「エアー圧力」:冷媒9(ミスト)に含まれる空気の噴射圧力
「割断速度」:母ガラス基板4に形成された加熱部12および冷却部13が、母ガラス基板4に対して相対的に移動する速度(加工台6が移動する速度に等しい)
「ビーム長さ」:割断予定線11に沿ったレーザー7のスポットの長さ(図2に示した長さ寸法L)
Figure 0006608308
表1に示した四つの切断条件の下では、平均端部強度Aはいずれも650MPaとなり、平均端部強度Bはいずれも600MPaとなる結果が得られた。つまり、平均端部強度Aと平均端部強度Bとが、共に200MPa以上であった。このため、これら四つの切断条件の下で切出工程を実行することで、各母ガラス基板4からガラス基板2を切り出して得られた多数枚のガラス基板2のうち、サンプル採取工程でサンプルガラス基板2Xとして採取していないガラス基板2に対しては、熱処理が実行される。なお、表1に示した四つの切断条件の下で切り出したガラス基板2では、一対の長辺2c,2d及び一対の短辺2e,2fの各々について、1mmあたりに含まれる欠陥(全長が1μm以上のマイクロクラック)の個数が、10個以下であった。この個数は、スクライブホイールを用いたスクライブ折割を行うことで、一対の長辺2c,2d及び一対の短辺2e,2fの各々を切り出す場合と比較して、極めて少ない個数であり、平均端部強度Aおよび平均端部強度Bとして、200MPaを大きく超える強度が得られた要因であるものと考えられる。
なお、切出工程において採用が可能な切断手法のうち、平均端部強度Aおよび平均端部強度Bを共に200MPa以上とすることが可能な切断手法は、レーザー割断に限られるものではない。レーザー割断の他、レーザー溶断や曲げ応力切断を切断手法として採用した場合にも、平均端部強度Aと平均端部強度Bとを共に200MPa以上とすることが可能となる。なお、このレーザー溶断や曲げ応力切断は、母ガラス基板4の板厚が300μm以下である場合に採用することが好ましい。
以下、切出工程にレーザー溶断や曲げ応力切断を切断手法として採用する場合の態様について説明する。まず、レーザー溶断により切出工程を実行する場合の態様を説明する。
図5に示すように、母ガラス基板4のレーザー溶断には溶断装置29を用いる。溶断装置29は、母ガラス基板4を下方から支持する加工台6と、母ガラス基板4にレーザー7を照射するレーザー照射器8と、レーザー7の熱により溶融した溶融ガラス30を飛散させるための第一アシストガス31を噴射するアシストガス噴射ノズル32とを備えている。
レーザー照射器8は、定点に固定された状態で設置されており、その内部にレーザー7を集光し、母ガラス基板4に照射するためのレンズ8aが取付けられている。このレーザー照射器8には、レーザー7の照射方向に沿って噴射する第二アシストガス33を内部に導入するためのガス導入管8bが連結されている。また、レーザー照射器8には、レーザー7および第二アシストガス33を、それぞれ照射および噴射するための照噴射口8cが形成されている。アシストガス噴射ノズル32は、母ガラス基板4の表面4bに対して傾斜した姿勢をとると共に、定点に固定された状態で設置されている。アシストガス噴射ノズル32は、筒状に形成されており、その内部を通過した第一アシストガス31をレーザー7の照射部34に向けて噴射することが可能となっている。加工台6は、レーザー7の照射部34を挟んで一対が設置されている。この一対の加工台6,6は、母ガラス基板4を支持した状態で、図5における紙面に鉛直な方向に沿って同期して移動が可能となっている。
この溶断装置29は、母ガラス基板4を支持した両加工台6,6の移動に伴って、レーザー照射器8から母ガラス基板4に向けて連続的にレーザー7を照射する。そして、レーザー7の照射部34で溶融した溶融ガラス30を、アシストガス噴射ノズル32から噴射した第一アシストガス31、及び、レーザー照射器8から噴射した第二アシストガス33により飛散させて除去することで、母ガラス基板4を溶断する。
一例として、上記の溶断装置29により、板厚が100μmの母ガラス基板4からガラス基板2を切り出すに際し、レーザー出力を14W、レーザー7のスポット径(母ガラス基板4の表面4b上における径)を75μm、パルス周期/パルス幅を1000/180μm、溶断速度(両加工台6,6が移動する速度に等しい)を20mm/s、母ガラス基板4の表面4bに対するアシストガス噴射ノズル32の傾斜角度θを35°、第一アシストガス31の流量を20L/min、第二アシストガス33の流量を10L/minとすれば、平均端部強度Aと平均端部強度Bとを、共に200MPa以上とすることが可能である。上記の態様によって切り出したガラス基板2の端部2gは、レーザー溶断によって形成された溶断端部となる。
次に、曲げ応力切断により切出工程を実行する場合の態様を説明する。
図6に示すように、母ガラス基板4の曲げ応力切断には切断装置35を用いる。切断装置35は、母ガラス基板4を下方から支持する支持面36aが形成された支持部材36と、支持部材36に支持された母ガラス基板4の切断予定線37(図6において紙面に鉛直な方向に延びている)上にクラックを形成するクラック形成器38とを備えている。
支持部材36に形成された支持面36aは、一様な曲率半径Rで湾曲した部分円筒面に形成されており、支持部材36に支持された母ガラス基板4の切断予定線37を含む部位を、部分円筒面に倣って湾曲させることで、当該部位に曲げ応力を付与することが可能となっている。クラック形成器38は、その先端部が母ガラス基板4を押圧することで、切断予定線37上にクラックを形成することが可能となっている。
この切断装置35を用いた母ガラス基板4の切断工程では、まず、支持部材36上に母ガラス基板4を載置することで、母ガラス基板4における切断予定線37を含む部位を支持面36aに倣って湾曲させる湾曲工程を実行する。次いで、母ガラス基板4の凸湾曲面4c側から切断予定線37上に切断の起点となるクラックを形成するクラック形成工程を実行する。これにより、クラックを切断の起点として、切断予定線37を含む部位に付与された曲げ応力により、切断予定線37の全長に切断部を進展させることで、母ガラス基板4を切断する。
一例として、上記の切断装置35により、板厚が200μmの母ガラス基板4からガラス基板2を切り出すに際し、支持面36aの曲率半径Rを250mm(切断予定線37を含む部位に約35MPaの曲げ応力が付与される)とすれば、平均端部強度Aおよび平均端部強度Bを共に200MPa以上とすることが可能である。上記の態様により切り出されたガラス基板2の端部2gは、曲げ応力切断によって形成された切断端部となる。
なお、上述したレーザー溶断や曲げ応力切断の他、フッ化水素(HF)等を用いたエッチングにより切出工程を実行した場合にも、平均端部強度Aと平均端部強度Bとを、共に200MPa以上とすることが可能である。
<熱処理工程>
以下、ガラス基板2に熱処理を施す熱処理工程について説明する。まず、ガラス基板2と、当該ガラス基板2を支持するセッター1との重ね合わせの態様、及び、熱処理工程に用いる上で好適なセッター1について説明する。
図7に示すように、熱処理工程では、その端部2gが割断端部とされたガラス基板2全体を、ガラス基板2よりも一回り大きいセッター1と重ね合わせた状態で、ガラス基板2に熱処理を施す。ガラス基板2については、その表裏面のうち、第四初期クラック25の痕が残存していない方の面をセッター1と接触させている。すなわち、凸となるように湾曲させた場合に端部強度が高くなる方の面をセッター1と接触させている。なお、ガラス基板2は、セッター1と重ね合わせる前に洗浄してもよい。このようにすれば、ガラス基板2を得る過程で付着した異物が、熱処理に伴ってガラス基板2に焼き付くことを防止できる。
ここで、本実施形態の変形例として、その端部2gが溶断端部とされたガラス基板2を、セッター1と重ね合わせる場合には、凸となるように湾曲させた場合に端部強度が高くなる方の面をセッター1と接触させるため、レーザー溶断時にレーザー7の照射先側に位置していた面をセッター1に接触させる。また、別の変形例として、その端部2gが切断端部とされたガラス基板2を、セッター1と重ね合わせる場合にも、凸となるように湾曲させた場合に端部強度が高くなる方の面をセッター1と接触させるため、曲げ応力切断時に凹湾曲面であった面をセッター1に接触させる。
セッター1は、一枚の板状部材でなる。ここで、ガラス基板2とセッター1との両者間で熱膨張係数の差が大きいと、熱処理時のガラス基板2とセッター1との膨張差に起因して、ガラス基板2に傷等が生じる虞が高まる。そのため、セッター1の材質としては、ガラス基板2と同等の熱膨張係数を有する材質を用いるが好ましい。具体的には、30℃〜380℃の温度域におけるガラス基板2との熱膨張係数の差が5×10−7/℃以内の材質を用いることが好ましい。なお、最も好ましくは、ガラス基板2と同一の組成を有するガラスを用いる。そのため、本実施形態では、セッター1を無アルカリガラス製の板状部材で構成している。
なお、セッター1は、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス等のその他のガラス材料でなるものでもよい。また、ガラス以外の耐熱性に富んだ材料、例えば、セラミックスや金属等でなるセッター1を用いてもよい。
セッター1の板厚は、好ましくは0.5mm〜3.0mm、より好ましくは0.5mm〜2.5mm、さらに好ましくは0.5mm〜2.0mm、より一層好ましくは0.7mm〜2.0mm、最も好ましくは1.0mm〜2.0mmである。これは、セッター1の板厚が0.5mmよりも小さい場合には、セッター1が熱処理に伴って変形する虞が高まり、セッター1の板厚が3.0mmよりも大きい場合には、セッター1の熱容量が大きくなり、熱処理中に不当に熱エネルギーが消失されてしまうからである。従って、セッター1の板厚を上記の範囲内に設定しておけば、ガラス基板2の熱処理を高精度、且つ効率的に行うことができる。
図7では図示を省略しているが、セッター1におけるガラス基板2との接触部は、無機薄膜で構成してもよい。このようにすれば、熱処理に伴ってガラス基板2が高温になった場合でも、ガラス基板2がセッター1に対して接着するような事態の発生を回避することが可能である。このため、熱処理工程の後に、ガラス基板2とセッター1とを容易に分離させることが可能となり、セッター1との分離に伴って、ガラス基板2が破損する虞を可及的に排除できる。なお、無機薄膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルゲル法等の公知の手法で成膜することが可能である。
無機薄膜は、例えば、ITO、Ti、Si、Au、Ag、Al、Cr、Cu、Mg、SiO、Al、MgO、Y、La、Pr11、Sc、WO、HfO、In、ZrO、Nd、Ta、CeO、Nb、TiO、TiO、Ti、NiO、ZnO、SiN、AlNから選択されるいずれか一種の膜、或いは、二種以上の膜を積層させて構成することができる。なお、これらの膜のうち、ITO等の酸化物で無機薄膜を構成することが特に好ましい。これは、酸化物でなる薄膜は熱に対する寸法安定性に優れているため、この薄膜が成膜されたセッター1を繰り返し熱処理工程に使用することが可能となるからである。
無機薄膜の表面粗さRa(JIS B0601に規定の算出平均粗さRa)の値は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、より一層好ましくは50nm以下、最も好ましくは10nm以下である。これは、表面粗さRaの値が100nmより大きいと、ガラス基板2とセッター1との間に気泡が介在しやすく、熱処理の過程でガラス基板2がセッター1に対して滑りやすくなり、セッター1がガラス基板2を安定的に支持することが難しくなるためである。
ただし、無機薄膜の表面粗さRaの値が小さすぎると、熱処理中に、無機薄膜に対するガラス基板2の密着力が過剰に高まってしまい、熱処理工程の後でガラス基板2をセッター1から分離させることが困難になる。そのため、表面粗さRaの値は、1.0nm以上とするのが好ましく、2.0nm以上とするのがより好ましく、3.0nm以上とするのがさらに好ましい。なお、無機薄膜の表面粗さRaの値は、触針式表面粗さ計やAFM(原子間力顕微鏡)などを用いて測定することが可能である。
なお、無機薄膜を形成するためのコストや、無機薄膜の強度を考慮すると、その厚みは、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、最も好ましくは300nm以下である。ただし、無機薄膜の厚みが小さすぎると、熱処理工程の後に、セッター1からガラス基板2を分離させ難くなる。そのため、無機薄膜の厚みは、好ましくは5nm以上である。
また、セッター1におけるガラス基板2との接触部は、粗化させてもよい。このようにすれば、上記のように接触部を無機薄膜で構成した場合と同様、熱処理に伴ってガラス基板2が高温になった場合でも、ガラス基板2がセッター1に対して接着するような事態の発生を回避することが可能である。粗化の方法としては、フッ酸をはじめとする酸処理や研磨等で行うことができる。
以下、熱処理に用いる熱処理炉3について説明する。
図1に示すように、熱処理炉3は、ガラスチャンバー39と、ガラス棚40を載置した状態でガラスチャンバー39に対して昇降移動する昇降台41と、ガラスチャンバー39を収容した炉壁42と、ガラスチャンバー39を外部から加熱するヒーター43とを備えている。この熱処理炉3はクリーンルーム内に配置されており、熱処理工程はクリーンルーム内で実行される。
ガラスチャンバー39は、下端に開口部が形成された有蓋筒状体に形成されており、その内部に熱処理空間Sが形成される。このガラスチャンバー39は、石英ガラスを一体に成形することで形成されており、継ぎ目なく熱処理空間Sを形成している。
ガラス棚40は、上下複数段に配された収容部44を有し、各収容部44は、昇降台41上に設置された一対の柱部40a,40aと、柱部40a,40aに対して着脱可能な棚板40bとを備えている。柱部40aおよび棚板40bは、いずれも石英ガラスで形成されている。本実施形態では、棚板40bとして格子状の枠体を用いており、棚板40bの上面には複数のピン状の突起が設けられている。そして、平置き姿勢のガラス基板2を下方側から支持するセッター1は、ピン状の突起により下方側から支持される。
昇降台41は、ガラス棚40を載置した石英ガラス製の載置部41aを有し、この載置部41aが上昇位置に位置したとき、ガラスチャンバー39の下端に形成された開口部が閉鎖され、ガラス棚40が熱処理空間S内に配置される。一方、載置部41aが図示省略の下降位置まで下降したとき、載置部41aに載置されたガラス棚40の各収容部44に対し、セッター1およびガラス基板2の積み込み及び積み降ろしが行われる。
炉壁42は、下端に開口部が形成された有蓋筒状体に形成されており、その全体が耐火物で構成されている。炉壁42のちの側壁の内壁面、及び、天井壁の内壁面のそれぞれには、ヒーター43が取り付けられている。ヒーター43としては、例えば、ニクロム系の発熱体に代表される金属系の発熱体を使用することが可能である。
図1では図示を省略しているが、熱処理炉3には、ガラスチャンバー39を外部から冷却する冷却手段(例えば、送風機)が設けられている。この冷却手段を設けておくことで、ヒーター43で加熱された熱処理空間Sの雰囲気を効率よく冷却することができる。
以下、上記の熱処理炉3を用いた熱処理工程の態様について説明する。この熱処理工程においては、昇温ステップ、保温ステップ、及び降温ステップが順次に実施される。
昇温ステップの実施に先立って、昇降台41の載置部41aを下降位置に位置させ、ガラス棚40の各収容部44にセッター1及びガラス基板2を積み込んでから、昇降台41を上昇移動させてガラス棚40をガラスチャンバー39内の熱処理空間Sに配置する。なお、各収容部44に対するセッター1及びガラス基板2の積み込み、また、熱処理後における各収容部44からの積み降ろしは、例えば、セッター1を下方から支持することが可能なロボットフォークを用いて行うことができる。
昇温ステップは、ガラス基板2の温度を所定の温度まで上昇させるステップであり、ここでは、ガラス基板2が3℃/min以上、好ましくは5℃/min以上、一層好ましくは7℃/min以上の昇温速度で昇温するようにヒーター43の出力を調整している。ただし、ガラス基板2の昇温速度が速すぎると、ガラス基板2が破損する虞が高まることから、昇温速度は、好ましくは30℃/min以下、より好ましくは20℃/min以下とする。
そして、昇温ステップでは、ガラス基板2の温度が、ガラス基板2の歪点以下の温度となるまで、ガラスチャンバー39内の熱処理空間Sを外部から加熱する。具体的には、ガラス基板2の歪点を[T]℃としたとき、ガラス基板2の温度が、好ましくは[T−30]℃以下、より好ましくは[T−50]℃以下、より一層好ましくは[T−80]℃以下、最も好ましくは[T−100]℃以下となるまで加熱する。これにより、ガラス基板2に不当な形状の変化が生じることを防止しつつ、ガラス基板2の熱収縮率を低下させることができる。ただし、ガラス基板2を十分に加熱しなければ、ガラス基板2の熱収縮率を適切に低下させることができないため、ガラス基板2の温度が[T−200]℃以上となるまで加熱する。
保温ステップでは、所定の温度になるまで加熱されたガラス基板2を、当該所定の温度に維持した状態で所定の時間(具体的には5min〜120min)保持する。これにより、ガラス基板2の相互間で形状のバラつきが生じる虞を可及的に抑制しつつ、個々のガラス基板2の熱収縮率を適切に低下させることができる。
降温ステップでは、ガラス基板2の温度を徐々に降下させる。降温速度は、好ましくは1℃/min以上、より好ましくは2℃/min以上、より一層好ましくは5℃/min以上とする。これにより、降温ステップの処理時間を短縮でき、ガラス基板2の生産性を高めることができる。ただし、降温速度が速すぎると、ガラス基板2の熱収縮率を十分に低下させることができない。また、これに加えて、ガラス基板2に反りが発生する等して、ガラス基板2の形状が悪化しやすくなる。そのため、降温速度は20℃/min以下が好ましく、15℃/min以下が一層好ましい。
本発明の実施例(実施例1〜4)として、上記の表1に示す各条件で母ガラス基板から切り出した矩形のガラス基板に対し、熱収縮率を低下させるための熱処理を施した後、ガラス基板が破損した割合を検証した。なお、比較例(比較例1〜4)として、母ガラス基板へのスクライブ線の形成と、スクライブ線周辺への曲げ応力の付与とで切断を行う折割を実行し、この折割によって母ガラス基板から切り出した矩形のガラス基板に対し、熱収縮率を低下させるための熱処理を施した後、ガラス基板が破損した割合を検証した。
各実施例および各比較例において、ガラス基板のサイズは730mm×920mmである。セッターとしては、ガラス基板との接触部にITO膜を成膜したセッター(日本電気硝子社製のガラス基板(製品名:OA−10G))を使用した。セッターのサイズは750mm×940mmであり、板厚は1.6mmである。ガラス基板およびセッターは、それぞれクリーンルーム内で洗浄した後、乾燥させた。その後、ガラス基板とセッターとを重ね合わせ、熱処理温度:560℃、熱処理時間:60minの条件の下で、ガラス基板に熱処理を施した。
実施例1〜4の各々において、ガラス基板が破損する割合は、ガラス基板の表面(初期クラックの痕が残存していない面)をセッターに接触させた場合と、裏面(初期クラックの痕が残存している面)をセッターに接触させた場合との双方について検証を行った。ここで、実施例1〜4の各々について、表面をセッターに接触させるガラス基板と、裏面をセッターに接触させるガラス基板とを、それぞれ25枚ずつ準備した。そして、25枚のうち、破損した基板の枚数を数えることで破損率を算出した。
比較例1〜4の各々においては、ガラス基板の裏面(折割の起点となるスクライブ線が形成された面)をセッターに接触させて検証を行った。なお、比較例1〜4の各々について、25枚のガラス基板を準備した。そして、25枚のうち、破損した基板の枚数を数えることで破損率を算出した。また、比較例1〜4におけるガラス基板の板厚は、それぞれ実施例1〜4におけるガラス基板の板厚に対応している。
下記の表2に検証の結果を示す。ここで、表2で括弧書きとなっている値は、熱処理の対象となるガラス基板の板厚である。
Figure 0006608308
表2に示す結果から、実施例1〜4では、比較例1〜4よりもガラス基板の破損率が大幅に低くなっていることが分かる。このような結果が得られたのは、実施例1〜4においては、ガラス基板の表面凸湾曲時端部強度と裏面凸湾曲時端部強度とが、共に200MPa以上となっており、比較例1〜4よりも端部強度が高くなっていることに起因していると想定される。なお、比較例1〜4においては、裏面凸湾曲時端部強度(平均端部強度B)がいずれも150MPaであった。また、比較例1〜4においては、切り出されたガラス基板の一対の長辺、及び、一対の短辺の各々について、1mmあたりに含まれる欠陥(全長が1μm以上のマイクロクラック)の個数が35個であり、10個以下であった実施例1〜4よりも多数の欠陥が含まれていた。
以上の結果から、本発明に係るガラス基板の熱処理方法によれば、板厚が500μm以下のガラス基板について、セッターと重ね合わせた状態で熱収縮率を低下させるための熱処理を施すにあたり、基板の破損を防止することが可能となるものと推認される。
1 セッター
2 ガラス基板
2a 表面
2b 裏面
2c,2d 長辺
2e,2f 短辺
2g 端部
4 母ガラス基板
4c 凸湾曲面
14 初期クラック
16 第一初期クラック
19 第二初期クラック
22 第三初期クラック
25 第四初期クラック
37 切断予定線

Claims (8)

  1. 板厚が500μm以下のガラス基板全体をセッターと重ね合わせた状態で、前記ガラス基板に熱収縮率を低下させるための熱処理を施すガラス基板の熱処理方法であって、
    前記ガラス基板として、表面側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度と、裏面側が凸となるように湾曲させた場合の端部強度とが、共に200MPa以上である基板を用いることを特徴とするガラス基板の熱処理方法。
  2. 前記ガラス基板の板厚が、300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の熱処理方法。
  3. 前記ガラス基板の端部が、該ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、該母ガラス基板をレーザー割断により割断することで形成した割断端部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の熱処理方法。
  4. 前記ガラス基板の表裏面のうち、前記母ガラス基板の割断の起点となった初期クラックの痕が残存していない方の面を、前記セッターに接触させることを特徴とする請求項3に記載のガラス基板の熱処理方法。
  5. 前記ガラス基板として、前記母ガラス基板の割断により四辺の各々が形成された矩形の基板を用いると共に、前記初期クラックの痕を、前記ガラス基板に一つのみ残存させることを特徴とする請求項4に記載のガラス基板の熱処理方法。
  6. 前記ガラス基板の端部が、該ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、該母ガラス基板をレーザー溶断により溶断することで形成した溶断端部であることを特徴とする請求項2に記載のガラス基板の熱処理方法。
  7. 前記ガラス基板の端部が、該ガラス基板を母ガラス基板から切り出すに際し、切断予定線に沿って前記母ガラス基板を切断する切断工程の実行により形成した切断端部であり、
    前記切断工程が、前記母ガラス基板における前記切断予定線を含む部位を湾曲させる湾曲工程と、前記母ガラス基板の凸湾曲面側から前記切断予定線上に切断の起点となるクラックを形成するクラック形成工程とを含むことを特徴とする請求項2に記載のガラス基板の熱処理方法。
  8. 前記ガラス基板の表裏面のうち、凸となるように湾曲させた場合に前記端部強度が高くなる方の面を、前記セッターに接触させることを特徴とする請求項6又は7に記載のガラス基板の熱処理方法。
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