JP6607432B2 - 化粧料塗布体 - Google Patents

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本願発明は、例えば、液状リップ、リップグロス、又はアイシャドウ等の化粧料を塗布するために使用する化粧料塗布体に関する。
従来、上記化粧料を塗布するために使用する化粧料塗布体には、その塗布部において、軟質材の成形品の表面に対して静電植毛加工によりナイロン等のパイルを一体に接着させるものがある(特許文献1参照)。その結果、化粧料塗布体の塗布部における触感、化粧料の保持性、塗布性、及びボカシ等の操作性に優れたものとなる。
しかしながら、塗布部に対して一体に接着されるパイルは主として単一であって、しかも塗布部の表面において均質に接着されているので、塗布部における触感、化粧料の保持性、塗布性、及びボカシ等の操作性は略同様となってしまうものである。すなわち、使用者は必要に合わせて、触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性の異なる塗布面を選択して、化粧料の塗布を変化させることができないものである。
そのため、互いに異なる構成要素のパイルから形成される塗布面を有する塗布部によって構成される化粧料塗布体を複数併用することも考えられるが、外出先に複数の化粧料塗布体を携帯することは非常に煩雑であり、実用的ではないものである。
特開2002−172019号公報
本願発明が解決しようとする課題は、一つの化粧料塗布体で、使用者の必要とする触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性に合わせて塗布面を選択し、化粧料を簡易かつ確実に塗布できるようにする点である。
第1の特徴として、
軸部と、該軸部の先端方向に一体となる塗布部とから構成され、
該塗布部の表面において、互いに材質、径、長さ又は色のうち少なくとも1つ以上の異なる構成要素を有するパイルを静電植毛加工により一体に接着して複数の塗布面を形成するものであって、
塗布部12cの表面は、一面は長いパイルによって形成されつつ、その略中央の一部に短いパイルによって凹陥部13が形成される塗布面12c’、他面は長いパイルによって平坦に形成される塗布面12c”とからなるものである。
そのため、一つの化粧料塗布体の塗布部において、構成要素が異なるパイルからなる塗布面が複数形成されるものとなる。
その結果、使用者は、触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性が互いに異なる複数の塗布面から最適な塗布面を選択することによって、化粧料の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができるものである。
さらに、一つの化粧料塗布体の塗布部において形成される複数の塗布面は、使用者が必要とする触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性において確実に適合させることができるようになる。
特に、パイルの有する互いに異なる構成要素が多くなればなるほど、使用者の必要とする触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性において広範囲に渡って確実に適合させることができるものとなる。
その結果、使用者は、必要に合わせて選択した最適な塗布面によって、化粧料の塗布作業をより簡易かつ確実に行うことができるようになるものである。
なお、塗布面を形成するパイルにおいて、その構成要素のうち、例えばパイルの材質を変えることで塗布面の硬度や化粧料の保持量は互いに異なるものとなり、パイルの径を変えることで塗布面の硬度は互いに異なるものとなり、パイルの長さを変えることで塗布面の硬度や化粧料の保持量は互いに異なるものとなり、またパイルの色を変えることで装飾性の向上と共に、塗布面の区別をより視覚的に行うことができるものとなる。
その上で、第1の特徴のように、
上記塗布部が、一面は長いパイルによって形成されつつ、その略中央の一部に短いパイルによって凹陥部が形成される塗布面、他面は長いパイルによって平坦に形成される塗布面とからなるので、略中央の一部に凹陥部が形成されている一面の塗布面では、該凹陥部内に化粧料を多量に貯留するので、化粧料を厚く塗布することができるとともに、略中央の短いパイルにより形成される凹陥部13によってその表面を平滑にすることができるものとなる。
その一方で、凹陥部13がない平坦な他面の塗布面12c”では、相対的に化粧料6を多量に貯留するので、化粧料6を厚く塗布することができるものとなる。
本願発明は、一つの化粧料塗布体の塗布部の表面において、静電植毛加工により互いに異なる構成要素を有するパイルを一体に接着して複数の塗布面を形成するものであるので、使用者の必要とする触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性に合わせた塗布面を選択することによって、化粧料の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができる優れた効果を有するものである。
図1は、本願発明の実施例1である化粧料塗布体を具える化粧料容器の部分横断面図である。 図2(イ)は本願発明の実施例1である化粧料塗布体を具える化粧料容器を構成するキャップの部分横断面図であり、同図(ロ)は本願発明の実施例1である化粧料塗布体の要部拡大部分縦断面図である。 図3(イ)は本願発明の実施例1であるキャップ先端の要部拡大正面図、(ロ)は同左側面図、(ハ)は要部拡大横断面図、及び(ニ)は要部拡大縦断面図である。 図4(イ)は本願発明の実施例2であるキャップ先端の要部拡大正面図、(ロ)は同左側面図、(ハ)は要部拡大横断面図、及び(ニ)は要部拡大縦断面図である。 図5(イ)は本願発明の実施例3であるキャップ先端の要部拡大正面図、(ロ)は同左側面図、(ハ)は要部拡大横断面図、及び(ニ)は要部拡大縦断面図である。 図6(イ)は本願発明の実施例4であるキャップ先端の要部拡大正面図、(ロ)は同左側面図、(ハ)は要部拡大横断面図、及び(ニ)は要部拡大縦断面図である。
一つの化粧料塗布体の塗布部において形成された複数の塗布面から、使用者は、必要とする触感、化粧料の保持性、塗布性、又は操作性に合わせた塗布面を選択し、化粧料の塗布作業を簡易かつ確実に行えるように、当該複数の塗布面を形成するパイルの有する構成要素を互いに異なるようにするものである。
図1〜図3において示すのは、本願発明の実施例1である化粧料6を塗布する化粧料塗布体10を具える化粧料塗布容器1であり、該化粧料塗布容器1は、キャップ7と、化粧料6を収容し、その内部にシゴキ5を装着する開口部3の外周面に雄ネジ部4を螺設する容器本体2とからなるものである。
そして、該キャップ7には、開口側内周面に上記開口部3の雄ネジ部4と螺合する雌ネジ部8を内設した上で、その内部において根元に径大部9bを、先端に保持孔9aを形成する保持軸9を介して本願発明の実施例1である化粧料塗布体10を保持するものである。
ここで、上記キャップ7において保持される実施例1の化粧料塗布体10は、保持軸9先端に形成される保持孔9aに嵌合保持される軸部11と、該軸部11の先端方向において、互いに異なる長さを有するパイルを静電植毛加工によって一体に接着し、各々長さが異なるパイルよる複数の塗布面12’、12”を形成してなる塗布部12とから一体に構成されるものである。
すなわち、実施例1の化粧料塗布体10における塗布部12の表面に静電植毛加工により一体に接着されるパイルは、その構成要素のうち、長さが異なっているものである。
そのため、該塗布部12は、一面に短いパイルから形成される塗布面12’と、他面に長いパイルから形成される塗布面12”とを有するものとなる〔特に、図2(ロ)、図3(ロ)、(二)参照〕。
さらに、以下の実施例2乃至4においても、互いに異なることとなるパイルの構成要素をその長さとして説明する。
上述のように、本願発明の実施例1である化粧料塗布体10の塗布部12においては、一面は短いパイルから形成される塗布面12’、他面は長いパイルから形成される塗布面12”となっているものである。
従って、塗布部12において、一面の短いパイルから形成される塗布面12’では、相対的に化粧料6を少量しか貯留しないので、化粧料6を薄く塗布し、また塗布した化粧料6を平滑にすることもできるものとなる。
一方、他面の長いパイルから形成される塗布面12”では、化粧料6を多量に貯留するので、化粧料6を厚く塗布することができるものとなる。
以上のとおり、使用者は、一つの化粧料塗布体10において必要に合わせて塗布面12’、12”のいずれかを適宜選択することによって、化粧料6の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができるものとなる。
図4において示すのは、本願発明の実施例2である化粧料6を塗布する化粧料塗布体10aであり、該化粧料塗布体10aは実施例1の化粧料塗布体10と同様に、キャップ7と容器本体2とからなる化粧料塗布容器1のキャップ7内に保持軸9を介して保持されるものであって、該化粧料塗布体10aも軸部11aと該軸部11aの先端方向に形成される塗布部12aとから一体に構成されるものである。
そして、本願発明の実施例2である化粧料塗布体10aの塗布部12aは、その塗布部12aが軸部11aの軸線を含む平面に対して凹湾曲しているものである。
すなわち、該塗布部12aは、軸部の軸線に直交する方向に塗布部幅全部にわたって谷部を形成するように、該軸部11aの軸線を含む平面に対して凹湾曲しているものであって、該塗布部12aの表面には、凹湾曲している一面に長いパイルから形成される塗布面12a’、逆に凸湾曲している他面に短いパイルから形成される塗布面12a”とを有するものとなる〔特に、図4(ロ)、(二)参照〕。
上述のように、本願発明の実施例2である化粧料塗布体10aの塗布部12aにおいては、凹湾曲している一面は長いパイルから形成される塗布面12a’、逆に凸湾曲している他面は短いパイルから形成される塗布面12a”となっているものである。
従って、塗布部12aにおいて、凹湾曲している一面の塗布面12a’では、パイルが長い上に、凹湾曲面となっているので、化粧料6をより多量に貯留するので、化粧料6をより厚く塗布することができるものとなる。
一方、他面の短いパイルから形成される塗布面12a”では、化粧料6を少量しか貯留しないので、化粧料6を薄く塗布し、また塗布した化粧料6を平滑にすることもできるものとなる。
以上のとおり、使用者は、一つの化粧料塗布体10aにおいて必要に合わせて塗布面12a’、12a”いずれかを適宜選択して、化粧料6の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができるものとなる。
図5において示すのは、本願発明の実施例3である化粧料6を塗布する化粧料塗布体10bであり、該化粧料塗布体10bは実施例1又は実施例2の化粧料塗布体10、10aと同様に、キャップ7と容器本体2とからなる化粧料塗布容器1のキャップ7内に保持軸9を介して保持されるものであって、該化粧料塗布体10bも軸部11bと該軸部11bの先端方向に形成される塗布部12bとから一体に構成されるものである。
そして、本願発明の実施例3である化粧料塗布体10bの塗布部12bの表面は、軸部11bの軸線方向において先端が短いパイルから形成される塗布面12b’、根元が長いパイルから形成される塗布面12b”とからなるものである。
すなわち、軸部11bの軸線方向において該塗布部12bは、先端は静電植毛加工により一体に接着される短いパイルの肉薄な塗布面12b’、根元は静電植毛加工により一体に接着される長いパイルの肉厚な塗布面12b”を有するものとなる〔特に、図5(ロ)、(二)参照〕。
上述のように、本願発明の実施例3である化粧料塗布体10bの塗布部12bにおいては、先端が短いパイルの肉薄な塗布面12b’、根元が長いパイル長い肉厚な塗布面12b”となっているものである。
従って、塗布部12bにおいて、先端の肉薄な塗布面12b’では、化粧料6を少量しか貯留しないので、化粧料6を薄く塗布し、また塗布した化粧料6を平滑にすることもできるものとなる。
一方、根元の肉厚な塗布面12b”では、化粧料6を多量に貯留するので、化粧料6を厚く塗布することができるものとなる。
従って、使用者は、一つの化粧料塗布体10bにおいて必要に合わせて塗布面12b’、12b”のいずれかを適宜選択して、化粧料6の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができるものとなる。
図6において示すのは、本願発明の実施例4である化粧料6を塗布する化粧料塗布体10cであり、該化粧料塗布体10cは実施例1乃至実施例3の化粧料塗布体10、10a、10bと同様に、キャップ7と容器本体2とからなる化粧料塗布容器1のキャップ7内に保持軸9を介して保持されるものであって、該化粧料塗布体10cも軸部11cと該軸部11cの先端方向に形成される塗布部12cとから一体に構成されるものである。
そして、本願発明の実施例4である化粧料塗布体10cの塗布部12cの表面は、一面は長いパイルによって形成されつつ、その略中央の一部に短いパイルによって凹陥部13が形成される塗布面12c’、他面は長いパイルによって平坦に形成される塗布面12c”とからなるものである。
すなわち、塗布部12cは、一面が略中央に短いパイルによって凹陥部13が形成されている塗布面12c’と、他面が平坦な塗布面12c”とを有するものである(図6参照)。
上述のように、本願発明の実施例4である化粧料塗布体10cの塗布部12cにおいては、一面が略中央に短いパイルにより凹陥部13を形成している塗布面12c’、他面が平坦な塗布面12c”となっているものである。
従って、塗布部12cにおいて、略中央の一部に凹陥部13が形成されている一面の塗布面12c’では、化粧料6を多量に貯留するので、化粧料6を厚く塗布することができるとともに、略中央の短いパイルにより形成される凹陥部13によってその表面を平滑にすることができるものとなる。
一方、凹陥部13がない平坦な他面の塗布面12c”では、相対的に化粧料6を多量に貯留するので、化粧料6を厚く塗布することができるものとなる。
従って、使用者は、一つの化粧料塗布体10cにおいて必要に合わせて塗布面12c’、12c”いずれかを適宜選択して、化粧料6の塗布作業を簡易かつ確実に行うことができるものとなる。
1 化粧料塗布容器
2 容器本体
3 開口部
4 雄ネジ部
5 シゴキ
6 化粧料
7 キャップ
8 雌ネジ部
9 保持軸
9a 保持孔
9b 径大部
10、10a、10b、10c 化粧料塗布体
11、11a、11b、11c 軸部
12、12a、12b、12c 塗布部
12’、12”、12a’、12a”、12b’、12b”、12c’、12c” 塗布面
13 凹陥部

Claims (1)

  1. 軸部と、該軸部の先端方向に一体となる塗布部とから構成され、
    該塗布部の表面において、互いに材質、径、長さ又は色のうち少なくとも1つ以上の異なる構成要素を有するパイルを静電植毛加工により一体に接着して複数の塗布面を形成するものであって、
    塗布部は、一面は長いパイルによって形成されつつ、その略中央の一部に短いパイルによって凹陥部が形成される塗布面、他面は長いパイルによって平坦に形成される塗布面とからなる
    ことを特徴とする化粧料塗布体。
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